JP2014062197A - 石炭ガス化炉及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部分酸化部においては石炭の反応時間を十分に確保でき、熱分解部においては石炭が均一に分散されて、熱分解反応が均一に効率よく行える石炭ガス化炉及びその制御方法を提供する。
【解決手段】筒状の部分酸化部1と、前記部分酸化部1に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部1に連通してその上方に配設された熱分解部2と、前記部分酸化部1の内周面1aから、周方向に第1の旋回流11を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部5と、前記熱分解部2の内周面2aから、周方向に前記第1の旋回流11とは逆向きの第2の旋回流12を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部4と、を備え、前記第1送入部5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】筒状の部分酸化部1と、前記部分酸化部1に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部1に連通してその上方に配設された熱分解部2と、前記部分酸化部1の内周面1aから、周方向に第1の旋回流11を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部5と、前記熱分解部2の内周面2aから、周方向に前記第1の旋回流11とは逆向きの第2の旋回流12を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部4と、を備え、前記第1送入部5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、炉内で石炭をガス化、熱分解させて、少なくとも水素ガス及び一酸化炭素ガスを含む生成ガスを製造する石炭ガス化炉及びその制御方法に関する。
従来、微粉砕された石炭を原料として、少なくとも水素ガス及び一酸化炭素ガスを含む生成ガスを製造する石炭ガス化炉が知られている。石炭の部分酸化部(下段)と熱分解部(上段)とを有する2室2段の熱分解ガス化炉(石炭ガス化炉)では、下段の部分酸化部で生成した高温のガス化ガスの顕熱を利用して、上段の熱分解部で送入する石炭を熱分解させ、ガスや油を生成している。この際、下段においては、石炭の反応効率を高めることを目的として、炉内での滞留時間をかせげるように周方向に旋回流を形成させつつ石炭を送入している。
一方、上段においては、石炭を熱分解させる反応が炉内で均一に行われることが望まれるため、上昇流以外に前述のような旋回流が生じることは本来好ましくない。そこで、上段における石炭の熱分解の効率向上を図るため、例えば下記特許文献1に記載の石炭ガス化炉では、上段において、下段の旋回流を打ち消す逆向きの旋回流を形成させつつ石炭を送入するようにしている。
ところで、特許文献1においては、その解決すべき課題を、下段からのガス化ガスに対する上段での送入石炭の攪拌・混合若しくは分散性の改善として捉え、逆旋回による石炭送入を提示している。しかしながら、単に逆旋回となるように上段に石炭を送入するのみでは、攪拌・混合又は分散性はある程度改善されても、送入する強度によって、上段に下段からの旋回流が残ったり、或いは逆向きの旋回流が形成されたりして、結果的に改質炉(熱分解部)での均一な反応を得ることはできなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、部分酸化部においては石炭の反応時間を十分に確保でき、熱分解部においては石炭が均一に分散されて、熱分解反応が均一に効率よく行える石炭ガス化炉及びその制御方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の石炭ガス化炉は、筒状の部分酸化部と、前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備え、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されることを特徴とする。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法は、筒状の部分酸化部と、前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備えた石炭ガス化炉を用い、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)を、許容値の範囲内に制御することを特徴とする。
すなわち、本発明の石炭ガス化炉は、筒状の部分酸化部と、前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備え、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されることを特徴とする。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法は、筒状の部分酸化部と、前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備えた石炭ガス化炉を用い、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)を、許容値の範囲内に制御することを特徴とする。
本発明の石炭ガス化炉及びその制御方法によれば、第1送入部が、下段の部分酸化部に、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭(例えば、予め微粉砕された石炭粒子)及び搬送ガスを送入するので、当該部分酸化部における石炭の滞留時間(反応時間)が確保されて、石炭の反応効率が高められる。
そして、第1送入部から部分酸化部に送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和(以下「第1の角運動量の和」と省略)L1に対する、第2送入部から上段の熱分解部に送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和(以下「第2の角運動量の和」と省略)L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内に制御されるので、下段で形成された第1の旋回流を、上段において第2の旋回流が効果的に打ち消すことになり、熱分解部における旋回流を大幅に減少させ、又は消滅させることができる。これにより、熱分解部において石炭の分散が均一になるとともに、熱分解反応が均一かつ効率よく行える。尚、詳しくは、前記第1の角運動量の和L1とは、第1送入部から部分酸化部に送入される石炭の角運動量と搬送ガスの角運動量との和であり、前記第2の角運動量の和L2とは、第2送入部から熱分解部に送入される石炭の角運動量と搬送ガスの角運動量との和である。
従って、本発明によれば、部分酸化部においては石炭の反応時間を十分に確保でき、熱分解部においては石炭が均一に分散されて、熱分解反応が均一に効率よく行えるのである。
また、第2送入部から送入された石炭が均一に分散されることにより、旋回流に乗って炉内壁(炉の内周面)近傍を流れるようなことが防止されているから、当該炉内壁への石炭の付着が防止される。よって、熱分解部の炉内壁への石炭付着に起因する操業トラブルが防止され、製品の品質が確保されつつ、安定した操業が可能となる。
また、第2送入部から送入された石炭が均一に分散されることにより、旋回流に乗って炉内壁(炉の内周面)近傍を流れるようなことが防止されているから、当該炉内壁への石炭の付着が防止される。よって、熱分解部の炉内壁への石炭付着に起因する操業トラブルが防止され、製品の品質が確保されつつ、安定した操業が可能となる。
また、本発明の石炭ガス化炉において、前記熱分解部の内周面の半径R2は、前記部分酸化部の内周面の半径R1より小さくされており、前記比(L2/L1)の許容値の範囲は、(R2/R1)2以上1以下であることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、前記熱分解部の内周面の半径R2は、前記部分酸化部の内周面の半径R1より小さくされており、前記比(L2/L1)の許容値の範囲を、(R2/R1)2以上1以下とすることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、前記熱分解部の内周面の半径R2は、前記部分酸化部の内周面の半径R1より小さくされており、前記比(L2/L1)の許容値の範囲を、(R2/R1)2以上1以下とすることとしてもよい。
この石炭ガス化炉において、下段の部分酸化部で形成された第1の旋回流は、上段の第2送入部に達するまでの間に摩擦による減衰、圧力損失等により旋回のエネルギーが減少されるが、前述のように、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2以上とされることにより、当該第1の旋回流が効果的に打ち消される。
一方、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2未満である場合には、下段で形成された第1の旋回流が上段においても維持されやすくなり、熱分解部に第1の旋回流と同じ向きの旋回流が生じやすくなる。この場合、旋回流の遠心力作用によって、石炭が炉内壁(炉の内周面)近傍に移動しやすくなり、熱分解部の径方向中央の粒子濃度と径方向外方の粒子濃度との差が大きくなって(つまり粒子の分散にバラつきが生じて)、均一な熱分解反応が得られなくなるおそれがある。
一方、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2未満である場合には、下段で形成された第1の旋回流が上段においても維持されやすくなり、熱分解部に第1の旋回流と同じ向きの旋回流が生じやすくなる。この場合、旋回流の遠心力作用によって、石炭が炉内壁(炉の内周面)近傍に移動しやすくなり、熱分解部の径方向中央の粒子濃度と径方向外方の粒子濃度との差が大きくなって(つまり粒子の分散にバラつきが生じて)、均一な熱分解反応が得られなくなるおそれがある。
また、前述した摩擦による減衰、圧力損失等が十分に小さい場合においても、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が1以下であるので、理論上、熱分解部に第1の旋回流と逆向きの旋回流が生じることはない。従って、熱分解部に前記逆向きの旋回流が形成されることによる遠心力作用はなく、またこれによる粒子の分散のバラつきも生じにくい。
また、本発明の石炭ガス化炉において、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方が調整可能であることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方を調整可能とすることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方を調整可能とすることとしてもよい。
この場合、第2の角運動量の和L2の第1の角運動量の和L1に対する比(L2/L1)を許容値の範囲内に精度よく安定して維持できることから、前述の作用効果が安定して得られる。
また、本発明の石炭ガス化炉において、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量、送入速度及び送入角度のうち、少なくとも1つ以上が調整可能であることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量、送入速度及び送入角度のうち、少なくとも1つ以上を調整可能とすることとしてもよい。
また、本発明の石炭ガス化炉の制御方法において、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量、送入速度及び送入角度のうち、少なくとも1つ以上を調整可能とすることとしてもよい。
本発明に係る石炭ガス化炉において、第1の角運動量の和L1及び第2の角運動量の和L2は、例えば、それぞれ次式により求められる。
角運動量の和L=(Mg+Mc)rVcosθ
上式において、Mg:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc:石炭の単位時間あたりの送入質量、r:炉中心軸から送入位置までの距離(炉半径)、V:送入速度、θ:炉内周面の送入位置における接線方向に対して送入方向(送入バーナ、ノズルの軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg+Mc)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。そして、上式の各要素(Mg+Mc)、V及びθを適宜調整することにより、第1、第2の角運動量の和L1、L2を比較的容易に、かつ、高精度に調整できる。
角運動量の和L=(Mg+Mc)rVcosθ
上式において、Mg:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc:石炭の単位時間あたりの送入質量、r:炉中心軸から送入位置までの距離(炉半径)、V:送入速度、θ:炉内周面の送入位置における接線方向に対して送入方向(送入バーナ、ノズルの軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg+Mc)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。そして、上式の各要素(Mg+Mc)、V及びθを適宜調整することにより、第1、第2の角運動量の和L1、L2を比較的容易に、かつ、高精度に調整できる。
具体的に、上段(熱分解部)、下段(部分酸化部)の搬送ガス及び石炭質量、搬送ガス質量、送入角度を監視し、熱分解部において石炭粒子が均一に分散される条件に制御することにより、設計仕様ポイント(所定の操業条件)で石炭が均一に分散されるように設計された炉に対して、前記設計仕様ポイント以外の複数の操業ポイントにおいても、監視しているプロセス量の制御を行うことにより、炉内(熱分解部)で均一に石炭を分散させることができる。これにより、炉内で均一に反応が進み、熱分解反応の効率を高めることができるのである。
本発明の石炭ガス化炉及びその制御方法によれば、部分酸化部においては石炭の反応時間を十分に確保でき、熱分解部においては石炭が均一に分散されて、熱分解反応が均一に効率よく行える。
以下、本発明の一実施形態に係る石炭ガス化炉10及びその制御方法について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態の石炭ガス化炉10は、原料である石炭を炉内で燃焼させることにより、少なくとも水素ガス及び一酸化炭素ガスを製造する装置である。ここで、本実施形態の石炭は、例えば、予め粉砕処理工程などを経て作製された石炭粒子であり、当該石炭粒子は、少なくとも窒素ガス、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気のいずれか1つ以上を含む搬送ガス(以下「搬送ガス」と省略)に混合されるように、炉内に送入される。尚、ここで言う前記搬送ガスとは、石炭粒子を炉内に投入する前に該石炭粒子を気流搬送する目的で用いられるもののみならず、前記石炭粒子とは別に炉内に投入され、炉内において石炭粒子とともに気流を形成しつつ該石炭粒子を下流側に向けて搬送するものをも含む概念である。また、以下の説明においては、前記石炭粒子のうち、ガス化用として炉内に投入されるものをガス化石炭と言い、改質用として炉内に投入されるものを改質石炭と言うことがある。
本実施形態の石炭ガス化炉10は、原料である石炭を炉内で燃焼させることにより、少なくとも水素ガス及び一酸化炭素ガスを製造する装置である。ここで、本実施形態の石炭は、例えば、予め粉砕処理工程などを経て作製された石炭粒子であり、当該石炭粒子は、少なくとも窒素ガス、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気のいずれか1つ以上を含む搬送ガス(以下「搬送ガス」と省略)に混合されるように、炉内に送入される。尚、ここで言う前記搬送ガスとは、石炭粒子を炉内に投入する前に該石炭粒子を気流搬送する目的で用いられるもののみならず、前記石炭粒子とは別に炉内に投入され、炉内において石炭粒子とともに気流を形成しつつ該石炭粒子を下流側に向けて搬送するものをも含む概念である。また、以下の説明においては、前記石炭粒子のうち、ガス化用として炉内に投入されるものをガス化石炭と言い、改質用として炉内に投入されるものを改質石炭と言うことがある。
図1に示されるように、この石炭ガス化炉10は、筒状の部分酸化部1と、部分酸化部1に同軸の筒状をなし、部分酸化部1に連通してその上方に配設された熱分解部2とを備えた、気流層型の反応炉である。
部分酸化部1は、天壁及び底壁21を有する円筒状をなしており、その中心軸Cが上下方向に延びている。部分酸化部1は、熱分解部2よりも上流側に位置するガス化炉である。部分酸化部1は、内部に投入されるガス化石炭を、酸素を酸化剤(ガス化剤)としてガス化して、主に一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水蒸気で構成されるガス化ガス14を生成する。
ここで、部分酸化部1では、ガス化石炭に含まれる灰分を溶融排出する必要があるため、部分酸化部1内の温度は、その灰分の融点以上とする必要がある。そのため、部分酸化部1から熱分解部2に導入されるガス化ガス14も部分酸化部1内で高温となっており、熱分解部2においてこのガス化ガス14中に改質石炭を投入することで、該改質石炭が昇温して熱分解反応を起こし、少なくとも水素ガス及び一酸化炭素ガスを含有する生成ガスを含む生成物16を得ることができる。
この石炭ガス化炉10は、下段に部分酸化部1、上段に熱分解部2を設けた上下二室二段式となっている。また石炭ガス化炉10は、部分酸化部1と熱分解部2が小径のスロート3を介して接続されたいわゆるスロート構造となっている。このように、二室二段とすることで、石炭のガス化を行う部分(部分酸化部1)と、熱分解を行う部分(熱分解部2)とを分けることができ、各部分の操作条件を独自に設定することが可能となる。すなわち、石炭ガス化炉10では、ガスの流路に絞り(スロート3)を入れて部分的に流速を増加させる構造とすることにより、上室(熱分解部2)に投入された石炭粒子(改質石炭)等が下室(部分酸化部1)に落下することが防止され、各室で独立した反応条件を設定できる。尚、部分酸化部1、熱分解部2及びスロート3は、水平断面が円形の筒状構造を有する。
ここで、ガス化石炭に含まれる灰分は、部分酸化部1内でのガス化石炭の部分酸化による高温により溶融状態のスラグ15となる。そのため、部分酸化部1の下部には、底壁21に開口してスラグ15を排出させるスラグタップ6と、スラグタップ6に連通してスラグ15を捕集可能な水槽8とを設けることが好ましい。
また、部分酸化部1の炉壁は、溶融状態のスラグ15を付着させ壁面を保護するようにボイラー管17で構成することが好ましい。
また、部分酸化部1の炉壁は、溶融状態のスラグ15を付着させ壁面を保護するようにボイラー管17で構成することが好ましい。
また、部分酸化部1には、ガス化石炭と、該ガス化石炭の搬送ガスとなるとともに、ガス化石炭を部分酸化させるための酸化剤である酸素含有ガス(例えば、酸素、又は酸素及び水蒸気)とをともに投入するための、1本又は複数本のガス化バーナー(第1送入部)5が設置されている。本実施形態では、ガス化バーナー5は、部分酸化部1の内周面(炉内壁)1aに周方向に間隔をあけて複数配置されており、該内周面1aから周方向に後述する第1の旋回流11を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する。ガス化石炭と酸素含有ガスとは、これらガス化バーナー5で部分酸化部1へ吹き込まれ、急速に混合される。
部分酸化部1においては、投入されるガス化石炭に含まれる炭化水素中の炭素や水素成分を、できるだけ多くCO、H2に転換する(ガス化転換率を高める)ことが好ましい。
そのためには、ガス化石炭から発生する揮発分がすす化する前に酸素含有ガスと反応するように、ガス化石炭と酸素含有ガスとを素早く混合させる必要がある。そこで、例えば前記ガス化バーナー5として二重管構造等を用い、ガス化石炭と酸素含有ガスとを同じ位置から投入することが好ましい。
そのためには、ガス化石炭から発生する揮発分がすす化する前に酸素含有ガスと反応するように、ガス化石炭と酸素含有ガスとを素早く混合させる必要がある。そこで、例えば前記ガス化バーナー5として二重管構造等を用い、ガス化石炭と酸素含有ガスとを同じ位置から投入することが好ましい。
尚、二重管構造を用いずに酸素含有ガスを投入する場合には、部分酸化部1内の石炭粒子濃度の高い部位に吹き込むことが好ましい。したがって、酸素含有ガスの投入ノズルをガス化石炭の投入ノズルと同じ高さに配置し、酸素含有ガスとガス化石炭とを同じ高さレベルに投入することが好ましい。これにより、石炭投入口と酸素含有ガス投入口を別にしてもガス化石炭のガス化転換率が低下するのを抑制することができる。
また、ガス化石炭を炉内に投入する前の気流搬送ガスとしては、非酸化性のガス、例えば、窒素ガスやプロセスより生成したガス等を使用することができるが、これに限定されるものではない。
また、ガス化石炭を炉内に投入する前の気流搬送ガスとしては、非酸化性のガス、例えば、窒素ガスやプロセスより生成したガス等を使用することができるが、これに限定されるものではない。
図2(a)に示されるように、ガス化バーナー5は、部分酸化部1内で周方向に沿う第1の旋回流11を形成するように、角度をつけて設置されている。具体的に、ガス化バーナー5の軸(中心軸)は、炉の中心軸Cに対してねじれの位置となるように配置されており、該ガス化バーナー5から炉内に向けて石炭粒子及び搬送ガスが送入されることにより、これらの混合ガスが第1の旋回流11を形成するようになっている。図示の例では、炉上方から見て、第1の旋回流11が、炉の中心軸Cを中心として反時計回り(炉中心軸C回りの周方向のうち、一方の周方向)に周回するように形成されている。尚、図2(a)においては、説明を簡略化するため、部分酸化部1に設けられるガス化バーナー5のうち一のガス化バーナー5のみを示しているが、本実施形態では、前記一のガス化バーナー5と同様の構成を備えた他のガス化バーナー5が、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
部分酸化部1において、ガス化バーナー5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和(以下「第1の角運動量の和」と省略する)L1は、次式により求められる。尚、前記第1の角運動量の和L1とは、ガス化バーナー5から部分酸化部1に送入される石炭の角運動量と搬送ガスの角運動量との和である。
L1=(Mg1+Mc1)×r1×V1×cosθ1・・・(1)
上式(1)において、Mg1:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc1:石炭の単位時間あたりの送入質量、r1:炉中心軸Cから送入位置までの距離(炉半径)、V1:送入速度、θ1:炉内周面の送入位置における接線方向T1に対して送入方向(ガス化バーナ5の軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg1+Mc1)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。また、本実施形態のようにガス化バーナー5が周方向に間隔をあけて複数配設される場合、これらガス化バーナー5のそれぞれにおいて上記(1)式により角運動量の和L1が算出され、これらを合計することにより部分酸化部1全体としての第1の角運動量の和L1が算出される。
L1=(Mg1+Mc1)×r1×V1×cosθ1・・・(1)
上式(1)において、Mg1:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc1:石炭の単位時間あたりの送入質量、r1:炉中心軸Cから送入位置までの距離(炉半径)、V1:送入速度、θ1:炉内周面の送入位置における接線方向T1に対して送入方向(ガス化バーナ5の軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg1+Mc1)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。また、本実施形態のようにガス化バーナー5が周方向に間隔をあけて複数配設される場合、これらガス化バーナー5のそれぞれにおいて上記(1)式により角運動量の和L1が算出され、これらを合計することにより部分酸化部1全体としての第1の角運動量の和L1が算出される。
前述の構成により、部分酸化部1内でのガス化石炭の滞留時間を確保して、ガス化転換率を高めることができる。
尚、ガス化バーナー5の上下方向の位置は、部分酸化部1で生成するスラグ15の排出性を安定させるため、該部分酸化部1における下方に配置されることが好ましい。また、ガス化バーナー5の送入方向(軸方向)は、例えば部分酸化部1の直径の1/10から2/3の仮想円(部分酸化部1の中心軸Cと同軸)への接線方向とすることが好ましい。
尚、ガス化バーナー5の上下方向の位置は、部分酸化部1で生成するスラグ15の排出性を安定させるため、該部分酸化部1における下方に配置されることが好ましい。また、ガス化バーナー5の送入方向(軸方向)は、例えば部分酸化部1の直径の1/10から2/3の仮想円(部分酸化部1の中心軸Cと同軸)への接線方向とすることが好ましい。
部分酸化部1での操業圧力及び温度は、例えば、0.1〜20MPa、1300〜1700℃で維持される。尚、圧力は、熱分解部2側の圧力に合わせて調整される。
以上のように部分酸化部1で生成したガス化ガス14は、スロート3を通り熱分解部2に送られる。
以上のように部分酸化部1で生成したガス化ガス14は、スロート3を通り熱分解部2に送られる。
熱分解部2は、部分酸化部1に同軸とされて上下方向に延びる円筒状をなしており、その内部空間が上下に開口する貫通孔となっている。熱分解部2は、部分酸化部1よりも小径に形成されており、図2(a)(b)において、熱分解部2の内周面(炉内壁)2aの半径R2は、部分酸化部1の内周面1aの半径R1より小さくされている。尚、図示の例では、半径R1は前述したガス化バーナー5の送入位置(開口部)の半径r1と同等であり、半径R2は後述する改質石炭吹き込みノズル4の送入位置(開口部)の半径r2と同等となっている。図1において、熱分解部2の下端部は、前記スロート3とされて部分酸化部1の天壁に接続されているとともに、前記貫通孔の下方は部分酸化部1の内部空間に連通している。また、熱分解部2の上端部7は、該上端部7以外の部位よりも小径に形成されており、次工程へ向かう配管等に接続されている。
熱分解部2では、改質石炭が投入されて石炭の熱分解反応が起こる。この熱分解反応によって石炭から生成物16として生成ガス、チャー、そしてタールなどが生成する。生成ガスは燃料や化学原料として、チャーは固体燃料として、タールは化学原料あるいは燃料として使用可能である。熱分解部2に投入するものとして、例えば改質石炭のみでも熱分解反応により前記生成物16を製造することは可能であるが、本実施形態では、改質石炭の他に搬送ガスとして水素や水蒸気、酸素のうち一種類以上を同時に投入することで、生成する生成ガスやタールの性状や量を変化させることが可能となっている。
熱分解部2は、その内周面2aに周方向に間隔をあけて複数配置され、該内周面2aから周方向に第1の旋回流11とは逆向きの第2の旋回流12を形成させるように改質石炭及び搬送ガスを送入する改質石炭吹き込みノズル(第2送入部)4を備えている。改質石炭吹き込みノズル4及び第2の旋回流12についての詳しい説明は後述する。改質石炭と搬送ガスとは、これら改質石炭吹き込みノズル4で熱分解部2へ吹き込まれ、急速に混合される。
熱分解部2での操業圧力及び温度は、例えば、0.1〜20MPa、500〜1200℃で維持される。熱分解部2と部分酸化部1とはスロート3を介して上下接続されているため、両炉共ほぼ同じ圧力で操業される。
操業圧力に関しては、低すぎると、部分酸化部1内でのガス滞留時間を確保するために炉容積を大きくする必要があり、その結果、部分酸化部1内の表面積が大きくなって放散熱量が増加するため好ましくなく、高すぎると設備製作費用が高くなる。そのため、生成ガスの用途に合わせて1〜3MPa程度の操業圧力とすることが好ましい。また、高圧側の操業においては、熱分解部2に改質石炭と共に水蒸気を投入することで、ガス化や水素化を進行させることもできる。
操業圧力に関しては、低すぎると、部分酸化部1内でのガス滞留時間を確保するために炉容積を大きくする必要があり、その結果、部分酸化部1内の表面積が大きくなって放散熱量が増加するため好ましくなく、高すぎると設備製作費用が高くなる。そのため、生成ガスの用途に合わせて1〜3MPa程度の操業圧力とすることが好ましい。また、高圧側の操業においては、熱分解部2に改質石炭と共に水蒸気を投入することで、ガス化や水素化を進行させることもできる。
熱分解部2での温度に関しては、生成物16のうち、回収の対象とする回収物が主として生成ガス及びタールの場合は、500〜800℃と比較的低い温度条件が好ましく、回収物が主として生成ガスの場合は、800〜1200℃と比較的高い温度条件が好ましい。
また、回収物が主として生成ガスの場合は、熱分解部2に水蒸気や水素などの改質助剤を加えたり、部分酸化部1に水蒸気などの改質助剤などを加えたりして、熱分解部2内でのガス化反応を促進することが好ましい。尚、本実施形態における搬送ガスは、前記改質助剤をも含む概念である。
また、熱分解部2で生じたチャーは、部分酸化部1の燃料として、ガス化石炭と共に燃料として投入されて、循環利用されることが好ましい。
また、回収物が主として生成ガスの場合は、熱分解部2に水蒸気や水素などの改質助剤を加えたり、部分酸化部1に水蒸気などの改質助剤などを加えたりして、熱分解部2内でのガス化反応を促進することが好ましい。尚、本実施形態における搬送ガスは、前記改質助剤をも含む概念である。
また、熱分解部2で生じたチャーは、部分酸化部1の燃料として、ガス化石炭と共に燃料として投入されて、循環利用されることが好ましい。
ここで、部分酸化部1で形成された第1の旋回流11は、熱分解部2においても旋回を保ったまま流れて上昇するため、改質石炭を熱分解部2に、単純に炉内壁(内周面)2aに垂直に投入した場合や、第1の旋回流11と同じ方向に投入した場合、改質石炭の粒子がこの旋回流に乗り、部分的に石炭濃度の高い箇所ができ、改質石炭の昇温が不均一になり、安定した熱分解生成物が得られない。また、改質石炭の粒子濃度が高い部分が熱分解部2の炉内壁2a側(内周面近傍)に集中するため、温度上昇の不足した粒子による付着物形成の可能性もある。
そこで本発明者は、図2(b)に示されるように、改質石炭吹き込みノズル4を部分酸化部1での第1の旋回流11に対向する投入角度に設置することにより、熱分解部2内での径方向粒子濃度を均一にできることを見出した。すなわち、熱分解部2において、部分酸化部1で生じスロート3を通って導入されたガス化ガス14の旋回流とは逆向きの周方向に向けて、改質石炭が気流搬送により投入されるような投入角度で改質石炭吹き込みノズル4を設置する。
改質石炭吹き込みノズル4の本数及び投入角度に関しては、熱分解部2内での流れが偏流とならないように2本以上を互いに回転対称の位置となるように、かつ内周面2aに対して同じ角度で設置することが好ましい。すなわち、改質石炭吹き込みノズル4は、周方向に互いに等しい間隔をあけて熱分解部2の炉内壁2aに複数配設することが好ましい。尚、改質石炭吹き込みノズル4が1本のみ設けられていても構わない。本実施形態では、改質石炭吹き込みノズル4が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。
改質石炭吹き込みノズル4は、熱分解部2内で周方向に沿う第2の旋回流12を形成するように、角度をつけて設置されている。具体的に、改質石炭吹き込みノズル4の軸(中心軸)は、炉の中心軸Cに対して、ガス化バーナー5とは異なるねじれの位置となるように配置されており、該改質石炭吹き込みノズル4から炉内に向けて石炭粒子及び搬送ガスが送入されることにより、これらの混合ガスが第2の旋回流12を形成するようになっている。図示の例では、炉上方から見て、第2の旋回流12が、炉の中心軸Cを中心として時計回り(炉中心軸C回りの周方向のうち、他方の周方向)に周回するように形成されている。尚、図2(b)においては、説明を簡略化するため、熱分解部2に設けられる改質石炭吹き込みノズル4のうち一の改質石炭吹き込みノズル4のみを示しているが、本実施形態では、前記一の改質石炭吹き込みノズル4と同様の構成を備えた他の改質石炭吹き込みノズル4が、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
熱分解部2において、改質石炭吹き込みノズル4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和(以下「第2の角運動量の和」と省略する)L2は、次式により求められる。尚、前記第2の角運動量の和L2とは、改質石炭吹き込みノズル4から熱分解部2に送入される石炭の角運動量と搬送ガスの角運動量との和である。
L2=(Mg2+Mc2)×r2×V2×cosθ2・・・(2)
上式(2)において、Mg2:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc2:石炭の単位時間あたりの送入質量、r2:炉中心軸Cから送入位置までの距離(炉半径)、V2:送入速度、θ2:炉内周面の送入位置における接線方向T2に対して送入方向(改質石炭吹き込みノズル4の軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg2+Mc2)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。また、本実施形態のように改質石炭吹き込みノズル4が周方向に間隔をあけて複数配設される場合、これら改質石炭吹き込みノズル4のそれぞれにおいて上記(2)式により角運動量の和L2が算出され、これらを合計することにより熱分解部2全体としての第2の角運動量の和L2が算出される。
L2=(Mg2+Mc2)×r2×V2×cosθ2・・・(2)
上式(2)において、Mg2:搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(搬送ガス分子量)、Mc2:石炭の単位時間あたりの送入質量、r2:炉中心軸Cから送入位置までの距離(炉半径)、V2:送入速度、θ2:炉内周面の送入位置における接線方向T2に対して送入方向(改質石炭吹き込みノズル4の軸)が傾斜する角度(送入角度)、を示している。尚、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg2+Mc2)は、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入流量を変化させることにより調整できる。また、本実施形態のように改質石炭吹き込みノズル4が周方向に間隔をあけて複数配設される場合、これら改質石炭吹き込みノズル4のそれぞれにおいて上記(2)式により角運動量の和L2が算出され、これらを合計することにより熱分解部2全体としての第2の角運動量の和L2が算出される。
前述の構成により、熱分解部2内での旋回流の発生を防止して、熱分解反応の効率を高めることができる。
尚、改質石炭吹き込みノズル4の上下方向の位置は、熱分解部2において第1の旋回流11を可及的速やかに減少させ又は消滅させるため、該熱分解部2における下方に配置されることが好ましい。また、改質石炭吹き込みノズル4の送入方向(軸方向)は、例えば熱分解部2の直径の1/5から2/3の仮想円(熱分解部2の中心軸Cと同軸)への接線方向とすることが好ましい。
尚、改質石炭吹き込みノズル4の軸の水平面に対する傾きである鉛直角度も、全てのノズル4で同等であってもよい。
尚、改質石炭吹き込みノズル4の上下方向の位置は、熱分解部2において第1の旋回流11を可及的速やかに減少させ又は消滅させるため、該熱分解部2における下方に配置されることが好ましい。また、改質石炭吹き込みノズル4の送入方向(軸方向)は、例えば熱分解部2の直径の1/5から2/3の仮想円(熱分解部2の中心軸Cと同軸)への接線方向とすることが好ましい。
尚、改質石炭吹き込みノズル4の軸の水平面に対する傾きである鉛直角度も、全てのノズル4で同等であってもよい。
改質石炭の吹き込み流速については、高すぎると、操業圧力が高い場合に改質石炭吹き込みノズル4の径を小さくする必要があり、ノズル閉塞しやすくなる可能性があるため好ましくない。そのため、前記吹き込み流速としては部分酸化部1でのガス化石炭の気流搬送による流速とほぼ同等の数m/secから20m/sec程度とすることが好ましい。
そして、本実施形態の石炭ガス化炉10は、ガス化バーナー5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、改質石炭吹き込みノズル4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されている。
具体的に、本実施形態における前記比(L2/L1)の許容値の範囲は、(R2/R1)2以上1以下である(前記R1、R2はそれぞれ、部分酸化部1の半径R1と熱分解部2の半径R2を示す)。ここで、前述の通り、半径R2は半径R1より小さいことから、前記(R2/R1)2は1未満であり、具体的に本実施形態では、例えば0.3程度である。
具体的に、本実施形態における前記比(L2/L1)の許容値の範囲は、(R2/R1)2以上1以下である(前記R1、R2はそれぞれ、部分酸化部1の半径R1と熱分解部2の半径R2を示す)。ここで、前述の通り、半径R2は半径R1より小さいことから、前記(R2/R1)2は1未満であり、具体的に本実施形態では、例えば0.3程度である。
また、ガス化バーナー5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、改質石炭吹き込みノズル4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方が調整可能である。本実施形態では、第2の角運動量の和L2が調整可能とされており、これにより、前記比(L2/L1)が許容値の範囲内に制御されるように構成されている。
具体的には、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg+Mc)、送入速度V及び送入角度θのうち、少なくとも1つ以上が調整可能である。本実施形態では、第2の角運動量の和L2を調整可能であることから、送入質量(Mg2+Mc2)、送入速度V2及びθ2のうちいずれか1つ以上が調整可能な構成とされている。
尚、部分酸化部1のガス送入位置(半径r1)又は/及び熱分解部2のガス送入位置(半径r2)を増減可能な構成として、前記比(L2/L1)が許容値の範囲内に維持されるようにしてもよい。ただし、本実施形態の構成とすることにより、装置を複雑にすることなく簡便に前記比(L2/L1)を調整することが可能である。
尚、部分酸化部1のガス送入位置(半径r1)又は/及び熱分解部2のガス送入位置(半径r2)を増減可能な構成として、前記比(L2/L1)が許容値の範囲内に維持されるようにしてもよい。ただし、本実施形態の構成とすることにより、装置を複雑にすることなく簡便に前記比(L2/L1)を調整することが可能である。
次に、このように構成された石炭ガス化炉10の制御方法について、図3を参照して説明する。
まず、図3のS10において、石炭ガス化炉10が運転中である場合には、次のS20へ進む。運転中でない場合は、終了する。
まず、図3のS10において、石炭ガス化炉10が運転中である場合には、次のS20へ進む。運転中でない場合は、終了する。
S20において、部分酸化部1におけるMg1、Mc1、V1、θ1及びr1を検出する。また、熱分解部2におけるMg2、Mc2、V2、θ2及びr2を検出する。尚、本実施形態では、r1及びr2については、予め所定値に設定されており変動しないため、検出する代わりに前記所定値が用いられる。
次に、S30において、上記式(1)(2)により第1の角運動量の和L1及び第2の角運動量の和L2を算出するとともに、前記比(L2/L1)を算出する。
S30及び前述のS20の工程は、例えば不図示の監視装置(検出部及び算出部を含む)により実施される。
S30及び前述のS20の工程は、例えば不図示の監視装置(検出部及び算出部を含む)により実施される。
次に、S40において、前記比(L2/L1)が、予め設定された許容値の範囲内であるか否かを判定する。具体的に、比(L2/L1)が前記許容値の範囲内である、(R2/R1)2以上1以下の場合は、S10へ戻る。一方、比(L2/L1)が(R2/R1)2未満であるか、又は1を超える場合は、次のS50へ進む。
S50において、比(L2/L1)が許容値の範囲内となるように、第1の角運動量の和L1及び第2の角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方を調整する。具体的には、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg+Mc)、送入速度V及び送入角度θのうち、少なくとも1つ以上を調整することにより、比(L2/L1)を(R2/R1)2以上1以下の範囲内に調整する。
本実施形態では、第2の角運動量の和L2を調整可能であることから、送入質量(Mg2+Mc2)、送入速度V2及びθ2のうちいずれか1つ以上を調整することにより、比(L2/L1)を(R2/R1)2以上1以下の範囲内に維持する。尚、S50に示されるr1及びr2については、本実施形態では調整しないが、これらを調整することとしてもよい。比(L2/L1)が許容値の範囲内となったら、S10へ戻る。
S50及び前述のS40の工程は、例えば不図示の制御装置(判定部及び調整部を含む)により実施される。
本実施形態では、第2の角運動量の和L2を調整可能であることから、送入質量(Mg2+Mc2)、送入速度V2及びθ2のうちいずれか1つ以上を調整することにより、比(L2/L1)を(R2/R1)2以上1以下の範囲内に維持する。尚、S50に示されるr1及びr2については、本実施形態では調整しないが、これらを調整することとしてもよい。比(L2/L1)が許容値の範囲内となったら、S10へ戻る。
S50及び前述のS40の工程は、例えば不図示の制御装置(判定部及び調整部を含む)により実施される。
以上説明したように、本実施形態に係る石炭ガス化炉10及びその制御方法によれば、第1送入部であるガス化バーナー5が、下段の部分酸化部1に、周方向に第1の旋回流11を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入するので、当該部分酸化部1における石炭の滞留時間(反応時間)が確保されて、石炭の反応効率が高められる。
そして、ガス化バーナー5から部分酸化部1に送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、第2送入部である改質石炭吹き込みノズル4から上段の熱分解部2に送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内に制御されるので、下段で形成された第1の旋回流11を、上段において第2の旋回流12が効果的に打ち消すことになり、熱分解部2における旋回流を大幅に減少させ、又は消滅させることができる。これにより、熱分解部2において石炭の分散が均一になるとともに、熱分解反応が均一かつ効率よく行える。
従って、本実施形態によれば、部分酸化部1においては石炭の反応時間を十分に確保でき、熱分解部2においては石炭が均一に分散されて、熱分解反応が均一に効率よく行えるのである。
また、改質石炭吹き込みノズル4から送入された石炭が均一に分散されることにより、旋回流に乗って炉内壁(炉の内周面)2a近傍を流れるようなことが防止されているから、当該炉内壁2aへの石炭の付着が防止される。よって、熱分解部2の炉内壁2aへの石炭付着に起因する操業トラブルが防止され、製品の品質が確保されつつ、安定した操業が可能となる。
また、改質石炭吹き込みノズル4から送入された石炭が均一に分散されることにより、旋回流に乗って炉内壁(炉の内周面)2a近傍を流れるようなことが防止されているから、当該炉内壁2aへの石炭の付着が防止される。よって、熱分解部2の炉内壁2aへの石炭付着に起因する操業トラブルが防止され、製品の品質が確保されつつ、安定した操業が可能となる。
また、この石炭ガス化炉10において、下段の部分酸化部1で形成された第1の旋回流11は、上段の改質石炭吹き込みノズル4に達するまでの間に摩擦による減衰、圧力損失等により旋回のエネルギーが減少されるが、前述のように、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2以上とされることにより、当該第1の旋回流11が効果的に打ち消される。
一方、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2未満である場合には、下段で形成された第1の旋回流11が上段においても維持されやすくなり、熱分解部2に第1の旋回流11と同じ向きの旋回流が生じやすくなる。この場合、旋回流の遠心力作用によって、石炭が炉内壁(炉の内周面)2a近傍に移動しやすくなり、熱分解部2の径方向中央の粒子濃度と径方向外方の粒子濃度との差が大きくなって(つまり粒子の分散にバラつきが生じて)、均一な熱分解反応が得られなくなるおそれがある。
一方、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が、(R2/R1)2未満である場合には、下段で形成された第1の旋回流11が上段においても維持されやすくなり、熱分解部2に第1の旋回流11と同じ向きの旋回流が生じやすくなる。この場合、旋回流の遠心力作用によって、石炭が炉内壁(炉の内周面)2a近傍に移動しやすくなり、熱分解部2の径方向中央の粒子濃度と径方向外方の粒子濃度との差が大きくなって(つまり粒子の分散にバラつきが生じて)、均一な熱分解反応が得られなくなるおそれがある。
また、前述した摩擦による減衰、圧力損失等が十分に小さい場合においても、第1の角運動量の和L1に対する第2の角運動量の和L2の比(L2/L1)が1以下であるので、理論上、熱分解部2に第1の旋回流11と逆向きの旋回流が生じることはない。従って、熱分解部2に前記逆向きの旋回流が形成されることによる遠心力作用はなく、またこれによる粒子の分散のバラつきも生じにくい。
また、ガス化バーナー5から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、改質石炭吹き込みノズル4から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方が調整可能であるので、第2の角運動量の和L2の第1の角運動量の和L1に対する比(L2/L1)を許容値の範囲内に精度よく安定して維持することができ、よって前述の作用効果が安定して得られる。
また、石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg+Mc)、送入速度V及び送入角度θのうち、少なくとも1つ以上が調整可能であるので、これら(Mg+Mc)、V及びθを適宜調整することにより、第1、第2の角運動量の和L1、L2を比較的容易に、かつ、高精度に調整できる。尚、本実施形態においては、前述したように、送入質量(Mg2+Mc2)、送入速度V2及びθ2のうちいずれか1つ以上を調整して、第2の角運動量の和L2を調整可能である。
具体的に、上段(熱分解部2)、下段(部分酸化部1)の搬送ガス及び石炭質量(Mg+Mc)、搬送ガス質量Mg、送入角度θを監視し、熱分解部2において石炭粒子が均一に分散される条件に制御することにより、設計仕様ポイント(所定の操業条件)で石炭が均一に分散されるように設計された炉に対して、前記設計仕様ポイント以外の複数の操業ポイントにおいても、監視しているプロセス量の制御を行うことにより、炉内(熱分解部2)で均一に石炭を分散させることができる。これにより、炉内で均一に反応が進み、熱分解反応の効率を高めることができるのである。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、図2(a)(b)に示される炉上方から見て、部分酸化部1に形成される第1の旋回流11が炉中心軸C回りに反時計回り(周方向のうち一方の周方向)に周回し、熱分解部2に形成される第2の旋回流12が炉中心軸C回りに時計回り(周方向のうち他方の周方向)に周回することとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、前述の実施形態とは反対に、炉上方から見て、第1の旋回流11が、周方向のうち一方の周方向である時計回りに周回し、第2の旋回流12が、周方向のうち他方の周方向である反時計回りに周回することとしてもよい。
また、前述の実施形態では、第2の角運動量の和L2が調整可能とされており、これにより、比(L2/L1)を許容値の範囲内に維持するように構成されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、第2の角運動量の和L2が調整可能とされる代わりに、第1の角運動量の和L1が調整可能とされていてもよい。また、第1の角運動量の和L1及び第2の角運動量の和L2が、ともに調整可能とされていてもよい。ただし、本実施形態のように、第1の角運動量の和L1を所定条件として極力変動がないように運転しつつ、第2の角運動量の和L2を調整可能な構成とした場合、比(L2/L1)を前述の範囲内に維持するための調整が、簡便かつ高精度に安定して行えることから、より好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本実施例として、図1に示される部分酸化部1の直径D1:1360mm(半径R1:680mm)、熱分解部2の直径D2:740mm(半径R2:370mm)、スロート3の直径D3:600mm、部分酸化部1の高さH1:2540mm、熱分解部2の高さH2:6260mm、部分酸化部1の底壁21からガス化バーナー5までの高さh1:540mm、熱分解部2の下端縁から改質石炭吹き込みノズル4までの高さh2:1010mm、ガス化バーナー5から改質石炭吹き込みノズル4までの高さH3:3010mmである石炭ガス化炉10を用意した。
本実施例の石炭ガス化炉10において、前記(R2/R1)2は0.296である。
本実施例の石炭ガス化炉10において、前記(R2/R1)2は0.296である。
ガス化バーナー5は、部分酸化部1の内周面1aから石炭及び搬送ガスを吹き込むことにより第1の旋回流11を形成可能なように、周方向均等に間隔をあけて6本配設した。
改質石炭吹き込みノズル4は、熱分解部2の内周面(炉内壁)2aから石炭及び搬送ガスを吹き込むことにより第2の旋回流12を形成可能なように、周方向均等に間隔をあけて6本配設した。
改質石炭吹き込みノズル4は、熱分解部2の内周面(炉内壁)2aから石炭及び搬送ガスを吹き込むことにより第2の旋回流12を形成可能なように、周方向均等に間隔をあけて6本配設した。
また、部分酸化部1に送入される石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量(Mg1+Mc1)が所定値となるように、単位時間あたりの送入流量を3100Nm3/hに設定した。また、ガス化バーナー5から石炭及び搬送ガスを送入する送入速度V1が、所定範囲(10m/S〜30m/S)となるように設定した。
このような条件とされた石炭ガス化炉10において、第2の角運動量の和L2における上記式(2)の各要素を適宜変化させることにより、総角運動量比、つまり(第2の角運動量の和L2/第1の角運動量の和L1)を、0〜0.4まで段階的に変化させた。そして、熱分解部2における径方向中央(中心部)における粒子濃度の平均値と、径方向外方(壁面近傍)における粒子濃度の平均値とをそれぞれ測定した。結果を、図4のグラフに示す。尚、図4では、総角運動量比(L2/L1)を百分率(%)で表している。
図4の結果からわかるように、総角運動量比(L2/L1)の値(図4における横軸の値)が(R2/R1)2未満では、熱分解部2における径方向中央(炉中心部)の粒子濃度と径方向外方(炉壁面近傍)の粒子濃度との間に大きな差が見受けられ、総角運動量比(L2/L1)の値が、0から(R2/R1)2に近づくにつれ漸次これら炉中心部の粒子濃度と炉壁面近傍の粒子濃度とが所定値(図4の例では粒子濃度約10mg/L)に向かって収束するように近づいていき、(R2/R1)2以上(本実施例では0.296以上)となったときに、熱分解部2における径方向中央における粒子濃度と径方向外方における粒子濃度との差が1mg/L以下となり、熱分解部2の炉内における旋回流が顕著に減少又は消滅していることが確認された。
1 部分酸化部
1a 部分酸化部の内周面(炉内壁)
2 熱分解部
2a 熱分解部の内周面(炉内壁)
4 改質石炭吹き込みノズル(第2送入部)
5 ガス化バーナー(第1送入部)
10 石炭ガス化炉
11 第1の旋回流
12 第2の旋回流
L1 第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和
L2 第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和
Mc(Mc1、Mc2) 石炭の単位時間あたりの送入質量
Mg(Mg1、Mg2) 搬送ガスの単位時間あたりの送入質量
R1 部分酸化部の内周面の半径
R2 熱分解部の内周面の半径
V(V1、V2) 送入速度
θ(θ1、θ2) 炉内周面の送入位置における接線方向に対して送入方向が傾斜する角度(送入角度)
1a 部分酸化部の内周面(炉内壁)
2 熱分解部
2a 熱分解部の内周面(炉内壁)
4 改質石炭吹き込みノズル(第2送入部)
5 ガス化バーナー(第1送入部)
10 石炭ガス化炉
11 第1の旋回流
12 第2の旋回流
L1 第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和
L2 第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和
Mc(Mc1、Mc2) 石炭の単位時間あたりの送入質量
Mg(Mg1、Mg2) 搬送ガスの単位時間あたりの送入質量
R1 部分酸化部の内周面の半径
R2 熱分解部の内周面の半径
V(V1、V2) 送入速度
θ(θ1、θ2) 炉内周面の送入位置における接線方向に対して送入方向が傾斜する角度(送入角度)
Claims (8)
- 筒状の部分酸化部と、
前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、
前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、
前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備え、
前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)が、許容値の範囲内となるように制御されることを特徴とする石炭ガス化炉。 - 請求項1に記載の石炭ガス化炉であって、
前記熱分解部の内周面の半径R2は、前記部分酸化部の内周面の半径R1より小さくされており、
前記比(L2/L1)の許容値の範囲は、(R2/R1)2以上1以下であることを特徴とする石炭ガス化炉。 - 請求項1又は2に記載の石炭ガス化炉であって、
前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方が調整可能であることを特徴とする石炭ガス化炉。 - 請求項3に記載の石炭ガス化炉であって、
石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量、送入速度及び送入角度のうち、少なくとも1つ以上が調整可能であることを特徴とする石炭ガス化炉。 - 筒状の部分酸化部と、
前記部分酸化部に同軸の筒状をなし、前記部分酸化部に連通してその上方に配設された熱分解部と、
前記部分酸化部の内周面から、周方向に第1の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第1送入部と、
前記熱分解部の内周面から、周方向に前記第1の旋回流とは逆向きの第2の旋回流を形成させるように石炭及び搬送ガスを送入する第2送入部と、を備えた石炭ガス化炉を用い、
前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1に対する、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2の比(L2/L1)を、許容値の範囲内に制御することを特徴とする石炭ガス化炉の制御方法。 - 請求項5に記載の石炭ガス化炉の制御方法であって、
前記熱分解部の内周面の半径R2は、前記部分酸化部の内周面の半径R1より小さくされており、
前記比(L2/L1)の許容値の範囲を、(R2/R1)2以上1以下とすることを特徴とする石炭ガス化炉の制御方法。 - 請求項5又は6に記載の石炭ガス化炉の制御方法であって、
前記第1送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L1、及び、前記第2送入部から送入される石炭及び搬送ガスの角運動量の和L2のうち、少なくともいずれか一方を調整可能とすることを特徴とする石炭ガス化炉の制御方法。 - 請求項7に記載の石炭ガス化炉の制御方法であって、
石炭及び搬送ガスの単位時間あたりの送入質量、送入速度及び送入角度のうち、少なくとも1つ以上を調整可能とすることを特徴とする石炭ガス化炉の制御方法。
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JP2012208645A JP2014062197A (ja) | 2012-09-21 | 2012-09-21 | 石炭ガス化炉及びその制御方法 |
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Citations (4)
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-
2012
- 2012-09-21 JP JP2012208645A patent/JP2014062197A/ja active Pending
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