JPH07111359A - 半導体人工積層構造材料及び電流注入型発光素子 - Google Patents

半導体人工積層構造材料及び電流注入型発光素子

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JPH07111359A
JPH07111359A JP25390593A JP25390593A JPH07111359A JP H07111359 A JPH07111359 A JP H07111359A JP 25390593 A JP25390593 A JP 25390593A JP 25390593 A JP25390593 A JP 25390593A JP H07111359 A JPH07111359 A JP H07111359A
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JP
Japan
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layer
semiconductor
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direct transition
forbidden band
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Application number
JP25390593A
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English (en)
Inventor
Takeshi Karasawa
武 柄沢
Kazuhiro Okawa
和宏 大川
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好なレーザー発振特性を実現することので
きる半導体人工積層構造材料、及びこの材料を用いた電
流注入型発光素子を提供する。 【構成】 n型GaAs基板56の上に、層厚1.5μ
mのn型Zn0.7 Mn 0.230.17Se0.83クラッド層5
5、層厚3000オングストロームのn型ZnS0.07
0.93光閉じ込め層54、層厚100オングストローム
のノンドープZn0.7 Cd0.3 Se活性層51、層厚3
000オングストロームのp型ZnS0. 07Se0.93光閉
じ込め層52、層厚1μmのp型Zn0.7 Mn0.23
0.17Se0. 83クラッド層53、層厚1000オングスト
ロームのp+ ZnSeコンタクト層58の順に結晶成長
を行う。絶縁層60としてSiO2 を用いて酸化膜スト
ライプを形成し、その上からAuを全面に真空蒸着する
ことによって電極59を形成する。n型GaAs基板5
6の裏面に、Inを用いて電極57を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視領域、特に緑から
青色での発光を可能にする半導体人工積層構造材料、及
びこの材料を用いた電流注入型発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発光素子及びその作製のために必
要な材料の研究開発は多岐にわたっており、赤外、及び
赤色から黄色にかけては主としてIII−V族化合物半
導体を用いて各種の発光ダイオードやレーザーが実用化
されている。一方、青色領域での発光素子を作製するに
は、この波長域に相当する禁制帯幅を有する物質を使用
する必要があり、II−VI族化合物半導体が有望視さ
れてきた。しかし、これらの結晶は相当程度イオン性を
有するため、自己補償効果などの影響によって電気伝導
型の制御が極めて困難であり、未だデバイスを作製する
には至っていなかった。また、III−V族化合物半導
体の利用技術がII−VI族のそれに比べて進展が速か
った他の理由としては、格子整合系での結晶成長が可能
な組合わせが存在し、それらによってデバイスの作製が
なされた点を挙げることができる。さらに、基板として
用いることのできる高品質なバルク単結晶がGaAsな
どIII−V族の物質であることも大きな要因であっ
た。尚、発光素子などの光関連のデバイスを作製するに
当たっては、良質な単結晶を成長させることが必要不可
欠である。
【0003】しかし、II−VI族の場合には、デバイ
スの作製を可能にするほどの高品質な単結晶基板が存在
しない上、2元系においては、ダイオードレーザーなど
の作製に必要な、格子整合性が良好で、かつ、禁制帯幅
の異なる組み合わせが存在しないという問題があった。
【0004】そこで、3元系、4元系などを用いること
により、格子不整合の程度を軽減しつつ禁制帯幅を制御
し、また、近年になってラジカルドーピング法が開発さ
れたことにより、ZnSeの伝導型制御が実現され、よ
うやくダイオードレーザーの発振が実現した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体レー
ザーの長時間動作、信頼性、安定性のためには発振敷居
値の低減が必要であるが、その値に影響を与える要因と
しては種々のものが考えられる。端面反射率などはデバ
イスの構造によってある程度制御することができるが、
材料の性質そのものに起因する要因については材料特性
の改変を必要とする。また、他の条件がほぼ同じであっ
ても、II−VI系でのレーザーの発振敷居値はGaA
sなどのそれに比較してかなり高くなってしまう傾向に
ある。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、良好なレーザー発振特性を実現することのできる
半導体人工積層構造材料、及びこの材料を用いた電流注
入型発光素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る半導体人工積層構造材料の第1の構成
は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記A層の一方
側に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有し、か
つ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型
半導体からなるB1 層と、前記A層の他方側に配され、
前記A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層
よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からな
るB2 層と、前記B1 層の前記A層とは反対側に配さ
れ、前記B層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型
半導体からなるC1 層と、前記B2 層の前記A層とは反
対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯幅を有する
直接遷移型半導体からなるC2 層とを備えてなるもので
ある。
【0008】また、本発明に係る半導体人工積層構造材
料の第2の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、
前記A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層
よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からな
るB層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層
と、前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大き
な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC1
と、前記AB層の他方側に配され、前記B層よりも大き
な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC 2 層と
を備えてなるものである。
【0009】また、前記半導体人工積層構造材料の第1
又は第2の構成においては、A層としてZn1-aCda
e(0<a<1)混晶を用い、B層としてZnSbSe
1-b(0<b<1)、Zn1-cCdcS(0<c<1)混
晶又はZn1-dCdd1-eSee(0<d<1、0<e<
1)混晶を用い、C層としてZn1-ffgSe1-g(0
<f<1、0<g<1)(但し、MはMg、Ca、S
r、Ba、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
Pbのうち1種類又は複数種類の元素)混晶を用いるの
が好ましい。
【0010】また、前記半導体人工積層構造材料の第1
又は第2の構成においては、A層としてZn1-hCdh
(0<h<1)混晶を用い、B層としてZn1-iCdi
(0<i<1、h>i)混晶を用い、C層としてZn
1-jj1-kSek(0<j<1、0<k<1)(但し、
MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Pbのうち1種類又は複数種類の元
素)混晶を用いるのが好ましい。
【0011】また、前記半導体人工積層構造材料の第1
又は第2の構成においては、A層としてZn1-mCdm
1-nSen(0<m<1、0<n<1)混晶を用い、B層
としてZn1-pCdpS(0<p<1)混晶を用い、C層
としてZn1-qqrSe1-r(0<q<1、0<r<
1)(但し、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pbのうち1種類又は
複数種類の元素)混晶を用いるのが好ましい。
【0012】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第1の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
直接遷移型半導体からなるB 1 層と、前記A層の他方側
に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有し、か
つ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型
半導体からなるB2 層と、前記B1 層の前記A層とは反
対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯幅を有する
直接遷移型半導体からなるC1 層と、前記B2 層の前記
A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯
幅を有する直接遷移型半導体からなるC2層とを備えた
人工積層構造材料と、前記C1 層及びC2 層の上に形成
され、それぞれの電気伝導型と同じ電気伝導型を有する
導電性材料層と、前記導電性材料層の上に形成された電
極とを少なくとも備え、前記人工積層構造材料部分に電
圧を印加して電流を流すことにより動作する電流注入型
発光素子であって、前記B1層及びB2 層とC1 層及び
2 層とはそれぞれの一方が他方の電気伝導型と異な
り、前記B1 層及びC1 層と前記B2 層及びC2 層とは
それぞれ同じ電気伝導型を有することを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第2の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層より
も大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるB
層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層と、
前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大きな禁
制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC1 層と、前
記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも大きな禁制
帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC2 層とを備え
た半導体人工積層構造材料と、前記C1 層及びC2 層の
上に形成され、それぞれの電気伝導型と同じ電気伝導型
を有する導電性材料層と、前記導電性材料層の上に形成
された電極とを少なくとも備え、前記人工積層構造材料
部分に電圧を印加して電流を流すことにより動作する電
流注入型発光素子であって、C1層及びC2 層は一方が
他方の電気伝導型と異なることを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第3の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
直接遷移型半導体からなるp型のB1 層と、前記A層の
他方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有
し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接
遷移型半導体からなるn型のB2 層と、前記B1 層の前
記A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制
帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型のC1
と、前記B2 層の前記A層とは反対側に配され、前記B
層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体から
なるn型のC2 層とを備えた人工積層構造材料と、前記
1 層の上に形成され、C1 層よりも高い正孔濃度を有
するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
と、前記C2 層の上に配されたn型GaAsと、前記n
型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
極とを少なくとも備えてなるものである。
【0015】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第4の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
直接遷移型半導体からなるn型のB1 層と、前記A層の
他方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有
し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接
遷移型半導体からなるp型のB2 層と、前記B1 層の前
記A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制
帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型のC1
と、前記B2 層の前記A層とは反対側に配され、前記B
層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体から
なるp型のC2 層とを備えた人工積層構造材料と、前記
1 層の上に形成され、C1 層よりも高い電子濃度を有
するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
と、前記C2 層の上に配されたp型GaAsと、前記p
型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
極とを少なくとも備えてなるものである。
【0016】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第5の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層より
も大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるB
層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層と、
前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大きな禁
制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型のC1
と、前記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも大き
な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型のC
2 層とを備えてなる半導体人工積層構造材料と、前記C
1 層の上に形成され、C1 層よりも高い正孔濃度を有す
るII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層と、
前記C2 層の上に配されたn型GaAsと、前記n型G
aAs及び前記導電性材料層の上に形成され、Cr、N
i、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、Au、
Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電極とを
少なくとも備えてなるものである。
【0017】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第6の構成は、直接遷移型半導体からなるA層と、前記
A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層より
も大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるB
層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層と、
前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大きな禁
制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型のC1
と、前記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも大き
な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型のC
2 層とを備えてなる半導体人工積層構造材料と、前記C
1 層の上に形成され、C1 層よりも高い電子濃度を有す
るII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層と、
前記C2 層の上に配されたp型GaAsと、前記p型G
aAs及び前記導電性材料層の上に形成され、Cr、N
i、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、Au、
Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電極とを
少なくとも備えてなるものである。
【0018】
【作用】前記本発明の半導体人工積層構造材料の第1又
は第2の構成によれば、活性層に圧縮応力を有し、か
つ、光閉じ込めが可能な材料を得ることができるので、
良好なレーザー発振特性を実現することができる。
【0019】また、前記本発明の電流注入型発光素子の
第1、第2、第3、第4、第5又は第6の構成によれ
ば、活性層に圧縮応力を有し、かつ、光閉じ込めが可能
な上記材料を用いているために、価電子帯頂上付近での
バンドの縮退が解け、正孔の有効質量が小さくなる。ま
た、多重量子井戸を用いた場合には、サブバンドが形成
され、かつ、トンネル効果が作用する。その結果、レー
ザー発振が容易で、かつ、良好なレーザー発振特性を有
する電流注入型発光素子を実現することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)図1は本発明に係る半導体人工積層構造材
料の一実施例を示す構造断面図である。
【0021】図1において、1はA層、2はB1 層、3
はC1 層、4はB2 層、5はC2 層である。本実施例1
においては、A層1としてZnCdSe、B1 層2及び
2層4としてZnSSe、C1 層3及びC2 層5とし
てZnMnSSeを用いている。
【0022】B1 層2及びB2 層4の格子定数と禁制帯
幅は、その目的によって完全に同一にする場合と、結晶
性及び材料特性全体を乱さない範囲において意図的に差
異を設ける場合とがあり、また、C1 層3及びC2 層5
に関しても同様のことが言えるが、本実施例1において
は、それぞれを同一にした場合を例に挙げて説明する。
【0023】また、このような人工積層構造を有する結
晶を成長させるには、要求される純度及び成長の制御性
から真空中における成膜方法が適しており、例えば化学
的気相成長法(CVD法)などでも可能であるが、本実
施例1においては、最適と考えられる分子線エピタキシ
ー(MBE)法を例に挙げて説明する。
【0024】図1の構造をMBE法によって成長させる
手順は以下のとおりである。尚、本実施例1において使
用したMBE装置は、通常広く利用されているものであ
るため、その説明は省略し、主な結晶成長条件について
のみ説明する。
【0025】超高真空成膜室は、成膜に先立って10
-10 Torr台まで十分に排気しておく。原料として
は、Zn、Se、Cd、Mn及びZnSを用いた。尚、
Sを含む層を形成するためにS元素単体又はH2 Sガス
のクラッキングによる方法もあるが、前者はその蒸気圧
が非常に高いために、MBE装置の真空維持に必要なベ
ーキングを行うことができず、また、後者はクラッキン
グの効率が悪いために、十分な数のS原子を得ることが
できず、さらに、付着率も低いために実用には適してい
ない。そこで、本発明者等は、原料として以前からZn
S化合物を用いてきた。
【0026】所望の半導体人工積層構造材料、ここでは
A層1にZn0.7 Cd0.3 Se、B 1 層2及びB2 層4
にZnS0.07Se0.93、C1 層3及びC2 層5にZn
0.7 Mn0.230.17Se0.83の組成を有する混晶層から
なる材料を作製するためには、条件の確認として各混晶
層をそれぞれ単独で形成し得る分子線条件を見い出し、
それぞれの膜のフォトルミネセンスのバンド端発光や励
起スペクトルからこれらの禁制帯幅を見積っておく必要
がある。成膜に要する分子線強度は、マニピュレーター
に取り付けられたモニター用の電離真空計での読みでZ
nが5×10-7Torr、Seが1.4×10-6Tor
r、Cdが2.3×10-7Torr、Mnが1.2×1
-7Torr、ZnSが8×10-7Torrであり、成
長速度は約0.7μm/hであった。また、禁制帯幅
は、A層1(Zn0.7 Cd0.3 Se)が2.33eV、
1 層2及びB2 層4(ZnS0.07Se0.93)が2.6
55eV、C1 層3及びC2 層5(Zn0.7 Mn0.23
0.17Se0.83)が3.05eVであった。
【0027】これらの混晶層を用いて図1の構成を有す
る人工積層構造材料を作製した。各層の厚さは、A層1
が100オングストローム、B1 層2及びB2 層4が3
000オングストローム、C1 層3が1500オングス
トローム、C2 層5が1μmである。上記の組成による
材料の組合せにおいては、A層1(Zn0.7 Cd0.3
e)の格子定数はB1 層2及びB2 層4(ZnS0.07
0.93)の格子定数(5.65オングストローム)より
も約2%だけ大きいことから、A層1(Zn0. 7 Cd
0.3 Se)には圧縮応力が働いている。尚、C1 層3及
びC2 層5(Zn 0.7 Mn0.230.17Se0.83)の格子
定数はB1 層2及びB2 層4(ZnS0.07Se0.93)の
格子定数とほぼ等しくなっている。また、A層1の禁制
帯幅(2.33eV)はB1 層2及びB2 層4の禁制帯
幅(2.655eV)よりも小さく、C1 層3及びC2
層5の禁制帯幅は3.05eVである。
【0028】図2は材料の光励起特性を測定するための
システム図である。上記のような格子定数及び禁制帯幅
の関係を有する半導体人工積層構造材料を大きさ1mm
×6mmのチップに劈開し、図2の光励起特性測定シス
テムを用いて、材料チップ23のC1 層3側から窒素レ
ーザー21(波長337nm)の光を照射し、材料の断
面からの発光をレンズ系24を用いて集光し、モノクロ
メーター25とデーター処理系26とによってスペクト
ル及び出力特性を評価した。NDフィルター22を用い
て材料チップ23に照射する窒素レーザー光のパワー密
度を制御し、77ケルビン(液体窒素温度)における光
励起特性を見ると、励起パワー密度がある大きさP
th(この材料チップにおいては40kW/cm2 )より
も低い場合には512nm付近を中心に広がった発光が
観測された。また、励起パワー密度をPthよりもさらに
大きくしていくと、517nmに単色性に極めて優れた
鋭い発光が見られるようになった。この発光波長に着目
して励起パワー依存性を調べてみたところ、図3のよう
な結果を得た。この急激に立ち上がる発光特性は、レー
ザー発振を示すものである。すなわち、図1に示す本実
施例1の半導体人工積層構造材料においては、A層1が
活性層、B1 層2及びB2 層4が光導波層、C1層3及
びC2 層5が光閉じ込め層として働くことを示してい
る。
【0029】(実施例2)図4は本発明に係る人工積層
構造材料の他の実施例を示す構造断面図である。図4に
おいて、41はAB層、42及び43はC層である。A
B層は、異なるA層及びB層を交互に積層したものであ
り、本実施例2においては、A層としてZnCdSe、
B層としてZnSSe、C層としてZnMnSSeを用
いている。
【0030】結晶成長は、上記実施例1と同様にMBE
法を用いて行い、分子線強度などの条件も同様にし、積
層構造の制御は各層の成長に必要な分子線の照射時間を
制御することによって行った。A層に層厚70オングス
トロームのZn0.7 Cd0.3Se、B層に層厚100オ
ングストロームのZnS0.07Se0.93、C層42に層厚
1500オングストロームのZn0.7 Mn0.230.17
0.83、C層43に層厚1μmのZn0.7 Mn0.23
0.17Se0.83の組成を有する混晶層からなる材料を用い
て積層構造を形成した。ここで、A層とB層の繰り返し
数Nは7である。
【0031】この積層構造材料を大きさ1mm×6mm
のチップに劈開し、図2の光励起特性測定システムを用
いて、材料チップ23のC層42側から窒素レーザー2
1(波長337nm)の光を照射し、材料の断面からの
発光をレンズ系24を用いて集光し、モノクロメーター
25とデーター処理系26とによってスペクトル及び出
力特性を評価した。NDフィルター22を用いて材料チ
ップ23に照射する窒素レーザー光のパワー密度を制御
し、77ケルビン(液体窒素温度)での光励起特性を見
ると、励起パワー密度がある大きさPth(この材料チッ
プでは30kW/cm2 )よりも低い場合には512n
m付近を中心に広がった発光が観測された。また、励起
パワー密度をPthよりもさらに大きくしていくと、51
7nmに単色性に極めて優れた鋭い発光が見られるよう
になった。この発光波長に着目して励起パワー依存性を
調べてみたところ、上記実施例1の図3と同様に急激に
立ち上がる発光特性を示し、レーザー発振が確認され
た。すなわち、図4に示す本実施例2の半導体人工積層
構造材料においては、AB層が活性層、C層が光閉じ込
め層として働くことが示された。
【0032】尚、本実施例1、2においては、A層とし
てZn0.7 Cd0.3 Se混晶、B層としてZnS0.07
0.93混晶、C層としてZn0.7 Mn0.230.17Se
0.83混晶を用いているが、必ずしもこの組合せに限定さ
れるものではなく、A層としてZn1-aCdaSe(0<
a<1)混晶、B層としてZnSbSe1-b(0<b<
1)、Zn1-cCdcS(0<c<1)混晶又はZn1-d
Cdd1-eSee(0<d<1、0<e<1)混晶、C
層としてZn1-ffgSe1-g(0<f<1、0<g<
1)(但し、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pbのうち1種類又は
複数種類の元素)混晶を用いる組合せ、A層としてZn
1-hCdhS(0<h<1)混晶、B層としてZn1-i
iS(0<i<1、h>i)混晶、C層としてZn1-j
j1-kSek(0<j<1、0<k<1)(但し、M
はMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Pbのうち1種類又は複数種類の元
素)混晶を用いる組合せ、あるいはA層としてZn1-m
Cdm1-nSen(0<m<1、0<n<1)混晶、B
層としてZn1-pCdpS(0<p<1)混晶、C層とし
てZn1-qqrSe1-r(0<q<1、0<r<1)
(但し、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Pbのうち1種類又は複
数種類の元素)混晶を用いる組合せを採用しても、それ
ぞれの混晶層の組成を制御することによって同様の効果
を得ることができる。
【0033】(実施例3)図5は本発明に係る電流注入
型発光素子の一実施例を示す断面構造図ある。各層に使
用する材料の組み合わせとしては、上記実施例1、2に
示す各種のものが考えられるが、発振波長、発振敷居値
の相異以外は基本特性が共通しているため、本実施例3
においては、素子構造の代表例として、活性層51にZ
0.7 Cd 0.3 Se、光閉じ込め層52、54にZnS
0.07Se0.93、クラッド層53、55にZn0.7 Mn
0.230.17Se0.83を用いた場合を例に挙げて説明す
る。尚、Zn1ーx Cdx Seを活性層51としている本
実施例3の構造においては、発振波長はCd組成xに依
存し、77ケルビンにおいて、x=0.1では465n
m、x=0.2では490nm、x=0.3では517
nmのようにCd組成xの増加に伴って長くなってい
く。
【0034】本電流注入型発光素子の作製は、基板上に
半導体人工積層構造材料を形成することから始まる。G
aAs基板をアセトン、メチルアルコールで脱脂した
後、50℃の硫酸:過酸化水素水:水=5:1:1溶液
により約2分間にわたってエッチング処理を施し、十分
に(10〜15分程度)超純水で洗い流し、乾燥窒素を
吹き付けることによって乾燥させる。直ちにMo製の基
板ホルダー上にInを用いて張り付け、分子線エピタキ
シー装置内に装着して真空に排気する。背圧が10-10
Torr台に到達した後、各分子線源の温度を上げて所
定の分子線強度が得られるように調節する。上記の組成
を有する混晶層の形成条件は、マニピュレーターに取り
付けられたモニター用の電離真空計での読みでZnが5
×10-7Torr、Seが1.4×10-6Torr、C
dが2.3×10-7Torr、Mnが1.2×10-7
orr、ZnSが8×10-7Torrであり、成長速度
は約0.7μm/hである。また、各層の伝導型制御の
ためのドーピングは、n型形成にはZnCl2 の加熱分
解によって供給される塩素(Cl)を用い、p型形成に
は窒素プラズマから供給される窒素ラジカルを用いる。
成膜条件が整ったら、基板表面の反射高速電子線回折像
(RHEED)を観察しながら基板温度を600℃付近
まで上げ、鋭く細いストリークパターンによって表面酸
化膜が除去されたことを確認した後、基板温度を結晶成
長温度(ここでは、325℃)まで下げる。
【0035】n型GaAs基板56をSiをドーピング
したGaAs基板で構成し、このn型GaAs基板56
の上に、層厚1.5μmのn型Zn0.7 Mn0.230.17
Se 0.83クラッド層55、層厚3000オングストロー
ムのn型ZnS0.07Se0.93光閉じ込め層54、層厚1
00オングストロームのノンドープZn0.7 Cd0.3
e活性層51、層厚3000オングストロームのp型Z
nS0.07Se0.93光閉じ込め層52、層厚1μmのp型
Zn0.7 Mn0.230.17Se0.83クラッド層53、層厚
1000オングストロームのp+ ZnSeコンタクト層
58の順に結晶成長を行う。
【0036】以上のようにして形成した人工積層構造材
料を基に電流注入型ダイオードレーザーを作製する。電
流狭窄通路を有する利得導波路構造とするために、絶縁
層60としてSiO2 を用いて酸化膜ストライプを形成
した後、その上から金(Au)を全面に真空蒸着するこ
とによって電極59を形成する。電極ストライプの大き
さは、幅が約10〜20μm、長さが共振器長(約1m
m)と同じである。また、n型GaAs基板56の裏面
には、Inを用いて電極57を形成する。77ケルビン
パルス動作における517nm光出力と電流との関係を
測定したところ、ある電流値(敷居値電流、この試料に
おいては10mA)を超えると急激に光出力が増大する
特性を示し、レーザー発振が確認された(グラフの形状
は上記実施例1の光励起特性を示す図3と同様であるた
め、省略する)。
【0037】注入電流は絶縁層60によって狭窄され、
正孔はp+ ZnSeコンタクト層58、ZnMnSSe
クラッド層53、ZnSSe光閉じ込め層52を通って
ZnCdSe活性層51に注入され、電子はn型GaA
s基板56からZnCdSe活性層51に注入される。
そして、電子と正孔はZnCdSe活性層51に閉じ込
められ、誘導放出による再結合によってZnCdSe活
性層51のバンドギャップに対応したレーザー光を発す
る。
【0038】このときの発光効率に電子と正孔の有効質
量が影響を及ぼす。バンドギャップダイアグラムにおい
て、価電子帯の重正孔と軽正孔は無歪み状態では縮退し
ており、正孔の有効質量が大きくなる。しかし、本発明
のように活性層を構成する物質とそれに隣接する層の物
質の格子定数を活性層のそれがやや大きくなるように設
定すれば、活性層に圧縮応力が働くために縮退が解け、
重正孔のバンドが上に、軽正孔のバンドが下に来るよう
になる。その結果、正孔の有効質量が小さくなり、レー
ザー発振が容易になると共に、良好な特性を実現するこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体人工積層構造材料の第1又は第2の構成によれば、活
性層に圧縮応力を有し、かつ、光閉じ込めが可能な材料
を得ることができるので、良好なレーザー発振特性を実
現することができる。
【0040】また、本発明に係る電流注入型発光素子の
第1、第2、第3、第4、第5又は第6の構成によれ
ば、活性層に圧縮応力を有し、かつ、光閉じ込めが可能
な上記材料を用いているために、価電子帯頂上付近での
バンドの縮退が解け、正孔の有効質量が小さくなる。ま
た、多重量子井戸を用いた場合には、サブバンドが形成
され、かつ、トンネル効果が作用する。その結果、レー
ザー発振が容易で、かつ、良好なレーザー発振特性を有
する電流注入型発光素子を実現することができ、ディス
プレイ、光ディスクなど情報通信の各分野における構成
要素の性能向上に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る人工積層構造材料の一実施例を示
す断面構造図である。
【図2】光励起特性を測定するためのシステム図であ
る。
【図3】励起光(窒素レーザー)パワー密度と光出力と
の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る人工積層構造材料の他の実施例を
示す断面構造図である。
【図5】本発明に係る電流注入型発光素子の一実施例を
示す断面構造図である。
【符号の説明】
1 A層 2 B1 層 3 C1 層 4 B2 層 5 C2 層 41 AB層 42、43 C層 51 活性層 52、54 光閉じ込め層 53、55 クラッド層 56 基板 57 In電極 58 クラッド層 59 Au電極 60 絶縁層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
    を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるB1 層と、前記A層の他方側
    に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有し、か
    つ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型
    半導体からなるB2 層と、前記B1 層の前記A層とは反
    対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるC1 層と、前記B2 層の前記
    A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯
    幅を有する直接遷移型半導体からなるC2 層とを備えて
    なる半導体人工積層構造材料。
  2. 【請求項2】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層より
    も大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるB
    層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層と、
    前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大きな禁
    制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC1 層と、前
    記AB層の他方側に配され、前記B層よりも大きな禁制
    帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC2 層とを備え
    てなる半導体人工積層構造材料。
  3. 【請求項3】 A層としてZn1-aCdaSe(0<a<
    1)混晶を用い、B層としてZnSbSe1-b(0<b<
    1)、Zn1-cCdcS(0<c<1)混晶又はZn1-d
    Cdd1-eSee(0<d<1、0<e<1)混晶を用
    い、C層としてZn1-ffgSe1-g(0<f<1、0
    <g<1)(但し、MはMg、Ca、Sr、Ba、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pbのうち1
    種類又は複数種類の元素)混晶を用いる請求項1又は2
    に記載の半導体人工積層構造材料。
  4. 【請求項4】 A層としてZn1-hCdhS(0<h<
    1)混晶を用い、B層としてZn1-iCdiS(0<i<
    1、h>i)混晶を用い、C層としてZn1-jj1-k
    Sek(0<j<1、0<k<1)(但し、MはMg、
    Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
    o、Ni、Pbのうち1種類又は複数種類の元素)混晶
    を用いる請求項1又は2に記載の半導体人工積層構造材
    料。
  5. 【請求項5】 A層としてZn1-mCdm1-nSen(0
    <m<1、0<n<1)混晶を用い、B層としてZn
    1-pCdpS(0<p<1)混晶を用い、C層としてZn
    1-qqrSe1-r(0<q<1、0<r<1)(但し、
    MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Mn、
    Fe、Co、Ni、Pbのうち1種類又は複数種類の元
    素)混晶を用いる請求項1又は2に記載の半導体人工積
    層構造材料。
  6. 【請求項6】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
    を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるB1 層と、前記A層の他方側
    に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有し、か
    つ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型
    半導体からなるB2 層と、前記B1 層の前記A層とは反
    対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるC1 層と、前記B2 層の前記
    A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制帯
    幅を有する直接遷移型半導体からなるC2 層とを備えた
    人工積層構造材料と、前記C 1 層及びC2 層の上に形成
    され、それぞれの電気伝導型と同じ電気伝導型を有する
    導電性材料層と、前記導電性材料層の上に形成された電
    極とを少なくとも備え、前記人工積層構造材料部分に電
    圧を印加して電流を流すことにより動作する電流注入型
    発光素子であって、前記B1 層及びB2 層とC1 層及び
    2 層とはそれぞれの一方が他方の電気伝導型と異な
    り、前記B1 層及びC1 層と前記B2 層及びC2 層とは
    それぞれ同じ電気伝導型を有することを特徴とする電流
    注入型発光素子。
  7. 【請求項7】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層より
    も大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるB
    層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層と、
    前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大きな禁
    制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC1 層と、前
    記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも大きな禁制
    帯幅を有する直接遷移型半導体からなるC2 層とを備え
    た半導体人工積層構造材料と、前記C1 層及びC2 層の
    上に形成され、それぞれの電気伝導型と同じ電気伝導型
    を有する導電性材料層と、前記導電性材料層の上に形成
    された電極とを少なくとも備え、前記人工積層構造材料
    部分に電圧を印加して電流を流すことにより動作する電
    流注入型発光素子であって、C1 層及びC2 層は一方が
    他方の電気伝導型と異なることを特徴とする電流注入型
    発光素子。
  8. 【請求項8】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
    を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるp型のB1 層と、前記A層の
    他方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有
    し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接
    遷移型半導体からなるn型のB2 層と、前記B1 層の前
    記A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制
    帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型のC1
    と、前記B2 層の前記A層とは反対側に配され、前記B
    層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体から
    なるn型のC2 層とを備えた人工積層構造材料と、前記
    1 層の上に形成され、C1 層よりも高い正孔濃度を有
    するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
    と、前記C2 層の上に配されたn型GaAsと、前記n
    型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
    r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
    Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
    極とを少なくとも備えてなる電流注入型発光素子。
  9. 【請求項9】 直接遷移型半導体からなるA層と、前記
    A層の一方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数
    を有し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する
    直接遷移型半導体からなるn型のB1 層と、前記A層の
    他方側に配され、前記A層よりも小さな格子定数を有
    し、かつ、前記A層よりも大きな禁制帯幅を有する直接
    遷移型半導体からなるp型のB2 層と、前記B1 層の前
    記A層とは反対側に配され、前記B層よりも大きな禁制
    帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型のC1
    と、前記B2 層の前記A層とは反対側に配され、前記B
    層よりも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体から
    なるp型のC2 層とを備えた人工積層構造材料と、前記
    1 層の上に形成され、C1 層よりも高い電子濃度を有
    するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
    と、前記C2 層の上に配されたp型GaAsと、前記p
    型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
    r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
    Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
    極とを少なくとも備えてなる電流注入型発光素子。
  10. 【請求項10】 直接遷移型半導体からなるA層と、前
    記A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層よ
    りも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなる
    B層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層
    と、前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大き
    な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型のC
    1 層と、前記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも
    大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型
    のC2 層とを備えてなる半導体人工積層構造材料と、前
    記C1 層の上に形成され、C1 層よりも高い正孔濃度を
    有するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
    と、前記C2 層の上に配されたn型GaAsと、前記n
    型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
    r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
    Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
    極とを少なくとも備えてなる電流注入型発光素子。
  11. 【請求項11】 直接遷移型半導体からなるA層と、前
    記A層よりも小さな格子定数を有し、かつ、前記A層よ
    りも大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなる
    B層とを交互にN層(Nは正の整数)積層したAB層
    と、前記AB層の一方側に配され、前記B層よりも大き
    な禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるn型のC
    1 層と、前記AB層の他方側に配され、前記層Bよりも
    大きな禁制帯幅を有する直接遷移型半導体からなるp型
    のC2 層とを備えてなる半導体人工積層構造材料と、前
    記C1 層の上に形成され、C1 層よりも高い電子濃度を
    有するII−VI族化合物半導体からなる導電性材料層
    と、前記C2 層の上に配されたp型GaAsと、前記p
    型GaAs及び前記導電性材料層の上に形成され、C
    r、Ni、Cu、Ge、Ag、Sn、Ta、W、Pt、
    Au、Inの1種類又は複数種類を含む材料からなる電
    極とを少なくとも備えてなる電流注入型発光素子。
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