JPH0712150A - 湿式バンドブレーキ装置 - Google Patents
湿式バンドブレーキ装置Info
- Publication number
- JPH0712150A JPH0712150A JP15331293A JP15331293A JPH0712150A JP H0712150 A JPH0712150 A JP H0712150A JP 15331293 A JP15331293 A JP 15331293A JP 15331293 A JP15331293 A JP 15331293A JP H0712150 A JPH0712150 A JP H0712150A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake
- brake drum
- groove
- band
- lubricating
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 湿式バンドブレーキ装置において、ブレーキ
締結時の係合トルク確保とフェーシングの耐久性向上と
の両立を図ること。 【構成】 円筒部2に軸芯給油のための潤滑穴4を設け
た回転自在のブレーキドラム1と、該ブレーキドラム1
を停止させるためのブレーキバンド5とで構成される湿
式バンドブレーキ装置において、ブレーキドラム1の外
周部に溝3を設けると共に、該溝3の位置に前記軸芯給
油のための潤滑穴4を設けた。
締結時の係合トルク確保とフェーシングの耐久性向上と
の両立を図ること。 【構成】 円筒部2に軸芯給油のための潤滑穴4を設け
た回転自在のブレーキドラム1と、該ブレーキドラム1
を停止させるためのブレーキバンド5とで構成される湿
式バンドブレーキ装置において、ブレーキドラム1の外
周部に溝3を設けると共に、該溝3の位置に前記軸芯給
油のための潤滑穴4を設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式バンドブレーキ装
置、特に、車両用自動変速機に用いられる湿式バンドブ
レーキ装置に関する。
置、特に、車両用自動変速機に用いられる湿式バンドブ
レーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用自動変速機に用いられる湿
式バンドブレーキ装置としては、例えば、図5に記載の
ものが知られている。
式バンドブレーキ装置としては、例えば、図5に記載の
ものが知られている。
【0003】この例では、ケース104に対し回転自在
に支承されたブレーキドラム101の外周にブレーキバ
ンド102が巻き付けられ、このブレーキバンド102
の一端はアンカーボルト105でブレーキバンド102
が広がる方向の拘束を受け、他端はピストンステム10
6によりブレーキバンド102が広がる方向の拘束を受
け、サーボピストン107,サーボピストンリテーナ1
08及びODサーボピストン109に油圧が作用するこ
とにより、ピストンステム106を摺動させて、ブレー
キ締結力の発生及び解除を行うようにした構造が示され
ている。
に支承されたブレーキドラム101の外周にブレーキバ
ンド102が巻き付けられ、このブレーキバンド102
の一端はアンカーボルト105でブレーキバンド102
が広がる方向の拘束を受け、他端はピストンステム10
6によりブレーキバンド102が広がる方向の拘束を受
け、サーボピストン107,サーボピストンリテーナ1
08及びODサーボピストン109に油圧が作用するこ
とにより、ピストンステム106を摺動させて、ブレー
キ締結力の発生及び解除を行うようにした構造が示され
ている。
【0004】そして、ブレーキドラム101の平滑円筒
面には、図6に示すように、軸心からの潤滑油をブレー
キドラム101の外周とブレーキバンド102の内周の
隙間に送るための潤滑穴110が設けられている。
面には、図6に示すように、軸心からの潤滑油をブレー
キドラム101の外周とブレーキバンド102の内周の
隙間に送るための潤滑穴110が設けられている。
【0005】上記従来の技術にあっては、ブレーキの非
締結時から締結時に至る時に、この締結時の作動後期に
おいては、ブレーキドラム101とブレーキバンド10
2の内側に貼り合わせられたフェーシング間の油が排出
されて境界潤滑状態となって、摩擦係数が所定値とな
り、所定の係合トルクが得られるものの、その作動初期
においては、ブレーキドラム101がピストン力により
ブレーキバンド102で押し付けられる結果、ブレーキ
ドラム101とブレーキバンド102との間の隙間にあ
った潤滑油は、ブレーキバンド102の横やブレーキド
ラム101に設けられた潤滑穴110から排出しようと
するが、この隙間は極めて小さくなっている為、この隙
間から潤滑油を排出するのが困難となるので、ピストン
力による油圧を発生するとともに、ハイドロプレーニン
グ現象によりブレーキバンドを浮かしてしまい、油膜形
成に伴う流体潤滑状態が生じ、フェーシングがブレーキ
ドラムとは接触せず、極めて低い摩擦係数となって、所
定の係合トルクが得られないという問題があった。
締結時から締結時に至る時に、この締結時の作動後期に
おいては、ブレーキドラム101とブレーキバンド10
2の内側に貼り合わせられたフェーシング間の油が排出
されて境界潤滑状態となって、摩擦係数が所定値とな
り、所定の係合トルクが得られるものの、その作動初期
においては、ブレーキドラム101がピストン力により
ブレーキバンド102で押し付けられる結果、ブレーキ
ドラム101とブレーキバンド102との間の隙間にあ
った潤滑油は、ブレーキバンド102の横やブレーキド
ラム101に設けられた潤滑穴110から排出しようと
するが、この隙間は極めて小さくなっている為、この隙
間から潤滑油を排出するのが困難となるので、ピストン
力による油圧を発生するとともに、ハイドロプレーニン
グ現象によりブレーキバンドを浮かしてしまい、油膜形
成に伴う流体潤滑状態が生じ、フェーシングがブレーキ
ドラムとは接触せず、極めて低い摩擦係数となって、所
定の係合トルクが得られないという問題があった。
【0006】そこで、この問題を解決する手段として、
例えば、実開平2ー41734号公報に記載されている
ように、フェーシングのブレーキドラムとの摩擦面に油
溝を設けた構造が知られている。
例えば、実開平2ー41734号公報に記載されている
ように、フェーシングのブレーキドラムとの摩擦面に油
溝を設けた構造が知られている。
【0007】これによれば、フェーシングに設けられた
油溝の密度を密とすることで、油膜を切れ易くして、ブ
レーキの締結作動初期における流体潤滑状態をいち早く
解消し、ブレーキ締結時間のほとんどを境界潤滑状態と
することができるので、その締結作動初期から所定の係
合トルクが得られる。
油溝の密度を密とすることで、油膜を切れ易くして、ブ
レーキの締結作動初期における流体潤滑状態をいち早く
解消し、ブレーキ締結時間のほとんどを境界潤滑状態と
することができるので、その締結作動初期から所定の係
合トルクが得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開平2−41734号公報に記載のものにあっては、そ
の作動時間の初期に境界潤滑状態となる為、その作動時
間の後期には必要以上に油が切れてしまって、フェーシ
ングには油があまり含まれない固定潤滑に近い状態とな
る。
開平2−41734号公報に記載のものにあっては、そ
の作動時間の初期に境界潤滑状態となる為、その作動時
間の後期には必要以上に油が切れてしまって、フェーシ
ングには油があまり含まれない固定潤滑に近い状態とな
る。
【0009】これにより、フェーシングは熱容量が少な
い状態となり、また、油溝を密にしていることでフェー
シング面積が少なくなり、ブレーキ締結時に生じる熱に
よりフェーシングに温度上昇をもたらし、フェーシング
の耐久性を損なうことになり易いという問題があった。
い状態となり、また、油溝を密にしていることでフェー
シング面積が少なくなり、ブレーキ締結時に生じる熱に
よりフェーシングに温度上昇をもたらし、フェーシング
の耐久性を損なうことになり易いという問題があった。
【0010】なお、乾式ブレーキ装置において、ブレー
キドラムの筒状部の内周面に複数個の溝を設けて、ブレ
ーキドラム内部に浸入した雨水を外部に排出したもの
(実開昭62ー4640号公報)、ブレーキドラムに排
出孔を設けて、ブレーキライニングの摩耗粉あるいは浸
入水を外部に排出したもの(実開昭60ー110740
号公報)等の様に、ブレーキドラム側に溝を設けた構造
が知られているが、これら構造を例え、湿式バンドブレ
ーキ装置に採用しても、フェーシングに比べ耐久性が問
題とならないブレーキドラム側に溝を設けているため、
フェーシング面積が少なくならず、フェーシングの耐久
性は改善するものの、依然としてブレーキ締結後期にお
ける適当な潤滑状態が得られないという問題があった。
キドラムの筒状部の内周面に複数個の溝を設けて、ブレ
ーキドラム内部に浸入した雨水を外部に排出したもの
(実開昭62ー4640号公報)、ブレーキドラムに排
出孔を設けて、ブレーキライニングの摩耗粉あるいは浸
入水を外部に排出したもの(実開昭60ー110740
号公報)等の様に、ブレーキドラム側に溝を設けた構造
が知られているが、これら構造を例え、湿式バンドブレ
ーキ装置に採用しても、フェーシングに比べ耐久性が問
題とならないブレーキドラム側に溝を設けているため、
フェーシング面積が少なくならず、フェーシングの耐久
性は改善するものの、依然としてブレーキ締結後期にお
ける適当な潤滑状態が得られないという問題があった。
【0011】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、その目的とするところは、湿式バンドブ
レーキ装置において、ブレーキ締結時の係合トルク確保
とフェーシングの耐久性向上との両立を図ることにあ
る。
されたもので、その目的とするところは、湿式バンドブ
レーキ装置において、ブレーキ締結時の係合トルク確保
とフェーシングの耐久性向上との両立を図ることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の湿式バンドブレーキ装置では、円筒部に軸芯給
油のための潤滑穴を設けた回転自在のブレーキドラム
と、該ブレーキドラムを停止させるためのブレーキバン
ドとで構成される湿式バンドブレーキ装置において、前
記ブレーキドラムの外周部に溝を設けると共に、該溝の
位置に前記軸芯給油のための潤滑穴を設けたことを特徴
とする。
本発明の湿式バンドブレーキ装置では、円筒部に軸芯給
油のための潤滑穴を設けた回転自在のブレーキドラム
と、該ブレーキドラムを停止させるためのブレーキバン
ドとで構成される湿式バンドブレーキ装置において、前
記ブレーキドラムの外周部に溝を設けると共に、該溝の
位置に前記軸芯給油のための潤滑穴を設けたことを特徴
とする。
【0013】
【作用】ブレーキ締結初期には、ブレーキドラムの外周
とブレーキバンドの内周との隙間に存在する潤滑油が、
ブレーキドラムの外周部に設けられた溝を通って外部に
排出されるので、油膜切れを促進し、流体潤滑状態から
境界潤滑状態への移行がいち早く行われる。
とブレーキバンドの内周との隙間に存在する潤滑油が、
ブレーキドラムの外周部に設けられた溝を通って外部に
排出されるので、油膜切れを促進し、流体潤滑状態から
境界潤滑状態への移行がいち早く行われる。
【0014】そして、ブレーキ締結後期には、潤滑油が
溝に設けられた軸芯給油のための潤滑穴から適度に供給
されるので、必要以上の油膜切れを起こさず、所望の境
界潤滑状態がそのまま維持される。
溝に設けられた軸芯給油のための潤滑穴から適度に供給
されるので、必要以上の油膜切れを起こさず、所望の境
界潤滑状態がそのまま維持される。
【0015】また、溝に設けられた潤滑穴から潤滑油が
供給され続け、この溝を通過する潤滑油がフェーシング
に接触したあと排出されるため、ブレーキングによって
発生する熱は、その大部分が溝を通過する潤滑油により
持ち去られ、フェーシングの温度上昇が抑えられる。
供給され続け、この溝を通過する潤滑油がフェーシング
に接触したあと排出されるため、ブレーキングによって
発生する熱は、その大部分が溝を通過する潤滑油により
持ち去られ、フェーシングの温度上昇が抑えられる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0017】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0018】図1は第1実施例の湿式バンドブレーキ装
置のブレーキドラムを示す斜視図である。尚、ブレーキ
ドラム以外のブレーキバンドや油圧サーボアクチュエー
タ等の構成は、図5に示す従来装置と同様であり、図示
並びに説明を省略する。
置のブレーキドラムを示す斜視図である。尚、ブレーキ
ドラム以外のブレーキバンドや油圧サーボアクチュエー
タ等の構成は、図5に示す従来装置と同様であり、図示
並びに説明を省略する。
【0019】図1において、1はブレーキドラムで、筒
状部2と、この筒状部2の外周面に軸芯XーXと平行に
形成された複数の溝3と、各溝3の中央位置に重なるよ
うに形成された軸芯給油のための潤滑穴4とを有して構
成されている。
状部2と、この筒状部2の外周面に軸芯XーXと平行に
形成された複数の溝3と、各溝3の中央位置に重なるよ
うに形成された軸芯給油のための潤滑穴4とを有して構
成されている。
【0020】ここで、溝3のピッチを密にすればするほ
ど、潤滑油の量を増やしても油膜の形成は無くなり、流
体潤滑の回避と冷却効果との両立が図れるが、バンドフ
ェーシングの面圧が上昇するのでおのずと限界がある。
ど、潤滑油の量を増やしても油膜の形成は無くなり、流
体潤滑の回避と冷却効果との両立が図れるが、バンドフ
ェーシングの面圧が上昇するのでおのずと限界がある。
【0021】次に、作用を説明する。
【0022】[締結初期段階]ブレーキ締結開始から初
期段階では、ブレーキバンド5がブレーキドラム1にピ
ストン力により押し付けられる。
期段階では、ブレーキバンド5がブレーキドラム1にピ
ストン力により押し付けられる。
【0023】この時、ブレーキドラムに溝が形成されて
いない場合を考えると、ブレーキバンドとブレーキドラ
ムとの隙間にあった潤滑油は、バンドの横やバンドに開
けられた穴から排出されようとするが、ピストン力によ
りブレーキバンドがブレーキドラムに押し付けられた結
果、両者の隙間がきわめて小さくなっているため、隙間
から潤滑油が排出されるのが難しく、ピストン力に起因
する油圧を発生すると共に、ハイドロプレーニング現象
によりバンドを浮かしてしまう。
いない場合を考えると、ブレーキバンドとブレーキドラ
ムとの隙間にあった潤滑油は、バンドの横やバンドに開
けられた穴から排出されようとするが、ピストン力によ
りブレーキバンドがブレーキドラムに押し付けられた結
果、両者の隙間がきわめて小さくなっているため、隙間
から潤滑油が排出されるのが難しく、ピストン力に起因
する油圧を発生すると共に、ハイドロプレーニング現象
によりバンドを浮かしてしまう。
【0024】これに対し、第1実施例では、ブレーキド
ラム1の筒状部2の外周面には複数の溝3が形成されて
いて、この溝3の部分では潤滑油供給流量に比べ潤滑油
排出能力が十分であり、その油圧は概略大気圧(バンド
周辺圧力)となるため、隣接する溝3と溝3との間の油
圧分布は、図2に示すように、中央部の油圧が高く溝3
に近づくほど油圧が低下する分布となる。また、溝3の
ピッチを密にすればするほど油圧のレベルを低く抑える
ことができる。
ラム1の筒状部2の外周面には複数の溝3が形成されて
いて、この溝3の部分では潤滑油供給流量に比べ潤滑油
排出能力が十分であり、その油圧は概略大気圧(バンド
周辺圧力)となるため、隣接する溝3と溝3との間の油
圧分布は、図2に示すように、中央部の油圧が高く溝3
に近づくほど油圧が低下する分布となる。また、溝3の
ピッチを密にすればするほど油圧のレベルを低く抑える
ことができる。
【0025】したがって、流体潤滑状態を招く油圧の発
生が溝3の存在により解消され、油膜の切れ性能が向上
し、流体潤滑状態から係合トルクが確保される境界潤滑
状態への移行がいち早く行われる。
生が溝3の存在により解消され、油膜の切れ性能が向上
し、流体潤滑状態から係合トルクが確保される境界潤滑
状態への移行がいち早く行われる。
【0026】[締結後期段階]ブレーキ締結の後期段階
では、ブレーキバンド5がブレーキドラム1にピストン
力により押し付けられたままとなる。
では、ブレーキバンド5がブレーキドラム1にピストン
力により押し付けられたままとなる。
【0027】この時、ブレーキドラムに溝のみが形成さ
れている場合、ブレーキバンドへの潤滑油の供給が十分
でないため、ブレーキバンドのフェーシングは、油膜を
どんどん無くしてゆき、フェーシングに含まれる油が内
部よりしみ出すようになる。この段階で境界潤滑状態か
ら固体潤滑に近い状態になり、係合トルクは確保される
もののブレーキングにより発生した熱は、この状態にて
フェーシングの温度上昇をもたらす。尚、潤滑穴が溝以
外のドラム筒状部に形成されている場合も締結状態では
ブレーキバンドにより潤滑穴が塞がれることになるた
め、同様の結果をもたらす。
れている場合、ブレーキバンドへの潤滑油の供給が十分
でないため、ブレーキバンドのフェーシングは、油膜を
どんどん無くしてゆき、フェーシングに含まれる油が内
部よりしみ出すようになる。この段階で境界潤滑状態か
ら固体潤滑に近い状態になり、係合トルクは確保される
もののブレーキングにより発生した熱は、この状態にて
フェーシングの温度上昇をもたらす。尚、潤滑穴が溝以
外のドラム筒状部に形成されている場合も締結状態では
ブレーキバンドにより潤滑穴が塞がれることになるた
め、同様の結果をもたらす。
【0028】これに対し、第1実施例では、ブレーキ締
結の後期段階で、潤滑油が溝3に設けられた軸芯給油の
ための潤滑穴4から適度に供給されるので、必要以上の
油膜切れを起こさず、所望の境界潤滑状態がそのまま維
持される。
結の後期段階で、潤滑油が溝3に設けられた軸芯給油の
ための潤滑穴4から適度に供給されるので、必要以上の
油膜切れを起こさず、所望の境界潤滑状態がそのまま維
持される。
【0029】また、溝3に形成した潤滑穴4から潤滑油
が供給され続けるため、この溝3を通過する潤滑油がブ
レーキバンド5のフェーシングに接触したあと排出され
るので、ブレーキングによって発生した熱は、その大部
分が溝3を通過する潤滑油に持ち去られ、フェーシング
の温度上昇を抑えることができる。
が供給され続けるため、この溝3を通過する潤滑油がブ
レーキバンド5のフェーシングに接触したあと排出され
るので、ブレーキングによって発生した熱は、その大部
分が溝3を通過する潤滑油に持ち去られ、フェーシング
の温度上昇を抑えることができる。
【0030】次に、効果を説明する。
【0031】円筒部2に軸芯給油のための潤滑穴4を設
けた回転自在のブレーキドラム1と、該ブレーキドラム
1を停止させるためのブレーキバンド5とで構成される
湿式バンドブレーキ装置において、ブレーキドラム1の
外周部に溝3を設けると共に、該溝3の位置に前記軸芯
給油のための潤滑穴4を設けたため、ブレーキ締結時の
係合トルク確保とフェーシングの耐久性向上との両立を
図ることができる。
けた回転自在のブレーキドラム1と、該ブレーキドラム
1を停止させるためのブレーキバンド5とで構成される
湿式バンドブレーキ装置において、ブレーキドラム1の
外周部に溝3を設けると共に、該溝3の位置に前記軸芯
給油のための潤滑穴4を設けたため、ブレーキ締結時の
係合トルク確保とフェーシングの耐久性向上との両立を
図ることができる。
【0032】(第2実施例)第2実施例の湿式バンドブ
レーキ装置はブレーキドラムの構成を第1実施例と異な
らせた例である。
レーキ装置はブレーキドラムの構成を第1実施例と異な
らせた例である。
【0033】図3において、11はブレーキドラムで、
筒状部12と、この筒状部12の外周面に軸芯X1ーX
1に対し斜めに形成された複数の溝13と、各溝13の
中央位置に重なるように形成された軸芯給油のための潤
滑穴14とを有して構成されている。
筒状部12と、この筒状部12の外周面に軸芯X1ーX
1に対し斜めに形成された複数の溝13と、各溝13の
中央位置に重なるように形成された軸芯給油のための潤
滑穴14とを有して構成されている。
【0034】作用としては、第1実施例のものとほぼ変
わるところはない。
わるところはない。
【0035】効果として、第1実施例のものに加えて、
溝13を軸芯に対して斜めに形成したため、ブレーキド
ラム11の回転に伴い、粘性引きずりにより潤滑油の排
出能力が向上するという効果を期待できる。
溝13を軸芯に対して斜めに形成したため、ブレーキド
ラム11の回転に伴い、粘性引きずりにより潤滑油の排
出能力が向上するという効果を期待できる。
【0036】(第3実施例)第3実施例の湿式バンドブ
レーキ装置はブレーキドラムの構成を第1実施例と異な
らせた例である。
レーキ装置はブレーキドラムの構成を第1実施例と異な
らせた例である。
【0037】図4において、21はブレーキドラムで、
筒状部22と、この筒状部22の外周面に軸芯X2ーX
2に対し方向が異なる対称の斜め溝により形成された網
状溝23と、網状溝23の交点位置に形成された軸芯給
油のための潤滑穴24とを有して構成されている。
筒状部22と、この筒状部22の外周面に軸芯X2ーX
2に対し方向が異なる対称の斜め溝により形成された網
状溝23と、網状溝23の交点位置に形成された軸芯給
油のための潤滑穴24とを有して構成されている。
【0038】作用としては、第1実施例のものとほぼ変
わるところはない。
わるところはない。
【0039】効果として、網状溝23が回転方向にかか
わらず対称形状であることで、ブレーキの作用する方向
(ブレーキドラム21の回転方向)に潤滑性能が影響を
受けない。
わらず対称形状であることで、ブレーキの作用する方向
(ブレーキドラム21の回転方向)に潤滑性能が影響を
受けない。
【0040】さらに、方向が異なる対称の斜め溝により
形成された網状溝23としていることで、溝が一方向の
みにねじれていることにより生じるブレーキドラム21
へのスラスト力が打ち消され、ブレーキドラム支持部へ
の負荷を軽減できる。
形成された網状溝23としていることで、溝が一方向の
みにねじれていることにより生じるブレーキドラム21
へのスラスト力が打ち消され、ブレーキドラム支持部へ
の負荷を軽減できる。
【0041】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0042】例えば、溝の設定に関しては、ブレーキ用
途等により要求される性能の違いに応じて各種の変形が
許される。
途等により要求される性能の違いに応じて各種の変形が
許される。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、円筒部に軸芯給油のための潤滑穴を設けた回転自在
のブレーキドラムと、該ブレーキドラムを停止させるた
めのブレーキバンドとで構成される湿式バンドブレーキ
装置において、ブレーキドラムの外周部に溝を設けると
共に、該溝の位置に軸芯給油のための潤滑穴を設けたた
め、ブレーキ締結時の係合トルク確保とフェーシングの
耐久性向上との両立を図ることができるという効果が得
られる。
は、円筒部に軸芯給油のための潤滑穴を設けた回転自在
のブレーキドラムと、該ブレーキドラムを停止させるた
めのブレーキバンドとで構成される湿式バンドブレーキ
装置において、ブレーキドラムの外周部に溝を設けると
共に、該溝の位置に軸芯給油のための潤滑穴を設けたた
め、ブレーキ締結時の係合トルク確保とフェーシングの
耐久性向上との両立を図ることができるという効果が得
られる。
【図1】第1実施例のブレーキドラムの斜視図である。
【図2】第1実施例のブレーキドラムの圧力分布図であ
る。
る。
【図3】第2実施例のブレーキドラムの斜視図である。
【図4】第3実施例のブレーキドラムの斜視図である。
【図5】従来の湿式バンドブレーキ装置の全体構造図で
ある。
ある。
【図6】従来のブレーキドラムの斜視図である。
1,11,21 ブレーキドラム 2,12,22 筒状部 3,13,23 溝 4,14,24 潤滑穴 5 ブレーキバンド
Claims (1)
- 【請求項1】 円筒部に軸芯給油のための潤滑穴を設け
た回転自在のブレーキドラムと、該ブレーキドラムを停
止させるためのブレーキバンドとで構成される湿式バン
ドブレーキ装置において、 前記ブレーキドラムの外周部に溝を設けると共に、該溝
の位置に前記軸芯給油のための潤滑穴を設けたことを特
徴とする湿式バンドブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15331293A JPH0712150A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 湿式バンドブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15331293A JPH0712150A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 湿式バンドブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0712150A true JPH0712150A (ja) | 1995-01-17 |
Family
ID=15559742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15331293A Pending JPH0712150A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 湿式バンドブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0712150A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6253883B1 (en) * | 1997-08-07 | 2001-07-03 | Nsk-Warner Kabushiki Kaisha | Brake drum with parallel grooves |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP15331293A patent/JPH0712150A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6253883B1 (en) * | 1997-08-07 | 2001-07-03 | Nsk-Warner Kabushiki Kaisha | Brake drum with parallel grooves |
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