JPH0711999A - 電子制御式車両駆動機構のフェイルセイフ装置 - Google Patents

電子制御式車両駆動機構のフェイルセイフ装置

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JPH0711999A
JPH0711999A JP15329893A JP15329893A JPH0711999A JP H0711999 A JPH0711999 A JP H0711999A JP 15329893 A JP15329893 A JP 15329893A JP 15329893 A JP15329893 A JP 15329893A JP H0711999 A JPH0711999 A JP H0711999A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】故障時には確実にフェイルセーフを行ない、し
かも跛行運転を可能にしてサービス工場等まで自力走行
が出来るようにした電子制御式車両駆動機構のフェイル
セイフ装置を提供する。 【構成】運転者の速度調節意志に基づいて駆動力を調節
する駆動力第1制御手段52(例えばスロットルアクチ
ュエータ)の他に、運転者の速度調節意志と車速に基づ
いて定まる最大許容車両状態物理量(駆動力、駆動軸ト
ルク、車両の前後方向加速度等)と実際の車両状態物理
量を比較し、後者が前者を越えないように駆動力を調節
する駆動力第2制御手段56(例えば、多気筒内燃機関
の燃料噴射気筒数を減少させる気筒数制御手段)を備え
た電子制御式車両駆動機構のフェイルセイフ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子制御式車両駆動機
構、すなわちアクセルペダルの操作量を検出し、その値
および車両の各種状態信号に応じて電子的に演算した結
果に基づいて、スロットルバルブ開度や燃料供給量等ま
たは電動機の電流等を制御する装置に関し、特にそのフ
ェイルセイフ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスロットルバルブ駆動装置として
は、例えば、特開平2−30933号公報に記載のもの
がある。これは、非通電時に接続状態であるノーマルク
ローズ型の第1の電磁クラッチと、非通電時に非接続状
態であるノーマルオープン型の第2の電磁クラッチとを
有し、第1の電磁クラッチと第2の電磁クラッチの一端
にスロットルバルブを接続し、第2の電磁クラッチの他
端にモータを配置し、第1の電磁クラッチの他端にアク
セルペダルに連動するアクセルレバーを配置したスロッ
トルバルブ駆動装置である。この従来例では、正常時に
はモータでスロットルバルブを開閉するが、なんらかの
故障が発生した場合には、上記二つの電磁クラッチの通
電をオフすることにより、スロットルバルブとモータ間
が開放され、かつ、スロットルバルブとアクセルレバー
の間が機械的に連結されるものである。したがって、こ
の装置においては、故障時もエンジン回転速度が運転者
の意に反して上昇することがなく、かつアクセル操作に
応じた走行を維持することが出来る。また、他の従来例
としては、スロットル制御系の異常を検出した場合に、
燃料カット制御を行なうものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の例にお
いては、スロットルバルブや電磁クラッチの固着、リタ
ーンスプリングの破断、およびスロットルバルブや電磁
クラッチの制御装置の故障等が重なって起こった場合に
は、スロットルバルブが開き状態のままになる畏れがあ
った。また、後者の例においては、異常時には燃料カッ
トを行なって安全なレベルまで駆動出力を低下させるこ
とだけを目的としたものであるため、スロットルバルブ
が開き状態で固着する等の故障が発生して燃料カットが
開始されると、アクセル操作による自立走行が困難にな
る。そのため、安全地帯やサービス工場まで車両を自力
で走行させることが困難になる、という問題があった。
【0004】本発明は、上記のごとき従来技術の問題を
解決するためになされたものであり、故障時には確実に
フェイルセーフを行ない、しかも跛行運転を可能にして
サービス工場等まで自力走行が出来るようにした電子制
御式車両駆動機構のフェイルセイフ装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。図1は、請求項1のクレーム対応図で
ある。図1において、51は、運転者の速度調節意志を
検出する運転者意志検出手段である。なお、速度調節意
志とは、運転者が車両を加速、定速、或いは減速しよう
とする意志である。この運転者意志検出手段は、具体的
には、例えば請求項2に記載のように、運転者が操作す
るアクセル手段の操作量を検出するアクセル開度検出手
段である。また、52は、上記の検出された運転者意志
に基づいて駆動力を調節する駆動力第1制御手段であ
る。具体的には、例えば請求項2に記載のように、アク
セル開度に基づいて目標スロットル開度を演算する目標
スロットル開度演算手段と、上記目標開度に基づいて実
際のスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段
とからなる装置、または請求項4に記載のように、アク
セル開度に応じて電動機の電機子電流を制御する装置で
ある。また、53は、上記の検出された運転者意志また
は上記運転者意志と車速とに基づいて、車両状態物理量
の許容される最大値を決定する最大許容車両状態物理量
算出手段である。なお、上記の車両状態物理量は、例え
ば請求項3に記載のように、駆動力、駆動軸トルクまた
は車両の前後方向加速度等である。また、54は、実際
の車両状態物理量を検出もしくは推定する実車両状態物
理量推定手段である。具体的には、例えば後記図2の実
施例で説明するように、吸入負圧、エンジン回転速度N
RPM、燃料噴射気筒数Nおよび変速比から駆動力Fを
求める手段である。また、55は、上記の最大許容車両
状態物理量と実車両状態物理量とを比較して、後者が前
者を越えた場合に駆動力低減を指示する駆動力低減判断
手段である。具体的には、例えば請求項2に記載のよう
に、最大許容車両状態物理量と実車両状態物理量とを比
較して、後者が前者を越えないような燃料噴射気筒数を
決定する燃料噴射気筒数決定手段である。また、56
は、上記駆動力低減指示に従って駆動力を低減する駆動
力第2制御手段である。具体的には、例えば請求項2に
記載のように、上記の決定された気筒数に従って燃料噴
射を行なう気筒別燃料噴射制御手段、または請求項4に
記載のように、駆動力低減判断手段55の駆動力低減指
示に従って電動機の励磁電流を制御する手段である。な
お、57は、車速検出手段であり、最大許容車両状態物
理量算出手段53が運転者意志と車速とに基づいて車両
状態物理量の許容される最大値を決定するものである場
合に、それに必要な車速を検出するものである。
【0006】
【作用】上記のように、本発明においては、運転者の速
度調節意志に基づいて駆動力を調節する駆動力第1制御
手段(例えばスロットル・アクチュエータ)の他に、運
転者の速度調節意志と車速とに基づいて定まる最大許容
車両状態物理量(駆動力、駆動軸トルク、車両の前後方
向加速度等)と実際の車両状態物理量とを比較し、後者
が前者を越えないように駆動力を調節する駆動力第2制
御手段(例えば、多気筒内燃機関の燃料噴射気筒数を減
少させる気筒数制御手段)を備えたものである。上記の
ように構成したことにより、スロットルバルブや電磁ク
ラッチの固着、リターンスプリングの破断、およびスロ
ットルバルブや電磁クラッチの制御装置の故障等が重な
って起こった場合でも、運転者の速度調節意志を反映し
た最大許容車両状態物理量の範囲内に駆動力が制限され
るので、エンジン回転速度や車速が運転者の意に反して
上昇する畏れがなくなると共に、運転者の操作するアク
セルペダルの操作量に応じて、或る程度は駆動力の制御
が可能なので、故障後も自力走行することが可能であ
る。
【0007】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施例のシステム構成図であり、図
3は図2の装置に用いる電子式スロットル・アクチュエ
ータの断面図である。説明の都合のため、まず図3から
説明する。図3の装置は、ノーマルクローズ型の第1電
磁クラッチをアクセルペダルとスロットルバルブ1の間
に配置し、ノーマルオープン型の第2電磁クラッチをス
ロットルバルブ1とモータ2の間に配置した電子式スロ
ットル・アクチュエータである。図3において、スロッ
トルバルブ1を閉方向に付勢するスロットルバルブ用リ
ターンスプリング21と、アクセルペダル1にワイヤで
連結したアクセルドラム22を閉方向に付勢するアクセ
ルドラム用リターンスプリング23を配置している。ま
た、アクセルドラム22の回転角を計測するアクセルセ
ンサ3と、スロットル軸の回転角を計測するスロットル
センサ4とを所定の位置に配置している。また、電磁ク
ラッチにおいて、黒く塗りつぶした部分がスロットル側
クラッチプレートであり、通電のオン、オフによってス
ロットル軸方向に可動する。第1電磁クラッチでは、こ
のクラッチプレートがアクセルドラム22との連結方向
にスプリングで常時付勢されており、第2電磁クラッチ
では、このクラッチプレートがモータ2側との非連結方
向にスプリングで常時付勢されている。なお、本実施例
においては、モータ2としてDCモータを用いている。
【0008】次に、図2のシステム構成図について説明
する。本実施例は、電子制御スロットル付き4気筒内燃
機関に、駆動力を基準とした燃料噴射気筒数制御による
フェイルセイフ機構を備えた例を示す。図2において、
1はエンジンの吸入空気量を調節するスロットルバル
ブ、2は前述のDCモータである。3−1はアクセルド
ラム22の回転角度を検出する第1アクセルセンサであ
る。3−2はアクセルペダルの踏み角(アクセル開度)
を検出する第2アクセルセンサであり、踏み角をポテン
ショメータの出力電圧によって検知する。4はスロット
ルセンサであり、スロットル開度をポテンショメータの
出力電圧によって検知する。なお、図2においては、第
1アクセルセンサ3−1、第2アクセルセンサ3−2お
よびスロットルセンサ4については、構造的な設置場所
と配線上の位置とが離れているため、両方の位置に重複
して記載している。また、5は車速センサであり、トラ
ンスミッション出力軸に設けられた電磁ピックアップ等
によって車速に比例した周波数のパルス信号を出力す
る。6は多気筒内燃機関の各気筒毎の吸気管に設けられ
た燃料噴射バルブであり、後述のエンジン・コントロー
ラ10の出力パルス信号に基づいて燃料を間欠噴射す
る。7は多気筒内燃機関のクランク軸の回転角度を計測
するクランク角センサであり、エンジン回転数の算出
や、燃料噴射、点火のタイミングに用いる。8は吸気管
の吸入負圧を検出する吸入負圧センサである。なお、ス
ロットルバルブ1、モータ2、第1電磁クラッチ、第2
電磁クラッチ、第1アクセルセンサ3−1およびスロッ
トルセンサ4等によって電子式スロットル・アクチュエ
ータ(前記図3の構造)を構成している。次に、9は、
上記電子式スロットル・アクチュエータを制御するスロ
ットル・コントローラであり、ワンチップ・マイクロコ
ンピュータを用いている。ワンチップ・マイクロコンピ
ュータは、CPU、RAM、ROM、ディジタルポー
ト、A/Dポート、各種タイマを内蔵している。そし
て、システム正常時には、第1および第2の両電磁クラ
ッチに通電を指示を行ない、さらに、各種センサ信号に
基づいて、目標スロットル開度を演算し、実スロットル
開度が上記の目標スロットル開度に一致するように、D
Cモータ2の駆動電圧を出力する。10は、エンジン・
コントローラであり、通常の方法によって燃料噴射パル
スを各気筒の燃料噴射バルブ6へ出力して燃料供給制御
を行なう。通常時は、吸入負圧とエンジン回転速度とに
応じて燃料噴射パルス幅を決定し、駆動力を低減する必
要が生じた場合には、噴射を許可された特定の気筒の燃
料噴射バルブのみにパルスを出力して気筒数制御を行な
う。特に、本実施例では、アクセル開度と車速から求め
られる最大許容駆動力に基づいた燃料噴射の気筒数制御
を行なう。
【0009】11は、オートマチック・トランスミッシ
ョンの変速比等を制御するA/Tコントローラであり、
実変速指令値(何速に入れようとしているかを示す信
号)等の変速比情報をエンジン・コントローラ10へ送
る。
【0010】次に、図4は、エンジン・コントローラ1
0内のマイクロコンピュータが行なう制御動作の一部を
示すフローチャートである。このルーチンは一定の周期
(例えば10msec)毎に実施される。以下、図4に基
づいて本実施例の処理を説明する。図4において、ま
ず、P1では、第2アクセルセンサ3−2の出力値をA
/D変換した値から、実アクセル開度Accを算出する。
この値は運転者の速度調節意志、すなわち運転者が車両
を加速、定速、或いは減速しようとする意志に対応して
いる。次に、P2では、車速センサ5の出力値から、実
車速Vspを算出する。次に、P3では、実アクセル開度
Accと実車速Vspを用いて、予め記憶されたテーブルデ
ータ(図5、詳細後述)から最大許容駆動力Fmaxをル
ックアップする。Fmaxとは運転者に不安感を与えるこ
となく走行可能な駆動力の最大値であり、後記図5に示
すように実アクセル開度Accと実車速Vspの値に応じて
変化する。次に、P4では、吸入負圧、エンジン回転速
度NRPM、燃料噴射気筒数Nおよび変速比から実駆動
力Fを推定演算する。この演算においては、まず、燃料
噴射気筒毎に、予め記憶されたN個のエンジン特性テー
ブルデータを用いて、吸入負圧とエンジン回転速度から
エンジン出力トルクTeを算出する。次に、A/Tコン
トローラ11から送られた変速指令値に基づいて現在の
変速比Gtを求める。次に、上記のエンジン出力トルク
Teと変速比Gtとを用い、下記(数1)式に従って駆
動力Fを算出する。 F=Te×Gt×Gf÷R …(数1) ただし、Gfはファイナル・ギア比、Rはタイヤの有効
半径である。次に、P5では、最大許容駆動力Fmaxと
実駆動力Fを比較し、前者よりも後者の方が大きい場合
(P5=YES)には、P6へ進み、そうでない場合
(P5=NO)には、P10へ進む。次に、P6では、
燃焼噴射気筒数Nが0か否か、すなわち全ての気筒が燃
料遮断状態であるか否かを判断し、0の場合はP15へ
飛び、0でない場合はP7へ行く。P7では、燃焼噴射
気筒数Nから1を減算する。次に、P8では、P4と同
様に、実駆動力Fを算出する。次に、P9では、P5と
同様に、最大許容駆動力Fmaxと実駆動力Fとを比較
し、前者よりも後者の方がまだ大きい場合(P9=YE
S)には、P6へ戻り、そうでない場合(P9=NO)
には、P15へ進む。一方、P10では、燃焼噴射気筒
数Nが4か否か、すなわち4気筒機関の全気筒が燃料噴
射状態か否かを判断し、4の場合(P10=YES)は
P15へ飛び、そうでない場合(P10=NO)はP1
1へ行く。P11では、燃料噴射気筒数Nに1を加算す
る。次に、P12では、P4と同様に、実駆動力Fを算
出する。次に、P13では、P5と同様に、最大許容駆
動力Fmaxと実駆動力Fを比較して、前者よりも後者の
方がまだ小さい場合(P13=NO)には、P10へ戻
り、そうでない場合(P13=YES)には、P14へ
進む。P14では、燃料噴射気筒数Nから1を減算して
P15へ進む。次に、P15では、決定された燃料噴射
気筒数Nに基づいて、気筒別燃料噴射許可フラグを、各
気筒毎に設定し、本ルーチンを終了する。その後、クラ
ンク角度に同期して実行される通常の気筒別燃料噴射パ
ルス幅セットルーチンでは、前記フラグを参照し、許可
されている気筒の燃料噴射バルブのみへ燃料噴射パルス
を出力し、許可されない気筒はパルス幅設定レジスタに
ゼロをセットすることにより、燃料噴射を行なわないよ
うにする。上記のように、本実施例においては、アクセ
ル開度と車速とに応じて最大許容駆動力Fmaxを設定
し、その最大許容駆動力Fmaxと実駆動力Fを比較し、
実駆動力Fが最大許容駆動力Fmaxを越えないように、
燃料噴射を行なう気筒数を制御している。
【0011】次に、図5は、前記P3で説明した最大許
容駆動力Fmaxの特性図であり、(A)はスロットル制
御を行なわなかった場合の車両本来の駆動力特性を示す
図、(B)は最大許容駆動力Fmaxの特性図である。図
5(A)に示す車両本来の駆動力特性は、スロットル開
度(deg)と車速(km/h)とに対応した駆動力(kg)を
表示したものである。この車両の裸特性は、通常、運転
者に不安感を与えるものではあり得ないので、この特性
をベースにして最大許容駆動力マップを求める。図5
(B)に示す特性は、図5(A)を定数倍(図5の場合
は4/3倍)することによって求めたものである。図5
(B)に示すように、最大許容駆動力Fmaxも、スロッ
トル開度(deg)と車速(km/h)に対応した駆動力(k
g)として設定する。
【0012】次に、図6は、上記実施例における作用を
説明するための図であり、アクセル開度と駆動力との関
係を示す特性図である。図6において、A点は、スロッ
トルバルブが全開状態で固着等の故障を起こした場合に
燃料カットを行なわなかった場合の状態である。このよ
うな状態では、運転者がアクセルペダル操作量(アクセ
ル開度)を0にしても駆動力が低下せず、しかもこの状
態を解消することが出来ない。しかし、本実施例の場合
には、エンジン・コントローラ10内で作動する駆動力
監視ロジックが起動されると、実駆動力Fが最大許容駆
動力Fmax以下に低下するように、燃料噴射を行なう気
筒数が減少させられる。その後は、アクセル開度Accと
車速Vspの変化に伴って、C点、B点、D点、E点に示
すように、実駆動力Fが最大許容駆動力Fmaxを越えな
いように、燃焼噴射気筒数が制御される。したがって、
スロットルバルブや電磁クラッチの固着、リターンスプ
リングの破断、およびスロットルバルブや電磁クラッチ
の制御装置の故障等が重なって起こった場合でも、運転
者の速度調節意志を反映した最大許容駆動力Fmaxの範
囲内に駆動力が制限されるので、エンジン回転速度や車
速が運転者の意に反して上昇する畏れがなくなる。例え
ば、スロットルバルブが全開状態で固着した場合でも、
運転者がアクセル開度を小さくすれば、図5(B)の特
性から判るように、最大許容駆動力Fmaxが低下し、そ
れに応じて実駆動力Fも低下させられるので、エンジン
回転速度や車速を運転者の意志に従わせることが出来
る。また、図6に示すように、アクセル開度に基づい
て、階段状ではあるが或る程度の駆動力の制御が可能な
ので、故障後も自力走行することが可能である。
【0013】また、スロットル・コントローラが故障し
ても、エンジン・コントローラが正常作動すれば、上記
の特性が得られる。なお、前記の実施例においては、駆
動力を基準として制御する場合を示したが、駆動力の代
わりに、駆動軸トルクや車両の前後方向加速度を用いて
も、同様に実施することが出来る。駆動軸トルクは変速
機の出力軸やプロペラシャフトに設けたトルクセンサに
より、また車両の前後方向加速度は車両に搭載した加速
度センサにより、容易に検出することが出来る。
【0014】また、前記の実施例においては、車両を駆
動する原動機として内燃機関を用いた場合を例示した
が、他励磁直流電動機等を用いた電気自動車にも本発明
を適用することが出来る。例えば、前記図1において、
運転者意志検出手段として、運転者が操作するアクセル
手段の操作量を検出するアクセル開度検出手段を用い、
駆動力第1制御手段として、上記アクセル開度に応じて
電動機の電機子電流を制御する手段を用い、駆動力第2
制御手段として、駆動力低減判断手段の駆動力低減指示
に従って電動機の励磁電流を制御する手段を用いればよ
い。すなわち、アクセルペダル操作量に基づいて、電機
子電流を制御して車両駆動力を制御し、さらに、アクセ
ル開度と車速に基づいて、安全上許容される最大駆動力
を演算し、別途推定もしくは検出された実駆動力と比較
して、後者が前者を越えないように、励磁電流を調節す
るように構成する。このように構成することにより、何
らかの故障を生じて、電機子電流を低減することが出来
なくなった場合でも、励磁電流を調節することにより、
運転者の意志に反して駆動力が増大するのを防止するこ
とが出来ると共に、車両駆動力を或る程度操作すること
が出来、自立走行が可能となる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、スロットルバルブや電磁クラッチの固着、リターン
スプリングの破断、およびスロットルバルブや電磁クラ
ッチの制御装置の故障等が重なって起こった場合でも、
運転者の速度調節意志を反映した最大許容車両状態物理
量の範囲内に駆動力が制限されるので、エンジン回転速
度や車速が必要以上に上昇する畏れがなくなると共に、
運転者の操作するアクセルペダルの操作量に応じて、或
る程度は駆動力の制御が可能なので、故障後も自力走行
することが可能である。したがって故障時には確実にフ
ェイルセーフを行ない、しかも跛行運転を可能にしてサ
ービス工場等まで自力で走行することが出来る、という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成図。
【図3】電子式スロットル・アクチュエータの一例の断
面図。
【図4】図3のシステムにおける演算処理を示すフロー
チャート。
【図5】最大許容駆動力Fmaxの一例の特性図。
【図6】アクセル開度と駆動力との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…スロットルバルブ 5…車速セ
ンサ 2…DCモータ 6…燃料噴
射バルブ 3−1…第1アクセルセンサ 7…クラン
ク角センサ 3−2…第2アクセルセンサ 8…吸入負
圧センサ 4…スロットルセンサ 9…スロッ
トル・コントローラ 10…エンジン・コントローラ 11…A/
Tコントローラ 21…スロットルバルブ用リターンスプリング 22…アクセルドラム 23…アクセルドラム用リターンスプリング 51…運転者意志検出手段 55…駆動
力低減判断手段 52…駆動力第1制御手段 56…駆動
力第2制御手段 53…最大許容車両状態物理量算出手段 57…車速
検出手段 54…実車両状態物理量推定手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者の速度調節意志を検出する運転者意
    志検出手段と、 上記の検出された運転者意志に基づいて駆動力を調節す
    る駆動力第1制御手段と、 上記の検出された運転者意志または上記運転者意志と車
    速とに基づいて、車両状態物理量の許容される最大値を
    決定する最大許容車両状態物理量算出手段と、 実際の車両状態物理量を検出もしくは推定する実車両状
    態物理量推定手段と、 上記の最大許容車両状態物理量と実車両状態物理量とを
    比較して、後者が前者を越えた場合に駆動力低減を指示
    する駆動力低減判断手段と、 上記駆動力低減指示に従って、駆動力を低減する駆動力
    第2制御手段と、 を備えたことを特徴とする電子制御式車両駆動機構のフ
    ェイルセイフ装置。
  2. 【請求項2】上記運転者意志検出手段は、運転者が操作
    するアクセル手段の操作量を検出するアクセル開度検出
    手段であり、 上記駆動力第1制御手段は、上記アクセル開度に基づい
    て目標スロットル開度を演算する目標スロットル開度演
    算手段と、上記目標スロットル開度に基づいて実際のス
    ロットル開度を制御するスロットル開度制御手段とから
    なり、 上記最大許容車両状態物理量算出手段は、上記アクセル
    操作量と車速とに基づいて、許容される最大値とされる
    車両状態物理量を決定するものであり、 上記駆動力低減判断手段は、上記最大許容車両状態物理
    量と実車両状態物理量とを比較して、後者が前者を越え
    ないような燃料噴射気筒数を決定する燃料噴射気筒数決
    定手段であり、 上記駆動力第2制御手段は、上記の決定された気筒数に
    従って燃料噴射を行なう気筒別燃料噴射制御手段であ
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の電子制御式車両駆動
    機構のフェイルセイフ装置。
  3. 【請求項3】上記の車両状態物理量が、駆動力、駆動軸
    トルクおよび車両の前後方向加速度のうちのいずれか一
    つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の電子制御式車両駆動機構のフェイルセイフ装置。
  4. 【請求項4】車両の駆動力を発生する原動機として電動
    機を用いる車両において、 上記運転者意志検出手段は、運転者が操作するアクセル
    手段の操作量を検出するアクセル開度検出手段であり、 上記駆動力第1制御手段は、上記アクセル開度に応じて
    上記電動機の電機子電流を制御する手段であり、 上記駆動力第2制御手段は、上記駆動力低減判断手段の
    駆動力低減指示に従って上記電動機の励磁電流を制御す
    る手段である、 ことを特徴とする請求項1に記載の電子制御式車両駆動
    機構のフェイルセイフ装置。
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JP2012197992A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 空調装置

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