JPH07117179B2 - 耐摩耗ホース - Google Patents
耐摩耗ホースInfo
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- JPH07117179B2 JPH07117179B2 JP3219943A JP21994391A JPH07117179B2 JP H07117179 B2 JPH07117179 B2 JP H07117179B2 JP 3219943 A JP3219943 A JP 3219943A JP 21994391 A JP21994391 A JP 21994391A JP H07117179 B2 JPH07117179 B2 JP H07117179B2
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Description
る。さらに詳しくは、剛性が高く、耐摩耗性と曲げ性能
(特に耐キンク性)に優れ、寿命の長い耐摩耗ホースに
関する。
を代表例とする耐摩耗ホースにおいて、その耐摩耗性を
向上させるために、従来は、その内管の耐摩耗性を向上
させる、その内管の厚さを増加させる、等の手段が講じ
られていた。しかし、そのような対策を講じた耐摩耗ホ
ースも、曲げられて使用されると、内部を流通するモル
タル、セメント、砕石等の固体が局部的に衝突して摩耗
が生じ、他の部分は殆ど無傷であるのに使用不能となる
ことがあった。そこで、その対策として、ホースの一部
分で曲げを吸収せず、できるだけホース全長で曲げを吸
収するよう、ホースの剛性を高める方法(補強層の材質
の変更、施工角度の変更等)が検討されたが、ホースの
剛性を高めることにより、ホースの他の要求性能である
曲げ性能(特に耐キンク性)が低下し、曲げ半径が小さ
いような使用条件においては、使用が困難となった。
性に優れ、高い剛性と曲げ性能(耐キンク性)とを備え
た寿命の長い耐摩耗ホースは知られていない。本発明
は、上記の従来技術に鑑みてなされたものであり、耐摩
耗性に優れ、高い剛性と曲げ性能(耐キンク性)とを備
えた寿命の長い耐摩耗ホースの提供を目的とする。
摩耗ホースに改善を加えるためにさらに検討した結果、
ゴムホースの最内層に超高分子量ポリエチレン層を所定
の状態で設けることにより、耐摩耗性に優れ、また、曲
げ性能(特に耐キンク性)および剛性が両立されたホー
スが得られることを見出し、本発明を完成したものであ
る。
管、中間補強層およびゴム外管と、最内層に設けられた
重量平均分子量が50万以上の超高分子量ポリエチレン
層とを有し、該超高分子量ポリエチレン層は、前記ゴム
内管と一体的に設けられていることを特徴とする耐摩耗
ホースを提供するものである。
の耐摩耗ホースの最内層に用いる超高分子量ポリエチレ
ンは、粘度法による重量平均分子量(Mw)が50万以
上であるものであり、Mwが100万以上のものが好ま
しくは、200万ないし300万の範囲のものがさらに
好ましい。粘度法による重量平均分子量(Mw)が50
万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることにより、
汎用の高密度ポリエチレンにはみられない耐摩耗性、低
摩擦係数が発現されるだけでなく、後記するゴム内管と
の一体的接着性も優れるものとなる。さらに、超高分子
量ポリエチレンを最内層に用いるため、ホースの剛性を
高めることも出来、それにより、局部的なホースの摩耗
も低減される。
最内層の形成に超高分子量ポリエチレンのシート状成形
品を用いるが、現在、そのような超高分子量ポリエチレ
ンのシート状成形品として、超高分子量ポリエチレンの
ロッドから切削法で得られるいわゆるスカイブドフィル
ムと、超高分子量ポリエチレン粉末を特定の溶剤で膨潤
させ、これを押出機によって薄いシート状に押し出し、
必要に応じてカレンダー処理した後に脱気して得られる
ポーラスなフィルムが知られている。本発明では、いず
れの超高分子量ポリエチレンフィルムも用いることが出
来るが、成形加工性が良好で且つ成形後により平滑な表
面となる、後者のポーラスなフィルムを用いることが好
ましい。
て、超高分子量ポリエチレン単独の成形品を用いること
が好ましいが、少量の可塑剤、着色剤等を含有するもの
でもよい。
て、通常、その厚さが20μm以上のものを用いるが、
磨耗寿命や柔軟性の観点から、50μm〜10mmのも
のが好ましく、50μm〜5mmのものがさらに好まし
い。
ルムの代表的な機械物性を例示すれば、破断強度は約4
50Kg/cm2 、破断伸びは約370%、硬度(JI
SD)は約63である。
中間補強層およびゴム外管は、この種のゴムホースにお
いて通常使用される材料で構成されたものでよく、特に
制限されない。ただし、ゴム内管については、その加硫
時、前記超高分子量ポリエチレンで形成される最内層と
溶融接着(ヒュージョンボンディング)により一体化さ
れ得るものを用いる。
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン
ゴム(BR)等のゴムを主成分とするゴム組成物を用い
て形成すればよい。また、中間補強層としては、繊維や
金属製、あるいはさらにゴム層をも有する構成などが例
示されるが、ホースに耐力を付与できるものでありさえ
すれば良い。中間補強層は、一層に限定されず、二層以
上の多層構造となっていてもよい。ゴム外管は、前記ゴ
ム内管を形成するゴム組成物と同じ組成物を用いて形成
されたものであってもよいが、通常は、耐候性に優れる
クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム
(EPT)等のゴムを主成分とするゴム組成物を用いて
形成される。その層厚等は、特に限定されない。
高分子量ポリエチレンからなる最内層、ゴム内管、中間
補強層およびゴム外管を有するものである。すなわち、
これらのみからなるホースに限定されず、さらに他の層
を有するものをも含むのである。例えば、ゴム外管のさ
らに外側に他材料による外皮層を有しているもの等であ
ってももちろん構わない。
す。図1は、耐摩耗ホースの一部切り欠き断面図であ
り、1は超高分子量ポリエチレン層、2はゴム内管、3
は補強ゴム、4はワイヤー、5は中間ゴム、6はゴム外
管である。このホースでは、補強ゴム3、ワイヤー4お
よび中間ゴム5をあわせて中間補強層7という。
かつ、超高分子量ポリエチレンからなる最内層とゴム内
管とは、一体的となっているものである。これが一体的
となっていないと、ホースは耐久性に劣るものとなり、
短寿命となる。ここで、「一体的」とは、超高分子量ポ
リエチレン層がゴム内管の内側に単に設けられたのでは
なく、超高分子量ポリエチレン層とゴム内管の界面が明
確ではなくなる程度に、相互に部材が拡散し、強固に接
着している状態を意味する。より具体的には、両者が加
熱圧着されることにより、界面で両層のマトリックス空
隙への相互の浸透、拡散が起こり、冷却後に両層が強固
に固定された状態である。このような接着状態は、溶融
接着(ヒュージョンボンディング)と呼ばれるものであ
り、「カウチューク ウンツ グミー クンストストッ
フェ(Kautschuk+Gummi Kunststoffe )、34巻、8
頁、1981年」で既に公知である。具体的には、後記
の方法で達成されるものである。
分子量ポリエチレンを用い、該最内層を内管ゴムと一体
的としている。その結果、その界面の剥離強度は、通常
5kgf/25mm以上、条件によっては10kgf/
25mm以上、さらには20kgf/25mm以上とも
なっている。このように、最内層の超高分子量ポリエチ
レン層とゴム内管とが一体的に強固に接着しているため
に、ホースが耐久性に優れるのみならず、超高分子量ポ
リエチレンのもつ耐摩耗性、剛性等の特性が、充分に生
かされ得たのである。
りであるが、出来上がった(加硫後の)ホースの超高分
子量ポリエチレン層の厚さt(mm)とホースの内径D
(mm)とが下記式Iの関係を満たすと、ホースの剛性
と曲げ性能(耐キンク性)の点で好ましい。 (式I) 7.7×10-4D≦t≦6.1×10-2D さらに、その剛性と曲げ性能とを確実に両立させるため
には、下記式IIの関係を満たすように設計することが好
ましい。 (式II) 1.5×10-3D≦t≦1.6×10-2D なお、耐摩耗ホースの加硫後における超高分子量ポリエ
チレン層の厚さt(mm)とホースの内径D(mm)と
の関係は、後述する耐摩耗ホースの製造方法を実施する
に際し、所望の数値となるよう設計可能である。
限定されないが、通常は次のような工程を採用する。す
なわち、金属製マンドレルに、超高分子量ポリエチレン
製フィルムを、テープを巻き付けるように一部重ね合わ
せながらスパイラル状に巻き、次に、その上に、ゴム内
管となるゴム組成物を巻き付ける。以後、通常の方法に
より、補強層、未加硫ゴム外管、さらに必要に応じ、外
皮層等を順次形成する。こうして得られた未加硫ホース
をナイロンラッピングした後、釜加硫する。加硫条件
は、特に限定されない。加硫後にラッピングしたナイロ
ンを除去し、マンドレルを引き抜くことにより、本発明
の耐摩耗ホースが得られる。
ポリエチレン層は溶融し、ゴム内管と溶融接着する。そ
の際、超高分子量ポリエチレンの重ね合わせ部分は解消
し、その厚さは均一となる。従って、マンドレルの線径
と超高分子量ポリエチレン製フィルムの巻き付け条件
(重ね合わせ部の幅、重ね合わせ部間の距離等)の設計
により、前記した超高分子量ポリエチレン層の厚さt
(mm)とホースの内径D(mm)との関係を、所望の
通りとすることが出来る。
で、剛性が高く、また、曲げ性能(耐キンク性)にも優
れるので、従来のものよりも長寿命である。従って、本
発明の耐摩耗ホースは、例えば、トンネル工事用のセメ
ント用吹付ホース、浚渫用ホース、穀物輸送用ホース、
セメント圧送用ホース等として好適である。
明する。
用い、金属製マンドレルに、厚さ80μmの超高分子量
ポリエチレン製フィルムを、表Aに示す層厚になるよ
う、テープを巻き付けるようにスパイラル状に巻き、以
下、通常の方法により、ゴム内管、中間補強層およびゴ
ム外管を形成し、こうして得られた未加硫ホースをナイ
ロンラッピングした後、142℃にて150分間のスチ
ーム釜加硫を行ない、ホースを得た。また、超高分子量
ポリエチレン層を欠く以外は同様の構成のホースも製造
した。なお、ホース内径は65mm、長さは1mであ
る。それらについて、下記の試験を行なった。結果は表
Fに示した。
重Wを加え、そのときの変位量vを測定した。曲げ剛性
(EI)は、下式III に従って算出した。
凹凸発生の有無を目視判定した。
性と曲げ性能(耐キンク性)とを備えた寿命の長い耐摩
耗ホースが提供される。本発明の耐摩耗ホースは、最内
層として超高分子量ポリエチレン層を有するため、ホー
スの耐摩耗性が優れるとともに、ホースの剛性が高い。
その結果、局部的な摩耗が抑制されるため、ホース全体
の摩耗が一様に進行し、従来のものに比べ、著しく寿命
の長い耐摩耗ホースが提供されるようになったものであ
る。また、本発明によれば、超高分子量ポリエチレン層
の厚さとホース内径との関係を最適化することにより、
剛性と曲げ性能(特に耐キンク性)とを兼ね備える耐摩
耗ホースが提供されるようになる。
面図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも、ゴム内管、中間補強層および
ゴム外管と、最内層に設けられた重量平均分子量が50
万以上の超高分子量ポリエチレン層とを有し、該超高分
子量ポリエチレン層は、前記ゴム内管と一体的に設けら
れていることを特徴とする耐摩耗ホース。 - 【請求項2】超高分子量ポリエチレン層の厚さt(m
m)とホース内径D(mm)とが下記式Iの関係にある
請求項1に記載の耐摩耗ホース。 (式I) 7.7×10-4D≦t≦6.1×10-2D
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JP3219943A JPH07117179B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 耐摩耗ホース |
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Family
ID=16743464
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JP3219943A Expired - Fee Related JPH07117179B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 耐摩耗ホース |
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JP (1) | JPH07117179B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1991
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