JPH07115685A - フィールドバス用コンフィグレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】フィールド機器の初期設定を行えるようにし、
また、ターミネータが伝送路から外れた場合においても
通信を行えるようにすること。 【構成】コンフィグレータ２は、メイン回路１１，入力
インピーダンス切替回路１２，内蔵電源１３，内蔵電源
ＯＮ／ＯＦＦ回路１４により構成され、１対１接続によ
ってフィールド機器１の初期設定を行う。また、伝送路
接続時では、内蔵電源ＯＮ／ＯＦＦ回路１４は、伝送路
上の電力供給状態を判断し、内蔵電源１３からの電力供
給および停止を行う。メイン回路１１がインピーダンス
のアンマッチによる通信波形振幅の異常を検知し、入力
インピーダンス切替回路１２を制御することにより、信
号振幅を正規化して正常な通信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィールド機器と通信
を行い、フィールド機器の初期設定を行うコンフィグレ
ータに係り、特にフィールドバス上に接続した外部電源
からの電力供給に依らずに、フィールド機器の初期設定
を行うのに好適であるコンフィグレータに関する。

【０００２】

【従来の技術】フィールド機器と称される機器は各種プ
ラントの圧力，温度，流量などの物理量を検出し、その
値を電気信号に変換し、伝送路を介して上位機器へ伝送
したり、また、逆に上位機器から伝送される制御信号を
受信し、プラントのバルブなどを制御しているのが通常
である。

【０００３】そして、該電気信号の伝送は、伝送信号が
アナログ信号の場合に、規格化されており、フィールド
機器と上位機器との間は、４〜２０ｍＡのアナログ電流
信号の伝送が行われている。また、一般的にはフィール
ド機器と上位機器との間は、アナログ信号での一方向通
信が行われていた。

【０００４】しかし、近年、半導体集積回路技術の向上
により、マイクロプロセッサ内蔵のフィールド機器が開
発され実用化されてきている。これによれば、前記伝送
路上で一方向のアナログ信号の通信のほかに、双方向の
ディジタル信号の通信を行い、フィールド機器のレンジ
設定，自己診断などを遠隔から指令できるようになって
きている。

【０００５】また、最近、複数台のフィールド機器を同
一伝送路上に接続し、双方向のディジタル信号だけで通
信を行うシステムとしてフィールドバスシステムが提案
され、その仕様の統一のための規格化作業が進められて
いる。

【０００６】フィールドバスシステムの代表的な構成例
を図３を用いて説明する。同図は、複数台のフィールド
機器と上位機器とが伝送路を介してツリー形に接続され
た装置構成例を示している。フィールド機器１ａ，１
ｂ，１ｃは、伝送路５を介して、外部電源４から供給さ
れる電力により動作し、伝送路５を介して、順番に上位
機器３とディジタル信号で双方向の通信を行い、検出し
た物理量の送信，制御値の受信などの処理を行う。ター
ミネータ６ａ，６ｂは、直列に接続した抵抗とコンデン
サで構成され、伝送路５の両端に接続される。ここでコ
ンフィグレータとは、フィールド機器１ａ，１ｂ，１ｃ
と上位機器３，外部電源４との間に接続され、ディジタ
ル信号の双方向通信により、フィールド機器１ａ，１
ｂ，１ｃの初期設定を行っている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
技術にあっては、外部電源４がネットワークに電力を供
給する唯一のユニットであり、停電、あるいは外部電源
４がダウンした場合には、システムの通信機能はすべて
停止し、伝送路、あるいはフィールド機器自体に異常が
なくとも、フィールド機器とコンフィグレータが通信で
きないという問題があった。また、受信範囲内で検出で
きる異常について考慮されておらず、ターミネータが伝
送路から外れたときに、フィールドバス全体が通信不能
となる可能性があることについて考慮されていなかっ
た。

【０００８】本発明は、フィールド機器への動作電力を
供給する電源、およびターミネータをコンフィグレータ
に内蔵させることにより、コンフィグレータとフィール
ド機器とを１対１に接続しても、フィールド機器の初期
設定を行えるようにし、また伝送路接続時では、受信信
号レベルを検出することにより、ターミネータが伝送路
から外れたことなどの異常を認識して、コンフィグレー
タの入力インピーダンスを切替えることにより、前記の
問題を解決するコンフィグレータを提供することを目的
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、フィールド機器が機能するのに充分な
だけのパワーを有する電源、およびフィールドバス通信
動作に必要な構成要素であるターミネータをコンフィグ
レータに内蔵することにより、たとえ外部電源を含む伝
送路へのフィールド機器接続を行わなくとも、コンフィ
グレータがフィールド機器への電力供給を代行すること
により、フィールド機器を通信可能状態にして、コンフ
ィグレータによるフィールド機器の初期設定を行えるよ
うにし、また、ターミネータが伝送路から外れたことな
どの異常に対しては、コンフィグレータが受信する信号
レベルを規定値と比較し、前記規定値から外れる場合
に、どちらか一方のターミネータが伝送路から外れたと
識別して、コンフィグレータの入力インピーダンスを適
正値に切替えるようにしたものである。

【００１０】

【作用】本発明によるコンフィグレータの特徴は、コン
フィグレータ内蔵電源によりフィールド機器に対して給
電動作を行うものである。前記コンフィグレータを従来
形のコンフィグレータと比較した場合、フィールド機器
への供給電源を内蔵することにより、その本体重量が増
加するという欠点がある。また、内蔵電源の容量が限ら
れているため、長期間，連続して使用した場合には、電
源の交換、あるいは充電などの保守が必要とされる。し
かし、本発明によるコンフィグレータの最大のメリット
は、伝送路を介さずに各フィールド機器と１対１の接続
を行うことにより、容易に機器の初期設定を実施できる
ことであり、あるいは停電等によりフィールド機器への
給電が停止した場合などの非常時における、システムの
保守・管理のための補助手段として、その能力を最大限
に発揮することにある。また一方で、伝送路を経由した
外部電源の電力供給がある場合に、前記内蔵電源を伝送
路から切り離すことにより、電源電力がひとつの伝送路
において重複するのを避けることができる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を用いて、本発明の一実施例を説
明する。

【００１２】図１は、本発明によるコンフィグレータの
使用例である。

【００１３】同図において、フィールド機器１ａ，１
ｂ，１ｃは、ディジタル信号で双方向の通信を行うもの
であり、各種プラントにおけるプロセスの圧力，温度，
流量などの物理量を検出してその値を送信したり、また
は、バルブなどの制御量を受信したりするものである。

【００１４】コンフィグレータ２は、メイン回路１１，
入力インピーダンス切替回路１２，内蔵電源１３，内蔵
電源ＯＮ／ＯＦＦ回路１４により構成される。本構成に
おいて、ターミネータの機能は、入力インピーダンス切
替回路１２内に包含され、また外部電源の代わりに内蔵
電源１３がコンフィグレータ２，フィールド機器１をそ
れぞれ駆動する。このように、コンフィグレータ２内部
にフィールドバス通信に必要な物理的要素をすべて集約
したことにより、コンフィグレータ２とフィールド機器
１とを１対１接続するだけでも、フィールドバス通信に
よるフィールド機器２の初期設定を実行できる。

【００１５】また、本発明によるコンフィグレータを、
図３の如く従来形コンフィグレータ同様に使用する場
合、内蔵電源ＯＮ／ＯＦＦ回路１４は、外部電源４によ
る電力供給状態を判断し、内蔵電源１３からの電力供給
および停止を行う。さらに、コンフィグレータ２内のメ
イン回路１１がインピーダンスのアンマッチによる通信
波形振幅の異常を検知し、入力インピーダンス切替回路
１２を制御することにより、信号振幅を正規化して正常
な通信を行う。

【００１６】次に、図２において、コンフィグレータ・
メイン回路２の詳細動作を説明する。コンフィグレータ
２の内部は、ＲＯＭ１０３にプログラムされた処理によ
り、装置全体の動作がマイクロプロセッサ（ＭＰＵ）１
０１で制御されている。入力装置１０９は、キーボード
などで構成されており、各々定義されたキーでユーザが
入力することにより、Ｉ／Ｏインターフェイス１０６を
通してその情報が、マイクロプロセッサ１０１に伝えら
れる。

【００１７】コンフィグレータ２が通信を行う場合に
は、次の動作を行う。送信動作は、最初に、マイクロプ
ロセッサ１０１の指令で、ＲＡＭ１０２に格納されてい
るデータなどを、送受信回路１０４からシリアルのディ
ジタル信号列を出力する。この信号は、変調回路１１２
で変調された信号となり、ドライバ１１１に入力され、
ドライバ１１１から伝送路へ通信信号として出力され
る。ここで、変調方式としては、例えばディジタル信号
の“１”，“０”に対応する２種類の周波数で変調する
周波数変調方式、および、ベースバンド信号のマンチェ
スタ符号に変換する方式などがある。また、ドライバの
方式としては、電圧信号で出力する方式と電流信号で出
力する方式とがある。

【００１８】受信動作は、伝送路からの通信信号を復調
回路１１３で前記シリアルのディジタル信号列で取り出
し、送受信回路１０４にディジタル信号の“１”，
“０”からなるデータとして入力される。送受信回路１
０４に入力された信号は、マイクロプロセッサ１０１へ
伝えられる。マイクロプロセッサ１０１は、この情報を
ＲＡＭ１０２に格納されているデータとともにＩ／Ｏイ
ンターフェイスを介して、表示装置１０８へ表示する。

【００１９】ここで、信号レベル検出回路１１４は、伝
送路上の通信信号を復調回路１１３が受信するのと同じ
信号を受信し、その信号の振幅から規定値から外れる場
合には、Ｉ／Ｏインターフェイス１０６を介してマイク
ロプロセッサ１０１に知らせる。マイクロプロセッサ１
０１は、入力インピーダンス切替回路１１５を介して通
信信号振幅を制御し、正常な通信動作を行うようにす
る。

【００２０】

【発明の効果】以上、説明したことから明らかなよう
に、本発明によるコンフィグレータを各フィールド機器
に接続することにより、外部電源からの電力供給の有無
に依らずに、フィールド機器通信により、初期設定作業
を行うことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるコンフィグレータの使用例を示す
図である。

【図２】コンフィグレータのメイン回路ブロック図であ
る。

【図３】従来形コンフィグレータの使用例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ，１ｃ…フィールド機器、２、２′…コ
ンフィグレータ、３…上位機器、４…外部電源、５…伝
送路、６ａ，６ｂ…ターミネータ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝送路上に接続される複数のフィールド機
   器と上位機器間とで通信するフィールドバスシステムに
   おいて、フィールド機器の初期設定を行うコンフィグレ
   ータに、フィールド機器の動作電力を供給する内蔵電
   源、およびターミネータを内蔵し、コンフィグレータと
   フィールド機器との１対１接続においても、前記初期設
   定を行う手段を備えたことを特徴とする、フィールドバ
   ス用コンフィグレータ。
2. 【請求項２】請求項１において、伝送路を経由した外部
   電源の電力供給がある場合に、前記内蔵電源を伝送路か
   ら切り離して、フィールド機器の初期設定を行う手段を
   備えたことを特徴とする、フィールドバス用コンフィグ
   レータ。
3. 【請求項３】請求項１又は２において、コンフィグレー
   タの接続時に、コンフィグレータの受信信号レベルの異
   常を検知する手段と、コンフィグレータの入力インピー
   ダンスを切替える手段とを備え、受信信号レベルに応じ
   て入力インピーダンスを切替えることを特徴とする、フ
   ィールドバス用コンフィグレータ。