JPH07119076A - ロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイズ剤、サイジング方法及びサイズされた紙 - Google Patents

ロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイズ剤、サイジング方法及びサイズされた紙

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JPH07119076A
JPH07119076A JP27598293A JP27598293A JPH07119076A JP H07119076 A JPH07119076 A JP H07119076A JP 27598293 A JP27598293 A JP 27598293A JP 27598293 A JP27598293 A JP 27598293A JP H07119076 A JPH07119076 A JP H07119076A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速抄紙機で乾燥が比較的穏やかな条件下の抄
紙系において優れたサイズ効果を発揮するとともに、機
械的安定性及び保存安定性に優れたロジン系エマルショ
ン組成物を提供すること。 【構成】主成分として炭素数15以上の脂肪酸類に属す
る少なくとも1種と、ロジン系物質と、分散剤を含有す
るロジン系エマルション組成物。 【効果】高速抄紙機で乾燥が比較的穏やかな条件下の抄
紙系において優れたサイズ効果を発揮するとともに、機
械的安定性及び保存安定性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロジン系エマルション
組成物、その製造方法、サイズ剤、サイジング方法及び
サイズされた紙に係わり、特にエマルション固形分中に
脂肪酸とロジン系物質と乳化分散剤及び/又は保護コロ
イドを含有したロジン系エマルション組成物であって、
特に抄紙速度が高速で乾燥条件の穏やかな場合、すなわ
ち湿紙に付与される熱量が相対的に少ない抄紙系、例え
ばヤンキードライヤーを有する抄紙機の乾燥条件におい
て製造された紙にも優れたサイズ効果を発揮し、しかも
それ自体の機械的安定性及び保存安定性に優れたサイズ
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙業界では、紙質の向上、抄紙系のク
ローズド化及び製紙原料として炭酸カルシウムを含んだ
古紙や損紙を使用することに伴う諸問題を抱えており、
一方生産性向上のために抄紙機はより高速化され、その
結果として乾燥を比較的低温条件下で急速に行うことが
多くなってきている。後者に関しては、従来のサイズ剤
では紙に十分なサイズ度が付与できない傾向が見られ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えばアニオン性ロジ
ン系サイズ剤、特に強化ロジンのアルカリ中和物である
溶液型ロジンサイズ剤を使用した場合、また、溶液型ロ
ジンサイズ剤よりもサイズ効果に優れ、抄紙適用pH範
囲の広い分散型ロジン系サイズ剤を使用した場合、高速
抄紙機による抄造の際には乾燥条件が十分とは言えず、
所定のサイズ度を得るためにはサイズ剤の添加量を増や
さなければならず、そのためにコストアップになるばか
りでなく、抄紙工程中で発泡が著しいという問題が生じ
ている。このような事情から、抄紙速度が高速で、乾燥
条件が比較的穏やかな場合、例えばヤンキードライヤー
を有する抄紙機(例えば、純白ロール紙用等の抄紙機)
あるいは超高速の新聞用紙用抄紙機の乾燥条件下におい
て抄造された紙にも優れたサイズ効果を発揮するロジン
系エマルションサイズ剤が強く求められている。
【0004】本発明の目的は、高速抄紙機で抄紙する場
合のように、乾燥条件が比較的穏やかな抄紙系で抄造さ
れた紙に優れたサイズ効果を発揮し、しかも機械的安定
性及び保存安定性に優れたロジン系エマルション組成
物、その製造方法、この組成物を含有するサイズ剤、サ
イジング方法及びサイズされた紙を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(A)炭素数15以上の脂肪酸類に属す
る少なくとも1種と、(B)ロジン系物質と、(C)分
散剤を含有する分散質を水中に安定に分散させたロジン
系エマルション組成物を提供するものである。
【0006】この際、(A)成分の炭素数15以上の脂
肪酸類が合成高級脂肪酸、天然高級脂肪酸、不飽和脂肪
酸の二量体及び不飽和脂肪酸の三量体からなる群から選
ばれる少なくとも1種であること、(A)成分と(B)
成分を予め混合した混合物粒子を分散質に有すること、
(A)成分が0.5〜20重量部、(B)成分が60〜
98.5重量部及び(C)成分が1〜20重量部の合計
100重量部を水中に安定に分散させ、固形分濃度20
〜60重量%の分散液とすることが好ましい。
【0007】また、本発明は、これらのロジン系エマル
ション組成物の製造方法、この組成物を含有するサイズ
剤、サイジング方法及びサイズされた紙を提供する。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明を
構成する(A)の炭素数15以上の脂肪酸類とは、炭素
数15以上の脂肪酸であって、合成脂肪酸、天然脂肪酸
及びこれらの不飽和脂肪酸の重合体をいい、一般的には
合成高級脂肪酸、天然高級脂肪酸、不飽和脂肪酸の二量
体及び不飽和脂肪酸の三量体が挙げられる。具体的には
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪
酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、牛脂脂肪酸、大豆油
脂肪酸、トール油脂肪酸等の天然脂肪酸、ダイマー酸等
の不飽和脂肪酸の重合体などが挙げられる。これらは各
々のグループに属する単数又は複数、あるいは2つ以上
のグループの複数を併用できる。なお、主成分として炭
素数15以上の脂肪酸類に属する少なくとも1種とは、
炭素数15未満の脂肪酸類、例えばやし油脂肪酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸等がエマルション組成物の性能を
損なわない範囲で含有されていても良いことを示す。
【0009】本発明における(B)成分のロジン系物質
とは、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン及び
これらロジンの変性物であり、これらは単独で、あるい
は2種以上の混合物として用いられる。このロジンの変
性物としては、一部あるいは実質的に完全に水素化され
たもの、不均化されたもの、重合化されたもの、あるい
はホルムアルデヒドで変性されたものなどが挙げられ
る。また、これらロジン系物質に、α,β─不飽和カル
ボン酸を付加反応した強化ロジンもロジン系物質に含ま
れる。ここで用いられるα,β─不飽和カルボン酸の代
表的なものは、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水
シトラコン酸等の不飽和二塩基酸、アクリル酸又はメタ
クリル酸等の一塩基酸などである。さらにロジンとグリ
セリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの
エステル、ロジンとエポキシ化合物との反応生成物も上
記ロジン系物質に包含される。
【0010】本発明における(C)成分の分散剤は、乳
化分散剤及び/又は保護コロイドからなるものであり、
特に限定されるものではないが、各種低分子界面活性
剤、高分子系乳化分散剤の乳化分散剤、及びカゼイン、
レシチン、ポリビニルアルコール、変性澱粉などの保護
コロイドが使用でき、これら単独あるいは2種以上組合
わせて使用しても良い。各種低分子界面活性剤として
は、ロジンのアルカリ金属塩、強化ロジンのアルカリ金
属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンモノ及びジスチリルフェニルエーテル硫酸
エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアル
デヒド縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルス
ルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、
ポリオキシモノ及びジスチリルフェニルエーテルスルホ
コハク酸モノエステル塩、アルキルフェノキシポリオキ
シエチレンプロピルスルホン酸塩などのアニオン性界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンモノ及びジスチリルフェニルエーテル、ポリオキ
シプロピレンポリオキシエチレングリコールグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル、ペン
タエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオ
キシプロピレンポリエチレングリコール等の非イオン性
界面活性剤、さらにはテトラアルキルアンモニウムクロ
ライド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライ
ド、アルキルアミン、モノオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のカチオン性
界面活性剤を例示することができる。
【0011】また、高分子系乳化分散剤としては、特に
限定しないが基本的には疎水性基、非イオン性基及び/
又はイオン性基を持つ合成高分子あるいは一般の天然高
分子系乳化分散剤が使用でき、一例を挙げればアニオン
性スチレン─(メタ)アクリル酸系共重合体の部分ある
いは完全中和物、アニオン性あるいはカチオン性の(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体あるいは(メタ)ア
クリルアミド系共重合体、カチオン性のポリアミノポリ
アミド─エピクロルヒドリン樹脂、ポリアルキレンポリ
アミン─エピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジアリルアミ
ン)─エピクロルヒドリン樹脂等を例示することができ
る。また、これらの高分子系乳化分散剤は保護コロイド
として単独あるいは2種以上を組み合わせて使用しても
良い。
【0012】本発明のエマルション組成物は、前記
(A)、(B)、(C)成分からなり、(B)成分のロ
ジン系物質を60〜98.5重量部、(A)成分の脂肪
酸類を0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量
部、さらに好ましくは1〜15重量部及び(C)成分の
分散剤を1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量
部含有することが好ましい。(A)成分が0.5重量部
未満ではサイズ性能などに及ぼす効果が上記範囲のもの
よりは低下し、また、20重量部以上ではサイズ性能な
どへの影響が頭打ちになる傾向が見られ、経済的には好
ましくない。また、分散剤が1重量部より少ないと、ロ
ジン系物質と脂肪酸類との混合物を乳化分散させる作用
及び貯蔵安定性が上記範囲のものより低下し、20重量
部より多くしても乳化分散作用が格別に良くなることは
なく、またサイズ性能及び発泡性の点でも上記範囲のも
のよりは良くなることはない。
【0013】(A)成分をエマルション固形分中に上記
含有量含める方法としては、特に限定されないが、
(A)成分0.5〜20重量部と(B)成分、好ましく
はα,β─不飽和カルボン酸により強化したロジン系物
質98.5〜60重量部を熔融混合した後、(C)成分
1〜20重量部を用いて乳化分散するか、(B)成分、
好ましくはα,β─不飽和カルボン酸により強化したロ
ジン系物質を(C)成分で乳化分散させたものと、
(A)成分を(C)成分で乳化分散させたものを混合す
るか、いずれの方法で行うこともできる。前者はサイズ
性能の点で好ましい。乳化分散後のエマルションの全固
形分は20〜60重量%が好ましく、より好ましく30
〜50重量%である。
【0014】本発明のロジン系エマルション組成物の製
造法は、特に限定されるものではないが、例えば特公昭
54─36242号公報に記載されているように、上記
(A)成分と上記(B)成分を予め油溶性の溶剤に溶か
した溶液と上記〔C〕成分及び水を混合しホモジナイザ
ーで処理して水中油型エマルションを製造する方法(溶
剤法)、特開昭54─77206号公報に記載されてい
るように、上記(A)成分と上記(B)成分を熔融混合
し、上記〔C〕成分と一部の水を撹拌下で混合して油中
水型エマルジョンを形成し、さらに水を加えて水中油型
エマルションに相転移させる方法(転相法)、特公昭5
3─32380号公報に記載されているように、上記
(A)成分と(B)成分を熔融混合し、さらに上記
(C)成分とを混合した後、高圧下でホモジナイザーを
通して水中油型エマルションを製造する方法(メカニカ
ル法)等が用いられる。
【0015】かくして得られたロジン系エマルション組
成物は、全固形分が20〜60重量%、好ましくは30
〜50重量%であり、エマルション粒子の平均粒子径
(重量基準粒径分布における累積50%径)は1μm以
下、好ましくは0.5μm以下である。平均粒子径が1
μmの粒径を越える粒径の場合、保存中に沈澱物を生じ
易く、また機械的安定性が劣る傾向がある。累積50%
径はMaster Sizer(マルバーン社製)で測
定した。また、該組成物液のpHは2.5〜6.5であ
る。
【0016】このロジン系エマルション組成物は、それ
自体非常に安定で保存安定性に優れ、この組成物からな
るサイズ剤は、特に高速抄紙機で比較的温和な乾燥条件
下、すなわち湿紙に付与される熱量が比較的少ない、例
えばヤンキードライヤーを有する抄紙機あるいは超高速
の新聞用紙用抄紙機の場合に特に酸性ないし中性抄紙系
(pH4〜8)で従来のサイズ剤に比べて紙に付与する
サイズ性能が優れているばかりではなく、弱いサイズ度
から強いサイズ度までの調節が可能であるという利点を
有している。また、本発明のサイズ剤は、プレスロー
ル、ドライヤーキャンバスなどの抄紙用具の汚れが少な
いこと等の特徴がある。
【0017】本発明のサイジング方法は、本発明のサイ
ズ剤を、紙や板紙の製造工程において、例えばウェット
・エンド部に添加することにより実施される。具体的に
は、本発明のサイズ剤をパルプの水性分散液にその乾燥
重量に対して0.01〜5固形分重量%、好ましくは
0.05〜2固形分重量%添加する。また、(A)成分
を(C)成分で乳化分散させたものと、(B)成分を
(C)成分で乳化分散させたものを別々にパルプスラリ
ーに添加することもできるが、本発明のサイズ剤を用い
る方がサイズ効果も良いし、取扱いも容易である。
【0018】本発明によるサイジング方法は、次の抄紙
系に好ましく用いられる。 ヤンキーマシンで抄造される抄紙系、例えば純白ロ
ール紙等。 超高速抄紙機で抄造される抄紙系、例えば新聞用紙
等。 硫酸バン土の使用量が少量に限定される抄紙系、例
えば中性ライナー、防錆ライナー及び金属合紙。 古紙原料から炭酸カルシウムが混入する抄紙系,例
えば石膏ボード原紙、白板、コート原紙、中質紙、一般
ライナー及び中芯。 填料として炭酸カルシウムを少量使用する抄紙系、
例えば中性印刷筆記用紙、中性コート紙、中性PPC用
紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙及び中性情
報用紙。 定着剤の使用量が限定される抄紙系、例えばクラフ
ト紙。
【0019】上記サイジング方法、サイズ剤は、表面サ
イジング方法、表面サイズ剤としても使用可能であり、
この場合、抄紙された湿紙に噴霧、浸漬、塗布などの慣
用的方法が適用される。
【0020】本発明のサイズされた紙は、少なくとも
(A)成分と、(B)成分を含有し、さらに(C)成分
を含有しても良いが、その含有量は紙の種類により異な
るが、0.01〜5固形分重量%の範囲が挙げられる。
それぞれの成分は分析することにより特定される。その
分析法としては例えば熱分解GC−MS(ガスクロマト
グラフィー─質量分析)が挙げられる。
【0021】紙あるいは板紙を製造するに当たって、パ
ルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイ
トパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パル
プ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの
晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段
ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれ
も使用することができる。また、上記パルプ原料と石
綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物
も使用することができる。
【0022】填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向
上剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤などの添加物も、各
々の紙種に要求される物性を発現するために、必要に応
じて使用しても良い。填料としては、クレー、タルク、
重質又は軽質炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単
独で用いても良く、併用しても良い。 乾燥紙力向上剤
としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性
ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオ
ン化澱粉等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、
併用しても良い。湿潤紙力向上剤としては、ポリアミド
・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、こ
れらは単独で用いてもよく、アニオン性ポリアクリルア
ミドと併用しても良い。歩留り向上剤としては、アニオ
ン性又はカチオン性高分子量ポリアクリルアミド、シリ
カゾルとカチオン化澱粉の併用、ベントナイトとカチオ
ン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられ
る。濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミン、カチ
オン性又はアニオン性ポリアクリルアミド等が挙げられ
る。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビル
ブレードコーター、キャレンダーなどで、澱粉、ポリビ
ニルアルコール、染料、コーティングカラー、表面サイ
ズ剤、防滑剤などを必要に応じて塗布しても良い。ま
た、硫酸バン土は本発明のサイズ剤を添加する前、添加
した後、あるいは同時に添加して使用しても良い。
【0023】本発明のサイズ剤を硫酸バン土の添加率の
多い抄紙系、硫酸バン土の使用量が少量に限定される抄
紙系で用いることによりサイズされた紙は特に、上記し
たように穏やかな乾燥条件下でも従来のロジン系サイズ
剤にはない優れたサイズ性能を発揮する。
【0024】
【実施例】以下、上記(A)、(B)、(C)成分の製
造例、これを用いた実施例及び比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。なお、各例中、部及び%は特記しな
いかぎりすべて重量基準である。
【0025】 ロジン系物質(B)の製造 フマル酸強化ロジンの製造 約200℃で熔融状態にあるガムロジン440部にフマ
ル酸90部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル
酸が反応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理
(変性率3%)トール油ロジンを470部加え、熔融撹
拌して均質化し、その後に反応生成物を室温に冷却し
た。この反応生成物(強化ロジン)はロジンにフマル酸
が9%付加されたものであった。
【0026】 高分子系乳化分散剤の製造 以下のようにして、ロジン系物質を分散安定化するため
の実施例用高分子系乳化分散剤(C─1)及び(C−
2)を製造した。 ─1 実施例用アニオン性高分子系分散剤(C─1)
の製造 特開昭61─108796号公報の参考例10の製造方
法に従い、以下のようにしてスチレン─メタクリル酸系
共重合体中和物(C─1)を製造した。スチレン55
部、メタクリル酸30部、イタコン酸5部、アクリル酸
ラウリル10部、10%ナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムホルムアルデヒド縮合物50部、過硫酸アンモニウム
1部及び水200部を混合撹拌し、加圧下、150℃で
30分間加熱した。ついで70℃まで冷却し、48.5
%水酸化ナトリウム35.5部と水7部を徐々に滴下
し、30分間撹拌した後室温まで冷却することにより、
固形分30%のアニオン性ポリマー分散液(C─1)を
得た。
【0027】─2 実施例用カチオン系高分子系分散
剤(C─2)の製造 特開平2─177534号公報の実施例1に記載の疎水
性基を有するカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの
製造方法に従い、以下のようにして高分子系分散剤(C
−2)を製造した。撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒
素ガス導入管を備えた1リットル容の4つ口フラスコ
に、ジメチルアミノエチルメタクリレート31.4部、
50%アクリルアミド水溶液85.3部、スチレン2
0.8部、イオン交換水100.6部、イソプロピルア
ルコール143.3部、n−ドデシルメルカプタン0.
6部を仕込み、20%酢酸水溶液にてpHを4.5に調
節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰囲気下
で、60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アン
モニウムの5%水溶液2.3部を加え、80℃まで昇温
し、1.5時間保持した後、過硫酸アンモニウムの5%
水溶液0.7部を追加した。さらに1時間同温度に保持
した後、イオン交換水100部を加え、次いでイソプロ
ピルアルコールの留去を行った。留去終了後、さらにイ
オン交換水を加えて固形分濃度20.4%のカチオン性
ポリマー分散液(C─2)を製造した。
【0028】 ロジン系エマルション組成物の製造 ─1 実施例1〜7 ─1で得たフマル酸強化ロジンと表1に示す脂肪酸を
同表に記載の割合で混合し、約150℃に加熱熔融し、
激しく撹拌しながら、で得た分散剤を同表に記載のよ
うに添加混合して油中水型のエマルションとした。これ
に熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルション
とし、これにさらに熱水を素早く添加して安定な水中油
型エマルションとした後、室温まで冷却した。かくして
得られたエマルションの固形分は約45〜50%であ
り、Master Sizer(マルバーン社製)で測
定した重量基準粒径分布における累積50%径(以下、
平均粒子径と称す)は約0.2〜0.5μmであり、長
期間安定なものであった。
【0029】─2 比較例1〜4 表1の該当欄に示したように、脂肪酸を使用しないか、
炭素数が15より小さい脂肪酸を用いた以外は上記実施
例と同様にしてロジン系エマルション組成物を得た。上
記実施例、比較例のロジン系エマルション組成物の組成
及び性状を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】以上の実施例及び比較例で得られたロジン
系エマルション組成物をサイズ剤として用いて下記の試
験条件でサイズ効果試験を行った結果を表2に示す。添
加薬品はすべてパルプ絶乾重量に対する固形分重量比で
示した。
【0032】 サイズ効果試験 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対4
である混合パルプ)のパルプ濃度を2.5%になるよう
に硬度100ppmの希釈用水で希釈し、ビーターを用
いて350mlのカナディアンスタンダードフリーネス
まで叩解した。このパルプスラリー1.2リットルを離
解機に秤取し、上記実施例、比較例のサイズ剤を表2に
示す量と1.5%の硫酸バン土を同時に添加し、その後
30分間撹拌した。次いでpH4.5の希釈水でこのパ
ルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、次いで定着
剤としてカチオン性ポリアクリルアミド(日本PMC
(株)製紙力剤DS410)を0.05%添加し、ノー
ブルアンドウッド抄紙機で抄紙し(pH4.5)、坪量
65g/m2 の試験紙を得た。湿紙の乾燥は、ドラムド
ライヤーを用いて所定の乾燥条件で行った。得られた試
験紙を恒温恒湿環境下(20℃、65%相対湿度)で2
4時間調湿した後、サイズ度をステキヒト法で測定し
た。その結果を表2に示した。表中、乾燥条件のうち、
80℃、100秒の条件が「乾燥条件が比較的穏やかな
場合」に相当する。
【0033】
【表2】
【0034】 静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100mlの
上記実施例、比較例のサイズ剤を入れ、3ケ月静置後、
底部に沈澱した沈澱物の高さ(cm)を測定した。その
測定結果を表3に示す。
【0035】 機械的安定性試験 前記実施例、比較例の各サイズ剤50gをカップに入
れ、温度25℃、荷重20Kg、回転数800rpmに
て5分間マーロン式安定性試験を行った。生成した凝集
物を325メッシュの金網にて濾過して全固形分に対す
る析出量を測定し百分率で表した。その測定結果を表3
に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、炭素数15以上の脂肪
酸類に属する少なくとも1種と、ロジン系物質を含有し
たロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイズ
剤、サイジング方法、サイズされた紙を提供できるの
で、このロジン系エマルション組成物を含有するサイズ
剤を用いてサイジングを行うと、特に抄紙速度が高速で
乾燥条件が穏やかな条件下においても従来のアニオン性
あるいはカチオン性ロシンエマルションには見られない
優れたサイズ効果を発揮する紙を提供できる。また、こ
のサイズ剤は保存安定性及び機械的安定性に優れてい
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)主成分として炭素数15以上の脂肪
    酸類に属する少なくとも1種と、(B)ロジン系物質
    と、(C)分散剤を含有する分散質を水中に安定に分散
    させたロジン系エマルション組成物。
  2. 【請求項2】(A)の脂肪酸類が合成高級脂肪酸、天然
    高級脂肪酸、不飽和脂肪酸の二量体及び不飽和脂肪酸の
    三量体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1記載のロジン系エマルション組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分が0.5〜20重量部、(B)
    成分が60〜98.5重量部及び(C)成分が1〜20
    重量部の合計100重量部を水中に安定に分散させ、固
    形分濃度20〜60重量%の分散液とする請求項1又は
    2記載のロジン系エマルション組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分と(B)成分を予め混合した混
    合物粒子を分散質に有する請求項1又は2記載のロジン
    系エマルション組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分が0.5〜20重量部、(B)
    成分が60〜98.5重量部及び(C)成分が1〜20
    重量部の合計100重量部を水中に安定に分散させ、固
    形分濃度20〜60重量%の分散液とする請求項4記載
    のロジン系エマルション組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分と(B)成分を混合し、該混
    合物を(C)成分を用いて水中に分散させる請求項4又
    は5記載のロジン系エマルション組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載のロ
    ジン系エマルション組成物を含有するサイズ剤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載され
    たロジン系エマルション組成物をサイズ剤として用いる
    サイジング方法。
  9. 【請求項9】 (A)炭素数15以上の脂肪酸類と、
    (B)ロジン系物質を含有するサイズされた紙。
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