JPH07114906B2 - 濾布走行式の固液分離用濾布 - Google Patents

濾布走行式の固液分離用濾布

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JPH07114906B2
JPH07114906B2 JP62238041A JP23804187A JPH07114906B2 JP H07114906 B2 JPH07114906 B2 JP H07114906B2 JP 62238041 A JP62238041 A JP 62238041A JP 23804187 A JP23804187 A JP 23804187A JP H07114906 B2 JPH07114906 B2 JP H07114906B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、固液分離用濾布に関し、さらに詳しくは、
濾布走行式の固液分離装置などに使用するのに好適な濾
布に関するものである。
従来、転写ドラムとプレスロールとから成る圧搾部に固
液を載せたエンドレス濾布を走行させ、該圧搾部で固液
中の液成分を絞り取るとともに、濾布上に残った、いわ
ゆる固形成分を転写ドラムに転写してスクレーパで掻き
取って回収するようにした濾布走行式ベルトプレス型脱
水機や、圧搾することなく重力や減圧吸引力を利用して
液成分を濾過し、残った固形成分を水ノズルやスクレー
パで回収するようにした濾布走行式濾過機などの固液分
離装置がいろいろな分野で使用されているが、この発明
の濾布はそのような固液分離装置に良好に使用できるも
のである。
[従来技術] 従来、上述したような固液分離装置に使用する濾布とし
ては、例えば特開昭59-115720号公報、特開昭60-31811
号公報、特開昭60-44013号公報、特開昭60-44014号公
報、特開昭61-164613号公報、特開昭61-171516号公報、
特開昭61-174912号公報、特開昭61-171495号公報、特開
昭61-174916号公報等に記載されているようなものが知
られている。
このような従来知られている濾布は、織物基材の表面に
その基材中の主として緯糸を起毛してなる太さ0.1〜10
μの極細繊維の立毛濾層を形成しているから立毛間の隙
間が大変小さく、微細な固形成分でも阻止することがで
きるものである。また、極細繊維の立毛は大変しなやか
で横たわりやすいので、立毛間の隙間が浅くその隙間に
固形成分が変形しながら入り込んで抜け出しにくくなる
といったことがなく目詰りを起こしにくく、なおかつ、
立毛が横たわりやすいということは、それによって形成
される濾層が嵩高にならず、立毛の充填率が高くなると
いうことでもあるので、減圧吸引を行なう場合の気密保
持性が高くとれるものであり、これらの理由で上記濾布
は固液分離効率が大変に高いものである。さらにまた、
立毛間の隙間が小さくてその隙間に固形成分が入りにく
いこと、および立毛がしなやかで固形成分への食い込み
が防止されることから転写性も高く、さらに上記濾層を
形成している立毛は方向性を有し、その方向性指数が1.
2〜10であるので、使用中に立毛が基材の目に押し込ま
れても再起毛が困難になったり、立毛が絡み合ったりす
るのを防止することができ安定した固液分離効率が得ら
れるという特長を有するものであった。
しかしながら、上述の従来濾布のような極細繊維の立毛
を有する濾布のみでは、固液分離装置での使用における
エンドレス濾布として装置内を周回される際の、ガイド
ロール等と接触する面側の耐久性が十分でなく、十分な
寿命が得られないという問題があった。
かかる問題に対して、先に本発明者らは、濾布とこの濾
布の透水性を損わない高い透水性を有する補強布とを積
層し、両者を低融点ポリマから成るパウダー状高分子物
質によって接着一体化せしめた固液分離用濾布を提案し
た(特開昭62-125815号公報)。本発明者らの各種検討
によれば、かかる提案によって濾布寿命は向上したが、
補強布の耐久性がまだ十分でなく長時間使用すると補強
布のガイドロールと接触する両側が圧搾によりすり減
り、破れが発生して濾層部と補強布とが部分的に剥離を
起こし濾布の走行性を損うという実際上の大きな不都合
があった。
[発明が解決しようとする問題点] この発明は、前述のような問題点を改善するためになさ
れたもので、その目的とするところは、透水性と耐摩耗
性に優れ、なおかつ長時間の使用にも十分に耐え得る強
さと耐久性を有し、濾布寿命が大幅に向上された濾布走
行式の固液分離用濾布を提供せんとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するこの発明の濾布走行式の固液分離用
濾布は、以下の構成からなる。
すなわち、濾層部と補強布とが積層一体化されてなる濾
布走行式の固液分離用濾布であって、該濾層部は合成繊
維から成る極細立毛を有し、該極細立毛は濾布の長さ方
向に方向指数1.2〜10の方向性を有しかつ該極細立毛の
比表面積は3×103cm2/g以上であり、一方、前記補強布
は前記濾層部よりも高い透水性と耐摩耗性を有しかつ搦
み組織で製織された織布からなり、該補強織布の経糸方
向を濾布走行方向と一致せしめて該補強織布と前記濾層
部とが点状に介在された高分子物質により接着一体化さ
れていることを特徴とする濾布走行式の固液分離用濾布
である。
[作用] 以下、図面などを用いてさらに詳しく本発明の固液分離
用濾布について説明する。
第1図はこの発明の濾布の一例を示す概略斜視図であ
り、第2図は、本発明の濾布に用いられ得る補強し織布
の組織図を示したものであり、1cは経糸、1dは緯糸を示
す。この発明の濾布は、第1図に示すように濾層部1aと
補強布1bとが重ね合わされて接着されることによって一
体化されている。
かかる濾布の一実施態様を説明すると、第5図におい
て、濾布1は、点線部分で縫合され、エンドレスに加工
されている。濾布1の両側端部には、濾布1を展張し、
かつ、蛇行しないように走行させるための孔8付のゴム
ベルト7が縫合されている。上記ベルト7は、濾布1に
シワを発生させないように展張するために若干の伸縮性
をもっているのが好ましい。そのため、該ベルト7は合
成繊維の織物を芯材とし、その芯材とゴムとの複合体か
ら成るものであるのが好ましい。
さらに詳細にまず濾層部1aについて説明すると、該濾層
部は、合成繊維の織物、編物、不織布等からなる基材の
表面に、その基材を起毛して得られる比表面積が3×10
3cm2/g以上の極細合成繊維の立毛を、ほぼ一方向に揃え
て横たえ、その立毛によって濾層を形成し、かつその方
向性指数を1.2〜10としたものである。
上記基材を構成する合成繊維は、耐摩耗性と耐薬品性を
有するものが好ましく、ポリアミド繊維、ポリエステル
繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリフルオロエチレン繊維、ポリアクリロニトリル
繊維等を使用することができる。該繊維は、捲縮を有さ
ないものを用いるのが好ましく、円形断面または変形断
面のものを適宜ステープルあるいはフィラメント繊維に
て使用することができる。また、該繊維として異なる高
分子物質を海成分、島成分とするいわゆる多芯型複合合
成繊維や、異なる高分子物質を貼合せ紡糸して得られ、
該貼合せ部分で分割可能な分割型複合繊維などを使用す
ることも可能である。
また、固液の種類によっては、これらの繊維に親水加工
や疎水加工を施したものを使用することなどもできる。
上記基材としては、前述のように織物、編物、不織布等
を使用することができ、織物による基材としては、経糸
を合成繊維フィラメント加工糸、緯糸を非捲縮繊維から
なる糸条として緯糸を起毛するのが好ましい。また、緯
糸に紡績糸やループや突出を有する嵩高加工糸を用いる
こともできる。なお、織組織としては、朱子織とするの
が好ましく、経糸および緯糸を所望の密度でかつ所望の
浮き組織を有するように織成するのが望ましい。
また、編物による基材としては、リブ編、両面編などに
代表される丸編や、ハーフ編、クインズコード編などに
代表される経編などを用いることができる。中でも、立
毛を比較的形成しやすいという理由で、ハーフ編のそれ
もトリコット生地であるのが好ましい。
さらに、不織布による基材による場合は、前記合成繊維
のステープルまたはフィラメント繊維を、それよりも低
い融点を有する繊維または微粒子と混合、抄紙して紙と
なし、該低融点繊維または微粒子を部分的に溶融して前
記合成繊維を一体化した後、表面をバフ加工して該合成
繊維を起毛し濾層を構成したものであってもよく、また
空気流や水流を用いて前記ステープルまたはフィラメン
トを堆積させ、パンチングしてフェルトとなし、高分子
弾性体を含浸したフェルトの表面を起毛して濾層を構成
したものあってもよい。
上記基材に立毛を形成する方法としては、針布、サンド
ペーパ、サンドクロス、サンドネット、砥石、スチール
ブラシ、研磨ブラシ、サンドロール、ガーネット、サン
ドホーニングなどを用いて起毛、立毛せしめる方法があ
る。中でも、針布によるものが最も好ましい。
この濾層部においては、上記立毛が方向性を持ってい
て、その方向性指数が1.2〜10の範囲内であることが必
要である。特に好ましい方向性指数の範囲は、1.3〜5
である。なお、ここで方向性指数とは、次のようにして
測定されるものである。
測定すべき濾布の長手方向、つまり基材が織物であ
る場合にはその経糸方向、編み物である場合にはそのウ
ェール方向を長手方向とする長さ25cm、幅3cmの裁断片
を4枚作る。各裁断片の端には、濾布として走行させる
場合にその先頭になる端にマークを付けておく。
次に、濾層の歪を取り除くため、上記各裁断片を濾
層を上にして50メッシュの金網の上に置き水中に沈め
る。24時間経過後、濾布を金網ごと引き上げ、風乾した
後、温度25±2℃、相対湿度65±3%の雰囲気中に24時
間放置し、吸湿を一定にする。
次に、長さ65cm、幅30cmのガラス板を準備し、その
ガラス板の長手方向の一端を2.5cm持ち上げて傾斜させ
る。更に、そのガラス板の上に、上記で準備した裁断
片の1個を、その長手方向がガラス板の長手方向になる
ように、かつ、上記マーク端がガラス板の斜面の上側に
位置するように置き、その上端から7cmまでの範囲を、
長さ7cm、幅3cm、厚さ75μのポリエステルフィルムで覆
い、さらにその上に長さ35cm、幅2.4cmのセロハンテー
プをその両端が濾布の上端および下端からそれぞれ5cm
づつ食み出してガラス板の面と接するように、かつ接着
面が濾布側になるように置く。
次に、外径5cm、長さ15cm、重量2.3kgの表面が滑ら
かなステンレス鋼製ロールを、上記セロハンテープの上
端から重力によって転がし、濾布とセロハンテープとを
接着する。測定誤差を少なくするため、かかる転がし操
作を2回行う。接着後、セロハンテープの両端5cmの部
分を切り落し、濾布とセロハンテープとの接着体を得
る。
次に、上記で得られた接着体について、濾布とセ
ロハンテープとの剥離試験を行う。この試験は、引張試
験機を使用してその上側チャックでポリエステルフィル
ムを把持し、下側チャックで濾布を把持して引張速度30
cm/分という条件で連続的に行う。そして、剥離開始端
から3cmの部分を始端とし、その始端から9cmまでの間の
平均値として剥離力を測定する。以下、この測定により
得られる剥離力をAとする。
次に、他のもう一つの裁断片について、全く同様の
試験を、ただし今度は上記マーク端に対応する他の端が
ガラス板の斜面の上側になるようにして行う。この測定
により、剥離力Dを得る。
次に、3番目の裁断片について、上記〜とまっ
たく同様の試験を、ただし今度はポリエステルフィルム
を濾布の下端側に置いて行う。この測定により、剥離力
Bを得る。
次に、最後の試験片について、上記と同様の試験
を行う。ただし、この場合も上記と同様ポリエステル
フィルムを濾布の下端側に置く。この測定により、剥離
力Cを得る。
次に、上記剥離力A、B、C、Dから、(B+D)
/(A+C)なる演算を行う。この演算結果が、この発
明にいう方向性指数である。
上述した定義から明らかなように、方向性指数は、セロ
ハンテープが剥離しやすい方向としにくい方向との剥離
力の比であり、これは立毛の方向の安定性を示してい
る。そして、1.2〜10という方向性指数は、起毛の回数
や方向、起毛機の種類などを適宜選定することによって
得ることができる。なお、上記試験において、セロハン
テープとしては、JIS Z1522-1982に規定される粘着力を
有し、かつ幅24mmのものを使用する。
また、この濾層部においては、立毛している合成繊維の
比表面積が3×103cm2/g以上であることが必要である。
ここにおいて、比表面積は、繊維断面の平均周長と1g当
りの総繊維長の積であり、前記平均周長は数ケ所のサン
プルの平均値である。
次に、上記濾層部と積層一体化される補強織布について
説明すると、該補強織布は、まず濾層部よりも高い透水
性と耐摩耗性とを具備していることが重要であり、かつ
織組織が搦み組織で製織された織物であることが必要で
ある。搦み組織は織物を構成する経糸、緯糸の交錯点の
拘束力を高くすることができる。該組織で製織された織
物は、織物全面に搦み目、すなわち透かし目や隙間を有
した構造を形成することができるため高い透水性を得る
ことができる。また、該織組織は、経糸が搦み合って解
けにくく経糸と緯糸の交錯点の拘束力が大きいため織物
構成糸の一部が摩耗によって切断した場合でも、この切
断部から織物構造が崩れ積層間剥離を起こすこともな
い。更に、該織組織は、織物表面に適度な凸凹部を有す
るため、この凸凹部が該補強織布面と装置のガイドロー
ラ等側との摩擦面積を小さくし、該補強織布の摩耗を減
ずるという効果を発揮する。従って、該補強織布を濾層
部と積層一体化して使用する際に、該補強織布面側と装
置のガイドローラ等側に位置させるように濾布を装着し
た場合に、該補強織布の高い耐磨耗性が直接発揮され濾
布としての耐久性が著しく向上されるものである。
上記のような特性を有する補強織布の構成糸としては、
天然繊維、合成繊維などの紡績糸やフィラメント糸等を
用いることができるが、濾層部との接着性や耐摩耗性等
の点から経糸にはトータル繊度250〜1500デニール、単
糸繊度3〜10デニールのフィラメント糸を用い、緯糸に
は綿番手50〜30Sの紡績糸を用いるのが好ましい。
また、該補強織布の織密度としては、透水性が高く、耐
摩耗性にも優れかつ濾層部との接着性も高いものにする
ためには経糸密度20〜50本/in、緯糸密度10〜30本/inで
製織するのが好ましい。
濾層部と補強織布との接着一体化は、次のような方法で
実施することが望ましいものである。
すなわち、濾層部と補強織布との間に低融点ポリマから
成るパウダー状高分子物質を点状に介在させ、該低融点
ポリマの融点以上に加熱して溶融接着することにより良
好な接着性が得られるとともに、濾層部と補強織布の接
着点が点在化した状態にすることができ、濾層部の濾過
性能を損なうことなく透水性の優れた濾過性能を維持で
きるものである。
従って、この発明の濾布は、濾層部側は濾過性能のみ
を、一方補強織布は耐久性のみを維持すればよく、濾層
部側と補強織布とを別々に最適化できるので、濾過性能
及び耐久性ともに優れた濾布とすることができるもので
ある。
上記の濾層部と補強織布との接着一体化は、具体的に
は、例えば第3図および第4図に示すように行われる。
第3図は、補強織布1bの上に低融点ポリマより成るパウ
ダー状の高分子物質2をグラビアローラ3を介して点在
させながら、ヒートボックス4内に該補強織布を供する
状態を示している。該ヒートボックス4は、低融点ポリ
マの融点以上に加熱するものであり、パウダー状高分子
物質2が溶融して補強織布面上に融着固定されることに
なる。
第4図は、前記で得られた補強織布1bの、パウダー状高
分子物質2が融着固定された面側と、濾層部1aの反立毛
面とが重なるように合わせて、該濾層部1aの立毛部側が
カレンダローラ5の面に位置するように供給する状態を
示している。該カレンダローラ5は、グラビアローラ3
(鉄製ローラの表面に密着した樹脂部に凹部を有するロ
ーラ等)とスチール製の加熱ローラ5より構成されてお
り、供給された濾層部と補強織布のうち濾層部はヒート
ボックス6で予熱されながら、補強織布は直接、低融点
ポリマの融点以上に加熱したカレンダローラ3で加圧加
熱され、パウダー状高分子物質2が溶融することによっ
て濾層部1aと補強織布1bとが接着一体化されこの発明の
濾布が得られるものである。
また、この発明の濾布は、濾層部1aの反立毛面側に低融
点ポリマのパウダー状高分子物質2を融着固定した後
に、該濾層部1aと補強織布1bを重ね合わせてカレンダロ
ーラ3に供給して加圧加熱し接着して製造することもで
きる。
また、この発明の濾布は、濾層部1aと補強織布1bとの間
に、低融点ポリマのパウダー状高分子物質2を点在させ
ながら、カレンダローラ3に供給して加圧加熱し接着一
体化することを連続的に一工程で行って製造することも
できる。なお、本発明においては、搦み組織で製織され
た織布からなる補強織布の経糸方向を濾布走行方向と一
致せしめることによって前記した本発明の搦み組織によ
る効果を発揮する。
[実施例] 次に、実施例に基づいて、この発明の固液分離用濾布の
具体的構成、効果について説明する。
実施例1 ポリエステルを島成分とし、ポリスチレンを海成分とす
る70芯の多芯型複合繊維(繊度5デニール)を紡績して
なる20/2sの紡績糸を緯糸とし、単糸繊度が5デニール
のポリエステル繊維を30本束ねたものを経糸として、緯
糸が30本/cm、経糸が40本/cmである5枚朱子織物を得
た。
次に、トリクロルエチレンを溶媒として上記緯糸の海成
分を取り除き、ポリウレタン液を含浸させて緯糸が繊度
約0.06デニールの極細繊維の束からなる織物を得た。
次に、上記織物を起毛機にかけ、経糸方向に20回の起毛
操作を行い、さらに反対方向に10回起毛操作を行って主
として緯糸を起毛し、立毛数が1000本/mmで、かつ方向
性指数が約2.2であるこの発明の濾布に使用される濾層
部を得た。
また、補強織布として、経糸に単糸繊度が5デニールで
トータル繊度を500デニールのポリエステル高強力フィ
ラメント糸を用い、緯糸に綿番手20/2sのポリエステル
高強力紡績糸を用いてなる経糸密度40本/in、緯糸密度2
0本/inの織組織が搦み組織でなる織物を準備した。
次に、上記補強織布部上に融点130℃のポリエチレン接
着剤(粉状)の目付30g/m2に相当する量を、グラビアロ
ーラを介して900個/m2の密度で付与し、ヒートボック
ス内で140℃に加熱し補強織布に融着固定した。
次に、前記濾層部と前記加工された補強織布とを重ね合
せ、立毛部分がカレンダローラ面側に位置するように加
熱カレンダ機に供給し、補強織布部のポリエチレン接着
剤を溶融させることで濾層部と接着合体してこの発明の
濾布を得た。
次に、この発明の濾布を実際に固液分離装置において使
用したときの性能を確認するために、上記濾布を、その
経糸方向を長手方向として幅30cm、長さ2.5mに裁断し、
裁断端を縫合して第5図に示すようなエンドレス濾布1
を得た。該エンドレス濾布1の幅方向両端には孔8付ゴ
ムベルト7を縫合して、濾布1の走行駆動または走行時
における左右位相合せが行えるようにした。
次に、上記エンドレス織布を第6図に示すベルトプレス
型脱水機11にかけ、濾布1の走行速度を8m/分、減圧吸
引槽21の減圧度を約900mm水中、転写ドラム19への押付
力を約60kgとして脱水試験をした。図の装置11におい
て、濾布1は、駆動ロール12と、ガイドロール13、14、
15間に緊張状態で張設され、これらロール12、13、14、
15と、圧搾ロール16、17、18、転写ドラム19によって規
制される一定の軌道上を矢印Aの方向に走行し周回す
る。20が処理されるべき固液であり、減圧吸引槽21によ
り、走行中の濾布1を通して液体成分が吸引され、固形
成分が濾布1上に残され、濾過される。固形成分は圧搾
ロール16、17、18で転写ドラム19上に圧搾され、それが
スクレーパ22によって掻き取られる。
固液としては、水道水と平均粒径が約20μmの粘度とを
使用し、粘土の濃度が約1000mg/lになるように調整した
ものを、凝集剤を添加しないで約80l/分で供給した。コ
ールターカウンタで測定した上記固液中における粘土の
粒度分布は約1〜50μで、かなり広い範囲に分布してい
た。
試験の結果、濾布1による阻止率は95%、スクレーパ22
で掻き取って回収した成分は約50%が固形成分であっ
た。また、転写ドラム19への転写率は約95%であり極め
て高かった。さらに、コールターカウンタで測定した固
形成分中の粘土の粒度分布は約1〜5μであり、5μを
越えるものはほとんど除去されていた。また、濾布1の
耐久性は、約2500時間運転後においても補強織布への損
傷もなく濾布への異常は認められず、顕著な耐久性を有
するものであった。また、上記の濾過性能についても全
く変化は認められず、顕著な性能を有するものであっ
た。
実施例2 濾層部を得る工程において、緯糸の紡績糸として、ポリ
エステルを島成分とし、ポリスチレンを海成分とする22
3芯の多芯型複合繊維(繊度2.5デニール)を用い、緯糸
が繊度約0.02デニールの極細繊維の束からなるようにし
た濾層部と、補強織布として、経糸に単糸繊度が5デニ
ール、トータル繊度が1000デニールのポリエステル高強
力フィラメント糸を用い、緯糸に綿番手20/2Sのポリエ
ステル高強力紡績糸を用いた経糸、緯糸密度とも20本/i
nの搦み織組織の織物を用いた点以外は実施例1と同じ
条件で試験を実施した。
試験の結果、濾過性能は実施例1の場合とほぼ同様の安
定した濾過性能を有し、特に耐久性は約3000時間運転後
においても安定した走行性を示し耐久性は向上してい
た。
比較例1、2 実施例1で用いたのと同様な20/2sの紡績糸を経糸、緯
糸として使用して経糸密度、緯糸密度ともに20本/inの
平織物を織成し、他は実施家例1と同様にしてこれを補
強織布として用いた濾布を製造し、実施例1と同様な試
験条件で実際の濾布としての性能を評価した(比較例
1)。
試験の結果、濾過性能は実施例1の場合とほぼ同様の安
定した性能を有していたが、耐久性については、約2000
時間経過後において補強織布の経糸、緯糸が摩耗によっ
て切断し、この切断部から織物構造が崩れ積層間におけ
る剥離を生じるとともに濾層部も摩耗し破れを生じて濾
布の走行性を著しく損うというトラブルが発生し好まし
くないものであった。
また、上記と同様の紡績糸を用いて、該紡績糸の経糸挿
入トリコット編地を編成し、他は実施例1と同様にして
これを補強織布として用いた濾布を製造し、実施例1と
同様な試験条件で実際の濾布としての性能を評価した
(比較例2)。
試験の結果、濾過性能は実施例1の場合とほぼ同様の安
定した性能を有していたが、耐久性については、約1700
時間経過後において経糸挿入トリコット補強織布が擦り
減ってしまい、濾層部が露出して摩耗し破れを生じて走
行性が損われるというトラブルが発生し、好ましくない
ものであった。
[発明の効果] 上述したように、この発明の固液分離用濾布は、透水量
を低下させることになく極細粒子を阻止することができ
る高精度の濾過性能を有し、併せて搦み組織で製織され
た補強織布により耐久性が大幅に向上されているので、
濾布寿命の長い極めて高性能な濾布を得ることができ
る。
また、補強濾布により、濾布自身の変形や伸びも防止で
きるから長期間にわたって固液分離装置における濾布の
安定した走行を得ることができ、装置の操作が容易にな
るとともに、処理性能を安定化することもできる。
なお、この発明より得られる濾布は、濾層部と補強織布
とを接着一体化した濾布であって、濾層部は極細繊維か
ら成る立毛濾層を有しているので、固液分離効率が高
く、かつ補強織布により十分な耐久性と変形防止性能を
付与されているので、走行安定性が高く、操作性に優れ
ており、しかも濾布の永久変形や摩耗が少ないため処理
能力が安定し、かつ寿命も長い。そのためいろいろな固
液分離に供することができる。例えば、活性汚泥処理装
置から排出される、いわゆる懸濁系の汚泥や、生物膜処
理装置から排出される、いわゆる固着系の汚泥など、廃
水処理によって生ずる汚泥、スカム、フロック、洗浄
水、濃縮スラッジなどの濃縮、脱水を行うのに使用する
ことができる。具体的には、上下水処理によって生ずる
汚泥、浄化槽から発生する余剰汚泥、し尿処理から発生
する汚泥、加圧浮上操作から生ずるスカム、産業廃水の
処理によって生ずる凝集フロックや凝集沈澱フロック、
砂濾過装置などの各種濾過装置の逆洗水、スクリーン装
置で凝縮したスラッジなどがある。また、例えば紙パル
プ製造業、食品製造業、酒造業、味噌などの醸造業な
ど、各種製造業において固形成分を回収するのに使用す
ることができる。更に、池や川を浄化したり、浄水場に
おける除藻、しゅんせつ時における河川や湖沼の汚れ防
止に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法による濾布の概略斜視図、 第2図はこの発明の方法による補強織布の織組織図、 第3図および第4図はこの発明を実施して濾布を製造し
ている状態を示す概略側面図、 第5図はこの発明の方法により得られた濾布の一実施態
様を示す概略斜視図、 第6図はこの発明に係る濾布を使用したベルトプレス型
脱水機の概略側面図である。 1:濾布、1a:濾層部 1b:補強織布、1c:経糸 1d:緯糸 2:パウダー状高分子物質 3:グラビアローラ 4、6:ヒートボックス 5:カレンダローラ 7:ゴムベルト 11:ベルトプレス型脱水機 12:駆動ロール 13、14、15:ガイドロール 16、17、18:圧搾ロール 19:転写ドラム、20:固液 21:減圧吸引槽、23:スクレーパ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濾層部と補強布とが積層一体化されてなる
    濾布走行式の固液分離用濾布であって、該濾層部は合成
    繊維から成る極細立毛を有し、該極細立毛は濾布の長さ
    方向に方向指数1.2〜10の方向性を有しかつ該極細立毛
    の比表面積は3×103cm2/g以上であり、一方、前記補強
    布は前記濾層部よりも高い透水性と耐摩耗性を有しかつ
    搦み組織で製織された織布からなり、該補強織布の経糸
    方向を濾布走行方向と一致せしめて該補強織布と前記濾
    層部とが点状に介在された高分子物質により接着一体化
    されていることを特徴とする濾布走行式の固液分離用濾
    布。
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