JPH0711356B2 - 空調吹出口の羽根制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車用スイングルーバーに適用可能な空調吹
出口の羽根制御装置、更に詳しくは空調吹出口において
揺動可能に配置される風向き方向を調整するためのフィ
ン体の自動揺動停止位置を調整できる装置に関するもの
である。

（従来の技術） 例えば、自動車用スイングルーバーにおいては風吹出口
に配置される風向き方向を調整するフィン体を上下ルー
バー枠に対し揺動軸を介して枢支し、電動モータ等の動
力源にて上記揺動軸を支点として左右に自動揺動させる
とともに、自動揺動停止時には手動にて所望の方向に風
向きを設定すべく、上記揺動軸を支点とする手動揺動と
に切り替え可能にする機構が提案されており（例えば、
特公昭58−4256号）、かかる機構においては駆動源が停
止すると、フィン体の揺動停止方向が一様でないため、
フィン体の揺動停止後、手動により風向きを所定位置に
来るように調整するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、手動によりフィン体の方向を調整するた
めにはこの停止した駆動伝達機構とフィン体との連係を
解き、手動力によりフィン体を揺動可能とするクラッチ
機構（位相調整手段）を備える必要がある。かかるクラ
ッチ機構は切り替え動作をなくすために、一般に駆動伝
達部との連係に摩擦式滑り機構またはラチェットホイー
ル等のオーバーランニングクラッチ機構を採用して手動
動作にともなって自動的に連係が解除できる構造とする
必要があるが、自動切り替えとすると手動時に駆動伝達
部との連係力に打ち勝って連結部を移動させる必要上長
期にわたって繰り返し使用すると、連係部の係合力が弱
くなって自動揺動時の揺動駆動に支障を来すようになる
という問題点がある。

そこで、本発明は自動揺動の停止時に羽根体の揺動停止
方向を設定できるようにして、自動揺動停止後の風吹き
出し方向を調整の必要のない羽根制御装置を提供するこ
とを課題とする。

（課題を達成するための手段） 本発明はスイッチ操作により電動機を作動させて連続的
に空調吹出口の羽根を揺動させたり、停止させたりする
装置において、 上記スイッチ操作により電動機を作動および停止させる
回路とは別個に、一部に非導通部を有するコンタクトプ
レートと該コンタクトプレートに摺接する接点とからな
り、いずれか一方を羽根の揺動に連動して移動可能に設
け、他方を固定してなる制御スイッチを有する上記電動
機の制御回路を設け、上記作動スイッチを揺動停止位置
に操作したとき、上記制御回路によりコンタクトプレー
トの非導通部と接点とが接触するまで羽根の揺動を継続
させ、非導通部の位置設定により羽根の揺動停止位置を
調整できるようにしたことを要旨とする空調吹出口の羽
根制御装置にある。

本発明に係る制御装置は従来のフィン体の１軸揺動形式
の空調吹出口装置に適用できるのはもちろんのこと、本
出願人の出願に係る２軸揺動形式（後述の第１実施例）
おける空調吹出口装置に適用されてよい。

本考案に係る羽根制御装置はコンタクトプレートまたは
接点のいずれか一方を羽根の揺動に連動して移動可能に
設ける必要上、電動機の回転をフィン体に伝達するリン
ク機構の動作を利用し、他方はケース側に固定するよう
にするのが好ましい。

（作用） 本考案によれば、作動スイッチを揺動停止位置に操作し
ても羽根体が所定の停止位置にないとコンタクトプレー
トと接点とが接触しており、羽根体は揺動を継続し、コ
ンタクトプレートの非導通部と接点とが接触するに至る
まで羽根は揺動し、この非導通部と接点との接触により
電動機への通電が停止されて羽根体が停止することにな
る。したがって、コンタクトプレートの非導通部と接点
との接触位置により羽根体の自動揺動停止位置を設定す
ることができる。

以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づき、詳細に
説明することにする。

（実施例１） 第１図は本発明に係る空調吹出口の羽根制御装置を自動
車の２軸揺動形式のスイングルーバーに適用した場合の
平面図、第２図は２軸揺動形式のスイングルーバーの正
面図、第３図はその側面図、第４図はその内部機構を示
す平面図である。

図面においては、複数枚のフィン体２を横長の開口を有
する空調吹出口１に所定間隔をおいて併置される。各フ
ィン体２はその前方の上下端において突出する第１揺動
軸21、21を介して横方向に水平に延びる上下第１リンク
部材３、３に対し左右揺動可能に枢支され、連動するよ
うになっている。該各リンク部材３はその中央において
外方に突出する凸部31が吹出口１の上下ルーバー枠11、
12に横方向に延びて穿設されたガイド溝13、13に横方向
にスライド可能に突入するとともに、その長手方向端部
32は延長されて操作レバー33が取り付けられ、該操作レ
バー33は上記上方リンク部材３に平行して延びる操作盤
４の中央凹部41に係止するようになっており、下記する
第２揺動軸22およびそれらを連結するリンク部材５を揺
動支点とするフィン体２の操作レバー33による手動揺動
機構を構成している。

他方、上記各フィン体２はその後方の上端において突出
する第２揺動軸22を介して上記上方第１リンク部材３に
平行して延びる第２リンク部材５に対し左右揺動可能に
枢支され、連動するようになっている。該第２リンク部
材５には横方向左右端部に枢支されるフィン体２、２の
左揺動限界および右揺動限界を規制するストッパー51お
よび52が前方に突設されるとともに、ストッパー52の右
側端部は直角に延長され、そこに穿設された長穴53に電
動モータＭにより回転駆動される回転盤54の上面に突出
する係合子55がスライド可能に突入し、回転盤の矢印Ａ
方向回転駆動により第２リンク部材５に矢印ＢおよびＣ
方向の往復運動を行わせ、各フィン体２を上記第１揺動
軸21および第１リンク部材３を揺動中心とする自動揺動
機構を構成している。

したがって、上記構成においては第４図の状態から、操
作レバー33を左方向にスライドさせると、第１リンク部
材３が凸部31を介してガイド溝13に案内されて左方向に
スライドするので、各フィン体２は第２リンク部材５の
停止より第２揺動軸22を中心として左方向に連動して揺
動する。他方、操作レバー33を右方向にスライドさせる
と、第１リンク部材３が凸部31を介してガイド溝13に案
内されて右方向にスライドするので、各フィン体２は第
２リンク部材５が停止しているため、第２揺動軸22を中
心として右方向に連動して揺動する。これによりフィン
体２の自動揺動が停止時における風向き方向の調整がス
トッパー51および52で規制される範囲内で可能となる。

次に、上記フィン体２を自動揺動させる時は、図示しな
い電動モータのスイッチを入れると、第１リンク部材３
が操作レバー33の操作盤４の凹部41への落ち込みにより
係合しているので、第１揺動軸21を揺動中心として左右
揺動することになる。則ち、第４図の状態から回転盤４
が矢印Ａ方向に90度右回り回転するまで次第に第２リン
ク部材５は矢印Ｂ方向にスライドする。これに伴って、
フィン体２は第１揺動軸21を中心として矢印Ｂ方向に揺
動する。

さらに、回転盤４が矢印Ａ方向に回転すると、第２リン
ク部材５に伴ってフィン体２は中央方向に戻り、そこか
ら回転盤４が回転すると、第２リンク部材５に伴ってフ
ィン体２は矢印Ｃ方向に揺動し、かかる動作が繰り返さ
れることになる。

上記２軸揺動機構において、第１図に示すように電動モ
ータＭを回転駆動する電源Ｓと自動スイッチSW1を有す
る回路C1とは別個に停止位置制御回路C2を併設して電動
モータＭを制御するようになっている。要するに、この
停止位置制御回路C2はフィン体２が所望位置に来る時オ
フし、その位置以外ではオンするスイッチSW2を上記自
動スイッチSW1に並列配置して構成するもので、該制御
スイッチSW2は例えば、第２リンク部材５側に接触子６
を設けて自動揺動時にはフィン体２の揺動に同期して揺
動させる一方、該接触子６と接触するコンタクトプレー
ト７をルーバ枠11側に設け、該コンタクトプレート７
の、フィン体２の所望停止位置での接触子接触位置を非
導通部71として形成することができる。ここでは、自動
スイッチSW1がオフしてもフィン体２が所定の停止位置
になければ、コンタクトプレート７と接触子６とは接触
状態にあり、制御スイッチSW2がオン状態にあるので、
フィン体２は揺動を続け、フィン体２が所定位置に来る
と、接触子６はコンタクトプレート７の非導通部71に来
るので、停止することになる。このようにすると、常に
操作レバー33が常に係合位置にあることを保証されるた
め、次の自動揺動時におけるフィン体２の揺動開始時ま
でのロスタイムが解消される。

また、上記自動停止位置は、上記接触子６またはコンタ
クトプレート７の相対位置を移動させることによりセッ
ト可能である。即ち、いずれか一方を相対移動させる
と、再び両者が接触し、非導通となるまでフィン体２は
電動により揺動し、停止するので、フィン体２を所望の
揺動停止位置のリセットが可能である。

（実施例２） 第５図および第８図は本発明に係る空調吹出口の羽根制
御装置を自動車の１軸揺動形式のスイングルーバーに適
用した場合の断面側面図、第６図および第９図はその要
部平面図、第７図および第10図は電動機駆動回路図であ
る。

図面において、複数枚のフィン体２は横長の開口を有す
る空調吹出口１に所定間隔をおいて併置され、各フィン
体２はその中央の上下端において突出する揺動軸23、23
を介して上下ルーバー枠11、12に左右に揺動可能に枢支
されるとともに、上記各フィン体２はその後方の上端に
おいて突出する軸24を介してリンク部材８に対し左右揺
動可能に枢支され、連動するようになっている。該リン
ク部材８には第４図に示すと同様に右側端部81は直角に
延長され、そこに穿設された長穴82に電動モータＭによ
り回転駆動される回転盤９の上面に突出する係合子91が
スライド可能に突入し、回転盤の矢印Ａ方向回転駆動に
よりリンク部材８に往復運動を行わせ、各フィン体２の
揺動軸23を揺動中心とする自動揺動機構を構成してい
る。

該自動揺動機構には第６図に示すように、回転盤９の外
周91に凹部91aを形成し、これに対向してマイクロスイ
ッチSW3を配置し、マイクロスイッチSW3の作動ピン（ま
たはローラー）10が凹部91aに嵌入すると、非導通とな
るように構成し、第７図に示すように電動モータＭの作
動回路C1に並列してマイクロスイッチSW3を有する制御
回路C2を形成する。

上記マイクロスイッチSW3に代え、第８図および第９図
に示すように電動モータＭで駆動する回転盤９の下面に
円形のコンタクトプレート92を設け、その一部を切り欠
いて非導通部92aを形成し、コンタクトプレート92の内
方部に接触子10bを常時接触させる一方、コンタクトプ
レート92の外方部に接触子10aを接触させて非導通部92a
に来ると非導通となるようにしてスイッチSW4を構成す
る。かかるスイッチSW4を使用して第10図に示すように
電動モータＭの作動回路C1に並列して制御回路C2を形成
するようにしてもよい。

このようにすると、自動スイッチSW1をオフしてもフィ
ン体２が所望の位置にないとスイッチSW3および４は依
然と導通状態にあるので、電動モータＭは継続して駆動
され、フィン体２が所望の位置に来ると、スイッチSW3
および４がオフし、電動モータＭが停止することにな
る。

第11図は上記構成を利用する自動車用スイングルーバー
の全体構成を示す斜視図で、ケース本体Ｃはその一対の
幅広の空調吹出口１に水平に延びる複数枚の羽根体Ｗを
上下方向に揺動可能に枢支してなり、上記縦方向に延び
る羽根体２の左右揺動機構Ｍを組み込んでなる。具体的
には上記羽根体２の前方に枢着される手動用の上下第１
リンク部材３、３は側部において連結されてロ字計上を
なし、その下方の第１リンク部材の中央には操作ノブ33
が突設され、上記ケースＣの吹出口１の下側に位置する
凹部CHにスライド可能に位置させるようになっている。
なお、Ｇは電動モータＭを減速してクランク手段54に伝
達するギヤボックスである。

（発明の効果） 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、作動ス
イッチを揺動停止位置に操作しても羽根体が所定の停止
位置にないとコンタクトプレートと接点とが接触してお
り、羽根体は揺動を継続し、コンタクトプレートの非導
通部と接点とが接触するに至るまで羽根は揺動し、この
非導通部と接点との接触により電動機への通電が停止さ
れて羽根体が停止することになる。したがって、コンタ
クトプレートの非導通部と接点との接触位置により羽根
体の自動揺動停止位置を設定することができ、自動揺動
停止後手動で風向き方向を調節すること必要がない。ま
た、所定位置に停止した羽根体を更に揺動させて、所望
の風向きにしたい場合には本発明を第１実施例に示す２
軸揺動機構に適用するのが適している。この場合、上記
効果に加え、常に自動揺動軸が自動揺動開始時に固定さ
れているようにすることもできるので、揺動開始ロスタ
イムがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る空調吹出口の羽根制御装置を自動
車の２軸揺動式スイングルーバーに適用した場合の平面
図、第２図はその正面図、第３図（ａ）（ｂ）はその側
面図とその部分拡大図、第４図はその内部構成を示す平
面図、第５図および第８図は本発明に係る空調吹出口の
羽根制御装置を自動車の１軸揺動形式のスイングルーバ
ーに適用した場合の断面側面図、第６図および第９図は
その要部平面図、第７図および第10図は電動機駆動回路
図、第11図は本発明を適用する自動車用スイングルーバ
ーの全体構成を示す斜視図である。 １……空調吹出口、11および12……ルーバ枠 ２……フィン体、21……第１揺動軸 22……第２揺動軸 ３……第１リンク部材、５……第２リンク部材 ６……接触子、７……コンタクトプレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スイッチ操作により電動機を作動させて連
   続的に空調吹出口の羽根を揺動させたり、停止させたり
   する装置において、 上記スイッチ操作により電動機を作動および停止させる
   回路とは別個に、一部に非導通部を有するコンタクトプ
   レートと該コンタクトプレートに摺接する接点とからな
   り、いずれか一方を羽根の揺動に連動して移動可能に設
   け、他方を固定してなる制御スイッチを有する上記電動
   機の制御回路を設け、上記作動スイッチを揺動停止位置
   に操作したとき、上記制御回路によりコンタクトプレー
   トの非導通部と接点とが接触するまで羽根の揺動を継続
   させ、非導通部の位置設定により羽根の揺動停止位置を
   調整できるようにしたことを特徴とする空調吹出口の羽
   根制御装置。