JPH071158B2 - 熱交換器の管から成る管列の浄化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ほぼ垂直な複数の管から成る管列が複数個互
いに平行に設けられ、各管列がそれぞれ上部集合管に接
続され、これらの上部集合管が両方の端部を上昇せしめ
られ、かつ下降の際重力により加速され、それにより管
が長さ方向に運動エネルギを受け、それから急激に停止
せしめられる、熱交換器特にごみ焼却装置の管から成る
管列の浄化装置に関する。

〔従来の技術〕

放熱する媒体を垂直に通される煙道内に、熱を吸収する
媒体の通る管から成る管列を設けられる熱交換器は公知
であり（ドイツ連邦共和国実用新案第7730080号）、こ
れらの管列は、垂直な面内にあるＵ字状又はジグザグに
曲げられた複数の管から成り、これらの管が下部分配管
及び上部集合管の間に延びる垂直な保持管に結合されて
いる。保持管には、それを振動させる振動装置が係合し
ている。保持管は、下部分配管と上部集合管との間に少
なくとも１つの直角な屈曲部を持つている。振動装置
は、保持管にその屈曲部の近くで摩擦結合される突き棒
と、これを動かす素子例えば振動機、落下錘、往復カム
とから成つている。突き棒は、保持管用懸架部材として
構成されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、この公知の装置を改良して、浄化を強
力に行うにもかかわらず、管列の昇降運動を生ずる部材
の機械的応力を過大にせず、昇降運動を生ずる装置にも
容易に接近できる浄化装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するために本発明によれば、上部集合管
の両方の端部が、同時に制御される空気圧又は液圧シリ
ンダーピストン装置により上昇せしめられ、下降の際重
力により加速され、上部集合管の両方の端部又はこれら
の端部にあるスリーブの下に、受止め体を形成する固定
した枠が設けられて、上部集合管の両方の端部又はスリ
ーブに対応する湾曲した殻体を持ち、この管列において
ひれにより結合される管のうち、管列の外側管が、この
管列をその面内で側方へ変位させる変位装置を備えてい
る。

〔発明の効果〕

本発明によれば、管列を所望の上昇位置へもたらすシリ
ンダーピストン装置と、自重により加速されて落下する
管列を受止める枠とが分離されているので、シリンダー
ピストン装置が過大な荷重を受けるのを防止することが
できる。また落下する管列を受止める枠は固定している
ので、簡単な構造で強力に構成することができる。管列
は、落下の過程中に変位装置により側方へ変位せしめら
れるので、浄化作用が向上する。シリンダーピストン装
置及び枠は、上部集合管の端部従つて熱交換器外に設け
られるので、その点検や保守が極めて容易になる。

〔実施例〕

図面には本発明による浄化装置の実施例が示されてい
る。

第１図は、ドイツ連邦共和国特許第2341444号明細書か
ら公知のごみ焼却装置の後に接続される熱交換器として
の廃熱ボイラを示している。この廃熱ボイラは、底壁
１、前壁２、後壁３、天井４及び側壁５を持つている。
ボイラの内部空間６に管7,8が垂直に設けられ、これら
の管はひれ付き管として構成され、これらのひれ付き管
の縦縁が互いに結合されて、隣接する管7,8がそれぞれ
管列又は管壁を形成している。管８は管７に対して長さ
方向に下方へずらされているので、管８の上端及び管７
の下端に中間空間7a,8aが生ずる。これらの中間空間を
適当な壁9,10により区画することができる。従つて廃ガ
スは矢印Ａの方向に流れて、蛇行した経過をとり、その
際廃ガスはひれ付き管壁の間に形成される通路11を通つ
て流れる。廃ガスは12の所でボイラを出る。

ひれ付き管の代りに、配置が異なりかつ付着する粒子を
連行するガスの流れが異なる異種の管も設けることがで
き、従つて例えば個別管としてボイラの内部空間６に垂
下する管も設けることができる。重要なことは、本発明
の目的を達するために、管7,8の全長が両方向矢印Ｓの
方向に自由に移動できることである。

図において、管７は、図示しない導管を介してボイラ胴
に接続される下部分配管13と、別の導管を介して同様に
ボイラに接続される上部集合管14へと開口している。管
８も同様に下部分配管15及び上部集合管16に接続されて
いる。

互いに平行に水平に延びる上部集合管14,16は、これら
の集合管から垂下する管7,8及び同様に互いに平行に水
平に延びる下部分配管13,15と共に１つの構造単位体を
形成し、この単位体は管の長さ方向（第１図の矢印Ｓ）
に移動可能である。

第２図、第６図及び第７図による廃熱ボイラの両側壁5
a,5bは、横に並ぶひれ付き管51で内張りされ、これらの
ひれ付き管51が閉じた壁を形成している。これらのひれ
付き管51及び側壁5a,5bを集合管14,16が貫通し（第２
図）、そのためにこれらの集合管は管片52に通されてい
る。第３図ないし第５図からわかるように、側壁5a,5b
から突出する集合管の端部14a,16aはスリーブ53を保持
し、このスリーブは上方へ向く保持リブ54を持つてい
る。この保持リブ54はピン55を介して二又部分56に揺動
可能に結合され、この二又部分56は、垂下する空気圧シ
リンダーピストン装置58のピストン棒57に結合され、こ
のシリンダーピストン装置58は、適当な手段59によつて
例えば横梁60に懸架されている。廃熱ボイラの各側に即
ちボイラの側壁5a,5bの外部にある両方のシリンダーピ
ストン装置58は、共通な導管61を介して互いに接続され
（第２図）、この管61は弁62を介して導入管63及び導出
管64に接続されている。この弁62は、集合管14,16及び
これらの集合管から垂下する管7,8を上昇又は下降させ
るシリンダーピストン装置58の圧力状態を決定し、導線
65,66を介して、液圧又は空気圧により又は電気的に制
御される。こうして管7,8から成る各管列の集合管14,16
を均一に上昇又は下降させることができる。

スリーブ53の下に、スリーブ53従つて管端部14a,16aの
受止め装置67がある。この受止め装置67は、適当な横梁
68上に取付けられかつ重ねて配置される複数層の金属又
は他の板69を持つている。これらの板69は、中央部分71
及び殻体としての２つの顎部72,73から形成されてい
る。枠70の脚74,75にある顎部72,73は、対向して傾斜す
る上面を凹な湾曲面として形成され、これらの湾曲面は
スリーブ53の周囲の湾曲面に一致している。両方の顎部
72,73は高さを互いにずらされている。こうして顎部73
は横梁68に対して平均高さａを持ち、顎部72は平均高さ
ｂを持ち、高さｂは高さａより明らかに大きい。集合管
14,16の下降の際スリーブ53が枠70に当ると、集合管14,
16から成る管列に、枠70への衝突に加えて、第５図の矢
印Ｆの方向における急激な側方運動が加えられる。この
ためシリンダーピストン装置58の所における保持リブ54
の揺動可能な支持が役立ち、このシリンダーピストン装
置58は更にピン継手58aを介して揺動可能に支持され
る。集合管14,16がシリンダーピストン装置58により上
の位置へ上昇せしめられると、管7,8から成る管列は第
５図に示す初期位置へ戻り、この初期位置においてスリ
ーブ53は枠70の上方で対称に位置している。

垂下する管7,8を持つ集合管14,16は、シリンダーピスト
ン装置を圧力なしにする際、重力の作用を受けるので、
これらの部分が急激に下降せしめられる。この下降を更
に加速する場合、シリンダーピストン装置58が、導管61
の圧力を除かれると共に、導管83を介して圧力を受け
る。

シリンダーピストン装置58が圧力を除かれて、管列が下
降する際、管7,8から成る管列の上の部分及び上部集合
管14,16のみが急激な側方変位を行なわないようにする
ため、管7,8から成る管列の長さにわたつて、第６図及
び第７図に示すような装置を１つ又はそれ以上設けるこ
とができる。このため、壁5aを覆う管51（第２図も参
照）のひれ76は、管7,8の長さにわたつて連続するひれ
（又はリブ）77を持つている。わかり易くするため、第
６図には、１つの管列用のひれ77が示されているが、各
管列にこのようなひれが付属している。このひれに対し
て、管壁5aに隣接した管7,8も同様に、この管の長さに
わたつて連続するひれ（又はリブ）78を持つている。ひ
れ77は縁77a,77bによりひれ78の縁78aを包囲しており、
これらの縁は互いに摺動し合うようになつている。ひれ
78は縁78aに均一な間隔を置いてカム状の突起79を持
ち、これらの突起79は傾斜面80を持つている。ひれ77の
縁77cも突起79と同じ間隔を置いて傾斜面82付き突起81
を持つている。管7,8から成る管列が集合管14,16と共に
矢印Ｋ（第７図）の方向に上昇又は下降せしめられる
時、カム状の突起79の傾斜面80が傾斜面82に沿つて摺動
する。突起79及び突起81により、管7,8は急激に互いに
平行に側方に変位せしめられる。

管壁5aに対向している管壁5b（第２図参照）も、この壁
に隣接する管7,8に対応して形成されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は熱交換器の概略垂直断面図、第２図は、垂下す
る管から成る管列の昇降装置及び受止め装置を上部集合
管の端部に設けられている熱交換器の上部の垂直断面
図、第３図は第２図の一部の拡大図、第４図は第３図の
右側面図、第５図は第４図の一部の拡大図、第６図及び
第７図は管列の側方変位装置の水平断面図及び垂直断面
図である。 7,8……管、14,16……上部集合管、14a,16a……端部、5
3……スリーブ、58……シリンダーピストン装置、70…
…枠、72,73……殻体、77〜82……変位装置

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ほぼ垂直な複数の管から成る管列が複数個
   互いに平行に設けられ、各管列がそれぞれ上部集合管に
   接続され、これらの上部集合管が両方の端部を上昇せし
   められ、かつ下降の際重力により加速され、それにより
   管が長さ方向に運動エネルギを受け、それから急激に停
   止せしめられるものにおいて、上部集合管（14,16）の
   両方の端部（14a,16a）が、同時に制御される空気圧又
   は液圧シリンダーピストン装置（58）により上昇せしめ
   られ、下降の際重力により加速され、上部集合管（14,1
   6）の両方の端部（14a,16a）又はこれら端部にあるスリ
   ーブ（53）の下に、受止め体を形成する固定した枠（7
   0）が設けられて、上部集合管（14,16）の両方の端部
   （14a,16a）又はスリーブ（53）に対応する湾曲した殻
   体（72,73）を持ち、各管列においてひれにより結合さ
   れる管（7,8）のうち、管列の外側管が、この管列をそ
   の面内で側方へ変位させる変位装置（77〜82）を備えて
   いることを特徴とする、熱交換器の管から成る管列の浄
   化装置。
2. 【請求項２】水平な上部集合管（14,16）が、熱交換器
   から突出する端部（14a,16a）にスリーブ（53）を備
   え、シリンダーピストン装置（58）のピストン棒（57）
   と上部集合管（14,16）の端部（14a,16a）とを結合する
   結合手段（54〜56）がスリーブ（53）に係合しているこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の装置。
3. 【請求項３】枠（70）の殻体が、垂直な枠中心面に対し
   て対称に配置される２つの凹な形状の顎部（72,73）か
   ら成ることを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載
   の装置。
4. 【請求項４】両方の顎部（72,73）のうち一方の顎部が
   他方の顎部に対して高さをずらされていることを特徴と
   する、特許請求の範囲第３項に記載の装置。
5. 【請求項５】ピストン棒（57）と上部集合管（14,16）
   の端部（14a,16a）又はスリーブ（53）との間の結合手
   段（54〜56）が、枠（70）の軸線方向に対して直角な揺
   動ピン（55）を持つていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第２項に記載の装置。
6. 【請求項６】変位装置（77〜82）が、管列の外側管及び
   これに隣接する熱交換器壁（5a）に垂直に設けられる少
   なくとも１つの傾斜面（80）及びこの傾斜面（80）上を
   摺動する突起（81）を持つていることを特徴とする、特
   許請求の範囲第１項に記載の装置。
7. 【請求項７】管列の外側管（7,8）及びこれに隣接する
   熱交換器壁（5a）が互いに摺動し合う縦ひれ（77,78）
   を備え、熱交換器壁（5a）の縦ひれ（77）が傾斜面（8
   2）を持ち、管列の外側管（7,8）の縦ひれ（78）が、熱
   交換器壁（5a）の傾斜面（82）上を摺動する突起（79）
   を持つていることを特徴とする、特許請求の範囲第６項
   に記載の装置。