JPH07112339B2 - 回転電力機 - Google Patents

回転電力機

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JPH07112339B2
JPH07112339B2 JP62199643A JP19964387A JPH07112339B2 JP H07112339 B2 JPH07112339 B2 JP H07112339B2 JP 62199643 A JP62199643 A JP 62199643A JP 19964387 A JP19964387 A JP 19964387A JP H07112339 B2 JPH07112339 B2 JP H07112339B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、例えば空気調和機の室内機において用いら
れるクロスフローファンのファン駆動用電動機等の回転
電力機に関するものである。
(従来の技術) 空気調和機等に使用されるクロスフローファンの回転駆
動には、従来、別体の電動機、例えば交流誘導電動機を
用い、その駆動軸とファンロータの回転軸とをカップリ
ングで連結する構成となされている。このため上記駆動
用電動機を収納するためのスペースを装置内に必要と
し、装置が大型化する等の欠点があった。そこで近年に
おいては、直流ブラシレスモータの回転子をファンロー
タの側板に直結する構成とすることによって、装置の小
型化を図る試みがなされている。そのような装置の具体
例が例えば実開昭61−178095号公報に記載されている。
第5図にその装置を模式的に示しているが、同図におい
て、91はクロスフローファンのファンロータであり、こ
のファンロータ91の一方の側板92の外方端面に、直流ブ
ラシレスモータの回転子ケーシング93が固着されてお
り、この回転子ケーシング93の円筒部内周面には、リン
グ状の永久磁石94が接着等により固着されている。一
方、支持フレーム95から上記永久磁石94の中心貫通穴位
置まで延びた円筒体96には、その先端部にコイル97の巻
装された固定子98が配設されている。上記コイル97への
通電を制御して回転磁界を形成することにより、回転子
に対する回転力が誘起され、これによりファンロータ91
が回転駆動される。
(発明が解決しようとする問題点) ところで上記のようなクロスフローファンのファンロー
タは軸方向長さが長く、また近年においては、金属材料
に比べて剛性の小さな合成樹脂材料で中央本体部を構成
し、そして第5図のように両端側板を個別に軸支する構
成となされている。このような剛性の小さな長軸のファ
ンロータを回転する際には、重心位置と回転中心とにわ
ずかなずれがあっても遠心力の作用により中央部が外方
へと偏心するようなそりを生じながら回転する状態とな
り易く、したがって回転子ケーシングの固着された側板
位置においても、回転の振れを生じ易い。この結果、固
定子の外周面と永久磁石の内周面との間の隙間、すなわ
ちエアギャップが回転時には不均一となり、永久磁石内
周面が固定子に局部的に接する等の問題を生じることと
なる。したがってクロスフローファンのファン駆動用電
動機としては、上記のような回転の振れを許容し得るエ
アギャップを設ける必要があり、このような構成におい
ても所定の回転駆動力が得られるように永久磁石は充分
に強力な磁気力を有する必要がある。しかしながら上記
した従来装置においては、リング状の永久磁石94にN極
とS極とが周方向に交互に現れるように多極着磁する構
成であり、このような永久磁石によっては、上記した充
分に強力な磁気力は得られず、このため安定した回転駆
動を行えないものとなる。つまり上記のように同一磁性
体内で周方向にNSNSの多極構成とする場合には、隣合う
磁極間に磁極の方向が逆転する変化領域が必要となり、
この領域においては磁束密度が低下してしまうためであ
る。そこで必要な磁極数に応じて、個々に分割された複
数の永久磁石を、全体としてリング状に配設する構成と
することによって、個々の永久磁石には上記のような磁
極の変化領域、すなわち磁束密度の低下領域がなくなる
ので、より磁力の強い永久磁石構成とすることができ
る。またこのようにNSの単一磁石として永久磁石を個々
に構成する場合には、上記多極の磁石に比べて異方性磁
石により構成することも容易であり、これによってさら
に磁力の強い永久磁石構成とすることが可能となる。
しかしながら上記のように永久磁石を分割し、これらを
円周状に配設していく構成においては、新たに次のよう
な問題点が発生する。それは、永久磁石の内周側につい
て考えれば、特定の永久磁石の端部近傍には、これとは
極性の異なった他の永久磁石の端部が位置することにな
り、そのため両端部間に磁気回路が形成されてしまうと
いうことである。このことは、永久磁石の内周部におい
て、固定子を通過し得ない漏洩磁束が存在するというこ
とであり、充分なトルクの得られない原因の一つとなっ
ている。殊に、上記のようなファン駆動用電動機におい
ては、上記したようにエアギャップを大きくすることが
要請されている訳であるが、エアギャップを大きくする
と、それに伴って上記のような回転に寄与し得ない磁束
が多くなって充分なトルクが得られないという不具合が
生ずる。
この発明は上記した従来の欠点を解決するためになされ
たものであって、その目的は、例えば電動機として使用
する場合には、上記のような回転に寄与し得ない磁束を
低減し、高いトルクを得ることが可能な回転電力機を提
供することにある。
(問題点を解決するため手段) そこでこの発明の回転電力機においては、固定子5と回
転子4との一方にコイル40を設けると共に、他方に複数
の略円弧状永久磁石20・・を円周上にその内周側が交互
に異極となるように配設して成る回転電力機であって、
相隣接する永久磁石20、20は、固定子5と回転子4との
間のエアギャップGよりも小さな間隔aで配置する一
方、各永久磁石20の内周側端部近傍を切欠状に形成する
ことにより、相隣接する永久磁石20、20の内周側におけ
る端部間の距離bを上記エアギャップGよりも大きく設
定してあることを特徴としている。
(作用) 上記回転電力機を電動機として使用した場合、永久磁石
20の端部においては、隣接する他の永久磁石20の端部ま
での距離よりも、コイル40を設けた固定子5又は回転子
4までの距離の方が短いことになり、そのため相隣接す
る永久磁石20、20の端部間において生じていた漏洩磁束
が従来よりも減少し、有効磁束が増加して高いトルクが
得られることになる。
(実施例) 次にこの発明の回転電力機の具体的な実施例について、
図面を参照しつつ詳細に説明する。
第3図には、空気調和機の室内機において用いられるク
ロスフローファンに組付けたこの発明の一実施例におけ
るファン駆動用電動機の組立断面図を示している。同図
において、1はクロスフローファンのファンロータであ
り、このファンロータ1の一方の側板2に、合成ゴム等
の弾性材料より成る連結部材3を介して、回転子4が取
着され、またこの回転子4内部に、固定子5の固着され
た固定軸6が挿通されている。そしてこの固定軸6の右
側端部にはエンドブラケット7がさらに固着されてい
る。このエンドブラケット7の端面には、適当箇所に固
定ねじ穴が穿設されており、このエンドブラケット7端
面を、空気調和機の室内機内部の取付面であるファンハ
ウジングの左右側板の、第1図に二点鎖線で図示した右
側板8にねじ固定するようになされている。なお、室内
側熱交換器はファンハウジング内のファンロータ1の上
流側に配設されており、左右側板間に支持されている。
上記連結部材3は防振を目的として配設されているもの
であって、その中心部に軸方向に貫通する貫通穴11を有
するリング状の部品であり、またその断面は略U字状に
形成されている。つまり上記貫通穴11を囲繞する円筒部
12と、この円筒部12の軸方向両端部位置からそれぞれ半
径方向に広がる側板側固着面13及び回転子側固着面14と
から構成されている。上記側板側固着面13は、側板2の
端面に形成している凹部に嵌入されてこの側板2と同心
位置を与えた状態で接着等により、この側板2端面に固
着されている。一方、上記回転子側固着面14には、回転
子4を構成するカップ状のケーシング15における底面
(図において垂直面)が固着される。この垂直面には、
その中心部に、ファンロータ1側に突出する中心膨出部
16が形成されており、この中心膨出部16を上記連結部材
3の貫通穴11に挿通し、両者の同心位置状態を維持した
状態で、接着等による固着取付けがなされるのである。
次に上記回転子4の構成を、第4図の分解斜視図を参照
して説明する。この回転子4は、上記カップ状のケーシ
ング15と、このケーシング15の円筒部内周面に沿って配
設される4箇の永久磁石20と、上記ケーシング15の円筒
部における外周と略同径の内周面を有する略円筒状の蓋
体25とから構成されている。上記ケーシング15内に各永
久磁石20を固定するために、上記ケーシング15には、そ
の垂直面において、円周上4等分の位置で切起こされた
4個の略弓状の係止片26・・26と、これらの係止片26・
・26間の円周上各2箇所の位置でそれぞれ切起こされた
短寸の爪状の突起27・・27とが形成されている。一方、
上記各永久磁石20は、第2図に示すように、ケーシング
15の円筒部内周面の円周を略4等分する円弧長を有する
形状に構成されている。その形状については、後で詳述
するが、周方向両端部には半径方向に対して傾斜する傾
斜面52、52がそれぞれ形成されており、これらの傾斜面
52によって隣合う永久磁石間20には、径方向外方に向か
って徐々に狭小となるテーパ状の隙間が形成される。そ
してこのテーパ状隙間に上記各弓状係止片26が軸心側よ
り嵌入して、上記永久磁石20の傾斜面52に当接するよう
になされている。また上記各係止片26の切り起こし点は
上記当接位置より外周面側に形成されており、この結果
上記当接状態においては、各係止片26は半径方向内方へ
と撓み変形を生じた状態となり、その弾性反力が上記各
永久磁石20を外周面側へ押圧する力として作用する。そ
してこの押圧力は、上記のように傾斜面52、52に作用す
る結果、各永久磁石20を半径方向外方へと押圧してケー
シング15の円筒部内周面に密着させる力として作用する
と共に、円周方向にも押圧する力として作用する。この
ような押圧力が各永久磁石20の両端部にそれぞれ与えら
れる結果、各永久磁石20の半径方向の位置固定及び周方
向の位置固定が同時に、かつ精度良く与えられる。
上記係止片26は、第3図に示しているように、ケーシン
グ15の開口端(図において右端)側が軸心方向へと湾曲
するような略弓形形状に形成されており、したがって上
記各永久磁石20は、上記ケーシング15の開口端側からこ
のケーシング15の内周面に沿わせて軸方向左方へと押し
込んでいくことにより、上記係止片26は徐々に軸心方向
へと湾曲されて上記した組付状態となる。一方この組付
状態における軸方向の固定は、同図において固定軸6よ
り下側の断面図中に示しているように、各永久磁石20の
左端面が前記した爪状突起27の先端部に当接することに
よってまず左端側での位置決めがなされる。なおこの状
態において上記係止片26は、その軸方向中央部が各永久
磁石20の軸方向中央箇所に当接する。上記爪状突起27
は、第2図に示しているように、各永久磁石20に対し、
両端部側の各2点にそれぞれ当接するようになされてい
る。そしてこのとき、第1図のように、各永久磁石20の
右側端面は、ケーシング15の開口端と略同一位置に位置
する。上記のような各永久磁石20の組付け後、前記蓋体
25がケーシング15に覆せられる。この蓋体25にはその周
側面の適当箇所に嵌合穴35が穿設されており、一方ケー
シング15の周側面には、上記嵌合穴35にそれぞれ応ずる
位置に、半径方向外方へと突出成形された円弧状の係止
片36が形成されている。上記蓋体25を軸方向に押し込
み、上記係止片36が上記嵌合穴35内に嵌入することによ
って、上記ケーシング15への蓋体25の固定取付けがなさ
れ、回転子4の組立てが完了する。このとき、蓋体25の
右側端面には、径方向内方へと曲げ成形されると共に各
永久磁石20端面の外周側を全周に渡ってわずかに覆う固
定面37が設けられており、この固定面37と上記爪状突起
27との間で各永久磁石20が挟持されることとなって、軸
方向の固定が行われる。従来は硬質かつ脆弱な材質から
なる永久磁石の取付けは接着によって行われており、取
付精度や作業性、接着強度の経時変化等に種々の問題を
生じる構成となっていたが、上記においては、より確実
かつ精度の良い取付けを極めて簡単な組立作業で行うこ
とが可能となっている。
上記のように回転子4を組立てた後、これを前記のよう
に連結部材3に組付け、さらにこの回転子4の内部空間
部に、第2図に示すように、星形に成形された6極の磁
極を有する固定子5を同心状に配設することによって、
ファン駆動用電動機が構成される。なお同図中40は、固
定子5の各磁極に巻装されているコイルである。上記固
定子5は、第3図に示すように固定軸6の略中央部位置
に固着されている。この固定軸6は、第3図において左
端側の先端がテーパ状に形成されると共に、そのテーパ
部から基端側は小径部となされ、さらに段部を有して上
記固定子5が固着される軸部として形成されている。そ
して前記した蓋体25を固定面37の中心開口を通して軸心
上を上記固定軸6を挿入していくことで、前記したケー
シング15の中心膨出部16内面に取着されている軸受41の
中心穴に、固定軸6の小径部が挿通することとなる。こ
のとき上記固定軸6先端のテーパ部で案内されて、小径
部が容易に挿通するようになされている。
上記固定軸6の右側端部位置には、皿状のエンドブラケ
ット7が同心状に固着されている。このエンドブラケッ
ト7の外周には、固定子5側に延びる短寸の円筒部42が
形成されており、この円筒部42に囲繞される空間は、制
御回路部品収納室43となされている。この収納室43内に
は円板状のプリント基板44が配設されており、このプリ
ント基板44に、このファン駆動用電動機の回転制御に必
要な制御回路部品が取付けられている。つまり上記プリ
ント基板44に、抵抗素子、コンデンサ、ダイオード等の
制御回路部品を、上記エンドブラケット7側に位置する
ようにマウントしている。このとき収納室43の軸方向高
さよりも高い寸法を有するコンデンサ等の素子について
は、そのリード部を曲げ成形して上記プリント基板44の
面に沿わせて収納している。また図のように、パワート
ランジスタ45やIC46等の高発熱素子においては、それら
の冷却フィンを上記エンドブラケット7の内面に、絶縁
シート47を介して密着取付けしている。すなわち上記の
ような高発熱素子に対しては、エンドブラケット7全体
がそれらの放熱フィンとして作用するようになされてい
るのである。以上のようなプリント基板44における各素
子の配置、及び放熱構造とすることによって、軸方向寸
法の小さな空間内に回転制御に必要な制御回路を構成
し、これにより装置のコンパクト化、及び外部引出配線
数の低減を図っている。上記のように制御回路部品は上
記収納室43に収納している訳であるが、後述するよう
に、上記プリント基板44から3箇のホール素子H(図に
は1箇のみ図示)は、固定子5側に延びており、その検
知部はそれぞれ回転子4の永久磁石20内周面に近接して
配置されて、上記回転子4の回転位置に応じた磁場の変
化を検出し得るようになされている。
上記のようにファンロータ1に回転子4と固定子5とを
組立てた後、この組立体は空気調和機の室内機に組付け
られる。すなわちファンロータ1の、上記側板2とは反
対側の側板の軸心位置に固着されている回転軸を、第5
図の(B)で示す構成と略同様に、室内機の本体フレー
ムに軸受を介して取付け、そして上記エンドブラケット
7を本体フレームの取付面にねじ固定する。これにより
固定軸6と、この固定軸6に固着されている固定子5と
の位置固定が与えられる。そしてファンロータ1の側板
2に連結部材3を介して連結されている回転子4は、上
記固定軸6によって、軸受41を介して回転自在に支持さ
れることとなる。つまり固定子5を位置させるための固
定軸6を上記固定子5の固着箇所からさらにファンロー
タ1側へ突出させ、その突出領域で回転子4のケーシン
グ15を軸受41を介して支持する構成としている。この結
果、回転子側には支持軸が不要となり構成が簡素なもの
となっている。また上記軸受41が内挿されるケーシング
15の中心膨出部16はファンロータ1側へ突出させると共
に、側板2の軸心位置には上記中心膨出部16が挿通し得
る開口を設けており、この結果上記軸受41を介しての固
定軸6とケーシング15との連結は、側板2及び連結部材
3が位置する軸方向位置においてなされ、上記連結のた
めに別途軸方向スペースを必要とする構成ではないの
で、軸方向長を小さくすることが可能となっている。ま
たこのような連結構造を採用した結果、ファンロータ1
が振動をしても、回転子4は固定軸6に対して同心状態
で支持され、上記振動は回転子4を傾斜させる方向に対
してだけ作用することになり、そのため回転子4の変位
量が従来よりも小さくなり、これにより安定した回転駆
動状態が得られることになっている。さらに固定子5の
軸心貫通孔を挿通する固定軸6は、第2図に示すよう
に、上記軸心貫通孔の内周面に密着した状態で挿通され
ており、また上記固定軸6は棒鋼等の磁性体材料より構
成し、この部分においても磁路を確保する構造であるの
で、外周径を小さくすることができ、この結果固定子5
全体の径と共に、回転子4の径を小さく構成することが
可能となっている。
なお第3図の組立状態においては、回転子4の永久磁石
20から固定子5に対して強力な磁気吸引力が作用し、こ
の結果、固定子5の軸方向中心位置に永久磁石20の軸方
向中心位置が略一致するように自動的に心合せがなさ
れ、保持される。このように回転子4及びファンロータ
1に対して軸方向の移動を機械的に規制せず、ある程度
自在になし得るように構成することによって、上記永久
磁石20と固定子5との間の軸方向押圧力がなくなり、こ
のため軸受41における摩耗が低減され、また回転を円滑
に行うことが可能となる。さらに軸方向の位置規制手段
が不要であるために、構造が簡単になると共に組立作業
性も向上する。
上記各永久磁石20は、半径方向に着磁されている。また
固定子5に対面する内周面において隣合う面が相互に異
なる極となるように、つまりNSNSの4極の界磁状態とな
るように回転子4は構成されている。そして上記のよう
な各永久磁石20は、例えばフェライトより成る異方性磁
石で構成されている。このように、各磁極毎に一様に着
磁される分割磁石で構成すると共に、それぞれ異方性磁
石で構成する結果、磁力を従来よりも大幅に強くするこ
とができ、そのため、ファンロータ1に生ずる回転振れ
に対しても安定した回転駆動をなし得るように、固定子
5外周面と永久磁石20の内周面との間の隙間、すなわち
エアーギャップGを1.5〜2mmと比較的大きく与えて構成
することが可能となっている。なおここで永久磁石20と
して比重の小さいフェライト磁石を使用するのは、各永
久磁石20の周方向に対する配置誤差の存する場合に、回
転軸心回りの重量アンバランスを軽減し、振動や騒音を
低減するためである。
また上記各永久磁石20はそれぞれ同一形状に構成されて
いるものであって、またそれぞれ周方向両端部には、第
1図に示すような対称形の端面形状が与えられている。
この端面形状について、第1図に基づいて説明する。同
図には、永久磁石20を左右対称に位置させ、そのときの
対称軸l、またこの対称軸lを中心にして中心角90゜で
延びる中心線m、m、上記対称軸lに垂直で永久磁石20
の外周面Soに接する水平面pを付記している。永久磁石
20の両端部には、それぞれ外周面Soから内周面Siに向か
って、上記対称軸lに平行な垂直面50、50、上記中心線
mよりわずかに対称軸l側で上記中心線mに平行な最小
隙間付与面51、51、上記水平面pに平行に対称軸l側に
延びる傾斜面52、52が順次形成され、そして上記中心線
mに平行であると共に上記最小隙間付与面51よりは中心
線mから離間した嵌入面53、53が形成されて上記内周面
Siに連なっている。このような端面形状を与えているこ
とにより、ケーシング15内周面に沿って各永久磁石20・
・20が配設された場合に、隣合う各永久磁石20、20間に
は、上記最小隙間付与面51、51間で最小隙間a(1mm)
が与えられる。この最小隙間を与えることによって、各
永久磁石20等の形状加工誤差を許容し得る組立が可能と
なる。上記傾斜面52は、内周面Siと外周面Soとの半径方
向中間点(以下、中性点と言う)の近傍に形成されてお
り、前記したように弓状係止片26が当接する面となって
いる。そして上記嵌入面53は、上記弓状係止片26が径方
向内方より上記傾斜面52方向へと嵌入する隙間を与える
と共に、その間隔bは、前記エアーギャップGを超える
隙間b(3mm)となされており、このため隣合う永久磁
石20、20間の内周面側における上記隙間bを介する漏洩
磁束が低減され、固定子5側により有効に磁力が作用す
るようになされている。
また永久磁石20の外周面So側に設けられた上記垂直面50
によっては、これらの永久磁石の製造工程上、次のよう
な利点が与えられる。つまり上記永久磁石20はフェライ
ト粉を焼結することによって製造されるものであり、粉
末成形金型内では、第1図に示した対称軸lの方向にプ
レス成形される。このプレス成形の際にプレス成形機の
上ラムと下ラムとの間に磁界を形成した状態でプレスす
ることにより、異方性としての磁気特性を与えた成形が
行われる。そして両端部が上記プレス方向と平行な垂直
面50、50となされていることによって、上ラムと下ラム
とが挿通する成形金型のダイス側は、プレス方向に平行
な面に囲われた断面矩形の貫通穴形状で構成することが
可能となり、金型形状を簡素なものにし得ると共に、成
形後の圧粉成形体の抜き取りに際しても、四面が上記各
平行面で案内されることとなって、端部に欠け等の生じ
にくい安定した加工性が与えられる。またこれらの垂直
面50、50はその後の仕上工程における基準面ともなり、
例えば上記した最小隙間付与面51と傾斜面52と嵌入面53
との領域を研摩仕上加工する際に、第3図のように外周
面Soを加工テーブル上に載置し、この加工テーブルに垂
直な上記垂直面50を挟持する固定を行うことによって、
特殊な固定治具を用いることなく精密な位置固定が可能
となり、この結果、研摩仕上加工を精度良く、かつ能率
良く行うことができる。
さらに上記傾斜面52は個々には水平面pと平行な面、す
なわち研摩機の加工テーブル上に第3図のように載置し
た際にこの加工テーブルと平行な面として与えられてい
るので、水平面pからの距離を一定とする精度の良い加
工を行うことができ、この結果前記のように回転子4の
ケーシング15の内周面に配置して傾斜面として機能する
際の軸心からの距離と傾斜角とを精度良く与えることが
可能となるので、弓状係止片26が隣合う永久磁石の一方
のみに片当たりするというようなことがなく、より確実
な固定組付が得られる。
なお前記した上記各永久磁石20を内部に収納しているケ
ーシング15と蓋体25とは、永久磁石20の外周面側の磁路
を構成するように、鋼板等の軟質磁性材料から成る板材
で形成されている。そして上記ケーシング15の垂直面か
らは、爪状突起27によって離間した状態で取付けること
によって上記垂直面を介しての磁束の漏洩を抑える構成
となされている。特に上記爪状突起27の先端部は半円状
に形成されており、したがって各永久磁石20とは点接触
状態で当接する。また上記各永久磁石20の右端側を固定
する蓋体25の固定面37は各永久磁石20の外周面側の狭小
部分のみに接するように構成しており、このように各永
久磁石20の軸方向両端面に接して挟持する部材の接触面
積を極力小さくすることによっても、漏洩磁束の低減を
図る構成となされている。さらに上記爪状突起27と、前
記した弓状係止片26とは、各永久磁石20の内周面と外周
面との中間点、すなわち中性点の近傍で接するようにな
されていることによっても漏洩磁束の低減が図られ、ま
た隣合う異極の永久磁石20間の位置における上記ケーシ
ング15の垂直面には、上記弓状係止片26の切起こし跡の
スリット開口が半径方向に延びており、このためこの垂
直面を介しての漏洩磁束がさらに低減する構成となって
いる。
次に上記構成のファン駆動用電動機の作動状態について
説明する。
前記した3つのホール素子H1〜H3は、第2図に示してい
るように、固定子5の隣り合う3つの極の先端部側に、
それぞれ配置されており、これらのホール素子H1〜H3に
よって上記回転子4の回転位置に応じた各永久磁石20に
よる磁場の変化が検出される。そしてその検出信号を受
けて、所定のタイミングで前記制御IC46によって駆動信
号が発生され、これにより各コイル40への通電が周期的
に制御されて固定子5側に回転磁界が発生される。こう
して回転子4が上記固定子5側の回転磁界によって回転
駆動され、この回転子4の回転が前記ファンロータ1に
伝達されてファンロータ1が回転駆動される。
ところで上記したファン駆動用電動機においては、永久
磁石20の端部において、傾斜面52、嵌入面53等を形成す
ることによって、相隣接する永久磁石20、20の内周側端
部間の距離bを、エアギャップG(固定子6の外周部と
永久磁石20内周面との間の距離)よりも大きくしてある
訳であるが、このような構造を採用することによって漏
洩磁束を低減し、トルクを大きくできるという利点が生
ずる。すなわち永久磁石20の嵌入面53の内側端部につい
て考えれば、隣接する他の永久磁石20の嵌入面53の内側
端部までの距離bよりも、固定子5の表面までの距離G
が短いことになり、そのため相隣接する永久磁石20、20
の端部間において生じていた漏洩磁束が従来よりも減少
し、回転に寄与し得る有効磁束の比率が増加して高いト
ルクが得られるということである。なお隙間bを大きく
することによって、その分だけ永久磁石20・・の体積が
減少し、磁束が低下することも懸念されるが、その点に
ついては、永久磁石20の他の部分の寸法を工夫すること
によって対処可能である。
なお上記実施例においては各永久磁石を弓状係止片等に
より回転子のケーシングに取付ける構成として説明した
が、接着等のその他の取付法による装置においてもこの
発明の適用は可能であり、また上記実施例においては4
個の円弧状永久磁石を周上に配設した例を示したが、さ
らに多くの数に分割した永久磁石を設ける構成とするこ
とも可能である。また上記実施例はクロスフローファン
を回転駆動するファン駆動用電動機として構成した一実
施例における説明であるが、上記直流ブラシレスモータ
構成以外の、分割した永久磁石を回転子に配設して成る
その他の形式の電動機あるいは発電機にこの発明を適用
することができる。
(発明の効果) 上記のようにこの発明の回転電力機においては、これを
電動機として使用した場合、永久磁石の端部において
は、隣接する他の永久磁石の端部までの距離よりも、コ
イルを設けた固定子又は回転子までの距離の方が短いこ
とになり、そのため相隣接する永久磁石の端部間におい
て生じていた漏洩磁束か従来よりも減少し、有効磁束が
増加して高いトルクが得られることになる。すなわち、
この発明の回転電力機においては、複数の略円弧状永久
磁石を近接して配置することによって高トルク化等の性
能向上を図った上で、さらに上記漏洩磁束の低減による
性能向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の回転電力機の一実施例において使用
する永久磁石の平面図、第2図は第3図のII−II線にお
ける断面図、第3図はファン駆動電動機としての上記実
施例の断面図、第4図は第3図の装置の分解斜視図、第
5図は従来装置の全体構成を示す断面図である。 4……回転子、5……固定子、20……永久磁石、40……
コイル、b……永久磁石端部間の距離、G……エアギャ
ップ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定子(5)と回転子(4)との一方にコ
    イル(40)を設けると共に、他方に複数の略円弧状永久
    磁石(20)・・・を円周上にその内周側が交互に異極と
    なるように配設して成る回転電力機であって、相隣接す
    る永久磁石(20)(20)は、固定子(5)と回転子
    (4)との間のエアギャップ(G)よりも小さな間隔
    (a)で配置する一方、各永久磁石(20)の内周側端部
    近傍を切欠状に形成することにより、相隣接する永久磁
    石(20)(20)の内周側における端部間の距離(b)を
    上記エアギャップ(G)よりも大きく設定してあること
    を特徴とする回転電力機。
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