JPH0819513B2 - クロミヤの溶射方法 - Google Patents

クロミヤの溶射方法

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JPH0819513B2
JPH0819513B2 JP3132070A JP13207091A JPH0819513B2 JP H0819513 B2 JPH0819513 B2 JP H0819513B2 JP 3132070 A JP3132070 A JP 3132070A JP 13207091 A JP13207091 A JP 13207091A JP H0819513 B2 JPH0819513 B2 JP H0819513B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高硬度で、耐摺動摩
耗及び耐薬品性に優れ、鏡面仕上げすると美しい黒色を
呈し、ロール、プランジヤ、メカニカルシールなどの表
面処理に使用されるクロミヤ(Cr2O3)の溶射方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロミヤの溶射皮膜は、摺動部材として
使用される場合が多いので、その要求される特性は、
(1)摺動が滑らかに行われる為に、表面粗度が、Ra
0.03μm以下の鏡面仕上げができること。この為に
は空隙のない緻密で粒子間結合力の高い溶射皮膜が得ら
れることが肝要である。(2)摺動による摩耗を極力少
なくするために、溶射によりクロミヤの組成が変化しな
いこと、特にクロミヤの還元による金属クロムの析出は
抑制されなければならない。従来のプラズマ溶射では、
図5に示す如くプラズマトーチ21の陽極23に近い部
分に、材料供給ノズル25を介して粉粒状のクロミヤ2
6を供給して高温微粒の溶融滴27とし、これをプラズ
マトーチ21の出口28から噴出するプラズマフレーム
24で搬送して加速し、その溶融滴27をプラズマフレ
ーム24の先方に配置する母材29に衝突させて、母材
の表面にクロミヤの溶射皮膜30を形成している。
【0003】この際、上記プラズマフレーム24がプラ
ズマトーチ21の出口から母材に至る空間でその周囲の
空気31を誘引してプラズマフレーム24が拡大して図
示の形状になり、その中の溶融滴27の熱履歴がその経
路によって広範囲に変化し、また、その溶融滴が母材2
9に衝突する際の速度が低下し、母材29の表面に形成
される溶射皮膜30の均一性を妨げると共に、その緻密
性が低下する。この問題点を改良する為に、図6に示す
如く、プラズマトーチ21の陰極22の先端32から陽
極23の陽極点33に至るまでの長さを、第5図のもの
よりも長くすると共に、該陰極22の周囲のプラズマガ
ス通路34の外側にそれと同心的に環状ガス通路35を
設け、その両ガス通路34、35の間の円環状壁に接線
方向の通路を形成し、プラズマガスの入口38から入れ
たプラズマガス39を陰極22の周囲のプラズマガス通
路34で旋回させながら出口28に向かって流動し、こ
のガスをその間の陰極先端32と陽極点33間に生ずる
比較的長いアーク20で充分加熱し、細長く延びるプラ
ズマフレーム24を形成し、その中に含まれる溶融滴2
7のビームの集束と安定性を改善するプラズマ溶射装置
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにしてプラズマフレーム24の長さL6をL5よりも
充分長くすると、母材29に溶射材料の溶融滴が衝突す
る際、それを搬送するプラズマフレームも亦母材に衝突
して、母材29をプラズマフレームで加熱し、母材29
の材質を損傷するおそれがある。又、図5、図6に示す
トーチの陽極23にはアークの陽極点(アノードスポッ
ト)が存在し、その陽極点はプラズマガスと接している
のでプラズマガスとして酸素や空気などを用いると、陽
極点となっている所の部材が損耗を受け、長時間の運転
が不可能となる。これを防ぐ為に通常はプラズマガスと
して、アルゴン、ヘリューム、窒素などをプラズマガス
として使用している。ところが、このようなプラズマガ
スを使用するプラズマ溶射装置により溶射すると、クロ
ミヤが還元されて溶射皮膜中に多量の金属クロムが析出
し耐摺動摩耗性が著しく損なわれるという問題が存在し
ている。
【0006】この発明は、従来のプラズマ溶射によるク
ロミヤ溶射皮膜が有する機能上の課題である緻密性を損
なう空隙の発生や耐摺動摩耗性を低くする金属クロムの
析出を防止できるクロミヤのプラズマ溶射方法と、その
溶射方法によって得られるクロミヤの溶射皮膜を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、プラズマガ
スをアークにより加熱して得られるプラズマフレーム中
に、粉粒状のクロミヤを送給して溶融し、その溶融滴を
母材に吹き付け母材表面に溶射皮膜を形成するクロミヤ
のプラズマ溶射方法において、前記アークが主トーチと
副トーチ間に形成されると共に該主トーチ内の該アーク
の周りに酸素を含むプラズマガスの旋回流が形成される
ことを特徴とするクロミヤの溶射方法、であり、又は、
プラズマガスをアークにより加熱して得られるプラズマ
フレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給して溶融し、そ
の溶融滴を母材に吹き付け母材表面に溶射皮膜を形成す
るクロミヤのプラズマ溶射方法において、前記アークが
主トーチと副トーチ間に形成されると共に該主トーチ内
の該アークの周りに酸素を含むプラズマガスの旋回流が
形成され、また、前記プラズマフレームにおける母材の
直前でプラズマが分離されることを特徴とするクロミヤ
の溶射方法、であり、
【0008】更に、主トーチと副トーチ間にアークを形
成し該主トーチ内の該アークの周りに、酸素を含むプラ
ズマガスの旋回流を形成し、該アークにより加熱して得
られるプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給
して溶融し、その溶融滴を母材に吹き付けることにより
クロミヤの溶射皮膜を形成することを特徴とするクロミ
ヤの溶射方法、であり、又、主トーチと副トーチ間にア
ークを形成し該主トーチ内の該アークの周りに、酸素を
含むプラズマガスの旋回流を形成し、該アークにより加
熱して得られるプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミ
ヤを送給して溶融し、該プラズマフレームにおける母材
の直前でプラズマとを分離した後、その溶融滴を母材に
吹き付けることによりクロミヤの溶射皮膜を形成るこ
とを特徴とするクロミヤの溶射方法、である。
【0009】
【作用】主トーチと副トーチ間に形成されるアークの周
りにプラズマガスの旋回流を形成するので、いわゆるピ
ンチ効果によりアークを集束し、プラズマフレームが層
流状態になくとも絞られて伸長し、高速のプラズマフレ
ームとなる。そのため、高温高速のクロミヤの溶融滴を
母材に衝突させ緻密なクロミヤの溶射皮膜が得られる。
プラズマフレームにおける母材の直前でプラズマを分離
すると、溶融滴だけが母材に衝突するので、更に良質の
クロミヤの溶射皮膜が得られる。又、プラズマガスが酸
素を含んでいるので、プラズマフレームが酸素雰囲気状
態となる。そのため、クロミヤの還元を防ぎ金属クロム
の析出が防止される。
【0010】
【実施例】この発明の実施例を添付図面により説明す
る。図1に示す複合トーチ型プラズマ溶射装置Pにおい
て、主陰極53の軸上に同心、同径の主ガス送入口55
を設けた絶縁物77、放出口を有する主外套54、主プ
ラズマガス送入口82を設けた絶縁物79、そして狭窄
口を有する主第二外套81によって主トーチ51が構成
されている。図2に示されるよう主ガス送入口55或は
主プラズマガス送入口82より保護ガス56或は主プラ
ズマガス83が、まずガス環状室98へ送入され、一個
の旋回流形成孔99或は等分に配置された複数個の旋回
流形成孔99を通って、絶縁物77或は絶縁物79の内
壁を旋回するように矢印101の如く送入される。
【0011】次に、主トーチ51の中心軸と交叉するよ
うに配置された副トーチ起動電極59は、同心をなすよ
うに順に絶縁物78、放出口を有する副第一外套60、
絶縁物80、そして副第二外套86によって取り付けら
れており、更に主トーチ51の絶縁物77或は絶縁物7
9と同様の旋回流ガス形成手段97を有する絶縁物78
に設けられた副ガス送入口61から副ガス62が送入さ
れ、絶縁物80に設けられた副第二ガス送入口87を通
って副第二ガス88が送入されるようになっている。こ
こに、主電源57はその負端子が主陰極53に接続され
ており、正端子にはそれぞれスイッチ手段58、84を
介して、主外套54及び主第二外套81に接続されてお
り、これらが全体として主トーチ51を構成している。
副電源63はその正端子が主電源57の正端子及び副ト
ーチ52の副第1外套60に接続されており、副電源6
3の負端子はスイッチ手段64を介して副トーチ起動電
極59に接続され、これらが全体として副トーチ52を
形成している。この副トーチ52は一対設けられてい
る。なお、上記主プラズマガスとして、酸素を含んだガ
ス、例えば酸素、又は空気が用いられる。
【0012】図1に示した各トーチの起動は次に示すよ
うな順序で行われる。即ち、スイッチ58を閉じて主電
源57により、主陰極53と主外套54の放出口の間に
主起動アーク65をまず形成させ、これによって保護ガ
ス56が加熱されて、主外套54の先端から導電性のプ
ラズマが放出される。この時、スイッチ手段84を閉
じ、次いでスイッチ手段58を開くと、主起動アーク6
5が消去されると同時に主陰極53の先端から放出され
るアークは、主第二外套起動アーク85を形成し、これ
によって、保護ガス56と主プラズマガス83が加熱さ
れて、導電性のプラズマ100が主トーチ51の外部に
放出される。次にスイッチ手段64を閉じて、副電源6
3によって副第1外套60と副トーチ起動電極59との
間に副起動アーク66を形成させると、副ガス62がこ
のアークによって加熱され、狭窄口を通って導電性のプ
ラズマ68が副トーチ52の外部に放出される。これら
のプロセスが終了すると、主トーチ51と副トーチ52
とは、その中心軸が交叉するように設置されているの
で、それぞれから放出される導電性のプラズマ100、
68が導電路を形成し、この段階において、スイッチ8
4及び64を開くと、主電源57によって主陰極53の
先端から副外套60の狭窄口外面に向かって定常ヘアピ
ンアーク67が形成され、この時主トーチ51に送入さ
れるガスの量と、副トーチ52に送入されるガスの量を
各々調整することによって、図1に示された如く、主ト
ーチ51の中心軸とほぼ同心をなすプラズマフレーム7
3が形成される。この時、トーチ51、52のアーク柱
周りに強い旋回流を形成するようにガスが供給されてい
るので、アーク柱をトーチの軸心位置に維持するととも
に同心に旋回環状ガスシースを形成させ、正及び副トー
チ51、52の正及び副外套54、60と正及び副第二
外套81、86の狭窄口の内壁に及ぼす熱負荷は均一に
軽減され、アーク電流を増すことができる。その結果い
わゆるピンチ効果が促され、よりアークが集束され高出
力で高温高速の溶射が可能となる。
【0013】図1の材料送入管69よりプラズマフレー
ム73に向かって送入された粉粒状のクロミヤ70は、
プラズマフレーム73によって直ちに高温に加熱されて
溶融して溶融滴71となり、プラズマフレーム73に同
伴されながら、あまり広がらないで母材75に向かって
進行する。この溶融滴71を含むプラズマフレーム73
は、母材75の直前に設けられたプラズマ分解手段72
によって、プラズマのみが分離される。
【0014】このプラズマ分離手段として、例えば、母
材の直前におけるプラズマフレーム73に向けて水と空
気とを供給するアトマイザの二流体ノズル90が用いら
れる。このアトマイザ90による水の噴霧を行うと、プ
ラズマフレーム73は切断されて円錐状に形成される。
この円錐状のプラズマフレーム73は溶融滴71の冷却
を最小限にするトンネル状のジャケットとして作用し、
母材75と溶射皮膜74に対する余分な熱負荷をアトマ
イザによって噴霧された水の気化熱で除去し、その熱負
荷による悪影響を防止できる。又、この際の水の爆発的
な膨張に伴って、そのガスがプラズマガスに沿って急速
に噴射され、溶融滴71を加速し、その結果緻密な溶射
膜を形成する。
【0015】このようにして、プラズマから分離された
溶融滴71は、その直後に母材75に衝突し、溶射皮膜
74を形成する。この時、アーク柱周りに強い旋回流を
形成するようにガスを供給する手段を設けることによ
り、アーク柱をトーチの軸心位置に維持するとともに同
心に旋回環状ガスシースが形成され、従来の層流プラズ
マフレームを形成するプラズマ溶射装置ではなし得なか
った乱流域で、プラズマフレーム73が高密度に絞ら
れ、伸長した安定な状態で溶射ができ、クロミヤはよく
溶融し、高速度で母材75に吹き付けられるので、高品
質なクロミヤの溶射皮膜74が高効率で得られる。又、
前記主プラズマガスとして酸素を含んだガス、例えば、
酸素又は空気が用いられるので、プラズマフレームは酸
素雰囲気状態となる。そのため、クロミヤの還元が防止
されるので、溶射皮膜中に金属クロムが析出するのを防
止できる。
【0016】この発明の実施例は上記に限定されるもの
ではなく、例えば、プラズマガスとして上述の空気、又
は酸素の他にこれらの混合ガスや少量の不活性ガス、例
えば、アルゴン、ヘリウム、窒素を添加したガスでもよ
い。又、本実施例では、プラズマ溶射装置として複合ト
ーチ型プラズマ溶射装置を用いたが、これに限定される
ものではなくプラズマガスとして酸素を含んだガスを使
用できるプラズマ溶射装置であれば、他のプラズマ溶射
装置を用いてもよいことは勿論である。又、本発明は、
クロミヤの溶射皮膜のみならず他の酸化物のセラミック
ス、即ち、還元性雰囲気を極端にきらい、酸化性雰囲気
において独特の高性能を発揮させることができる物質皮
膜、例えば、フェライト、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア等の溶射皮膜にも用いることができる。また、粉粒
状のクロミアをプラズマフレーム中に送給するときに
は、ガスが用いられるが、このガスの代わりに液体、例
えば、水を用いてもよい。
【0017】次に、本発明の実験例について説明する。 (A)サンプル作製条件 クロミヤ(Cr2 O3 )の皮膜の作製条件を
【表1】 に示す。プラズマ溶射装置として前記実施例の複合トー
チ型プラズマ溶射装置を用いた。また、プラズマガスと
して、ケースAでは空気(AIR)を用い、ケースBで
は酸素(O2 )を用いた。平板サンプルでX線回折、摩
耗減量等の測定を行った。 (B)X線回折測定結果 Cr2 O3 材料粉(図3C)と、プラズマガスに酸素を
用いた溶射皮膜(図3B)のX線回折測定結果を図3に
示す。この図において、○(白丸印)はCr2O3 、●
(黒丸印)はCr、縦軸はIntensity(強
度)、横軸は2θ(deg.)をそれぞれ示す。一般に
プラズマ溶射でCr2 O3 皮膜を作製すると一部が還元
されて金属Crが析出し、表面仕上げ後の外観を損ねた
り、電気絶縁性が失われる等の問題が発生するとされて
いる。しかし、プラズマガスとして酸素を用いた皮膜
(図3B)では、その結晶構造は材料粉と殆ど変わって
いない。又、Cr2 O3 溶射皮膜の断面を顕微鏡で観察
すると、析出したCrが金属光沢のある帯状の層として
観察されることがあるが、プラズマガスに酸素を用いた
場合(図3B)、金属Crの析出は、殆ど観察されなか
った。一方、プラズマガスに空気(Air)を用い皮膜
(図3A)では金属Crのピークが酸素を用いた場合よ
りやや大きくなった。これは実用上は問題にならない程
度であるが、プラズマガス中の酸素分圧か低いためと考
えられ、プラズマガスとして酸素が使用出来ることは、
還元されやすい酸化物の溶射にはかなり有効であると思
われる。
【0018】(C)摩耗減量(耐摩耗性)測定結果 Cr2 O3 皮膜の摩耗試験結果を図4に示す。この図に
おいて、縦軸は摩耗減量(mg)、横軸は往復摩擦回数
(DS)、○(白丸印)は酸素の主プラズマガス、●
(黒丸印)は空気(Air)の主プラズマガス、をそれ
ぞれ示す。いずれの水準もトーチ出力は同程度(95K
w、99Kw)でありながら、摩耗減量に差が出たの
は、上述のX線回折結果からも推察されるように、主プ
ラズマガスの違いによるものと考えられる。 (D)ピッカース硬度試験結果 出力99Kw(O2 )のサンプルについて断面.硬度測
定を行った結果、ばらつき範囲1408〜1666、平
均値Hv=1537となり、ばらつき幅も比較的小さ
く、大気圧プラズマ溶射で得られる値としては最高水準
に近い値となった。 (E)表面仕上げ性 高い耐摩耗性を確保するために、Cr2 O3 皮膜には表
面粗度0.5μmRmax以下の鏡面仕上げ性能が要求
されている。こうした高品質の皮膜を得る方法としては
今のところ減圧プラズマ溶射が最適と言われているが、
密閉された減圧容器内での加工となるため生産性が悪
く、又、大型の部材には適用できない等の問題点があ
る。そのため、比較的容易なプロセスである大気圧プラ
ズマ溶射で表面仕上げ性の優れたCr2 O3 皮膜が得ら
れれば、その意義は大きい。今回の試験で高い耐摩耗性
を示した出力99Kwのサンプルを研磨仕上げしたとこ
ろRmax=0.4μmに達し、複合トーチ型プラズマ
溶射装置による皮膜の品質が減圧溶射皮膜と同程度の高
さを持つことが示された。
【0019】
【発明の効果】この発明は以上の様に構成したので、ア
ークはプラズマガスの旋回流により集束し、プラズマフ
レームが層流状態になくても絞られて伸長し、高速のプ
ラズマフレームとなる。そのため、高温高速のクロミヤ
の溶融滴を母材に衝突させることができるので緻密なク
ロミヤの溶射皮膜が得られる。又、主トーチと副トーチ
間にアークを形成するので、従来例の単トーチと異なり
酸素を含むプラズマガスを用いても連続運転が可能であ
る。そのため、酸素を含むプラズマガスを用いて溶射で
きるので、プラズマフレームが酸化雰囲気状態となる。
従って、クロミヤの還元が防止され金属クロムの析出が
防止されるので、良質のクロミヤの溶射皮膜を得ること
ができる。更に、プラズマフレーム中のプラズマを分離
してクロミヤの溶融滴のみを母材に衝突させると、更に
良質のクロミヤの溶射皮膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のII-II 線断面図である。
【図3】溶射皮膜のX線回折結果を示す図である。
【図4】溶射皮膜の摩耗試験結果を示す図である。
【図5】従来例を示す縦断面図である。
【図6】他の従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
51 主トーチ 52 副トーチ 56 保護ガス 62a 副ガス 62b 副ガス 68 プラズマ 70 クロミヤ 71 溶融滴 72 プラズマ分離手段 74 溶射皮膜 75 母材 83 主プラズマガス 88a 副第2ガス 88b 副第2ガス 97a 旋回流ガス形成手段 97b 旋回流ガス形成手段 99 旋回流形成孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマガスをアークにより加熱して得ら
    れるプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給し
    て溶融し、その溶融滴を母材に吹き付け母材表面に溶射
    皮膜を形成するクロミヤのプラズマ溶射方法において、
    前記アークが主トーチと副トーチ間に形成されると共に
    該主トーチ内の該アークの周りに酸素を含むプラズマガ
    スの旋回流が形成されることを特徴とするクロミヤの溶
    射方法。
  2. 【請求項2】プラズマガスをアークにより加熱して得ら
    れるプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給し
    て溶融し、その溶融滴を母材に吹き付け母材表面に溶射
    皮膜を形成するクロミヤのプラズマ溶射方法において、
    前記アークが主トーチと副トーチ間に形成されると共に
    該主トーチ内の該アークの周りに酸素を含むプラズマガ
    スの旋回流が形成され、また、前記プラズマフレームに
    おける母材の直前でプラズマが分離されることを特徴と
    するクロミヤの溶射方法
  3. 【請求項3】プラズマが、プラズマフレームに向かうア
    トマイザからの噴霧により分離されることを特徴とする
    請求項2記載のクロミヤの溶射方法
  4. 【請求項4】 主トーチと副トーチ間にアークを形成し
    該主トーチ内の該アークの周りに、酸素を含むプラズマ
    ガスの旋回流を形成し、該アークにより加熱して得られ
    るプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給して
    溶融し、その溶融滴を母材に吹き付けることによりクロ
    ミヤの溶射皮膜を形成ることを特徴とするクロミヤの
    溶射方法
  5. 【請求項5】 主トーチと副トーチ間にアークを形成し
    該主トーチ内の該アークの周りに、酸素を含むプラズマ
    ガスの旋回流を形成し、該アークにより加熱して得られ
    るプラズマフレーム中に、粉粒状のクロミヤを送給して
    溶融し、該プラズマフレームにおける母材の直前でプラ
    ズマを分離した後、その溶融滴を母材に吹き付けるこに
    よりクロミヤの溶射皮膜を形成ることを特徴とするク
    ロミヤの溶射方法
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