JPH07118890B2 - 樹脂製のモータケーシングの製造方法 - Google Patents

樹脂製のモータケーシングの製造方法

Info

Publication number
JPH07118890B2
JPH07118890B2 JP2157284A JP15728490A JPH07118890B2 JP H07118890 B2 JPH07118890 B2 JP H07118890B2 JP 2157284 A JP2157284 A JP 2157284A JP 15728490 A JP15728490 A JP 15728490A JP H07118890 B2 JPH07118890 B2 JP H07118890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
press
temperature
motor casing
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2157284A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0449828A (ja
Inventor
隆男 梅沢
孝夫 落合
Original Assignee
株式会社三ツ葉電機製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社三ツ葉電機製作所 filed Critical 株式会社三ツ葉電機製作所
Priority to JP2157284A priority Critical patent/JPH07118890B2/ja
Priority to CA002043519A priority patent/CA2043519C/en
Priority to DE4117763A priority patent/DE4117763C2/de
Priority to TW80109155A priority patent/TW210977B/zh
Publication of JPH0449828A publication Critical patent/JPH0449828A/ja
Priority to US07/841,059 priority patent/US5218256A/en
Priority to US07/921,965 priority patent/US5199171A/en
Publication of JPH07118890B2 publication Critical patent/JPH07118890B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用電装品等に使用される樹脂製のモータ
ケーシングおよびその製造方法に関するものである。
[従来技術及び発明が解決しようとする課題] 今日、モータの軽量化等のため、モータケーシング(モ
ータハウジング)を結晶性を有した熱可塑性樹脂材を用
い、これをモールド成形によつて形成することが試みら
れている。そしてロータコアのコア軸を軸承するための
軸受は、モールド金型から離型された後、例えば24時間
室温養生した後、モータケーシングの軸受圧入部に圧入
組込みしているのが一般的であるが、モータケーシング
は、樹脂製であるが故にどうしても精度が金属製のもの
に比して悪く、特に高精度の組付け加工が要求される軸
受圧入部においては、その内周面の真円度が著しく損な
われ、このため圧入される軸受に対して過大な圧入応力
が局部的に働いて軸受が変形する等して軸受精度が低下
するという問題が生じる。
しかもこの様な樹脂製ケーシングの場合、機械的強度を
アツプするため、ガラス繊維のような強化材を混入する
ことになるが、これらの強化材は繊維状で細長いもので
あるため、樹脂材の射出時にどうしても繊維の向きに方
向性が出てしまい、これがために、縦方向と横方向で成
形収縮率が異なつて、一層寸法変化の差が大きくなる傾
向が助長されてしまうことになる。
そこで従来から樹脂製ケーシングの精度を向上しようと
する幾つかの試みがあり、それらのなかには、軸受を肉
厚にして圧入応力が軸受内径の変形に影響を及ぼさない
ようにする試み、軸受の圧入代を小さくして軸受内径の
変形に影響を及ぼさないようにする試みがあるが、前者
の場合には、軸受が肉厚になる分、モータケーシングが
大径になつて重いものになつてしまい、樹脂材にして軽
量化しようとする当初の目的に反するうえに、大型化し
てしまうという欠点が有り、また後者の場合には、圧入
代が小さいので軸受が抜けやすく、所要の軸受支持強度
を確保することが難しいという欠点が有り、何れにしろ
採用できないものである。
これに対し、室温状態まで冷却したケーシングに、樹脂
材の溶解温度を越えて加熱した軸受を圧入することが提
唱されるが、この場合、ケーシングの軸受圧入部の表面
が、圧入する軸受の熱によつて局部的に溶融し、この溶
融したものが圧入する軸受先端縁に削ぎ取られるように
して奥方に押しやられた状態で軸受が圧入取付けされる
ことになり、この結果、冷却後の軸受圧入部の内径が、
削ぎ取られた分だけどうしても大径になつてしまうこと
に、軸受の外径が室温に冷却することに伴う収縮によつ
て小径になることが相俟つて、軸受の支持強度が弱くな
つて初期の強度を確保することが難しいという問題が有
り、このままでは採用できない。
[課題を解決する手段] 本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を一掃
することができる樹脂製のモータケーシングおよびその
製造方法を提供することを目的として創案されたもので
あつて、熱可塑性の樹脂材を金型に注入せしめるモール
ド成形方式によつて形成されたモータケーシングの小径
部に、ロータコアのコア軸を回動自在に軸承するための
軸受を圧入組付けするにあたり、金型から離型され、か
つ室温まで冷却されたモータケーシングを、ガラス転移
温度からこれよりも高い再結晶化温度までの範囲の温度
に加熱し、この加熱温度雰囲気下で軸受を圧入し、しか
る後、再び室温まで冷却させたことを特徴とするもので
ある。
そして本発明は、これらの構成によつて、樹脂製のモー
タケーシングでありながら、軸受支持強度が強く、かつ
軸受圧入部の真円度を飛躍的に向上できるようにしたも
のである。
[実施例] 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、1は熱可塑性樹脂材であるポリエチレンテ
レフタレートをモールド成形することによつて形成され
たモータケーシングであつて、該ケーシング1には、内
周面に磁石2が貼着されると共に、その内側にロータコ
ア3が内装される大径部4と、ロータコア3のコア軸3a
を軸受5を介して軸承する小径部、つまり軸受圧入部6
とが形成されるが、この軸受圧入部6に本発明が実施さ
れている。
つまりこの実施例のものでは、ポリエチレンテレフタレ
ートの如き熱可塑性樹脂を用い、これを金型を用いるモ
ールド成型により一旦モータケーシング1を型形成する
ことになるが、この型形成され、室温まで冷却したモー
タケーシングを、少なくともガラス転移温度からこれよ
りは高い再結晶化温度までの温度に再度加熱し、この加
熱雰囲気下で軸受圧入部6に軸受5を圧入し、しかる
後、室温まで冷却させることによつて軸受5が組込まれ
たケーシング1が形成される。
この様にして軸受圧入部6には軸受5が圧入取付けされ
ることになるが、軸受5の圧入作業が、前述したように
一旦室温まで冷却されたものを再びガラス転移温度から
これよりも高い再結晶化温度までの範囲に加熱されて、
樹脂材のある程度の変形が許容される活性化状態で成さ
れ、そして、軸受圧入後の降温過程において、樹脂材
は、圧入した軸受表面に馴染むよう徐々に軸受形状に追
従しながら成形収縮していくこととなり、この結果、軸
受圧入部6の内周面は、軸受5の外周面に殆ど面接触す
る真円に近い状態となつて、軸受5に対し局部的に偏在
した圧入応力が働くことがなく、もつて軸受5を必要以
上に肉厚にしたり軸受圧入代を小さくしたりしないで
も、その変形を効果的に回避でき、高精度の軸受取付け
が支持強度の強い状態でできてモータの品質および性能
アツプに大いに寄与できることになる。
しかも軸受圧入部6の内周面は、樹脂材の成形収縮によ
つて軸受5の前後両端側において軸受5の外径よりも小
径状態になつて軸受5の前後両端部を所謂アンダーカツ
ト状態で支持することとなり、これによつて軸受5は軸
心方向の確実な抜止めがなされ信頼性が大幅に向上す
る。
因みに、本発明が如何に有効であるかについて、融点が
260℃、再結晶化温度が略110℃でガラス転移点が略55℃
に設定されるポリエチレンテレフタレートを用いて実際
にモータケーシング1をモールド成形した場合を例にと
つてさらに説明する。
このものは、外径が9mmと12mmの軸受X,Yを圧入組付けす
る場合について検討した。第3図は、モールド成形後、
室温にて24時間放置したケーシング1について、選択さ
れた各温度に加熱し、この温度状態で軸受圧入部6に軸
受5を圧入後、さらに48時間室温にて放置したものにつ
いて、圧入した軸受5の真円度変化(理想円に対する径
方向の最大ずれ量)とをプロツトしたものである。そし
てこれによると、加熱温度がガラス転移点を境界にし
て、これよりも高い場合に、軸受の真円度の大幅な改善
が観測され、本願発明が如何に有効であるかが判明す
る。
つまり軸受Xにおいては、室温のまま軸受を圧入したも
のの真円度変化が17.5μmであるのに対し、ガラス転移
温度付近まで加熱した状態で圧入した後、冷却したもの
では僅か6μm程度の真円度に低減していることが観測
され、この真円度の低減は、加熱温度が再結晶温度に近
づくほど高くなつていることが認められる。同様のこと
が軸受Yについても観測され、如何に本発明が有効であ
るかが立証される。
尚、上記実施例において、再結晶化温度よりも高い温度
まで加熱した状態で軸受を圧入した場合についても検討
した。そしてこれらのものにおいても、同様の真円度の
著しい向上が認められた。しかしながら軸受圧入時の温
度が再結晶化温度よりも高くなると、圧入部の樹脂材自
体が軟らかくなつて逆に圧入作業が難しくなるという欠
点が生じ、特に200℃を越えると樹脂材は金型離型後に
おいてその原型を保つことすら難しくなつて好ましくな
く、この様な観点から見て、軸受圧入時の圧入部内周面
の温度は、少なくても金型離型後においても樹脂材が型
崩れしない再結晶化温度よりも低い温度であることが必
要であり、このようにすることで、樹脂材は再結晶化状
態になつていて安定化しているので、圧入によつて軸受
圧入部側が大きく型崩れ変形してしまうこともなく好ま
しい。
[作用効果] 以上要するに、本発明は叙述の如く構成されたものであ
るから、モータケーシングは、熱可塑性樹脂材を用いた
モールド成形によつて形成されたものでありながら、軸
受の圧入の際には、モータケーシングをガラス転移点か
らこれよりも高い再結晶化温度までの範囲に加熱して、
樹脂材を、融解することのない結晶化した安定状態で変
形する活性化した雰囲気下で成されることとなり、この
結果、圧入される軸受によつて圧入部表面の樹脂材が削
ぎ取られてしまうようなことがなく、軸受形状に対応し
て全体として変形し、そして軸受圧入後の降温過程にお
いて、樹脂材は、圧入した軸受表面に馴染むよう軸受形
状にお追従しながら成形収縮していくこととなる。この
ため、軸受圧入部の内周面は、軸受の外周面に殆ど面接
触する真円に近い状態となつて、軸受に対し局部的に偏
在した圧入応力が働くことがなく、もつて、軸受の変形
を効果的に回避できて、高精度の軸受取付けが支持強度
の強い状態でできてモータの品質および性能アツプに大
いに寄与できることになる。
しかも軸受圧入部の内周面は、樹脂材の成形収縮によつ
て軸受の前後両端側において軸受の外径よりも小径状態
になつて軸受の前後両端部を所謂アンダーカツト状態で
支持することとなり、これによつて軸受は軸心方向の確
実な抜止めがなされ信頼性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る樹脂製のモータケーシングおよび
その製造方法の実施例を示したものであつて、第1図は
モータケーシングの要部断面図、第2図は軸受圧入部の
断面図、第3図は軸受圧入時の温度変化と、圧入した軸
受の真円度変化とをプロツトしたグラフ図である。 図中、1はモータケーシング、5は軸受、6は軸受圧入
部である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性の樹脂材を金型に注入せしめるモ
    ールド成形方式によつて形成されたモータケーシングの
    小径部に、ロータコアのコア軸を回動自在に軸承するた
    めの軸受を圧入組付けするにあたり、金型から離型さ
    れ、かつ室温まで冷却されたモータケーシングを、ガラ
    ス転移温度からこれよりも高い再結晶化温度までの範囲
    の温度に加熱し、この加熱温度雰囲気下で軸受を圧入
    し、しかる後、再び室温まで冷却させたことを特徴とす
    る樹脂製のモータケーシングの製造方法。
JP2157284A 1990-05-31 1990-06-15 樹脂製のモータケーシングの製造方法 Expired - Fee Related JPH07118890B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2157284A JPH07118890B2 (ja) 1990-06-15 1990-06-15 樹脂製のモータケーシングの製造方法
CA002043519A CA2043519C (en) 1990-05-31 1991-05-30 Motor casing made of resin and method of manufacturing the same
DE4117763A DE4117763C2 (de) 1990-05-31 1991-05-31 Motorgehäuse aus thermoplastischem Kunstharz und Verfahren zur Herstellung desselben
TW80109155A TW210977B (ja) 1990-06-15 1991-11-22
US07/841,059 US5218256A (en) 1990-05-31 1992-02-25 Motor casing made of resin
US07/921,965 US5199171A (en) 1990-05-31 1992-08-04 Method of manufacturing a motor casing made of resin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2157284A JPH07118890B2 (ja) 1990-06-15 1990-06-15 樹脂製のモータケーシングの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0449828A JPH0449828A (ja) 1992-02-19
JPH07118890B2 true JPH07118890B2 (ja) 1995-12-18

Family

ID=15646303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2157284A Expired - Fee Related JPH07118890B2 (ja) 1990-05-31 1990-06-15 樹脂製のモータケーシングの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07118890B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08298739A (ja) * 1995-04-25 1996-11-12 Minebea Co Ltd ステッピングモータ
JP3944825B2 (ja) 2001-11-16 2007-07-18 ミネベア株式会社 密閉構造モータ及びその使用方法
US9228884B2 (en) 2010-09-22 2016-01-05 Yamato Scale Co., Ltd. Hand-operated weighing system and weighing work method
WO2022137980A1 (ja) * 2020-12-22 2022-06-30 工機ホールディングス株式会社 作業機

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58160022A (ja) * 1982-03-18 1983-09-22 Sekisui Chem Co Ltd 合成樹脂成形品の金属インサ−ト取付装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5890056U (ja) * 1981-12-10 1983-06-18 三菱電機株式会社 直流電動機等の軸支承用ブラケツト
JPS60179756U (ja) * 1984-05-10 1985-11-29 株式会社アルファ 自動車用ドアのアウタ−ハンドル装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58160022A (ja) * 1982-03-18 1983-09-22 Sekisui Chem Co Ltd 合成樹脂成形品の金属インサ−ト取付装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0449828A (ja) 1992-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5199171A (en) Method of manufacturing a motor casing made of resin
KR101965004B1 (ko) 스태빌라이저 링크 및 그 제조 방법
US6465924B1 (en) Magnetic bearing device and a vacuum pump equipped with the same
US6489696B2 (en) Motor having rotor formed by using thermosetting resin
US5218256A (en) Motor casing made of resin
JPS6238569B2 (ja)
JPH07118890B2 (ja) 樹脂製のモータケーシングの製造方法
US4429927A (en) Casing having a mounting portion at its inner wall surface for receiving a bearing member therein
CA2043519C (en) Motor casing made of resin and method of manufacturing the same
SE501855C2 (sv) Gjutgods med ingjuten armering, samt förfarande för framställning av ett sådant gjutgods
JPS633167B2 (ja)
JPH0645208B2 (ja) 樹脂製のモータケーシングおよびその製造方法
KR950012094B1 (ko) 수지성 모터케이싱 및 그 제조방법
JP2918408B2 (ja) ステッピングモータ用ロータおよびその製造方法
JPH05130757A (ja) 車両用交流発電機の回転子及びスリツプリング装置の製造方法
CN100491745C (zh) 风扇轴承装配方法
JP3757310B2 (ja) 樹脂製スリーブおよびその製造方法
JP2816995B2 (ja) 樹脂モールドモータ
JP3925320B2 (ja) 成形品の組付け方法
KR930006798Y1 (ko) 래디얼형 동기 전동기의 로터와 출력축과의 고정 구조
JPH02280650A (ja) 軸受ユニット及びその製造方法
CN220382890U (zh) 一种电机信号磁环
JPH053636A (ja) モールドモータ
JPH08298740A (ja) モールドモータ
JPH05237867A (ja) 金型装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081218

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees