JPH07113518A - 液体燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は液体燃料供給装置に関するもので、
電源電圧の変動等があっても過大流量を吐出することが
ないようにすることを目的としたものである。 【構成】 燃焼部６へ燃料を供給する電磁ポンプ４と、
電磁ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御部３１とを
備え、電磁ポンプはソレノイド２２への通電によりプラ
ンジャー１５を駆動して燃料を吸引・吐出するように構
成し、かつプランジャーの吐出側流通経路１０Ａの適所
とプランジャー１５の吐出側端部の少なくとも一方に過
大なプランジャーの動きを規制する規制部２７を設けた
構成としてある。従って、電源電圧の異常等によりポン
プ駆動制御部３１に過大な電圧が加わってもプランジャ
ー１５は規制部２７によって正常ストローク範囲の上限
以上に移動することを規制され、電磁ポンプ４から過大
な燃料が吐出されることがまったくなくなり、瞬間的な
過大炎の発生を未然に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は石油ファンヒータなどに
使用される液体燃料供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にこの種の液体燃料供給装置は図４
に示すように液体燃料を保有するタンク１０１上部に電
磁ポンプ１０２を配設し、この電磁ポンプ１０２でタン
ク１０１内の液体燃料を吸い上げ送油パイプ１０３を介
して燃焼部１０４に供給し燃焼させるようになってい
る。

【０００３】そしてその電磁ポンプは図５に示すように
ポンプ駆動制御部１０５からの出力に基づいてプランジ
ャ１０６を上下動作せ、そのプランジャー１０６の上下
動によって吐出弁１０７と吸入弁１０８を駆動して、タ
ンク１０１から燃料を吸引し燃焼部１０４へ供給するよ
うになっている。

【０００４】

【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では電源電圧の異常や機器本体制御部の部品故
障等によってポンプ駆動制御部１０５に過大な電圧が加
わると、プランジャー１０６が正常時のストローク範囲
を越えて大きく移動し、異常な量（正常時の最大吐出量
よりもかなり多い量）の燃料を吐出してしまうという課
題があった。このように過大な燃料を吐出すると、機器
側では燃焼部１０４での炎が異常に大きなものとなっ
て、使用者に不安感を与えたり、図４に示す機器本体１
０９のダクト１１０内いっぱいに炎が広がって機器を熱
損傷させてしまうという課題があった。

【０００５】このため従来は電圧検出部を設けてポンプ
駆動制御部１０５に異常な電圧が印可されると、これを
検出してポンプ駆動制御部１０５への通電を停止させ燃
料供給を停止させるようになっているが、異常電圧を検
出したときにはプランジャー１０６はすでに大きく移動
しているため瞬間的ではあるものの過大な量の燃料が吐
出され、機器側では一時的に炎が大きくなってしまい、
根本的な解決には至らなかった。

【０００６】また、この電圧検出方式のものは一時的な
電源電圧の変動によって生じる過大電圧のようにすぐに
正常状態に戻る場合でも直ちに燃料供給を停止させてし
まうため、使い勝手が悪いという課題もあった。

【０００７】本発明はこのような課題を解決したもの
で、電源電圧の変動等があっても過大流量を吐出するこ
とがないようにすることを第１の目的とし、そして使い
勝手を損なう事なく安全性を向上させることを第２の目
的としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するため、燃料を保有するタンクと、このタンク
から燃焼部へ燃料を供給する電磁ポンプと、上記電磁ポ
ンプの駆動を制御するポンプ駆動制御部とを備え、上記
電磁ポンプはソレノイドへの通電によりプランジャーを
駆動して燃料を吸引・吐出するように構成し、かつプラ
ンジャーの吐出側流通経路の適所とプランジャーの吐出
側端部の少なくとも一方に過大なプランジャーの動きを
規制して異常な量の燃料が吐出されるのを防止する規制
部を設けた構成としてあり、更に第２の目的を達成する
ため、プランジャーの動きが規制されたことを検出する
検出部と、この検出部からの信号が所定時間検出される
とポンプ駆動制御部への通電を停止させる安全制御部と
を設け、この安全制御部からの出力に基づいてプランジ
ャーの動き規制が所定時間継続すると燃料供給を停止す
るように構成してある。

【０００９】

【作用】本発明は上記構成によって、電源電圧の異常や
機器本体制御部の部品故障等によってポンプ駆動制御部
に過大な電圧が加わってプランジャーが正常ストローク
範囲の上限を越えて移動しょうとしてもプランジャーは
規制部によってその動きを規制され、正常ストローク範
囲の上限以上に移動することはなくなる。従って、電磁
ポンプから過大な燃料が吐出されることがまったくなく
なり、瞬間的な過大炎の発生を未然に防止することがで
きる。

【００１０】また、プランジャーの動き規制が所定時間
継続すると燃料供給を停止するように構成したものにあ
っては、一時的な電源電圧の変動によって生じる過大電
圧のようにすぐに正常状態に戻る場合はそのまま燃料供
給を継続するが、部品故障等のように過大電圧が続くよ
うな異常時には燃料供給を停止するので使い勝手を損な
う事なく安全性を向上することができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。まず図３を用いて本発明の液体燃料供給装置を
組み込んだ温風暖房機の概略構成について説明すると、
１は本体ケースで、前面に温風吹出口１Ａを有する。２
は本体ケース１の側部に配設した液体燃料を保有するタ
ンクで、その上部に着脱自在なカートリッジタンク３が
配設してある。４はタンク２の上面に配設した電磁ポン
プ、５は送油パイプ、６は前記電磁ポンプ４によって吸
い上げ送油パイプ５を介して供給される液体燃料を気化
して燃焼させる燃焼部で、その周囲には燃焼ガスを上方
へ導く燃焼筒７が設けてある。９は上記燃焼筒７を覆い
後方へ配設した対流用送風機８からの室内空気流と上述
の燃焼ガスを混合して温風にするダクトである。

【００１２】次に上記温風暖房機の液体燃料供給装置の
構成を図１、図２を用いて説明する。まず電磁ポンプ４
の構成を説明すると、１０は上記電磁ポンプ４内に液体
燃料の流通経路１０Ａを形成している管柱で、その先端
には送油パイプ５を結合する吐出結合部１１が接続して
ある。１２は上記吐出結合部１１内に設けた吐出弁座
で、吐出口１２ａを有する。１３はこの吐出口１２ａを
開閉する吐出弁で、磁性体で形成してあり、液体燃料の
吐出時に開き、吸入時に吐出バネ１４で閉じるようにな
っている。

【００１３】１５は上記吐出弁座１２の下部に位置する
プランジャーで、上下動し、下方に行くときに吸入弁１
６を開いて吐出弁座１２との間に液体燃料を吸入し、上
方へ行くときに吸入バネ１７で吸入弁１６を閉じて液体
燃料を上方へ押し上げる吸入弁部をその中に有してお
り、バネ２０、２１で支えられている。２２は上記管柱
１０の周囲に配設したソレノイドで、プランジャー１５
を上下動させるものであり、上記管柱１０との間にソレ
ノイド２２からの磁力線を伝えプランジャー１５を上方
へ引き上げる上磁路２３と、その下部に離れて磁力線を
伝える下磁路２４を配設している。

【００１４】２５、２６は上記バネ２０、２１を受ける
バネ座で、プランジャー１５側の端部にはプランジャー
１５の動きを規制する規制部２７、２８がそれぞれ形成
してある。この規制部２７、２８は前記ソレノイド２２
に過大な電圧が印可されてプランジャー１５が大きく移
動しょうとしても予め定められている正常ストローク範
囲の上限（予め設定されている燃焼量可変幅の最大燃焼
量に相当する量より若干多い量の燃料を吐出する位置）
を越えて移動できないようにするためのものであり、プ
ランジャー１５はこの規制部２７、２８に当接してそれ
以上の移動を阻止されるようになっている。

【００１５】２９は上記管柱１０の下端に配設した吸入
パイプで、その下端にゴミなどを濾過して中に入らない
ようにする網状のフィルター３０が装着してある。

【００１６】次に上記電磁ポンプを制御する制御部の構
成を説明して行くと、３１はソレノイド２２への通電を
制御するポンプ駆動制御部で、燃焼制御部３２からの出
力を受けて動作するようになっている。なお、この燃焼
制御部３２は運転スイッチ３３からの運転開始指令に基
づいて動作し、予め定められたプログラムにしたがって
ポンプ駆動制御部３１へ燃料供給開始指令を出し、燃焼
を開始させるようになっている。３４はプランジャー１
５が吐出側の規制部２７に当接するとこれを検出する検
出部で、例えば上記両者が当接すると電流が流れるよう
にしてこれを検出するように構成してある。３５はこの
検出部３４からの出力を受けて作動する安全制御部で、
検出部３４からの出力が所定時間検出されると燃焼制御
部３２へ信号を送ってポンプ駆動制御部３１への通電を
停止させるようになっている。

【００１７】上記構成において、この温風暖房機はまず
燃料がカートリッジタンク３よりタンク２内に一定油面
高さを保つように供給され、そのタンク２から電磁ポン
プ４によって送油パイプ５を介して燃焼部６へ吸い上げ
供給される。そして燃焼部６で燃焼され、その燃焼排ガ
スは燃焼筒７上方へ流れていき、ダクト９で対流用送風
機８からの室内空気流と混合され、温風として吹き出さ
れ暖房に利用される。

【００１８】次に上記液体燃料の供給について説明す
る。燃焼制御部３２から燃焼開始指令が出されるとポン
プ駆動制御部３１はソレノイド２２にＯＮ−ＯＦＦ通電
を開始し、これを駆動して燃焼を開始させる。すなわ
ち、ソレノイド２２に通電すると、ソレノイド２２から
上磁路２３を介してプランジャー１５、下磁路２４そし
てソレノイド２２へという磁界を生じ、プランジャー１
５が上方へ引き上げられる。このとき吐出弁１３は開
き、吸入弁１６は閉じられ、吐出弁座１２とプランジャ
ー１５の間の空間にある液体燃料は吐出弁座１２の吐出
口１２ａを介して吐出結合部１１に結合した送油パイプ
５へ吐出する。またソレノイド２２の通電を停止する
と、プランジャー１５はバネ２０、２１によって元の位
置へ下がる。このとき吐出弁１３は閉じ、吸入弁１８は
開かれ、吐出弁座１２とプランジャー１５の間に下方の
吸入パイプ２９より吸入される液体燃料で満たされる。
そしてこのソレノイド２２への通電のＯＮ／ＯＦＦの繰
り返しでタンク２内の液体燃料は、フィルター３０を通
過して吸入パイプ２９から吸い込まれ、送油パイプ５を
介して燃焼部６に供給される。

【００１９】このようにして電磁ポンプ４はポンプ駆動
制御部３１からの出力に応じてプランジャー１５により
燃料を吸引・吐出しているが、このとき電源電圧の異常
や燃焼制御部の部品故障等によって過大な電圧がポンプ
駆動制御部３１に加わるとプランジャー１５は強力な磁
界による吸引力によって引っ張られ、バネ２０の力に抗
して大きく移動しようとする。しかしながら、このとき
プランジャー１５は予め設定されている正常ストローク
範囲の上限（予め設定されている燃焼量可変幅の最大燃
焼量に相当する量より若干多い量の燃料を吐出する位
置）まで移動するとバネ座２５の規制部２７に当接して
それ以上の移動を阻止され、正常ストローク範囲の上限
までしか移動しない。したがって、従来のようにプラン
ジャーが正常ストローク範囲の上限を越えて移動し過大
な量の燃料が吐出されるようなことがなくなる。よって
燃焼部での炎は正常範囲の大きさよりも大きくなること
はなく、瞬間的な過大炎の発生を確実に防止することが
可能となる。

【００２０】一方、上記のように過大な電圧が印可され
てプランジャー１５が規制部２７に当接するとその都度
検出部３４がこれを検出し、その信号を安全制御部３５
へ送る。安全制御部３５はこの信号が所定時間、例えば
３秒間継続するか否かを監視し、所定時間継続しなけれ
ばそのまま検出部３４からの信号の有無を監視し続ける
とともに、所定時間継続すると燃焼制御部３２へ信号を
送り、ポンプ駆動制御部３１への通電を停止させる。従
って、一時的な電源電圧の変動によって生じる過大電圧
のようにすぐに正常状態に戻る場合はそのまま燃料供給
を継続するが、部品故障等のように過大電圧が続くよう
な異常時には燃料供給を停止させることになる。

【００２１】なお、上記実施例ではプランジャー１５の
過大な動きを阻止する規制部２７、２８をバネ座２５、
２６に設けたが、これは管柱１０に環状リブを設ける等
して設けてもよく、流通経路１０Ａ内であればどの様に
設けてもよい。また、この規制部２７、２８はプランジ
ャー側に設けてもよく、その規制部２７、２８の構成も
プランジャー１５の過大な動きを規制するものであれば
どのような構成のものであってもよい。更に、上記規制
部２７、２８はプランジャー１５の吸引、吐出の両側に
設けたが、これは少なくとも吐出側に設けてあればよ
く、本発明の目的を達成するものであればどのようなも
のでもよいものである。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の液体燃料供
給装置は、プランジャーの吐出側流通経路の適所とプラ
ンジャーの吐出側端部の少なくとも一方に過大なプラン
ジャーの動きを規制して異常な量の燃料が吐出されるの
を防止する規制部を設けてあるので、電源電圧の異常や
機器本体制御部の部品故障等によってポンプ駆動制御部
に過大な電圧が加わってプランジャーが正常ストローク
範囲の上限を越えて移動しょうとしてもプランジャーは
規制部によってその動きを規制され、正常ストローク範
囲の上限以上に移動することはなくなる。従って、電磁
ポンプから過大な燃料が吐出されることがまったくなく
なり、機器側で生じる瞬間的な過大炎の発生を確実に防
止することができる。

【００２３】また、プランジャーの動き規制が所定時間
継続すると燃料供給を停止するように構成したものにあ
っては、一時的な電源電圧の変動によって生じる過大電
圧のようにすぐに正常状態に戻る場合はそのまま燃料供
給を継続するが、部品故障等のように過大電圧が続くよ
うな異常時には燃料供給を停止するので、使い勝手を損
なう事なく安全性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における液体燃料供給装置の
構成図

【図２】同装置の電磁ポンプを示す拡大断面図

【図３】同装置を用いた温風暖房機の断面図

【図４】従来の燃料供給装置を用いた温風暖房機の断面
図

【図５】同装置の電磁ポンプを示す断面図

【符号の説明】

２ タンク ４ 電磁ポンプ ６ 燃焼部 １５ プランジャー ２２ ソレノイド ２７ 規制部 ３４ 検出部 ３５ 安全制御部 １０Ａ 流通経路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料を保有するタンクと、このタンクか
   ら燃焼部へ燃料を供給する電磁ポンプと、上記電磁ポン
   プの駆動を制御するポンプ駆動制御部とを備え、上記電
   磁ポンプはソレノイドへの通電によりプランジャーを駆
   動して燃料を吸引・吐出するように構成し、かつプラン
   ジャーの吐出側流通経路の適所とプランジャーの吐出側
   端部の少なくとも一方に過大なプランジャーの動きを規
   制して異常な量の燃料が吐出されるのを防止する規制部
   を設けた液体燃料供給装置。
2. 【請求項２】 プランジャーの動きが規制されたことを
   検出する検出部と、この検出部からの信号が所定時間検
   出されるとポンプ駆動制御部への通電を停止させる安全
   制御部とを設け、この安全制御部からの出力に基づいて
   プランジャーの動き規制が所定時間継続すると燃料供給
   を停止するようにした請求項１記載の液体燃料供給装
   置。