JPH0711242U - ツールホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、高速回転の切削加工であっ
てもワークの加工精度を高く維持することが可能な高速
回転加工に適したツールホルダを提供することにある。 【構成】 ホルダ本体(2) の一端側に形成された孔部(2
a)に締付けナット(4) を介してコレット(3) を装着し、
他端側に形成されたシャンク部(2b)にプルスタッドボル
ト(5) を螺嵌してなるツールホルダ(1) において、ホル
ダ本体(2) を鉄よりも比重の小さい非鉄金属、或いは該
非鉄金属と同等以上の引張強度を有する非金属から構成
したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、マシニングセンタ等において使用されるツールホルダに係わり、更 に詳しくは、高速回転加工に適したツールホルダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、小物部品を高速回転で加工する高速回転マシニングセンタ等が増加する 傾向にある。これに伴い、該高速回転マシニングセンタ等に対応した高速回転用 ツールホルダの要求が高まってきている。 ところで、従来、マシニングセンタに用いられるツールホルダは、ホルダ本体 の一端側に形成された孔部に締付けナットを介してコレットを取付け、他端側に 形成されたシャンク部にプルスタッドボルトが螺嵌した構成となっている。そし て、各構成部には、合金鋼材料が一般に用いられている。

【０００３】 しかし、このような従来のツールホルダを高速回転マシニングセンタ等に使用 すると、高速回転に伴ってツールホルダの振れが大きくなり、ワークの加工精度 を十分に高く保つことが出来ないと言う問題があった。 そこで、上記解決策として、上記ツールホルダを小型化し、これにより高速回 転に伴って発生するツールホルダの振れを小さくする提案がある。しかし、ツー ルホルダを取付けるマシニングセンタの主軸の形状や、使用されるツールの寸法 によっては小型化したツールホルダが使用出来ない場合があると言う問題があっ た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる従来の課題に着目して案出されたもので、高速回転の切削加 工であってもワークの加工精度を高く維持することが可能な高速回転加工に適し たツールホルダを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、ホルダ本体の一端側に形成された孔部に締 付けナットを介してコレットを装着し、他端側に形成されたシャンク部にプルス タッドボルトを螺嵌してなるツールホルダにおいて、前記ホルダ本体を鉄よりも 比重の小さい非鉄金属、或いは該非鉄金属と同等以上の引張強度を有する非金属 から構成したことを要旨とする。

【０００６】

【考案の作用】

本考案は上記のように構成され、ツールホルダの本体であるホルダ本体を鉄よ りも比重の小さい非鉄金属や該非鉄金属と同等以上の引張強度を有する非金属か ら構成するため、ツールホルダの重量を大幅に軽減することが可能で、高速回転 加工の使用においてツールホルダの振れを小さくすることが出来る。 また、重量のみを軽減してツールホルダの振れを小さくすることが出来るため 、従来のマシニングセンタやツールをそのまま使用することが可能である。

【０００７】

【考案の実施例】

以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案に係わるツールホルダの一例を示す半断面図で、ツールホルダ１ はホルダ本体２と、ツールを把持するためのコレット３及び締付けナット４と、 ツールホルダ１をマシニングセンタの主軸に固定するためのプルスタッドボルト ５とから構成されている。

【０００８】 ホルダ本体２は、一端側にホルダ本体２の中心軸線ＭーＭに沿って穿設され、 コレット３を挿入するテーパ状の孔部２ａを有し、他端側には図示せぬマシニン グセンタの主軸の嵌合孔と当接可能なテーパ状のシャンク部２ｂが形成され、中 間部には鍔部２ｃが配設された構成となっている。 孔部２ａが形成された一端側外周部には、締付けナット４が螺合するネジ部２ ｄが形成され、また、シャンク部２ｂの端面２ｅには、中心軸線ＭーＭに沿って プルスタッドボルト５が挿入される円柱状の孔部２ｆが形成され、該孔部２ｆの 周面にはプルスタッドボルト５が螺嵌するネジ部２ｇが設けられている。

【０００９】 コレット３は拡縮可能なコレット本体３ａにツールの後端部を挿入可能な挿入 孔３ｂを有し、コレット本体３ａの外周の一端側及び他端側にそれぞれテーパ面 ３ｃ，３ｄが形成され、他端側のテーパ面３ｄの部分がが前記孔部２ａに嵌合す るようになっている。 締付けナット４はリング状のナット本体４ａを有し、その内周一端側には、前 記テーパ面３ｃと当接し、コレット本体３ａを径方向に押圧可能な当接凸部４ｂ が設けられている。ナット本体４ａの内周他端側にはネジ部４ｃが形成され、こ のネジ部４ｃがホルダ本体２のネジ部２ｄが螺合している。

【００１０】 プルスタッドボルト５は一端側にホルダ本体２の孔部２ｆに挿入される挿入部 ５ａを有し、他端側にはマシニングセンタの主軸に設けられた固定手段と係合す る係合部５ｂが設けられ、中間部にはシャンク部２ｂの端面２ｅと当接する鍔部 ５ｃが形成されている。また、挿入部５ａの外周面にはネジ部５ｄが配設され、 ホルダ本体２のネジ部２ｇに螺嵌している。

【００１１】 上述したような構成からなるツールホルダ１において、本考案は、ホルダ本体 ２が鉄よりも比重の小さい非鉄金属、或いは該非鉄金属と同等以上の引張強度を 有する非金属から構成されている。 即ち、従来、ツールホルダの各構成部は、合金鋼材料から構成されるのが一般 的であると考えられていたが、本考案者は、それらについて種々研究した結果、 合金鋼材料等の鉄材よりも他に十分切削加工に適応可能な材料があることを見い だしたのである。

【００１２】 上記の非鉄金属としては、鉄よりも比重が小で、高速回転に耐えうる引張強度 を有するものであれば従来公知のものが使用可能で、例えばアルミニウム等を好 ましく用いることが出来る。 また、非金属としては、鉄よりも比重が小さく、前述の非鉄金属と同等以上の 引張強度を有すものであれば特に限定されず、好ましくはセラミック等を使用す ることが出来る。

【００１３】 このようにツールホルダ１の本体であるホルダ本体２を鉄よりも比重の小さい 非鉄金属や非鉄金属と同等以上の引張強度を有する非金属から構成することによ り、ツールホルダ１の重量を大幅に軽減することが出来、高速回転加工の使用に おいてツールホルダの振れを小さくすることが可能で、ワークの加工精度を高く 保つことが出来る。また、重量のみを軽減してツールホルダの振れを小さくする ことが出来るため、従来のマシニングセンタやツールをそのまま使用することが 可能である。

【００１４】 上記コレット３、締付けナット４、及びプルスタッドボルト５は、従来と同様 に合金鋼等の鉄材が用いられている。 ホルダ本体２のネジ部２ｇに対してプルスタッドボルト５のネジ部５ｄが螺嵌 する位置は、シャンク部２ｂの肉厚が薄い孔部２ｆの入口側よりも奥側の肉厚が 厚い部分とするのが好ましい。これによりプルスタッドボルト５を剛性が高い部 分に取付けることが出来るので、プルスタッドボルト５の取付けによるシャンク 部２ｂの変形が少なく、該シャンク部の装着（求心）精度を高く保つことが出来 る。

【００１５】 また、ホルダ本体２のネジ部２ｄのネジ径は、従来の寸法のものよりも大きく するのが締付けナット４を強固にネジ部２ｄに取付ける上で好ましい。また更に 、締付けナット４を鉄材に代えて、ホルダ本体２と同じ非鉄金属や非金属から構 成するようにしてもよい。これによりツールホルダ１を更に軽量化することが出 来る。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記のように、ホルダ本体を鉄よりも比重の小さい非鉄金属や該非鉄 金属と同等以上の引張強度を有する非金属から構成することにより、ツールホル ダの重量を大幅に軽減することが出来、高速回転加工時にツールホルダの振れを 小さくすることが可能で、高速回転の切削加工であってもワークの加工精度を高 く維持することが出来る。 また、重量のみを軽減してツールホルダの振れを小さくすることが可能である ため、従来のマシニングセンタやツールをそのまま使用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の一例を示すツールホルダの半
断面図である。

【符号の説明】

１ ツールホルダ ２ ホルダ本体 ２ａ 孔部 ２ｂ シャンク部 ３ コレット ４ 締付けナット ５ プルスタッドボルト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダ本体の一端側に形成された孔部に
   締付けナットを介してコレットを装着し、他端側に形成
   されたシャンク部にプルスタッドボルトを螺嵌してなる
   ツールホルダにおいて、 前記ホルダ本体を鉄よりも比重の小さい非鉄金属、或い
   は該非鉄金属と同等以上の引張強度を有する非金属から
   構成したツールホルダ。
2. 【請求項２】 前記非鉄金属がアルミニウムである請求
   項１に記載のツールホルダ。
3. 【請求項３】 前記非金属がセラミックである請求項１
   に記載のツールホルダ。