JPH0711263A - 気流層ガス化装置 - Google Patents

気流層ガス化装置

Info

Publication number
JPH0711263A
JPH0711263A JP15927593A JP15927593A JPH0711263A JP H0711263 A JPH0711263 A JP H0711263A JP 15927593 A JP15927593 A JP 15927593A JP 15927593 A JP15927593 A JP 15927593A JP H0711263 A JPH0711263 A JP H0711263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gasification
gas
section
raw material
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15927593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0774347B2 (ja
Inventor
Akio Ueda
昭雄 植田
Rikuo Yamada
陸雄 山田
Eiji Kida
栄次 木田
Shinji Tanaka
真二 田中
Motoharu Endo
元治 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP15927593A priority Critical patent/JPH0774347B2/ja
Publication of JPH0711263A publication Critical patent/JPH0711263A/ja
Publication of JPH0774347B2 publication Critical patent/JPH0774347B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス化部から流出する生成ガスとともに飛散
した溶融スラグが熱回収部に付着することなく長時間連
続して効率良く運転できる気流層ガス化装置とするこ
と。 【構成】 ガス化部26上部に、微粉固体原料の灰の溶
融温度よりも低い温度の冷却ガスを噴出するノズル32
を配置し、生成ガスとともに飛散した溶融スラグの温度
を下げ、生成ガスの旋回流を弱め、前記スラグが熱回収
部28の伝熱管44に付着するのを防いでいる。 【効果】 気流層ガス化装置が長時間連続して効率良く
運転できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭に代表される微粉
固体炭素質原料の気流層方式のガス化装置において、ガ
ス化炉で発生し生成ガスと共に飛散するスラグを熱回収
部を形成する伝熱管面に付着させないガス化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、石炭などの固体炭素質原料をガス
化する炉の方式には、固定層、流動層、気流層等の各種
方式が提案されている。これらの方式の中で、気流層方
式は、原料を微粉にして酸素や空気などの酸化剤と共に
原料灰の融点以上の温度(1300〜1600℃)の炉内に供給
して、原料中の可燃分をガスに、灰分をスラグに変換す
る方式である。このため、他の方式に比較し気流層方式
は、ガス化効率が高く、適用炭種が広く、さらに、環境
適合性が優れているなどの特徴を有している。したがっ
て、この方式から取り出されたガスは、複合発電装置及
び燃料電池などの燃料や、合成ガスなどの原料の製造に
適しているので、国内あるいは国外で開発が進められて
いる。
【0003】従来の気流層方式のガス化装置の構成図を
図5に示す。石炭に代表される微粉炭素質固体原料を酸
素、空気、水蒸気などの酸化剤とともにバーナ27、2
7Aから前記原料の灰の溶融温度以上の温度に保持され
たガス化部26に投入し、前記原料の可燃分を水素及び
一酸化炭素に富むガスに、灰分をスラグに変換する。ガ
ス化炉19の下部に溜められている冷却水23の中に、
スラグタップ22から落下させられた前記スラグは、表
面と内部の温度差により生ずる熱応力で粒径が2から5
mm程度の大きさに水砕される。一方、ガス化によって
生成したガスは、ガス化炉19上部に配置され絞り部2
1で前記ガス化部26と区分けされた熱回収部28に上
昇する。該熱回収部28では、前記生成ガスは、温度が
1000℃以上なので主に輻射伝熱によって冷却され、生成
ガスライン43を経て次工程に送られる。
【0004】前記熱回収部28の横断面の構成を図6に
示す。熱回収部28の伝熱管44は管と平板とを溶接な
どで組み上げた構造で、ガス化炉壁20と同心で、かつ
該ガス化炉壁20の内周面に沿って炉壁内周面との間に
空間29をもって配置された円筒状をなし、一般のボイ
ラの水壁などに用いられているメンブレンと呼ばれてい
るものと同じ構造である。生成ガスが通過する前記熱回
収部28の内部圧力が数十気圧という高圧となるため、
前記伝熱管44は圧力容器であるガス化炉19の中に格
納されている。さらに、伝熱管44とガス化炉19との
間の前記空間部29に熱回収部28の内部圧力より少し
高めとなるようにパージガスを注入することにより、硫
化水素あるいは水蒸気を含む高温の生成ガスが空間部2
9へ流入してくるのを防いでいる。したがって、パージ
ガスライン18から注入するガスは窒素、炭酸ガス、あ
るいは腐食性の硫化水素などを除去し精製された生成ガ
スのリサイクルガスが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】気流層方式のガス化炉
では、原料中の可燃分をガスに灰分をスラグに変換さ
せ、大部分のスラグはスラグタップ22から冷却水23
の中に落下し水砕されるが、スラグの一部は絞り部21
を通って生成ガスとともに熱回収部に飛散する。
【0006】本発明者等の実験によると、絞り部21の
ガス温度を原料の灰の溶融温度よりも低い温度に設定す
ると絞り部21の部分に、飛散したスラグが付着し、絞
り部21が閉塞されるというトラブルを生じた。そこで
絞り部21の温度を灰の溶融温度よりも高い温度に設定
すると、熱回収部28の入口の伝熱管44に溶融した飛
散スラグが付着した。この飛散した溶融スラグは熱回収
部入口ではまだ溶融状態であり、ガスの冷却とともに冷
却されるが、スラグが溶融状態の時は付着性があると考
えられる。伝熱管44には560℃以下のボイラ水もしく
は蒸気が流れているので伝熱管44の表面は生成ガスの
温度よりも低く溶融スラグに対して付着性は低いと考え
られるが、伝熱管44の表面が粗さを有するために付着
するものと考察する。
【0007】一旦スラグが付着するとその付着したスラ
グの熱伝導率は金属を用いている伝熱管の熱伝導率に比
較して約1/20の低い値であるため断熱効果が大きくな
り、付着したスラグ表面の温度が下がらないので次々と
飛散スラグが付着する。よって時間経過とともに大きな
スラグの塊が生じたり、スラグの付着する面積が増大す
る。その結果熱回収部の伝熱面積が狭くなり、熱回収部
の出口温度が上昇し、ガス化炉の連続運転ができなくな
る。また付着したスラグの塊が絞り部に落下するとガス
化炉出口の圧力損失が大きく変化するのでガス化部に悪
影響を与える。
【0008】従来の技術では、ガス化効率に関係なくガ
ス化部に供給する酸化剤の供給量を変化させてガス化部
の出口、すなわち熱回収部の入口温度を原料の灰の溶融
温度以上に設定してもまた溶融温度以下に設定しても長
時間の連続運転ができない。
【0009】本発明の目的は、ガス化炉から流出する生
成ガスとともに飛散する溶融したスラグが熱回収部に付
着することなく長時間連続して効率良く運転できる気流
層ガス化装置とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、炉内の温度
が少なくとも微粉固体原料の灰の溶融温度に保持され、
さらに加圧された炉内で、酸化剤を用いて前記原料の可
燃分を一酸化炭素及び水素に富む生成ガスに、前記原料
の灰分をスラグにそれぞれ変換するガス化部と、該ガス
化部の上方に配置され内径が該ガス化部より絞られた絞
り部と、該絞り部の上部にあって内径がその上部に向か
って順次拡大する拡大部を含んでなり前記ガス化部で発
生したガスから熱を回収する熱回収部と、前記ガス化部
の下方に配置され流下してくる前記のスラグを水砕させ
る冷却水が溜められているスラグ冷却部とを含んでなる
ガス化炉と、前記ガス化部に前記微粉固体原料を供給す
る原料供給部とを含んで構成された気流層ガス化装置に
おいて、前記ガス化部上部に位置する生成ガスの流れの
縮流部に、前記微粉固体原料の灰の溶融温度よりも低い
温度の気体を噴出させるノズルを配置することで達成さ
れる。
【0011】
【作用】ガス化部から飛散するスラグは、該スラグの表
面が溶融状態のときに付着性を有しており、該スラグの
表面が凝固した状態では付着性を有していない。前記ガ
ス化部上部に位置する生成ガスの流れの縮流部に、前記
微粉固体原料の灰の溶融温度よりも低い温度の気体を注
入すると、該気体の流れは前記生成ガスによって曲げら
れ、絞り部と該絞り部の上部にあって内径がその上部に
向かって順次拡大する拡大部を形成する熱回収部の伝熱
管に沿って流れるので、生成ガスの中に含有され溶融し
たスラグが伝熱管表面付近に飛散しても該スラグの表面
温度は伝熱管に沿って流れる前記気体によってすぐに灰
の溶融温度以下に冷却され、例え前記スラグが前記熱回
収部の伝熱管の表面に到達しても、前記スラグは前記伝
熱管の表面に付着しない。また前記気体の中に溶融した
スラグが例え混入しても該スラグの表面温度はすぐに灰
の溶融温度以下に冷却されるので、前記熱回収部の伝熱
管の表面に付着しない。
【0012】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。ガス化
炉本体19は、石炭中の可燃分を水素及び一酸化炭素か
らなる生成ガスに変換するとともに、石炭中の灰分をス
ラグに変換するガス化部26と、該ガス化部26の下方
に配置され冷却水23を溜めて落下したスラグ25を水
砕するスラグ冷却部45と、前記ガス化部26の上方に
配置され、生成ガスからの熱を回収する熱回収部28と
を含んで構成されている。前記ガス化部26は、炉壁2
0を貫通し、一端は炉内に開口し、他端は原料供給ライ
ン5、5A及び酸化剤供給ライン6、6Aにそれぞれ接
続されているバーナ27、27Aと、生成ガスの出口を
形成する縮流部42と、スラグ25をスラグ冷却部45
へ落すスラグタップ22で構成されている。前記熱回収
部28は、内径が前記ガス化部より絞られた絞り部21
と、該絞り部21の上部にあって内径がその上部に向か
って順次拡大する拡大部30を含んでガス化炉壁20の
内周面に沿って炉壁内周面との間に空間29をもって同
心に配置された伝熱管44と、生成されたガスを取り出
す生成ガスライン43と、前記空間29にパージガスを
注入するパージガスライン18で構成されている。さら
に前記ガス化部26には、炉壁を貫通し、一端は炉内の
前記縮流部に開口し、他端はリサイクルされた生成ガス
または窒素ガスで原料の灰の溶融温度よりも低い温度の
冷却ガスライン31に接続されていて、ガス化部の縮流
部に冷却ガスを噴出させるためのノズル32が配置され
ている。微粉固体原料を供給する原料供給部は、石炭ホ
ッパ1と、該石炭ホッパ1に接続されたロックホッパ2
と、該ロックホッパ2に接続された供給ホッパ3と、該
供給ホッパ3に2つに分岐され接続された供給フィーダ
4、4Aと、該供給フィーダ4、4Aに接続された前記
原料供給ライン5、5Aとを含んで構成されている。
【0013】ノズル32から噴出された冷却ガスは、生
成ガスの流れによって曲げられ、絞り部21と該絞り部
21の上部にあって内径がその上部に向かって順次拡大
する拡大部30を形成する前記熱回収部の伝熱管44の
表面に沿って流れる。なお、絞り部21において冷却ガ
スを均一に流す方がよいので、ノズル32は複数本であ
るのが好ましい。
【0014】なお、一様流に交差する噴流の経路につい
ての論文(Patrik ,M.A.,FuelSoc.J.1965,16,P
P.46−61)が発表されており、噴流の経路は、一様流
の流速及び密度並びに噴流の流速、密度及びノズルの径
に影響されることが述べられている。よって、この論文
を参考にすれば、冷却ガスのノズル32の径と噴出速度
を決めることができる。
【0015】本発明者等の実験によれば、絞り部21の
直径が300mm、生成ガス流速が15m/s、温度が1500℃、
冷却ガスのノズル32の本数が8本、冷却ガスの温度が5
0℃のとき、少なくとも冷却ガスのノズル噴出流速は生
成ガスの流速15m/sであれば絞り部21及び拡大部30
の伝熱管表面に溶融スラグの付着はなかった。
【0016】原料の灰の溶融温度よりも低い温度の冷却
ガスをノズル32から噴出させると、該冷却ガスの流れ
は、生成ガスの流れによって曲げられ、絞り部21と該
絞り部21の上部にあって順次拡大する拡大部30を形
成する熱回収部の伝熱管44の表面に沿って流れるの
で、生成ガスの中に含有され溶融したスラグが伝熱管表
面付近に飛散しても、スラグの表面温度は伝熱管に沿っ
て流れる冷却ガスにより、すぐに灰の溶融温度以下に冷
却されるので、スラグは伝熱管の表面に付着しない。ま
た冷却ガスの中に溶融したスラグが例え混入してもスラ
グの表面温度はすぐに灰の溶融温度以下に冷却されるの
で、スラグは伝熱管44の表面に付着しない。なお、拡
大部30よりも上方では輻射熱によりガスが冷却される
ので溶融飛散スラグは固化して付着性がなくなる。した
がって、熱回収部28において生成ガス中に含まれる溶
融スラグによる付着がなくなるので、絞り部21の閉塞
などの問題が解決され、高いガス化効率を保持して安定
した連続運転が可能となる。
【0017】ガス化部26内における固体の原料粒子の
滞留時間を増加させるために特開昭59−176391号公報で
はガス化部26内に強い旋回流を与えている。前記特開
昭59−176391号公報の例に本発明を適用したときの第2
の実施例を説明する。装置の構成は第1の実施例と同じ
である。図2は前記ガス化部のバーナとノズルの配置を
示す横断面図である。ガス化部26の炉壁20を貫通し
て配置したバーナ27、27Aによって発生する生成ガ
スの旋回流の旋回方向と逆方向に冷却ガスを注入できる
ようにノズル32を配置している。このため、ガス化部
26の生成ガスが流れ出る絞り部の下方にノズル32か
ら冷却ガスを注入すれば、該冷却ガスの流れは生成ガス
の流れにさからうので、生成ガスの旋回流の力を弱め
る。生成ガスの旋回流の力が弱まれば、生成ガスの流れ
によって運動する溶融スラグの運動力は生成ガスの旋回
成分によって小さくなり、溶融スラグの旋回流の半径方
向に対しての移動する長さが短くなる。その結果熱回収
部の伝熱管の表面に至る溶融スラグの量を低減できる。
【0018】本発明の第3の実施例を図3に示す。本実
施例は、第1の実施例の構成に、ガス化部における運転
状態の変化に対応して冷却ガスの供給量を制御する機器
を追加したものである。該制御機器は、生成ガスライン
43、酸化剤供給ライン6および6Aにそれぞれ配置し
た流量計9、7、8と、冷却ガスライン31に配置した
制御弁33と、冷却ガスの供給量を制御する制御器34
と、該制御器から前記各流量計9、7、8、原料供給フ
ィーダ4、4A及び前記制御弁33をそれぞれ接続する
信号ライン40、38、37、36、35、39で構成
されている。
【0019】生成ガスライン43に配置した流量計9で
計測した生成ガスの流量を入力信号として、前記冷却ガ
スの流量は制御弁33で制御される。なお、生成ガスの
流量でなくても固体原料供給量または酸化剤供給量を入
力信号としてもよい。
【0020】本発明の第4の実施例を図4に示す。本実
施例は、第3の実施例の構成に、さらに冷却ガスを熱回
収部28の拡大部30に噴出させるためのノズル32A
を追加したものであり、該ノズル32Aは熱回収部28
の空間部29を貫通し、一端は拡大部30に開口し、他
端は制御弁33Aを介して冷却ガスライン31に接続し
ている。前記制御弁33Aと制御器34は信号ライン3
9Aで接続されている。
【0021】ノズル32からの冷却ガスによって絞り部
21の表面には冷却ガスの膜状の流れが形成され、ノズ
ル32Aからの冷却ガスによってガス化部で発生した旋
回流の強さを減少させる。第1の実施例で述べたように
ノズル32から噴出させる冷却ガス量は生成ガスの約1
0%であり、この冷却ガス量ではガス化部26で発生す
る生成ガスの旋回流を少ししか減少できない。また、ガ
ス化部26で発生する旋回流をさらに低減しようとして
冷却ガスを生成ガスの約50%まで増加させると冷却ガ
スがガス化部26の高温の生成ガスに混合してガス化部
26が低温になり、ガス化効率が低下した。
【0022】このため、ガス化部26で発生する旋回流
を低減させるために別のノズル32Aを用いて冷却ガス
を噴出させる。このように拡大部30に設置したノズル
32Aからガス化炉で発生する旋回流と逆の方向に冷却
ガスを噴出させることによって拡大部30より上方で旋
回流を弱め、生成ガスに含まれる溶融スラグ粒子が熱回
収部28の伝熱管44側に移動するのを防止できる。
【0023】ノズル32Aに対する冷却ガスの量は以下
に述べるように制御する。ガス化部26に供給する固体
原料の供給量及び酸化剤の供給量からガス化部26で発
生する生成ガスの旋回流力である角運動量とノズル32
から供給する冷却ガスの角運動量を制御器34で算出
し、その角運動量に対応してノズル32Aに供給する冷
却ガス量を制御する。なお、ガス化炉で発生する生成ガ
スの角運動量は石炭供給量、酸化剤供給量にそれぞれの
バーナにおける噴出速度と特開昭59−176391号公報に示
す仮想円径を乗算すれば簡単に算出できる。このように
ガス化炉で発生する生成ガスの旋回流力、すなわち角運
動量を算出し、その角運動量に対応して注入する冷却ガ
ス量を制御すれば溶融スラグの冷却効果があり、スラグ
粒子が熱回収部の伝熱面に移動するのを防止でき、溶融
飛散スラグによる伝熱管への付着防止もできる。
【0024】なお、特開平3−239797号公報には絞り部
よりも上方の拡大部に常温のガスをタンジェンシャル方
向に注入する発明が開示されている。前記特開平3−239
797号公報の事例(以下、単に事例という)の実施例で
述べられているガス化炉は石炭と酸化剤とは旋回方向に
吹き込まれており、本実施例と類似している。さらに、
事例を本実施例の図4と比較すると、事例では本実施例
のノズル32Aにあたるノズルのみを配置したものであ
る。本実施例が対象としているのは旋回流が発生するガ
ス化部であり、ガス化部で旋回流が発生しているので絞
り部よりも上方においても旋回流が保持されるので、飛
散する溶融スラグを同伴している生成ガスは、絞り部の
拡大部の側壁及び熱回収部の側壁に沿って流れる。事例
では、冷却ガスと生成ガスとの密度差によって冷却ガス
はノズルを設置している拡大部に沿ってガス化部の下方
に流れて、冷却ガスによる膜状の流れが形成されること
が記述されている。このように冷却ガスをタンジェンシ
ャルに噴出させて下降流が形成されるのはガス化部で発
生した生成ガスの旋回流がほとんどない場合だけであ
る。
【0025】すなわち水力学における広がり管で広がり
角度が大きいときには広がり部の管壁において離れ噴流
を形成し、強い二次流れが生じることが知られている。
(機械工学便覧、第6版、第8編、水力学および流体力
学、第2章、8−15、S51.5)。
【0026】したがって、事例で述べたように冷却ガス
が下降流を生じるのは、この二次の流れの中に冷却ガス
を注入したときであり、ガス化部で旋回流がほとんど発
生しないときである。本実施例が対象とするガス化炉は
特開昭59−176391号公報に開示している強い旋回流を発
生させる炉である。強い旋回流を発生する炉を対象とし
た場合には、広がり部に沿って生成ガスは流れるので、
旋回流がないときに発生する離れ噴流及び強い二次流れ
が生じないし、冷却ガスと生成ガスとの密度差によって
冷却ガスが絞り部に下降しない。ガス化炉から飛散する
溶融スラグが付着する恐れがある部分に冷たいガスの膜
状の流れを形成させる目的は本実施例も事例も同じであ
るが、本実施例は絞り部よりも下方のガス化部に冷却ガ
スを注入するものである。したがって、本発明と事例で
は冷却ガスを注入する位置が異なる。また、事例でも冷
却ガスを旋回方向に注入することが述べられているが、
ガス化炉で発生する旋回流との関係は述べられていな
い。本発明はガス化炉で発生する旋回流と反対方向に冷
却ガスを注入するものである。なお、本発明は特開昭59
−176391号公報に開示しているガス化炉を対象としたも
のであるが、例えば、特開昭58−194986号公報に示すよ
うな2段噴流床ガス化炉のスラグを発生させるガス化炉
についても同様に本発明を適用できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ガス化炉の上部に配置
された熱回収部に、生成されたガスと共に飛散してくる
溶融スラグの付着を防止できるので、気流層ガス化装置
を効率よく長期の連続運転が安定してできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の気流層ガス化装置の構
成図である。
【図2】本発明の第2の実施例の気流層ガス化装置のバ
ーナ及びノズルの配置を示す横断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例の気流層ガス化装置の構
成図である。
【図4】本発明の第4の実施例の気流層ガス化装置の構
成図である。
【図5】従来の気流層ガス化装置の構成図である。
【図6】従来の気流層ガス化装置のVI−VI線矢視横断面
図である。
【符号の説明】
1 石炭ホッパ 2 ロックホッパ 3 供給ホッパ 4 供給フィーダ 4A 供給フィーダ 5 原料供給ライ
ン 5A 原料供給ライン 6 酸化剤供給ラ
イン 6A 酸化剤供給ライン 7 流量計 8 流量計 9 流量計 10 冷却水ライン 11 冷却水ライ
ン 12 ボイラ水供給ライン 13 ボイラ水出
口ライン 14 ヘッダ 15 ヘッダ 16 ヘッダ 17 ヘッダ 18 バージガスライン 19 ガス化炉本
体 20 ガス化炉壁 21 絞り部 22 スラグタップ 23 冷却水 24 バーナ 25 スラグ 26 ガス化部 27 バーナ 27A バーナ 28 熱回収部 29 空間部 30 拡大部 31 冷却ガスライン 32 ノズル 32A ノズル 33 制御弁 33A 制御弁 34 制御器 35 信号ライン 36 信号ライン 37 信号ライン 38 信号ライン 39 信号ライン 39A 信号ライ
ン 40 信号ライン 41 スラグロッ
クホッパ 42 縮流部 43 生成ガスラ
イン 44 伝熱管 45 スラグ冷却
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10J 3/72 J (72)発明者 田中 真二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 遠藤 元治 千葉県袖ヶ浦市中袖3−1 石炭利用水素 製造技術研究組合 運転研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の温度が少なくとも微粉固体原料の
    灰の溶融温度に保持され、さらに加圧された炉内で、酸
    化剤を用いて前記原料の可燃分を一酸化炭素及び水素に
    富む生成ガスに、前記原料の灰分をスラグにそれぞれ変
    換するガス化部と、該ガス化部の上方に配置され内径が
    該ガス化部より絞られた絞り部と該絞り部の上部にあっ
    て内径がその上部に向かって順次拡大する拡大部を含ん
    でなり前記ガス化部で発生したガスから熱を回収する熱
    回収部と、前記ガス化部の下方に配置され流下してくる
    前記のスラグを水砕させる冷却水が溜められているスラ
    グ冷却部とを含んでなるガス化炉と、前記ガス化部に前
    記微粉固体原料を供給する原料供給部とを含んで構成さ
    れた気流層ガス化装置において、前記ガス化部上部に位
    置する生成ガスの流れの縮流部に、前記微粉固体原料の
    灰の溶融温度よりも低い温度の気体を噴出させるノズル
    を配置したことを特徴とする気流層ガス化装置。
  2. 【請求項2】 前記熱回収部の拡大部に、前記ガス化部
    で生成されたガスの旋回流方向とは逆の旋回流方向に、
    前記微粉固体原料の灰の溶融温度よりも低い温度の気体
    を噴出させるノズルを配置したことを特徴とする請求項
    1に記載の気流層ガス化装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス化炉で生成されたガス量を入力
    信号として、前記ガス化部の縮流部に噴出させる前記微
    粉固体原料の灰の溶融温度よりも低い温度の気体の噴出
    量を制御し、さらに、前記ガス化部に供給する固体原料
    の供給量と酸化剤の供給量及び前記ガス化部の縮流部に
    噴出させる気体の供給量、を入力信号として、ガス化部
    で発生する旋回流力を算出し、その算出値により前記熱
    回収部の拡大部に噴出させる気体の供給量を制御する制
    御機器を配置したことを特徴とする請求項2に記載の気
    流層ガス化装置。
JP15927593A 1993-06-29 1993-06-29 気流層ガス化装置 Expired - Lifetime JPH0774347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15927593A JPH0774347B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 気流層ガス化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15927593A JPH0774347B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 気流層ガス化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0711263A true JPH0711263A (ja) 1995-01-13
JPH0774347B2 JPH0774347B2 (ja) 1995-08-09

Family

ID=15690227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15927593A Expired - Lifetime JPH0774347B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 気流層ガス化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0774347B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025792A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Aeci Limited Gasification of coal
KR100424151B1 (ko) * 2002-02-07 2004-03-25 사단법인 고등기술연구원 연구조합 복합 폐기물 가스화 용융장치
JP2010254727A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Electric Power Dev Co Ltd 気流層ガス化炉及びその運転方法
JP2014062197A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 石炭ガス化炉及びその制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025792A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Aeci Limited Gasification of coal
KR100424151B1 (ko) * 2002-02-07 2004-03-25 사단법인 고등기술연구원 연구조합 복합 폐기물 가스화 용융장치
JP2010254727A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Electric Power Dev Co Ltd 気流層ガス化炉及びその運転方法
JP2014062197A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 石炭ガス化炉及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0774347B2 (ja) 1995-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5755838A (en) Coal gasifier and using method thereof
CN101688133B (zh) 高粘结性煤用燃烧器及气化炉
US4950308A (en) Apparatus for producing a product gas from a finely-divided carbon-bearing substance
GB1591082A (en) Method of operating a coal gasifier
EP0022897B1 (en) Fluidized bed injection assembly for coal gasification
JPH0711263A (ja) 気流層ガス化装置
JPH08134472A (ja) 気流層ガス化装置
JP3890482B2 (ja) 気流層ガス化装置
JPH07197042A (ja) 気流層ガス化装置
JP3017623B2 (ja) 石炭ガス化装置
JPH083361B2 (ja) 微粉原料ガス化用バーナ及び微粉原料ガス化装置
JPH0545638B2 (ja)
AU2011301418C1 (en) Method for generating synthesis gas
JPH0581637B2 (ja)
JP2009019125A (ja) ガス化方法及び装置
JPH0995687A (ja) 気流層ガス化装置およびその運転方法
JPH0778223B2 (ja) ガス化炉
JPS63152694A (ja) 固形燃料噴出バ−ナ
JPH07109471A (ja) 石炭ガス化装置及びスラグ移動方法
JPH0718267A (ja) 微粉炭ガス化炉
JP2559012B2 (ja) 加圧型部分燃焼炉による石炭ガス化設備
JPH08143877A (ja) 気流層ガス化装置
JPH0995686A (ja) ガス化炉
JPS60110786A (ja) 石炭ガス化炉の運転方法
JP2002080863A (ja) 気流層石炭ガス化炉の昇温装置及び該装置を用いる昇温方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 16

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 17

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 18

EXPY Cancellation because of completion of term