JPH07118918A - 光可逆変色性塩化ビニル繊維とその製造方法 - Google Patents

光可逆変色性塩化ビニル繊維とその製造方法

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JPH07118918A
JPH07118918A JP27203693A JP27203693A JPH07118918A JP H07118918 A JPH07118918 A JP H07118918A JP 27203693 A JP27203693 A JP 27203693A JP 27203693 A JP27203693 A JP 27203693A JP H07118918 A JPH07118918 A JP H07118918A
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JP
Japan
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vinyl chloride
organic photochromic
photochromic compound
spinning
chloride polymer
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Application number
JP27203693A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Kamata
和容 鎌田
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
Toshinao Maeda
利尚 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
Original Assignee
Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた特性を有する有機フォトクロミック化
合物を用いて、塩化ビニル繊維が有する本来の機能を何
ら損ねることなく、塩化ビニル繊維に優れた光可逆変色
性を付与するを主な目的とする。さらに、光可逆変色性
塩化ビニル繊維を製造するに適した新規な紡糸方法を提
供することにある。 【構成】 1.塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミック化合物
および有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体を必
須成分として含んでなる光可逆変色性塩化ビニル繊維。 2.塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミック化合物
および有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体を必
須とする混合物を紡糸用溶解剤に均一に溶解し、分散し
た後、紡糸することを特徴とする光可逆変色性塩化ビニ
ル繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光照射の有無により色
彩が可逆的に変化する光可逆変色性塩化ビニル繊維及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】塩化ビニル繊維は、不燃性
であること、耐光性・耐化学薬品性に優れていること、
保温性が高いこと、触感が良いこと、低価格であること
などの優れた諸特性を備えている。このため各種衣料品
をはじめ、毛布、ふとん綿、モケット、カーペット、カ
ーテン、蚊帳、漁網、防虫網、ロープ、かつら、ドール
ヘアーなどの種々の商品分野にわたって、幅広く使用さ
れている。
【0003】これらの商品分野では、近時種々の付加価
値を高める努力がなされており、特に色彩効果が重要視
される分野において、その傾向が顕著となってきてい
る。
【0004】例えば、光照射の有無により可逆的に色彩
が変化するという新たな特性を備えた塩化ビニル繊維が
実現すれば、その応用範囲は測り知れないものがある。
【0005】この様な状況下に、光照射の有無により可
逆的に色彩が変化する各種のフォトクロミック物質を用
いて、塩化ビニル繊維を着色する種々の試みがなされて
いる。特に、有機フォトクロミック化合物は、種類およ
び色種が豊富であり、光応答性が良好で且つ発色時の濃
度が高く、際立って顕著な可逆的変色現象を示すので、
塩化ビニル繊維の着色材料として有用であると期待され
ている。
【0006】しかるに、この様な有機フォトクロミック
化合物を用いて、優れた商品価値を有する実用的な塩化
ビニル繊維を得たという報告は未だない。その理由の一
つに、これらの有機フォトクロミック化合物が塩化ビニ
ル繊維に染着するという事実が挙げられる。この様に有
機フォトクロミック化合物が、一旦塩化ビニルに染着し
てしまうと、有機フォトクロミック化合物からその本来
のフォトクロミック特性が失われ、光照射の有無にかか
わらず、塩化ビニル繊維は、発色したままの状態とな
る。この様な理由から、これらの有機フォトクロミック
化合物を塩化ビニル系重合体とともに紡糸用溶解剤に溶
解し、紡糸するという、いわゆる「原液着色方法」を採
用することはできない。
【0007】一方、上記の欠点を解消するために、有機
フォトクロミック化合物をマイクロカプセルに内包し
て、塩化ビニル繊維を原液着色する方法も、試みられて
いるが、この方法では繊維連続状体中に極めて巨大な異
物(マイクロカプセル)が存在することになるので、紡
糸時に糸切れ現象が多発して、やはり実用化することは
できない。
【0008】従って、現在のところ、これらの有機フォ
トクロミック化合物を塩化ビニル繊維に適用する方法と
しては、この様な化合物を直接或いはマイクロカプセル
化して各種インク類、塗料類などに配合し、塩化ビニル
繊維表面に吹付けたり、フローコートしたり、浸漬した
りするなど、極めて限定された方法が採用されているに
過ぎない。しかしながら、これらの方法により得られた
塩化ビニル繊維においては、インキの付着が繊維の表面
のみに止って、十分な着色濃度が得られないこと、物理
的に付着したインキ被膜が剥離しやすいこと、さらに塩
化ビニル繊維本来の優れた諸特性が損なわれることなど
の難点があり、商品価値の低い製品となったり、商品化
が困難であったりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは、優れた特性を有する有機フォトクロミ
ック化合物を用いて、塩化ビニル繊維が有する本来の機
能を何ら損ねることなく、塩化ビニル繊維に優れた光可
逆変色性を付与することにある。
【0010】本発明の別の目的は、この様な塩化ビニル
繊維を製造するに適した新規な紡糸方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、上記の様な従
来技術の問題点に鑑みて研究を重ねた結果、塩化ビニル
繊維に対する有機フォトクロミック化合物の染着を防止
し得る媒体(本明細書においては、以下この媒体を有機
フォトクロミック化合物用移染防止媒体或いは単に移染
防止媒体という)を使用する場合には、上記の目的を達
成し得ることを見出した。
【0012】即ち、本発明は、塩化ビニル系重合体、有
機フォトクロミック化合物および有機フォトクロミック
化合物用移染防止媒体を必須成分として含んでなる光可
逆変色性塩化ビニル繊維を提供するものである。
【0013】この様な構成を有する本発明の塩化ビニル
繊維によれば、塩化ビニル繊維を有機フォトクロミック
化合物で直接着色することが可能となり、光可逆変色性
を備えた塩化ビニル繊維がはじめて得られるに至った。
【0014】本発明の光可逆変色性塩化ビニル繊維は、
塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミック化合物およ
び有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体を必須成
分とする混合物を紡糸用溶解剤に均一に溶解、分散した
後、紡糸することによって製造することができる。
【0015】従って、本発明によれば、有機フォトクロ
ミック化合物をマイクロカプセル内包微粒子として用い
る場合とは異なって、紡糸時の糸切れ現象は全く生じな
い。また、各種インク類、塗料類などを用いる場合と異
なって、塩化ビニル繊維が本来的に有する優れた諸特性
を阻害することもない。通常の染顔料類を用いて行なう
場合と同様に、有機フォトクロミック化合物を用いて、
塩化ビニル繊維の理想的な着色方法であるとされている
原液着色方法を実施し得るにいたったことは、単に従来
技術が有していた問題点を解決したというだけではな
く、新たな産業上の利用可能性を提供するものであり、
その利益は多大である。
【0016】本発明において使用する塩化ビニル系重合
体は、公知の塩化ビニル繊維の製造に使用されるもので
あれば、いかなるものを使用してもよい。例えば、モノ
マー成分として塩化ビニルのみから構成されるホモポリ
マー(塩化ビニルストレート樹脂)、コモノマー成分と
して酢酸ビニル、高級脂肪酸ビニルエステル、塩化ビニ
リデン等を含んでなるコポリマー、これらのポリマーブ
レンドなどが挙げられる。本発明においては、不燃性、
紡糸特性などに優れた前記ホモポリマーを使用すること
が好ましい。尚、これらの重合体の重合度としては、平
均重合度にして300〜3000程度の範囲のものを使
用すれば、通常は十分である。
【0017】本発明で用いられる有機フォトクロミック
化合物は、特に限定されず、例えば、アゾベンゼン系化
合物、チオインジゴ系化合物、ジチゾン金属錯体、スピ
ロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギ
ド系化合物、ジヒドロピレン系化合物、スピロチオピラ
ン系化合物、ベンゾピラン系化合物、ナフトピラン系化
合物、トリフェニルメタン系化合物、ビオロゲン系化合
物など任意のものが使用できる。これらの中でも、光応
答性が良好で、発色時の濃度が高く、反復利用性に優れ
たスピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、
ナフトピラン系化合物、フルギド系化合物などがより好
ましい。これらの有機フォトクロミック化合物は、単独
で或いは2種以上を組合わせて用いることができる。
【0018】有機フォトクロミック化合物としては、よ
り具体的には、下記のものが例示される。
【0019】1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリ
ノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インド
リノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)−オキサジン〕 5−クロル−1−ブチル−3,3−ジメチルスピロ〔イ
ンドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−b)
(1,4)−オキサジン〕 1,3,3,5−テトラメチル−9′−エトキシスピロ
〔インドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1−
b)(1,4)−オキサジン〕 1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−6′−
(1−ピペリジニル)−スピロ〔2H−インドール−
2,3′−〔3H〕ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オ
キサジン〕 6′−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イ
ル)−1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−ス
ピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ナフト
〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン〕 1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ〔インドリノ
−2,3′−(3H)ピリド(3,2−5)(1,4)
−ベンゾオキサジン〕 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3′
−(3H)ナフト(2,1−B)ピラン〕 3,3−ジメチル−3H−ナフト(2,1−b)ピラン 3,3−ジフェニル−3H−ナフト(2,1−b)ピラ
ン スピロ〔2H−ナフト〔1,2−b〕ピラン−2,2′
−トリシクロ〔3.3.1.13,7〕デカン〕 2,5−ジメチルフリル−トリメチルフルギド 2,5−ジメチル−4−ニトロフリル−トリメチルフル
ギド 本発明で用いる有機フォトクロミック化合物用移染防止
媒体は、前記の塩化ビニル系重合体に相溶し、後述の紡
糸用溶解剤に溶解し、且つ有機フォトクロミック化合物
に対して塩化ビニル系重合体よりも良溶媒であるものを
いう。
【0020】塩化ビニル系重合体に対して相溶性を示さ
ない媒体は、紡糸時に塩化ビニル繊維中に十分に取り込
まれないし、仮に取り込まれたとしても、紡糸後経日的
に繊維からブリードして、所期の効果を示さなくなる。
また、紡糸用溶解剤に十分溶解しないものは、紡糸時の
糸切れの原因ともなる。
【0021】本発明で使用する移染防止媒体は、有機フ
ォトクロミック化合物に対して塩化ビニル系重合体より
も良溶媒であることが特に重要である。即ち、有機フォ
トクロミック化合物に対して良溶媒であるからこそ、有
機フォトクロミック化合物が塩化ビニル系重合体に染着
もしくは移染することを防止する作用を発揮するのであ
る。移染防止媒体は、紡糸後の塩化ビニル繊維中におい
て、塩化ビニル系重合体により構成されるマトリックス
構造類似の連続層中に均一に分散された微小不連続層と
して存在しているものと考えられ、この不連続層中に有
機フォトクロミック化合物が担持されるので、塩化ビニ
ル繊維への染着もしくは移染現象を防止するものと推測
される。
【0022】また、塩化ビニル繊維中の本発明の移染防
止媒体からなる微小不連続層中に存する有機フォトクロ
ミック化合物は、それが染着することなく存在できる他
の重合体中、例えばポリブチラール、ポリカーボネート
或いはポリアクリル酸エステル樹脂中に存する場合に比
して、或いはさらに驚くべきことには、移染防止媒体中
のみに存する場合に比して、耐光性が大幅に向上する。
これらの有機フォトクロミック化合物は、長時間の連続
した光照射や、繰り返して断続される光照射により、分
解などの劣化を受けることが知られているが、本発明の
様に構成することにより、この劣化現象が著るしく抑制
される。この様な有機フォトクロミック化合物の分解抑
制は、全く予想されなかった大きな効果の1つである。
【0023】有機フォトクロミック化合物用移染防止媒
体としては、沸点150℃以上のアルコール類、エステ
ル類、エーテル類、ケトン類、チオール類、スルフィド
類、フェノール類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素
類、ポリオレフィンワックス類、アルデヒド類、ニトリ
ル類、アミン類、アゾメチン類、酸アマイド類、カルボ
ン酸類、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール
類、トリアゾール類、(メタ)アクリル酸エステル樹脂
オリゴマー類、エポキシ樹脂オリゴマー類、フェノール
樹脂オリゴマー類、金属石ケン類などを挙げることがで
きる。移染防止媒体の沸点を150℃以上と規定するの
は、紡糸後の加熱延伸処理過程において、繊維外へ揮散
するのを防ぐ為である。これらの移染防止媒体は、単独
で或いは2種以上を組合わせて使用することができる。
【0024】移染防止媒体としては、より具体的に下記
の様なものが例示される;−ラウリルアルコール、ステ
アリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、
シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、グリセリ
ン、ソルビトール、ラウリルステアレート、ベンジルパ
ルミテート、ステアリルベンゾエート、ジフェニルエー
テル、ジステアリルケトン、アセトフェノン、ベンジル
メルカプタン、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオ
ネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラ
ウリル−チオプロピオネート)、ノニルフェノール、2
−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ
フェノン、オクチルナフタレン、パラフィン、流動パラ
フィン、ポリエチレンワックス、カプリルアルデヒド、
カプルアルデヒド、ベヘノニトリル、ナフチルステアリ
ン酸ニトリル、ステアリルアミン、ジステアリルアミ
ン、ベンジリデンアニリン、ベンジリデンステアリルア
ミン、p−イソプロピルベンジリデンアニリン、ステア
リン酸アマイド、ナフトエ酸アマイド、ステアリン酸、
安息香酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ポリ
〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)イミノ}ヘキサメチレン(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)イミノ〕1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジニル)−8′−ベンジル−7,7,9,9−テ
トラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピ
ロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−トリデ
シル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシルアシ
ッドの混合テトラエステル、テトラ(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−ブタンテトラ
カルボキシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾ
エート、4,4′−メチレンビス−(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、2(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、メチルア
クリレート−エチルアクリレート−2−エチルヘキシル
アクリレートコオリゴマー(分子量約50,000)、
メチルアクリレート−エチルメタクリレート−ブチルメ
タクリレートコオリゴマー(分子量約10,000)、
メチルアクリレート−エチルアクリレート−アクリロニ
トリルコオリゴマー(分子量約8,000)、オキシラ
ニルビスフェノールA5量体、レゾール樹脂オリゴマー
(分子量約1,000)、ノボラック樹脂オリゴマー
(分子量約500)、ジンクステアレート、アルミニウ
ムトリステアレート、ニッケルジステアレート、ニッケ
ルジブチル−ジチオカルバメート、〔2,2′−チオビ
ス(4−t−オクチルフェノレート〕−2−エチルヘキ
シルアミン−ニッケル(II)など。
【0025】上記移染防止媒体中、特に優れた効果を有
するのは、ヒンダードアミン類であり、本発明におい
て、特に好適に用いることができる。
【0026】ヒンダードアミン類は、本発明において用
いられる有機フォトクロミック化合物に対する光安定剤
として公知である。本発明者の研究によれば、塩化ビニ
ル繊維中においてヒンダードアミン類が特に優れた良溶
媒効果を有することが判明した。他の移染防止媒体に比
し、この種ヒンダードアミン類がこの様に優れた良溶媒
効果を発揮するメカニズムは未だ解明されていないが、
有機フォトクロミック化合物とヒンダードアミン類の間
にある種の分子間相互作用が関与しているのではないか
と推測される。いずれにせよ、移染防止媒体として、ヒ
ンダードアミン類を用いることにより、前記した光安定
効果に加えて、良溶媒効果が発揮され、これらの相乗作
用により、特段の効果を有する塩化ビニル繊維が得られ
る。
【0027】塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミッ
ク化合物および有機フォトクロミック化合物用移染防止
媒体の配合比率は、特に限定されるものではないが、通
常塩化ビニル系重合体100重量部に対し、有機フォト
クロミック化合物0.01〜10重量部(好ましくは
0.1〜5重量部)と移染防止媒体0.1〜30重量部
(好ましくは0.5〜10重量部)程度配合することが
好ましい。特に好ましくは、上記の量的範囲内で、有機
フォトクロミック化合物に対して移染防止媒体を2重量
倍以上用いるのが良い。有機フォトクロミック化合物の
種類にもよるが、有機フォトクロミック化合物の配合量
が0.01重量部未満の場合には、十分な光可逆変色性
が得られないことがあるのに対し、有機フォトクロミッ
ク化合物と移染防止媒体との配合量が40重量部を上回
る場合には、紡糸後経日的にブリードを起こしたり、糸
切れを起こしたりすることがある。
【0028】一般に、塩化ビニル成型物は、その可塑剤
含有量の多寡により軟質塩化ビニルと硬質塩化ビニルの
2者に分類されるが、本発明の塩化ビニル繊維は、後者
の硬質塩化ビニルに属する。即ち、本発明の塩化ビニル
繊維は、可塑剤を全く含有しないものも含めて、可塑剤
含有量が繊維重量に対して10%以下のものである。可
塑剤含有量が10%を超えると、経日的にブリード現象
が発生し、ベタつく等の弊害が生じるので好ましくな
い。可塑剤としては、一般に公知のものを使用すること
ができる。このような可塑剤としては、ジイソノニルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタ
レート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルアジペー
ト、ジオクチルセバケート、トリブチルシトレート、ト
リフェニルホスフェート、ポリエステル型可塑剤、塩素
化パラフィン等が例示される。
【0029】本発明の塩化ビニル繊維は、湿式紡糸法、
乾式紡糸法又は溶融押出紡糸法等により得ることができ
る。とりわけ本発明においては、上記必須の3成分を紡
糸用溶解剤に均一に溶解分散させた紡糸原液を用いて、
乾式紡糸法により製造することが好ましい。即ち、後述
の紡糸用溶解剤に塩化ビニル系重合体、有機フォトクロ
ミック化合物、有機フォトクロミック化合物用移染防止
媒体並びに、必要に応じて、その他の下記添加剤を均一
に溶解、分散させて溶液を調製した後、紡糸口金から大
略100〜120℃の熱風中に吐出させ、溶解剤を蒸発
除去せしめ、乾式紡糸することが好ましい。この様にし
て形成された糸状体を大略2〜10倍程度に延伸し、そ
の後、必要に応じ、熱収縮性を小さくする目的で緊張熱
処理を施すことによって塩化ビニル繊維を得る。
【0030】上記の紡糸用溶解剤としては、アセトン−
ベンゼン、アセトン−二硫化炭素等のアセトン系混合溶
剤を用いることが好ましい。しかしながら、紡糸用溶解
剤は、これらに必ず限定されるものではなく、塩化ビニ
ル系重合体、有機フォトクロミック化合物及び移染防止
媒体の溶解性並びに紡糸特性を考慮して適宜選択すれば
良い。
【0031】紡糸用原液中の上記必須3成分混合物の濃
度は、特に限定されるものではなく、通常は5〜50%
程度の範囲内とする。
【0032】なお、紡糸用原液には、紡糸後の光可逆変
色性塩化ビニル繊維の諸特性を損なわない範囲内で、公
知の染料、蛍光染料、紫外線発光型色素、蛍光増白剤、
顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、夜光顔料、メタリック光沢
顔料、体質顔料、サーモクロミック着色剤などの他の着
色剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、撥水剤、難燃剤、ダ
ル化剤、艶消剤、架橋剤、香料、消臭剤、抗菌防臭剤、
防虫剤、忌避剤、防腐剤などを添加することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明による光可逆変色性塩化ビニル繊
維は、塩化ビニル系重合体および有機フォトクロミック
化合物の他に、有機フォトクロミック化合物用移染防止
媒体を必須成分として含んでいるので、下記の様な顕著
な効果を奏することができる。
【0034】(a)有機フォトクロミック化合物が塩化
ビニル系重合体へ染着もしくは移染することが防止でき
る。
【0035】(b)光可逆変色性塩化ビニル繊維の製造
に際し、従来から塩化ビニル繊維の理想的な着色方法と
して知られている原液着色方法を採用することが可能と
なったので、塩化ビニル繊維が本来有する優れた特性を
何ら損ねることなく、光可逆変色性を付与することがで
きる。
【0036】(c)本発明により発現される光可逆変色
性は、発色時の濃度が高く、光照射を断続的に繰り返し
ても全く劣化することがない。
【0037】尚、光可逆変色現象には、その変色サイク
ルにおいてヒステリシス現象を示す準可逆的変色現象も
含まれる。
【0038】(d)従って、本発明による光可逆変色性
塩化ビニル繊維は、各種の衣料製品;カーテン、カーペ
ットなどのインテリア用品;玩具,寝具などの日常品;
かつら、ドールヘア用フィラメント;蚊帳、漁網、防虫
網、ロープなどの従来から塩化ビニル繊維が用いられて
きたあらゆる利用分野に適用可能であり、特に色彩の変
化自体が商品価値を高める用途或いは色彩の変化により
物理的状態の変動を察知する必要がある分野での資材な
どに好適に用いられる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。いうまでもなく、本発明は、これらの実施例
に限定されるものではない。
【0040】なお、以下において、「重量部」を単に
「部」と記す。
【0041】実施例1 塩化ビニルストレートレジン(平均重合度1100)1
00部をアセトン:ベンゼン(2:8)混合溶剤200
部にスラリー状に分散させ、その後加熱溶解させるとと
もに、有機フォトクロミック化合物として1,3−ジヒ
ドロ−1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジ
ニル)−スピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3
H〕ナフト〔2,1−b〕〔1,4〕オキサジン〕0.
3部、および有機フォトクロミック化合物用移染防止媒
体として4−メタクリルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチル−ピペリジン3部を添加し、紡糸原液を調製し
た。
【0042】得られた紡糸原液を孔径0.2mm、孔数
150ホールの紡糸口金から、120℃の熱風が送り込
まれている紡糸筒内に吐出し、溶剤を蒸発させることに
よって繊維を形成させた。
【0043】次いで5倍の延伸処理を行なった後、14
0℃×5分間緊張処理を行なうことによって、光可逆変
色性塩化ビニル繊維を得た。
【0044】得られた塩化ビニル繊維は、日光が当らな
い室内では無色であったが、日光下および紫外線照射下
では濃厚な紫色を呈し、またこの現象は、可逆的に反復
させることができた。また、この光可逆変色性塩化ビニ
ル繊維は、その風合、感触などの点では、通常の塩化ビ
ニル繊維と何ら変わりなく、極めて良好なものであり、
耐摩擦性、耐洗濯性などにも、非常に優れていた。
【0045】この光可逆変色性塩化ビニル繊維の諸物性
は以下の通りであった。
【0046】強度……3.5g/D 伸度……20% ヤング率……510kg/mm2 なお、上記の物性は、以下の様にして測定した。
【0047】強度および伸度は、上下に繊維の端をつか
むチャックを備えた自記タイプの定速伸長型引張試験機
を用いて、所定の長さ(30cm)の試料をチャックに
より保持した後、荷重をかけながら引張り、試料が切断
した時の荷重と伸びとを測定することにより、求めた。
【0048】ヤング率は、上記と同じ試験機を用いて、
同様の引張試験を行ない、応力−伸び曲線を描き、原点
の近くで伸長変化に対する応力変化の最大点(接線角の
最大点)を求め、その時のデニール当たりの応力を試料
の当初の長さに対する伸びの割合で徐することにより求
めた。
【0049】更に、該繊維の光可逆変色特性を調べたと
ころ、光照射の有無を1000回繰り返した後において
も、当初の可逆変色特性と変わりなかった。
【0050】比較例1 有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体3部を使用
しない以外は全て実施例1と同様にして塩化ビニル繊維
を得た。得られた塩化ビニル繊維は、光照射の有無にか
かわらず常に紫色を呈し、光可逆変色性を全く示さなか
った。
【0051】実施例2〜28 実施例1で用いた有機フォトクロミック化合物0.3部
と有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体3部に代
えて表1に記したものを使用する以外は実施例1と同様
にして、本発明による光可逆変色性塩化ビニル繊維を得
た。
【0052】得られた繊維は、実施例1のものと同様の
良好な風合および感触を有しており、耐摩擦性、耐洗濯
性などにも優れていた。また、光可逆変色特性において
も、実施例1のものと同等の性能を有していた。
【0053】表1に得られた各繊維の物性と、光を照射
して発色した際の色相をまとめて示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】尚、上記各表中〔式1〕〜〔式3〕の化合
物は、夫々以下のものを示す。
【0062】〔式1〕の化合物:
【0063】
【化1】
【0064】〔式2〕の化合物:
【0065】
【化2】
【0066】〔式3〕の化合物:
【0067】
【化3】
【0068】実施例29 塩化ビニルストレートレジン(平均重合度1400)1
00部をアセトン:ベンゼン(1:1)混合溶剤200
部にスラリー状に分散させ、その後加熱溶解させるとと
もに、有機フォトクロミック化合物として、1,3,3
−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3′−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)−オキサジン〕0.2
部、有機フォトクロミック化合物用移染防止媒体として
ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)イミノ〕1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮
合物(分子量3000)4部、並びに通常の黄色着色剤
であるカチロンエロ−SGLリキッドタイプ(保土谷化
学工業(株)製)0.3部、および可塑剤としてジイソ
ノニルフタレート1部を添加し、紡糸原液を調製した。
【0069】この様にして得られた紡糸原液を使用して
実施例1と同様にして光可逆変色性塩化ビニル繊維を得
た後、繊維をパイルカッティングマシンにより長さ1.
5mmに切断して、植毛用の短繊維とした。
【0070】次いで、ポリウレタン発泡体/ポリエステ
ル織物のラミネートシートのスポンジの全面に、ポリア
クリル酸エステルエマルジョン(商標“ナクリリック2
260J”、カネボーエヌエスシー(株)製)75部、
ポリアクリル酸系増粘剤(商標“ヨドゾールKA−1
0”、カネボーエヌエスシー(株)製)3部、アンモニ
ア水2部およびウレタン系架橋剤(商標“マツミンフィ
クサーF”、(株)松井色素化学工業所製)5部からな
るインキをナイフコーターにて150g/m2 の割合で
塗付した後、上記で得た短繊維を静電植毛し、150℃
で5分間熱処理し、光可逆変色性植毛シートを得た。
【0071】得られた植毛シートは、日光のあたらない
室内では黄色であったが、日光下および紫外線照射下で
は緑色へと変色し、このような変化は何度でも繰り返す
ことができた。
【0072】また、得られた植毛シートは、有機フォト
クロミック化合物により原液着色(直接練込み)された
短繊維を使用している為、色彩が濃厚で、同時に種々の
物性、特に耐摩擦性および耐洗濯性に優れていた。
【0073】なお、得られた植毛シートを縫製して、例
えば動物のぬいぐるみなどに加工して用いる場合には、
日光などの光の照射により可逆的に変色するので、幼児
に多大の興味をおこさせるユニークな玩具となる。
【0074】実施例30 実施例29で得られた光可逆変色性塩化ビニル繊維10
本を一束として常法に従ってカールをかけ、適当な長さ
に裁断し、塩化ビニル系プラスチゾルのスラッシュ成形
で得られたスラッシュ人形の頭部にミシンで順次縫い合
わせていき、人形のヘアーを形成した。
【0075】この人形のヘアーは、日光のあたらない室
内では黄色であったが、日光下および紫外線照射下では
緑色へと変色し、このような変化は何度でも繰り返すこ
とができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミ
    ック化合物および有機フォトクロミック化合物用移染防
    止媒体を必須成分として含んでなる光可逆変色性塩化ビ
    ニル繊維。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系重合体、有機フォトクロミ
    ック化合物および有機フォトクロミック化合物用移染防
    止媒体を必須とする混合物を紡糸用溶解剤に均一に溶
    解、分散した後、紡糸することを特徴とする光可逆変色
    性塩化ビニル繊維の製造方法。
JP27203693A 1993-10-29 1993-10-29 光可逆変色性塩化ビニル繊維とその製造方法 Pending JPH07118918A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998009826A1 (en) * 1996-09-09 1998-03-12 Gabriele Valente Process and apparatus for decorating mosquito-curtains and/or zippers
CN109468693A (zh) * 2018-10-19 2019-03-15 如皋福大工程技术研究院有限公司 一种变色纤维
CN115368693A (zh) * 2022-09-30 2022-11-22 金发科技股份有限公司 一种高硬度渐变色的透明pvc材料及其制备方法和应用

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