JPH07118360A - 熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物微細粒子状粉末の製造法 - Google Patents

熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物微細粒子状粉末の製造法

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JPH07118360A
JPH07118360A JP5283939A JP28393993A JPH07118360A JP H07118360 A JPH07118360 A JP H07118360A JP 5283939 A JP5283939 A JP 5283939A JP 28393993 A JP28393993 A JP 28393993A JP H07118360 A JPH07118360 A JP H07118360A
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polyester
acid
aliphatic polyester
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Morio Wada
盛雄 和田
Ryoichi Hasegawa
良一 長谷川
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性,強度等の物性の優れた熱可塑性脂
肪族ポリエステル改質物の微細粒子状粉末を製造する。 【構成】脂肪族2塩基酸,脂肪族ジアルコール化合物,
所望により脂肪族オキシカルボン酸,ヒドロキシル基を
有する2塩基酸より構成されるポリエステル化合物に,
ジイソシアネート化合物を反応させて得られる熱可塑性
脂肪族ポリエステル改質物を,芳香族化合物溶媒中よ
り,冷却により沈澱せしめ,濾過乾燥することにより微
細粒子状粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,熱可塑性脂肪族ポリエ
ステル改質物微細粒子状粉末の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステル化合物は,1930
年代に,カロ−ザスにより,脂肪族2塩基酸とジオ−ル
との縮重合で合成されたとされており,古くから知られ
た高分子化合物である。また,脂肪族ポリエステル化合
物は,例えば,Appl.Microbiol.,1
6,900(1968)に記されているように,生分解
性を有する事も知られている。1975年,U.S.3
883901には,ポリエチレンサクシネ−トのよう
な,コハク酸を酸成分とする脂肪族ポリエステル化合物
を,動物体内への埋め込み用衛生材料として使用し,体
内に吸収される事が示されている。
【0003】一方,脂肪族ポリエステル化合物は,結晶
性が高くワックス的であり,フィルムや繊維として充分
な性質を有していない。このために,アルバ−トソンら
は,脂肪族ポリエステル化合物にポリエ−テル化合物等
を反応させて,性能の改良と得られた改質物の生分解性
の検討を行っている。J.Macromol.Sci.
−Chem.,A23(3),411(1986),
J.Macromol.Sci.−Chem.,A25
(4),467(1988)。更に,常盤らは,脂肪族
ポリエステル化合物にポリアミドや芳香族ポリエステル
ブロックを導入し改質を行っている。J.Appl.P
olym.Sci.24,1701(1979),J.
Polym.Sci.26,441(1981).ま
た,Polymer Science Technol
ogy 31,61(1988) Plenum Pr
ess,New York には,酒石酸と脂肪族ジオ
−ルのポリエステルを脂肪族ジイソシアネ−トで,架橋
反応を起こさせて,薬剤をマトリックス中に,保持し,
その徐放性を検討している。特開平4−189823号
公報には,脂肪族ポリエステル化合物にジイソシアネ−
ト化合物を反応させた改質物が記されている。これらの
公知文献中には,微細粉末の製法に関して充分な記載は
なく,一部通常行われる貧溶媒による沈澱法が記されて
いるのみである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の脂
肪族ポリエステル改質物は,分子の中に,ポリエ−テル
部分やポリアミド部分,または,芳香族ポリエステル部
分のような難分解性の部分を,含んでいる。そのため,
これらの改質物が,微生物による分解をうけた際にも,
進行が極めて遅くなったり,進行しても難分解性部分は
分解を受けず,残存し蓄積することになり生分解性プラ
スチックとして充分な性能を有しているとは言えない。
一方,酒石酸と脂肪族ジオ−ルのポリエステルに,ジ
イソシアネ−ト化合物を反応させ架橋結合を起こさせ
て,薬剤をマトリックス中に保持し,その徐放性に注目
した報告が知られているが,酒石酸のポリエステルは,
非常に親水性であり,成型用プラスチックとしての用途
には適しない。また,酒石酸の持つ水酸基の数が非常に
多い為,ゲル化や不溶化を起こし易い。成型性の面で有
利な熱可塑性を保つためには,非常に厳密な,コントロ
−ルが必要である。
【0005】特開平4−189823号公報には生分解
性プラスチックとして上記の問題がないといわれる脂肪
族ポリエステル改質物について記載がある。無溶媒で溶
融状態で製造されるため,成型等の目的のためにはペレ
ット状態で製造する。従って,微細粉末に関する記載は
ない。さて,微細な粒子状粉末状態で得ることには,工
業的に大いに意義がある。即ち,フィラ−としての用
途,カプセルや粒状の徐放性薬剤を製造するための用
途,生分解性の粉体塗料,フィルム製造,また高純度品
を得る等の目的に有用である。しかし流動性がよく,粒
形のそろった微細粒子状粉末を得る方法は知られていな
かった。また,高分子量物は通常溶液中で固化させても
ブロック状に固まるだけで,流動性のある粉末状態にな
ることは,予測が出来なかった。また,一般的な貧溶媒
中で沈澱を形成させる方法は,微細で,流動性のある粉
末を製造するのは困難であった。また,通常の粉砕法で
は,融解,凝集のために微細粉末を得ることは困難であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,生分解性
プラスチックとして有用な,弾力性や強度等,物性にお
いて改良された熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物を,
流動性の良好な微細粒子状粉末として得ることを目的に
鋭意検討の結果,本発明に到達した。 即ち本発明は, (1) 脂肪族2塩基酸と脂肪族ジアルコ−ル化合物,
及び所望により脂肪族オキシカルボン酸より構成される
脂肪族ポリエステル共重合体にジイソシアネ−ト化合物
を反応させて得られるポリスチレンを基準としたゲルパ
−ミエ−ション法による重量平均分子量が50000〜
300000である熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物
微粒子状粉末を製造するに当たり,該ポリエステル改質
物を芳香族化合物の溶媒中に溶解した溶液を,冷却し,
該ポリエステル改質物を沈澱・析出せしめ濾過分離,乾
燥することを特徴とする熱可塑性脂肪族ポリエステル改
質物微細粒子状粉末の製造法。 (2) 脂肪族2塩基酸と脂肪族ジアルコ−ル化合物,
および所望により脂肪族オキシカルボン酸より構成され
る脂肪族ポリエステル共重合体であって,酸の構成成分
として,ヒドロキシル基を有する2塩基酸を0.05〜
5重量%含有する脂肪族ポリエステル共重合体に,ジイ
ソシアネ−ト化合物を反応させて得られる,ポリスチレ
ンを基準としたゲルパ−ミエション法による重量平均分
子量が50000〜300000である熱可塑性脂肪族
ポリエステル改質物を芳香族化合物の溶媒中に溶解した
溶液を,冷却し,該ポリエステル改質物を沈澱・析出せ
しめ濾過分離,乾燥することを特徴とする熱可塑性脂肪
族ポリエステル改質物微細粒子状粉末の製造法。 (3)請求項1及び2に記載の熱可塑性脂肪族ポリエス
テル改質物を脂肪族ポリエステル共重合体の合成を芳香
族化合物の溶媒中プロトン性強酸触媒の存在下,水を共
沸脱水により除去しつつ行い,引続きジイソシアネ−ト
化合物と反応させることによりポリエステル改質物を製
造し,反応終了後,冷却により生成する該ポリエステル
改質的を濾過により採取し,乾燥することを特徴とする
熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物微細粒子状粉末の製
造法を提供する。
【0007】まず,本発明に用いる熱可塑性脂肪族ポリ
エステル改質物の製造法について述べる。酸成分,ジア
ルコ−ル成分,脂肪族オキシ酸,及び,ヒドロキシル基
を含有する2塩基酸は,次の様なものが使用できる。酸
成分としては,コハク酸,アジピン酸,1.6−ヘキサ
ンジカルボン酸,1.12−ドデカンジカルボン酸,チ
オジグリコ−ル酸,マレイン酸,フマ−ル酸,等の脂肪
族2塩基酸,またはこれらの,メチル,エチル,等の低
級エステル類,酸無水物類等があげられる。
【0008】ジアルコ−ル成分としては,エチレングリ
コ−ル,プロピレングリコ−ル,1.4−ブタンジオ−
ル,1.6−ヘキサンジオ−ル,1.10−デカンジオ
−ル,ジエチレングリコ−ル,ジプロピレングリコ−
ル,ジテトラメチレングリコ−ル,等の脂肪族ジオ−ル
類があげられる。
【0009】脂肪族オキシ酸としては,グリコ−ル酸,
乳酸,3−ヒドロキシ酪酸,4−ヒドロキシ酪酸,3−
ヒドロキシ吉草酸,6−ヒドロキシカプロン酸,等が揚
げられるがこれらはエステルやラクトンとうの誘導体と
して使用してもよい。
【0010】また以上の各成分は,例えば,2塩基酸と
ジオ−ルのポリエステル,ポリ3−ヒドロキシ酪酸,ポ
リカプロラクトン,等オキシ酸のポリエステル等,とし
て高分子の形で使用しても構わない。これらは各々混合
して使用し,共重合体とすることも可能である。
【0011】ヒドロキシル基含有2塩基酸としては,次
のような物が揚げられる。即ち,リンゴ酸,3−ヒドロ
キシグルタル酸,3−ヒドロキシメチルグルタル酸,酒
石酸,5−ヒドロキシイソフタル酸,2−ヒドロキシテ
レフタル酸,等を揚げることが出来る。これらは,光学
活性体であっても,不活性体であってもよい。またエス
テル等の誘導体として使用してもよい。これらは,いず
れも,これらを含有するポリエステル共重合体合成時に
は,水酸基の反応性が低く架橋を起こしにくい化合物で
ある。本成分を含有させる場合その使用量は,共重合ポ
リエステルの中に,0.05〜5重量%含有されると計
算される量用いるのがよい。
【0012】このポリエステル合成においてカルボキシ
ル基とアルコ−ル性水酸基の総モル数は,ほぼ等量とな
るように使用するのがよい。多少ジアルコ−ル成分を過
剰に用いるのがよい場合もある。このポリエステルの合
成は,例えば,次のようにして行う。上記したポリエス
テル化合物合成の為の原料を,プロトン性強酸触媒の存
在下に加熱し反応させる。この際に芳香族化合物適当な
溶媒を用いる。反応の進行に伴い水,または低級アルコ
−ルが発生する場合は,加熱,共沸脱水,等の手段によ
り系外に除去する事により反応を促進する。反応温度
は,30〜180℃,好ましくは,60〜180℃であ
る。反応時間は,1〜30時間,好ましくは,3〜15
時間であり使用する触媒により最適時間は、変化する。
反応は,ほぼ定量的に進行する。この際用いる触媒とし
ては,塩酸,硫酸,燐酸,等の鉱酸,メタンスルフォン
酸,トリフルオロメタンスルフォン酸,トリフルオロ酢
酸,p−トルエンスルフォン酸,等の有機性の強酸が使
用できる。その使用量は,反応物の0.01〜5重量
%,好ましくは0.05〜1重量%である。
【0013】反応の溶媒としては,ベンゼン,トルエ
ン,キシレン,エチルベンゼン,クロロベンゼン,ジク
ロロベンゼン,等の芳香族炭化水素,ハロゲン化芳香族
炭化水素類,を使用する。その使用量は,反応物の0.
5〜10倍好ましくは,2〜8倍程度が特によい。ここ
で溶解性の調節のために,ジメチルフォルムアミド,ジ
オキサン,ジメチルイミダゾリジノン等の極性溶媒を少
量添加することもできる。
【0014】上記は,ポリエステル製造の一例である
が,特開平4−189823号公報に記されているよう
な無溶媒下,溶融状態で製造することもできる。この際
には,ジアルコ−ル成分を過剰に用い,200℃付近の
高温下,高真空下に実施する方法が用いられている。ま
た,この際には,スズ,チタン,コバルト,ゲルマニウ
ム,等の化合物が触媒として用いられることもよく知ら
れている。
【0015】このようにして合成された,ポリエステル
は,ポリスチレンを基準としたゲルパ−ミエ−ションク
ロマト法による数平均分子量として,5000〜300
00好ましくは,7000〜30000に調節するのが
よい。このためには,ゲルパ−ミエ−ション法,或は,
粘度測定等の手段によりコントロ−ルするのが好まし
い。以後,本明細書においては,ゲルパ−ミエ−ション
法をGPC法と省略し,分子量は,GPC法によるポリ
スチレエン基準の値を使用する。分子量の値がこの範囲
にある場合,次のジイソシアネ−ト化合物との反応によ
り得られる改質物を,一定の品質とし易い。また物性面
でもよい結果を与える。
【0016】次にポリエステル化合物とジイソシアネ−
ト化合物の反応を説明する。前記のポリエステルの合成
を本発明の芳香族化合物溶媒中で実施した場合は,引き
続いて同じ系内で実施するのが望ましい。無溶媒法にて
製造した場合は,芳香族化合物溶媒に溶解して実施する
のがよい。この場合に,触媒を添加してもよいがしなく
てもよい。触媒としては,酸触媒,スズ,チタン,ゲル
マニウム,コバルト化合物等の金属化合物触媒が使用で
きる。使用量は,ポリエステルの,0.05〜1%程度
が適している。反応温度は,20〜250℃,好ましく
は30〜150℃において,1〜30時間,好ましくは
2〜10時間実施し,目的とする改質脂肪族ポリエステ
ル化合物を得る。この時用いるジイソシアネ−ト化合物
は,1.4−ジイソシアナトブタン,16−ジイソシア
ナトヘキサン,1.12−ジイソシアナトドデカン,等
の脂肪族ジイソシアネ−ト類,イソホロンジイソシアネ
−ト,等の脂環式ジイソシアネ−ト類,ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト,トリレンジイソシアネ−ト,等の
芳香族ジイソシアネ−ト類等を揚げることが出来る。
【0017】その使用量は,前記のポリエステルの数平
均分子量に基づき計算されるモル数の,10〜300%
好ましくは20〜200%の量を用いる。または,ヒド
ロキシル価を測定しこれに基づき,当量の5〜200%
好ましくは10〜150%とする事も出来る。反応は,
GPC分析,或は,粘度測定によりコントロ−ルし,重
量平均分子量として,50000〜300000とす
る。反応は,終了時にアルコ−ル,アミン,水等の添加
により停止することができる。
【0018】目的の熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物
が製造された後,本発明の芳香族化合物溶媒中の溶液か
ら微細粒子状粉末を製造する。本発明の芳香族化合物溶
媒中で製造された場合は,溶媒の量を調整して引続き実
施するのが実用的である。使用した触媒は,塩基性物で
中和したり,不溶物として,または,イオン交換樹脂等
を用い除去したりして不活性化しておくのが望ましい。
もちろん,無溶媒法や芳香族溶媒法で製造した本願発明
の組成を有するポリエステル改質物のペレットを芳香族
化合物溶媒に溶解した溶液を調製し,微細粒子状粉末製
造に供することが出来る。
【0019】ここで本発明に用いる芳香族化合物の溶媒
および微細粒子状粉末の製造法について述べる。使用可
能な溶媒は,ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベ
ンゼン,クロロベンゼン,ジクロロベンゼン,クロロト
ルエン,等の芳香族炭化水素,ハロゲン化炭化水素であ
る。溶解性調整のために,ジメチルフォルムアミド,ジ
オキサン,ジメチルイミダゾリジノン,ヘキサン,ヘプ
タン,シクロヘキサン,等を少量使用することもできる
が,基本は,芳香族化合物である。
【0020】溶媒の種類により多少の変動はあるが,溶
媒量を目的物の3〜20重量倍に調整し,冷却して,目
的物を粉末状,顆粒状とする。この時目的とするポリエ
ステル改質物の粉末を添加し種とすることが出来る。粉
末の粒径は溶媒の量の影響が最も大きく溶媒を増やすと
小さくなる。また析出時のかくはんの影響もある。本発
明のポリエステル改質物は,芳香族化合物溶媒中より,
80〜40℃の間で析出し,これを濾過し,溶媒洗浄,
所望により水洗し,乾燥することにより微細かつ流動性
のよい粒子状の粉末状態で得られる。
【0021】本発明の熱可塑性脂肪族ポリエステル改質
物の微細粒子状粉末について述べる。上記により製造し
た微細粒子状粉末は,サラサラとして非常に流動性であ
り粒子径もそろっている。顕微鏡による観察では,粒径
が,10〜50ミクロンの球形〜米粒の様な形状をして
おり,1〜5個凝集したものも認められる。
【0022】このようにして,得られた脂肪族ポリエス
テル改質物は,熱可塑性であり溶液よりのキャステイン
グ,熱溶融押しだし法(インフレ−ション法)等によ
り,フィルム,繊維,等に加工できると共に,フィラ−
としての用途,カプセルや粒状の徐放性薬剤製造のため
の用途,生分解性の粉体塗料,フィルム製造,また高純
度品を得る等の目的に有用である。
【0023】
【実施例】以下実施例により詳しく説明する。 実施例1 100mlの4口フラスコに,コハク酸,10.4g,
アジピン酸,1.75g,1.4−ブタンジオ−ル,
9.42g,L−酒石酸,0.45g,メタンスルフォ
ン酸,0.05g,トルエン,45ml,を仕込み,1
00℃付近に加熱した。留出する水を除去しつつ7.5
時間反応させ,反応温度は111℃に達した。留出水
は,3.3mlであった。数平均分子量は12300と
なった。ここに1.6−ジイソシアナトヘキサン,0.
2mlを加え,100℃にて4時間反応させた後,数平
均分子量は38000,重量平均分子量は,22000
0となった。ここにピリジンを0.05ml加えた後,
トルエンを80ml追加し冷却した。70℃で種を加え
目的物を析出させた。これを濾過し,トルエンで洗浄
し,水洗,乾燥して18.2gの目的物の微細粒子状粉
末を得た。粒子1個の粒径は50ミクロンであり、m.
pは85℃であった。
【0024】実施例2 500mlの4口フラスコに,コハク酸,47,2g,
1.4−ブタンジオ−ル,37,45g,L−酒石酸,
1.24g,メタンスルフォン酸,0.35g,トルエ
ン,150ml,を仕込み100℃付近にて留出する水
を除きつつ反応させた。6時間後15.5mlの水が留
出し,沸点は110℃となった。この時,数平均分子量
は7000であった。ここに95℃において,1.6−
ジイソシアナトヘキサンを,1.0g,10mlのトル
エンに溶解して,5時間を要して滴下し反応させた。数
平均分子量は12000,重量平均分子量は19000
0となった。ここに重曹を0.4g添加し,トルエン2
00mlを滴下しつつ冷却し,70℃において種を加え
て沈澱を生成させた。40℃にて濾過し,トルエンで洗
浄し,水洗,乾燥して70.0gの目的物粉末を得た。
この粉末の1個の粒径は約30ミクロンであり,米粒状
の形態をしていた。そして,この粒子が1〜5個凝集し
ていた。流動性は良好でありサラサラしていた。
【0025】実施例3 50mlの4口フラスコに,コハク酸,11.8g,
1.4−ブタンジオ−ル,9.6g,L−酒石酸,0.
3g,塩化スズ.2水物,0.2g,を仕込み,窒素ガ
スを吹き込みつつ120℃にて3時間反応させ,留出す
る水を除去した。この後135℃にて約20mmHgの
減圧とし,2時間反応させた。この時の数平均分子量
は,8000であった。1.6−ジイソシアナトヘキサ
ンを,0.25ml加え90〜100℃にて2時間反応
した。数平均分子量は23000,重量平均分子量は1
22000であった。これを流し込みによりブロックと
した後,キシレン100mlに110℃にて溶解した。
65℃に冷却すると沈澱が析出しこれを40℃にて濾過
し乾燥した。目的物の微細粒子状粉末を20.1g得
た。粒子1個の粒径は40ミクロンであり、1〜5個凝
集していた。m.pは95℃であった。
【0026】実施例4 300lのガラスライニングの反応機で,実施例2と同
じく,熱可塑性脂肪族ポリエステル改質物の製造を実施
した。ただし,薬品の使用量はすべて,500倍とし
た。生成した目的物粉末は,米粒状の形態をした粒径約
30ミクロンの粒子が1〜5個凝集したものであった。
これを約10Kg使用し小型のインフレ−タ−において
フィルムの製造を実施した。ペレットを使用するのと変
わりなく,フィルムを製造することが出来た。このフィ
ルムの延伸方向の引っ張り強度は,10.5Kgf/m
m2(30ミクロンフィルム)であった。また,得られ
た粉末を土中に埋めたところ2カ月後に形態が認められ
なくなった。
【0027】
【発明の効果】粉砕法では製造の困難な熱可塑性脂肪族
ポリエステル改質物を,フィラ−,徐放性薬品製造,生
分解性粉体塗料,フィルム製造等に有用な,流動性の良
好な微細粒子状粉末として得られるようになった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族2塩基酸と脂肪族ジアルコ−ル化
    合物,及び所望により脂肪族オキシカルボン酸より構成
    される脂肪族ポリエステル共重合体にジイソシアネ−ト
    化合物を反応させて得られるポリスチレンを基準とした
    ゲルパ−ミエ−ション法による重量平均分子量が500
    00〜300000である熱可塑性脂肪族ポリエステル
    改質物微粒子状粉末を製造するに当たり,該ポリエステ
    ル改質物を芳香族化合物の溶媒中に溶解した溶液を,冷
    却し該ポリエステル改質物を沈澱・析出せしめ濾過分
    離,乾燥することを特徴とする熱可塑性脂肪族ポリエス
    テル改質物微細粒子状粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 脂肪族2塩基酸と脂肪族ジアルコ−ル化
    合物,および所望により脂肪族オキシカルボン酸より構
    成される脂肪族ポリエステル共重合体であって,酸の構
    成成分として,ヒドロキシル基を有する2塩基酸を0.
    05〜5重量%含有する脂肪族ポリエステル共重合体
    に,ジイソシアネ−ト化合物を反応させて得られる,ポ
    リスチレンを基準としたゲルパ−ミエション法による重
    量平均分子量が50000〜300000である熱可塑
    性脂肪族ポリエステル改質物を芳香族化合物の溶媒中に
    溶解した溶液を冷却し,該ポリエステル改質物を沈澱・
    析出せしめ濾過分離,乾燥することを特徴とする熱可塑
    性脂肪族ポリエステル改質物微細粒子状粉末の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2に記載の熱可塑性脂肪族
    ポリエステル改質物を脂肪族ポリエステル共重合体の合
    成を芳香族化合物の溶媒中プロトン性強酸触媒の存在
    下,水を共沸脱水により除去しつつ行い,引続きジイソ
    シアネ−ト化合物と反応させることによりポリエステル
    改質物を製造し,反応終了後,冷却により生成する該ポ
    リエステル改質物を濾過により採取し,乾燥することを
    特徴とする熱可塑性脂肪族ポリエスル改質物微細粒子状
    粉末の製造法。
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JP (1) JPH07118360A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005187528A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂、並びにその製造方法及びスラッシュ成形方法

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