JPH07119402B2 - 自動車用自動変速機にオイルシールリング - Google Patents

自動車用自動変速機にオイルシールリング

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JPH07119402B2
JPH07119402B2 JP1255286A JP25528689A JPH07119402B2 JP H07119402 B2 JPH07119402 B2 JP H07119402B2 JP 1255286 A JP1255286 A JP 1255286A JP 25528689 A JP25528689 A JP 25528689A JP H07119402 B2 JPH07119402 B2 JP H07119402B2
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coating layer
oil
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英之 青木
茂暢 林
庸一 早川
尚 加藤
善市 小口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用自動変速機のオイルシールリング(以
下単にシールリングとも云う)に関する。
〔従来の技術〕
例えば自動車に用いられる自動変速機は、通常、トルク
コンバータに遊星歯車式補助変速機を組合せた構造とな
っており、このトルクコンバータは高い油圧で作動し、
円筒状部材が径方向に複数積層し、相対回転する構造を
有している。そして円筒状部品間にはクラッチ係合油、
潤滑油等を流動するべく油路が形成され、部材間には油
路のシールのためにシールリングが設けられている。
このシールリングは、上記円筒状部材の外周(或いは内
周)に沿って形成されたシールリング用溝の中設けら
れ、相対的に回転する相手部材の内周面(或いは外周
面)に押し付けられながら摺動すると共にシールするよ
うになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、オイルシールリングを鋳鉄または鋼材から形
成すると共に円筒状部材、例えば回転軸をアルミニウム
合金から形成した場合、このような異種金属間において
良好ななじみ性を確保するのは通常困難である。しかし
ながら、これらオイルシールリングと回転軸間に良好な
なじみ性を確保できないとオイルを確実にシールするこ
とが困難となり、特に自動変速機におけるように油圧が
比較的高い場合にはオイルをシールすることがさらに困
難になるという問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明によれば、回転軸挿入
孔内に嵌着固定されかつ回転軸挿入孔内の回転軸の外周
面上に形成された環状溝内に嵌合して回転軸周りに供給
されるオイルをシールする自動車用自動変速機のオイル
シールリングにおいて、オイルシールリングを鋳鉄また
は鋼材から形成すると共に回転軸をアルミニウム合金か
ら形成し、回転軸の環状溝の両側面と接触可能なオイル
シールリングの両側面の全面を固体潤滑剤を含んでなる
被覆層により被覆している。
さらに本発明によれば、被覆層の厚さを6μm以上30μ
m以下に定めると共に被覆層中の固体潤滑剤の含有量を
35から60重量%に定めている。
〔作 用〕
アルミニウム合金製回転軸の環状溝の両側面に接触可能
なオイルシールリングの両側面上に固体潤滑剤からなる
被覆層を形成しているのでオイルシールリングと回転軸
間に良好ななじみ性が確保される。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明によるシールリング1の装着例として、
例えば炭素鋼製のハウジング2と、アルミニウム合金製
の回転軸(以下単に軸、またはアルミニウム合金製軸と
も云う)3との間にシールリング1を設けた自動変速機
の部分的断面を示している。
第1図に示すようにハウジング2の内周面5により画定
される回転軸挿入孔内に回転軸3が挿入される。
本装着例の場合、アルミニウム合金製軸3の外周にはシ
ールリング装着用の環状溝(以下単に溝、またはリング
用溝とも云う)4が形成されており、この溝4内に装着
されるシールリング1はシールリング1自体の自己張力
によりハウジング2の内周面5に押し付けられると共
に、図中、左方(又は右方)より油圧を受け、溝4の右
側壁6(又は左側壁7)に接触し、ハウジング2及び軸
3の相対回転に伴って上記右側壁6(又は左側壁7)と
シールリング1の端面8(又は端面9)が摺接するよう
になっている。
以上のように設けられるシールリング1にあって、本実
施例によれば、アルミニウム合金製軸3に摺接するシー
ルリング1の部位、即ち、本発明の摺動面を構成する端
面8及び9には、例えば二硫化モリブテン、二硫化ダン
グステン、或いはセレン化タングステン等に代表される
ような金属カルコゲン化合物を含有する被覆層10が形成
される。金属カルコゲン化合物は、二硫化モリブテン、
二硫化タングステン、セレン化タングステン等であって
低い摩擦係数、高い耐熱性、高面圧に耐える耐衝撃性お
よび耐油性をもった固体潤滑剤である。
第2図に上記被覆層10を含むシールリング1の部分的断
面を示す。
本実施例によれば、シールリング1の被覆層10は、所定
の表面粗度を持つ下地層11の上に形成される。この下地
層11は、例えば鋳鉄から成る母材12と被覆層10との間に
あって両者の密着性を良好にするために設けられた層で
ある。そして上記表面粗度に関しては0.5μm以上10μ
m以下であることが好ましい。何故ならば0.5μm未満
の場合、形成される下地層11の表面積が小さすぎて母材
12と被覆層10との密着度が不足し、また10μmを越えた
場合、被覆層10自体が局部的に厚くなりすぎて部分的な
剥離を起こすことが実験的に確認されているからであ
る。尚、この下地層11の表面粗度を上記範囲に調整する
手段としては通常行なわれるブラスト処理でも良く、ま
た燐酸塩処理でも良い。
本実施例によれば、上述した金属カルコゲン化合物を担
持する被覆層10は、バインダとなるビニール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
ポリイミド樹脂等と、トルエンやキシレン等の溶剤と、
の混合物中に金属カルコゲン化合物粉末を混ぜ、上述し
た下地層11上に前記混和物を塗布焼成して形成される。
第2図において13は上述したバインダ、14は金属カルコ
ゲン化合物を示している。尚、この被覆層10の構成に関
連して、上述した金属カルコゲン化合物14の他に酸化鉛
や、グラファイト、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)等の潤滑剤を混合させ、形成される被覆層10の耐摩
耗性を一層向上させても良い。
ところで被覆層10全体としての厚さは、6μm以上30μ
m以下に設定されることが好ましい。これは、その中に
含まれる金属カルコゲン化合物14の粒径が最大約5μm
であることに寄因しており、下地層11が完全に被覆され
るためには6μm以上の膜厚を必要とするからである。
また上限としては、耐摩耗性を与え耐久性を維持するた
めには、通常、その膜厚は30μm以下で十分であり、30
μmを越える場合はその特性よりもむしろコスト面で不
利となる。また、被覆層10中金属カルコゲン化合物14の
割合は、30〜80重量%に設定されることが好ましい。こ
れは30%未満の場合ではアルミニウム合金製相手部材の
摺動面の摩耗が著しく大となり、また逆に80%を越える
とバインダ13による結合力が不足し、金属カルコゲン化
合物粒子の脱落を生じることに寄因している。尚、この
混合割合に関しては、上述した範囲よりもさらに狭い35
〜60重量%に設定されることが安定した被覆層を提供す
る上でより好ましいことが判明している。
(実 験) 上述したシールリング1の効果を確認するため、以下の
要領にて摩耗試験を行なった。
まず試料となるシールリングとしてはFC25相当のねずみ
鋳鉄を母材としたリングを製作し、脱脂洗浄後、その表
面粗度が6μmとなるようにマンガン系燐酸塩処理を施
して下地層を形成した。さらに、ポリイミド樹脂、二硫
化モリブデン(55重量%)、グラファイト(5重量
%)、及びトルエンを加えて均一に分散させた混合液を
上記下地層の上にスプレー塗装し、熱処理炉を用いて23
0℃,20分間加熱し、厚さ12μmの黒色被覆層を形成し
た。また参考リングとしては、上述した各処理を施さな
い従来のねずみ鋳鉄製リングを用意した。
次に以上のように製作された本発明シールリング及び従
来シールリングを第1図に示すようにアルミニウム合金
(ADC 12)からなる軸のリング用溝に装着し、炭素鋼
(S15C)製ハウジング内で、第3図に示すような周期的
に変化するハウジング回転数及び油圧を以って2000サイ
クルの摩耗試験を行なった。この試験評価法としては、
アルミニウム合金製軸に形成された溝の側壁における摩
耗量を測定した。結果を第4図に示す。
本図から明らかなように、従来のシールリングを使用し
た場合の溝摩耗量は最大1037μmにも達したが、本発明
なるシールリングの場合のそれは最大でも4μmしかな
く、本発明シールリングを使用する場合、相手部材の摩
耗を格段と低減できることが裏付けられた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明では回転軸の環状溝の両側
面に接触可能なオイルシールリングの両側面の全面を固
体潤滑剤を含んでなる被覆層により被覆するようにして
おり、このためアルミニウム合金製回転軸と鋳鉄または
鋼材製オイルシールリング間に良好ななじみ性を確保す
ることができるので油圧が比較的高いオイルを確実にシ
ールすることができる。さらに、高面圧、高速の摩擦条
件下でも回転軸の摩耗を低減することが可能であるので
長期にわたって良好なシール作用を確保することができ
る。したがって、従来見られたような油切れや圧力低下
などがなく、自動変速機の耐久性を大幅に改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるシールリングの装着例を示すトル
クコンバータの部分的断面図;第2図はシールリングの
部分的断面図;第3図は本発明によるシールリングの摩
耗試験の条件を表わした図;第4図は摩耗試験結果を示
すグラフ。 1……シールリング、2……ハウジング、 3……軸(アルミニウム合金製)、 8,9……端面(摺動面)、 10……被覆層、 14……金属カルコゲン化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 庸一 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 加藤 尚 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝国 ピストンリング株式会社内 (72)発明者 小口 善市 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝国 ピストンリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−130756(JP,A) 特開 昭53−137364(JP,A) 特開 昭55−108485(JP,A) 特開 平1−312273(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸挿入孔内に嵌着固定されかつ回転軸
    挿入孔内の回転軸の外周面上に形成された環状溝内に嵌
    合して回転軸周りに供給されるオイルをシールする自動
    車用自動変速機のオイルシールリングにおいて、オイル
    シールリングを鋳鉄または鋼材から形成すると共に回転
    軸をアルミニウム合金から形成し、回転軸の環状溝の両
    側面と接触可能なオイルシールリングの両側面の全面を
    固体潤滑剤を含んでなる被覆層により被覆したオイルシ
    ールリング。
  2. 【請求項2】上記被覆層の厚さを6μm以上30μm以下
    に定めると共に被覆層中の固体潤滑剤の含有量を35から
    60重量%に定めた特許請求の範囲第1項に記載のオイル
    シールリング。
JP1255286A 1989-10-02 1989-10-02 自動車用自動変速機にオイルシールリング Expired - Lifetime JPH07119402B2 (ja)

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JPH03119089A JPH03119089A (ja) 1991-05-21
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