JPH0712031A - 内燃機関の燃料圧力制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料圧力制御装置

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JPH0712031A
JPH0712031A JP5157660A JP15766093A JPH0712031A JP H0712031 A JPH0712031 A JP H0712031A JP 5157660 A JP5157660 A JP 5157660A JP 15766093 A JP15766093 A JP 15766093A JP H0712031 A JPH0712031 A JP H0712031A
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JP
Japan
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temperature
fuel
pressure
injector
engine
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Application number
JP5157660A
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English (en)
Inventor
Kazushi Katou
千詞 加藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インジェクタの取付け位置や種類によらず、常
に適切に燃料圧力を上昇させ、不要な燃料圧力上昇に起
因するエミッションの悪化を未然に防止する。 【構成】プレッシャレギュレータ26は、インジェクタ
19に供給される燃料の圧力を吸気通路7内の圧力に対
し所定圧力分高い値に保持する第1の状態、及び燃料圧
力を第1の状態より高い値に保持する第2の状態を選択
的に取り得る。第1の状態及び第2の状態を切換えるた
めのVSV37、冷却水温を検出する水温センサ49、
吸気温を検出する吸気温センサ47をそれぞれ設ける。
ECU53のCPUは、両センサ49,47による冷却
水温及び吸気温に基づき所定の演算式に従いインジェク
タ19の先端温度を推定する。CPUは推定した先端温
度が予め設定された所定温度を越えたとき、第1の状態
に保持されているプレッシャレギュレータ26を第2の
状態に切換えるべくVSV37の作動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料ポンプ
からインジェクタに供給される燃料の圧力を制御する燃
料圧力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御燃料噴射方式のエンジン
では、加圧燃料がインジェクタ先端部から噴射されると
き、その圧力が急激に低下する。低下した燃料の圧力が
低く、しかも噴射部位であるインジェクタ先端部の温度
(先端温度THINJ)がある値(例えば95℃)より
も高いと、噴射燃料が気化することがある。この現象は
減圧沸騰と呼ばれているものであるが、この減圧沸騰に
より混合気の空燃比がリーンとなり、それが原因でエン
ジンの不要な振動を引き起こすことがある。これの対策
としては、例えば先端温度THINJが減圧沸騰温度と
なったときに、プレッシャレギュレータに大気を導入
し、通常時よりも燃料圧力を上昇させることが考えられ
る。プレッシャレギュレータは、通常時には燃料圧力を
サージタンク内の圧力(通常は負圧)に対し所定圧力
(例えば2.55Kg/cm2 )だけ高い値に保持してい
る。
【0003】図8には、インジェクタの先端温度THI
NJの時間変化を試験的に測定した結果を示す。この図
から明らかなように、エンジンの作動時には先端温度T
HINJがほぼ一定に保たれる。エンジンの作動が停止
されると、先端温度THINJはゆっくり上昇し減圧沸
騰温度を越え、その後ある温度に達するとゆっくり降下
し、やがて減圧沸騰温度以下となる。従って、先端温度
THINJが減圧沸騰温度以上となっている期間に、エ
ンジンが再始動された場合には、プレッシャレギュレー
タへの大気導入により燃料圧力を上昇させる必要があ
る。
【0004】しかし、現状ではインジェクタの先端温度
THINJを直接検出する技術が確立されていない。燃
料圧力の上昇が必要な期間を特定するためには、他の手
段を講じなければならない。そこで、例えば実開昭62
−41871号公報では、エンジンの冷却水温THW及
び吸気温THAによって、燃料圧力の上昇が必要な期間
を特定するようにしている。
【0005】これは、図8で示すように、冷却水温TH
W及び吸気温THAが先端温度THINJを決定する支
配因子になっていると考えられるからである。すなわ
ち、インジェクタは通常吸気マニホルドに取付けられる
ので、シリンダヘッドの有する熱(冷却水温THWに相
当)が吸気マニホルドを介してインジェクタに伝わる。
また、インジェクタの先端部は吸気通路に面しているの
で、吸入空気の有する熱が同先端部に伝わる。そして、
両方の熱の伝達により、インジェクタの先端部の温度が
決定され、先端温度THINJが冷却水温THW及び吸
気温THAの間の値を採るものと考えられる。
【0006】このような観点から、上記公報技術ではエ
ンジンの冷却水温THW及び吸気温THAにそれぞれ判
定値を設定し、冷却水温THWが判定値を越え、かつ吸
気温THAが判定値を越えたとき、プレッシャレギュレ
ータに大気を導入するようにしている。この技術は、先
端温度THINJが冷却水温THW及び吸気温THAの
いずれにもある程度の相関がある場合(両温度のほぼ中
間の温度となる場合)には、有効に減圧沸騰の発生を抑
制できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術においては、吸気ポートの壁面に付着する燃料量を低
減するために、インジェクタをシリンダヘッド寄りに配
置したり、エアアシスト型インジェクタを用いたりした
場合、以下の問題が起こる。前者の場合にはインジェク
タがシリンダヘッドに近づく分、そのシリンダヘッド及
び吸気マニホルドからの受熱が増加する。また、後者の
場合には通常のインジェクタよりも広い部位で吸気マニ
ホルドに接触して取付けられるので、前記と同様にシリ
ンダヘッド及び吸気マニホルドからの受熱が増加する。
【0008】すると、図9に示すように、上記のもの
(図8参照)に比べインジェクタの先端温度THINJ
が冷却水温THWに近くなり、吸気温THAとの相関が
弱くなる。その結果、吸気温THAが比較的低いときに
先端温度THINJが減圧沸騰温度を越えるようにな
る。このため、特に外気温が低いときには吸気温THA
の判定値をかなり下げる必要がある。
【0009】しかし、このようにすると、逆に外気温が
高い場合には、図10に示すように、エンジンの作動が
停止されると直ちに吸気温THAが判定値を越える。こ
のため、エンジン再始動時には、ほとんどの場合におい
て、燃料圧力を上昇させるための制御が実行されること
になり、エミッションが悪化する。図中Bは、燃料圧力
を上昇させる必要がないにもかかわらず上昇させてしま
う、不要な燃料圧力上昇期間である。
【0010】なお、冷却水温THWのみで燃料圧力の上
昇が必要な期間を特定することも考えられる。しかし、
このようにしても、冷却水温THWの判定値とエンジン
の通常作動時の冷却水温THWとが近い(あまり差がな
い)ことから、事実上ほぼ常時にわたって判定条件が成
立してしまう。このため、吸気温THAを判定条件から
外すことは困難である。
【0011】第1〜第3の発明は前述した事情に鑑みて
なされたものであり、その目的はインジェクタの取付け
位置や種類によらず、常に適切に燃料圧力を上昇させ、
不要な燃料圧力上昇に起因するエミッション悪化を未然
に防止できる内燃機関の燃料圧力制御装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、図1に示すように、内燃機関の機関本
体M1に接続された吸気通路M2に設けられ、同吸気通
路M2に面する先端部M3aから機関本体M1へ加圧燃
料を噴射可能なインジェクタM3と、前記インジェクタ
M3及び燃料タンクM4を接続する燃料通路M5に設け
られ、燃料タンクM4内の燃料を吸引し、インジェクタ
M3に圧送する燃料ポンプM6と、前記燃料ポンプM6
からインジェクタM3に供給される燃料の圧力を、吸気
通路M2内の圧力に対し所定圧力分高い値に保持する第
1の状態、及び前記燃料の圧力を前記第1の状態より高
い値に保持する第2の状態を選択的に取り得るプレッシ
ャレギュレータM7と、前記プレッシャレギュレータM
7の第1の状態及び第2の状態を切換えるための状態切
換え手段M8と、前記機関本体M1の温度を検出する機
関温度検出手段M9と、前記インジェクタM3の先端部
M3a周囲の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段
M10と、前記機関温度検出手段M9による機関本体M
1の温度、及び前記雰囲気温度検出手段M10による雰
囲気温度に基づき、インジェクタM3の先端部M3aの
温度を推定する先端温度推定手段M11と、前記先端温
度推定手段M11によるインジェクタM3の先端温度が
予め設定された所定温度を越えたとき、第1の状態に保
持されているプレッシャレギュレータM7を第2の状態
に切換えるべく前記状態切換え手段M8の作動を制御す
る制御手段M12とを備えている。
【0013】第2の発明においては、前記機関温度検出
手段M9として、機関本体M1内を循環する冷却水の温
度を検出する水温センサを用いている。第3の発明にお
いては、前記雰囲気温度検出手段M10として、吸気通
路M2を流通する吸入空気の温度を検出する吸気温セン
サを用いている。
【0014】
【作用】第1の発明においては、図1に示すように、燃
料タンクM4内の燃料が燃料ポンプM6によって吸引さ
れ、インジェクタM3に圧送される。燃料ポンプM6か
らインジェクタM3に供給される燃料の圧力は、状態切
換え手段M8によってプレッシャレギュレータM7が第
1の状態にされたとき、吸気通路M2内の圧力に対し所
定圧力分高い値に保持される。また、状態切換え手段M
8によってプレッシャレギュレータM7が第2の状態に
されたとき、燃料圧力は前記第1の状態より高い値に保
持される。
【0015】一方、内燃機関の作動時には、機関本体M
1の温度が機関温度検出手段M9によって検出され、イ
ンジェクタM3の先端部M3a周囲の雰囲気温度が雰囲
気温度検出手段M10によって検出される。検出された
機関本体M1の温度及び雰囲気温度は、インジェクタM
3の先端温度を支配する大きな要素である。このことか
ら、両温度に基づき、先端温度推定手段M11によって
インジェクタM3の先端温度が推定される。そして、推
定されたインジェクタM3の先端温度が予め設定された
所定温度を越えたとき、制御手段M12により状態切換
え手段M8の作動が制御される。その結果、第1の状態
に保持されているプレッシャレギュレータM7が第2の
状態に切換えられ、燃料圧力が上昇する。
【0016】従って、例えば作動中の内燃機関が停止さ
れ、インジェクタM3の先端温度が上昇して減圧沸騰温
度を越えたとしても、機関が再始動されるときにはプレ
ッシャレギュレータM7の状態切換えによって燃料圧力
が上昇するので、減圧沸騰による噴射燃料の気化が防止
される。
【0017】また、インジェクタM3の取付け位置が機
関本体M1寄りに変更されたり、インジェクタM3がエ
アアシストタイプに変更されたりした場合には、インジ
ェクタM3の先端温度が機関本体M1の温度に近い温度
となり、雰囲気温度との相関が低くなる。この条件下
で、機関本体M1の温度に判定値を設定するとともに雰
囲気温度に判定値を設定し、各温度と判定値との比較に
よって燃料圧力上昇の必要性を間接的に決定しようとす
ると、判定値の設定の仕方によっては、圧力上昇の必要
がない場合でも必要有りと決定されるおそれがある。こ
れに対し第1の発明では、前記の判定値を用いず、イン
ジェクタM3の先端温度の推定値に基づき圧力上昇の必
要性が決定されるので、本来圧力上昇の必要なときのみ
にその必要性が決定される。
【0018】第2の発明においては、機関本体M1内を
循環する冷却水の温度が水温センサによって検出され
る。そして、その冷却水温が先端温度推定時における機
関本体M1の温度として用いられる。
【0019】第3の発明においては、吸気通路M2を流
通する吸入空気の温度が吸気温センサによって検出され
る。そして、その吸気温が先端温度推定時におけるイン
ジェクタM3の先端部M3a周囲の雰囲気温度として用
いられる。
【0020】
【実施例】以下、第1〜第3の発明を具体化した一実施
例を図2〜図7に従って説明する。
【0021】図2は、車両に搭載された内燃機関として
の多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンとい
う)1、及びその周辺装置の概略構成を示している。エ
ンジン1のシリンダブロック1a及びシリンダヘッド1
bは機関本体を構成している。シリンダブロック1aに
は、気筒数と同数のシリンダボア2が紙面と直交する方
向に並設され、各シリンダボア2内にはピストン3が上
下方向への往復動可能に収容されている。ピストン3は
コネクティングロッド4によってクランクシャフト5に
連結されている。そして、ピストン3の往復運動がコネ
クティングロッド4によって回転運動に変換され、クラ
ンクシャフト5が回転駆動される。
【0022】ピストン3の上方には燃焼室6が形成さ
れ、ここに吸気通路7及び排気通路8が連通している。
燃焼室6と吸気通路7との連通部分は吸気ポート9とな
っており、この吸気ポート9は、シリンダヘッド1bに
略上下動可能に取付けられた吸気弁11によって開閉さ
れる。また、燃焼室6と排気通路8との連通部分は排気
ポート10となっており、この排気ポート10は、シリ
ンダヘッド1bに略上下動可能に取付けられた排気弁1
2によって開閉される。
【0023】前記吸気通路7には、上流側からシリンダ
ヘッド1bへ向けて順に、エアクリーナ13、スロット
ルボディ14、サージタンク15、吸気マニホルド16
が配設されており、これらを介して外気が燃焼室6に取
り込まれる。スロットルボディ14内には、スロットル
弁17が軸18により一体回動可能に支持されている。
軸18はケーブル等によってアクセルペダル(図示しな
い)に連結されている。そして、運転者によりアクセル
ペダルが踏み込まれると、その踏み込み動作がケーブル
等を介して軸18に伝達され、スロットル弁17が軸1
8と一体で回動する。このスロットル弁17の回動によ
り吸気通路7が開閉され、燃焼室6への吸入空気量が調
節される。サージタンク15は、吸入空気の脈動を平滑
化させたり、各気筒の吸気干渉を防止するためのタンク
である。なお、図2においては、説明の便宜上、吸気マ
ニホルド16が他の箇所よりも大きく図示されている。
【0024】吸気マニホルド16には、気筒数と同数の
インジェクタ19が取付けられている。この取付け位置
は、従来から一般的に用いられているインジェクタより
もシリンダヘッド1b寄りの位置である。各インジェク
タ19の先端部19aは吸気通路7に面しており、この
先端部19aからは、対応する気筒の吸気ポート9へ向
けて燃料を噴射可能である。
【0025】前記インジェクタ19は1本のデリバリパ
イプ21に接続されている。デリバリパイプ21は燃料
パイプ22によって燃料タンク23に接続されている。
両パイプ21,22の内部は燃料通路を構成している。
燃料パイプ22の途中には燃料ポンプ24及び燃料フィ
ルタ25が介在されており、その燃料ポンプ24の作動
により燃料タンク23内の燃料が吸入及び吐出される。
燃料ポンプ24から吐出された燃料は、燃料フィルタ2
5及び燃料パイプ22を経てデリバリパイプ21に圧送
される。圧送された燃料は、デリバリパイプ21にて各
インジェクタ19に分配され、そのインジェクタ19が
開弁したときに噴射される。
【0026】デリバリパイプ21にはプレッシャレギュ
レータ26が取付けられている。プレッシャレギュレー
タ26は、各インジェクタ19に圧送される燃料の圧力
を、吸気マニホルド16内の圧力に対して一定圧力(通
常2.55kg/cm2 )だけ高い値に保持する第1の状態
と、同燃料圧力を第1の状態よりも高い値に保持する第
2の状態とを選択的に採り得る。また、プレッシャレギ
ュレータ26は、燃料圧力の調整によって生じた余剰燃
料(リターン燃料)をリターンパイプ34を通じて燃料
タンク23に戻す。
【0027】前記燃料圧力の調整のために、プレッシャ
レギュレータ26のケース27内には、弁体28を有す
るダイヤフラム29が張設されている。これらの弁体2
8及びダイヤフラム29により、ケース27内が圧力室
31と燃料室32とに仕切られている。燃料室32はデ
リバリパイプ21に接続され、ここから燃料室32内へ
燃料が流入可能である。また、ケース27には、燃料室
32とケース27外部とを連通する導管33が設けら
れ、この導管33がリターンパイプ34によって燃料タ
ンク23に接続されている。そして、燃料室32内の燃
料が導管33及びリターンパイプ34を通じて燃料タン
ク23へ導出可能である。
【0028】一方、圧力室31内にはコイルばね35が
圧縮状態で配設されており、このコイルばね35によ
り、弁体28が導管33を閉塞する方向へ常に付勢され
ている。ケース27及びサージタンク15間はエアパイ
プ36によって連通されており、同サージタンク15内
の圧力が圧力室31内に導入可能となっている。
【0029】前記の構成に加え、本実施例ではエアパイ
プ36の途中に、状態切換え手段としてのバキュームス
イッチングバルブ(VSV)37が介在されている。V
SV37は電気信号により負圧回路を切換える制御弁で
あり、非通電時にはサージタンク15及び圧力室31を
連通させてプレッシャレギュレータ26を第1の状態に
する。また、VSV37は通電時には前記の連通を遮断
し、圧力室31を大気に開放してプレッシャレギュレー
タ26を第2の状態にする。
【0030】各インジェクタ19から噴射される燃料と
吸気通路7内へ導入された外気とからなる混合気は、吸
気弁11の開かれる際に、吸気ポート9を通じて燃焼室
6内へ導入される。燃焼室6に導入された混合気を着火
するために、半導体点火方式の点火装置が設けられてい
る。この点火装置は、電気回路の過渡現象を利用して高
電圧を発生させるイグニションコイル38及びイグナイ
タ39と、前記高電圧を各気筒に分配するディストリビ
ュータ41と、放電部である点火プラグ42とから構成
されている。
【0031】そして、燃焼室6内へ導入された混合気が
点火プラグ42の点火によって燃焼され、ピストン3、
コネクティングロッド4、クランクシャフト5等を介し
てエンジン1の駆動力が得られる。このように燃焼室6
で燃焼された既燃焼ガス(排気ガス)は、排気弁12が
開かれる際に排気ポート10から排気通路8へ導出され
る。
【0032】排気通路8には、シリンダヘッド1bから
下流側へ向けて順に排気マニホルド43及び触媒コンバ
ータ44が配設されており、これらを通じて排気ガスが
外部へ排出される。触媒コンバータ44は、排気ガス中
の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素
(NOx)を触媒45の作用で浄化させる装置である。
【0033】前記エンジン1の作動状態を検出するため
に、エアフローメータ46、雰囲気温度検出手段として
の吸気温センサ47、スロットルセンサ48、機関温度
検出手段としての水温センサ49、酸素センサ50、回
転数センサ51、気筒判別センサ52等が設けられてい
る。エアフローメータ46はエンジン1が吸入する空気
量を計測する空気流量計であり、本実施例では、吸入空
気が通過するときに生ずる圧力差によってメジャリング
プレート(ベーン)が押し開かれるタイプが用いられて
いる。吸気温センサ47はエアフローメータ46内に取
付けられており、内蔵のサーミスタの抵抗値の変化によ
り、吸気通路7を流通する吸入空気の温度変化(吸気温
THA)を検出する。吸気温THAは、インジェクタ1
9の先端部19a周囲の雰囲気温度に相当する。
【0034】スロットルセンサ48はスロットルボディ
14に取付けられ、スロットル弁17の開度(スロット
ル開度)を検出する。水温センサ49はウォータアウト
レット部に取付けられ、エンジン1の冷却水の温度(冷
却水温THW)を検出する。より詳しくは、水温センサ
49は前記吸気温センサ47と同様に、温度によって抵
抗値が大きく変化するサーミスタで構成されており、冷
却水温THWの変化を抵抗値の変化で検出する。冷却水
温THWは、シリンダブロック1a及びシリンダヘッド
1bの温度に相当する。
【0035】酸素センサ50は排気マニホルド43に取
付けられており、排気ガス中の酸素濃度を検出する。酸
素センサ50は理論空燃比近傍で出力電圧が急変する特
性を有している(図4参照)。
【0036】回転数センサ51及び気筒判別センサ52
はともにディストリビュータ41に内蔵されている。回
転数センサ51は、外周に多数(例えば24個)の突起
を有する1つのタイミングロータと、1つのピックアッ
プコイルとから構成されている。この回転数センサ51
では、タイミングロータが1回転すると、ピックアップ
コイルが前記突起と同数のパルス信号を等クランク角度
(例えば30°)毎に発生する。また、気筒判別センサ
52は外周に1つの突起を有する1つのタイミングロー
タと、2つのピックアップコイルとから構成されてい
る。この気筒判別センサ52では、タイミングロータが
1回転すると、各ピックアップコイルがクランク角度3
60°毎に交互にパルス信号を1つずつ発生する。
【0037】前記エアフローメータ46、各種センサ4
7〜52は電子制御装置(以下「ECU」という)53
の入力側に電気的に接続されている。また、前記各イン
ジェクタ19、VSV37及びイグナイタ39はECU
53の出力側に電気的に接続されている。
【0038】図3に示すようにECU53は、先端温度
推定手段及び制御手段としての中央処理装置(以下CP
Uという)54、読み出し専用メモリ(以下ROMとい
う)55、ランダムアクセスメモリ(以下RAMとい
う)56、バックアップRAM57、外部入力回路5
8、外部出力回路59を備え、これらは互いにバス60
によって接続されている。CPU54は、予め設定され
た制御プログラムに従って各種演算処理を実行し、RO
M55はCPU54で演算処理を実行するために必要な
制御プログラムや初期データを予め記憶している。ま
た、RAM56はCPU54の演算結果を一時記憶し、
バックアップRAM57は電源が切られた後にも各種デ
ータを保持するように、バッテリによってバックアップ
されている。外部入力回路58はA/Dコンバータ(ア
ナログ/デジタル変換器)を有しており、例えば、吸気
温センサ47による吸気温信号、水温センサ49による
冷却水温信号等のアナログ信号をデジタル信号に変換す
る。
【0039】前記エアフローメータ46、吸気温センサ
47、スロットルセンサ48、水温センサ49、酸素セ
ンサ50、回転数センサ51及び気筒判別センサ52か
らの各種信号は外部入力回路58に入力される。CPU
54はこれらの信号に基づき、吸入空気量Q、吸気温T
HA、スロットル開度、冷却水温THW、酸素濃度、エ
ンジン回転数NE、気筒判別信号等を検出する。
【0040】一方、CPU54は、空燃比(エンジン1
に吸入される混合気中の空気/燃料の重量比)A/Fを
酸素センサ50の出力信号から検出し、その空燃比A/
Fが理論空燃比となるようにインジェクタ19からの燃
料噴射量を調整する。この燃料噴射量の調整を行うため
に、CPU54は次式(1)に基づきインジェクタ19
の開弁時間である目標燃料噴射時間TAUを算出する。
【0041】 TAU=K×(Q/NE)×FAF …(1) ここで、Kは定数、Qは吸入空気量、NEはエンジン回
転数であり、K・(Q/NE)は理論空燃比を得るよう
に設定された基本燃料噴射時間である。また、FAFは
酸素センサ50の出力信号の変化にともない変化するフ
ィードバック補正係数であり、空燃比A/Fが理論空燃
比となるように前記基本燃料噴射時間K・(Q/NE)
を補正する。
【0042】CPU54は前記フィードバック補正係数
FAFを以下のようにして求める。CPU54は、図4
で示すように、酸素センサ50からの出力電圧Vと理論
空燃比に対応する基準電圧Vrとを比較し、出力電圧V
が基準電圧Vrよりも高ければリッチと判定し、基準電
圧Vrよりも低ければリーンと判定する。CPU54は
リッチの場合、前回の検出結果と比較し、リーンからリ
ッチに反転したか否かを判断する。CPU54はリーン
からリッチに反転すると、FAF−RS(RSはスキッ
プ量)を新たなフィードバック補正係数FAFとすると
ともに、リーンからリッチに反転がないとFAF−KI
(KIは積分量,RS≫KI)を新たなフィードバック
補正係数FAFとする。
【0043】また、CPU54は酸素センサ50からの
信号に基づく空燃比A/Fがリーンの場合、前回の検出
結果と比較し、リッチからリーンに反転したか否かを判
断する。CPU54はリッチからリーンに反転すると、
FAF+RSを新たなフィードバック補正係数FAFと
するとともに、リッチからリーンに反転がないとFAF
+KIを新たなフィードバック補正係数FAFとする。
【0044】従って、リッチとリーンとの間で反転があ
ると、CPU54は燃料噴射量を増減するべくフィード
バック補正係数FAFを階段状に変化(スキップ)させ
るとともに、リッチ又はリーンのときにはフィードバッ
ク補正係数FAFを徐々に増減させる。
【0045】なお、空燃比A/Fが理論空燃比に制御さ
れているとき、フィードバック補正係数FAFは「1.
0」を中心に変動する。CPU54は前述した式に基づ
き目標燃料噴射時間TAUを算出すると、それに応じた
駆動信号を、図3に示すように外部出力回路59を介し
てインジェクタ19に出力する。この信号の出力によ
り、インジェクタ19の開弁時間が制御されて所定量の
燃料が噴射される。このようにして空燃比A/Fが理論
空燃比となるようにフィードバック制御が行われる。
【0046】また、CPU54は外部出力回路59を介
してイグナイタ39を制御する。すなわち、エンジン1
の作動状態に応じた最適な点火時期が予めROM55に
記憶されており、CPU54は回転数センサ51を含む
上記各種センサからの信号によりエンジン1の作動状態
を検知し、最適な点火時期を演算する。そして、CPU
54は外部出力回路59を介してイグナイタ39へ点火
指示信号を出力し点火時期を制御する。
【0047】さらに、CPU54は各インジェクタ19
に供給される燃料の圧力を調整するべく、外部出力回路
59を介してVSV37に指令信号を出力することによ
り、サージタンク15とプレッシャレギュレータ26の
圧力室31との連通状態を切換え制御する。
【0048】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果について説明する。図5のフローチャート
は、CPU54によって実行される各処理のうち、イン
ジェクタ19の先端温度THINJを算出するためのル
ーチンを示している。また、図6のフローチャートは、
VSV37を切換え操作する際に用いられるフラグYF
PUを、前記先端温度THINJに基づき設定するため
のルーチンを示している。これらのルーチンはいずれも
所定のタイミングで実行される。
【0049】図5の先端温度算出ルーチンが開始される
と、CPU54はまずステップ101において、水温セ
ンサ49によって検出され、A/D変換器にてデジタル
信号に変換された冷却水温THWを読み込む。また、吸
気温センサ47によって検出され、A/D変換器にてデ
ジタル信号に変換された吸気温THAを読み込む。
【0050】次に、CPU54はステップ102におい
て、前記冷却水温THW及び吸気温THAを用い、イン
ジェクタ19の先端温度(推定値)THINJを算出す
る。ここで、インジェクタ19が吸気マニホルド16に
取付けられ、その先端部19aが吸気通路7に面してい
ることから、おおまかには同先端部19aにはシリンダ
ヘッド1bの有する熱と、先端部19aの周囲の有する
熱とが伝達する。従って、加圧燃料の噴射部位であるイ
ンジェクタ19の先端部19aの温度を直接計測するこ
とは困難であるが、冷却水温(シリンダヘッド1bの有
する熱によって決定される温度)THWと吸気温(先端
部周囲の有する熱によって決定される温度)THAとに
よって推定することか可能である。このことから、先端
温度THINJの算出に際しては、次式(2)が用いら
れる。
【0051】 THINJ=(a・THW+b・THA)/(a+b) …(2) 上記式(2)中、a,bは、先端温度THINJに対す
る冷却水温THWの重みづけをするための係数であり、
エンジン1の種類等に応じて適宜に設定される。なお、
先端温度THINJを推定する必要があるのは、ホット
ソーク(走行後の車両停止状態の1つであり、エンジン
1がアイドリングを保っている状態)中に限られるた
め、上記のような簡単な式でもかなり良好に先端温度T
HINJを推定することが可能である。図7には算出さ
れた先端温度THINJの時間変化の一例を示す。
【0052】このように式(2)に従い先端温度THI
NJを算出すると、CPU54はこのルーチンを終了す
る。続いて、エンジン1が始動されてからある程度経過
した図7のタイミングt1で、図6のフラグ設定ルーチ
ンが開始された場合の各処理について説明する。このと
きには、ラジエータでの放熱により冷却水が冷却され、
冷却水温THWは90℃位に保たれている。また、吸気
温THAは外気温に近い温度となっている。冷却水温T
HW及び吸気温THAの影響を受けたインジェクタ19
の先端温度THINJは減圧沸騰温度を下回り、燃料圧
力を上昇させるための制御が実行されていないものとす
る。すなわち、VSV37が通電されておらず、プレッ
シャレギュレータ26の圧力室31にはサージタンク1
5内の圧力が作用している。そして、各インジェクタ1
9に圧送される燃料の圧力が、吸気マニホルド16内の
圧力に対して一定圧力(通常2.55kg/cm2 )だけ高
い圧力となるように、すなわち第1の状態となるように
調整されているものとする。
【0053】CPU54はまずステップ201におい
て、フラグYFPUが「1」であるか否かを判定する。
燃料圧力を上昇させるための制御が実行されていないこ
とから、CPU54はステップ201の判定条件が成立
していないと判断する。
【0054】次に、CPU54はステップ202におい
て、エンジン1が始動状態であるか否かを判定する。例
えばエンジン回転数NEの上昇時には、400rpm未
満の場合に始動状態と判定し、400rpm以上の場合
に非始動状態と判定する。逆に、エンジン回転数NEの
下降時には、200rpm未満の場合に始動状態と判定
し、200rpm以上の場合に非始動状態と判定する。
【0055】ここで、エンジン回転数NEにかえてスタ
ータ信号に基づきエンジン始動時を判定することも考え
られる。しかし、クランキング中はサージタンク15内
が大気圧となるため、このときにプレッシャレギュレー
タ26の圧力室31を大気開放しても、十分な効果が得
られない。クランキングが終了してエンジン回転数NE
が上昇するに従ってサージタンク15内の圧力が下がっ
てくる。この観点から、本実施例では上記のようにエン
ジン回転数NEに基づきエンジン1の始動状態を判定
し、効果的に燃料圧力を上昇させるようにしている。
【0056】上記述したように、タイミングt1ではエ
ンジン1の始動からある程度の時間が経過していること
から、エンジン1のクランクシャフト5が400rpm
よりも高い回転数で回転しているものとする。すると、
CPU54はステップ202の判定条件が成立していな
いと判断し、以後の処理を行わず、このルーチンを終了
する。つまり、フラグYFPUは「0」のままである。
【0057】前記ステップ201,202の処理は、エ
ンジン1の作動が停止され、その後、インジェクタ19
の先端温度THINJが高温のまま再始動されるまでの
期間続けられる。
【0058】タイミングt2でエンジン1の作動が停止
されると、冷却水が循環されなくなりラジエータでの冷
却が止まる。このため、エンジン1の有する熱により冷
却水温THWがゆっくり上昇するとともに吸気温THA
がゆっくり上昇する。両温度THW,THAの影響を受
けたインジェクタ19の先端温度THINJも徐々に上
昇し、やがて減圧沸騰温度よりも若干低く設定された所
定値Aを越える。
【0059】先端温度THINJが前記所定値Aを越え
た状態、つまり、インジェクタ19が十分に冷えきって
いない状態でエンジン1が再始動されると(タイミング
t3)、CPU54はステップ202の判定条件が成立
していると判断し、ステップ203において、前記先端
温度算出ルーチンで求めた先端温度THINJが所定値
A以上であるか否かを判定する。前記したように先端温
度THINJが十分に高くなっていることから、CPU
54はステップ203の判定条件が成立しており、燃料
圧力を上昇させる必要があると判断し、ステップ204
でフラグYFPUを「0」から「1」に切換え、このル
ーチンを終了する。
【0060】前記のようにフラグYFPUが「1」に設
定されると、別のルーチンでVSV37に通電され、プ
レッシャレギュレータ26とサージタンク15との連通
が遮断され、圧力室31が大気に開放される。すると、
圧力室31内の圧力が上昇して第2の状態に切換わるの
で、各インジェクタ19への燃料圧力も上昇する。その
結果、インジェクタ19の先端温度THINJは高くな
っているものの、同インジェクタ19から噴射される燃
料圧力が高いことから、噴射燃料の減圧沸騰が抑制され
る。
【0061】前記ステップ204の処理によりフラグY
FPUが「1」となることから、CPU54は次回の制
御周期においてステップ201の判定条件が成立してい
ると判断し、ステップ205,206へ移行する。ステ
ップ205でCPU54はエンジン1の始動後所定時間
(例えば120秒)が経過したか否かを判定する。この
判定には、例えば別のルーチンにてカウント動作を行っ
ているカウンタの値を用いる。また、ステップ206で
CPU54は、そのときのフィードバック補正係数FA
Fが所定値(例えば0.90)よりも小さいか否かを判
定する。両判定条件がいずれも成立していない場合、C
PU54は以後の処理を行わず、このルーチンを終了す
る。つまり、フラグYFPUは「1」のままである。
【0062】一方、ステップ205の判定条件が成立し
た場合、CPU54は燃料の通過によりインジェクタ1
9の先端部19aが減圧沸騰を起こさない程度まで冷や
されていると判断し、ステップ207でフラグYFPU
を「1」から「0」に切換える。また、ステップ206
の判定条件が成立した場合、CPU54は空燃比A/F
がある程度リッチになっており、燃料圧力を下げても通
常の空燃比A/Fに戻るであろうと判断し、ステップ2
07でフラグYFPUを「1」から「0」に切換える。
【0063】前記のようにフラグYFPUが「0」に設
定されると、別のルーチンでVSV37が非通電状態に
され、プレッシャレギュレータ26とサージタンク15
との連通が許容され、圧力室31にサージタンク15内
の圧力が導入される。すると、圧力室31内の圧力が低
下して第1の状態に切換わるので、各インジェクタ19
への燃料圧力が通常の値まで低下する。
【0064】このように本実施例では、シリンダヘッド
1bの温度に相当する冷却水温THWを水温センサ49
によって検出し、インジェクタ19の先端部19a周囲
の雰囲気温度に相当する吸気温THAを吸気温センサ4
7によって検出する。前記両センサ49,47による冷
却水温THW、吸気温THAに基づき、式(2)に従い
インジェクタ19の先端温度THINJを推定する。そ
して、推定した先端温度THINJが予め設定された所
定値Aを越えたとき、第1の状態(圧力室31がサージ
タンク15に連通された状態)に保持されているプレッ
シャレギュレータ26を第2の状態(圧力室31が大気
開放された状態)に切換えるべく、VSV37の作動を
制御するようにしている。
【0065】従って、例えば作動中のエンジン1が停止
され、インジェクタ19の先端温度THINJが上昇し
て減圧沸騰温度を越えたとしても、エンジン1が再始動
されるときにはプレッシャレギュレータ26の状態切換
えによって燃料圧力が上昇するので、噴射燃料の気化が
防止される。このため、減圧沸騰によるエンジン1の不
要な振動の発生が抑制され、高温時の再始動性が向上す
る。
【0066】また、本実施例ではインジェクタ19の取
付け位置が一般的なインジェクタよりもシリンダヘッド
1b寄りに変更されていることから、先端温度THIN
Jがシリンダヘッド1bあるいは吸気マニホルド16の
温度(冷却水温THWで代用)に近い温度となり、イン
ジェクタ19の先端部19a周囲の雰囲気温度(吸気温
THAで代用)との相関が低くなっている。この条件下
で、従来技術のように冷却水温THWに判定値を設定す
るとともに、吸気温THAに判定値を設定し、各温度T
HW,THAと各判定値との比較によって燃料圧力上昇
の必要性を間接的に決定しようとすると、判定値の設定
の仕方によっては、圧力上昇の必要がない場合でも必要
有りと決定されるおそれがある。これに対し本実施例で
は、前記の判定値を用いず、インジェクタ19の先端温
度THINJの推定値に基づき圧力上昇の必要性を決定
しているので、本来圧力上昇の必要なときのみにその必
要性を決定することができる。これにともない、不要な
燃料圧力上昇に起因するエミッションの悪化を未然に防
止できる。
【0067】なお、第1〜第3の発明は前記実施例の構
成に限定されるものではなく、例えば以下のように各発
明の趣旨から逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では機関温度検出手段として水温セン
サ49を用いたが、これにかえて例えば油温センサを用
いてもよい。また、雰囲気温度検出手段としては、イン
ジェクタ19の先端部19a周囲の雰囲気温度を検出可
能なものであれば、吸気温センサ47以外のセンサを利
用してもよい。さらには上記した既存のセンサとは別に
新たに専用のセンサを設けてもよい。
【0068】(2)前記実施例での式(2)における係
数a,bは適宜に調整可能である。この調整により、イ
ンジェクタ19の先端温度THINJに対する冷却水温
THWの重みづけを増やせば、不要な燃料圧力上昇期間
を容易に縮小することができる。
【0069】(3)機関温度検出手段及び雰囲気温度検
出手段として、それぞれ複数のセンサを用いてもよい。 (4)第1〜第3の発明は、エアアシスト型インジェク
タを用いたエンジンにも適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように第1〜第3の発明に
よれば、機関本体の温度とインジェクタの先端部周囲の
雰囲気温度とに基づきインジェクタの先端温度を推定
し、その先端温度が予め設定された所定温度を越えたと
き、第1の状態に保持されているプレッシャレギュレー
タを第2の状態に切換えて燃料圧力を上昇させるように
している。このため、インジェクタの取付け位置や種類
によらず、常に適切に燃料圧力を上昇させ、不要な燃料
圧力上昇に起因するエミッション悪化を未然に防止でき
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3の発明の基本的な概念構成を説明す
る概念構成図である。
【図2】第1〜第3の発明を具体化した一実施例におい
て、エンジン及びその周辺装置の構成を説明する概略構
成図である。
【図3】一実施例におけるECUの電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図4】一実施例において酸素センサの出力電圧とフィ
ードバック補正係数との対応関係を説明する特性図であ
る。
【図5】一実施例において、CPUによって実行される
各処理のうち、インジェクタの先端温度を算出するため
のルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】一実施例において、CPUによって実行される
各処理のうち、フラグYFPUを設定するためのルーチ
ンを説明するフローチャートである。
【図7】一実施例において、所定の演算式に従って推定
されたインジェクタの先端温度の時間変化を示す特性図
である。
【図8】従来技術において、冷却水温、インジェクタの
先端温度及び吸気温の対応関係を示す特性図である。
【図9】従来技術において、外気温が低い場合の冷却水
温、インジェクタの先端温度及び吸気温の対応関係を示
す特性図である。
【図10】従来技術において、外気温が高い場合の冷却
水温、インジェクタの先端温度及び吸気温の対応関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、1a…機関本体の一部
を構成するシリンダブロック、1b…機関本体の一部を
構成するシリンダヘッド、7…吸気通路、19…インジ
ェクタ、19a…先端部、21…燃料通路の一部を構成
するデリバリパイプ、22…燃料通路の一部を構成する
燃料パイプ、23…燃料タンク、24…燃料ポンプ、2
6…プレッシャレギュレータ、37…状態切換え手段と
してのVSV、47…雰囲気温度検出手段としての吸気
温センサ、49…機関温度検出手段としての水温セン
サ、54…先端温度推定手段及び制御手段としてのCP

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の機関本体に接続された吸気通
    路に設けられ、同吸気通路に面する先端部から機関本体
    へ加圧燃料を噴射可能なインジェクタと、 前記インジェクタ及び燃料タンクを接続する燃料通路に
    設けられ、燃料タンク内の燃料を吸引し、インジェクタ
    に圧送する燃料ポンプと、 前記燃料ポンプからインジェクタに供給される燃料の圧
    力を、吸気通路内の圧力に対し所定圧力分高い値に保持
    する第1の状態、及び前記燃料の圧力を前記第1の状態
    より高い値に保持する第2の状態を選択的に取り得るプ
    レッシャレギュレータと、 前記プレッシャレギュレータの第1の状態及び第2の状
    態を切換えるための状態切換え手段と、 前記機関本体の温度を検出する機関温度検出手段と、 前記インジェクタの先端部周囲の雰囲気温度を検出する
    雰囲気温度検出手段と、 前記機関温度検出手段による機関本体の温度、及び前記
    雰囲気温度検出手段による雰囲気温度に基づき、インジ
    ェクタの先端部の温度を推定する先端温度推定手段と、 前記先端温度推定手段によるインジェクタの先端温度が
    予め設定された所定温度を越えたとき、第1の状態に保
    持されているプレッシャレギュレータを第2の状態に切
    換えるべく前記状態切換え手段の作動を制御する制御手
    段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料圧力制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記機関温度検出手段は、機関本体内を
    循環する冷却水の温度を検出する水温センサであること
    を特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料圧力制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記雰囲気温度検出手段は、吸気通路を
    流通する吸入空気の温度を検出する吸気温センサである
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料圧力
    制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104234853A (zh) * 2013-06-12 2014-12-24 福特环球技术公司 用于操作直接燃料喷射系统的方法
WO2018051806A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104234853A (zh) * 2013-06-12 2014-12-24 福特环球技术公司 用于操作直接燃料喷射系统的方法
WO2018051806A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法
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