JPH07120145A - 不織布ロールを利用する吸液方法と、この吸液方法に使用する吸液ロール - Google Patents

不織布ロールを利用する吸液方法と、この吸液方法に使用する吸液ロール

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JPH07120145A
JPH07120145A JP5267679A JP26767993A JPH07120145A JP H07120145 A JPH07120145 A JP H07120145A JP 5267679 A JP5267679 A JP 5267679A JP 26767993 A JP26767993 A JP 26767993A JP H07120145 A JPH07120145 A JP H07120145A
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JP
Japan
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roll
woven fabric
liquid
fabric roll
vacuum
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JP5267679A
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English (en)
Inventor
Masao Masuda
正男 増田
Masanobu Masuda
正信 増田
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MASUDA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
MASUDA SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 残滓マーク、汚れ等の発生のない不織布ロー
ルを利用する吸液 ロールを提供する。 【構成】 軸部の空洞部3と連通する多数の透孔4を、
ロール外径表面積に対し面積比0.3〜1%程度開設し
てなる筒状の軸本体1に、不織布シート8を多数枚挿嵌
し、前記透孔に真空ポンプの吸引力により単位面積当た
り吸引風量5〜30リッター/min-cm2が付与され真空を
発生する圧縮比に前記不織布シートを圧縮し組織密度を
制御し、圧着成形した不織布ロール部8’で、この不織
布ロール部外表面方向にほぼ倒円錐形状に有効な吸液・
送液毛細管部を作用せしめ、かつ前記真空吸引力の一部
が前記不織布ロールの放射方向表面に於いて重畳作用
し、前記真空吸引力が当該不織布ロールの放射方向表面
で均一に作用するように配置して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布ロールを利用す
る吸液方法と、この吸液方法に使用する吸液ロール装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布シート(繊維質シート)を採用す
る従来の吸液手段としては、下記のような先行技術があ
る。
【0003】(1)実開昭48−94067号の吸液ベ
ルトが有り、その要旨は、天然繊維あるいは不織布マッ
トの空隙部に高分子物質が連続的かつ多孔質構造に充填
された繊維質シートよりなるベルト状の構成である。
【0004】(2)特開昭61−262586号の吸液
ロールが有り、その要旨は、極細繊維が立体的に絡合さ
れた不織布の空隙部に高分子弾性体が多孔質構造で充填
された繊維質シートからなるディスク状物を多数圧縮重
畳してなる構成である。
【0005】(3)特開昭59−69186号のガラ
ス、板材の加工処理に於ける不織布ロール装置があり、
その要旨は、その軸部の長手方向に空洞部を開設すると
ともに、その軸部周面に前記空洞部に連通する多数の透
孔を開設してなる筒状の軸本体と、この軸本体の両端に
設けられ、前記空洞部に連通する貫通孔を少なくともそ
の一方に貫設した一対の軸受け部と、前記軸本体に適宜
密度でなるディスク状の不織布を多数枚挿嵌し、前記軸
本体に水、処理液流体を吸引するに際し、この挿嵌され
た多数枚の不織布を軸方向にプレス成形することにより
前記圧着重畳された不織布の内外差圧が0.5気圧〜
0.8気圧に確保される圧着状態、繊維密度状態に構成
される不織布ロール部と、この不織布ロール部の両端部
に設けられた二枚の側板と、前記軸受け部の貫通孔にホ
ースを介して装備されるポンプとからなる構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した先行技術
(1)、(2)は、1)高分子弾性体をバインダーとし
た不織布シートを、シート状(一枚の布状)のままエン
ドレスベルト状にロールに捲装し使用する構成、2)デ
ィスク状の不織布シートを、ロール本体の軸方向に多数
圧着重畳した構成となっている。しかしながら、前記両
先行技術は、併用ロールもしくはロール本体に吸引機能
を備えておらず、不織布シート等のロール素材が吸液飽
和状態になると、著しくその吸液機能が消失し、飽和状
態にある吸液手段もしくは吸液ロールが処理し得る程度
以上の機能は発揮し得ない。
【0007】また先行技術(3)は、前記(1)、
(2)の改良として、ロール本体に吸引機能を付設した
構成となっており、それなりの効果が期待できる。しか
しこの特許発明の唯一の課題は、多孔質構造の高分子弾
性体と不織布シートとで構成される圧着条件他、具体的
には、軸部に多数開設した透孔の数、当該透孔に作用す
る風量等の関係及び相互関連性の面において、構造に関
し今一歩の技術的裏付け、叉は負圧吸引機能に対する適
切な設計上のバランス(工場サイドにおいて要求される
水、薬液等流体の吸引・除去水準を満たす適切な技術的
設計条件)に欠ける点があり、改良の余地が考えられ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明は、圧着重
畳された不織布シートで構成される不織布ロールの放射
方向表面に均一な真空吸引力を作用させるために、下記
の方法を採用する。
【0009】即ち、本発明の不織布ロールを利用する吸
液方法は、吸液機能を備えた軸本体、及びこの軸本体に
圧着重畳された不織布シートで構成する不織布ロール
と、当該不織布ロールと配管を介し連通される真空ポン
プとで構成される、送出、吸液機能を備えた不織布ロー
ルを利用する吸液方法であって、この吸液方法は、吸引
抵抗による真空値、及び毛細管の機能を高めることを意
図して、前記不織布部をウエットな吸液状態にして使用
し、かつこの使用状態で前記軸本体に多数千鳥状等に開
設した透孔を介して、前記吸液状態にある不織布部内部
に於いて、不織布ロール外表面方向に向かってほぼ倒円
錐形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用せしめるとと
もに、前記真空吸引力の一部が前記不織布ロールの外表
面に於いて重畳作用するように構成したことにより、前
記真空吸引力を当該不織布ロールの外表面で均一作用さ
せる構成である。
【0010】また本発明は、圧着重畳された不織布シー
トの吸液能力を最大限に発揮せしめ、機能的なロールを
供するため必要な技術的構成要件として、不織布ロール
部に作用する透孔の数、同透孔が作用し機能を及ぼす不
織布ロール部に対する適切な配置、及び機能上要求され
る透孔通過風量を確保することを目的にして、下記の構
成を採用する。
【0011】即ち、不織布ロールを利用する吸液方法に
使用する吸液ロール装置は、軸部の軸方向に空洞部を開
設すると共に、この軸部周面に前記空洞部と連通する多
数の透孔を、ロール外径表面積に対し面積比0.3〜1
%程度開設してなる筒状の軸本体と、この軸本体に繊維
絡合体を成すディスク状の不織布シートを多数枚挿嵌
し、前記真空ポンプの真空吸引力により前記軸本体の透
孔に単位面積当たり吸引風量5〜30l/min-cm2が付与
され真空を発生する圧縮比に前記不織布シートを圧縮し
組織密度を制御し、圧着成形し構成した不織布ロール部
と、不織布ロール部外表面方向にほぼ倒円錐形状に有効
な吸液・送液毛細管部を作用せしめ、かつ前記真空吸引
力の一部が前記不織布ロールの放射方向表面に於いて重
畳作用し、前記真空吸引力が当該不織布ロールの放射方
向表面で均一に作用するように配置した前記透孔と、こ
の不織布ロール部の両端面に圧接され、且つ前記軸本体
に嵌着される一対の側板と、前記軸本体の両端に設けら
れ、かつ前記空洞部に連通する貫通孔を、少なくともそ
の一方に貫設した一対の軸受け部と、この軸受け部の貫
通孔に配管を介して装備される真空ポンプとで構成され
る。
【0012】
【作用】以下本発明の作用状態に付いて説明する。上記
構成の不織布ロールを採用し、かつ望ましくは、当該不
織布ロールの湿潤を維持した状態で被処理物Cを脱水、
脱液、中和等処理する吸液方法について説明すると、図
4、図5に図示するように不織布ロール一対を一式対設
する構成する方式を取った場合、不織布ロールAを液供
給用とし(以下、Aは送出用の不織布ロールとする)、
不織布ロールBを液吸収用とする(以下、Bは吸引用の
不織布ロールとする)と、A−A、A−B、B−Bの構
成を取り得る。
【0013】先ず、図4の例(A−B構成)では、不織
布ロールA−B間に被処理物Cを挿入して、この被処理
物Cにオイル、水、薬液等の塗膜(オイル膜で説明す
る)を形成する模式図である。そして、この一例では、
オイル等の流体を、送液ポンプ等を介して一方の不織布
ロールより溢出供給し、他方の不織布ロールにおいて真
空ポンプを介し吸引する機構である。具体的には、送液
ポンプより不織布ロールの貫通孔→空洞部→透孔(副室
部を伴う場合もある)を介し、不織布ロールAの表面よ
り溢出供給する。この際に、各透孔より図6で示すよう
に不織布ロールの放射方向に向かって、ほぼ倒円錐状に
液の送出がなされることと、各透孔より送出されたオイ
ルの一部(図7の如く、ほぼ周辺部)領域が重畳するよ
うに送出される。一方不織布ロールAより液を供給し、
かつ当該不織布ロールAに対峙し一対となる不織布ロー
ルBを吸引作用させると、被処理物CのロールB接触面
側の液体並びに過剰のオイルは、不織布ロールBに吸収
され、不織布ロール部より(副室部を伴う場合もある)
透孔→空洞部→貫通孔を介し、真空ポンプをもって、場
合により気液分離室をも介し、不織布ロール装置系外
(図示せず、以下同じ)に排出される。尚、Dはほぼ倒
円錐状に形成された送出毛細管作用領域を示す。
【0014】これにより、液体は、不織布ロールAの表
面より、溢出供給され、結果的に前述の如く、各透孔よ
り、図6で示すように不織布ロールの放射方向表面に向
かって、ほぼ倒円錐状に送出されることと、各透孔より
送出されたオイルの一部(図7の如く、ほぼ周辺部領
域)が重畳するように送出されることによって、被処理
物CのロールA側面にほぼ均等にオイル膜が形成される
と共に、過剰液の処理とロールB側被処理物面に対する
吸収処理が同時になされる。
【0015】次いで、図5の例(B−B構成)は、不織
布ロールB−B間に被処理物Cを挿入して、この被処理
物Cに付着叉はCが保持する(含有を含む)オイル等の
流体(以下、流体とする)を不織布ロールB−B間にお
いて脱液する構成を示す模式図である。そして、この一
例では、被処理物Cに付着叉は保持された流体を、真空
ポンプを介して両不織布ロールB−B間で吸収除去する
構成である。具体的には、真空ポンプによる減圧、吸引
作用により、不織布ロール部毛細管作用を励起し、これ
によって生じた流体の移動と、作用風量による流体搬送
力とによって吸収機能が維持され、不織布ロールBの表
面より流体が吸収され、不織布ロール部より(副室部を
伴う場合もある)透孔→空洞部→貫通孔を介して流体が
吸引搬送され、不織布ロール装置系外に排出される。そ
して、本発明では、各透孔より不織布ロールの放射方向
表面に作用する真空吸引力は、図6の如く、不織布ロー
ルの放射方向表面に向かって、毛細管効果を励起し、ほ
ぼ倒円錐状に真空吸引力が作用し、かつ各透孔にによっ
て励起された真空吸引力の一部(図7の如く、ほぼ周辺
部領域)が重畳するように作用する。これによって、被
処理物Cの流体は排除される。尚、D’はほぼ倒円錐状
に形成され真空吸引力により励起された吸引毛細管作用
領域を示す。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しつつ説
明する。図中1は両端に軸受部2、2aを有する筒状の
軸本体で、この軸本体1にはその軸方向に向かって空洞
部3が開設されており、かつその周面には前記空洞部3
に連通する多数の透孔4が開設されている。また軸本体
1の一方は開口5を成し、前記空洞部3に連通するとと
もに、軸受部2にその軸方向に開設された貫通孔6とも
連通している。そして、この開口5は、一方の軸受部2
の貫通孔及びホース(図示せず)を介して遠心式ポン
プ、真空ポンプ等の送液、吸引手段(図示せず)に連通
されている。尚、ポンプの一形式として、プランジャー
式ポンプ機構を付設する場合を概説すると、プランジャ
ーを空洞部3に嵌装し、少なくとも一方の軸受部2をプ
ランジャー作動軸機構を収容可能な径とするとともに、
空洞部3またはこれに連通する貫通孔6に、開閉弁、安
全弁等の機構を設ける構造、もしくは開閉弁等の機能部
品を含む配管系を接続する構造とする。
【0017】図中7は軸本体1の一端部に止着された側
板、9は軸本体1の他端部に止着された側板であり、こ
の両側板7、9間には後述するディスク状で、かつ適宜
の密度を有する後述の不織布シートが、圧着状に重畳さ
れている。
【0018】図中8は不織布シート素材(図示せず)を
打ち抜き加工等して成形されたディスク状の不織布シー
トで、この不織布シート8を多数枚成形し、前記軸本体
1の一端部に側板9を止着した後、この軸本体1にディ
スク状の不織布シート8を多数枚装嵌する。そしてプレ
ス成形で圧着して、この多数枚の不織布シート8を圧着
状に重畳した後、他端部に側板7を止着することにより
不織布ロールが構成される。
【0019】本発明では、前記プレス成形による不織布
シート8を軸方向に圧着重畳するに際し、その圧着重畳
された不織布ロールの軸部1に設けた透孔4に接続され
た真空ポンプ(図示せず)により真空吸引力3〜20l
(リットル)/min-cm2程度の吸引風量(単位面積当た
り)が確保される圧縮比圧着状態並びに組織密度状態に
成形構成し、ここに、本発明の送出用、吸引用の不織布
ロールA、Bが構成される。処で、この不織布ロールの
軸受部2、2aを、例えば、加工処理装置要部に装備さ
れた軸受部等に軸承し、または同様にして多数本の不織
布ロールを架承する。
【0020】更に第3図の如く、空洞筒部11を設ける
構造とするこもでき、この例では、軸本体1の不織布シ
ート8の軸方向に直接空洞筒部10を設け、この空洞筒
部10と前記各透孔4とを、それぞれ連接する構造とす
る。具体的には、軸本体1の軸部5の空洞筒部用の孔1
1を有する不織布シート8を圧着状に重畳し、前述の如
く、圧着重畳された不織布ロールの軸部1に設けた透孔
4に真空ポンプ(図示せず)の真空吸引力により単位面
積当たり吸引風量5〜30l/min-cm2が付与され真空を
発生する圧縮比に前記不織布シート8を圧縮し組織密度
を制御し、圧着成形し構成し、かつ軸方向1の外周面に
軸方向に向かって長くかつ各透孔4に連通する空洞筒部
10を複数設ける。これによって、空洞筒部10により
形成された液溜まりによる集液効果を有する送出(供
給)用、吸引(吸収)用の不織布ロールA、Bが構成さ
れる。この流体溜まり室(空洞筒部10)を設けること
により、液のより均一かつ圧損等による損失の少ない効
率的な集液が可能となり、本発明の送出、吸引効果の一
層の向上が期待できる。
【0021】以下、前記本発明の送出用、吸引用の不織
布ロールA、Bの製造方法及び実験結果を説明する。
【0022】先ず、送出用、吸引用の不織布ロールA、
Bの製造方法を説明する。具体的には、メタルシート洗
浄プロセス用途に於けるロール例について、不織布ロー
ルBの寸法が、ロール外径φ250mm、軸方向の有効長
1,500mmとなるものについて述べる。ディスク状の
不織布シート8は、繊維径約3μ、ゴム系バインダーに
より絡合された、厚さ約2mm、密度約0.35g/cm3
空隙率約70%を有するポリエステル繊維系不織布シー
ト素材を採用する。また一方に側板9を有する軸本体1
の軸部5は、直径がφ175mm、その肉圧が25mmの中
空管とし、φ5mmの透孔4を65mm間隔(ピッチ)で、
軸部円周方向12列、千鳥状に配列し、周面全体に27
0個開設した。そして、軸受部2に貫通孔6を設けると
ともに、この軸受部2に設けたネジ部2aに側板7を設
ける構成を有し、この側板7をネジを有するナット7a
で固止する構成となっている。そして、図8〜図10に
示すように、プレス装置13にチャッキング手段14を
介して立設された側板9付きの軸本体1に、1500枚
の不織布シート8を嵌装して、前記ロール本体を構成す
る。その際に、不織布シート8を50枚を1ブロックと
して、約750kg(2kg/cm2)の圧力を付与して固定す
る。続いて、つぎの1ブロックの不織布シート8を、軸
本体1に50枚嵌装し、この1ブロックに約750kg
(2kg/cm2)の圧力を付与して固定する。以上で詳述し
た操作とほぼ同様の操作を以後反復し、最終工程に於い
ては一方の側板7を装填しほぼ同様の操作を行うことに
より、軸本体1への嵌挿が完了する。続いて、前述の如
く、ナット7aを介して一方の側伴を螺着、固定すると
ともに、従来のロールに於いても採用されているような
表面平滑化(切削、研磨等の)手段を講じる。図中12
は不織布シート8のプレスガイドである。
【0023】以上のようにして構成され、その不織布8
が約50%均等に圧縮成形された状態に於いて、密度約
0.7g/cm3、空隙率約40%、最小気孔(キャピラリ
ー)半径約0.25μを備えた不織布ロールBを得る。
この不織布ロールBを一対とし、この不織布ロールBの
貫通孔6に、口径50A(2B)−5.5Kwの真空ポ
ンプ(空気吸込量2.98m3/min;ロール2本外径表面
積計2.36m2当たり1.26m3/min-m2)を接続し、
ポンプを作動すると、ロール本体の抵抗により真空を発
生すると共に、不織布ロールの軸部1に設けた透孔4に
真空ポンプによる真空吸引力5〜30l/min-cm2の吸引
風量が均等に発生し、吸液状態にある不織布部内部に於
いて放射方向に毛細管効果を励起し、ロール外表面方向
にほぼ倒円錐形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用さ
せ、ロール本体外表面全域に渡り均一且つ有効な吸収、
集液機能を発揮するものとなる。
【0024】以下、本吸液ロール構成上の実施データの
一つについて説明する。
【0025】不織布シート8部(スポンジ等一体のも
のも含む)に接する軸本体1上の透孔4の開口率(ロー
ル外径表面積比)を 開口率・・・・・α=0.45%(0.3〜1%) とする。具体的な開口率を実際的な例について以下に示
す。
【0026】φ300ロール:(((0.5)2π/4)24・((1000/90)-1)
/30π・100)100 =(0.196×24×10/9425)100=0.50% φ250ロール:(((0.5)2π/4)12・((1000/60)-1)/25π・100)10
0 =(0.196×12×15/7854)100=0.45% φ100ロール:(((0.5)2π/4)8・((1000/52)-1)/10π・100)100 =(0.196×8×18/3142)100=0.90% 機械加工他、工作上の都合により、即ち、例えば透孔の
ある分散に対し加工上実用的なドリルサイズにより規定
されることがあり、上記透孔の開口率は数%程度の差を
生じることが有り得る。以下に具体的数値例を示す。 φ50ロール: (((0.5)2π/4)6・((1000/25)-1)/5π・100)100 =(0.196×6×39/1571)100=2.91% φ35ロール: (((0.3)2π/4)6・((1000/12)-1)/3.5π・100)10
0 =(0.071×6×82/1100)100=3.18% 処理液粘性、速度にも関連する単位時間当たり液量等、
負荷の変動により、液体の透孔通過抵抗を考慮し(粘
性、量の増大等による抵抗の増加にともなって有効透孔
径は減少する)、透孔径もしくはこれを補完する開口率
の補正を必要とする。このような場合、上記透孔径を1
0〜20%程度(径補正10%に於いて上記透孔の開口
率換算約20%となる)大径とし抵抗を補正するものと
する。例外的に、例えばフィルム処理等に用いられるロ
ール例に於いて、ロール上表に於ける透孔影響による吸
液速度差を特に平準化する目的のため、放射方向表面に
於ける真空吸引力作用範囲の重畳性を意図的に大とする
目的のため、又、特殊な例として局部的に吸引作用を特
に集中する目的のため、透孔の配置ピッチを小とする場
合が有り得、上記透孔の開口率値が上記基準値を越える
場合がある。このような場合、負荷によっても異なる
が、機能上のバランスは吸引能力によっても補正され得
る。以下にこうした例について具体的数値例を示す。 φ150ロール: (((0.7)2π/4)24・((1000/20)-1)/15π・100)1
00 =(0.385×24×43/4712)100=8.43%。
【0027】透孔4部吸引風量(q,単位面積当た
り)を q=26l/min-cm2(5〜30l.min-cm2) とする。上記は一般的な水もしくは水に近い液体に関
し、比較的粘性の高い液体を取り扱う場合、例えば、オ
イル、苛性ソーダ溶液等では、これによって生ずる抵抗
の増大に抗して吸引風量を補正する場合があり、上記基
準風量比50〜75%程度の補正を行う。ロール外表面
積、開口率より透孔4の面積総和が得られ、適用透孔径
より透孔数が求められる。一方、単位面積吸引風量×透
孔数により、真空装置排気能力が得られる。
【0028】適用透孔径(d;加工工作上の制約等に
より、φ2〜7を通常用いる)を d・・・・・・φ5mm とする。ロール本体外径(D)φ250mm、ロール本体
部幅(Wb)1500mmの吸液ロールの場合、 Ar(ロール外表面積)=π×D2/4=4117800
0mm2 Ah(透孔面積総和)=Ar×α/100=5301mm2 ah(φ5透孔面積)=π×d2/4=19.63mm2 故に、N(透孔数)=Ah/ah近似値270 軸部円周方向等分割角度ピッチを30゜(透孔数,nr=
12ケ)とし、軸方向透孔数(nx)、軸方向透孔ピッチ
(P)を求める。 nx=N/nr=22.5近似値22列 故に、P=Wb/(nx+1)=63.8近似値65mm 計算要求真空装置能力(Q,ロール2本ドライブ)は、 Q=(Ah/100)×(q/1000)×2=2.7
6m3/min となる。この例では、円周方向ロール表面に於ける有効
ピッチ(Pr)は、 Pr=π×250/12近似値65mm となる。即ち、軸方向等透孔(P=65mm)との関係に
於いて、配置により正三角形に近い配列を得、最も効率
的、均一且つ有効な吸収作用面が重畳して形成されるも
のとなっている。このような配置は、一般的には千鳥状
配列により得られ易いが、他の配列、例えばスパイラル
状の配列によっても、得られないものではない。
【0029】尚、透孔4の開口率、風量(並びに流速)
共に、設計上の制約、加工都合(例えば、極小口径透孔
の加工は加工上の制約が大きく困難な場合がある)、真
空装置機種都合(一般に能力の選定は段階的となる)等
により制約を受けるが、一般に大開口率、特に大流量側
では、マイナスの機能的影響は比較的少ない。
【0030】以上は、動粘度1センチストークス(ほぼ
水に近い)程度の流体の取扱いが基礎になっているが、
実験並びに実際の運用結果等より、粘性の異なる流体、
例えば5〜25センチストークス程度の流体(油)に対
しても、基本的に同一の機能を示すことが認められてい
る。但し、粘性を補完する要因として、運用真空値を高
真空側に(−450mmHg以上)にとるものとする場合が
多い。高真空を得る方法としては、大排気量真空装置の
使用が一般的に行われるが、前記規模のロール(φ25
0mm×Wb1500mm)の場合、例えば、Q'(大排気量
補正)=Q×2〜4を通常用い、 Q'=(2.76)×2〜4=5.5〜11m3/min となる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上で詳述した如く、その吸
引用不織布ロールの軸本体にディスク状の不織布シート
を多数枚挿嵌し、この多数枚の不織布シートをプレス成
形し、その圧着重畳された不織布ロール部が連接する軸
本体に設けた透孔に真空ポンプの真空吸引力を作用させ
ることにより吸収力を励起するものであって、この作用
を誘導する適正且つ効率的な透孔単位面積当たり吸引風
量並びに透孔開口率を規定することによって、被処理物
に対する確実且つ瞬間的な(吸収)作用を確保し、被処
理物処理面上の液滴、液膜等の残留を極めて高いレベル
で排除し、かつ当該部位への液滴等による残滓マークを
完全に近く無くし得る効果があり、この効果を介して、
従来可能であった以上の液の除去レベルを達成し、残滓
マーク、汚れ等の発生をなくす等一般的な品質の向上に
寄与し、或いは品質の維持を従来に比しより確実かつ単
純な方法で維持可能とし、更には残液による被処理物搬
送系スリップの発生を抑え操業条件の維持をより容易に
するのに寄与し、或いはプロセス上の影響、例えば焼鈍
炉への残水持ち込みにより発生する条件変化、酸化等を
無くすのに寄与し、或いは従来条件を満たしながらこれ
まで可能でなかった、より高速かつ経済性の高い生産を
可能にするのに寄与し、或いは熱処理、乾燥等のエネル
ギー消費を従来に比しより高いレベルで削減するのに寄
与することが可能となる。
【0032】また、本発明の液送出目的に用いられる場
合の不織布ロールは、その構成に由来する送液面均一
性、液供給特性等より、被処理物表面に極めて均質な塗
膜を、必要に応じ膜厚の制御を加え、確実に、しかも単
純な装置構成によって付与可能にする効果を有し、一部
産業の分野にとって、在来の手法によってはこれまで可
能でなかった液膜の付与を可能とする手段を提供する有
益な発明である。
【0033】更に、本発明の不織布ロールは、ロール不
織布部をウエットな吸液状態とし、これにより発生する
抵抗により作用真空値を高め、同時に毛細管の機能を高
め、前記軸本体に多数千鳥状などに開設した透孔を介し
て、前記吸液状態にある不織布部内部に於いて放射方向
に毛細管効果を励起し、ロール外表面方向にほぼ倒円錐
形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用せしめる効果
と、前記真空吸引力の一部が前記不織布ロールの放射方
向表面に於いて重畳作用するように配置し、前記真空吸
引力を当該不織布ロールの放射方向表面で均一に作用さ
せる効果を有し、これら効果を介し、送出(液供給)、
吸引(液吸収)機能を備える機能性不織布ロールとして
の総合的な要件を満たし、機能を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布ロールの正面図である。
【図2】不織布ロールの一例を示した一部省略の断面図
である。
【図3】不織布ロールの他の一例を示した一部省略の断
面図である。
【図4】使用状態を示す模式図である。
【図5】使用状態の他の例を示す模式図である。
【図6】不織布ロールの真空吸引状態を説明する拡大模
式図である。
【図7】不織布ロールの真空吸引状態を平面的に説明す
る拡大模式図である。
【図8】不織布ロールの製作状態を示した一部省略の部
分断面図である。
【図9】最後のブロックの圧着状態を示す部分断面図で
ある。
【図10】締付状態を示す要部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 軸本体 2 軸受部 2a 軸受部 3 空洞部 4 透孔 5 開口 6 貫通孔 7 側板 7a ナット 8 不織布シート 8’ 圧着重畳された不織布部/不織布ロール部 9 側板 10 空洞筒部 11 孔 12 プレスガイド 13 プレス装置 14 チャッキング手段 A 送出用の不織布ロール B 吸引用の不織布ロール C 被処理物 D (送出)作用領域 D’ (吸引)作用領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 不織布ロールを利用する吸液方法
と、この吸液方法に使用する吸液ロール装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布ロールを利用す
る吸液方法と、この吸液方法に使用する吸液ロール装置
に関する。
【従来の技術】
【0002】不織布シート(繊維質シート)を採用する
従来の吸液手段としては、下記のような先行技術があ
る。
【0003】(1)実開昭48−94067号の吸液ベ
ルトが有り、その要旨は、天然繊維あるいは不織布マッ
トの空隙部に高分子物質が連続的かつ多孔質構造に充填
された繊維質シートよりなるベルト状の構成である。
【0004】(2)特開昭61−262586号の吸液
ロールが有り、その要旨は、極細繊維が立体的に絡合さ
れた不織布の空隙部に高分子弾性体が多孔質構造で充填
された繊維質シートからなるディスク状物を多数圧縮重
畳してなる構成である。
【0005】(3)特開昭59−69186号のガラ
ス、板材の加工処理に於ける不織布ロール装置があり、
その要旨は、その軸部の長手方向に空洞部を開設すると
ともに、その軸部周面に前記空洞部に連通する多数の透
孔を開設してなる筒状の軸本体と、この軸本体の両端に
設けられ、前記空洞部に連通する貫通孔を少なくともそ
の一方に貫設した一対の軸受け部と、前記軸本体に適宜
密度でなるディスク状の不織布を多数枚挿嵌し、前記軸
本体に水、処理液流体を吸引するに際し、この挿嵌され
た多数枚の不織布を軸方向にプレス成形することにより
前記圧着重畳された不織布の内外差圧が0.5気圧〜
0.8気圧に確保される圧着状態、繊維密度状態に構成
される不織布ロール部と、この不織布ロール部の両端部
に設けられた二枚の側板と、前記軸受け部の貫通孔にホ
ースを介して装備されるポンプとからなる構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した先行技術
(1)、(2)は、1)高分子弾性体をバインダーとし
た不織布シートを、シート状(一枚の布状)のままエン
ドレスベルト状にロールに捲装し使用する構成、2)デ
ィスク状の不織布シートを、ロール本体の軸方向に多数
圧着重畳した構成となっている。しかしながら、前記両
先行技術は、併用ロールもしくはロール本体に吸引機能
を備えておらず、不織布シート等のロール素材が吸液飽
和状態になると、著しくその吸液機能が消失し、飽和状
態にある吸液手段もしくは吸液ロールが処理し得る程度
以上の機能は発揮し得ない。
【0007】また先行技術(3)は、前記(1)、
(2)の改良として、ロール本体に吸引機能を付設した
構成となっており、それなりの効果が期待できる。しか
しこの特許発明の唯一の課題は、多孔質構造の高分子弾
性体と不織布シートとで構成される圧着条件他、具体的
には、軸部に多数開設した透孔の数、当該透孔に作用す
る風量等の関係及び相互関連性の面において、構造に関
し今一歩の技術的裏付け、叉は負圧吸引機能に対する適
切な設計上のバランス(工場サイドにおいて要求される
水、薬液等流体の吸引・除去水準を満たす適切な技術的
設計条件)に欠ける点があり、改良の余地が考えられ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明は、圧着重
畳された不織布シートで構成される不織布ロールの放射
方向表面に均一な真空吸引力を作用させるために、下記
の方法を採用する。
【0009】即ち、本発明の不織布ロールを利用する吸
液方法は、吸液機能を備えた軸本体、及びこの軸本体に
圧着重畳された不織布シートで構成する不織布ロール
と、当該不織布ロールと配管を介し連通される真空ポン
プとで構成される、送出、吸液機能を備えた不織布ロー
ルを利用する吸液方法であって、この吸液方法は、吸引
抵抗による真空値、及び毛細管の機能を高めることを意
図して、前記不織布部をウエットな吸液状態にして使用
し、かつこの使用状態で前記軸本体に多数千鳥状等に開
設した透孔を介して、前記吸液状態にある不織布部内部
に於いて、不織布ロール外表面方向に向かってほぼ倒円
錐形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用せしめるとと
もに、前記真空吸引力の一部が前記不織布ロールの外表
面に於いて重畳作用するように構成したことにより、前
記真空吸引力を当該不織布ロールの外表面で均一作用さ
せる構成である。
【0010】また本発明は、圧着重畳された不織布シー
トの吸液能力を最大限に発揮せしめ、機能的なロールを
供するため必要な技術的構成要件として、不織布ロール
部に作用する透孔の数、同透孔が作用し機能を及ぼす不
織布ロール部に対する適切な配置、及び機能上要求され
る透孔通過風量を確保することを目的にして、下記の構
成を採用する。
【0011】即ち、不織布ロールを利用する吸液方法に
使用する吸液ロール装置は、軸部の軸方向に空洞部を開
設すると共に、この軸部周面に前記空洞部と連通する多
数の透孔を、ロール外径表面積に対し面積比0.3〜1
%程度開設してなる筒状の軸本体と、この軸本体に繊維
絡合体を成すディスク状の不織布シートを多数枚挿嵌
し、前記真空ポンプの真空吸引力により前記軸本体の透
孔に単位面積当たり吸引風量5〜30リッター/min
−cmが付与され真空を発生する圧縮比に前記不織布
シートを圧縮し組織密度を制御し、圧着成形し構成した
不織布ロール部と、不織布ロール部外表面方向にほぼ倒
円錐形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用せしめ、か
つ前記真空吸引力の一部が前記不織布ロールの放射方向
表面に於いて重畳作用し、前記真空吸引力が当該不織布
ロールの放射方向表面で均一に作用するように配置した
前記透孔と、この不織布ロール部の両端面に圧接され、
且つ前記軸本体に嵌着される一対の側板と、前記軸本体
の両端に設けられ、かつ前記空洞部に連通する貫通孔
を、少なくともその一方に貫設した一対の軸受け部と、
この軸受け部の貫通孔に配管を介して装備される真空ポ
ンプとで構成される。
【0012】
【作用】以下本発明の作用状態に付いて説明する。上記
構成の不織布ロールを採用し、かつ望ましくは、当該不
織布ロールの湿潤を維持した状態で被処理物Cを脱水、
脱液、中和等処理する吸液方法について説明すると、図
4、図5に図示するように不織布ロール一対を一式対設
する構成する方式を取った場合、不織布ロールAを液供
給用とし(以下、Aは送出用の不織布ロールとする)、
不織布ロールBを液吸収用とする(以下、Bは吸引用の
不織布ロールとする)と、A−A、A−B、B−Bの構
成を取り得る。
【0013】先ず、図4の例(A−B構成)では、不織
布ロールA−B間に被処理物Cを挿入して、この被処理
物Cにオイル、水、薬液等の塗膜(オイル膜で説明す
る)を形成する模式図である。そして、この一例では、
オイル等の流体を、送液ポンプ等を介して一方の不織布
ロールより溢出供給し、他方の不織布ロールにおいて真
空ポンブを介し吸引する機構である。具体的には、送液
ポンプより不織布ロールの貫通孔→空洞部→透孔(副室
部を伴う場合もある)を介し、不織布ロールAの表面よ
り溢出供給する。この際に、各透孔より図6で示すよう
に不織布ロールの放射方向に向かって、ほぼ倒円錐状に
液の送出がなされることと、各透孔より送出されたオイ
ルの一部(図7の如く、ぼぼ周辺部)領域が重畳するよ
うに送出される。一方不織布ロールAより液を供給し、
かつ当該不織布ロールAに対峙し一対となる不織布ロー
ルBを吸引作用させると、被処理物CのロールB接触面
側の液体並びに過剰のオイルは、不織布ロールBに吸収
され、不織布ロール部より(副室部を伴う場合もある)
透孔→空洞部→貫通孔を介し、真空ポンプをもって、場
合により気液分離室をも介し、不織布ロール装置系外
(図示せず、以下同じ)に排出される。尚、Dはほぼ倒
円錐状に形成された送出毛細管作用領域を示す。
【0014】これにより、液体は、不織布ロールAの表
面より、溢出供給され、結果的に前述の如く、各透孔よ
り、図6で示すように不織布ロールの放射方向表面に向
かって、ほぼ倒円錐状に送出されることと、各透孔より
送出されたオイルの一部(図7の如く、ほぼ周辺部領
域)が重畳するように送出されることによって、被処理
物CのロールA側面にほぼ均等にオイル膜が形成される
と共に、過剰液の処理とロールB側被処理物面に対する
吸収処理が同時になされる。
【0015】次いで、図5の例(B−B構成)は、不織
布ロールB−B間に被処理物Cを挿入して、この被処理
物Cに付着叉はCが保持する(含有を含む)オイル等の
流体(以下、流体とする)を不織布ロールB−B間にお
いて脱液する構成を示す模式図である。そして、この一
例では、被処理物Cに付着叉は保持された流体を、真空
ポンプを介して両不織布ロールB−B間で吸収除去する
構成である。具体的には、真空ポンプによる減圧、吸引
作用により、不織布ロール部毛細管作用を励起し、これ
によって生じた流体の移動と、作用風量による流体搬送
力とによって吸収機能が維持され、不織布ロールBの表
面より流体が吸収され、不織布ロール部より(副室部を
伴う場合もある)透孔→空洞部→貫通孔を介して流体が
吸引搬送され、不織布ロール装置系外に排出される。そ
して、本発明では、各透孔より不織布ロールの放射方向
表面に作用する真空吸引力は、図6の如く、不織布ロー
ルの放射方向表面に向かって、毛細管効果を励起し、ほ
ぼ倒円錐状に真空吸引力が作用し、かつ各透孔にによっ
て励起された真空吸引力の一部(図7の如く、ほぼ周辺
部領域)が重畳するように作用する。これによって、被
処理物Cの流体は排除される。尚、D’はほぼ倒円錐状
に形成され真空吸引力により励起された吸引毛細管作用
領域を示す。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しつつ説
明する。図中1は両端に軸受部2、2aを有する筒状の
軸本体で、この軸本体1にはその軸方向に向かって空洞
部3が開設されており、かつその周面には前記空洞部3
に連通する多数の透孔4が開設されている。また軸本体
1の一方は開口5を成し、前記空洞部3に連通するとと
もに、軸受部2にその軸方向に開設された貫通孔6とも
連通している。そして、この開口5は、一方の軸受部2
の貫通孔及びホース(図示せず)を介して遠心式ポン
プ、真空ポンプ等の送液、吸引手段(図示せず)に連通
されている。尚、ポンプの一形式として、プランジャー
式ポンプ機構を付設する場合を概説すると、プランジャ
ーを空洞部3に嵌装し、少なくとも一方の軸受部2をプ
ランジャー作動軸機構を収容可能な径とするとともに、
空洞部3またはこれに連通する貫通孔6に、開閉弁、安
全弁等の機構を設ける構造、もしくは開閉弁等の機能部
品を含む配管系を接続する構造とする。
【0017】図中7は軸本体1の一端部に止着された側
板、9は軸本体1の他端部に止着された側板であり、こ
の両側板7、9間には後述するディスク状で、かつ適宜
の密度を有する後述の不織布シートが、圧着状に重畳さ
れている。
【0018】図中8は不織布シート素材(図示せず)を
打ち抜き加工等して成形されたディスク状の不織布シー
トで、この不織布シート8を多数枚成形し、前記軸本体
1の一端部に側板9を止着した後、この軸本体1にディ
スク状の不織布シート8を多数枚装嵌する。そしてプレ
ス成形で圧着して、この多数枚の不織布シート8を圧着
状に重畳した後、他端部に側板7を止着することにより
不織布ロールが構成される。
【0019】本発明では、前記プレス成形による不織布
シート8を軸方向に圧着重畳するに際し、その圧着重畳
された不織布ロールの軸部1に設けた透孔4に接続され
た真空ポンプ(図示せず)により真空吸引力3〜20
ッター(リットル)/min−cm程度の吸引風量
(単位面積当たり)が確保される圧縮比圧着状態並びに
組織密度状態に成形構成し、ここに、本発明の送出用、
吸引用の不織布ロールA、Bが構成される。処で、この
不織布ロールの軸受部2、2aを、例えば、加工処理装
置要部に装備された軸受部等に軸承し、または同様にし
て多数本の不織布ロールを架承する。
【0020】更に第3図の如く、空洞筒部11を設ける
構造とするこもでき、この例では、軸本体1の不織布シ
ート8の軸方向に直接空洞筒部10を設け、この空洞筒
部10と前記各透孔4とを、それぞれ連接する構造とす
る。具体的には、軸本体1の軸部5の空洞筒部用の孔1
1を有する不織布シート8を圧着状に重畳し、前述の如
く、圧着重畳された不織布ロールの軸部1に設けた透孔
4に真空ポンプ(図示せず)の真空吸引力により単位面
積当たり吸引風量5〜30リッター/min−cm
付与され真空を発生する圧縮比に前記不織布シート8を
圧縮し組織密度を制御し、圧着成形し構成し、かつ軸方
向1の外周面に軸方向に向かって長くかつ各透孔4に連
通する空洞筒部10を複数設ける。これによって、空洞
筒部10により形成された液溜まりによる集液効果を有
する送出(供給)用、吸引(吸収)用の不織布ロール
A、Bが構成される。この流体溜まり室(空洞筒部1
0)を設けることにより、液のより均一かつ圧損等によ
る損失の少ない効率的な集液が可能となり、本発明の送
出、吸引効果の一層の向上が期待できる。
【0021】以下、前記本発明の送出用、吸引用の不織
布ロールA、Bの製造方法及び実験結果を説明する。
【0022】先ず、送出用、吸引用の不織布ロールA、
Bの製造方法を説明する。具体的には、メタルシート洗
浄プロセス用途に於けるロール例について、不織布ロー
ルBの寸法が、ロール外径φ250mm、軸方向の有効
1500mmとなるものについて述べる。ディスク状
の不織布シート8は、繊維径約3μ、ゴム系バインダー
により絡合された、厚さ約2mm、密度約0.35g/
cm、空隙率約70%を有するポリエステル繊維系不
織布シート素材を採用する。また一方に側板9を有する
軸本体1の軸部5は、直径がφ175mm、その肉圧が
25mmの中空管とし、φ5mmの透孔4を65mm間
隔(ピッチ)で、軸部円周方向12列、千鳥状に配列
し、周面全体に270個開設した。そして、軸受部2に
貫通孔6を設けるとともに、この軸受部2に設けたネジ
部2aに側板7を設ける構成を有し、この側板7をネジ
を有するナット7aで固止する構成となっている。そし
て、図8〜図10に示すように、プレス装置13にチャ
ッキング手段14を介して立設された側板9付きの軸本
体1に、1500枚の不織布シート8を嵌装して、前記
ロール本体を構成する。その際に、不織布シート8を5
0枚を1ブロックとして、約750kg(2kg/cm
)の圧力を付与して固定する。続いて、つぎの1ブロ
ックの不織布シート8を、軸本体1に50枚嵌装し、こ
の1ブロックに約750kg(2kg/cm)の圧力
を付与して固定する。以上で詳述した操作とほぼ同様の
操作を以後反復し、最終工程に於いては一方の側板7を
装填しほぼ同様の操作を行うことにより、軸本体1への
嵌挿が完了する。続いて、前述の如く、ナット7aを介
して一方の側伴を螺着、固定するとともに、従来のロー
ルに於いても採用されているような表面平滑化(切削、
研磨等の)手段を講じる。図中12は不織布シート8の
プレスガイドである。
【0023】以上のようにして構成され、その不織布8
が約50%均等に圧縮成形された状態に於いて、密度約
0.7g/cm、空隙率約40%、最小気孔(キャピ
ラリー)半径約0.25μを備えた不織布ロールBを得
る。この不織布ロールBを一対とし、この不織布ロール
Bの貫通孔6に、口径50A(2B)−5.5Kwの真
空ポンプ(空気吸込量2.98m/min;ロール2
本外径表面積計2.36m当たり1.26m/mi
n−m)を接続し、ポンプを作動すると、ロール本体
の抵抗により真空を発生すると共に、不織布ロールの軸
部1に設けた透孔4に真空ポンプによる真空吸引力5〜
30リッター/min−cmの吸引風量が均等に発生
し、吸液状態にある不織布部内部に於いて放射方向に毛
細管効果を励起し、ロール外表面方向にほぼ倒円錐形状
に有効な吸液・送液毛細管部を作用させ、ロール本体外
表面全域に渡り均一且つ有効な吸収、集液機能を発揮す
るものとなる。
【0024】以下、本吸液ロール構成上の実施データの
一つについて説明する。
【0025】(A)不織布シート8部(スポンジ等一体
のものも含む)に接する軸本体1上の透孔4の開口率
(ロール外径表面積比)を 開口率・・・・・α=0.45%(0.3〜1%)とす
る。具体的な開口率を実際的な例について以下に示す。
【0026】φ300ロール:(((0.5)2π/
4)24・((1000/90)−1)/30π・10
0)100 =(0.196×24×10/9425)100=0.
50% φ250ロール:(((0.5)2π/4)12・
((1000/60)−1)/25π・100)100 =(0.196×12×15/7854)100=0.
45% φ100ロール:(((0.5)2π/4)8・((1
000/52)−1)/10π・100)100 =(0.196×8×18/3142)100=0.9
0% 機械加工他、工作上の都合により、即ち、例えば透孔の
ある分散に対し加工上実用的なドリルサイズにより規定
されることがあり、上記透孔の開口率は数%程度の差を
生じることが有り得る。以下に具体的数値例を示す。 φ50ロール:(((0.5)2π/4)6・((10
00/25)−1)/5π・100)100 =(0.196×6×39/1571)100=2.9
1% φ35ロール:(((0.3)2π/4)6・((10
00/12)−1)/3.5π・100)100 =(0.071×6×82/1100)100=3.1
8% 処理液粘性、速度にも関連する単位時間当たり液量等、
負荷の変動により、液体の透孔通過抵抗を考慮し(粘
性、量の増大等による抵抗の増加にともなって有効透孔
径は減少する)、透孔径もしくはこれを補完する開口率
の補正を必要とする。このような場合、上記透孔径を1
0〜20%程度(径補正10%に於いて上記透孔の開口
率換算約20%となる)大径とし抵抗を補正するものと
する。例外的に、例えばフィルム処理等に用いられるロ
ール例に於いて、ロール上表に於ける透孔影響による吸
液速度差を特に平準化する目的のため、放射方向表面に
於ける真空吸引力作用範囲の重畳性を意図的に大とする
目的のため、又、特殊な例として局部的に吸引作用を特
に集中する目的のため、透孔の配置ピッチを小とする場
合が有り得、上記透孔の開口率値が上記基準値を越える
場合がある。このような場合、負荷によっても異なる
が、機能上のバランスは吸引能力によっても補正され得
る。以下にこうした例について具体的数値例を示す。 φ150ロール:(((0.7)2π/4)24・
((1000/20)−1)/15π・100)100 =(0.385×24×43/4712)100=8.
43%。
【0027】(B)透孔4部吸引風量(q,単位面積当
たり)を q=26リッター/min−cm(5〜30リッター
/min−cm) とする。上記は一般的な水もしくは水に近い液体に関
し、比較的粘性の高い液体を取り扱う場合、例えば、オ
イル、苛性ソーダ溶液等では、これによって生ずる抵抗
の増大に抗して吸引風量を補正する場合があり、上記基
準風量比50〜75%程度の補正を行う。ロール外表面
積、開口率より透孔4の面積総和が得られ、適用透孔径
より透孔数が求められる。一方、単位面積吸引風量×透
孔数により、真空装置排気能力が得られる。
【0028】(C)適用透孔径(d;加工工作上の制約
等により、φ2〜7を通常用いる)を d・・・・・・φ5mm とする。ロール本体外径(D)φ250mm、ロール本
体部幅(Wb) 1500mmの吸液ロールの場合、 Ar(ロール外表面積)=π×D/4=411780
00mm Ah(透孔面積総和)=Ar×α/100=5301m
ah(φ5透孔面積)=π×d/4=19.63mm
故に、N(透孔数)=Ah/ah=(約)270 軸部円周方向等分割角度ピッチを30°(透孔数,nr
=12ケ)とし、軸方向透孔数(nx)、軸方向透孔ピ
ッチ(P)を求める。 nx=N/nr=22.5=(約)22列 故に、P=Wb/(nx+1)=63.8=(約)65
mm 計算要求真空装置能力(Q,ロール2本ドライブ)は、 Q=(Ah/100)×(q/1000)×2=2.7
6m/min となる。この例では、円周方向ロール表面に於ける有効
ピッチ(Pr)は、 Pr=π×250/12=(約)65mm となる。即ち、軸方向等透孔(P=65mm)との関係
に於いて、配置により正三角形に近い配列を得、最も効
率的、均一且つ有効な吸収作用面が重畳して形成される
ものとなっている。このような配置は、一般的には千鳥
状配列により得られ易いが、他の配列、例えばスパイラ
ル状の配列によっても、得られないものではない。
【0029】尚、透孔4の開口率、風量(並びに流速)
共に、設計上の制約、加工都合(例えば、極小口径透孔
の加工は加工上の制約が大きく困難な場合がある)、真
空装置機種都合(一般に能力の選定は段階的となる)等
により制約を受けるが、一般に大開口率、特に大流量側
では、マイナスの機能的影響は比較的少ない。
【0030】以上は、動粘度1センチストークス(ほぼ
水に近い)程度の流体の取扱いが基礎になっているが、
実験並びに実際の運用結果等より、粘性の異なる流体、
例えば5〜25センチストークス程度の流体(油)に対
しても、基本的に同一の機能を示すことが認められてい
る。但し、粘性を補完する要因として、運用真空値を高
真空側に(−450mmHg以上)にとるものとする場
合が多い。高真空を得る方法としては、大排気量真空装
置の使用が一般的に行われるが、前記規模のロール(φ
250mm×Wb1500mm)の場合、例えば、 Q’(大排気量補正)=Q×2〜4を通常用い、 Q’=(2.76)×2〜4=5.5〜11m/mi
n となる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上で詳述した如く、その吸
引用不織布ロールの軸本体にディスク状の不織布シート
を多数枚挿嵌し、この多数枚の不織布シートをプレス成
形し、その圧着重畳された不織布ロール部が連接する軸
本体に設けた透孔に真空ポンプの真空吸引力を作用させ
ることにより吸収力を励起するものであって、この作用
を誘導する適正且つ効率的な透孔単位面積当たり吸引風
量並びに透孔開口率を規定することによって、被処理物
に対する確実且つ瞬間的な(吸収)作用を確保し、被処
理物処理面上の液滴、液膜等の残留を極めて高いレベル
で排除し、かつ当該部位への液滴等による残滓マークを
完全に近く無くし得る効果があり、この効果を介して、
従来可能であった以上の液の除去レベルを達成し、残滓
マーク、汚れ等の発生をなくす等一般的な品質の向上に
寄与し、或いは品質の維持を従来に比しより確実かつ単
純な方法で維持可能とし、更には残液による被処理物搬
送系スリップの発生を抑え操業条件の維持をより容易に
するのに寄与し、或いはプロセス上の影響、例えば焼鈍
炉への残水持ち込みにより発生する条件変化、酸化等を
無くすのに寄与し、或いは従来条件を満たしながらこれ
まで可能でなかった、より高速かつ経済性の高い生産を
可能にするのに寄与し、或いは熱処理、乾燥等のエネル
ギー消費を従来に比しより高いレベルで削減するのに寄
与することが可能となる。
【0032】また、本発明の液送出目的に用いられる場
合の不織布ロールは、その構成に由来する送液面均一
性、液供給特性等より、被処理物表面に極めて均質な塗
膜を、必要に応じ膜厚の制御を加え、確実に、しかも単
純な装置構成によって付与可能にする効果を有し、一部
産業の分野にとって、在来の手法によってはこれまで可
能でなかった液膜の付与を可能とする手段を提供する有
益な発明である。
【0033】更に、本発明の不織布ロールは、ロール不
織布部をウエットな吸液状態とし、これにより発生する
抵抗により作用真空値を高め、同時に毛細管の機能を高
め、前記軸本体に多数千鳥状などに開設した透孔を介し
て、前記吸液状態にある不織布部内部に於いて放射方向
に毛細管効果を励起し、ロール外表面方向にほぼ倒円錐
形状に有効な吸液・送液毛細管部を作用せしめる効果
と、前記真空吸引力の一部が前記不織布ロールの放射方
向表面に於いて重畳作用するように配置し、前記真空吸
引力を当該不織布ロールの放射方向表面で均一に作用さ
せる効果を有し、これら効果を介し、送出(液供給)、
吸引(液吸収)機能を備える機能性不織布ロールとして
の総合的な要件を満たし、機能を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】不織布ロールの正面図である。
【図2】不織布ロールの一例を示した一部省略の断面図
である。
【図3】不織布ロールの他の一例を示した一部省略の断
面図である。
【図4】使用状態を示す模式図である。
【図5】使用状態の他の例を示す模式図である。
【図6】不織布ロールの真空吸引状態を説明する拡大模
式図である。
【図7】不織布ロールの真空吸引状態を平面的に説明す
る拡大模式図である。
【図8】不織布ロールの製作状態を示した一部省略の部
分断面図である。
【図9】最後のブロックの圧着状態を示す部分断面図で
ある。
【図10】締付状態を示す要部の部分断面図である。
【符号の説明】 1 軸本体 2 軸受部 2a軸受部 3 空洞部 4 透孔 5 開口 6 貫通孔 7 側板 7aナット 8 不織布シート 8’ 圧着重畳された不織布部/不織布ロール部 9 側板 10 空洞筒部 11 孔 12 プレスガイド 13 プレス装置 14 チャッキング手段 A 送出用の不織布ロール B 吸引用の不織布ロール C 被処理物 D (送出)作用領域 D’(吸引)作用領域
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 不織布ロールを利用する吸液方法
と、この吸液方法に使用する吸液ロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸液機能を備えた軸本体、及びこの軸本体
    に圧着重畳された不織布シートで構成する不織布ロール
    と、当該不織布ロールと配管を介し連通される真空ポン
    プとで構成される、送出、吸液機能を備えた不織布ロー
    ルを利用する吸液方法であって、 この吸液方法は、吸引抵抗による真空値、及び毛細管の
    機能を高めることを意図して、前記不織布部をウエット
    な吸液状態にして使用し、かつこの使用状態で前記軸本
    体に多数千鳥状等に開設した透孔を介して、前記吸液状
    態にある不織布部内部に於いて、不織布ロール外表面方
    向に向かってほぼ倒円錐形状に有効な吸液・送液毛細管
    部を作用せしめるとともに、前記真空吸引力の一部が前
    記不織布ロールの外表面に於いて重畳作用するように構
    成したことにより、前記真空吸引力を当該不織布ロール
    の外表面で均一作用させる構成とした不織布ロールを利
    用する吸液方法。
  2. 【請求項2】軸部の軸方向に空洞部を開設すると共に、
    この軸部周面に前記空洞部と連通する多数の透孔を、ロ
    ール外径表面積に対し面積比0.3〜1%程度開設して
    なる筒状の軸本体と、 この軸本体に繊維絡合体を成すディスク状の不織布シー
    トを多数枚挿嵌し、前記真空ポンプの真空吸引力により
    前記軸本体の透孔に単位面積当たり吸引風量5〜30l
    /min-cm2が付与され真空を発生する圧縮比に前記不織布
    シートを圧縮し組織密度を制御し、圧着成形し構成した
    不織布ロール部と、 不織布ロール部外表面方向にほぼ倒円錐形状に有効な吸
    液・送液毛細管部を作用せしめ、かつ前記真空吸引力の
    一部が前記不織布ロールの放射方向表面に於いて重畳作
    用し、前記真空吸引力が当該不織布ロールの放射方向表
    面で均一に作用するように配置した前記透孔と、 この不織布ロール部の両端面に圧接され、且つ前記軸本
    体に嵌着される一対の側板と、 前記軸本体の両端に設けられ、かつ前記空洞部に連通す
    る貫通孔を、少なくともその一方に貫設した一対の軸受
    け部と、 この軸受け部の貫通孔に配管を介して装備される真空ポ
    ンプとで構成される不織布ロールを利用する吸液方法に
    使用する吸液ロール装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の不織布ロール部が、同不織布
    ロール部に相当する密度、毛細管機能形態を保持する弾
    性多孔体でなる請求項2の不織布ロールを利用する吸液
    方法に使用する吸液ロール装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3の軸部の空洞部に
    作用する真空ポンプの真空度が、−150mmHg〜−76
    0mmHg程度でなる請求項2又は請求項3の不織布ロール
    を利用する吸液方法に使用する吸液ロール装置。
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