JPH09216840A - 4−ビニルビフェニルの製造方法 - Google Patents
4−ビニルビフェニルの製造方法Info
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- JPH09216840A JPH09216840A JP2251596A JP2251596A JPH09216840A JP H09216840 A JPH09216840 A JP H09216840A JP 2251596 A JP2251596 A JP 2251596A JP 2251596 A JP2251596 A JP 2251596A JP H09216840 A JPH09216840 A JP H09216840A
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- solvent
- producing
- ethylbiphenyl
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C5/00—Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms
- C07C5/32—Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with formation of free hydrogen
- C07C5/327—Formation of non-aromatic carbon-to-carbon double bonds only
- C07C5/333—Catalytic processes
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- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 4−エチルビフェニルの脱水素反応により4
−ビニルビフェニルを製造する際に、脱水素反応器出口
における閉塞を防止し、かつ精製操作が簡略化された4
−ビニルビフェニル混合物の工業的製造方法を提供す
る。 【解決手段】4−エチルビフェニルを30重量%以上含
有する原料油を、スチームの存在下に脱水素触媒と接触
させて脱水素し、反応生成ガスに4−ビニルビフェニル
に対し溶解性の冷却溶媒を添加して急冷し、4−ビニル
ビフェニル混合物を該冷却溶媒の溶液として回収し、こ
れを濃縮及び/又は冷却して晶析する。 【効果】 常温で固体の4−ビニルビフェニル混合物を
連続的に長期間安定して安価に製造することができる。
−ビニルビフェニルを製造する際に、脱水素反応器出口
における閉塞を防止し、かつ精製操作が簡略化された4
−ビニルビフェニル混合物の工業的製造方法を提供す
る。 【解決手段】4−エチルビフェニルを30重量%以上含
有する原料油を、スチームの存在下に脱水素触媒と接触
させて脱水素し、反応生成ガスに4−ビニルビフェニル
に対し溶解性の冷却溶媒を添加して急冷し、4−ビニル
ビフェニル混合物を該冷却溶媒の溶液として回収し、こ
れを濃縮及び/又は冷却して晶析する。 【効果】 常温で固体の4−ビニルビフェニル混合物を
連続的に長期間安定して安価に製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4−エチルビフェニル
を含有する原料油から、樹脂改質剤や重合用又は共重合
用モノマーとして有用な4−ビニルビフェニルを製造す
る方法に関する。
を含有する原料油から、樹脂改質剤や重合用又は共重合
用モノマーとして有用な4−ビニルビフェニルを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】4−ビニルビフェニルの製造方法とし
て、アルキルハライドと金属との錯体を利用したカップ
リング反応(Burnagin N.A.ら,Meta
loorg.Khim.,1989,2(4)893〜
897;Izv.Akad.NaukSSSR,Se
r.Khim.,1985,(9)2120〜212
9)が知られている。この方法は少量生産には向いてい
るが、原料油中の水分や他の極性化合物の混入を厳密に
制御する必要があり、さらに、反応後の金属錯体を分解
処理する必要があるため、比較的生産量の多い場合には
向いていない。
て、アルキルハライドと金属との錯体を利用したカップ
リング反応(Burnagin N.A.ら,Meta
loorg.Khim.,1989,2(4)893〜
897;Izv.Akad.NaukSSSR,Se
r.Khim.,1985,(9)2120〜212
9)が知られている。この方法は少量生産には向いてい
るが、原料油中の水分や他の極性化合物の混入を厳密に
制御する必要があり、さらに、反応後の金属錯体を分解
処理する必要があるため、比較的生産量の多い場合には
向いていない。
【0003】また、光分解反応を利用した(タカムク
セツオら,日本化学会誌,1984(1)67〜74)
も知られているが、高レベルのエネルギーを有した光を
利用するもので、工業的な大量生産に適した方法とはい
えない。
セツオら,日本化学会誌,1984(1)67〜74)
も知られているが、高レベルのエネルギーを有した光を
利用するもので、工業的な大量生産に適した方法とはい
えない。
【0004】さらに、エチルベンゼンの脱水素反応と同
様に、4−エチルビフェニルの脱水素反応による製造方
法が考えられる。しかしながら、エチルベンゼンの脱水
素によるスチレンの製造技術をそのままを適用すると、
脱水素反応生成ガスを凝縮する熱交換器内部で、4−ビ
ニルビフェニルの重合物による閉塞が生じて連続運転が
できない問題点がある。
様に、4−エチルビフェニルの脱水素反応による製造方
法が考えられる。しかしながら、エチルベンゼンの脱水
素によるスチレンの製造技術をそのままを適用すると、
脱水素反応生成ガスを凝縮する熱交換器内部で、4−ビ
ニルビフェニルの重合物による閉塞が生じて連続運転が
できない問題点がある。
【0005】この問題の解決手段として、特開平4−2
02145公報は、脱水素反応生成物に良溶媒を添加し
て急冷し、良溶媒を濃縮した後に、純度95%以上の低
級アルコールを添加して晶析により、4−ビニルビフェ
ニル類を得る製造方法を開示している。ここで得られる
製品は常温で固体である。しかしながら、この方法は複
雑な精製工程を有し、晶析設備や溶媒の回収設備が必要
となり、工業的な方法とはいえない。
02145公報は、脱水素反応生成物に良溶媒を添加し
て急冷し、良溶媒を濃縮した後に、純度95%以上の低
級アルコールを添加して晶析により、4−ビニルビフェ
ニル類を得る製造方法を開示している。ここで得られる
製品は常温で固体である。しかしながら、この方法は複
雑な精製工程を有し、晶析設備や溶媒の回収設備が必要
となり、工業的な方法とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、4−エチルビフェニル混合物の脱水素反応によ
り4−ビニルビフェニル混合物を製造する際に、脱水素
反応器出口における結晶性化合物の堆積や重合による閉
塞を防止し、脱水素反応生成油の効率的な分離精製によ
り、4−ビニルビフェニルの工業的製造方法を提供する
ことにある。
目的は、4−エチルビフェニル混合物の脱水素反応によ
り4−ビニルビフェニル混合物を製造する際に、脱水素
反応器出口における結晶性化合物の堆積や重合による閉
塞を防止し、脱水素反応生成油の効率的な分離精製によ
り、4−ビニルビフェニルの工業的製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、4
−エチルビフェニルを30重量%以上含有する原料油
を、スチームの存在下に脱水素触媒と接触させて脱水素
し、反応生成ガスに4−ビニルビフェニルに対し溶解性
の冷却溶媒を添加して急冷し、4−ビニルビフェニル混
合物を該冷却溶媒の溶液として回収し、これを濃縮及び
/又は冷却して晶析することを特徴とする4−ビニルビ
フェニルの製造方法である。
−エチルビフェニルを30重量%以上含有する原料油
を、スチームの存在下に脱水素触媒と接触させて脱水素
し、反応生成ガスに4−ビニルビフェニルに対し溶解性
の冷却溶媒を添加して急冷し、4−ビニルビフェニル混
合物を該冷却溶媒の溶液として回収し、これを濃縮及び
/又は冷却して晶析することを特徴とする4−ビニルビ
フェニルの製造方法である。
【0008】
【発明の実施態様】本発明で原料とする4−エチルビフ
ェニルは、単独であっても、幾つかの異性体の混合物で
あってもよい。また、4−エチルビフェニルは多少の不
純物を含んでもよいし、トルエン等の脱水素反応を受け
ない置換基を有する芳香族炭化水素溶媒又は無置換の芳
香族炭化水素溶媒に溶解して使用してもよい。いずれに
しても、4−エチルビフェニルを30重量%以上含有す
る原料油を脱水素反応に供給する。原料油の4−エチル
ビフェニルの含有量が30重量%に満たない場合は、生
産性が低下するので好ましくない。
ェニルは、単独であっても、幾つかの異性体の混合物で
あってもよい。また、4−エチルビフェニルは多少の不
純物を含んでもよいし、トルエン等の脱水素反応を受け
ない置換基を有する芳香族炭化水素溶媒又は無置換の芳
香族炭化水素溶媒に溶解して使用してもよい。いずれに
しても、4−エチルビフェニルを30重量%以上含有す
る原料油を脱水素反応に供給する。原料油の4−エチル
ビフェニルの含有量が30重量%に満たない場合は、生
産性が低下するので好ましくない。
【0009】脱水素反応は、4−エチルビフェニルとス
チームとを脱水素反応触媒が充填された反応器に装入し
て行う。反応温度は、触媒の種類、SV、原料油組成、
スチーム比等により変化するが、580〜680℃の範
囲がよい。スチーム比(対4−エチルビフェニル)は、
通常1〜20重量倍、好ましくは3〜12重量倍がよ
い。脱水素反応触媒としては、エチルベンゼンの脱水素
反応に用いられる触媒、例えば、鉄−カリウム−クロム
−酸素系、鉄−クロム−バナジウム−コバルト−カリウ
ム−酸素系等の酸化鉄系触媒等があげられる。
チームとを脱水素反応触媒が充填された反応器に装入し
て行う。反応温度は、触媒の種類、SV、原料油組成、
スチーム比等により変化するが、580〜680℃の範
囲がよい。スチーム比(対4−エチルビフェニル)は、
通常1〜20重量倍、好ましくは3〜12重量倍がよ
い。脱水素反応触媒としては、エチルベンゼンの脱水素
反応に用いられる触媒、例えば、鉄−カリウム−クロム
−酸素系、鉄−クロム−バナジウム−コバルト−カリウ
ム−酸素系等の酸化鉄系触媒等があげられる。
【0010】反応器から流出する反応生成ガスは、4−
ビニルビフェニルのほかに4−メチルビフェニル、ビフ
ェニル等の反応副成物及び未反応4−エチルビフェニル
等の高沸点化合物と、スチーム、水素等の低沸点化合物
又はガス分を主とするものであって、上記反応温度に近
い温度を有している。この反応生成ガスを冷却し、油相
と水相に分離してビニルビフェニルを回収するが、通常
の熱交換器で冷却した場合には、熱交換器内部での閉塞
が激しいので、連続運転が困難である。これは、結晶性
の4−ビニルビフェニルが反応器内部で堆積したり、重
合したりするためである。本発明では、反応器から流出
する反応生成ガス、好ましくは流出した直後の反応生成
ガスに冷却溶媒を添加して急冷することで、この閉塞問
題を解決した。
ビニルビフェニルのほかに4−メチルビフェニル、ビフ
ェニル等の反応副成物及び未反応4−エチルビフェニル
等の高沸点化合物と、スチーム、水素等の低沸点化合物
又はガス分を主とするものであって、上記反応温度に近
い温度を有している。この反応生成ガスを冷却し、油相
と水相に分離してビニルビフェニルを回収するが、通常
の熱交換器で冷却した場合には、熱交換器内部での閉塞
が激しいので、連続運転が困難である。これは、結晶性
の4−ビニルビフェニルが反応器内部で堆積したり、重
合したりするためである。本発明では、反応器から流出
する反応生成ガス、好ましくは流出した直後の反応生成
ガスに冷却溶媒を添加して急冷することで、この閉塞問
題を解決した。
【0011】本発明で使用する冷却溶媒は、熱安定性が
高く、製品の4−ビニルビフェニルや原料の4−エチル
ビフェニルとの沸点差や融点差が大きいものが好まし
く、より好ましくは上記要件を満たす他、反応生成ガス
の冷却能力に優れ、かつ4−ビニルビフェニルの溶解能
力に優れた溶媒である。この場合、4−ビニルビフェニ
ルの溶解能力の方が反応生成ガスの冷却能力よりも重要
である。具体的に冷却溶媒を例示すると、ベンゼン、側
鎖のアルキル基1個あたりの炭素数が1〜12である、
アルキルベンゼン、アルキルビフェニル、ポリアルキル
ベンゼン、ポリアルキルビフェニル、アルキル化残油等
の融点が10℃以下の芳香族炭化水素、総炭素数が5〜
12のパラフィン及び水等をあげることができる。そし
て、冷却溶媒としてこれらのうち1種を使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。特に、冷却溶媒を水と
有機溶媒と組み合わせ複合溶媒として使用すると、急冷
効果がさらに高まり、長期間にわたって閉塞が防止でき
る。
高く、製品の4−ビニルビフェニルや原料の4−エチル
ビフェニルとの沸点差や融点差が大きいものが好まし
く、より好ましくは上記要件を満たす他、反応生成ガス
の冷却能力に優れ、かつ4−ビニルビフェニルの溶解能
力に優れた溶媒である。この場合、4−ビニルビフェニ
ルの溶解能力の方が反応生成ガスの冷却能力よりも重要
である。具体的に冷却溶媒を例示すると、ベンゼン、側
鎖のアルキル基1個あたりの炭素数が1〜12である、
アルキルベンゼン、アルキルビフェニル、ポリアルキル
ベンゼン、ポリアルキルビフェニル、アルキル化残油等
の融点が10℃以下の芳香族炭化水素、総炭素数が5〜
12のパラフィン及び水等をあげることができる。そし
て、冷却溶媒としてこれらのうち1種を使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。特に、冷却溶媒を水と
有機溶媒と組み合わせ複合溶媒として使用すると、急冷
効果がさらに高まり、長期間にわたって閉塞が防止でき
る。
【0012】この冷却溶媒の使用量は、反応生成ガス中
の結晶成分を溶解するのに足る量以上である。また、冷
却溶媒の液温は、常温又はそれ以下の低温としておくこ
とがよい。そして、冷却溶媒は、装置内における結晶成
分の熱重合等を防止するするため、熱交換器へ均等に噴
霧することがよい。製品の4−ビニルビフェニルは、常
温で固体(融点121℃)であり、熱重合性が高いの
で、単体を高温で移送することが困難である。そこで、
脱水素反応器出口に冷却溶媒を装入することで、高温ガ
スが冷却されるとともに結晶成分が冷却溶媒に溶解し
て、溶液として移送が可能になる。
の結晶成分を溶解するのに足る量以上である。また、冷
却溶媒の液温は、常温又はそれ以下の低温としておくこ
とがよい。そして、冷却溶媒は、装置内における結晶成
分の熱重合等を防止するするため、熱交換器へ均等に噴
霧することがよい。製品の4−ビニルビフェニルは、常
温で固体(融点121℃)であり、熱重合性が高いの
で、単体を高温で移送することが困難である。そこで、
脱水素反応器出口に冷却溶媒を装入することで、高温ガ
スが冷却されるとともに結晶成分が冷却溶媒に溶解し
て、溶液として移送が可能になる。
【0013】ここで得られた反応生成物は、水相及び4
−ビニルビフェニル等を含む油相からなり、これから気
液分離及び油水分離することで4−ビニルビフェニルを
回収できる。気液分離は公知の方法で行うことができ、
油水分離は比重差分離で行うことができる。得られた油
相すなわち生成油は、4−ビニルビフェニル、4−エチ
ルビフェニル等及び添加した冷却溶媒を主成分とするも
のである。これはそのまま製品として出荷してもよい
が、濃縮若しくは冷却、又は濃縮と冷却を行って4−ビ
ニルビフェニルを晶析して製品とする。製品に残存する
溶剤は、比較的低沸点の化合物であり、空気気流中又は
窒素雰囲気下で一昼夜保持することで容易に乾燥するこ
とができる。また、回収した4−エチルビフェニルは脱
水素反応原料として再利用することができる。
−ビニルビフェニル等を含む油相からなり、これから気
液分離及び油水分離することで4−ビニルビフェニルを
回収できる。気液分離は公知の方法で行うことができ、
油水分離は比重差分離で行うことができる。得られた油
相すなわち生成油は、4−ビニルビフェニル、4−エチ
ルビフェニル等及び添加した冷却溶媒を主成分とするも
のである。これはそのまま製品として出荷してもよい
が、濃縮若しくは冷却、又は濃縮と冷却を行って4−ビ
ニルビフェニルを晶析して製品とする。製品に残存する
溶剤は、比較的低沸点の化合物であり、空気気流中又は
窒素雰囲気下で一昼夜保持することで容易に乾燥するこ
とができる。また、回収した4−エチルビフェニルは脱
水素反応原料として再利用することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0015】実施例1〜4 内径40mm、長さ1mの脱水素反応管に酸化鉄系触媒
(日産ガードラーG−84D)500mlを充填し、4−
エチルビフェニルをトルエンに重量比で1:1で溶解し
たものを装入原料とし、200ml/時間で気化器に送っ
て気化させ、スチームと共に反応器に装入した。スチー
ム比(対4−エチルビフェニル)は5重量倍とした。反
応器出口から10cmの位置に冷却溶媒噴霧ノズルを設
け、反応器から流出する反応生成ガスに、冷却溶媒とし
て水2.5容量倍とトルエン2.5容量倍を噴霧添加し
た。この脱水素反応を60時間継続したが、配管内に閉
塞等が生ずることなく安定して運転ができた。流出物を
気液分離と油水分離して得られた生成油についてガスク
ロマトグラフィー法で分析した。
(日産ガードラーG−84D)500mlを充填し、4−
エチルビフェニルをトルエンに重量比で1:1で溶解し
たものを装入原料とし、200ml/時間で気化器に送っ
て気化させ、スチームと共に反応器に装入した。スチー
ム比(対4−エチルビフェニル)は5重量倍とした。反
応器出口から10cmの位置に冷却溶媒噴霧ノズルを設
け、反応器から流出する反応生成ガスに、冷却溶媒とし
て水2.5容量倍とトルエン2.5容量倍を噴霧添加し
た。この脱水素反応を60時間継続したが、配管内に閉
塞等が生ずることなく安定して運転ができた。流出物を
気液分離と油水分離して得られた生成油についてガスク
ロマトグラフィー法で分析した。
【0016】ついで、この生成油を攪拌機で一定の回転
数で攪拌しながら、恒温槽で所定温度に所定時間保ち、
4−ビニルビフェニルを晶析した。その後、遠心分離機
で30分間遠心分離して晶析母液を振り切り、結晶を分
取した。さらに、分取した結晶を窒素雰囲気下で一昼夜
保持して乾燥した。
数で攪拌しながら、恒温槽で所定温度に所定時間保ち、
4−ビニルビフェニルを晶析した。その後、遠心分離機
で30分間遠心分離して晶析母液を振り切り、結晶を分
取した。さらに、分取した結晶を窒素雰囲気下で一昼夜
保持して乾燥した。
【0017】分取した結晶及び乾燥した結晶をガスクロ
マトグラフィー法で分析し、製品4−ビニルビフェニル
の純度と溶媒含有率を測定した。また、晶析母液も分析
して4−ビニルビフェニルの回収率を計算した。なお、
4−ビニルビフェニルの回収率は、結晶中の4−ビニル
ビフェニル/晶析原料中の4−ビニルビフェニル(重量
比)で求めた。反応温度及び実験結果を表1に、原料油
及び生成油の分析結果を表2に、晶析条件を表3に、晶
析結果及び乾燥結果を表4に掲げる。
マトグラフィー法で分析し、製品4−ビニルビフェニル
の純度と溶媒含有率を測定した。また、晶析母液も分析
して4−ビニルビフェニルの回収率を計算した。なお、
4−ビニルビフェニルの回収率は、結晶中の4−ビニル
ビフェニル/晶析原料中の4−ビニルビフェニル(重量
比)で求めた。反応温度及び実験結果を表1に、原料油
及び生成油の分析結果を表2に、晶析条件を表3に、晶
析結果及び乾燥結果を表4に掲げる。
【0018】比較例1 脱水素反応生成ガスに冷却溶媒を噴霧しない他は、実施
例2と同様にして実験を行った。この実験を開始してか
ら1時間で配管内部に閉塞等が生じ、運転を中止せざる
をえなかった。反応温度及び実験結果を表1に掲げる。
例2と同様にして実験を行った。この実験を開始してか
ら1時間で配管内部に閉塞等が生じ、運転を中止せざる
をえなかった。反応温度及び実験結果を表1に掲げる。
【0019】
【表1】
【0020】表1において、選択率は4−ビニルビフェ
ニルの選択率を表す。
ニルの選択率を表す。
【0021】
【表2】
【0022】表2において、BPはビフェニル、4−M
BPは4−メチルビフェニル、4−EBPは4−エチル
ビフェニル、4−VBPは4−ビニルビフェニル、ND
は不検出を表し、また、各数値は重量%である。なお、
冷却溶媒として添加したトルエンはガスクロマトグラフ
ィー分析の際にプレカットして分析した。
BPは4−メチルビフェニル、4−EBPは4−エチル
ビフェニル、4−VBPは4−ビニルビフェニル、ND
は不検出を表し、また、各数値は重量%である。なお、
冷却溶媒として添加したトルエンはガスクロマトグラフ
ィー分析の際にプレカットして分析した。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】表4において、4−VBP純度の欄の(
)内は、4−ビニルビフェニルの溶媒含有率(%)を
表す。
)内は、4−ビニルビフェニルの溶媒含有率(%)を
表す。
【0026】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の製造法によ
れば、4−エチルビフェニルを出発原料として用い、脱
水素反応法と、脱水素反応生成油と冷却溶媒との混合物
をそのまま晶析することで、常温で固体の4−ビニルビ
フェニルを連続的に長期間安定して製造することができ
る。特に、冷却溶媒が晶析母液を兼ねる本発明は他の製
造法と比較してプロセスが簡略であり、4−ビニルビフ
ェニルを高回収率で回収できるので、大規模な工業的製
造方法として極めて有用である。
れば、4−エチルビフェニルを出発原料として用い、脱
水素反応法と、脱水素反応生成油と冷却溶媒との混合物
をそのまま晶析することで、常温で固体の4−ビニルビ
フェニルを連続的に長期間安定して製造することができ
る。特に、冷却溶媒が晶析母液を兼ねる本発明は他の製
造法と比較してプロセスが簡略であり、4−ビニルビフ
ェニルを高回収率で回収できるので、大規模な工業的製
造方法として極めて有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 4−エチルビフェニルを30重量%以上
含有する原料油を、スチームの存在下に脱水素触媒と接
触させて脱水素し、反応生成ガスに4−ビニルビフェニ
ルに対し溶解性の冷却溶媒を添加して急冷し、4−ビニ
ルビフェニル混合物を該冷却溶媒の溶液として回収し、
これを濃縮及び/又は冷却して晶析することを特徴とす
る4−ビニルビフェニルの製造方法。 - 【請求項2】 冷却溶媒が、ベンゼン、側鎖のアルキル
基1個あたりの炭素数が1〜12である、アルキルベン
ゼン、アルキルビフェニル、ポリアルキルベンゼン、ポ
リアルキルビフェニル、アルキル化残油等の融点が10
℃以下の芳香族炭化水素、総炭素数が5〜12のパラフ
ィン及び水からなる群から選ばれた少なくとも1種の溶
媒である請求項1に記載の4−ビニルビフェニルの製造
方法。 - 【請求項3】 冷却溶媒が、有機溶媒と水との複合溶媒
である請求項2に記載の4−ビニルビフェニルの製造方
法。 - 【請求項4】 有機溶媒が、トルエンである請求項3に
記載の4−ビニルビフェニルの製造方法。 - 【請求項5】 4−エチルビフェニルを置換又は無置換
の芳香族炭化水素溶媒の溶液として脱水素反応に供給す
る請求項1に記載のビニルビフェニルの製造方法。 - 【請求項6】 置換芳香族炭化水素溶媒が、トルエンで
ある請求項5に記載のビニルビフェニルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2251596A JPH09216840A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 4−ビニルビフェニルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2251596A JPH09216840A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 4−ビニルビフェニルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09216840A true JPH09216840A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12084914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2251596A Pending JPH09216840A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 4−ビニルビフェニルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09216840A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6367451B2 (en) | 1998-10-05 | 2002-04-09 | Sanshin Kogyo Kabushiki Kaisha | Fuel supply system for a direct injected outboard engine |
-
1996
- 1996-02-08 JP JP2251596A patent/JPH09216840A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6367451B2 (en) | 1998-10-05 | 2002-04-09 | Sanshin Kogyo Kabushiki Kaisha | Fuel supply system for a direct injected outboard engine |
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