JPH07118207A - ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体およびその製造方法

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JPH07118207A
JPH07118207A JP5297197A JP29719793A JPH07118207A JP H07118207 A JPH07118207 A JP H07118207A JP 5297197 A JP5297197 A JP 5297197A JP 29719793 A JP29719793 A JP 29719793A JP H07118207 A JPH07118207 A JP H07118207A
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JP
Japan
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octane
dione
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lower alkyl
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JP5297197A
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English (en)
Inventor
Manabu Noide
學 野出
Takehisa Inoue
武久 井上
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式I (Rは水素原子又は−COを示し、Rは低級
アルキル基を示す)のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体。) 【効果】生理活性物質として有用なカルバサイクリンの
合成中間体としての新規物質、ビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン誘導体が提供される。本新規
化合物のうち光学活性化合物は、光学純度が高く、その
ためカルバサイクリン類の製造用中間体として高く評価
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルバサイクリン系化合
物の有用な製造中間体ビシクロ〔3.3.0〕オクタン
−3,7−ジオン誘導体ならびにその製造方法に関する
ものである。カルバサイクリンとはプロスタサイクリン
(PGI)系誘導体の安定型の化合物であり、血小板凝
集抑制作用、血管拡張作用、血圧降下作用、胃酸分泌抑
制など種々の薬理作用を有するため、医薬品としての用
途が期待されている化合物である。
【0002】
【発明の背景】従来、光学活性カルバサイクリン類の製
造法としては下記(1)および(2)の製法が知られて
いる。 (1) 光学活性コーリーラクトン(下記式〔A〕)の
化合物から(下記式〔B〕)の化合物を経由して製造す
る方法
【化14】 (式中、R′は水素原子、テトラヒドロピラニル基であ
り、R″は水素原子又はt−ブチルジメチルシリル基で
ある。)
【0003】〔参考文献〕 特許公報 平4−76983 Tetrahedron Lett.24,3527
(1983) Tetrahedron Lett.25,1067
(1984)
【0004】(2) 下記式〔C〕の化合物から光学活
性中間体(下記式〔D〕)を経由して製造する方法
【化15】
【0005】〔参考文献〕 J.Chem,Soc.Chem.Commun.10
67(1978) Tetrahedron Lett. 43
3(1979) Chem.Pharm.Bull. 33 2688
(1985)
【0006】(3) シクロペンタジエンから光学活性
中間体(下記式〔E〕)を経由して製造する方法 などが知られている。
【化16】 〔参考文献〕 J.Org.Chem.44 2880 (1979)
【0007】上述の従来方法においては光学活性体を製
造するための工程数が多く、また操作も煩雑であり、更
に加えて煩雑な光学分割手段を必要とするという問題点
が存在した。
【0008】
【発明の開示】本発明者らは、従来技術における不利点
を解消する新たな方法につき探求した結果、容易に取得
可能な一般式(V)
【化17】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体を原料として酵素リパーゼを用いることにより高い光
学純度で本発明に係る化合物の一つである一般式(I
I)
【化18】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を簡単な操作
により合成できることを見出した。さらに式(II)で
表される化合物をアルカリ性条件下で加水分解し、次い
で酸性条件下で脱炭酸することにより一般式(IV)
【化19】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を工業的に有利に製造すること
に成功した。
【0009】また一般式(V)で表されるテトラアルキ
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体および
それらの塩類をアルカリ性条件下で加水分解し、次いで
酸性条件下で脱炭酸することにより一般式(III)
【化20】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるジア
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体のラセミ化合物
を得ることができることを見出し、さらに、この一般式
(III)のラセミ化合物をパン酵母を用いて、選択的
に一般式(IV)で表される(+)体を高い光学純度で
生成し得ることを見出した。
【0010】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であり、下記の新規化合物ならびにそれらの新規な製造
方法を提供するものである。 1. 一般式(I)
【化21】 (式中、Rは水素原子又は−COを示し、R
は低級アルキル基を示す)で表されるビシクロ〔3.
3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体。
【0011】2. 前記のビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3,7−ジオン誘導体が、一般式(II)
【化22】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体である前記1
に記載の誘導体。
【0012】3. 前記式(II)中のRの低級アル
キル基がメチル基である前記2に記載の誘導体。 4. 前記のビシクロ(3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン誘導体が、一般式(III)
【化23】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるジア
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体である前記1に
記載の誘導体。
【0013】5. 前記式(III)中のRの低級ア
ルキル基がメチル基である前記4に記載の誘導体。 6. 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン誘導体が、一般式(IV)
【化24】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体である前記1に記載の誘導体。
【0014】7. 前記式(IV)中のRの低級アル
キル基がメチル基である前記6に記載の誘導体。 8. 一般式(V)
【化25】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させることを特徴とする
一般式(II)
【化26】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)の(1S,2
R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6−トリカルボキシレート誘導体を製造する方法。
【0015】9. 一般式(V)
【化27】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体をリパーゼを用いて加水分解させて一般式(II)
【化28】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を得、さらに
アルカリ性条件下で加水分解し、さらに、酸性条件下で
脱炭酸することにより一般式(IV)
【化29】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を製造する方法。
【0016】10. 一般式(V)
【化30】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
体又はその塩を、アルカリ性条件下で加水分解し、さら
に、酸性条件下に脱炭酸して一般式(III)
【化31】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)のジアルキルビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
6−ジカルボキシレート誘導体を製造する方法。
【0017】11. 一般式(III)
【化32】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるジア
ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体をパン酵母を用
いて、選択的に一般式(IV)
【化33】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を生成させることを特徴とする
前記式(IV)のジカルボキシレート誘導体を製造する
方法。
【0018】本発明に係る新規化合物は(+)−カルバ
サイクリンを下記反応式で示される工程によって製造す
る際の中間体として極めて有用な化合物である。
【化34】 (式中、Rは低級アルキル基を示し、R′は水素原子
又はテトラヒドロピラニル基であり、R″は水素原子又
はt−ブチルジメチルシリル基である。)
【0019】式(V)で表される化合物から式(I
I)、(III)あるいは(IV)の各化合物を製造す
ることができるが、それらの製造ルートを工程図で示
す。
【化35】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)
【0020】上記工程図における各化合物の製造につき
以下に詳細に説明する。上記一般式(V)(Rは低級
アルキル基である)で表されるテトラアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6,8−テトラカルボキシレートは公知物質であるが、
例えば下記の反応式により示されているように水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液に3−ケトグルタル酸のエス
テルとグリオキサールを順次添加し反応させることによ
って一般式(VI)′で表されるナトリウム塩を得、次
いで塩酸で中和することによって式(V)の化合物を結
晶として単離することができる。
【0021】一般式(V)で表されるテトラアルキルビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体はそのエノ
ール体に互変異性化するので周囲条件により互変異性体
(下記式VII参照)となるか、あるいは式(V)の化
合物と式(VII)の化合物との混合物として存在す
る。
【0022】(参考文献〕 Tetrahedron 38,63(1982)
【化36】
【0023】一般式(II)で表される(1S,2R,
4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,6
−トリカルボキシレート誘導体は一般式(V)で表され
るテトラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3,7−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレ
ート誘導体をリパーゼを用いて加水分解し、次いで酸性
条件下に脱炭酸することによって容易に得ることができ
る。リパーゼとしては入手容易な工業用市販リパーゼ、
例えばブタ膵臓リパーゼ(PPL)、アスペルギルス由
来のリパーゼ例えばアスペルギルス・ニガー由来のリパ
ーゼなどが用いられる。ブタ膵臓リパーゼ(PPL)は
好ましく用いられる。この反応に使用される溶媒として
は各種の有機溶媒を任意に選択することができるが、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が好ま
しい。この反応は中性付近で行なうのが好ましく、たと
えば0.1Mリン酸緩衝液などを用いpHを制御するこ
とが好ましい。反応温度は10〜50℃、好ましくは2
5〜28℃が望ましい。反応時間は反応温度によって異
なるが4個のエステルのうち一個のエステルのみが選択
的に加水分解し得る範囲の時間が望ましく、その時間は
反応の経時変化を追跡し、決定することができる。通常
は、1〜20日である。反応液は希塩酸、希硫酸などの
酸性化合物で酸性化したのち撹拌する。セライト濾過な
どの手段により酵素を濾過除去した後ベンゼンあるいは
酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出する。抽出液を濃縮し
た後、残留物をシリカゲルを充填したカラムクロマトグ
ラフィーを用いて分離精製し式(II)で表される化合
物を得ることができる。
【0024】この式(II)の化合物の光学純度は極め
て高く通常98%ee以上で得られる。また式(II)
の化合物はエノール化により容易に互変異性体に変換す
るので、本明細書中では、一般式(II)としてはエノ
ール互変異性体および(または)互変異性体との混合物
をも表すものとして記載されている。式(V)で表され
る化合物はσ(シグマ)対称構造であるため理論上10
0%の収率で式(II)で表される化合物を得ることが
でき、理論収率50%の光学分割法等によって得られる
場合に比べて格別に有利な式(II)の化合物の製造法
が提供される。
【0025】式(II)の化合物の光学純度は、ラセミ
体、及びPPLによる加水分解により得られた光学活性
体を(S)−(−)−MTPA(α−メトキシ−α−ト
リフルオロメチルフェニル酢酸)と縮合し、得られたジ
アステレオマーを高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)による分析法により決定することができる。
【0026】上記一般式(II)で表される(1S,2
R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
6−トリカルボキシレート誘導体はアルカリ条件下に加
水分解される。反応溶媒としてテトラヒドロフラン−水
またはメタノールなどの水溶性溶媒を使用することがで
きる。使用されるアルカリ物質としては水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ
水酸化リチウムが最も好ましい。その使用量は式(I
I)で表される化合物に対して2.0〜2.5倍モル量
である。
【0027】反応温度は10〜80℃、好ましくは20
〜28℃の範囲で行なわれる。上記の加水分解後、希塩
酸、希硫酸などの酸性物質を用いてpHを3〜5、好ま
しくは4に調整することにより脱炭酸を行なう。こうし
て得られた粗生成物はシリカゲルを充填したカラムクロ
マトグラフィーで分離精製し、光学純度の高い一式(I
V)で表される(1S,2R,5S,6R)−(+)−
ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体が得られ
る。また、式(IV)で表される化合物はエノール化に
より容易に互変異性体に変換する。本明細書中では、一
般式(IV)によりエノール型互変異性体および(また
は)互変異性体との混合物をも表すものとして記載され
ている。
【0028】一般式(V)で表されるテトラアルキルビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
4,6,8−テトラカルボキシレート誘導体はアルカリ
性条件下で加水分解する。使用されるアルカリ物質とし
ては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどが挙げられ水酸化リチウムが最も好ましい。その
使用量は好ましくは式(V)で表される化合物に対して
4.0〜4.5倍モルである。反応温度は10〜80
℃、好ましくは室温25〜28℃である。
【0029】加水分解後、希塩酸、希硫酸などの酸性物
質でpHを3〜5、好ましくは4に調整し脱炭酸を行な
う。得られた粗生成物は、シリカゲルを充填したカラム
クロマトグラフィーを用いて分離精製され、一般式(I
II)で表されるラセミ化合物、ジアルキルビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
カルボキシレート誘導体を得ることができる。また、式
(III)で表される化合物はエノール化により容易に
互変異性体に変換する。本明細書中では、一般式(II
I)は、エノール互変異性体および互変異性体の混合物
をも表すものとする。
【0030】式(V)で表されるエノール互変異性体は
塩として単離できる。たとえば、ジナトリウム塩(式V
I参照)が容易に得られ、式(VI)を原料として使用
し式(III)で表される化合物を合成することができ
る。この場合、アルカリ物質の使用量は式(VI)の
2.0〜2.5倍であることが好ましい。
【0031】一般式(III)で表されるラセミ化合
物、ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,
7−ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体はパン
酵母を使用することにより式(IV)の(+)化合物を
選択的に生成させることができる。この酵母としては入
手容易なドライイーストを使用することができる。この
場合例えば0.1モルリン酸緩衝液にパン酵母、砂糖を
加え発酵させ、その中に0.2%トリトンX−100に
溶かしたラセミ体(III)を加え、室温25〜28%
で撹拌する。粗生成物はシリカゲルを充填したカラムク
ロマトグラフィーで分離精製すると光学純度の高い一般
式(IV)で表される(1S,2R,5S,6R)−
(+)−ジアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3,7−ジオン−2,6−ジカルボキシレート誘導体を
得ることができる。
【0032】一般式(II)で表される(1S,2R,
4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシクロ
(3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,6
−トリカルボキシレート誘導体および一般式(IV)で
表される(1S,2R,5S,6R)−(+)−ジアル
キルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン
−2,6−ジカルボキシレート誘導体の絶対配置はそれ
ぞれ既知化合物(IV)′から誘導された下記式(Z)
の化合物(*下記文献参照)との一致を確認することに
より決定される。
【0033】
【化37】
【0034】以上述べたように容易に取得し得る原料物
質(V)を出発物質として最終的には一般式(IV)
(1S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシ
クロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6
−ジカルボキシレート誘導体を収得することができる。
【0035】
【実施例】本発明を実施例により、さらに詳細に説明す
る。 実施例1 (1S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリメチ
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレートの合成 テトラメチルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート2
00mg、PPL(シグマ社製、タイプII)2gをト
ルエン:0.1モルリン酸緩衝液(pH=7.2)=
1:1の20ml溶液に加えて、室温で13日撹拌し
た。その反応溶液に2N−HCl 5mlを加え撹拌
後、セライト濾過し、その濾液をベンゼンにて抽出す
る。ベンゼン層を乾燥し、溶媒を留去してシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)で精製する。標記化合物、59.3mg(35%)
が得らた。
【0036】(α〕=+88.5°(C=2.8,C
HCl H−NMR(90MHz,CDCl)δ2.60−
2.86(2H,m),3.43−3.74(3H,
m),3.78(6H,s),3.80(3H,s),
10.41(2H,br.s) IR(CHCl)3634−3076,1741,1
672,1634cm−1 MSm/e312(M) 元素分析C1416 計算値C 53.84 H
5.16 分析値C 53.91 H 5.09 なお、出発物質のテトラメチルビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン−2,4,6,8−テトラカ
ルボキシレートはTetrahedron 38 63
(1982)に記載の方法に準拠して製造された。
【0037】光学純度の決定 (S)−(−)−MTPA(α−メトキシ−α−トリフ
ルオロメチルフェニル酢酸)と縮合し得られたジアステ
レオマーを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で
分析した。HPLC条件は次の通りである。 HPLCカラム:Lichrosorb SI−60
4φ×250mm 移動相:ヘキサン:酢酸エチル=5:1 流 速:1.0ml/min 温 度:40℃ 検 出:UV 254nm 保持時間 15.0分 (99.13%) 16.2分 (0.87%) 以上の結果、光学純度は98.3% e.e.であっ
た。
【0038】実施例2 (1S,2R,5S,6R)−(+)−ジメチルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−
ジカルボキシレートの合成 (1S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリメチ
ルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
2,4,6−トリカルボキシレート31mgをテトラヒ
ドロフラン0.25ml−水0.2mlに溶解した溶液
に10%水酸化リチウム水溶液0.05mlを加え、室
温にて20時間撹拌した。反応液を希塩酸にてpH4に
し、室温にて4時間撹拌した後、エーテルで抽出する。
エーテル層を乾燥し、溶媒を留去し、粗生成物を得た。
これを、PTLC(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)に
て分離し、標記化合物、20mg(80%)が得られ
た。
【0039】(α)=+143.6°(C=0.4
7,CHCl H−NMR(90MHz,CDCl)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s) IR(CHCl)3710−3152,1734,1
665,1626cm−1 MSm/e254(M) 元素分析C1214 計算値 C,56.69
H 5.55 分析値 C,56.62 H,5.63
【0040】実施例3 dl−ジメチルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,
7−ジオン−2,6−ジカルボキシレートの合成 テトラメチルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレートジ
ナトリウム塩11.11gおよび水酸化リチウム1.2
88gを50mlの水に加え、室温にて39時間撹拌し
た後、反応液を希塩酸にてpH4にし、室温にて17時
間撹拌した。その後、エーテルにて抽出し、エーテル層
を乾燥し、溶媒を留去し、粗生成物を得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2)で精製した。標記化合物、4.990g
(73.2%)が得られた。 H−NMR(90MHz,CDCl)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s)
【0041】実施例4 (1S,2R,5S,6R)−(+)−ジメチルビシク
ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−
ジカルボキシレートの合成 0.1モノリン酸緩衝液(pH=7.2)200mlに
パン酵母(オリエンタル酵母工業社製、ドライイース
ト)14g、砂糖30g加え、30℃で30分間、発酵
させた。0.2%トリトンX−100(和光純薬)30
mlに溶かしたdl−ジメチルビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジカルボキシレー
ト1.00gを上記の発酵物に加え、室温で2日間撹拌
した。生成物を、凍結乾燥により水を除去した後、酢酸
エチルで抽出し、抽出物を乾燥し、溶媒を留去した後、
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に付し精製した。
標記化合物、218mg(21.8%)が得られた。
【0042】(α)=+156°(CHCl) 光学純度は実施例1と同様にして決定した。99.0%
e.e H−NMR(90MHz,CDCl)δ2.50−
3.72(6H,m),3.78(6H,s),10.
45(2H,br.s)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は−COを示し、R
    は低級アルキル基を示す)で表されるビシクロ〔3.
    3.0〕オクタン−3,7−ジオン誘導体。
  2. 【請求項2】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
    −3,7−ジオン誘導体が、一般式(II) 【化2】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
    S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
    ビシクロ(3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
    2,4,6−トリカルボキシレート誘導体である請求項
    1に記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 前記式(II)中のRの低級アルキル
    基がメチル基である請求項2に記載の誘導体。
  4. 【請求項4】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
    −3,7−ジオン誘導体が、一般式(III) 【化3】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるジア
    ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
    ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体である請求項1
    に記載の誘導体。
  5. 【請求項5】 前記式(III)中のRの低級アルキ
    ル基がメチル基である請求項4に記載の誘導体。
  6. 【請求項6】 前記のビシクロ〔3.3.0〕オクタン
    −3,7−ジオン誘導体が、一般式(IV) 【化4】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
    S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
    〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
    カルボキシレート誘導体である請求項1に記載の誘導
    体。
  7. 【請求項7】 前記式(IV)中のRの低級アルキル
    基がメチル基である請求項6に記載の誘導体。
  8. 【請求項8】 一般式(V) 【化5】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
    ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
    ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
    体をリパーゼを用いて加水分解させることを特徴とする
    一般式(II) 【化6】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)の(1S,2
    R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキルビシク
    ロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,4,
    6−トリカルボキシレート誘導体を製造する方法。
  9. 【請求項9】 一般式(V) 【化7】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
    ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
    ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
    体をリパーゼを用いて加水分解させて一般式(II) 【化8】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
    S,2R,4S,5S,6R)−(+)−トリアルキル
    ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−
    2,4,6−トリカルボキシレート誘導体を得、さらに
    アルカリ性条件下で加水分解し、さらに、酸性条件下で
    脱炭酸することにより一般式(IV) 【化9】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
    S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
    〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
    カルボキシレート誘導体を製造する方法。
  10. 【請求項10】 一般式(V) 【化10】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるテト
    ラアルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−
    ジオン−2,4,6,8−テトラカルボキシレート誘導
    体又はその塩を、アルカリ性条件下で加水分解し、さら
    に、酸性条件下に脱炭酸して一般式(III) 【化11】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)のジアルキルビ
    シクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,
    6−ジカルボキシレート誘導体を製造する方法。
  11. 【請求項11】 一般式(III) 【化12】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表されるジア
    ルキルビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオ
    ン−2,6−ジカルボキシレート誘導体をパン酵母を用
    いて、選択的に一般式(IV) 【化13】 (式中、Rは低級アルキル基を示す)で表される(1
    S,2R,5S,6R)−(+)−ジアルキルビシクロ
    〔3.3.0〕オクタン−3,7−ジオン−2,6−ジ
    カルボキシレート誘導体を生成させることを特徴とする
    前記式(IV)のジカルボキシレート誘導体を製造する
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103160289A (zh) * 2009-12-30 2013-06-19 福州华映视讯有限公司 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物
CN103160286B (zh) * 2009-12-30 2014-09-17 福州华映视讯有限公司 用于光学补偿弯曲模式液晶显示器的液晶组成物

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