JPH07113080B2 - 湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物

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JPH07113080B2
JPH07113080B2 JP28667387A JP28667387A JPH07113080B2 JP H07113080 B2 JPH07113080 B2 JP H07113080B2 JP 28667387 A JP28667387 A JP 28667387A JP 28667387 A JP28667387 A JP 28667387A JP H07113080 B2 JPH07113080 B2 JP H07113080B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は湿潤面、特に水中にて厚膜塗装することができ
る湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物に関する。
〈従来の技術〉 近年海洋開発に伴なう石油堀削あるいは石油備蓄パー
ジ、海上プラント船などの鋼構造物、海上に建設される
巨大橋の橋脚部、海上空港の水中鋼構造物などの建造や
建設が増加の一途をたどっているが、これらは設置区域
からメインテナンスのための移動がほとんど不可能であ
る。従って、これら鋼構造物の水中部、あるいはスプラ
ッシュゾーン(飛沫帯)部での防食塗装、清掃、保守な
どの問題が生じ、海上におけるメインテナンスの必要性
が大きな課題となっている。この課題を解決するための
一つの手段として、これら鋼構造物の水中部分やスプラ
ッシュゾーン部に、陸上と同様の簡単且つ容易な手段で
防食性の優れた被膜を形成する手段が考えられる。
一方、従来から知られているこのような水中塗装用組成
物としては、エポキシ樹脂をベースとし、硬化剤として
ポリアミドまたはポリアミンを使用し、これに充填剤を
加えた組成物がある。しかしながらこの組成物は、均一
な厚膜施工しがたく付着力が弱く硬化する間に波浪など
のために極めて簡単に流出し、またたとえ硬化したとし
ても硬化物の付着性が不充分で長期間の防食はほとんど
期待できないものである。
また、このような水中硬化性エポキシ樹脂組成物は、静
水中や単なる湿潤条件下では樹脂系および硬化剤系の粘
度が比較的低くされたものでも使用できるが、水流もし
くは水圧のある水中や漏水場所あるいは桟橋、水門など
の海洋構築物におけるような水中やスプラッシュゾーン
では、特に樹脂系および硬化剤系の粘度を高くしてパテ
状の組成物となりうるものを選定使用することが望まれ
る。これは粘度の低い配合系によると両者を混合してラ
イニング、シーリングなどの施工を行った後これを室温
硬化させる間に水力によって流出したり剥離して均一な
厚膜とならず、防食性能が低下するおそれがあるためで
ある。
従来、このような高粘度配合系からなる水中硬化性エポ
キシ樹脂組成物においては、その混合に際し低粘度配合
系のような自動手段や攪拌治具を用いた混合手段あるい
はその塗工に際し機械的な施工手段をとりにくく、専ら
手で混合し手で施工するという、いわゆるハンド作業を
採用しているのが普通である。特に複雑な構造で恒久的
足場の設置も困難な作業条件を強いられる海洋構築物な
どにおいては、このようなハンド作業法に頼らざるを得
ない実状にある。
ところが、従来公知のこの種の組成物では樹脂系および
硬化剤系の混合時に手に配合物が付着し充分に混合でき
ないという問題点があった。この問題は例えば各配合系
にワセリンなどの油性物質を添加することによりある程
度回避されるものと思われるが、これでは施工に際して
上記の油性物質の撥水作用で施工面にうまく付着させる
ことができず、本来の目的を達し得なくなる。
また、他の解決法として、水中硬化性硬化剤が水に溶解
しにくくしかも硬化反応が水より影響されにくい性質を
有していることに着目して水を付着防止媒体として利用
し、常時水で手を濡らしながら作業するウェットハンド
法が考えられている。ところが、この方法でも次のよう
な問題が生じ期待したような結果は得られていない。
即ち、水で手を濡らすといってもその水は短時間のうち
に配合物の中に移行してしまうから混合時頻繁に水で手
を濡らさなければならない。これでは実際の施工にあた
って極めて非能率的となるし配合物中に移行する水分量
も多くなって硬化物特性に悪影響を与えるおそれがあ
る。また、常時水で手を濡らす手段として混合操作自体
を水中で行うことも考えられるが、多量の水の混入によ
る硬化物特性の低下はどうしても避けられない。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は上記従来のエポキシ樹脂組成物が有する問題点
を解決し、ウェットハンド法においても高粘度配合系で
の混合や施工作業を容易に行なえ、均一な厚膜塗装が容
易に行なえる新規且つ有用な湿潤施工用エポキシ樹脂組
成物を提供するものである。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは上記問題点を解決すべく検討を重ねた結
果、特定の粘土鉱物を配合したエポキシ樹脂組成物が湿
潤面、特に水中での施工作業性に優れ、均一な厚膜塗装
も充分に可能であることを見い出し本発明を完成するに
至った。
即ち、本発明の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂、ポリアミドアミンを主成分とする硬化剤、
および繊維径が0.01μm〜1μmで且つ繊維長が0.1〜1
00μmの粘土鉱物を含有することを特徴とするものであ
る。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、従来からこ
の種の塗料用として使用されてきたエポキシ樹脂を挙げ
ることができる。
このようなエポキシ樹脂として、例えば下記式、 (式中、Zは水素原子、メチル基またはエチル基を示
す) で示される置換または非置換のグリシジル基(例えば、
グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジル
アミン、グリシジルイミンなど)を分子内に少なくとも
1個有するものを例示することができる。そのようなエ
ポキシ樹脂として、具体的には、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジル
エーテル、フェノールノボラックのエポキシ樹脂、ビス
フェノール類のアルキレンオキシド付加物のジグリシジ
ルエーテルなどを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限はないが、
好ましくはエポキシ当量140〜1000程度のものが用いら
れる。エポキシ当量が小さすぎるものは、得られる硬化
塗膜の特性が低下し、逆に大きすぎるものは、エポキシ
樹脂が固形状となる傾向がある。
また、1分子中の平均エポキシ基が1.5個以上のものを
用いるのが好ましく、平均エポキシ基が1.5個以上のも
のを使用することにより得られる硬化塗膜の特性を向上
せしめることができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂の性状は、通常液状または
半固形状のものが使用され、固形のエポキシ樹脂は、n
−ブチルグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエー
テル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレ
ンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなど固形状
のエポキシ樹脂を溶解しうる希釈剤と混合して、液状ま
たは半固形状として用いることができる。
本発明にて用いられるエポキシ樹脂の硬化剤は、ポリア
ミドアミンを主成分とするものであって、好ましくは第
一級ないし第二級アミノ基を1分子あたり平均約1.7個
以上有するものが使用される。具体的には、リノレイン
酸、オレイン酸、リノール酸、エライジン酸、リシノレ
イン酸などの分子中に不飽和結合を有する高級脂肪酸を
重合させて得られるダイマー酸、トリマー酸などの重合
脂肪酸とポリアミン、特に脂肪族ポリアミンとの縮合反
応生成物が挙げられる。
上記ポリアミンとしては、縮合反応性の点から1分子あ
たり少なくとも1個の活性水素原子を有するアミノ基を
2個以上有するポリアミンを使用し、例えば分子中に環
構造を含まない脂肪族ジアミン類、アルキレンポリアミ
ン類、分岐を有するポリメチレンジアミン類、ポリアル
キレンポリアミン類、芳香族残基を環構造に含む脂肪族
性ジアミン類、脂肪族残基を環構造に含む脂肪族性ジア
ミン類、複素環残基を環構造に含む脂肪族性アミン類な
どが挙げられる。なお、これらのポリアミンは単独もし
くは二種以上を混合して縮合反応に供せられる。
分子中に環構造を含まない脂肪族ジアミン類としては、
エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミンなどがある。アルキレ
ンポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキ
サメチレンヘプタミン、ジ(ヘキサメチレン)トリアミ
ン、トリ(ヘキサメチレン)テトラミン、テトラ(ヘキ
サメチレン)ペンタミン、トリプロピレンテトラミン、
テトラプロピレンペンタミンなどがある。分岐を有する
ポリメチレンジアミン類には、2−メチル−2・4−ジ
アミンペンタン、 (n:1以上8までの整数) などが挙げられる。
ポリアルキレンポリアミン類としては、イミノビスプロ
ピルアミン(H2N(CH2)3NH(CH2)3NH2)、メチルイミノビ
スプロピルアミン テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミ
ノエチルアミノメチル)メタン、トリエチレン−ビス
(トリメチレン)ヘキサミンなどがある。芳香族残基を
環構造に含む脂肪族性ジアミン類としては、1・3−ジ
アミノメチルナフタレン、1・4−ジアミノメチルナフ
タレン、4・4′−ジアミノメチルビフェニル、3・
3′−ジアミノメチルビフェニル、オルト−,メタ−ま
たはパラ−キシリレンジアミン(ω・ω′−ジアミノキ
シレン)などがある。
脂肪族残基を環構造に含む脂肪族性ジアミン類として
は、1・4−ジアミノシクロヘキサン、1・3−ジアミ
ノシクロヘキサン、1・2−ジアミノシクロヘキサン、
1−アミノ−3−アミノメチル−3・5・5−トリメチ
ルシクロヘキサン(イソホロンジアミン)、1・8−ジ
アミノ−8−メンタン、ビス−(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、2・2′−ビス−(4−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、1・3−ビス−(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1・2−ビス−(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキ
シル)メタンなどがある。複素環残基を環構造に含む脂
肪族性アミン類としては、N−アミノエチルピペラジ
ン、1・4−ビス−(3−アミノプロピル)ピペラジ
ン、3・9−ビス−(3−アミノプロピル)−2・4・
8・10−テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカンなど
がある。
ポリアミドアミンのなかでも最も代表的なものは、リノ
レイン酸のダイマー酸またはトリマー酸と上記各種ポリ
アミンとの縮合反応生成物である。その構造は、たとえ
ばリノレイン酸のダイマー酸を原料とした場合、次のよ
うなものである。
(式中、RおよびR′はポリアミンの残基であり、互い
に同種であっても異種であってもよい。) 上記ポリアミドアミンは本発明の組成物にて得られる硬
化塗膜の特性を向上させるために、アミン価を100〜50
0、活性水素当量を50〜150の範囲とすることが好まし
く、また該硬化剤の配合量はエポキシ樹脂のエポキシ基
1当量あたり硬化剤全体の活性水素当量を0.5〜2.5当量
の範囲となるように設定することが好ましい。0.5当量
に満たない場合には硬化が不充分となることがあり、ま
た、2.5当量を超えると未反応の硬化剤が硬化塗膜中に
残存して特性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明における上記ポリアミドアミンは硬化剤の主成分
として作用するが、副成分として硬化助剤または硬化促
進剤を適宜配合することもできる。このような化合物と
してはBF3−アミン錯体、無水ヘキサハイドロフタル
酸、ジシアンジアミド、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールの如きイミダゾール類、トリエチレンテトラミ
ン、変性脂肪族ポリアミン、変性芳香族ポリアミンなど
が挙げられる。
さらに、連鎖延長剤や架橋剤などを配合することがで
き、このような物質には、アゼライン酸、フマル酸など
の二塩基酸および1・6−ヘキサンジチオール、1・8
−オクタンジチオールなどのジメルカプタンがある。さ
らに、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、
無水ヘキサハイドロフタル酸などの酸無水物:4・4′−
ジシクロペンチルメチレンイソシアネート、4・4′−
ジフエニルメチレンジイソシアネート、2・4−トリレ
ンジイソシアネート、2・6−トリレンジイソシアネー
ト、1・4−フエニレンジイソシアネートなどのジイソ
シアネート:エチレンジアミン、1・2−プロパンジア
ミン、1・3−プロパンジアミン、1・4−ブタンジア
ミン、2−メチル−1・2−プロパンジアミン、1・5
−ペンタンジアミン、1・6−ヘキサンジアミン、1・
7−ヘプタンジアミン、1・8−オクタンジアミン、1
・10−デカンジアミン、1・12−ドデカンジアミンなど
の脂肪族アミン類:ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ビス(ヘキ
サメチレス トリアミン、3・3′−イミノビスプロピ
ルアミンなどの脂肪族ポリアミン類:1・2−ジアミノシ
クロヘイサン、1・8−p−メンタンジアミンなどの脂
環式ジアミンおよびポリアミン類:4−(アミノメチル)
ピペリジン、ピペラジンおよび各アルキル基中の炭素数
が1〜12、望ましくは1〜6であるN−(アミノアルキ
ル)ピペラジン(例えば、N−(2−アミノエチル)ピ
ペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N
・N″−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなどの
複素環式ジアミンおよびポリアミン類:および1・4−
ジプロモブタン、1・3−ジブロモブタン、1・4−ジ
クロロブタン、1・2−ジクロロエタン、1・4−ジヨ
ードブタン、1・6−ジクロロヘキサンなどのような炭
素原子数1〜12の脂肪酸二ハロゲン化物、望ましくは炭
素原子数1〜8の脂肪族二臭化物および/もしくは二塩
化物がある。
その他の連鎖延長剤および/または架橋剤として適当で
ありかつより望ましいものとしては、炭素原子数6〜2
4、特に炭素原子数6〜18のジヒドロキシ芳香族化合物
がある。この化合物には、カテコール、レゾルシノー
ル、3−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキ
シベンジルアルコール、1・3−ジヒドロキシナフタレ
ン、1・5−ジヒドロキシナフタレン、1・7−ジヒド
ロキシナフタレンなどがある。より一層望ましいものと
しては次式で表わされるビスフエノールがある。
(式中、RはC,O,SおよびNからなる群から選ばれた少
なくとも一種の原子1〜8原子を含む二価ラジカル、望
ましくは炭素原子数1〜8のアルキレンまたはアルキリ
デン基、より望ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン
またはアルキリデン基である。) 適当なビスフエノールには、メチレンビスフエノール、
イソプロピリデンビスフエノール、ブチルデンビスフエ
ノール、オクチリデンビスフエノール、ビスフエノール
サルフイド、ビスフエノールスルホン、ビスフエノール
エーテル、ビスフエノールアミンなどがある。
本発明の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物には繊維径が
0.01〜1μmで且つ繊維長が0.1〜100μmの粘土鉱物が
配合されている。このような粘土鉱物としてはアスベス
トや、非アスベスト鉱物が挙げられ、非アスベスト鉱物
としては鎖状構造粘土鉱物であるアタパルジャイト、セ
ピオライト、パリゴルスカイトなどが使用でき、好適に
はアタパルジャイトまたはセピオライトが用いられる。
尚、これらの粘土鉱物は2種以上を併用してもよい。
上記粘土鉱物の繊維径および繊維長が上記範囲外では組
成物に対する分散性が著しく低下するために硬化後の塗
膜特性や、耐久性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
上記粘度鉱物は本発明の全組成物中、3〜50重量%の範
囲で配合することが好ましく、3重量%に満たないと、
混合しない湿潤部への施工に際して遊離の水を吸着する
作用が不充分となり、硬化時の収縮現象を抑制して接着
界面に生じる残留応力を低減させることができにくくな
る。その結果、硬化物特性が低下し接着性が劣る傾向を
示す。また、50重量%を超える配合では組成物全体の稠
度が低くなり塗装時に塗り広げることが困難となる傾向
を示す。
本発明の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物は、以上の各
成分からなるものであるが、施工時の作業性や塗膜の接
着性の点からその稠度を50〜300、好ましくは80〜200の
範囲に調整することが望ましい。稠度が小さすぎると本
発明の組成物が堅くなり塗り広げることが困難となり、
また大きすぎると逆に軟らかくなるので施工時に被塗物
への押圧が充分に接着界面に伝達されないので接着力が
低下したり、硬化前の状態の塗膜が水流や波浪のために
剥離、流出しやすくなる。尚、本発明で云う稠度とは25
℃の条件下、JISK2220に基づき針入度計を用いて、規格
条件下で試料中に規定の円錐が垂直に進入する深さを表
わし、0.1mmを1単位としたものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物には稠度や比重の調整、施
工性の向上、硬化塗膜の機械的強度の向上、応力緩和な
どを目的として必要に応じ、各種充填剤を前記エポキシ
樹脂100重量部に対して300重量部以下配合することがで
きる。このような充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、クレー、カーボンブラック、二酸化チタン、硫酸バ
リウム、金属粉末、ガラス粉末、ガラスフレーク、セメ
ント、無機質繊維などが挙げられ、その他適宜、希釈
剤、シランカップリング剤、溶剤、着色顔料、防錆顔料
なども配合することができる。
本発明の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物を得るには、
例えば前記エポキシ樹脂、ポリアミドアミンを主成分と
する硬化剤、粘土鉱物に、必要に応じて硬化促進剤や各
種充填剤等を配合して攪拌、混合するだけでよい。
〈発明の効果〉 以上のように本発明の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂からなる組成物に特定の粘土鉱物を配
合しているので、均一な厚膜塗装が行なえ、湿潤面、特
に水中施工において作業性が良好であると共に硬化物特
性に優れた塗膜を得ることができるものである。
〈実施例〉 以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明す
る。尚、以下において部は重量部を意味する。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)1
00部、ブチルグリシジルエーテル(エポキシ当量140)1
0部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1
部、リノレイン酸のダイマー酸とジエチレントリアミン
との反応生成物(アミン価310、活性水素当量125)80
部、タルク150部、二酸化チタン5部、カーボンブラッ
ク0.5部、アタパルジャイト(繊維0.05μm、繊維長0.1
μm)12部を攪拌混合釜中30℃で混合して稠度230のエ
ポキシ樹脂組成物を得た。
比較例1 実施例1においてアタパルジャイトに代えてペントナイ
トクレー(モンモリロナイト)50部を配合した他は、全
て実施例1と同様にして稠度40の組成物を得た。
実施例2 実施例1においてビスフェノールA型エポキシ樹脂に代
えてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量17
5)100部、アタパルジャイトの代わりにセピオライト
(繊維径0.1μm、繊維長50μm)40部を配合した他
は、全て実施例1と同様にして稠度120のエポキシ樹脂
組成物を得た。
比較例2 実施例1においてポリアミドアミンである反応生成物に
代えてジエチレントリアミンのエポキシ変性物(アミン
価770、活性水素当量52)30部配合し、タルクの配合量
を100部とした他は、全て実施例1と同様にして稠度150
の組成物を得た。
実施例3 実施例1においてタルクを配合せず、アタパルジャイト
の配合量を180部とした他は、全て実施例1と同様にし
て稠度50のエポキシ樹脂組成物を得た。
比較例3 実施例1においてアタパルジャイトを配合しない他は、
全て実施例1と同様にして稠度390の組成物を得た。
上記各実施例および比較例にて得られた組成物を海水中
に垂直に立てられたブラスト鋼板にウェットハンド法に
よって厚さ5mmに塗布した。
各実施例の組成物は容易に厚さ5mmの均一な塗膜とする
ことができたが、比較例1のものは堅すぎて非常に塗り
広げにくく、比較例2のものは手に組成物がベタベタと
付着して施工しにくく、また比較例3のものは軟らかす
ぎて垂れやすく厚さ5mmの均一な塗膜が得られなかっ
た。
また、上記鋼板上に塗布した組成物を海水中、20℃の条
件下7日で硬化させ、硬化後の塗膜特性を下記方法によ
って測定した。結果を第1表に示す。
〈塗膜接着力〉 エルコメータ社製のアドヒージョンテスターにより測定
した。
〈耐衝撃強度〉 デュポン式衝撃試験機にてJIS K 5400に準じ、撃芯径0.
5インチ、荷重5kgの条件で荷重を落下させ、鋼板に達す
るクラック、われが生じない最大高さを測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−88528(JP,A) 特開 昭57−40574(JP,A) 特開 昭59−213719(JP,A) 特開 昭61−91217(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、ポリアミドアミンを主成分
    とする硬化剤、および繊維径が0.01〜1μmで且つ繊維
    長が0.1〜100μmの粘土鉱物を含有することを特徴とす
    る湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】粘土鉱物がアタパルジャイトまたはセピオ
    ライトである特許請求の範囲第1項記載の湿潤面施工用
    エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】稠度が50〜300である特許請求の範囲第1
    項記載の湿潤面施工用エポキシ樹脂組成物。
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