JPH0711629B2 - 光走査トンネル顕微鏡 - Google Patents
光走査トンネル顕微鏡Info
- Publication number
- JPH0711629B2 JPH0711629B2 JP1230210A JP23021089A JPH0711629B2 JP H0711629 B2 JPH0711629 B2 JP H0711629B2 JP 1230210 A JP1230210 A JP 1230210A JP 23021089 A JP23021089 A JP 23021089A JP H0711629 B2 JPH0711629 B2 JP H0711629B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- optical scanning
- tunneling microscope
- scanning tunneling
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料の内部において光が全反射したときに試
料表面に生じるエバネッセント波をピックアップを走査
することによって検出して、高解像度で試料を非接触、
非破壊で観察することができる光走査トンネル顕微鏡に
関する。
料表面に生じるエバネッセント波をピックアップを走査
することによって検出して、高解像度で試料を非接触、
非破壊で観察することができる光走査トンネル顕微鏡に
関する。
LB膜(ラングミアブロジェット膜)等の有機薄膜は、光
エレクトロニクス、特に光交換機への応用のための高速
光変調器、光論理素子、波長変換素子として有望であ
り、近年その研究が世界的に急速に進められている。ま
た、バイオテクノロジーにおいて、生体細胞膜のゲート
機構の解明、バイオリアクターの研究等が精力的に進め
られている。さらに、半導体素子、光ディスク表面の光
の波長以下の溝、ピットの構造を観察する必要性も高ま
っている。これらの研究のためには、膜面に生じる10nm
程度の開口の有無、数等を非接触、非破壊で検出する技
術の確立が必要である。ところで、従来、試料に電流を
流してその表面に生じるトンネル電流を検出して試料を
電気的に高解像度で観察する走査トンネル顕微鏡は公知
である。しかし、この電気的な走査トンネル顕微鏡は試
料に電流を流すので、試料を非破壊で検出することはで
きない。特に、生体細胞膜等の観察においては、この点
は決定的に不利である。これとは別に、試料の内部にお
いて光が全反射したときに試料表面に生じるエバネッセ
ント波をピックアップを走査することによって検出し
て、試料を高解像度で非接触、非破壊で観察する超解像
顕微法又は光走査トンネル顕微鏡が、1980年代初頭に提
案され、地道に研究が継続されてきた。しかしながら、
現在の分解能は100nm程度であり(例えば、Phys.Rev.B,
Vol.39,No.1,pp.767〜770参照)、上記のような10nm程
度の高解像度を得るためには、未だ不充分である。
エレクトロニクス、特に光交換機への応用のための高速
光変調器、光論理素子、波長変換素子として有望であ
り、近年その研究が世界的に急速に進められている。ま
た、バイオテクノロジーにおいて、生体細胞膜のゲート
機構の解明、バイオリアクターの研究等が精力的に進め
られている。さらに、半導体素子、光ディスク表面の光
の波長以下の溝、ピットの構造を観察する必要性も高ま
っている。これらの研究のためには、膜面に生じる10nm
程度の開口の有無、数等を非接触、非破壊で検出する技
術の確立が必要である。ところで、従来、試料に電流を
流してその表面に生じるトンネル電流を検出して試料を
電気的に高解像度で観察する走査トンネル顕微鏡は公知
である。しかし、この電気的な走査トンネル顕微鏡は試
料に電流を流すので、試料を非破壊で検出することはで
きない。特に、生体細胞膜等の観察においては、この点
は決定的に不利である。これとは別に、試料の内部にお
いて光が全反射したときに試料表面に生じるエバネッセ
ント波をピックアップを走査することによって検出し
て、試料を高解像度で非接触、非破壊で観察する超解像
顕微法又は光走査トンネル顕微鏡が、1980年代初頭に提
案され、地道に研究が継続されてきた。しかしながら、
現在の分解能は100nm程度であり(例えば、Phys.Rev.B,
Vol.39,No.1,pp.767〜770参照)、上記のような10nm程
度の高解像度を得るためには、未だ不充分である。
したがって、本発明は、上記した従来の光走査トンネル
顕微鏡の問題点を解決して、高分解能、高感度の光走査
トンネル顕微鏡を提供することを第1の目的としてお
り、 ついで、試料の局所的な分光特性の分析が可能な高分解
能の光走査トンネル顕微鏡を提供することを第2の目的
としている。
顕微鏡の問題点を解決して、高分解能、高感度の光走査
トンネル顕微鏡を提供することを第1の目的としてお
り、 ついで、試料の局所的な分光特性の分析が可能な高分解
能の光走査トンネル顕微鏡を提供することを第2の目的
としている。
本発明の前提となる光走査トンネル顕微鏡は、試料内部
における光の全反射によってその表面に生じるエバネッ
セント波を、ピックアップを試料表面に沿って非接触で
走査することによって検出して、試料の像を高解像度、
非接触、非破壊で得る光走査トンネル顕微鏡である。
における光の全反射によってその表面に生じるエバネッ
セント波を、ピックアップを試料表面に沿って非接触で
走査することによって検出して、試料の像を高解像度、
非接触、非破壊で得る光走査トンネル顕微鏡である。
そして、本発明の第1の発明の光走査トンネルの顕微鏡
は、ピックアップとして、光ファイバーのコアの先端を
選択エッチングにより円錐状に尖鋭化し、その表面に金
属コーテングを施し、プラズマエッチングによって尖鋭
化した円錐先端部のコーテングを除去してなるピックア
ップを用いたことを特徴とするものである。
は、ピックアップとして、光ファイバーのコアの先端を
選択エッチングにより円錐状に尖鋭化し、その表面に金
属コーテングを施し、プラズマエッチングによって尖鋭
化した円錐先端部のコーテングを除去してなるピックア
ップを用いたことを特徴とするものである。
第2の発明の光走査トンネル顕微鏡は、ピックアップを
複数個並列して試料に近接させ、各ピックアップを試料
に沿って相互に連関して一定の関係で駆動し、開口合成
法により超解像を得るように構成したことを特徴とする
ものである。
複数個並列して試料に近接させ、各ピックアップを試料
に沿って相互に連関して一定の関係で駆動し、開口合成
法により超解像を得るように構成したことを特徴とする
ものである。
第3の発明の光走査トンネル顕微鏡は、エバネッセント
波の検出を、ピックアップによって検出された光とこの
光と僅かに異なる周波数を有する参照光とを混合してヘ
テロダイン検波を行うか、フォトンカウンティングの手
法を用いることによって検出するように構成したことを
特徴とするものである。
波の検出を、ピックアップによって検出された光とこの
光と僅かに異なる周波数を有する参照光とを混合してヘ
テロダイン検波を行うか、フォトンカウンティングの手
法を用いることによって検出するように構成したことを
特徴とするものである。
第4の発明の光走査トンネル顕微鏡は、試料を照明する
光の波長を可変に構成したことを特徴とするものであ
る。
光の波長を可変に構成したことを特徴とするものであ
る。
さらに、本発明には、これら個々の発明を組み合わして
なる光走査トンネル顕微鏡が含まれる。
なる光走査トンネル顕微鏡が含まれる。
第1の発明においては、ピックアップとして、光ファイ
バーのコアの先端を選択エッチングにより円錐状に尖鋭
化し、その表面に金属コーテングを施し、プラズマエッ
チングによって尖鋭化した円錐先端部のコーテングを除
去してなるピックアップを用いたので、先端開口の面積
が50nm以下となり、解像度が大幅に向上する。
バーのコアの先端を選択エッチングにより円錐状に尖鋭
化し、その表面に金属コーテングを施し、プラズマエッ
チングによって尖鋭化した円錐先端部のコーテングを除
去してなるピックアップを用いたので、先端開口の面積
が50nm以下となり、解像度が大幅に向上する。
第2の発明においては、ピックアップを複数個並列して
試料に近接させ、各ピックアップを試料に沿って相互に
連関して一定の関係で駆動し、開口合成法により超解像
を得るように構成したので、単一のピックアップを用い
る場合に比較して解像度が向上する。
試料に近接させ、各ピックアップを試料に沿って相互に
連関して一定の関係で駆動し、開口合成法により超解像
を得るように構成したので、単一のピックアップを用い
る場合に比較して解像度が向上する。
第3の発明においては、エバネッセント波の検出を、ピ
ックアップによって検出された光とこの光と僅かに異な
る周波数を有する参照光とを混合してヘテロダイン検波
を行うか、フォトンカウンティングの手法を用いること
によって検出するように構成したので、検出感度が向上
し、そのため解像度も向上する。
ックアップによって検出された光とこの光と僅かに異な
る周波数を有する参照光とを混合してヘテロダイン検波
を行うか、フォトンカウンティングの手法を用いること
によって検出するように構成したので、検出感度が向上
し、そのため解像度も向上する。
第4の発明においては、試料を照明する光の波長を可変
に構成したので、試料成分の顕微分光分析ができる。
に構成したので、試料成分の顕微分光分析ができる。
本発明の実施例を説明する前に、光走査トンネル顕微鏡
の原理を簡単に説明する。第1図において、表面に極微
細な凹凸形状を有する試料1表面にその内部から臨界角
以上の入射角で光2を当てると、光2は試料表面で全反
射をして試料1の外へは出てこないが、試料1の表面上
には距離に応じて急速に減衰するエバネッセント波3が
生ずる。このとき、試料1表面に光ファイバーからなる
ピックアップ4を近接させると、エバネッセント波3の
強度に応じて光の一部が結合され、ピックアップ4の他
端から光が検出される。したがって、ピックアップ4を
試料1の表面に沿って相対的に走査すると、試料1表面
の凹凸形状に応じてピックアップ4先端から試料1表面
までの距離が変化するので、ピックアップ4の他端から
検出される光強度は変化する。この強度変化が試料1表
面の凹凸形状を表しているので、この強度変化を走査と
同期して2次元的に表示することで、試料1の表面形状
の画像を得ることができる。
の原理を簡単に説明する。第1図において、表面に極微
細な凹凸形状を有する試料1表面にその内部から臨界角
以上の入射角で光2を当てると、光2は試料表面で全反
射をして試料1の外へは出てこないが、試料1の表面上
には距離に応じて急速に減衰するエバネッセント波3が
生ずる。このとき、試料1表面に光ファイバーからなる
ピックアップ4を近接させると、エバネッセント波3の
強度に応じて光の一部が結合され、ピックアップ4の他
端から光が検出される。したがって、ピックアップ4を
試料1の表面に沿って相対的に走査すると、試料1表面
の凹凸形状に応じてピックアップ4先端から試料1表面
までの距離が変化するので、ピックアップ4の他端から
検出される光強度は変化する。この強度変化が試料1表
面の凹凸形状を表しているので、この強度変化を走査と
同期して2次元的に表示することで、試料1の表面形状
の画像を得ることができる。
以上が、本発明の光走査トンネル顕微鏡の原理である
が、この説明から明らかなように、顕微鏡の分解能はピ
ックアップ4の先端の光結合領域の面積に依存する。ま
た、検出感度は、エバネッセント波によって取り出せる
光強度が非常に小さく、バックグラウンド光がノイズに
なるので、通常の光電変換による光検出では不充分であ
る。
が、この説明から明らかなように、顕微鏡の分解能はピ
ックアップ4の先端の光結合領域の面積に依存する。ま
た、検出感度は、エバネッセント波によって取り出せる
光強度が非常に小さく、バックグラウンド光がノイズに
なるので、通常の光電変換による光検出では不充分であ
る。
したがって、本発明においては、先ず第1に、光ファイ
バーからなるピックアップ4の先端を特別な製造方法に
より製作する。すなわち、第2図において、クラッド7
の外形125μm、コア6の直径10μmの単一モードゲル
マニウムドープシリコン光ファイバー5の先端を直角に
切断して(図の(a))、その先端を弗酸液に浸すと、
クラッド7の方が溶け易いので図(b)に示すように最
初に選択的にエッチングされてなくなり、さらにエッチ
ングが進むと図の(c)のようにコア6の溶解も始ま
り、図(d)に示すようにコア6先端が円錐状に尖って
くる。このようにして、図の角度θが45゜、コア先端の
曲率半径が約40nmのものが得られる。次いで、このよう
にして尖鋭化された光ファイバー5の先端部を、図の
(e)に示すように、金とクロムのコーテング8を施
し、プラズマエッチング装置の中でエッチングすると、
図の(f)に示したように円錐状の先端に先ず穴があ
く。この段階でエッチングを終了すると図の直径aが50
nmの窓が形成される。
バーからなるピックアップ4の先端を特別な製造方法に
より製作する。すなわち、第2図において、クラッド7
の外形125μm、コア6の直径10μmの単一モードゲル
マニウムドープシリコン光ファイバー5の先端を直角に
切断して(図の(a))、その先端を弗酸液に浸すと、
クラッド7の方が溶け易いので図(b)に示すように最
初に選択的にエッチングされてなくなり、さらにエッチ
ングが進むと図の(c)のようにコア6の溶解も始ま
り、図(d)に示すようにコア6先端が円錐状に尖って
くる。このようにして、図の角度θが45゜、コア先端の
曲率半径が約40nmのものが得られる。次いで、このよう
にして尖鋭化された光ファイバー5の先端部を、図の
(e)に示すように、金とクロムのコーテング8を施
し、プラズマエッチング装置の中でエッチングすると、
図の(f)に示したように円錐状の先端に先ず穴があ
く。この段階でエッチングを終了すると図の直径aが50
nmの窓が形成される。
このようにして形成された光ファイバーピックアップ4
の先端を、第3図に示すように、直角プリズム10の斜面
に載せた試料1表面に近接させるように配置する。ピッ
クアップ4の他端にフォトマルチプライヤー(PM)13を
取付け、これらを共にX−Yドライブステージ14にて試
料1に沿って走査可能に配置する。レーザ11から出た単
色光を、ビーム拡大器12で断面を拡大して直角プリズム
10の直角を構成する1面から試料1の表面に入射させて
全反射させる。光ファイバーピックアップ4の先端に結
合されたエバネッセント波はPM13で光電変換されて画像
信号となり、表示回路16に入力する。一方、X−Yドラ
イブステージ14はX−Yドライバ回路15からの走査信号
によって所望の走査を行う。この走査信号は表示回路16
へも送られ、上記画像信号の同期信号として用いられ、
CRTディスプレー17上に試料1の超微細表面形状を形成
する。このようにして得られた画像の解像度は100nmよ
り小さく、本発明に基づく光走査トンネル顕微鏡は従来
のものより優れていることがわかる。
の先端を、第3図に示すように、直角プリズム10の斜面
に載せた試料1表面に近接させるように配置する。ピッ
クアップ4の他端にフォトマルチプライヤー(PM)13を
取付け、これらを共にX−Yドライブステージ14にて試
料1に沿って走査可能に配置する。レーザ11から出た単
色光を、ビーム拡大器12で断面を拡大して直角プリズム
10の直角を構成する1面から試料1の表面に入射させて
全反射させる。光ファイバーピックアップ4の先端に結
合されたエバネッセント波はPM13で光電変換されて画像
信号となり、表示回路16に入力する。一方、X−Yドラ
イブステージ14はX−Yドライバ回路15からの走査信号
によって所望の走査を行う。この走査信号は表示回路16
へも送られ、上記画像信号の同期信号として用いられ、
CRTディスプレー17上に試料1の超微細表面形状を形成
する。このようにして得られた画像の解像度は100nmよ
り小さく、本発明に基づく光走査トンネル顕微鏡は従来
のものより優れていることがわかる。
ところで、このようにして得られる画像光は極微弱で、
バックグラウンド光から分離できず、結果的に分解能が
悪くなる場合がある。そこで、本発明においては、ま
ず、検出されるエバネッセント光と参照光との間でヘテ
ロダイン検波を行うようにする。第4図において、レー
ザ11から出た周波数ωの光はハーフミラー18によって2
つに分けられ、一方の光は第3図の場合と同様に試料1
表面で全反射させられ、エバネッセント波になってピッ
クアップ4に結合される。分けられた他方の光は超音波
ドップラーシフター19によって周波数がωからω+Δω
に変換され、光ファイバー20を経て合波器21に入射し
て、ここでピックアップ4によって検出された微弱信号
光と混合して周波数Δωのビートを生じ、PM13によって
光電変換される。この信号はフィルター22を経て画像信
号となり、表示回路16に入力する。このように信号光を
ヘテロダイン検波すると、ヘテロダイン検波出力は参照
光にも比例するので、エバネッセント波による信号光の
強度が微弱であっても高感度で検出することができる。
したがって、本発明のような光解像度の光走査トンネル
顕微鏡には極めて有効な手段である。また、本発明にお
いては、ピックアップ4によって検出された極微弱光
を、光子の数として高感度で検出する所謂フォトンカウ
ンティングの手法を用いて、図示していない光電子増倍
管(フォトマルチプライヤー)により検出するようにす
ることもできる。
バックグラウンド光から分離できず、結果的に分解能が
悪くなる場合がある。そこで、本発明においては、ま
ず、検出されるエバネッセント光と参照光との間でヘテ
ロダイン検波を行うようにする。第4図において、レー
ザ11から出た周波数ωの光はハーフミラー18によって2
つに分けられ、一方の光は第3図の場合と同様に試料1
表面で全反射させられ、エバネッセント波になってピッ
クアップ4に結合される。分けられた他方の光は超音波
ドップラーシフター19によって周波数がωからω+Δω
に変換され、光ファイバー20を経て合波器21に入射し
て、ここでピックアップ4によって検出された微弱信号
光と混合して周波数Δωのビートを生じ、PM13によって
光電変換される。この信号はフィルター22を経て画像信
号となり、表示回路16に入力する。このように信号光を
ヘテロダイン検波すると、ヘテロダイン検波出力は参照
光にも比例するので、エバネッセント波による信号光の
強度が微弱であっても高感度で検出することができる。
したがって、本発明のような光解像度の光走査トンネル
顕微鏡には極めて有効な手段である。また、本発明にお
いては、ピックアップ4によって検出された極微弱光
を、光子の数として高感度で検出する所謂フォトンカウ
ンティングの手法を用いて、図示していない光電子増倍
管(フォトマルチプライヤー)により検出するようにす
ることもできる。
さらに、第5図に示すように、光ファイバーピックアッ
プ4を複数個並列して試料1に近接させ、各ピックアッ
プ4を、X−Yドライブ回路15からの信号に基づいてそ
れぞれのX−Yドライブステージ14により、相互に連関
して一定の関係で駆動し、演算回路23において、各ピッ
クアップ4及びPM13によってピックアップされた信号相
互の相関演算及び重み付け合成をして、開口合成法によ
り単一のピックアップ4による解像力では解像できない
超解像を得るようにすることもできる。
プ4を複数個並列して試料1に近接させ、各ピックアッ
プ4を、X−Yドライブ回路15からの信号に基づいてそ
れぞれのX−Yドライブステージ14により、相互に連関
して一定の関係で駆動し、演算回路23において、各ピッ
クアップ4及びPM13によってピックアップされた信号相
互の相関演算及び重み付け合成をして、開口合成法によ
り単一のピックアップ4による解像力では解像できない
超解像を得るようにすることもできる。
以上、本発明に基づく光走査トンネル顕微鏡の解像力、
感度を高める手段の実施例を説明してきたが、さらに本
発明においては試料1を照明するレーザ11からの波長を
可変に構成し、かつ、レーザ11から発振される光のスペ
クトル幅を狭くしてコヒーレンシーを高めて、例えば生
体膜の試料1の組成、含まれる物質の種類を高感度で分
析するようにすることもできる。すなわち、第6図に示
すようにして、試料1を照明するレーザ光源を波長可変
に構成する。レーザ11としては、波長が注入電流によっ
て変化する半導体レーザを用いる。半導体レーザ11より
発振された光はハーフミラー24により一部が分けられ、
点線のような光路を進ませる。この光路中には圧電素子
26によって共振長が変えられるファブリペロー共振器25
が挿入されており、この共振器25を透過した光はフォト
ダイオード27によって光電変換され、増幅器28を経て半
導体レーザ11へ帰還されるようになっている。圧電素子
26は光波長掃引装置29からの信号によって駆動され、フ
ァブリペロー共振器25の共振長を変化させるので、共振
器25を透過する光の波長はその長さに応じて変化する。
半導体レーザ11への帰還回路を、ファブリペロー共振器
25を透過する光の量が最大になるように構成することに
より、光波長掃引装置29からの信号を変化させて半導体
レーザ11から発振する光の波長を変化させることができ
る。また、ファブリペロー共振器25によって反射された
一部の光は、ハーフミラー24によって反射されて再び半
導体レーザ11へ戻り、半導体レーザ11から発振されるレ
ーザ光のスペクトル幅を狭くしてコヒーレンシーを高め
る作用をする(この戻り光がない場合にスペクトル幅が
10MHzであったものが10kHz程度に狭められる)。このよ
うにして、試料1の各波長毎の像を得ることができ、試
料1の組成を高感度で知ることができる。
感度を高める手段の実施例を説明してきたが、さらに本
発明においては試料1を照明するレーザ11からの波長を
可変に構成し、かつ、レーザ11から発振される光のスペ
クトル幅を狭くしてコヒーレンシーを高めて、例えば生
体膜の試料1の組成、含まれる物質の種類を高感度で分
析するようにすることもできる。すなわち、第6図に示
すようにして、試料1を照明するレーザ光源を波長可変
に構成する。レーザ11としては、波長が注入電流によっ
て変化する半導体レーザを用いる。半導体レーザ11より
発振された光はハーフミラー24により一部が分けられ、
点線のような光路を進ませる。この光路中には圧電素子
26によって共振長が変えられるファブリペロー共振器25
が挿入されており、この共振器25を透過した光はフォト
ダイオード27によって光電変換され、増幅器28を経て半
導体レーザ11へ帰還されるようになっている。圧電素子
26は光波長掃引装置29からの信号によって駆動され、フ
ァブリペロー共振器25の共振長を変化させるので、共振
器25を透過する光の波長はその長さに応じて変化する。
半導体レーザ11への帰還回路を、ファブリペロー共振器
25を透過する光の量が最大になるように構成することに
より、光波長掃引装置29からの信号を変化させて半導体
レーザ11から発振する光の波長を変化させることができ
る。また、ファブリペロー共振器25によって反射された
一部の光は、ハーフミラー24によって反射されて再び半
導体レーザ11へ戻り、半導体レーザ11から発振されるレ
ーザ光のスペクトル幅を狭くしてコヒーレンシーを高め
る作用をする(この戻り光がない場合にスペクトル幅が
10MHzであったものが10kHz程度に狭められる)。このよ
うにして、試料1の各波長毎の像を得ることができ、試
料1の組成を高感度で知ることができる。
以上、本発明の解像度、感度を高める手段、及び、分光
分析をする手段について、例をあげて説明してきたが、
本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の
変形、公知の手段との置き換えができることは明らかで
あろう。また、個々にあげた手段を組み合わせてシステ
ムを構成できることも明らかであろう。
分析をする手段について、例をあげて説明してきたが、
本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の
変形、公知の手段との置き換えができることは明らかで
あろう。また、個々にあげた手段を組み合わせてシステ
ムを構成できることも明らかであろう。
本発明の第1の発明においては、ピックアップとして、
光ファイバーのコアの先端を選択エッチングにより円錐
状に尖鋭化し、その表面に金属コーテングを施し、プラ
ズマエッチングによって尖鋭化した円錐先端部のコーテ
ングを除去してなるピックアップを用いたので、先端開
口の面積が50nm以下となり、解像度が大幅に向上するこ
とができる。
光ファイバーのコアの先端を選択エッチングにより円錐
状に尖鋭化し、その表面に金属コーテングを施し、プラ
ズマエッチングによって尖鋭化した円錐先端部のコーテ
ングを除去してなるピックアップを用いたので、先端開
口の面積が50nm以下となり、解像度が大幅に向上するこ
とができる。
第2の発明においては、ピックアップを複数個並列して
試料に近接させ、各ピックアップを試料に沿って相互に
連関して一定の関係で駆動し、開口合成法により超解像
を得るように構成したので、単一のピックアップを用い
る場合に比較して解像度が向上することができる。
試料に近接させ、各ピックアップを試料に沿って相互に
連関して一定の関係で駆動し、開口合成法により超解像
を得るように構成したので、単一のピックアップを用い
る場合に比較して解像度が向上することができる。
第3の発明においては、エバネッセント波の検出を、ピ
ックアップによって検出された光とこの光と僅かに異な
る周波数を有する参照光とを混合してヘテロダイン検波
を行うか、フォトンカウンティングの手法を用いること
によって検出するように構成したので、検出感度が向上
し、そのため解像度も向上することができる。
ックアップによって検出された光とこの光と僅かに異な
る周波数を有する参照光とを混合してヘテロダイン検波
を行うか、フォトンカウンティングの手法を用いること
によって検出するように構成したので、検出感度が向上
し、そのため解像度も向上することができる。
第4の発明においては、試料を照明する光の波長を可変
に構成したので、試料成分の顕微分光分析ができる。
に構成したので、試料成分の顕微分光分析ができる。
したがって、本発明の光走査トンネル顕微鏡は、LB膜
(ラングミアブロジェット膜)、半導体素子、光ディス
ク等の表面の微細形状観察、生体細胞膜のゲート機構解
明、バイオリアクターの研究等のための高解像度、非接
触、非破壊検出手段として、極めて有効なものである。
(ラングミアブロジェット膜)、半導体素子、光ディス
ク等の表面の微細形状観察、生体細胞膜のゲート機構解
明、バイオリアクターの研究等のための高解像度、非接
触、非破壊検出手段として、極めて有効なものである。
第1図は光走査トンネル顕微鏡の原理を説明するための
図、第2図は本発明の光走査トンネル顕微鏡において使
用する光ファイバーからなるピックアップの製造工程を
説明するための図、第3図は本発明の第1の発明の光走
査トンネル顕微鏡の1実施例の構成図、第4図はヘテロ
ダイン検波によって検出感度を上げる場合の構成図、第
5図は本発明の第2の発明の1実施例の構成図、第6図
は照明光の波長を可変にする場合の構成図である。 1:試料、2:照明光、3:エバネッセント波、4:ピックアッ
プ、5:光ファイバー、6:コア、7:クラッド、8:コーテン
グ、10:直角プリズム、11:レーザ、12:ビーム拡大器、1
3:フォトマルチプライヤー(PM)、14:X−Yドライブス
テージ、15:X−Yドライブ回路、16:表示回路、17:CRT
ディスプレー、18:ハーフミラー、19:超音波ドップラー
シフター、20:光ファイバー、21:合波器、22:フィルタ
ー、23:演算回路、24:ハーフミラー、25:ファブリペロ
ー共振器、26:圧電素子、27:フォトダイオード、28:増
幅器、29:光波長掃引装置
図、第2図は本発明の光走査トンネル顕微鏡において使
用する光ファイバーからなるピックアップの製造工程を
説明するための図、第3図は本発明の第1の発明の光走
査トンネル顕微鏡の1実施例の構成図、第4図はヘテロ
ダイン検波によって検出感度を上げる場合の構成図、第
5図は本発明の第2の発明の1実施例の構成図、第6図
は照明光の波長を可変にする場合の構成図である。 1:試料、2:照明光、3:エバネッセント波、4:ピックアッ
プ、5:光ファイバー、6:コア、7:クラッド、8:コーテン
グ、10:直角プリズム、11:レーザ、12:ビーム拡大器、1
3:フォトマルチプライヤー(PM)、14:X−Yドライブス
テージ、15:X−Yドライブ回路、16:表示回路、17:CRT
ディスプレー、18:ハーフミラー、19:超音波ドップラー
シフター、20:光ファイバー、21:合波器、22:フィルタ
ー、23:演算回路、24:ハーフミラー、25:ファブリペロ
ー共振器、26:圧電素子、27:フォトダイオード、28:増
幅器、29:光波長掃引装置
Claims (6)
- 【請求項1】試料内部における光の全反射によってその
表面に生じるエバネッセント波を、ピックアップを試料
表面に沿って非接触で走査することによって検出して、
試料の像を高解像度、非接触、非破壊で得る光走査トン
ネル顕微鏡において、ピックアップとして、光ファイバ
ーのコアの先端を選択エッチングにより円錐状に尖鋭化
し、その表面に金属コーテングを施し、プラズマエッチ
ングによって尖鋭化した円錐先端部のコーテングを除去
してなるピックアップを用いたことを特徴とする光走査
トンネル顕微鏡。 - 【請求項2】試料内部における光の全反射によってその
表面に生じるエバネッセント波を、ピックアップを試料
表面に沿って非接触で走査することによって検出して、
試料の像を高解像度、非接触、非破壊で得る光走査トン
ネル顕微鏡において、ピックアップを複数個並列して試
料に近接させ、各ピックアップを試料に沿って相互に連
関して一定の関係で駆動し、開口合成法により超解像を
得るように構成したことを特徴とする光走査トンネル顕
微鏡。 - 【請求項3】請求項1記載の光走査トンネル顕微鏡にお
いて、ピックアップを複数個並列して試料に近接させ、
各ピックアップを試料に沿って相互に連関して一定の関
係で駆動し、開口合成法により超解像を得るように構成
したことを特徴とする光走査トンネル顕微鏡。 - 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載の光
走査トンネル顕微鏡において、エバネッセント波の検出
を、ピックアップによって検出された光とこの光と僅か
に異なる周波数を有する参照光とを混合してヘテロダイ
ン検波を行うことによって検出するように構成したこと
を特徴とする光走査トンネル顕微鏡。 - 【請求項5】請求項1から3のいずれか1項に記載の光
走査トンネル顕微鏡において、エバネッセント波の検出
を、フォトンカウンティングの手法を用いて検出するよ
うに構成したことを特徴とする光走査トンネル顕微鏡。 - 【請求項6】請求項1から5のいずれか1項に記載の光
走査トンネル顕微鏡において、試料を照明する光の波長
を可変に構成したことを特徴とする光走査トンネル顕微
鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1230210A JPH0711629B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | 光走査トンネル顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1230210A JPH0711629B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | 光走査トンネル顕微鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0391710A JPH0391710A (ja) | 1991-04-17 |
JPH0711629B2 true JPH0711629B2 (ja) | 1995-02-08 |
Family
ID=16904297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1230210A Expired - Fee Related JPH0711629B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | 光走査トンネル顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711629B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1194859A (ja) * | 1997-09-18 | 1999-04-09 | Toshihiko Kataoka | 光共振器を利用した走査型近接場光学顕微鏡 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0763742B1 (en) * | 1994-05-31 | 2008-04-02 | Kanagawa Academy Of Science And Technology | Optical fiber and its manufacture |
JP2943655B2 (ja) * | 1995-04-27 | 1999-08-30 | 日本電気株式会社 | 光走査型顕微鏡用探針の製造方法 |
JP3706868B2 (ja) * | 1997-04-23 | 2005-10-19 | エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 | 光プローブおよび光プローブ製造方法および走査型プローブ顕微鏡 |
JP4522884B2 (ja) * | 2005-02-17 | 2010-08-11 | 株式会社資生堂 | 試料の光抽出性能の評価方法及び試料の光抽出性能の評価装置 |
FR2920538B1 (fr) * | 2007-09-04 | 2009-11-20 | Centre Nat Rech Scient | Dispositif de detection heterodyne pour l'imagerie d'un objet par retroinjection |
-
1989
- 1989-09-04 JP JP1230210A patent/JPH0711629B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1194859A (ja) * | 1997-09-18 | 1999-04-09 | Toshihiko Kataoka | 光共振器を利用した走査型近接場光学顕微鏡 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0391710A (ja) | 1991-04-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5894122A (en) | Scanning near field optical microscope | |
US5345306A (en) | Method and apparatus for measuring spectral absorption in an opaque specimen and method and apparatus for measuring the microscopic absorption distribution | |
US6687000B1 (en) | Photon-sorting spectroscopic microscope system | |
US8001830B2 (en) | High frequency deflection measurement of IR absorption | |
EP0394668B1 (en) | Apertureless near field optical microscopy | |
US6650420B2 (en) | Nanoscale vibrometric measurement apparatus and method | |
EP2470885B1 (de) | Photoakustischer sensor sowie verfahren zu seiner herstellung und verwendung | |
JP2823970B2 (ja) | 近接場走査光学顕微鏡 | |
CN1737536A (zh) | 五维荧光显微成像技术 | |
DE19615380A1 (de) | Abklingende Abtastung eines biochemischen Arrays | |
CN1912587A (zh) | 时间分辨荧光光谱测量和成像方法及其装置 | |
EP2321628A1 (de) | Photoakustischer gassensor und dessen verwendung | |
CN100346739C (zh) | 实时成像的光学相干内窥系统 | |
Sandtke et al. | Novel instrument for surface plasmon polariton tracking in space and time | |
JP2007248448A (ja) | 真珠や宝石の内部構造検査方法及び内部構造検査装置 | |
JP4009197B2 (ja) | 走査型近接場光学顕微鏡 | |
JPH0711629B2 (ja) | 光走査トンネル顕微鏡 | |
JP3047030B2 (ja) | 走査型近視野原子間力顕微鏡 | |
CN112557363B (zh) | 一种基于飞秒激光调制相位的单粒子快速识别方法 | |
JP2000081383A (ja) | 散乱型近接場顕微鏡 | |
US6417505B1 (en) | Near-field optical heterodyne measurement system using near-field fiber-optic probe | |
JPH10170522A (ja) | 光測定装置 | |
JPH0954099A (ja) | 走査型プローブ顕微鏡 | |
JP2004101425A (ja) | 散乱型近接場顕微鏡および散乱型近接場分光システム | |
JPH04136743A (ja) | 光音響信号検出方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |