JPH07110983B2 - プラズマ溶射方法及びその装置 - Google Patents
プラズマ溶射方法及びその装置Info
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- JPH07110983B2 JPH07110983B2 JP2416650A JP41665090A JPH07110983B2 JP H07110983 B2 JPH07110983 B2 JP H07110983B2 JP 2416650 A JP2416650 A JP 2416650A JP 41665090 A JP41665090 A JP 41665090A JP H07110983 B2 JPH07110983 B2 JP H07110983B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗、耐蝕、或はセラ
ミック固体電解質のような高機能を要求される溶射膜を
得るためのプラズマ溶射方法及びその装置に関する。
ミック固体電解質のような高機能を要求される溶射膜を
得るためのプラズマ溶射方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の発明は図5に示す如くプ
ラズマトーチ21の陽極23に近い部分に、材料供給ノ
ズル25を介して粉粒状の溶射材料26を供給して高温
微粒の液滴27とし、これをプラズマトーチ21の出口
28から噴出するプラズマフレーム24で搬送して加速
し、その液滴27をプラズマフレーム24の先方に配置
する母材29に衝突させて、母材の表面に前記溶射材料
の溶射膜30を形成するものである。
ラズマトーチ21の陽極23に近い部分に、材料供給ノ
ズル25を介して粉粒状の溶射材料26を供給して高温
微粒の液滴27とし、これをプラズマトーチ21の出口
28から噴出するプラズマフレーム24で搬送して加速
し、その液滴27をプラズマフレーム24の先方に配置
する母材29に衝突させて、母材の表面に前記溶射材料
の溶射膜30を形成するものである。
【0003】この際、上記プラズマフレーム24がプラ
ズマトーチ21の出口から母材に至る空間でその周囲の
空気31を誘引してプラズマフレーム24が拡大して図
示の形状になり、その中の液滴27の熱履歴がその経路
によって広範囲に変化し、又その液滴が母材29に衝突
する際の速度が低下し、母材29の表面に形成される溶
射膜30の均一性を妨げると共に、その緻密性を低下す
る。
ズマトーチ21の出口から母材に至る空間でその周囲の
空気31を誘引してプラズマフレーム24が拡大して図
示の形状になり、その中の液滴27の熱履歴がその経路
によって広範囲に変化し、又その液滴が母材29に衝突
する際の速度が低下し、母材29の表面に形成される溶
射膜30の均一性を妨げると共に、その緻密性を低下す
る。
【0004】この問題点を改良する為に、図6に示す如
く、プラズマトーチ21の陰極22の先端32から陽極
23の陽極点33に至るまでの長さを、第5図のものよ
りも長くすると共に、該陰極22の周囲のプラズマガス
通路34の外側にそれと同心的に環状ガス通路35を設
け、その両ガス通路34、35の間の円環状壁36に切
線方向の通路37を形成し、プラズマガスの入口38か
ら入れたプラズマガス39を陰極22の周囲のプラズマ
ガス通路34で旋回させながら出口28に向かって流動
し、このガスをその間の陰極先端32と陽極点33間に
生ずる比較的長いアーク20で充分加熱し、細長く延び
るプラズマフレーム24を形成し、その中に含まれる液
滴27のビームの集束と安定性を改善するプラズマ溶射
装置がある。
く、プラズマトーチ21の陰極22の先端32から陽極
23の陽極点33に至るまでの長さを、第5図のものよ
りも長くすると共に、該陰極22の周囲のプラズマガス
通路34の外側にそれと同心的に環状ガス通路35を設
け、その両ガス通路34、35の間の円環状壁36に切
線方向の通路37を形成し、プラズマガスの入口38か
ら入れたプラズマガス39を陰極22の周囲のプラズマ
ガス通路34で旋回させながら出口28に向かって流動
し、このガスをその間の陰極先端32と陽極点33間に
生ずる比較的長いアーク20で充分加熱し、細長く延び
るプラズマフレーム24を形成し、その中に含まれる液
滴27のビームの集束と安定性を改善するプラズマ溶射
装置がある。
【0005】しかしながらこのようにして、プラズマフ
レーム24の長さL6をL5よりも充分長くすると、母
材29に溶射材料の液滴が衝突する際、それを搬送する
プラズマフレームも亦母材に衝突して、母材29をプラ
ズマフレームで過熱し、母材29の材質を損傷するおそ
れがある。
レーム24の長さL6をL5よりも充分長くすると、母
材29に溶射材料の液滴が衝突する際、それを搬送する
プラズマフレームも亦母材に衝突して、母材29をプラ
ズマフレームで過熱し、母材29の材質を損傷するおそ
れがある。
【0006】前記細長いプラズマフレーム24による母
材の損傷を防止するために、プラズマフレーム24にお
けるプラズマトーチ21の出口28から遠く離れた位置
に母材29を配置して、プラズマフレーム24をプラズ
マトーチの出口28から母材29の位置に至る間の空気
で、その温度を冷却することが考えられるが、これで
は、母材に衝突する際の液滴27の速度が低下すると共
に、液滴27が冷却されて形成される溶射膜の緻密性・
密着性などを低下させる。即ち、母材を損傷しないよう
にすることと溶射膜の性能を向上させることとは、上記
距離L5、L6の大小について矛盾した条件が必要にな
って、これらを両立させることが困難である。
材の損傷を防止するために、プラズマフレーム24にお
けるプラズマトーチ21の出口28から遠く離れた位置
に母材29を配置して、プラズマフレーム24をプラズ
マトーチの出口28から母材29の位置に至る間の空気
で、その温度を冷却することが考えられるが、これで
は、母材に衝突する際の液滴27の速度が低下すると共
に、液滴27が冷却されて形成される溶射膜の緻密性・
密着性などを低下させる。即ち、母材を損傷しないよう
にすることと溶射膜の性能を向上させることとは、上記
距離L5、L6の大小について矛盾した条件が必要にな
って、これらを両立させることが困難である。
【0007】そこで、図8に示す如くプラズマフレーム
24の通路40に配置せる母材29の直前にガス流41
を交叉する形式のプラズマ分離装置42を本願の共同発
明者の一部の発明者が発明し、(特開昭61−259778号参
照)プラズマトーチの出口28と母材29との距離L8
を今までのものより短くして、その母材29をプラズマ
フレーム24の熱によって損傷しないようにするものが
あるが、装置が大容量化するにつれ、プラズマ分離が困
難になり、多量のガス流41を噴出するとプラズマフレ
ーム24の流れ方向が不安定になったり、母材29の表
面に形成する溶射膜の性能が低下したり、母材29の焼
損を招く等の問題を生ずる。
24の通路40に配置せる母材29の直前にガス流41
を交叉する形式のプラズマ分離装置42を本願の共同発
明者の一部の発明者が発明し、(特開昭61−259778号参
照)プラズマトーチの出口28と母材29との距離L8
を今までのものより短くして、その母材29をプラズマ
フレーム24の熱によって損傷しないようにするものが
あるが、装置が大容量化するにつれ、プラズマ分離が困
難になり、多量のガス流41を噴出するとプラズマフレ
ーム24の流れ方向が不安定になったり、母材29の表
面に形成する溶射膜の性能が低下したり、母材29の焼
損を招く等の問題を生ずる。
【0008】図8で示すプラズマ溶射装置は、小容量で
適切に運転されている場合には前記図5、6及び7に示
すプラズマトーチ21が1個のトーチからなっているの
に対し、それが主トーチ21aといくつかの副トーチ2
1bとで構成されている。
適切に運転されている場合には前記図5、6及び7に示
すプラズマトーチ21が1個のトーチからなっているの
に対し、それが主トーチ21aといくつかの副トーチ2
1bとで構成されている。
【0009】主トーチ21aの陰極22と各副トーチ2
1bの陽極電極23bとの間に電源43、44を接続
し、両電極22、23bの各先端間にアーク20を発生
して、それによってここを流れるプラズマガスを加熱
し、プラズマフレーム24を形成するものである。
1bの陽極電極23bとの間に電源43、44を接続
し、両電極22、23bの各先端間にアーク20を発生
して、それによってここを流れるプラズマガスを加熱
し、プラズマフレーム24を形成するものである。
【0010】又、プラズマトーチ21の出口付近の周囲
にガス流41を噴出するノズル42を複数個設けて、こ
こから噴出するガス流をプラズマフレーム24と交叉さ
せて、プラズマを冷却してプラズマを分離し、残った液
滴27を母材29に衝突して溶射膜30を形成するもの
である。
にガス流41を噴出するノズル42を複数個設けて、こ
こから噴出するガス流をプラズマフレーム24と交叉さ
せて、プラズマを冷却してプラズマを分離し、残った液
滴27を母材29に衝突して溶射膜30を形成するもの
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的はプラ
ズマトーチの材料送入位置と母材との距離を、前記ガス
流によるプラズマ分離装置を用いた場合より、更に短く
しても、母材を傷めないようにすると共に、溶射膜の緻
密性等の品質を一層向上することである。
ズマトーチの材料送入位置と母材との距離を、前記ガス
流によるプラズマ分離装置を用いた場合より、更に短く
しても、母材を傷めないようにすると共に、溶射膜の緻
密性等の品質を一層向上することである。
【0012】他の目的はプラズマトーチの出口から噴出
するプラズマフレームの母材に衝突する際の速度を前記
ガス流による場合のそれより更に増加することである。
するプラズマフレームの母材に衝突する際の速度を前記
ガス流による場合のそれより更に増加することである。
【0013】又他の目的は通常のプラズマ溶射でヒュー
ムの発生による溶射膜の性能低下等の問題を解決するこ
とである。
ムの発生による溶射膜の性能低下等の問題を解決するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明はプラズマトー
チの出口付近におけるプラズマフレーム発生区域の周囲
にアトマイザを少なくとも1個配設し、そのアトマイザ
の噴出方向を前記プラズマフレームの噴出方向と交叉せ
しめ、プラズマフレームの中からプラズマを分離して、
その際残った溶射材料の液滴を、母材の表面に衝突し
て、そこに溶射膜を形成するプラズマ溶射方法及びその
装置である。
チの出口付近におけるプラズマフレーム発生区域の周囲
にアトマイザを少なくとも1個配設し、そのアトマイザ
の噴出方向を前記プラズマフレームの噴出方向と交叉せ
しめ、プラズマフレームの中からプラズマを分離して、
その際残った溶射材料の液滴を、母材の表面に衝突し
て、そこに溶射膜を形成するプラズマ溶射方法及びその
装置である。
【0015】
【作用】プラズマトーチの出口付近におけるプラズマフ
レームにその部分の周囲に設けられたアトマイザから噴
出される噴霧を交叉して、その噴霧と液体の気化熱によ
って、プラズマフレームの外周寄りの部分を能率的に冷
却して、プラズマを消滅させることにより、プラズマフ
レームからプラズマを分離する。
レームにその部分の周囲に設けられたアトマイザから噴
出される噴霧を交叉して、その噴霧と液体の気化熱によ
って、プラズマフレームの外周寄りの部分を能率的に冷
却して、プラズマを消滅させることにより、プラズマフ
レームからプラズマを分離する。
【0016】また、上記プラズマフレームと噴霧の交叉
点の直後に配置した母材に衝突する液滴の速度を、プラ
ズマトーチの出口付近における速度を低下させることな
く、又その出口部における溶射材の液滴の温度をほとん
ど低下させることなく、高温に維持した状態でしかもヒ
ュームのない状態で母材に衝突させる。
点の直後に配置した母材に衝突する液滴の速度を、プラ
ズマトーチの出口付近における速度を低下させることな
く、又その出口部における溶射材の液滴の温度をほとん
ど低下させることなく、高温に維持した状態でしかもヒ
ュームのない状態で母材に衝突させる。
【0017】さらに噴霧中の液体が気化する際に瞬間的
に激しく膨張し、プラズマフレームの流れ方向に噴出
し、液滴を加速し、そのままの流速で母材に衝突させ
る。
に激しく膨張し、プラズマフレームの流れ方向に噴出
し、液滴を加速し、そのままの流速で母材に衝突させ
る。
【0018】
【実施例】この発明の実施例を添付図面に基いて説明す
ると、主トーチ1の陰極2の軸方向と1個以上の副トー
チ3の陽極4の軸方向を互に交叉するように設けて、電
源16、17の電圧を陰極2と主トーチの外筒との間に
図示されていない起動スイッチを閉じて印加し、主トー
チを起動すると、主陰極2の先端から外筒の放出口に向
って、図示してない起動アークが形成され、これによっ
て主プラズマガスが加熱され、プラズマフレームとなっ
て主外筒の先端より、トーチの外部に向って放出され
る。次に陽極4と副トーチ43の外筒との間に図示され
ていない起動スイッチを閉じ、電圧を印加し、図示して
いない副トーチ起動アークが発生し、副トーチの外筒の
先端の放出口よりプラズマが噴出する。このようにして
導電性を有する両プラズマは互いに交叉し、陰極2の先
端から陽極4の先端に至るプラズマガスによる導電路が
形成される。この状態で、前記両起動スイッチを切っ
て、両電極2、4間に電源16、17で電圧を印加して
陰極2から陽極4に向う定常ヘアピンアーク5を形成す
る。
ると、主トーチ1の陰極2の軸方向と1個以上の副トー
チ3の陽極4の軸方向を互に交叉するように設けて、電
源16、17の電圧を陰極2と主トーチの外筒との間に
図示されていない起動スイッチを閉じて印加し、主トー
チを起動すると、主陰極2の先端から外筒の放出口に向
って、図示してない起動アークが形成され、これによっ
て主プラズマガスが加熱され、プラズマフレームとなっ
て主外筒の先端より、トーチの外部に向って放出され
る。次に陽極4と副トーチ43の外筒との間に図示され
ていない起動スイッチを閉じ、電圧を印加し、図示して
いない副トーチ起動アークが発生し、副トーチの外筒の
先端の放出口よりプラズマが噴出する。このようにして
導電性を有する両プラズマは互いに交叉し、陰極2の先
端から陽極4の先端に至るプラズマガスによる導電路が
形成される。この状態で、前記両起動スイッチを切っ
て、両電極2、4間に電源16、17で電圧を印加して
陰極2から陽極4に向う定常ヘアピンアーク5を形成す
る。
【0019】該主トーチ1のガス入口1aから旋回流発
生装置18を介して酸素、空気、アルゴン、或は窒素ガ
ス系のプラズマガスを供給して10000℃以上の高温
ガスを発生すると共に、この高温ガスの中に材料供給ノ
ズル1cから金属又はセラミック等の溶射材料を供給し
て瞬間的に無数の液滴6を形成する。
生装置18を介して酸素、空気、アルゴン、或は窒素ガ
ス系のプラズマガスを供給して10000℃以上の高温
ガスを発生すると共に、この高温ガスの中に材料供給ノ
ズル1cから金属又はセラミック等の溶射材料を供給し
て瞬間的に無数の液滴6を形成する。
【0020】プラズマフレーム10の外套7の出口8付
近におけるプラズマフレーム10の通路11に向けて、
水12aと空気12bを供給するアトマイザの二流体ノ
ズル12を1個以上交叉するように配設し、その二流体
ノズル12からの水滴の噴霧をプラズマフレーム10に
当てて、プラズマフレーム10の先端の余分な部分を分
離し、液滴6の速度と温度を低下させないで母材14に
衝突させて均一な厚さの溶射膜15を形成する。
近におけるプラズマフレーム10の通路11に向けて、
水12aと空気12bを供給するアトマイザの二流体ノ
ズル12を1個以上交叉するように配設し、その二流体
ノズル12からの水滴の噴霧をプラズマフレーム10に
当てて、プラズマフレーム10の先端の余分な部分を分
離し、液滴6の速度と温度を低下させないで母材14に
衝突させて均一な厚さの溶射膜15を形成する。
【0021】またこの実施例ではノズル12として、2
流体ノズルを用いたが、1流体ノズルを使用することが
できる。又噴霧の形状は必要に応じて円錐、扇形等任意
のものを使用することができる。噴霧する液体としては
蒸発の潜熱の大きさ、扱い易さ、有害物質の放出をのな
いこと等を考慮すると水が適切であるが必要に応じて他
の流体を使用してもよい。
流体ノズルを用いたが、1流体ノズルを使用することが
できる。又噴霧の形状は必要に応じて円錐、扇形等任意
のものを使用することができる。噴霧する液体としては
蒸発の潜熱の大きさ、扱い易さ、有害物質の放出をのな
いこと等を考慮すると水が適切であるが必要に応じて他
の流体を使用してもよい。
【0022】さらに上述実施例において水の噴霧を行わ
ないで100kw運転した場合におけるプラズマフレー
ム10の長さは図3の鎖線10aで示す如く、プラズマ
発生装置の出口8から、前方に向って150mm伸長し、
その間におけるプラズマフレーム10aの温度は200
0°〜3000℃であり、この間に母材14をおいて溶
射した場合はその母材14及び溶射膜15に割れやクラ
ックを生じ、その溶射膜15は使用が不可能である。
ないで100kw運転した場合におけるプラズマフレー
ム10の長さは図3の鎖線10aで示す如く、プラズマ
発生装置の出口8から、前方に向って150mm伸長し、
その間におけるプラズマフレーム10aの温度は200
0°〜3000℃であり、この間に母材14をおいて溶
射した場合はその母材14及び溶射膜15に割れやクラ
ックを生じ、その溶射膜15は使用が不可能である。
【0023】そこで割れやクラックの発生を防止するた
めには、母材14を鎖線14aで示す位置に遠ざければ
ならないが、このようにすると、液滴の速度と温度の低
下により高性能な溶射膜を得ることができない。
めには、母材14を鎖線14aで示す位置に遠ざければ
ならないが、このようにすると、液滴の速度と温度の低
下により高性能な溶射膜を得ることができない。
【0024】次にこの実施例においてアトマイザによる
水の噴霧を行うとプラズマフレーム10は図3及び図4
の実線10bでなす如く切断されて円錐状に形成され
る。この円錐状のプラズマフレーム10は溶融した溶射
材料の液滴6の冷却を最小限にするトンネル状のジャケ
ットとして作用し、母材14と溶射膜15に対する余分
な熱負荷をアトマイザによって噴霧された水の気化熱で
事前に除去し、その熱負荷による悪影響を防止できる。
水の噴霧を行うとプラズマフレーム10は図3及び図4
の実線10bでなす如く切断されて円錐状に形成され
る。この円錐状のプラズマフレーム10は溶融した溶射
材料の液滴6の冷却を最小限にするトンネル状のジャケ
ットとして作用し、母材14と溶射膜15に対する余分
な熱負荷をアトマイザによって噴霧された水の気化熱で
事前に除去し、その熱負荷による悪影響を防止できる。
【0025】又、この際の水の爆発的な膨張に伴って、
そのガスがプラズマガスに沿って急速に噴射され、液滴
6を加速し、その結果緻密な溶射膜を形成する。
そのガスがプラズマガスに沿って急速に噴射され、液滴
6を加速し、その結果緻密な溶射膜を形成する。
【0026】次にこの実施例による実験例を示すと次の
通りである。アトマイザのノズル12から空気圧3kgf
/cm2 で最大水噴出量200cc/minの水を、プラズマ
フレーム10の出口8から15mm下流に噴出し、トーチ
の出口8から多孔質セラミックの母材10までの溶射距
離が40mmのところにおける温度測定を、 その母材にC
A熱電対をつけて溶射しながら行ったところ、母材14
の温度は250〜300℃であった。この温度は母材1
4が充分耐熱できる温度である。
通りである。アトマイザのノズル12から空気圧3kgf
/cm2 で最大水噴出量200cc/minの水を、プラズマ
フレーム10の出口8から15mm下流に噴出し、トーチ
の出口8から多孔質セラミックの母材10までの溶射距
離が40mmのところにおける温度測定を、 その母材にC
A熱電対をつけて溶射しながら行ったところ、母材14
の温度は250〜300℃であった。この温度は母材1
4が充分耐熱できる温度である。
【0027】又、この実施によって溶射されたYSZ溶
射膜の緻密性を示す窒素ガス透過率は7×10-7cm4 /
gsであり、この緻密性は従来の大気圧プラズマ溶射によ
って得られたYSZ溶射膜の緻密性の10倍を示してお
り、この値は高度な設備を要する減圧プラズマ溶射法に
よって得られるYSZ膜の緻密性に相当するものであ
る。
射膜の緻密性を示す窒素ガス透過率は7×10-7cm4 /
gsであり、この緻密性は従来の大気圧プラズマ溶射によ
って得られたYSZ溶射膜の緻密性の10倍を示してお
り、この値は高度な設備を要する減圧プラズマ溶射法に
よって得られるYSZ膜の緻密性に相当するものであ
る。
【0028】更に、この実施例の方法によって耐摩耗性
膜として用いられるCr2 O3 (10〜44μm)の溶
射を行ったところ、Cr2 O3 は昇華し易く通常の溶射
では大量のヒュームが発生し、これが製品の美観を損な
うと共に、その溶射膜中にとり込まれて溶射膜の性能を
著しく低下させるものであるが、本発明によれば、ヒュ
ームの発生がないので極めて高性能のCr2 O3 の溶射
膜を形成することが可能になった。
膜として用いられるCr2 O3 (10〜44μm)の溶
射を行ったところ、Cr2 O3 は昇華し易く通常の溶射
では大量のヒュームが発生し、これが製品の美観を損な
うと共に、その溶射膜中にとり込まれて溶射膜の性能を
著しく低下させるものであるが、本発明によれば、ヒュ
ームの発生がないので極めて高性能のCr2 O3 の溶射
膜を形成することが可能になった。
【0029】以上本発明を添付図面の実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでな
く、本発明の要旨内に於いて部分的変更及び付加を行っ
て実施することが可能である。
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでな
く、本発明の要旨内に於いて部分的変更及び付加を行っ
て実施することが可能である。
【0030】例えばアトマイザの二流体ノズル12の位
置は前記液滴の加速効果を有効に活用するために、図1
のごとく外套7の内側であることが好ましいが、プラズ
マフレームの分離を目的とする場合は外側であってもよ
い。
置は前記液滴の加速効果を有効に活用するために、図1
のごとく外套7の内側であることが好ましいが、プラズ
マフレームの分離を目的とする場合は外側であってもよ
い。
【0031】又図7、図6のごときトーチを用いて本発
明を実施する場合は、溶射の目的に対して溶射材料の溶
融と速度が適切な条件に達する点を選んで、材料ノズル
26と母材29の間にアトマイザのノズル12を設置す
ることでプラズマ分離効果を得ることができる。
明を実施する場合は、溶射の目的に対して溶射材料の溶
融と速度が適切な条件に達する点を選んで、材料ノズル
26と母材29の間にアトマイザのノズル12を設置す
ることでプラズマ分離効果を得ることができる。
【0032】更に主トーチ及び副トーチの内面を二重構
造にして、その内部に水等を循環して夫々のトーチを冷
却することができる。
造にして、その内部に水等を循環して夫々のトーチを冷
却することができる。
【0033】
【発明の効果】この発明は上述の通りであるので、プラ
ズマフレームの高熱によって母材を損傷しないようにす
るとともに緻密性、密着性及び均一性等において高性能
な溶射膜を得ることができる。又その溶射膜の性能をプ
ラズマ溶射の際に発生するヒュームによって低下させる
ことがない。
ズマフレームの高熱によって母材を損傷しないようにす
るとともに緻密性、密着性及び均一性等において高性能
な溶射膜を得ることができる。又その溶射膜の性能をプ
ラズマ溶射の際に発生するヒュームによって低下させる
ことがない。
【図1】この発明のプラズマ溶射方法とその装置及びそ
の方法を用いた溶射膜の実施例を示す縦断面図である。
の方法を用いた溶射膜の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線部の断面図である。
【図3】第1図の実施例の要部の概略図である。
【図4】第3図の右側面図である。
【図5】従来技術の縦断面図である。
【図6】他の従来技術の縦断面図である。
【図7】図7のVIII−VIII線部の断面図であ
る。
る。
【図8】更に他の従来技術の縦断面図である。
【図9】図8のVIIII−VIIII線部の断面図で
ある。
ある。
1 プラズマトーチ 1a ガス入口 1c 材料供給ノズル 2 陰極 3 副トーチ 4 陽極 5 アーク 6 液滴 7 外套 8 出口 10 プラズマフレーム 11 通路 12 二流体ノズル 14 母材 15 溶射膜
Claims (3)
- 【請求項1】 プラズマトーチの出口付近におけるプラ
ズマフレームに向けてアトマイザからの噴霧を交叉させ
ることを特徴とするプラズマ溶射方法。 - 【請求項2】 プラズマトーチの出口付近におけるプラ
ズマフレームの通路に向けて、それと交叉するようにア
トマイザのノズルを配設することを特徴とするプラズマ
溶射装置。 - 【請求項3】 プラズマトーチの出口付近におけるプラ
ズマフレームに向けてアトマイザからの噴霧を交叉せし
め、該プラズマフレームにおける前記交叉する部分より
下流に配置した母材に溶射膜を形成することを特徴とす
るプラズマ溶射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416650A JPH07110983B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | プラズマ溶射方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416650A JPH07110983B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | プラズマ溶射方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04280954A JPH04280954A (ja) | 1992-10-06 |
JPH07110983B2 true JPH07110983B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=18524858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2416650A Expired - Lifetime JPH07110983B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | プラズマ溶射方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07110983B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07110986B2 (ja) * | 1991-08-26 | 1995-11-29 | 秩父小野田株式会社 | プラズマ溶射方法及び装置 |
-
1990
- 1990-12-28 JP JP2416650A patent/JPH07110983B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04280954A (ja) | 1992-10-06 |
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