JPH07116204A - 注射器処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用済みの注射器の廃棄処理を簡便に行う。 【構成】 注射器処理装置１内の注射器ホルダ部２は注
射器９を挟持し、加熱部３は注射器９先端の注射針１０
を挟持して加熱する。ハンマ４は加熱部３に挟持された
注射針１０の先端を潰す。ハンマ４によって注射針１０
の先端が潰された注射器９は注射器収納部５の注射器収
納穴６に収納される。注射器収納穴６すべてに注射器９
が収納された注射器収納部５はケース出入れ口８から取
出され、注射器９を収納したまま廃棄処理される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は注射器処理装置に関し、
特に使用済みの注射器先端の注射針を処理する注射器処
理装置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、注射器の処理においては、注射器
先端に取付けた注射針のみを交換して使用している。し
かしながら、近年、注射器等の医療廃棄物によるエイズ
や肝炎等の病気の感染が問題となってきており、注射器
自体がガラス製から安価で使い捨て可能なプラスティッ
ク製に変ってきている。

【０００３】上記の使い捨て可能なプラスティック製の
注射器でも、ガラス製の注射器のときと同様に注射針に
キャップを被せ、注射針を注射器本体から抜取って廃棄
処分する形をとっている。

【０００４】上記のプラスティック製の注射器では注射
針にキャップを被せるときの危険性を回避するために、
使用済みの注射針先端を加熱して鈍化及び酸化する装置
や注射針先端を切断破砕する装置、あるいは注射針先端
を溶断する装置等が提案されている。

【０００５】使用済みの注射針先端を加熱して鈍化及び
酸化する装置については特開平３−２９５５５５号公報
に詳述されている。また、注射針先端を切断破砕する装
置及び注射針先端を溶断する装置については、実開平１
−１３８４２３号のマイクロフィルム及び実開平３−０
２４１２７号のマイクロフィルムに夫々詳述されてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の注射針
処理装置では、使用済みの注射器が剥き出しの状態とな
るとき、あるいは注射針にキャップを被せて注射針を注
射器本体から抜取るときに誤って注射針に触れる可能性
がある。

【０００７】この問題を解決するために、注射針先端を
鈍化及び酸化したり、あるいは注射針先端を切断破砕ま
たは溶断したりしているが、使い捨て可能な注射器の注
射針先端を処理した後に、注射器全体を廃棄処理する
か、あるいは注射器と切断破砕または溶断した注射針先
端部とを別々に廃棄処理しなければならない。

【０００８】そこで、本発明の目的は上記問題点を解消
し、使用済みの注射器の廃棄処理を簡便に行うことがで
きる注射器処理装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による注射器処理
装置は、使用後の注射器先端の注射針を処理する注射器
処理装置であって、前記注射器を保持しかつ前記注射針
を所定位置に固定する保持部材と、前記保持部材に保持
された前記注射器先端の注射針を加熱する加熱手段と、
前記保持部材に保持された前記注射針の先端を潰す部材
と、前記注射針の先端が潰された注射器を収納する収納
部材とを備えている。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。

【００１１】図１は本発明の一実施例の斜視図である。
図において、注射器処理装置１内の注射器ホルダ部２は
矢印Ａの方向に移動自在となっており、矢印Ａの方向へ
の移動によって注射器９を挟持する。

【００１２】また、加熱部３は矢印Ｂの方向に移動自在
となっており、矢印Ｂの方向への移動によって注射器９
先端に取付けられた注射針１０を挟持するとともに、通
電されることで注射針１０を加熱する。

【００１３】ハンマ４は矢印Ｃの方向に移動自在となっ
ており、加熱部３に挟持された注射針１０側に移動した
ときの打撃力で注射針１０の先端を潰すことができる。
ハンマ４によって注射針１０の先端が潰された注射器９
は注射器収納部（ケース）５の注射器収納穴６内に収納
される。

【００１４】注射器収納部５には複数の注射器収納穴６
が同心円上に配置されており、注射器収納穴６に注射器
９が収納されると、駆動源７に駆動されて矢印Ｄの方向
に回転し、注射器９を収納していない注射器収納穴６が
注射器ホルダ部２及び加熱部３の直下まで移動する。

【００１５】注射器収納穴６すべてに注射器９が収納さ
れると、注射器収納部５はケース出入れ口８から取出さ
れて注射器９を収納したまま廃棄処理される。このよう
に、注射器９の注射針１０は注射器処理装置１内に一度
セットされると、処理する人間に触れることなく廃棄処
理されるので、注射針１０による病気の感染等を防止す
ることができる。

【００１６】図２は図１の注射器ホルダ部２及び加熱部
３の構成を示す斜視図である。図において、注射器ホル
ダ部２は注射器ホルダアーム２ａ，２ｂから構成され、
加熱部３はヒータ取付けアーム３ａ，３ｂから構成され
ている。

【００１７】注射器ホルダアーム２ａ，２ｂ各々の一端
には注射器９を挟持するための挟持部２ｃ，２ｄが設け
られており、ヒータ取付けアーム３ａ，３ｂ各々の一端
には注射針１０を加熱するためのヒータ３ｃ，３ｄが設
けられている。

【００１８】一方、注射器ホルダアーム２ａ及びヒータ
取付けアーム３ａ各々の他端は互いに連結棒１１ａで接
続され、注射器ホルダアーム２ｂ及びヒータ取付けアー
ム３ｂ各々の他端は互いに連結棒１１ｂで接続されてい
る。また、注射器ホルダアーム２ａ，２ｂの間及びヒー
タ取付けアーム３ａ，３ｂの間には夫々スプリング１４
ａ，１４ｂが配設されている。

【００１９】注射器ホルダアーム２ａ，２ｂ及びヒータ
取付けアーム３ａ，３ｂは支柱１２を支点にネジ１３に
よって半固定されており、通常、スプリング１４ａ，１
４ｂの付勢力によって注射器ホルダアーム２ａ，２ｂの
挟持部２ｃ，２ｄ及びヒータ取付けアーム３ａ，３ｂの
ヒータ３ｃ，３ｄが閉じた状態となっている。

【００２０】注射器９を注射器ホルダ部２及び加熱部３
にセットする場合には、連結棒１１ａ，１１ｂを互いに
近付けることで、挟持部２ｃ，２ｄ及びヒータ３ｃ，３
ｄを開く。

【００２１】この状態で、注射器９を挟持部２ｃ，２ｄ
の間に、注射針１０をヒータ３ｃ，３ｄの間に夫々差し
込んで連結棒１１ａ，１１ｂから指を放すと、スプリン
グ１４ａ，１４ｂの付勢力で注射器９が挟持部２ｃ，２
ｄの間で挟持され、注射針１０がヒータ３ｃ，３ｄの間
で挟持される。

【００２２】ハンマ４は取付金具１５，１６及びＬ型ア
ーム１７によって注射器処理装置１内の取付面（図示せ
ず）に取付けられている。ハンマ４は取付金具１５，１
６によって支えられたＬ型アーム１７の先端に取付けら
れている。注射器処理装置１外からＬ型アーム１７を矢
印Ｃの方向に回動すると、ハンマ４はＬ型アーム１７の
回動方向と同じ方向（矢印Ｃの方向）に回動される。

【００２３】よって、Ｌ型アーム１７の矢印Ｃの方向へ
の回動によってハンマ４がヒータ３ｃ，３ｄ側に回動さ
れると、ヒータ３ｃ，３ｄの間に挟持された注射針１０
の先端がハンマ４によって叩かれる。これによって、注
射針１０は先端が潰されて鈍化される。

【００２４】図３及び図４は図２の連結棒１１ａによる
注射器ホルダ部２及び加熱部３の連結状態を示す図であ
る。これらの図において、連結棒１１ａ，１１ｂは夫々
ブッシュ１８ａ〜１８ｄ（ブッシュ１８ｃ，１８ｄは図
示せず）を介してワッシャ１９ａ〜１９ｄ及びネジ２０
ａ〜２０ｄによって注射器ホルダアーム２ａ，２ｂの他
端及びヒータ取付けアーム３ａ，３ｂの他端に取付けら
れている。

【００２５】尚、注射針１０の太さを一定とすると、連
結棒１１ａ，１１ｂは注射器ホルダ部２に挟持する注射
器９の太さによって左右が平行とはならず、太くなるほ
ど連結棒１１ａ，１１ｂの上端が互いに接近するように
なる（図４参照）。

【００２６】このとき、連結棒１１ａ，１１ｂの上端が
上方に移動する動きをするので、ブッシュ１８ｂ，１８
ｄが入る穴も上方に少し引かれる動きをする。そのた
め、ブッシュ１８ｂ，１８ｄが入る穴を長穴２１ａ，２
１ｂとすることで、このときブッシュ１８ｂ，１８ｄに
加わる力を逃がしている。

【００２７】図５は図１の注射器収納部５の平面図であ
る。図において、注射器収納部５には複数の注射器収納
穴６が同心円上に配置されている。注射器収納穴６各々
は注射器収納部５に対して隣合うもの同士の角度がαと
なるように配置されている。

【００２８】したがって、駆動源７は１回の駆動で注射
器収納部５が角度αだけ回転するように制御されてい
る。これによって、注射器収納穴６に注射器９が収納さ
れると、駆動源７の１回の駆動によってその注射器収納
穴６の隣のまだ未収納の注射器収納穴６が注射器ホルダ
部２及び加熱部３の直下まで移動する。

【００２９】図６は図１の注射器収納部５及び駆動源７
の結合状態を示す図である。図において、注射器収納部
５には注射器収納部５を回転駆動するための穴２６が設
けられており、この穴２６に受け台２４に取付けられた
ピン２５が嵌合するようになっている。

【００３０】受け台２４は駆動源７の駆動軸２７に接続
されており、駆動軸２７を介して伝達されてきた駆動源
７からの駆動力を注射器収納部５に伝達する。この場
合、駆動源７が一回駆動されると、注射器収納部５は角
度αだけ回動するようになっている。

【００３１】また、注射器収納部５には上述した処理に
よって注射針１０の先端が潰された注射器９を収納する
ための注射器収納穴６が複数配設されている。これら複
数の注射器収納穴６すべてに注射器９が収納されると、
注射器収納部５はケース出入れ口８から取出され、注射
器収納穴６各々の開口部がシート２２によって封止され
る。

【００３２】このシート２２による注射器収納穴６各々
の開口部の封止によって、注射器収納穴６からの注射器
９の飛び出しを防ぐことができる。尚、シート２２の裏
面には接着剤が塗布されているので、シート２２が注射
器収納部５から剥がれることはない。そのため、シート
２２には注射器収納部５上部から剥がすための剥離用穴
２３が設けられている。

【００３３】このように、使用後の注射器９及びその注
射針１０を注射器ホルダ部２及び加熱部３で所定位置に
固定し、その注射針１０を加熱部３で加熱した後にハン
マ４で注射針１０の先端を潰してから注射器収納部５に
収納することによって、注射器９及びその注射針１０を
注射器ホルダ部２及び加熱部３に一度セットしてしまえ
ば、注射器９及びその注射針１０に触れることなく廃棄
処理を行うことができる。よって、使用済みの注射器９
の廃棄処理を簡便に行うことができる。

【００３４】また、注射針１０を加熱部３で加熱するこ
とで、使用後の注射針１０を殺菌消毒することができる
とともに、その先端を潰すことで、注射器９の使用後の
処理の段階で注射針１０を誤って刺してしまう可能性を
完全になくすことができる。

【００３５】尚、本発明の一実施例では注射器９及びそ
の注射針１０の注射器ホルダ部２及び加熱部３へのセッ
ト、及び注射針１０先端をハンマ４で潰す処理をマニュ
アル操作で行っているが、これらの部材を駆動する駆動
源を設けることで、これらの処理を自動化することも可
能であり、これに限定されない。

【００３６】この場合、注射器９が注射器処理装置１の
上部に設けた穴に入ったことを検出するためのセンサ等
と、その検出結果に応じて駆動源各々を制御する制御部
とが必要となる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、使
用後の注射器を保持しかつその注射針を所定位置に固定
した後に注射器先端の注射針を加熱し、加熱された注射
針の先端を潰してから注射器を収納部材に収納すること
によって、使用済みの注射器の廃棄処理を簡便に行うこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の斜視図である。

【図２】図１の注射器ホルダ部及び加熱部の構成を示す
斜視図である。

【図３】図２の連結棒による注射器ホルダ部及び加熱部
の連結状態を示す図である。

【図４】図２の連結棒による注射器ホルダ部及び加熱部
の連結状態を示す図である。

【図５】図１の注射器収納部の平面図である。

【図６】図１の注射器収納部及び駆動源の結合状態を示
す図である。

【符号の説明】

２ 注射器ホルダ ３ 加熱部 ４ ハンマ ５ 注射器収納部 ６ 注射器収納穴 ７ 駆動源 ８ ケース出入れ口 ９ 注射器 １０ 注射針 ２２ シール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用後の注射器先端の注射針を処理する
   注射器処理装置であって、前記注射器を保持しかつ前記
   注射針を所定位置に固定する保持部材と、前記保持部材
   に保持された前記注射器先端の注射針を加熱する加熱手
   段と、前記保持部材に保持された前記注射針の先端を潰
   す部材と、前記注射針の先端が潰された注射器を収納す
   る収納部材とを有することを特徴とする注射器処理装
   置。
2. 【請求項２】 前記注射針の先端を潰す部材は、前記注
   射針の先端を叩く打撃部材を含むことを特徴とする請求
   項１記載の注射器処理装置。
3. 【請求項３】 前記収納部材の当該注射器の収納口を封
   止する封止部材を含むことを特徴とする請求項１または
   請求項２記載の注射器処理装置。