JPH0711690B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0711690B2
JPH0711690B2 JP24558785A JP24558785A JPH0711690B2 JP H0711690 B2 JPH0711690 B2 JP H0711690B2 JP 24558785 A JP24558785 A JP 24558785A JP 24558785 A JP24558785 A JP 24558785A JP H0711690 B2 JPH0711690 B2 JP H0711690B2
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3022Materials with specific emulsion characteristics, e.g. thickness of the layers, silver content, shape of AgX grains

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に関するものであ
り、特に粒状性、鮮鋭度(ないし鮮鋭性)が同時に改良
された撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下カ
ラー写真感光材料ないし感材と記す)に関する。
一般に多層カラー写真感光材料において、高感度である
こと、画像の輪郭が鮮明で、しかも微細な像がぼやける
ことなく描写されること、即ち鮮鋭性が良好なこと及び
粒子がめだたないことが要求される。特に拡大プリント
像を得るための中間媒体としてのカラーネガ写真感光材
料では、引伸し倍率に対応して鮮鋭性が良好であり粒状
性がめだたないことが要求される。また、近年のカメラ
の小型化に伴ないカラー写真感光画像サイズが小さくな
り、その要求は増々強くなってきている。
従来、カラー写真感材の粒状や鮮鋭度を向上する方法は
種々知られており、粒状性の向上技術として同じ感色性
の2つの層のうち高感度な乳剤層にカプリング反応の速
いカプラーを用い、低感度な乳剤層にカプリング反応の
遅いカプラーを用いる米国特許3,726,681号に記載の方
法や青感層、緑感層、赤感層のうち少なくとも一つが3
つの部分層からなり、最上層と中間層が最大0.60の色濃
度を有する米国特許3,843,369号に記載の感光材料が知
られているが、最近の粒状性も鮮鋭度も同時に改良する
という要求にはいまだ不充分である。
鮮鋭性を改良する技術としては、特開昭51−117032号、
同52−115219号に新規な2当量カプラーを用いることに
よりハロゲン化銀量を減らし、鮮鋭性を改良する技術が
開示されている。また、特公昭49−26134号には平均粒
径0.3〜3μmのハロゲン化銀乳剤に実質的に感度をも
たない0.2μm以下のハロゲン化銀を混入させる技術が
開示されている。米国特許3,658,536号には青感性乳剤
層の一部を緑感性または赤感性乳剤層の下にすることに
より緑感層または赤感層への光散乱の影響を小さくして
鮮鋭性を向上させる技術が記載されている。同様に緑感
層の一部を最上層にする技術が特公昭53−37018号に記
載されている。一方、8m/m感材では酸性染料が鮮鋭性改
良用イラジエーション防止染料として用いられており、
その使用技術が特開昭53−139522号、同51−77327号等
に記載されている。また、ハレーション防止層を設ける
ことにより鮮鋭性を改良する技術は公知であり、特開昭
50−46133号、同52−117122号、同53−5624号に記載さ
れている。これらの技術は、光の横方向の拡散を少なく
することによりMTF(Modulation Transfer Fanction)
モデュレイション トランスファー ファンクション
カーブにおける高周波領域の改良を行う技術であり、個
々には鮮鋭性がかなり改良がなされるもののイラジェー
ション防止染料を用いたり、ハレーション防止層を設け
ることにより減感が生じることの欠点を有している。
鮮鋭性は現像時に放出される、ある種の拡散物質の隣接
効果を利用することによっても改善させ得ることが知ら
れている。この効果は現像時に放出される拡散性抑制物
質のカラー写真感光材料中での部分的な濃度の変化(濃
度勾配)による効果であり、具体的には現像液を水で希
釈する方法、現像中に攪拌を弱く行う方法、現像主薬の
酸化物と反応して拡散性の現像抑制物質を放出する化合
物を感光材料に含ませる方法等が知られている。このう
ち、現像主薬の酸化物と反応して拡散性現像抑制物質を
放出する化合物としては、例えば米国特許3,148,062号
および同3,227,554号に記載されている如き発色現像主
薬の酸化体とカプリングして色素を生成し現像抑制物質
を放出する化合物(以下、DIRカプラーという)あるい
は米国特許3,632,345号に記載されている如き発色現像
主薬の酸化体とのカプリングによって現像抑制剤を放出
し色素を形成しない化合物(以下、DIR物質という)が
知られている(以下DIRカプラーおよびDIR物質を併せて
DIR化合物と総称する。)。これら、現像時に放出され
る拡散性現像抑制物質の隣接効果は、上記特許の他多く
の特許明細書ないし公報に述べられている。
また、特開昭52−82424号、同52−117627号には新規なD
IRカプラーが開示されていて、色再現性、鮮鋭性につい
て改良されることが述べられている。しかし、これらの
公報においても該DIRカプラーの鮮鋭性改良効果を最大
に導きだす技術については述べられていない。このよう
に現像時に放出される拡散性現像抑制物質の隣接効果が
鮮鋭性を良化することは知られているが、いまだ満足の
いくレベルではなく、鮮鋭性の改良が更に望まれてい
る。
従って本発明の目的は、粒状性、鮮鋭度とも大巾に改良
されたハロゲン化銀カプラー感光材料を提供することに
ある。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明に係るカラー写真感光材料
は、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を
有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤層中に存在する感光性ハ
ロゲン化銀粒子の10%(重量)以上が臭化銀もしくは沃
臭化銀からなる内部核、該内部核の外側に沃化銀もしく
は沃臭化銀からなる沃化銀含有率が10モル%以上の第1
被覆層および該第1被覆層の外側に更に臭化銀もしくは
該第1被覆層とはハロゲン組成の異なった沃臭化銀から
なる沃化銀含有率が5モル%以下の第2被覆層からな
る、投影面積径と厚みとの比が5未満のハロゲン化銀粒
子において、 (1)第1被覆層の沃素含有率が内部核の沃素含有率よ
りも10モル%以上多く、 (2)粒子全体に対して第1被覆層の銀の占める割合が
0.01〜90モル%であり 該ハロゲン化銀乳剤層中に発色現像主薬の酸化生成物と
反応して適度に色素がにじむ拡散性色素を生成する非拡
散性カプラーを含有することを特徴とする。
以下本発明について詳述する。
本発明のハロゲン化銀粒子のサイズは、投影面積径で表
す。ここで投影面積径とは、粒子の投影面積に相当する
面積の円の直径を言う。
本発明のハロゲン化銀粒子のサイズとしては0.1〜5.0μ
mが好ましく、0.2〜3.0μmがより好ましい。
また、投影面積と厚みとの比は5未満であるが、ここで
厚みとは、粒子の重心を通る径の最短の長さを言う。
本発明の内部核が沃臭化銀からなる場合、均質な固溶相
であることが好ましい。ここで均質とは、沃化銀含有率
の95モル%が、平均沃化銀含有率の±40%以内に入るこ
とを意味する。
内部核のハロゲン組成としては、沃素の平均含有率は好
ましくは10モル%以下であるが、より好ましくは0〜5
モル%であり、特に好ましくは0〜3モル%である。
内部核の銀が、粒子全体の銀に対して占める割合は、好
ましくは0.01〜20モル%、より好ましくは0.01〜15モル
%である。
第1被覆層の沃化銀含有率は内部核の沃化銀含有率より
も10モル%以上多いが、好ましくは15モル%以上であ
り、特に好ましくは20モル%以上である。
また第1被覆層の沃化銀含有率としては、10モル%以上
であるが、好ましくは15モル%〜100モル%、より好ま
しくは20モル%〜100モル%である。
第1被覆層の銀が、粒子全体の銀に対して占める割合
は、好ましくは0.01〜90モル%、より好ましくは0.01〜
80モル%、特に好ましくは0.02〜70モル%である。
第2被覆層が沃臭化銀からなる場合、それは均質である
ことは必ずしも必要ではないが、均質な沃臭化銀である
ことがより好ましい。
また、第2被覆層は第1被覆層を十分に覆うことが必要
であり、このために第2被覆層の平均厚みは好ましくは
0.02μm以上であるが、より好ましくは0.04μm以上で
ある。
第2被覆層が沃臭化銀である場合の沃化銀含有率は5モ
ル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。
第2被覆層の銀が粒子全体の銀に対して占める割合とし
ては1〜50モル%が好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子のサイズ分布は任意である
が、単分散であることがより好ましい。ここで単分散と
は、95%の粒子が数平均粒径の±60%以内、好ましくは
±40以内のサイズに入る分散径である。ここで数平均粒
径とは、粒子の投影面積径の数平均直径である。
本発明のハロゲン化銀粒子を含有する乳剤層中における
該粒子が該層に含まれる割合は任意に選んでよいが、好
ましくは全ハロゲン化銀粒子に対して銀量で40%以上で
あるが、特に好ましくは90%以上である。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法について次に述べ
る。
すなわち、一般的には、臭化銀又はヨウ臭化銀(沃素含
有率10モル%以下)から成る核(内部核)を形成した
後、該核上にハロゲン置換法又は被覆法によりヨウ臭化
銀又はヨウ化銀から成る第1被覆層を形成せしめさらに
該第1被覆層上に、該第1被覆層とはハロゲン組成の異
なるヨウ臭化銀又は臭化銀から成る第2被覆層を設ける
3層構造ハロゲン化銀粒子の製造方法に於て、該第1被
覆層のヨウド含有率を10モル%以上内部核より大きく
し、かつ第1被覆層の銀量がハロゲン化銀粒子全体の0.
01〜90モル%であるように製造する。
下記に詳しく述べる。
まず本発明のハロゲン化銀粒子の内部核は、P.Glafkide
s著Chimie et Physigue Photogra-ophigue(Paul Monte
l社刊、1967年)、G.F.Duffin著Photographic Emulsion
Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelik
man et al著Making and Coating Photograhic Emulsion
(The Focal Press刊、1964年)などに記載された方法
を用いて調整することができる。すなわち、酸性法、中
性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀
塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混
合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれを用い
てもよい。
粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわ
ゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の一
つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAg
を一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド・
ダブルジェット法を用いることもできる。この方法によ
ると、結晶形が規則的でる粒子サイズが均一に近いハロ
ゲン化銀乳剤がえられる。
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合して
用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子の内部核を調整するに際しては、均一
なハロゲン組成となっていることが好ましい。内部核が
沃臭化銀のときにはダブルジェット法もしくはコントロ
ール・ダブルジェット法を用いるのが好ましい。また、
内部核が臭化銀のときは、片側混合法が好ましい。
内部核を調整するときのpAgとしては、反応温度、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類によって変化するが、好ましくは7
〜11である。またハロゲン化銀溶剤を用いると粒子形成
時間を短時間に行いうるので好ましい。例えばアンモニ
ア、チオエーテルなど一般によく知られたハロゲン化銀
溶剤を用いることができる。
内部核の形状としては板状、球状、双晶系であっても、
また八面体、立方体、14面体もしくは混合系などを用い
ることもできる。
また、内部核は、多分散でも単分散でもよいが、単分散
である方がより好ましい。ここで、「単分散」とは前述
したのと同義である。
また、粒子サイズを均一にするには、英国特許1,535,01
6号、特公昭48−036890、同52−16364等に記載されてい
るように、硝酸銀やハロゲン化アルカリ水溶液の添加速
度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、米国特許
4,242,445号、特開昭55−158124等に記載されているよ
うに水溶液濃度を変化させる方法を用いて臨界過飽和度
を越えない範囲において速く成長させることが好まし
い。これらの方法は、再核発生を起こさず、各ハロゲン
化銀粒子が均一に被覆されていくため、後述する第1及
び第2被覆層を導入する場合にも好ましく用いられる。
ハロゲン化銀粒子の内部核の形成または物理熟成の過程
において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、
イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯
塩、鉄塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。
本発明のハロゲン化銀粒子の第1被覆層は、形成した内
部核に脱塩工程を必要によりほどこした後に通常のハロ
ゲン置換法、ハロゲン化銀を被覆する方法などによって
設けることができる。
ハロゲン置換法としては、例えば内部核が形成された後
に、主としてヨード化合物(好ましくはヨードカリウ
ム)からなる水溶液を、好ましくは濃度10%以下の水溶
液を添加することによって行うことができる。このと
き、完成された粒子全体の銀のモル数に対して0.01〜90
モル%のヨード化合物を添加する。また、このときpAg
としては5〜12が好ましい。詳しくは、米国特許2,592,
250号、同4,075,020号、特開昭55−127549号などに記載
された方法によって行うことができる。このとき、第1
被覆層の粒子間ヨード分布差を少なくするためには、ヨ
ード化合物水溶液の濃度を10-2モル%以下にして10分以
上かけて添加するのが望ましい。
また、内部核上にハロゲン化銀を新たに被覆する方法と
しては、例えば、ハロゲン化物水溶液と硝酸銀水溶液と
を同時に添加すること、つまり同時混合法、コントロー
ルダブルジェット法によって行うことができる。詳しく
は、特開昭53−22408号、特公昭43−13162号、J.Phto.S
ci.,24,198(1976)などに記載された方法によって行う
ことができる。
第1被覆層を形成するときのpAgとしては、反応速度、
ハロゲン化銀乳剤の種類・量によって変化するのが好ま
しくは、前述したものが同様に用いられる。
第1被覆層を形成する方法としては、同時混合法また
は、コントロールダブルジェット法がより好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子の第2被覆層は、第1被覆層
を表面に有した内部核の外側に、更に、第1被覆層のハ
ロゲン組成とは異なったハロゲン組成のハロゲン化銀を
同時混合法またはコントロールダブルジェット法によっ
て被覆する方法などによって設けることができる。
これらの方法については、前述した第1被覆層を設ける
方法が同様に用いられる。
第2被覆層を導入するに際しては、第2被覆層のハロゲ
ン組成は、第1被覆層のハロゲン組成とは異なるので、
第2被覆層は、第1被覆層の表面に沈析しにくい場合が
あるため、臨界過飽和度の変化を考慮することが必要で
ある。また、粒子の全表面積の上昇に伴って単位時間当
りの添加モル数を上げることが好ましい。
第2被覆層が、臭化銀である場合については、あらかじ
め臭化物と第1被覆層を有した内部核の存在下に、硝酸
銀水溶液を添加する方法(片側混合法)を用いることも
できる。
第2被覆層のハロゲン組成は、均一であることが好まし
いが、このためには、第2被覆層が沃臭化銀である場合
は、同時混合法もしくはコントロールダブルジェット法
で形成されるのが好ましい。また第2被覆層が臭化銀で
ある場合は、片側混合法で行うのが好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子の第1被覆層のヨード含量に
ついては、例えば、J.I.ゴールドシュタイン(Goldstei
n)、D.B.ウィリアムズ(Williams)「TEM/ATEMにおけ
るX線分析」スキャンニング・エレクトロン・マイクロ
スコピイ(1977)、第1巻(IITリサーチ・インスティ
チュート)、第651頁(1977年3月)に記載された方法
によって求めることもできる。
本発明のハロゲン化銀粒子の調製において、第2被覆層
の沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤または必要に応
じて、内部核形成後もしくは第1被覆層形成後の乳剤か
ら可溶性塩類を除去するためにはゼラチンをゲル化させ
て行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、
アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえば
ポリスチレンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体
(たとえばアシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチン
など)を利用した沈降法(フロキュレーション)を用い
てもよい。
本発明に用いられるカラー現像主薬の酸化体と反応して
適度に色素が拡散性色素を生成する非拡散性カプラーと
しては下記一般式〔A〕で表わされる化合物がある。
一般式〔A〕 式中、Cpは適度に色像の滲みを生じさせ粒状性を改良す
る拡散可能なカプラー成分を表わし、Xはカプラー成分
のカプリング位と結合しカラー現像主薬の酸化体との反
応により離脱する基で炭素数8〜32のバラスト基を含む
成分である。aは1または2を表わす。
上記一般式〔A〕で表わされるカプラーのうち次式で表
わされるカプラーが特に好ましい。
一般式(I) 一般式(II) 式中R1、R2、R3及びR4は同じであっても異ってもよく、
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(例えばメチル
基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基な
ど)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
メトキシエトキシ基など)、アリールオキシ基(例えば
フェノキシ基など)、アシルアミノ基(例えばアセチル
アミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基など)、スル
ホンアミノ基(例えばメタンスルホンアミノ基、ベンゼ
ンスルホンアミノ基など)、カルバモイル基、スルファ
モイル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、ア
ルコキシカルボニル基、ウレイド基、シアノ基、カルボ
キシル基、ヒドロキシ基またはスルホ基を表わす。ただ
しR1、R2、R3およびR4の炭素数の合計は10を越えない。
X′はカプラーに非拡散性を与える炭素数8〜32のいわ
ゆるバラスト基を有し、かつ芳香族第1級アミン現像主
薬の酸化体とのカプリングにより離脱しうる基を表わ
す。詳しくは次の一般式(III)または一般式(IV)で
表わすことができる。
式中、Aは酸素原子またはイオウ原子を表わし、Bはア
リール環またはヘテロ環を形成するのに必要な非金属原
子群を表わし、Eは窒素原子と共に5員または6員ヘテ
ロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。これ
らの環はさらにアリール環またはヘテロ環と縮合してい
てもよい。Dはバラスト基を表わし、bは正の整数を表
わす。bが複数のときDは同じであっても異っていても
よく、総炭素数は8〜32である。Dは−O−、−S−、
−COO−、−CONH、−SO2NH−、−NHCONH−、−SO2−、
−CO−、−NH−などの連結基を含んでいてもよい。
一般式〔A〕において好ましい他のカプラーは下記一般
式(V)、(VI)または(VII)で表わされる。
式中R5はアシルアミノ基(例えばプロパンアミド基、ベ
ンズアミド基)、アニリノ基(例えば2−クロロアニリ
ノ基、5−アセトアミドアニリノ基)またはウレイド基
(例えばフェニルウレイド基、ブタンウレイド基)を表
わし、R6およびR7は各々、ハロゲン原子、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基)、アルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基)、アシルアミノ基(例えばア
セトアミド基、ベンズアミド基)、アルコキシカルボニ
ル基(例えばメトキシカルボニル基)、N−アルキルカ
ルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル基)、ウ
レイド基(例えばN−メチルウレイド基)、シアノ基、
アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)N,N−ジ
アルキルスルファモイル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、
カルボキシ基およびアリールオキシ基などから選ばれる
基を表わし、fは0〜4の整数であり、fが2以上のと
きR6は同じでも異っていてもよい。ただし一般式(V)
および(VI)ではR5とf個のR6、一般式(VII)ではR6
とR7に含まれる炭素数の合計は10を越えない。X″は下
記一般式(V)および(VIII)、(IX)および(X)を
表わす。
一般式(VIII) 一般式(IX) −S−R8 一般式(X) 一般式(VIII)および(IX)においてR6は一般式(V)
〜(VII)で列挙した置換基より選択される基であり、
gが2以上のときR6は同じでも異なってもよく、g個の
R6に含まれる炭素数の合計8〜32である。
R8は置換もしくは無置換のアルキル基(例えばブチル
基、ドデシル基など)、アラルキル基(例えばベンジル
基など)、アルケニル基(例えばアリル基など)または
環状アルキル基(例えばシクロペンチル基など)を表わ
し、置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基(例え
ばブトキシ基、ドデシルオキシ基など)、アシルアミノ
基(例えばアセトンアミド基、テトラジカンアミド基な
ど)、アルコキシカルボニル基(テトラデシルオキシカ
ルボニル基など)、N−アルキルカルバモイル基(N−
ドデシルカルバモイル基など)、ウレイド基(テトラデ
シルウレイド基など)、シアノ基、アリール基(フェニ
ル基など)、ニトロ基、アルキルチオ基(ドデシルチオ
基など)、アルキルスルフィニル基(テトラデシルスル
フィニル基など)、アルキルスルホン基、アニリノ基、
スルホンアミド基(ヘキサデカンスルホンアミド基な
ど)、N−アルキルスルファモイル基、アリールオキシ
基およびアシル基(テトラデカノイル基など)から選ば
れ、R8に含まれる炭素数の合計は8〜32である。
一般式〔A〕で表わされるカプラーのうち、好ましいも
のは次の一般式(XI)及び(XII)で示される。
一般式(XI) 一般式(XII) R9は水素原子、炭素数10以下の脂肪族基(例えばメチ
ル、イソプロピル、アシル、シクロヘキシル、オクチル
などのアルキル基)、炭素数10以下のアルコキシ基(例
えばメトキシ、イソプロポキシ基、ペンタデシロキシな
どの各基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、
p−tert−ブチルフェノキシ基)、次式(XIII)〜(X
V)に示すアシルアミド基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基または次式(XVI)に示すカルバモイル基を表わ
す。
−NH−GO−G (XIII) −NH−SO2−G (XIV) −NHCONH−G (XV) 式中G、G′は同一でも異っていてもよく、それぞれ水
素原子(但し、G、G′が同時に水素原子であることは
ないし、G、G′の合計の炭素数は1〜12である。)、
炭素数1〜12の脂肪族基、好ましくは炭素数4〜10の直
鎖又は枝分れしたアルキル基や環状アルキル基(例えば
シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボニルなどの各
基)、またはアリール基(例えばフェニル基、ナフチル
基など)を表わす。ここで上記のアルキル基、アリール
基はハロゲン原子(例えばフッ素、塩素など)、ニトロ
基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基(例え
ばアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
アニリノ基、N−アルキルアニリノ基など)、アルキル
基(例えば前記の如きもの)、アリール基(例えばフェ
ニル基、アセチルアミノフェニル基など)、アルコキシ
カルボニル基(例えばブチルオキシカルボニル基な
ど)、アシルオキシカルボニル基、アミド基(例えばア
セトアミド基、メタンスルホンアミド基など)、イミド
基(例えばコハク酸イミド基など)、カルバモイル基
(例えばN,N−ジエチルカルバモイル基など)、スルフ
ァモイル基(例えばN,N−ジエチルスルファモイル基な
ど)、アルコキシ基(例えばエトキシ基、ブチルオキシ
基、オクチルオキシ基など)、アリールオキシ基(例え
ばフェノキシ基、メチルフェノキシ基など)等で置換さ
れていてもよい。R9は上記の置換基の他、通常用いられ
る置換基を含んでもかまわない。R10は水素原子、炭素
数12以下の脂肪族基、特に炭素数1〜10のアルキル基あ
るいは一般式(XVI)で表わされるカルバモイル基から
選ばれる。R11、R12、R13、R14およびR16は各々水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、ヘテロ環基、アミノ基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、スルファミル基、又は
カルバミル基を表わす。R11は詳しくは次の基のいずれ
かを表わす: 水素原子、ハロゲン原子(例えばクロル、ブロムな
ど)、1ないし12個の炭素原子をもつ第一、第二または
第三アルキル基(例えばメチル、プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ヘキシル、
ドデシル、2−クロロブチル、2−ヒドロキシエチル、
2−フェニルエチル、2−(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)エチル、2−アミノエチル等の各基)、アルキルチ
オ基(例えばオクチルチオ基など)、アリール基(例え
ばフェニル、4−メチルフェニル、2,4,6−トリクロロ
フェニル、3,5−ジブロモフェニル、4−トリフルオロ
メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3
−トリフルオロメチルフェニル、ナフチル、2−クロロ
ナフチル、3−エチルナフチル等の各基)、複素環式基
(例えばベンゾフラニル基、フラニル基、チアゾリル
基、ベンゾチアゾル基、ナフトチアゾリル基、オキサゾ
リル基、ベンズオキサゾリル基、ナフトオキサゾリル
基、ピリジル基、キノリニル基等)、アミノ基(例えば
アミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ドデシルアミ
ノ、フェニルアミノ、トリルアミノ、4−シアノフェニ
ルアミノ、2−トリフルオロメチルフェニルアミノ、ベ
ンゾチアゾールアミノ等の各基)、カルボンアミド基
(例えばエチルカルボンアミド、デシルカルボンアミ
ド、等の如きアルキルカルボンアミド基;フェニルカル
ボンアミド、2,4,6−トリクロロフェニルカルボンアミ
ド、4−メチルフェニルカルボンアミド、2−エトキシ
フェニルカルボンアミド、ナフチルカルボンアミド等の
如きアリールカルボンアミド基;チアゾリルカルボンア
ミド、ベンゾチアゾリルカルボンアミド、ナフトチアゾ
リルカルボンアミド、オキシゾリルカルボンアミド、ベ
ンゾオキサゾリルカルボンアミド、イミダゾリルカルボ
ンアミド、ベンズイミダゾリルカルボンアミド等の如き
複素環式カルボンアミド基等)、スルホンアミド基(例
えばブチルスルホンアミド、ドデシルスルホンアミド、
フェニルエチルスルホンアミド等の如きアルキルスルホ
ンアミド基;フェニルスルホンアミド、2,4,6−トリク
ロロフェニルスルホンアミド、2−メトキシフェニルス
ルホンアミド、3−カルボキシフェニルスルホンアミ
ド、ナフチルスルホンアミド等の如きアリールスルホン
アミド基;チアゾリルスルホンアミド、ヘンゾチアゾリ
ルスルホンアミド、イミダゾリルスルホンアミド、ベン
ズイミダゾリルスルホンアミド、ピリジルスルホンアミ
ド等の如き複素環式スルホンアミド基など)、スルファ
ミル基(例えばプロピルスルファミル、オクチルスルフ
ァミル等の如きアルキルスルファミル基;フェニルスル
ファミル、2,4,6−トリクロロフェニルスルファミル、
2−メトキシフェニルスルファミル、ナフチルスルファ
ミル等の如きアリールスルファミル基;チアゾリルスル
ファミル、ベンゾチアゾリルスルファミル、オキサゾリ
ルスルファミル、ベンズイミダゾリルスルファミル、ピ
リジルスルファミル基等の如き複素環式スルファミル基
など)およびカルバミル基(例えばエチルカルバミル、
オクチルカルバミル、等の如きアルキルカルバミル基;
フェニルカルバミル、2,4,6−トリクロロフェニルカル
バミル等の如きアリールカルバミル基;チアゾリルカル
バミル、ベンゾチアゾリルカルバミル、オキサゾリルカ
ルバミル、イミダゾリルカルバミル、ベンズイミダゾリ
ルカルバミル基等の如き複素環式カルバミル基など)で
ある。R12、R13、R14およびR15も詳しくはそれぞれR11
において詳しく挙げたものを挙げることができ、Jは下
記の如き5およびまたは6員環を形成するに必要な非金
属原子を表わす。すなわちベンゼン環、シクロヘキセン
環、シクロペンテン環、チアゾール環、オキサゾール
環、イミダゾール環、ピリジン環、ピロール環など。こ
のうち好ましいものはベンゼン環である。
Xは炭素数8〜32の基をもち、−O−、−S−、−N
=N−を介してカプリング位と結合しており、芳香族一
級アミン現像主薬の酸化体とカプリングし離脱する基を
表わす。好ましくは炭素数8〜32のアルコキシ、アリー
ルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルア
ゾ、アリールアゾ基を表わす。これらの基は更に−O
−、−S−、−NH−、−CONH、−COO−、−SO2NH−、−
SO−、−SO2−、−CO−、 等の二価の基を含んでいてもよい。更にこれらの基は−
COOH、−SO3H、−OH−、−SO2NH2のようにアルカリで解
離する基を含むことが特に好ましい。またR9、R10
R11、R12、R13、R14、R15、Xを組合せることでカプ
ラーを実質上耐拡散化することが可能である。
一般式〔A〕で表わされるカプリング反応によって生成
した色素が適度に滲む色素を形成するカプラーの好まし
い具体例は以下のとおりである。
〔イエローカプラー〕
〔マゼンタカプラー〕 〔シアンカプラー〕 前記イエローカプラー及びマゼンタカプラーの例示化合
物は米国特許4,264,723号、同3,227,554号、同4,310,61
9号、同4,301,235号、特開昭57−4044号、56−126833
号、50−122935号などに記載の方法によって合成でき
る。
また、前記C−1〜19の化合物は特開昭56−1938号、同
57−3934号、同53−105226号等に記載された方法で容易
に合成できる。
本発明に用いられるカラー現像主薬の酸化体と反応して
適度に色素がにじむ拡散性色素を生成する非拡散性カプ
ラーの添加量は、銀1モル当り0.005モル〜0.2モルが好
ましく、より好ましくは0.01モル〜0.05モルである。
本発明のハロゲン化銀乳剤には、本発明外のハロゲン化
銀、例えば臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、お
よび塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任
意のものを併用することができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤に併用できるハロゲン化銀粒
子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得ら
れたものでもよい。該粒子は一時に成長させてもよい
し、種粒子をつくった後成長させてもよい。種粒子をつ
くる方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
該ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化物イオンと銀イオンを
同時に混合しても、いずれか一方が存在する液中に、他
方を混合してもよい。また、ハロゲン化銀結晶の臨界成
長速度を考慮しつつ、ハロゲン化物イオンと銀イオンを
温合釜内のpH、pAgをコントロールしつつ逐次同時に添
加する事により生成させてもよい。この方法により、結
晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀粒
子が得られる。成長後にコンバージョン法を用いて、粒
子のハロゲン組成を変化させてもよい。
本発明に併用できるハロゲン化銀乳剤は、その製造時
に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いて、ハロゲン
化銀粒子の粒子サイズ、粒子の形状、粒子サイズ分布及
び粒子の成長速度をコントロールすることができる。
ハロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チオエーテ
ル、チオ尿素、4置換チオ尿素等のチオ尿素誘導体、イ
ミダゾール誘導体を挙げる事が出来る。チオエーテルに
関しては、米国特許3,271,157号、同3,790,387号、同3,
574,628号等を参考にすることができる。
溶剤の使用量は、溶剤がアンモニア以外の場合は反応溶
液の1×10-3〜1.0重量%、特に1×10-2〜1×10-1
量%が好ましい。アンモニアの場合は任意に選ぶことが
できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤に併用できるハロゲン化銀粒
子は、粒子を形成する過程及び/又は成長させる過程
で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩(を含む錯塩)、ロジウム塩(を含む錯塩)及び
鉄塩(を含む錯塩)から選ばれる少なくとも1種を用い
て金属オインを添加し、粒子内部に及び/又は粒子表面
にこれらの金属元素を含有させることができ、また適当
な還元的雰囲気におくことにより、粒子内部及び/又は
粒子表面に還元増感核を付与できる。
該ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了
後に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あるいは含
有させたままでもよい。該塩類を除去する場合には、リ
サーチ.ディスクロジャー(Research Disclosure)176
43号記載の方法に基づいて行うことができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤に併用できるハロゲン化銀粒
子は、粒子内において均一なハロゲン化銀組成分布を有
するものでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン化銀組
成が異なるコア/シェル粒子であってもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤に併用できるハロゲン化銀粒
子は、潜像が主として表面に形成されるような粒子であ
ってもよく、また主として粒子内部に形成されるような
粒子でもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤に併用できるハロゲン化銀粒
子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶
系を持つものでもよいし、球状や板状のような変則的な
結晶形を持つものでもよい。これらの粒子において、
{100}面と{111}面の比率は任意のものが使用でき
る。又、これら結晶形の複合形を持つものでもよく、様
々な結晶形の粒子が混合されてもよい。
本発明に併用できるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
(粒子サイズは投影面積と等しい面積の円の直径を表
す)は、5μm以下が好ましいが、特に好ましいのは3
μm以下である。
本発明に併用できるハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子
サイズ分布を持つものを用いても構わない。粒子サイズ
分布の広い乳剤(多分散乳剤と称する)を用いてもよい
し、粒子サイズ分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する。
ここでいう単分散乳剤とは、前記した通りである。)を
単独又は数種類混合してもよい。又、多分散乳剤と単分
散乳剤を混合して併用してもよい。
本発明に併用できるハロゲン化銀乳剤は、別々に形成し
た2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合したものでもよ
い。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感する
ことができる。即ち、硫黄増感法、セレン増感法、還元
増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法
などを単独で又は組み合わせて用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界において増感色
素として知られている色素を用いて、所望の波長域に光
学的に増感できる。増感色素は単独で用いてもよいが、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。増感色素ととも
にそれ自信分光増感作用を持たない色素、あるいは可視
光を実質的に吸収しない化合物であって、増感色素の増
感作用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させてもよ
い。
本発明のハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中、あるいは写真処理中のかぶりの防止、又は写真
性能を安定に保つことを目的として化学熟成中、化学熟
成の終了時、及び/又は化学熟成の終了後、ハロゲン化
銀乳剤を塗布するまでに、写真業界においてかぶり防止
剤又は安定剤として知られている化合物を加えることが
できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー(又は保護コロ
イド)としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、
ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導
体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子等の
親水性コロイドも用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー(又は保護コロ
イド)としてゼラチンを用いる場合には、ゼラチンのゼ
リー強度は限定されないが、ゼリー強度250g以上(バギ
ー法により測定した値)であることが好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(又は保
護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬膜剤を
1種又は2種以上用いることにより硬膜することができ
る。硬膜剤は、処理液中に硬膜剤を加える必要がない程
度に感光材料を硬膜できる量添加することができるが、
処理液中に硬膜剤を加えることも可能である。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料のハロゲン
化銀乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層には柔軟性
を高める目的で可塑剤を添加できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層その他の親水性コロイド層には寸法安定性の改良など
を目的として、水不溶性又は難溶性合成ポリマーの分散
物(ラテックス)を含有させることができる。
本発明の感光材料の乳剤層には、発色現像処理におい
て、芳香族第1級アミン現像剤(例えばp−フェニレン
ジアミン誘導体や、アミノフェノール誘導体など)の酸
化体とカップリング反応を行い色素を形成する色素形成
カプラーが用いられる。該色素形成カプラーは各々の乳
剤層に対して乳剤層の感光スペクトル光を吸収する色素
が形成されるように選択されるのが普通であり、青感性
乳剤層にはイエロー色素形成カプラーが、緑感性乳剤層
にはマゼンタ色素形成カプラーが、赤感性乳剤層にはシ
アン色素形成カプラーが用いられる。これらカプラーの
うち少なくとも1種は、本発明のカプラーから選択され
る。しかしながら目的に応じて上記組み合わせと異なっ
た用い方で写真感光材料をつくってもよい。
これら色素形成カプラーは分子中にバラスト基と呼ばれ
るカプラーを非拡散化する、炭素数8以上の基を有する
ことが望ましい。又、これら色素形成カプラーは1分子
の色素が形成されるために4分子の銀イオンが還元され
る必要がある4当量性であっても、2分子の銀イオンが
還元されるだけでよい2当量性のどちらでもよい。色素
形成カプラーには現像主薬の酸化体とのカップリングに
とって現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀
溶剤、調色剤、硬膜剤、かぶり剤、かぶり防止剤、化学
増感剤、分光増感剤、及び減感剤のような写真的に有用
なフラグメントを放出する化合物を含有させることがで
きる。これら色素形成カプラーに色補正の効果を有して
いるカラードカプラー、あるいは現像に伴って現像抑制
剤を放出し、画像の鮮鋭性や画像の粒状性を改良すDIR
カプラーが併用されてもよい。この際、DIRカプラーは
該カプラーから形成される色素が同じ乳剤層に用いられ
る色素形成カプラーから形成される色素と同系統である
方が好ましいが、色の濁りが目立たない場合は異なった
種類の色素を形成するものでもよい。DIRカプラーに替
えて、該カプラーと又は併用して現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、無色の化合物を生成すると同時に現
像抑制剤を放出するDIR化合物を用いてもよい。
用いられるDIRカプラー及びDIR化合物には、カップリン
グ位に直接抑制剤が結合したものと、抑制剤が2価基を
介してカップリング位に結合しており、カップリング反
応により離脱した基内での分子内求核反応や、分子内電
子移動反応等により抑制剤が放出されるように結合した
もの(タイミングDIRカプラー、及びタイミングDIR化合
物と称する)が含まれる。又、抑制剤も離脱後拡散性の
ものとそれほど拡散性を有していないものを、用途によ
り単独で又は併用して用いることができる。芳香族第1
級アミン現像剤の酸化体とカップリング反応を行うが、
色素を形成しない無色カプラーを色素形成カプラーと併
用して用いることもできる。
ハロゲン化銀結晶表面に吸着させる必要のない色素形成
カプラー、カラードカプラー、DIRカプラー、DIR化合
物、画像安定剤、色かぶり防止剤、紫外線吸収剤、蛍光
増白剤等のうち、疎水性化合物は固体分散法、ラテック
ス分散法、水中油滴型乳化分散法等、種々の方法を用い
ることができ、これはカプラー等の疎水性化合物の化学
構造等に応じて適宜選択することができる。水中油滴型
乳化分散法は、カプラー等の疎水性添加物を分散させる
各種の方法が適用でき、通常、沸点約150℃以上の高沸
点有機溶媒に必要に応じて低沸点、及び又は水溶性有機
溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などのバインダ
ー(又は親水性コロイド)中に界面活性剤を用いて撹は
ん器、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージットミ
キサー、超音波装置等の分散手段を用いて、乳化分散し
た後、目的とする親水性コロイド層中に添加すればよ
い。分散液又は分散と同時に低沸点溶媒を除去する工程
を入れてもよい。
本発明において、高沸点有機溶媒と低沸点有機溶媒との
比率は1:0.1乃至1:50、更には1:1乃至1:20であることが
好ましい。
色素形成カプラー、DIRカプラー、カラードカプラー、D
IR化合物、画像安定剤、色かぶり防止剤、紫外線吸収
剤、蛍光増白剤等がカルボン酸、スルフォン酸のごとき
酸基を有する場合には、アルカリ性水溶液として親水性
コロイド中に導入することもできる。
疎水性化合物を低沸点溶媒単独又は高沸点溶媒と併用し
た溶媒に溶かし、機械的又は超音波を用いて水中に分散
するときの分散助剤として、アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を用いるこ
とができる。
本発明の感光材料の乳剤層間(同一感色性層間及び/又
は異なった感色性層間)で、現像主薬の酸化体又は電子
移動剤が移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性が劣化した
り、粒状性が目立つのを防止するために色かぶり防止剤
を用いることができる。
該色かぶり防止剤は乳剤層自身に含有させてもよいし、
中間層を隣接乳剤層間に設けて、該中間層に含有させて
もよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料には、色素
画像の劣化を防止する画像安定剤を用いることができ
る。
本発明の感光材料の保護層、中間層等の親水性コロイド
層は感光材料が摩擦等で帯電することに起因する放電に
よるかぶり防止、画像のUV光による劣化を防止するため
に紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
感光材料の保存中のホルマリンによるマゼンタ色素形成
カプラー等の劣化を防止するために、本発明の感光材料
にホルマリンスカベンジャーを用いることができる。
本発明の感光材料において、親水性コロイド層に染料や
紫外線吸収剤等を含有させる場合に、それらはカチオン
性ポリマー等の媒染剤によって媒染されてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料のハロゲン
化銀乳剤及び/又はその他の親水性コロイド層に現像促
進剤、現像遅延剤等の現像性を変化させる化合物や漂白
促進剤を添加できる。現像促進剤として好ましく用いる
事の出来る化合物はリサーチ.ディスクロージャー(Re
search Disclosure)17643号のXXI項B〜D項記載の化
合物であり、現像遅延剤は、177643号のXXI項E項記載
の化合物である。現像促進、その他の目的で白黒現像主
薬、及び又はそのプレカーサーを用いてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層は、感度上昇、コントラスト上昇、又は現像促進の目
的でポリアルキレンオキシド又はそのエーテル、エステ
ル、アミン等の誘導体、チオエーテル化合物、チオモル
フォリン類、4級アンモニウム化合物、ウレタン誘導
体、尿素誘導体、イミダゾール誘導体等を含んでもよ
い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料には、白地
の白さを強調するとともに白地部の着色を目立たせない
目的で蛍光増白剤を用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料には、フィ
ルター層、ハレーション防止層、及び/又はイラジエー
ション防止層等の補助層を設けることができる。これら
の層中及び/又は乳剤層中には現像処理中に感光材料か
ら流出するかもしくは漂白される染料が含有させられて
もよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の滑り摩擦
を低減させるために滑剤を添加できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料に、帯電防
止を目的とした帯電防止剤を添加できる。帯電防止剤は
支持体の乳剤を積層してない側の帯電防止層に用いても
よく、乳剤層及び/又は支持体に対して乳剤層が積層さ
れている側の乳剤層以外の親水性コロイド層に用いられ
ていてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層及び/又は他の親水性コロイド層には、塗布性改良、
帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止、写真特
性(現像促進、硬膜剤、増感等)改良等を目的として、
種々の界面活性剤を用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料に用いられ
る支持体には、α−オレフィンポリマー(例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重)等を
ラミネートした紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸
セルロース、硝酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイ
ト、ポリアミド等の半合成又は合成高分子からなるフィ
ルムや、これらのフィルムに反射層を設けた可撓性支持
体、ガラス、金属、陶器などが含まれる。
本発明の感光材料は必要に応じて支持体表面にコロナ放
電、紫外線照射、火焔処理等を施した後、直接に又は支
持体表面の接着性、帯電防止性、寸法安定性、耐摩耗
性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性、及び/又は
その他の特性を向上するための1層以上の下塗層を介し
て塗布されてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布に際
して、塗布性を向上させる為に増粘剤を用いてもよい。
又、例えば硬膜剤の如く、反応性が早いために予め塗布
液中に添加すると塗布する前にゲル化を起こすようなも
のについては、スタチックミキサー等を用いて塗布直前
に混合するのが好ましい。
本発明のハロゲン化銀を用いた感光材料を作成するに当
たり、ハロゲン化銀乳剤層及びその他の親水性コロイド
層はリサーチ.ディスクロージャー(Research Disclos
ure)17643号のXVのAに記載の方法で塗布し、同Bに記
載の方法で乾燥することができる。
本発明の感光材料は、本発明の感光材料を構成する乳剤
層が感度を有しているスペクトル領域の電磁波を用いて
露光できる。光源としては、自然光(日光)、タングス
テン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素ア
ーク灯、キセノンフラッシュ灯、陰極線管フライングス
ポット、各種レーザー光、発光ダイオード光、電子線、
X線、γ線、α線などによって励起された蛍光体から放
出する光等のいずれをも用いることができる。
露光時間は通常カメラで用いられる1ミリ秒から1秒の
露光時間は勿論、1マイクロ秒より短い露光、例えば陰
極線管やキノセン閃光灯を用いて100ナノ秒〜1マイク
ロ秒の露光を用いることもできるし、1秒以上より長い
露光も可能である。該露光は連続的に行われても、間欠
的に行われてもよい。
本発明の感光材料の現像処理には、各種のカラー現像を
用いることができる。また、反転法でカラー画像を形成
してもよい。反転法を用いる場合は、黒白ネガ現像工程
を行い、定着処理工程をせず白色露光を与えるか、かぶ
り剤を含有する浴で処理し更にカラー現像処理を行う。
(白色露光を与える処理工程、又はかぶり剤で処理する
工程が発色現像処理工程と同じであってもよい。) 各処理工程は、通常感光材料を処理液中に浸漬すること
により行うが、その他の方法、例えば処理液を噴霧状に
供給するスプレー方式、処理液を含浸させた担体と接触
させ処理を行うウエッブ方式、粘稠現像処理を行う方法
等を用いてもよい。
カラー現像処理として、発色現像処理工程、漂白処理工
程、定着処理工程、必要に応じて水洗処理工程、及び/
または安定化処理工程を行うが、漂白液を用いた処理工
程と定着液を用いた処理工程の代わりに、一浴漂白定着
液を用いて、漂白定着処理工程を行うこともできるし、
発色現像、漂白、定着を一浴中で行うことができる一浴
現像漂白定着処理液を用いたモノバス処理工程を行うこ
ともできる。
これらの処理工程に組み合わせて前硬膜処理工程、その
中和工程、停止定着処理工程、後硬膜処理工程を行って
もよい。これら処理において発色現像処理工程の代わり
に発色現像主薬、またはそのプレカーサーを感光材料中
に含有させておき現像処理をアクチベーター液で行うア
クチベーター処理工程を行ってもよいし、モノバス処理
に代えてアクチベーター処理と漂白、定着処理と同時に
行ってもよい。これらの処理中代表的な処理を以下に示
す。(これらの処理は最終工程として、水洗処理工程、
水洗代替安定化処理工程、水洗処理工程を伴う安定化処
理工程のいずれかを行う。) ・発色現像処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・発色現像処理工程−漂白定着処理工程 ・前硬膜処理工程−中和処理工程−発色現像処理工程−
停止定着処理工程−水洗処理工程−漂白処理工程−定着
処理工程−水洗処理工程−後硬膜処理工程 ・発色現像処理工程−水洗処理工程−補足発色現像処理
工程−停止処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・モノバス処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白処理工程−定着処理工
程 これらの処理以外に発色現像によって生じた現像銀をハ
ロゲネーションブリーチした後、再度発色現像を施す方
法や、特開昭58−154839号に記載の各種の補力処理(ア
ンプ処理)等、生成色素量を増加させる現像方法を用い
て処理してもよい。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例1 A.比較乳剤I−1の調整 A相(内部核)用沃臭化銀粒子の調整 水1中にゼラチン30g、臭化カリウム8g、0.1%3,4-ジ
メチル‐4-チアゾリン‐2-チオンのメタノール溶液80ml
を加え、75℃に保った容器内に攪拌しながら1あたり
硝酸銀250g含む水溶液(A液)800mlと、1あたり沃
化カリウム5gと臭化カリウム206gを含む水溶液(B液)
780mlをpBr1.41に保ちながら60分かけてダブルジェット
法により同時に添加した。かくして得られたハロゲン化
銀粒子は投影面積径で定義されたサイズ(以下同様)で
0.91μmであり、沃化銀を2モル%含む八面体沃臭化銀
粒子である。
C相(被覆層)の成長 前述ののA相乳剤を銀量にして34g分と水790ml、ゼラ
チン15g、0.1%3,4-ジメチル‐4-チアゾリン‐2-チオン
のメタノール溶液80mlを混合し、75℃に保った容器内に
攪拌しながら0.64N AgNO3溶液650mlと1.09N KBr溶液650
mlをpBr1.41に保ちながら50分かけてダブルジェット法
により、同時に添加した。かくして得られたハロゲン化
銀粒子は平均直径が1.45μmの単分散八面体粒子であ
り、構造的にはA相と純臭化銀のC相から成るコアシェ
ル構造となっている。
この様にして得られたハロゲン化銀乳剤に銀1モルあた
り塩化金酸6×10-6モル、チオ硫酸ソーダ1.3×10-5
ルを添加し、60℃で60分間化学熟成をほどこしたのち、
4-ヒドロキシ‐6-メチル‐1,3,3a,7-テトラザインデン
を3×10-3添加した。
B 比較乳剤II−1、本発明の乳剤II−2〜II−7の調
整 調整法は比較試料I−1と同等であるが、C相の成長に
移る前にA相乳剤の銀量34gに対し、75℃でKI水溶液100
mlを十分攪拌しながら10分かけて添加してB相を導入
し、しかる後、純臭化銀のC相(第2被覆層)を設けて
1.45μmの単分散八面体粒子を得た。用いたKIの量を10
0ml水溶液あたり0.1g、0.2g、0.3g、0.4g、1.0g、2.0g
としてそれぞれ試料II−1、II−2、II−3、II−4、
II−5、II−6とした。ただし、化学熟成以下の工程条
件は、比較乳剤I−1と同一である。
沃素イオンによる置換法でB相(第1被覆相)を導入し
た沃臭化銀の調整 C 比較乳剤I−2の調整 沃臭化銀のC相(被覆層)の成長 比較乳剤I−1ので調整されたA相に、更に比較乳剤
I−1ののC相の成長に用いた1.09N KBr溶液の代り
に1.09N KBr溶液650mlにKI3.3gを混合した溶液を用いて
C相を成長させ、A相、C相ともに沃化銀の含有率を均
一な2モル%とした以外は比較試料Iと全く同様の方法
で、1.4μm八面体の比較試料を得た。
C 沃化銀のB相(第1被覆層)を導入した本発明の沃
臭化銀乳剤II−7〜II−11の調整 調整法は上述の比較乳剤I−2と同様であるがC相の成
長に移る前に銀量34gのA相乳剤に対して濃度の異なるK
I水溶液100mlを75℃で10分間同時に添加し、さらにA相
と同一組成の沃臭化銀C相を成長させた。このようにし
て、粒子サイズ1.4μmの単分散八面体ハロゲン化銀粒
子が得られた。化学増感は比較乳剤I−1と同一条件で
行い乳剤II−7〜II−11を作成した。
E 本発明の乳剤II−12〜II−16及び比較乳剤I−3の
調整 水1中にゼラチン30g、臭化カリウム0.4g、25%のア
ンモニア水30mlを加え、50℃に保った容器内に、攪拌し
ながら1あたり硝酸銀250g含む水溶液(A液)13mlと
1あたり臭化カリウム180gを含む水溶液(B液)13ml
を1分間で同時に添加したのち、A液187mlに対して、
B液をpBr=2.44に保つために、電位制御法により同時
に添加した(A相すなわち内部核)。続いて沃化カリウ
ム水溶液200mlを十分攪拌しながら20分かけて添加して
B相(第1被覆層)を導入し、しかる後にA相と同様の
工程でC相(第2被覆層)を設けて、1.66μmのA相と
C相とからなる単分散立方体粒子を得た。B相に用いた
KIの量を200ml水溶液あたり0.05g、0.1g、0.2g、0.3g、
0.4gと変えた、それぞれ乳剤II−12〜II−16とした。ま
た比較用乳剤としてこのKI溶液添加を行わない乳剤を調
整した(比較試料I−3)。この様にして得られたハロ
ゲン化銀乳剤に銀1モルあたり塩化金酸1.9×10-6
ル、チオ硫酸ソーダ4×10-5モルを添加し、55℃で60分
間化学熟成をほどこしてある。
F 本発明の乳剤II−17〜II−19の調整 比較乳剤I−1と同様にA相(内部核)用沃臭化銀粒子
を調整した。但し添加時間を調整し、サイズを0.47μm
とした後、KBr+KIの水溶液と、KBr+KIと当量のAgNO3
水溶液を電位制御法により同時添加し、銀量にしてすべ
て65モル%のB相(第1被覆層)を導入した。その際KI
とKBrの比率を変化させた。各々の乳剤について、比較
乳剤I−2と同様にC相(被覆相)を形成し、又化学熟
成以下の工程を行い、乳剤II−17〜II−19を調整した。
但し添加時間を調整し、C相が銀量にしてすべて31.3モ
ル%となるようにした。ここで用いたハロゲン化銀粒子
はサイズ1.4μmの単分散八面体であった。
G 比較乳剤V−1及び本発明の乳剤II−20〜II−23の
調整 水1中にゼラチン30g、臭化カリウム8g、0.1%3,4-ジ
メチル‐4-チアゾリン‐2-チオンのメタノール溶液80ml
を加え、75℃に保った容器内に、攪拌しながら1あた
り硝酸銀250g含む水溶液(A液)200mlと、1あたり
沃化カリウム5gと臭化カリウム206gを含む水溶液(B
液)200mlを16分間かけてダブルジェット法により同時
に添加した(A相すなわち、内部核)。つづいてKI水溶
液100mlを十分攪拌しながら10分かけて添加しB相すな
わち、第1被覆層を導入し、しかる後、A液600mlとB
液600mlを45分かけてダブルジェット法により同時に添
加した(C相すなわち第2被覆層)。かくして得られた
ハロゲン化銀粒子0.91μmの八面体沃臭化銀粒子であ
る。B相形成に用いたKIの量を100ml水溶液あたり0.1
g、0.2g、0.4g、0.8g、1.6gと変えて、それぞれ乳剤II
−20〜II−23とした。また、この沃素の導入を行わない
ものを比較乳剤I−4用乳剤とした。ただし化学熟成以
下の工程条件は比較乳剤I−1と略同等であるが、化学
熟成時に、銀1モルあたり、塩化金酸1.2×10-5モル、
チオ硫酸ソーダ2.6×10-5を用いた。
H 試料の作成 ポリエチレンフタレートフィルム支持体上に、下記に示
すような組成の2層よりなるカラー感光材試料を当業界
公知の方法に従い作成した。
第1層 沃臭化銀乳剤 表記載の乳剤 塗布銀量2.2g/m2 カプラー 表記載のカプラー 0.25g/m2 DIR化合物1 銀1モルに対して 6×10-4モル (具体例で示したY−ナンバーのカプラーを用いたとき
はカラードカプラーを用いない。M−ナンバーのカプラ
ーを用いたときはカラードカプラーとしてCM−1を用
い、C−ナバーのカプラーを用いたときはカラードカプ
ラーとしてCC−1を用いる。添加量はいずれも銀1モル
に対して2.8×10-3モルである。) 第2層 ゼラチン層 乾燥膜厚 0.8μm DIR化合物1 各層には上記組成部分の他に、ゼラチン硬化剤や界面活
性剤を添加した。
また、試料を作るのに用いた化合物は以下の通り。
増感色素I:アンヒドロ‐5,5′‐ジクロロ‐3,3′‐ジ‐
(γ‐スルホプロピル)‐9-エチル‐チアカルボシアニ
ンヒドロキサイド・ピリジウム塩 増感色素II:アンヒドロ‐9-エチル‐3,3′‐ジ‐(γ‐
スルホプロピル)‐4,5,4′,5′‐ジメンゾチアカルボ
シアニンヒドロキサイド・トリエチルアミン塩 ゼラチン硬化剤 これらの試料1〜8を通常の方法でそれぞれウエッジ露
光または正弦波露光をしたのち下記の現像処理を行っ
た。
処理工程(38℃) 処理時間 発色現像 3分15秒 漂白 6分30秒 水洗 3分15秒 定着 6分30秒 水洗 3分15秒 安定浴 1分30秒 各処理工程において使用した処理液の組成は下記の如く
であった。
[発色現像液] 4-アミノ‐3-メチル‐N-エチル ‐N-(β‐ヒドロキシエチル)‐ アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ソーダ 4.25g ヒドロキシアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロトリ酢酸3ナトリウム塩 (1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1とし、水酸化カリウムを用いてpH10.0に
調整する。
[漂白液組成] エチレンジアミンテトラ酢酸鉄 アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2 アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH6.0に調
整する。
[定着液組成] チオ硫酸アンモニウム50%水溶液 162ml 無水亜硫酸ナトリウム 12.4g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH6.5に調整する。
[安定液組成] ホルマリン37%水溶液 5.0ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
得られたマゼンタ色素画像の濃度をマゼンタフィルター
を通じ濃度測定し、かぶり、相対感度(S)及び最高濃
度(Dmax)を算出し、得られた結果を表6〜10に示し
た。
なお、画像の鮮鋭性の改良効果の検出はMTF(Modulatio
n Transfer Function)を求め空間周波数が30本/mmでの
MTFの大きさを比較することにより行った。
RMS;色素画像濃度がDmin+0.8の色素画像を円形走査口
径が25μmのマイクロデンシトメーターで走査した時に
生じる濃度値の変動の標準偏差の1000倍値を示した。
ここで 表6〜10から明らかなように、本発明によれば粒状性、
鮮鋭性ともに改良されることがわかる。
実施例2 実施例1の表4記載の乳剤II−17ないし19に準じ、C相
のAgI量だけを下記表11のように変化させて同表記載の
乳剤を作成した。
更に、表9記載の試料作成に準じた方法で、下記表12記
載の試料を作成し、同様な評価方法で評価し、同表に示
した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤層中に存在する
    感光性ハロゲン化銀粒子の10%(重量)以上が臭化銀も
    しくは沃臭化銀からなる内部核、該内部核の外側に沃化
    銀もしくは沃臭化銀からなる沃化銀含有率が10モル%以
    上の第1被覆層および該第1被覆層の外側に更に臭化銀
    もしくは該第1被覆層とはハロゲン組成の異なった沃臭
    化銀からなる沃化銀含有率が5モル%以下の第2被覆層
    からなる、投影面積径と厚みとの比が5未満のハロゲン
    化銀粒子において、 (1)第1被覆層の沃素含有率が内部核の沃素含有率よ
    りも10モル%以上多く、 (2)粒子全体に対して第1被覆層の銀の占める割合が
    0.01〜90モル%であり 該ハロゲン化銀乳剤層中に発色現像主薬の酸化生成物と
    反応して適度に色素がにじむ拡散性色素を生成する非拡
    散性カプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
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