JPH07119573B2 - パターン検出装置及びパターン検出方法 - Google Patents

パターン検出装置及びパターン検出方法

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JPH07119573B2
JPH07119573B2 JP62063159A JP6315987A JPH07119573B2 JP H07119573 B2 JPH07119573 B2 JP H07119573B2 JP 62063159 A JP62063159 A JP 62063159A JP 6315987 A JP6315987 A JP 6315987A JP H07119573 B2 JPH07119573 B2 JP H07119573B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は基板上に形成された周期構造のパターンを検出
する装置に関し、特に半導体素子の製造工程で使われる
ウェハ、又はマスク等の基板に形成された位置合わせ、
ないしは位置決め(アライメント)用のマークパターン
を検出し、該マークパターンの位置を検出する装置及び
方法に関する。
(従来の技術) 従来、この種の装置としては例えば特開昭60−256002号
公報に開示されたものが知られている。
この装置は、半導体素子の製造工程の中の露光工程、所
謂フォトリソグラフィで使われる投影型露光装置におけ
るアライメントマーク検出系に関するものである。この
アライメントマークは半導体ウェハ(以下単にウェハと
する)の表面に微小な凹凸として形成され、このマーク
にレーザビームの集光スポット(円形又は帯状)を照射
して、ウェハの位置を検出するために使うものである。
そしてこのアライメントマークは、ウェハ上の他のパタ
ーン、例えば回路パターン中の複雑で微細な部分やパタ
ーン以外の粗面部分と良好に識別し得るように、所定の
周期構造を持った回折格子パターンとして形成される。
この回折格子パターンに対物光学系、又は投影光学系を
介して集光スポットを照射すると、格子ピッチやレーザ
ビームの波長に対応して回折光が発生し、対物光学系
(又は投影光学系)に入射する。対物光学系(又は投影
光学系)の瞳面、又はその共役面では、その回折光が0
次光(正反射光)とそれ以外の高次光(±1、±2…)
とに明瞭に分離されるため、従来の装置では0次光を遮
断してその他の高次光(例えば±2次光まで)のみを取
り出すような空間フィルタリングを行なった後、高次光
を集光して光電検出素子に導びき、高次光の光量に応じ
た光電信号を得るようにしていた。
(発明が解決しようとする問題点) 以上の従来装置では、レーザビームが帯状(又はスリッ
ト状)のスポット光とされ、アライメントマークの全体
的な形状も、スポット光の長手方向と平行なスリット状
とされるため、回折格子を構成する複数の格子要素(凸
部、あるいは凹部)の各々が微小なものとなってしま
う。このためウェハに加えられる各種表面処理(エッチ
ング、拡散、蒸着、レジスト塗布等)によっては、各格
子要素が損傷を受け、アライメントのためのマーク検出
精度が劣化するといった問題が生じやすい。
もちろん、各格子要素自体の寸法を大きくして、表面処
理(以後プロセスと呼ぶ)の影響を受けにくくすること
も考えられるが、これではマーク検出精度そのものが本
質的に犠牲になってしまうという問題が生じる。アライ
メントで重要なのは、マーク検出の高分解能化を計り、
安定した再現性を得ることである。この問題を解決する
1つの手段として、例えば特開昭60−130742号公報に開
示されているように、回折格子パターンからの正の高次
回折光と負の高次回折光とを別々の光電素子で受光し、
両光電素子からの光電信号が同じ大きさ(ピークレベ
ル)になるように調整した後、加算して1つのマーク検
出信号とする技術が知られている。また他の手法とし
て、特開昭60−223123号公報に開示されているように、
プロセスの影響を受けやすい格子要素(凸の場合)の上
面部から発生する回折光は極力無視し、格子要素のすそ
野部からの回折光は積極的に強調するように、非線形ア
ンプ(2値化回路、対数アンプ等)を介して光電信号を
処理する技術も知られている。
上記2つの技術のうち、前者は本来大きさ(レベル)に
関して同一に発生するはずの正の高次光と負の高次光と
の光量バランスを検定していることになり、後者は光電
信号の波形とマーク(格子要素)の断面プロフィールと
の関係を検定していると言える。
いずれの場合も、マーク位置の検出処理の前段処理とし
て光電信号に補正を加えておくものである。一般にアラ
イメントマークに変形、損傷が生じると、回折光のうち
の高次光成分の夫々が微妙に異なると考えられている
が、上記2つの技術ではいずれも高次光(例えば1次光
と2次光)はまとめて光電検出しているため、その高次
光成分同志の差異が埋もれてしまい、必らずしも高精度
なマーク検出ができなかった。
(問題点を解決するための手段) そこで本発明は、テレセントリックな対物光学系を介し
て周期構造のパターンからの回折光情報を入射させ、こ
の対物光学系の瞳面、(後側焦点面、又は絞り面)又は
その共役面もしくはそれらの近傍のいずれかの面内に
は、回折光成分の夫々、すなわち各次数の光を抽出する
空間フィルターを設ける。そして、抽出された回折光成
分の夫々の量に応じた光電信号を出力するように複数の
光電素子を設け、さらに各光電信号のうち少なくとも2
つの信号、例えば互いに次数の異なる回折光に応じた信
号について信号上の特徴を比較し、この比較結果に基づ
いてパターンの位置を検出する位置検出手段を設けるよ
うにした。
(作用) 上記構成のように、回折光成分のうちの異なる成分同志
を比較すると、パターン(マーク)の変形や損傷の程
度、及びこれに起因した検出誤差を統計的に推定できる
ことが本願発明者の実験により確認された。例えば0次
回折光(正反射光)がピークとなる位置に対して±1次
光、±2次光のピークとなる位置がわずかにずれている
と、それは周期構造を規定するパターン要素(格子要
素)のエッジがプロセスの影響で微小な不整(要素の大
きさよりも小さな凹凸)を起していることになり、また
0次光と±1次光の光量レベルの比、あるいは±1次光
と±2次光の光量レベルの比がパターンの材質等から統
計的に求められた所定値と大きく異なる場合は、パター
ンエッジ(段差)の立上り、(又は立下り)の先鋭度す
なわちエッジの段差スロープがプロセスによる影響を受
けて変化していると考えられる。本発明はこのような物
理現象に着目してなされたもので、周期構造を有するパ
ターンの検出精度を格段に向上させ、さらにプロセスの
影響、あるいはパターンの材質のちがいにかかわらず、
安定なパターン検出を実現させるものである。
(実施例) 第1図は本発明の実施例によるパターン検出装置を、ウ
ェハアライメントマークを検出してウェハの位置決めを
行なうアライメント装置に適用した場合の構成を示す図
である。このアライメント装置は本実施例ではレーザ光
走査型光電検出系として説明するが、レーザ光を静止さ
せて物体を走査する方式においても同様であることは言
うまでもない。
さて、第1図において、コヒーレントな照明光、すなわ
ちレーザビームLBは走査用の振動ミラー1で偏向され、
レンズ系2、ビームスプリッタ3、及びテレセントリッ
クな対物光学系4を介してウェハWに達する。対物光学
系4の絞り位置すなわち瞳epはウェハW側からみるとほ
ぼ無限遠となるように設計されている。また振動ミラー
1の振れ原点はレンズ系2の前側焦点に合致するように
定められ、対物光学系4の瞳epはレンズ系2の後側焦点
に合致するように定められる。さらに、瞳epの面内でレ
ーザビームLBがしめる寸法は、瞳径よりも小さい。そし
て瞳面epでのレーザビームLBの断面形状はウェハW上で
のレーザスポットを帯状(スリット状)にするため、こ
れに対応して帯状にされる。このようにするためには、
振動ミラー1に入射するレーザビームLBの断面形状をス
リットやシリンドリカルレンズによって帯状に集光すれ
ばよい。以上のように振動ミラー1と瞳epとをレンズ系
2により共役にすることによって、瞳epの面内でレンズ
ビームLBは瞳中心(光軸の通る位置)上で角度のみが偏
向され、レンズビームLB自体は瞳epの中心から動くこと
はない。従って対物光学系4を射出したレーザビームLB
は常に光軸と平行、すなわちウェハWの表面と垂直な状
態を保ち、ウェハW上に形成された回折格子状のマーク
WMと平行な帯状スポット光に集光されて往復走査する。
ウェハWは位置決めのためのステージ5に載置され、ス
テージ5はモータ6等によって2次元的に移動され、レ
ーザ光波干渉式測長器(以下干渉計とする)7によりそ
の座標位置が計測される。またステージ5の位置決めは
主制御回路8により統括的に制御される。一方、振動ミ
ラー1は駆動部10、及び駆動用の交流信号を出力する発
振器11によって一定の振動数、及び振幅で駆動される。
位置パルス発生回路12は例えば発振器11からの駆動用交
流信号の入力に基づいて、ウェハW上での帯状スポット
光の走査位置に応じたパルス信号PSを出力する。このパ
ルス信号PSは例えば帯状スポット光がウェハW上で0.02
μm移動する毎に1パルスとなるように定められる。こ
うしてスポット光がマークWMを走査すると、マークWMか
らは正反射光以外に回折光、散乱光が発生し、これら光
情報は対物光学系の瞳epを通り、ビームスプリッタ3で
反射された後、レンズ系13を介して空間フィルター20に
達する。レンズ系13は対物光学系4の瞳epを空間フィル
ター20にレリーし、空間フィルター20の面に瞳epの像を
形成するものである。空間フィルター20に設けられ、回
折光や散乱光を通過する開口部の後方には複数の光電素
子22が配列され、これらの各光電信号はマーク位置検出
回路24に入力する。マーク位置検出回路24は、その光電
信号と位置パルス発生回路12からのパルス信号PSとに基
づいてマークWMの位置を検出し、その位置情報を主制御
回路8に出力する。さらにマーク位置検出回路24は回折
光成分のうち、少なくとも2つの異なる成分に対応した
光電信号について、信号上の特徴を比較する機能を有
し、マークWMのプロセスによる変形等に起因した位置検
出精度の低下を押えるように働く。
第2図は空間フィルター20の平面形状と複数の光電素子
22の配置関係を示し、ここでは空間フィルター20の外径
が瞳epのレンズ系13によるリレー像と同一の径になるよ
うに定められているものとする。空間フィルター20には
その中心部に正反射光(0次光)を通すスリット状開口
F0が形成され、そのx方向の両隣りには対称的な配置
で、+1次光を通すスリット状開口F1、−1次光を通す
スリット状開口F1′が開口F0と平行に形成される。さら
に空間フィルター20にはx方向に所定の間隔でスリット
状開口F2、F2′、F3、F3′が形成され、開口F2、F2′は
夫々+2次光、−2次光を通し、開口F3、F3′は夫々+
3次光、−3次光を通すように設定されている。このよ
うな瞳epの面(又は共役面)内でx方向に回折光成分が
分布し、正反射光がy方向にスリット状に分布している
ことは、第3図に示すようにウェハW上でのレーザビー
ムのスポット光SLがx方向に伸びた帯状となり、回折格
子状のマークWMの全体形状もx方向に細長い形状であ
り、格子要素Gの回折に寄与するエッジE、E′がy方
向に伸びた直格子パターンであることを意味する。
さて、開口F0、F1、F1′、F2、F2′、F3、F3′の夫々に
対応して各回折光成分を独立して検出するための各光電
素子22の受光部D0、D1、D1′、D2、D2′、D3、D3′が位
置している。この受光部は本実施例のように、別個の光
電素子22を空間フィルター20の裏面に集合して貼合わせ
たものでもよいが、1枚のサブストレート上に各受光部
を作り込んで個別に光電信号を取り出せるような一体型
光電素子として空間フィルター20と張合わせてもよい。
以上のように本実施例では回折光成分として3次の高次
光まで検出するようにしたが、それ以上にしてもよい。
また本実施例では、マークWMのx方向に伸びるエッジ
や、マークWMと平行なパターンエッジからの散乱光を検
出するために、空間フィルター20には開口F0を長手方向
(y方向)に挟み込むような配置で開口Fd、Fd′が形成
される。そして開口Fd、Fd′の夫々に対応して受光部D
d、Dd′が配置され、エッジからの散乱光も独立に光電
検出するようにしてある。このエッジ散乱光も検出する
のは、この光成分にもマークWMのプロセスによる変形や
劣化の情報が繁栄されていることがあること、さらには
連続した直線状のパターン(直線エッジ)をアライメン
トマークとして認識することがあるからである。
第4図は第1図中に示したマーク検出回路24の具体的な
構成を示す回路ブロック図である。受光部Do、Dd、D
d′、D1、D2、D3、D1′、D2′、D3′からの光電信号の
夫々は、ともに同一の外部指令に応答して利得調整を行
なうAGC(自動ゲインコントロール)付のアンプ400、40
1、402、403、404、405、406、407、408によって最適な
レベル(強度)まで増幅される。
9つのアンプ400〜408の夫々からの光電信号I0、I1
I2、I3、I4、I5、I6、I7、I8はそれぞれ、位置パルス発
生回路12からのパルス信号PSとともに、同一の内部構成
の信号波形抽出回路410a、410b…410iの各々に入力す
る。各波形抽出回路410にはアナログ−デジタル変換器
(ADC)411と波形記憶用のメモリ(RAM)412とが設けら
れ、ADC411の変換タイミング、RAM412のアドレス設定は
パルス信号PSの各パルスに応答して行なわれる。9つの
波形抽出回路410のそれぞれに取り込まれた信号波形デ
ータは、そのうちのいくつかの波形データが選択されて
高速演算用に用意されたメモリ(MEM)420に転送され
る。高速演算専用プロセッサ(BSP)422はMEM420からの
波形データを読み込んで所定の演算を行ない、波形上の
特徴からマークWMの位置(本実施例ではスポット光SLの
走査範囲内での位置)を検出し、その情報をバスライン
415を介してメインコントロール用の総括プロセッサ(C
PU)424に転送する。このCPU424はバスライン415を介し
て、9つの波形抽出回路410、MEM420も制御するように
構成されている。またCPU424は検出したマーク位置情報
をウェハWの変位、すなわち干渉計7の計測単位に変換
して主制御回路8に送出する。従ってステージ5が停止
してマークWMを検出したときのステージ位置とCPU424か
らの位置情報とに基づいて、例えば対物光学系4の光軸
位置に対するマークWM、の位置、すなわちウェハWの位
置が規定されることになる。
次に上記BSP424によって演算される内容について説明す
るが、BSP424は基本的には2種の演算を行なう。1つは
MEM420に取り込まれた波形データからマークWMの中心位
置を求める演算(以下演算ALGとする)であり、もう1
つは本発明の特徴でもある回折光成分の次数別の比較、
及びある種の補正等の演算(以下演算CMPとする)であ
る。本実施例での演算CMPには大別して3つの処理アル
ゴリズムが含まれている。もちろんそれ以外の処理アル
ゴリズムを用意しておいてもよいことは言うまでもな
い。さてその代表的な3つの処理アルゴリズムは、9つ
の波形抽出回路410の各々に取り込まれた波形データの
個々に対しての対称性のチェック、信号強度(生鋭度)
のチェック、及び回折光成分の異なる次数間(異なる波
形データ間)での位相差のチェックの3つである。一般
に集光したレーザ光のスポット強度はガウス分布になる
ため、このスポット光がマークWMを走査すると、第5図
に示すようなガウス分布を基本とした光電信号波形が得
られる。第5図(a)は第3図に示したマークWMのy方
向の断面形状とスポット光SLの(y方向の強度)分布
(ガウス分布)PGを示すものであり、同図中Gは格子要
素、E0、E0′は紙面と垂直なx方向に伸びたエッジ(マ
ークWMの計測方向を規定するエッジ)である。またマー
クWMの幅、すなわちy方向の格子要素Gの寸法とスポッ
ト光SLの幅(短軸方向)とはほぼ等しくなるように定め
られているものとする。
第5図(b)中の実線はマークWMを走査したときの高次
回折光に応じた信号In、(本実施例ではn=1、2、
3)の理想的な波形を示し、マークWMが設計通りの形状
である場合、マークWMの計測方向の中心Ycに関して対称
になる。ここで図中の横軸はスポット光SLの走査位置を
表わす。第5図(c)中の実線はマークWMを走査したと
きの正反射光(0次回折光)に応じた信号Ioの理想的な
波形を示し、第5図(b)の波形レベルをほぼ一定のレ
ベルから差し引いたようなボトム状の波形となり、これ
も中心Ycに関して対称になる。第5図(d)中の実線は
マークWMを走査したときに計測方向を規定するエッジE
o、Eo′から発生する散乱光に応じた信号Id、Id′の理
想的な波形を示し、この波形も中心Ycに関して対称にな
る。しかしながらマークWM、すなわち格子要素Gの各々
がプロセスの影響で変形してしまうと、各信号波形は例
えば各図中の想像線のように歪みを生じ、マークWMの中
心Ycと波形上の中心(対称軸)とが微妙に異なってく
る。この波形歪みは回折光(0次光、1次光、2次光、
3次光)のみに着目してみると、異なる次数間では、そ
の歪みの程度が異なってくる。そこで本実施例の演算CM
Pの第1の処理アルゴリズムでは、各信号波形、特に次
数の異なる回折光成分の夫々に対して、波形の対称性を
チェックし、対称性のよい信号波形の1つ、又は複数を
比較選定し、選ばれた波形に基づいてマーク位置検出を
行なうようにする。この対称性のチェックとしては、例
えば波形の折り返し相関を求める手法が利用できる。
また回折光成分はマークWMの形状変化により、各次数間
での強度(光量)比が変化してくる。すなわちマークWM
(回折格子)の設計定数に基づいて、各次数間の光量比
は理論的に得ることができるが、マークWMの形状が変化
すると、その光量比も理論値から異なってくる。そこで
演算CMPの第2の処理アルゴリズムでは、実際に取り込
まれた回折光成分(0次、1次、2次、3次)の信号波
形の各々の強度比(例えば1次光を100%として2次
光、3次光の強度を比較したときの各割合)を求め、そ
の比を設計上の理論値と比較し、例えば統計的な手法に
よりマークの形状歪みに起因する検出誤差が低減される
ような補正を各信号波形(又は特定の次数の波形)に加
えるようにし、この補正された信号波形に基づいてマー
ク位置の検出を行なうようにする。この信号強度のチェ
ックとしては、各信号波形のデータを共通の位置範囲で
取り出し、加算積分により求める手法、又は単純に波形
上のピークレベルを求める手法等が利用できる。
さらに、マークWMが本実施例のような直格子である場
合、高次回折光の正の次数光と負の次数光とは理論的に
は計測方向(y方向)に関して同時に発生し、正の次数
光の信号波形と負の次数光の信号波形とでは波形上の位
相差が生じないはずである。しかしながら、直格子とい
えども形状の変化によっては正負次数光の信号波形間で
位相差が生じる。この現象については例えば特開昭61−
128106号公報に詳細に説明されている通りである。特に
斜格子(45゜傾斜した格子要素)の場合、この現象が顕
著になる。そこで演算CMPの第3の処理アルゴリズムで
は、次数毎に正負の波形の位相差をチェックし、位相差
の少ない次数を比較選定し、その選定された次数の信号
波形に基づいてマーク位置検出を行なうか、又は各次数
の正負の位相差のバラつき等を参酌して、例えば特定の
次数の信号波形の位相差を所定量だけ補正した後、正負
の次数の波形を加算し、加算された信号波形に基づいて
マーク位置検出を行なうようにする。この位相差のチェ
ックとしては、2つの信号波形(正、負)間の相関を求
める手法が利用できる。
以上、3つの処理アルゴリズムを説明したが、いずれの
場合も、異なる回折光成分(次数)の間で信号波形上の
特徴点の差異を比較していることになる。
尚、上記アルゴリズムの他に、第5図(d)に示したエ
ッジ散乱光の信号波形の各特徴点をチェックして、その
結果を上記アルゴリズムに繁栄させることも考えられ
る。
次に、本実施例のマーク検出動作及び位置算出動作の一
例について、第6図のフローチャート図を参照して簡単
に説明する。
まず主制御回路8の制御のもとでステージ5を移動させ
て、レーザビームLBのスポット光SLの走査範囲内にマー
クWMが位置するようにステージ5を位置決め(粗位置決
め)し、ステージ5が停止したときの座標値、特にy方
向の位置を干渉計7から読み取る(ステップ100)。そ
して、CPU424に信号波形取込回路410を作動させて、ス
ポット光SLがマークWMを一方向に走査している間に生じ
る正反射光、各回折光成分、及びエッジ散乱光の各々に
対応した光電信号波形(第5図参照)をパルス信号PSの
各パルスに応答して同時にサンプリングし、波形データ
として取り込む(ステップ101)。この波形取込回路410
自体の動作は先の各特許公報に詳しく記載されているの
で、ここでは説明を省略する。
次に、予めオペレータ等から指示された処理アルゴリズ
ムの設定が行なわれ、演算CMPが実行される(ステップ1
03)。そして、ステップ103の判断で第1処理アルゴリ
ズムを行なうときはステップ104に進んだ後、ステップ1
05の判断で第2処理アルゴリズムを行なうときはステッ
プ106に進み、次のステップ107の判断で第3処理アルゴ
リズムを行なうときはステップ108に進む。
各処理アルゴリズム(ステップ104、106、108)で決定
された位置検出用の最適な信号波形データ、あるいは補
正された信号波形データは、第4図中のMEM420内に保存
される。その後BSP422はただちに演算ALGを開始し、MEM
420内の位置検出用の信号波形データに基づいて、積分
法、重心法、腹切(スライス)法等によって、波形上の
中心すなわちマークWMの中心位置を決定する(ステップ
109)。この演算ALGでは、3つの処理アルゴリズムのう
ち2つ以上のアルゴリズムが選ばれている場合、例えば
各アルゴリズム毎にマーク中心位置を決定し、決定され
た2つ以上の中心位置を平均化するとこが行われる。決
定したマーク中心位置の情報はBSP422からCPU424に転送
され、さらに主制御回路8へ送られ、ステージ5の精密
な位置決めが行なわれる(ステップ110)。この精密位
置決めにおいては、1度マークWMの位置が精密に決定れ
た後は、干渉計7の計測値のみに基づいて、ウェハW上
の任意の点と対物光学系4の光軸点とを干渉計7の検出
分解能(例えば0.01μm)程度の精度が合致させること
ができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその他様
々の変形例が考えられる。まずアライメント装置とし
て、マスクのパターンをウェハへ投影露光する装置に適
用する場合、マスク上のマークとウェハ上のマークとを
投影レンズを介してレーザビームのスポット光で同時検
出することがある。この場合、両方のマークからの光情
報を検出する必要があるが、例えばマスク側のマークは
2本の平行なバーマークとし、ウェハ側のマークはこの
2本のバーマークに挟み込まれるような回折格子パター
ンとすると、本実施例の第1図のような光学系をマスク
の上方(投影レンズの反対側)に設けるだけで、そのま
まマスクとウェハのアライメントが可能となる。この際
マスクのマークからの光情報はエッジ散乱光のみとなる
ので、マスクとウェハの相対位置ずれは別々の光電信号
に基づいて検出されることになる。尚投影露光装置に本
発明を適用した場合、ウェハに対しては投影レンズが本
発明の対物光学系に相当する。
また、第1図、第2図に示した空間フィルター20は必ら
ずしも遮光板にスリット状開口を形成したものに限ら
ず、これと同等の機能を有するものであればどのような
ものでもよい。その一例としては、第7図に示すように
各次数光、散乱光、正反射光のみを分離して導光するよ
うに配置した複数のオプチカルファイバー束の入射端を
瞳共役面に合致させる構造も同様に実施可能である。第
7図(a)は空間フィルターの正面を表わし、第7図
(b)は第7図(a)のA−A矢視断面図を表わす。複
数のオプチカルファイバー束200は、各次数光、散乱光
等を有効に受光するように入射端200aの面形状が規定さ
れて、固定板202に所定の配置で固定される。各ファイ
バー束200の入射端200aは、固定板202を光学系内に取り
付けたとき瞳共役面とほぼ一致するように定められてい
る。各ファイバー束200の射出端200bはカップリング光
学部材204を介して、小型で高感度のフォトマルチプラ
イヤ(PM)206の受光面に結合され、導光された各光情
報を光電検出する。カップリング光学部材204としてはP
M206の受光面に有効に光を集光させるレンズ等が用いら
れる。この変形例によれば、光電検出素子の受光面が第
2図のように空間フィルター20の開口形状に制限される
ことがなく、フォトマル(PM)のような高感度のものが
使えるから、信号検出時のS/N比が向上するといった利
点がある。
さらに他の変形例としては、第2図の空間フィルター20
の各開口位置に、スリット状の受光面を有する光電素子
を直接配置するようにしてもよい。この場合は、各光電
素子の受光面の配列及び形状自体が瞳共役面において空
間フィルターの機能をはたすことになる。従ってこのよ
うな変形例の場合は、本件発明の空間フィルターと複数
の光電検出器とが形容されていると考えればよい。
さて、信号処理の変形例としては、上記実施例の3つの
処理アルゴリズムの他に、各次数光、正負別の各々の信
号波形に対して単独に演算ALGによりマーク中心位置を
決定し、決定された複数の位置情報を平均することによ
って、1つの中心位置を決定することもできる。この場
合、異なる回折光成分間で直接信号波形を比較する訳で
はないが、間接的には波形情報同志の位置ずれを比較し
ていることに差異はない。
また、各次数光、散乱光、正反射光の各々の波形に対し
て独立の処理でマーク中心位置を求めた後、その複数の
マーク中心位置の統計的な分散を調べ、大きく離れた値
の位置情報を除外して平均化することも精度向上の点で
効果がある。
尚、本実施例中の第2のアルゴリズムで信号波形に補正
を加える場合、例えば各次数に応じて重み付けされた補
正量(レベルや位相量等)を加えるようにし、しかる後
に補正された波形を加算平均して位置検出用の信号波形
としてもよい。
(発明の効果) 以上、本発明によれば、1つのパターンから同時に複数
の異なる性質の情報光を抽出して、独立に処理できるた
め、そのパターンの変形や表面処理による劣化に起因し
た位置検出誤差が補正され得るから、位置計測の精度が
向上し、極めて正確で、安定したアライメント精度が得
られるといった効果がある。またパターンの材質による
検出率のバラつきも小さく押えられるといった効果も得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるパターン検出装置の構成
を示す図、第2図は空間フィルターの平面形状を示す平
面図、第3図はレーザビームのスポット光とマークパタ
ーンの配列を示す平面図、第4図はマーク位置検出回路
の具体的な構成を示す回路ブロック図、第5図(a)は
スポット光とマークとの関係を示す断面図、第5図
(b)、(c)、(d)は各光成分毎の光電信号の波形
を示す図、第6図はパターン位置検出及び位置決めの動
作の一例を示すフローチャート図、第7図(a)は空間
フィルターと同等の機能を有する他の実施例を示す平面
図、第7図(b)は第7図(a)のA−A矢視断面図で
ある。 〔主要部分の符号の説明〕 LB……レーザビーム W……ウェハ WM……マーク(回折格子) 4……対物光学系 20……空間フィルター 22……複数の光電検出器 24……マーク位置検出回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の周期構造から成るパターンが形成さ
    れた基板にほぼコヒーレントな光を照射し、該パターン
    から発生する光情報を光電検出して前記パターンの位置
    を検出する装置において、 前記パターンからの光情報を入射するように配置された
    対物光学系と; 該対物光学系の瞳面又はその共役面もしくはそれらの近
    傍のいずれかの面内に配置され、該面内において前記パ
    ターンの周期構造に応じて分離した回折光成分の夫々を
    個別に受光する複数の光電検出器と; 該複数の光電検出器からの各信号のうち、互いに異なる
    次数の回折光成分に対応する少なくとも2つの信号を比
    較し、該比較結果に基づいて少なくとも1つの信号を選
    択し、選択された信号に基づいて前記パターンの位置を
    検出する位置検出手段とを備えたことを特徴とするパタ
    ーン検出装置。
  2. 【請求項2】前記互いに異なる次数の回折光成分は±1
    次光成分と±2次回折光成分であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】特定の周期構造から成るパターンが形成さ
    れた基板にほぼコヒーレントな光を照射し、該パターン
    から発生する光情報を光電検出して前記パターンの位置
    を検出する装置において、 前記基板のパターンから光情報を入射する様に配置され
    た対物光学系と; 該対物光学系の瞳面又はその共役面もしくはそれらの近
    傍のいずれかの面内に配置され、該面内において前記パ
    ターンの周期構造に応じて分離した回折光成分の夫々を
    個別に受光する複数の光電検出器と; 予め定められた複数のアルゴリズムの少なくとも1つを
    設定する設定手段と; 前記設定されたアルゴリズムに従って前記複数の光電検
    出器からの各信号の信号上の特徴を比較する位置検出手
    段とを有することを特徴とするパターン検出装置。
  4. 【請求項4】前記位置検出手段は、前記比較結果に基づ
    いて前記パターンの位置を検出することを特徴とする特
    許請求の範囲第3項に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記複数のアルゴリズムは、前記信号の波
    形の対象性を比較するための第1のアルゴリズムと前記
    信号の強度に関する値を比較するための第2のアルゴリ
    ズムと前記信号の位相に関する値を比較するための第3
    のアルゴリズムとを含むことを特徴とする特許請求の範
    囲第3項に記載の装置。
  6. 【請求項6】所定の周期構造から成るパターンが形成さ
    れた基板にほぼコヒーレントな光を照射し、該パターン
    から発生する光情報を光電検出して前記パターンの位置
    を検出する方法において、 前記パターンからの光情報を入射するように配置された
    対物光学系の瞳面又はその共役面もしくはそれらの近傍
    のいずれかの面内において前記パターンの周期構造に応
    じて分離した回折光成分の夫々を複数の光電検出器によ
    って個別に受光し、 該複数の光電検出器からの各信号のうち、互いに異なる
    次数の回折光成分に対応する少なくとも2つの信号を比
    較し、該比較結果に基づいて少なくとも1つの信号を選
    択し、選択された信号に基づいて前記パターンの位置を
    検出することを特徴とするパターン検出方法。
  7. 【請求項7】特定の周期構造から成るパターンが形成さ
    れた基板にほぼコヒーレントな光を照射し、該パターン
    から発生する光情報を光電検出して前記パターンの位置
    を検出する方法において、 前記基板のパターンから光情報を入射する様に配置され
    た対物光学系の瞳面又はその共役面もしくはそれらの近
    傍のいずれかの面内に配置され、該面内において前記パ
    ターンの周期構造に応じて分離した回折光成分の夫々を
    複数の光電検出器によって個別に受光し、 予め設定された複数のアルゴリズムに従って前記複数の
    光電検出器からの各信号の信号上の特徴を比較すること
    を特徴とするパターン検出方法。
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