JPH07119242B2 - セラミック成形体に含まれるメチルセルロースバインダの製造方法 - Google Patents

セラミック成形体に含まれるメチルセルロースバインダの製造方法

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JPH07119242B2
JPH07119242B2 JP1176108A JP17610889A JPH07119242B2 JP H07119242 B2 JPH07119242 B2 JP H07119242B2 JP 1176108 A JP1176108 A JP 1176108A JP 17610889 A JP17610889 A JP 17610889A JP H07119242 B2 JPH07119242 B2 JP H07119242B2
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methylcellulose
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aqueous solution
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ceramic
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一市 大西
修 西里
康幸 谷口
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、セラミック成形体に含まれるメチルセルロ
ースバインダの製造方法に関するものである。
[従来の技術] ファインセラミック成形体を、たとえば押し出し成形に
より得ようとする場合、バインダとして、大半は、セル
ロースをメチルエーテル化して得られる水溶性高分子で
ある、メチルセルロースが用いられている。また、上述
のセルロースの原料としては、天然パルプが用いられて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 上述したようなメチルセルロースの製造工程において、
メチルエーテル化反応を100%にし、不溶解性物質(セ
ルロース)を0にすることが望ましい。しかしながら、
反応率は、どうしても100%にはならず、バインダに
は、不溶解性物質(セルロース)が多数混入している。
このように不溶解分(セルロース)を含むバインダを用
いてセラミック成形体を得たとき、焼成後のセラミック
中に数10〜数100μm径の空孔を発生させ、得られたセ
ラミックの機械的強度の低下や電気的特性の劣化を引き
起こす。また、得られたセラミックが肉薄の場合には、
貫通性ポアとなり、たとえばセラミックの各主面に対向
電極を形成したとき、対向電極間の電気的導通による短
絡といった不良が発生する。
なお、たとえば押し出し成形においてセラミックに含ま
れるバインダとして用いられるメチルセルロースは、16
〜30%の濃度を有する水溶液とされるが、上述したよう
な不都合を招く不溶解分を除去するために、たとえば、
ろ紙またはろ過布を用いてろ過すればよいが、高粘度の
ため、そのようなろ過を実施することは不可能である。
そこで、この発明は、不溶解分を有利に除去し得る、セ
ラミック成形体に含まれるメチルセルロースバインダの
製造方法を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] この発明に係るメチルセルロースバインダの製造方法
は、上述した技術的課題を解決するため、次のようなス
テップを備えることが特徴である。
すなわち、 メチルセルロースの低濃度水溶液を用意するステップ
と、 前記低濃度水溶液をろ過するステップと、 前記ろ過ステップによって得られたろ液に含まれるメチ
ルセルロースをゲル化するステップと、 前記メチルセルロースのゲル化物を前記ろ液から取出す
ステップと、 前記ゲル化物を加熱乾燥して前記低濃度水溶液よりも濃
いメチルセルロース水溶液を得るステップと、 を備えることを特徴としている。
[作用] この発明において、不溶解分をろ過により除去すること
を可能にするため、メチルセルロースは、まず、低濃度
水溶液とされる。たとえば、5%以下の低濃度水溶液で
あれば、粒子保持能力2μmのろ紙またはろ過布で、必
要に応じて吸引または加圧を付与しながら、ろ過を実施
することができる。
このように、不溶解分が除去されたろ液すなわちメチル
セルロース水溶液は、次に、その濃度がバインダとして
必要な濃度にまで高められる。この発明では、ろ液を濃
縮するため、メチルセルロースのゲル化が利用される。
なお、ろ液を濃縮する方法としては、ろ液を、直接、真
空乾燥したり、加熱濃縮する方法があり得るが、これら
の方法だけでは、ろ液を能率的に濃縮することができな
い。前述したように、メチルセルロースのゲル化を利用
して、ゲル化物と水とを分離させれば、濃縮を容易に行
なうことができる。たとえば、ろ液を80℃以上に加熱す
ると、メチルセルロースはゲル化され、水を遊離させ
る。このようにゲル化させた液を、たとえば、再度、ろ
紙またはろ過布を用いてろ過すれば、メチルセルロース
のゲル化物を容易に取出すことができる。このように取
出されたゲル化物を加熱乾燥すれば、たとえば16〜30%
の濃度に調整された、バインダとして適したメチルセル
ロース水溶液を得ることができる。
[発明の効果] このように、この発明によれば、メチルセルロースの水
溶液を低濃度化することにより、ろ過することが可能に
なるため、このろ過ステップにおいて、不溶解分を除去
することができる。そのため、この発明の方法により製
造されたメチルセルロースバインダを用いて得られたセ
ラミック成形体を焼成したとき、焼成後のセラミックに
バインダが原因となる空孔が発生することが防止され
る。したがって、セラミックの機械的強度が向上すると
ともに、電気的特性の劣化を防止することができる。ま
た、セラミックが肉薄の場合には、貫通性ポアの発生が
なくなり、対向電極間の電気的導通による短絡の発生を
防止できる。
[実施例] 第1図には、この発明の一実施例の工程図が示されてい
る。
「低濃度水溶液」ステップ1において、5%以下のメチ
ルセルロース水溶液が作製される。
次に、「ろ過」ステップ2において、粒子保持能力2μ
mのろ紙またはろ過布を用いて、上述のステップ1で得
られたメチルセルロースの低濃度水溶液を、吸引または
加圧によって、ろ過し、ろ液を得る。
次に、「ゲル化」ステップ3において、ステップ2で得
られたろ液を80℃以上に加熱し、メチルセルロースをゲ
ル化させ、水と遊離させる。
次に、「ゲル化物取出し」ステップ4において、上述の
ステップ3においてゲル化させた液を、再度、ろ紙また
はろ過布を用いて、ろ過する。これによって、ろ紙また
はろ過布上に、メチルセルロースのゲル化物が取出され
る。
次に、「加熱乾燥」ステップ5において、ステップ4に
よって得られたゲル化物が、加熱真空脱水法により、16
〜30%の濃度を有するメチルセルロース水溶液に濃度調
整される。
このようにして、所望のメチルセルロースバインダが得
られる。このメチルセルロースバインダと従来の方法に
より得られたメチルセルロースバインダとを比較するた
め、以下のような実験を行なった。
まず、次のようにして、混練物を作製した。チタン酸ジ
ルコン酸鉛系圧電セラミック粉末100部に対し、メチル
セルロースバインダ18部およびグリセリン6部を加え、
3本ロールによって混練を行ない、混練物を得た。
次に、シート成形を次のように行なった。混練物を、真
空押し出し成形機で厚み約60μmのグリーンシートに成
形し、次いで、シート乾燥機によって、これを乾燥させ
た後、直径30mmの円板状に打ち抜いた。
次に、セラミックの焼成を、次のように行なった。上の
シート成形ステップによって得られた円板状のセラミッ
ク成形体に対して、600℃で20時間の脱脂を行なった
後、97%アルミナ匣中で、1200℃で2時間の焼成を行な
った。これによって、厚さ約60μmの円板状のセラミッ
ク焼結体を得た。
このような工程を経て得られた成形シートおよびセラミ
ック焼結体に存在する空孔および貫通性ポアの存否を次
のように観察し、この発明に係る方法により得られたメ
タルセルロースバインダの性能の評価を行なった。
まず、成形シートに関しては、厚さ約60μmのものに、
シートの一方主面側から光を照射し、1cm2あたりの空
孔の数を目視にて調査した。なお、空孔部分は、光透過
率が高く、したがって、その部分で明るく輝くことによ
り確認できた。この調査により、従来のメチルセルロー
スバインダを用いたものでは、1cm2あたり25個の空孔
を目視で検出できたのに対し、この発明に係るメタルセ
ルロースバインダを用いたものでは、空孔を目視で全く
検出できなかった。
次に、厚さ約50μmのセラミック焼結体に関しては、そ
れを浸透液に浸し、浸透液がしみ上がる部分の個数を数
えた。これによれば、従来のメチルセルロースバインダ
を用いたものでは、1cm2あたり、3カ所で浸透液がし
み上がり、したがって3個の貫通性ポアが存在している
ことがわかった。これに対し、この発明に係るメチルセ
ルロースバインダを用いたものでは、浸透液がしみ上が
る部分が観察されず、したがって、貫通性ポアが全く存
在していないことがわかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例を示す工程図である。 図において、1は「低濃度水溶液」ステップ、2は「ろ
過」ステップ、3は「ゲル化」ステップ、4は「ゲル化
物取出し」ステップ、5は「加熱乾燥」ステップであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルセルロースの低濃度水溶液を用意す
    るステップと、 前記低濃度水溶液をろ過するステップと、 前記ろ過ステップによって得られたろ液に含まれるメチ
    ルセルロースをゲル化するステップと、 前記メチルセルロースのゲル化物を前記ろ液から取出す
    ステップと、 前記ゲル化物を加熱乾燥して前記低濃度水溶液よりも濃
    いメチルセルロース水溶液を得るステップと、 を備える、セラミック成形体に含まれるメチルセルロー
    スバインダの製造方法。
JP1176108A 1989-07-07 1989-07-07 セラミック成形体に含まれるメチルセルロースバインダの製造方法 Expired - Lifetime JPH07119242B2 (ja)

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JPH0341101A JPH0341101A (ja) 1991-02-21
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JP2000205127A (ja) 1998-11-11 2000-07-25 Sanden Corp 圧縮機
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