JPH07118207A - ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法Info
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- JPH07118207A JPH07118207A JP5297197A JP29719793A JPH07118207A JP H07118207 A JPH07118207 A JP H07118207A JP 5297197 A JP5297197 A JP 5297197A JP 29719793 A JP29719793 A JP 29719793A JP H07118207 A JPH07118207 A JP H07118207A
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Abstract
アルキル基を示す)のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体。) 【効果】生理活性物質として有用なカルバサイクリンの
合成中間体としての新規物質、ビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン誘導体が提供される。本新規
化合物のうち光学活性化合物は、光学純度が高く、その
ためカルバサイクリン類の製造用中間体として高く評価
される。
Description
物の有用な製造中間体ビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体ならびにその製造方法に関する
ものである。カルバサイクリンとはプロスタサイクリン
(PGI)系誘導体の安定型の化合物であり、血小板凝
集抑制作用、血管拡張作用、血圧降下作用、胃酸分泌抑
制など種々の薬理作用を有するため、医薬品としての用
途が期待されている化合物である。
造法としては下記(1)および(2)の製法が知られて
いる。 (1) 光学活性コーリーラクトン(下記式〔A〕)の
化合物から(下記式〔B〕)の化合物を経由して製造す
る方法
り、R″は水素原子又はt−ブチルジメチルシリル基で
ある。)
(1983) Tetrahedron Lett.25,1067
(1984)
性中間体(下記式〔D〕)を経由して製造する方法
67(1978) Tetrahedron Lett. 43
3(1979) Chem.Pharm.Bull. 33 2688
(1985)
中間体(下記式〔E〕)を経由して製造する方法 などが知られている。
造するための工程数が多く、また操作も煩雑であり、更
に加えて煩雑な光学分割手段を必要とするという問題点
が存在した。
を解消する新たな方法につき探求した結果、容易に取得
可能な一般式(V)
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体を原料として酵素リパーゼを用いることにより高い光
学純度で本発明に係る化合物の一つである一般式(I
I)
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を簡単な操作
により合成できることを見出した。さらに式(II)で
表される化合物をアルカリ性条件下で加水分解し、次い
で酸性条件下で脱炭酸することにより一般式(IV)
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を工業的に有利に製造すること
に成功した。
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体および
それらの塩類をアルカリ性条件下で加水分解し、次いで
酸性条件下で脱炭酸することにより一般式(III)
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体のラセミ化合物
を得ることができることを見出し、さらに、この一般式
(III)のラセミ化合物をパン酵母を用いて、選択的
に一般式(IV)で表される(+)体を高い光学純度で
生成し得ることを見出した。
であり、下記の新規化合物ならびにそれらの新規な製造
方法を提供するものである。 1. 一般式(I)
は低級アルキル基を示す)で表されるビシクロ〔3.
3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体。
タン−3,7−ジオン誘導体が、一般式(II)
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体である前記1
に記載の誘導体。
キル基がメチル基である前記2に記載の誘導体。 4. 前記のビシクロ(3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン誘導体が、一般式(III)
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体である前記1に
記載の誘導体。
ルキル基がメチル基である前記4に記載の誘導体。 6. 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン誘導体が、一般式(IV)
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体である前記1に記載の誘導体。
キル基がメチル基である前記6に記載の誘導体。 8. 一般式(V)
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させることを特徴とする
一般式(II)
R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6−トリカルボキシレート誘導体を製造する方法。
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させて一般式(II)
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を得、さらに
アルカリ性条件下で加水分解し、さらに、酸性条件下で
脱炭酸することにより一般式(IV)
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を製造する方法。
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体又はその塩を、アルカリ性条件下で加水分解し、さら
に、酸性条件下に脱炭酸して一般式(III)
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
6−ジカルボキシレート誘導体を製造する方法。
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体をパン酵母を用
いて、選択的に一般式(IV)
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を生成させることを特徴とする
前記式(IV)のジカルボキシレート誘導体を製造する
方法。
サイクリンを下記反応式で示される工程によって製造す
る際の中間体として極めて有用な化合物である。
又はテトラヒドロピラニル基であり、R″は水素原子又
はt−ブチルジメチルシリル基である。)
I)、(III)あるいは(IV)の各化合物を製造す
ることができるが、それらの製造ルートを工程図で示
す。
以下に詳細に説明する。上記一般式(V)(R2は低級
アルキル基である)で表されるテトラアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6,8−テトラカルボキシレートは公知物質であるが、
例えば下記の反応式により示されているように水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液に3−ケトグルタル酸のエス
テルとグリオキサールを順次添加し反応させることによ
って一般式(VI)′で表されるナトリウム塩を得、次
いで塩酸で中和することによって式(V)の化合物を結
晶として単離することができる。
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体はそのエノ
ール体に互変異性化するので周囲条件により互変異性体
(下記式VII参照)となるか、あるいは式(V)の化
合物と式(VII)の化合物との混合物として存在す
る。
4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,6
−トリカルボキシレート誘導体は一般式(V)で表され
るテトラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3,7−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレ
ート誘導体をリパーゼを用いて加水分解し、次いで酸性
条件下に脱炭酸することによって容易に得ることができ
る。リパーゼとしては入手容易な工業用市販リパーゼ、
例えばブタ膵臓リパーゼ(PPL)、アスペルギルス由
来のリパーゼ例えばアスペルギルス・ニガー由来のリパ
ーゼなどが用いられる。ブタ膵臓リパーゼ(PPL)は
好ましく用いられる。この反応に使用される溶媒として
は各種の有機溶媒を任意に選択することができるが、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が好ま
しい。この反応は中性付近で行なうのが好ましく、たと
えば0.1Mリン酸緩衝液などを用いpHを制御するこ
とが好ましい。反応温度は10〜50℃、好ましくは2
5〜28℃が望ましい。反応時間は反応温度によって異
なるが4個のエステルのうち一個のエステルのみが選択
的に加水分解し得る範囲の時間が望ましく、その時間は
反応の経時変化を追跡し、決定することができる。通常
は、1〜20日である。反応液は希塩酸、希硫酸などの
酸性化合物で酸性化したのち撹拌する。セライト濾過な
どの手段により酵素を濾過除去した後ベンゼンあるいは
酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出する。抽出液を濃縮し
た後、残留物をシリカゲルを充填したカラムクロマトグ
ラフィーを用いて分離精製し式(II)で表される化合
物を得ることができる。
て高く通常98%ee以上で得られる。また式(II)
の化合物はエノール化により容易に互変異性体に変換す
るので、本明細書中では、一般式(II)としてはエノ
ール互変異性体および(または)互変異性体との混合物
をも表すものとして記載されている。式(V)で表され
る化合物はσ(シグマ)対称構造であるため理論上10
0%の収率で式(II)で表される化合物を得ることが
でき、理論収率50%の光学分割法等によって得られる
場合に比べて格別に有利な式(II)の化合物の製造法
が提供される。
体、及びPPLによる加水分解により得られた光学活性
体を(S)−(−)−MTPA(α−メトキシ−α−ト
リフルオロメチルフェニル酢酸)と縮合し、得られたジ
アステレオマーを高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)による分析法により決定することができる。
R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6−トリカルボキシレート誘導体はアルカリ条件下に加
水分解される。反応溶媒としてテトラヒドロフラン−水
またはメタノールなどの水溶性溶媒を使用することがで
きる。使用されるアルカリ物質としては水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ
水酸化リチウムが最も好ましい。その使用量は式(I
I)で表される化合物に対して2.0〜2.5倍モル量
である。
〜28℃の範囲で行なわれる。上記の加水分解後、希塩
酸、希硫酸などの酸性物質を用いてpHを3〜5、好ま
しくは4に調整することにより脱炭酸を行なう。こうし
て得られた粗生成物はシリカゲルを充填したカラムクロ
マトグラフィーで分離精製し、光学純度の高い一式(I
V)で表される(1S,2R,5S,6R)−(+)−
ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体が得られ
る。また、式(IV)で表される化合物はエノール化に
より容易に互変異性体に変換する。本明細書中では、一
般式(IV)によりエノール型互変異性体および(また
は)互変異性体との混合物をも表すものとして記載され
ている。
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体はアルカリ
性条件下で加水分解する。使用されるアルカリ物質とし
ては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどが挙げられ水酸化リチウムが最も好ましい。その
使用量は好ましくは式(V)で表される化合物に対して
4.0〜4.5倍モルである。反応温度は10〜80
℃、好ましくは室温25〜28℃である。
質でpHを3〜5、好ましくは4に調整し脱炭酸を行な
う。得られた粗生成物は、シリカゲルを充填したカラム
クロマトグラフィーを用いて分離精製され、一般式(I
II)で表されるラセミ化合物、ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を得ることができる。また、式
(III)で表される化合物はエノール化により容易に
互変異性体に変換する。本明細書中では、一般式(II
I)は、エノール互変異性体および互変異性体の混合物
をも表すものとする。
塩として単離できる。たとえば、ジナトリウム塩(式V
I参照)が容易に得られ、式(VI)を原料として使用
し式(III)で表される化合物を合成することができ
る。この場合、アルカリ物質の使用量は式(VI)の
2.0〜2.5倍であることが好ましい。
物、ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,
7−ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体はパン
酵母を使用することにより式(IV)の(+)化合物を
選択的に生成させることができる。この酵母としては入
手容易なドライイーストを使用することができる。この
場合例えば0.1モルリン酸緩衝液にパン酵母、砂糖を
加え発酵させ、その中に0.2%トリトンX−100に
溶かしたラセミ体(III)を加え、室温25〜28%
で撹拌する。粗生成物はシリカゲルを充填したカラムク
ロマトグラフィーで分離精製すると光学純度の高い一般
式(IV)で表される(1S,2R,5S,6R)−
(+)−ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3,7−ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体を
得ることができる。
4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシクロ
(3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,6
−トリカルボキシレート誘導体および一般式(IV)で
表される(1S,2R,5S,6R)−(+)−ジアル
キルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン
−2,6−ジカルボキシレート誘導体の絶対配置はそれ
ぞれ既知化合物(IV)′から誘導された下記式(Z)
の化合物(*下記文献参照)との一致を確認することに
より決定される。
質(V)を出発物質として最終的には一般式(IV)
(1S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシ
クロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6
−ジカルボキシレート誘導体を収得することができる。
る。 実施例1 (1S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリメチ
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレートの合成 テトラメチルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート2
00mg、PPL(シグマ社製、タイプII)2gをト
ルエン:0.1モルリン酸緩衝液(pH=7.2)=
1:1の20ml溶液に加えて、室温で13日撹拌し
た。その反応溶液に2N−HCl 5mlを加え撹拌
後、セライト濾過し、その濾液をベンゼンにて抽出す
る。ベンゼン層を乾燥し、溶媒を留去してシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)で精製する。標記化合物、59.3mg(35%)
が得らた。
HCl3)1 H−NMR(90MHz,CDCl3)δ2.60−
2.86(2H,m),3.43−3.74(3H,
m),3.78(6H,s),3.80(3H,s),
10.41(2H,br.s) IR(CHCl3)3634−3076,1741,1
672,1634cm−1 MSm/e312(M+) 元素分析C14H16O8 計算値C 53.84 H
5.16 分析値C 53.91 H 5.09 なお、出発物質のテトラメチルビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン−2,4,6,8−テトラカ
ルボキシレートはTetrahedron 38 63
(1982)に記載の方法に準拠して製造された。
ルオロメチルフェニル酢酸)と縮合し得られたジアステ
レオマーを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で
分析した。HPLC条件は次の通りである。 HPLCカラム:Lichrosorb SI−60
4φ×250mm 移動相:ヘキサン:酢酸エチル=5:1 流 速:1.0ml/min 温 度:40℃ 検 出:UV 254nm 保持時間 15.0分 (99.13%) 16.2分 (0.87%) 以上の結果、光学純度は98.3% e.e.であっ
た。
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−
ジカルボキシレートの合成 (1S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリメチ
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート31mgをテトラヒ
ドロフラン0.25ml−水0.2mlに溶解した溶液
に10%水酸化リチウム水溶液0.05mlを加え、室
温にて20時間撹拌した。反応液を希塩酸にてpH4に
し、室温にて4時間撹拌した後、エーテルで抽出する。
エーテル層を乾燥し、溶媒を留去し、粗生成物を得た。
これを、PTLC(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)に
て分離し、標記化合物、20mg(80%)が得られ
た。
7,CHCl3)1 H−NMR(90MHz,CDCl3)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s) IR(CHCl3)3710−3152,1734,1
665,1626cm−1 MSm/e254(M+) 元素分析C12H14O6 計算値 C,56.69
H 5.55 分析値 C,56.62 H,5.63
7−ジオン−2,6−ジカルボキシレートの合成 テトラメチルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレートジ
ナトリウム塩11.11gおよび水酸化リチウム1.2
88gを50mlの水に加え、室温にて39時間撹拌し
た後、反応液を希塩酸にてpH4にし、室温にて17時
間撹拌した。その後、エーテルにて抽出し、エーテル層
を乾燥し、溶媒を留去し、粗生成物を得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2)で精製した。標記化合物、4.990g
(73.2%)が得られた。1 H−NMR(90MHz,CDCl3)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s)
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−
ジカルボキシレートの合成 0.1モノリン酸緩衝液(pH=7.2)200mlに
パン酵母(オリエンタル酵母工業社製、ドライイース
ト)14g、砂糖30g加え、30℃で30分間、発酵
させた。0.2%トリトンX−100(和光純薬)30
mlに溶かしたdl−ジメチルビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジカルボキシレー
ト1.00gを上記の発酵物に加え、室温で2日間撹拌
した。生成物を、凍結乾燥により水を除去した後、酢酸
エチルで抽出し、抽出物を乾燥し、溶媒を留去した後、
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に付し精製した。
標記化合物、218mg(21.8%)が得られた。
e.e1 H−NMR(90MHz,CDCl3)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s)
Claims (11)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又は−CO2R2を示し、R2
は低級アルキル基を示す)で表されるビシクロ〔3.
3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体。 - 【請求項2】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体が、一般式(II) 【化2】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ(3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体である請求項
1に記載の誘導体。 - 【請求項3】 前記式(II)中のR2の低級アルキル
基がメチル基である請求項2に記載の誘導体。 - 【請求項4】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体が、一般式(III) 【化3】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表されるジア
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体である請求項1
に記載の誘導体。 - 【請求項5】 前記式(III)中のR2の低級アルキ
ル基がメチル基である請求項4に記載の誘導体。 - 【請求項6】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体が、一般式(IV) 【化4】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体である請求項1に記載の誘導
体。 - 【請求項7】 前記式(IV)中のR2の低級アルキル
基がメチル基である請求項6に記載の誘導体。 - 【請求項8】 一般式(V) 【化5】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させることを特徴とする
一般式(II) 【化6】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)の(1S,2
R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6−トリカルボキシレート誘導体を製造する方法。 - 【請求項9】 一般式(V) 【化7】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させて一般式(II) 【化8】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を得、さらに
アルカリ性条件下で加水分解し、さらに、酸性条件下で
脱炭酸することにより一般式(IV) 【化9】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を製造する方法。 - 【請求項10】 一般式(V) 【化10】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体又はその塩を、アルカリ性条件下で加水分解し、さら
に、酸性条件下に脱炭酸して一般式(III) 【化11】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)のジアルキルビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
6−ジカルボキシレート誘導体を製造する方法。 - 【請求項11】 一般式(III) 【化12】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表されるジア
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体をパン酵母を用
いて、選択的に一般式(IV) 【化13】 (式中、R2は低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を生成させることを特徴とする
前記式(IV)のジカルボキシレート誘導体を製造する
方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5297197A JPH07118207A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5297197A JPH07118207A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07118207A true JPH07118207A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17843440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5297197A Pending JPH07118207A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07118207A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103160289A (zh) * | 2009-12-30 | 2013-06-19 | 福州华映视讯有限公司 | 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物 |
CN103160286B (zh) * | 2009-12-30 | 2014-09-17 | 福州华映视讯有限公司 | 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物 |
-
1993
- 1993-10-22 JP JP5297197A patent/JPH07118207A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103160289A (zh) * | 2009-12-30 | 2013-06-19 | 福州华映视讯有限公司 | 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物 |
CN103160286B (zh) * | 2009-12-30 | 2014-09-17 | 福州华映视讯有限公司 | 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物 |
CN103160289B (zh) * | 2009-12-30 | 2014-09-17 | 福州华映视讯有限公司 | 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物 |
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