JPH07110794B2 - 接合強度の優れたセラミツクスと金属の接合体 - Google Patents

接合強度の優れたセラミツクスと金属の接合体

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JPH07110794B2 JP2205687A JP2205687A JPH07110794B2 JP H07110794 B2 JPH07110794 B2 JP H07110794B2 JP 2205687 A JP2205687 A JP 2205687A JP 2205687 A JP2205687 A JP 2205687A JP H07110794 B2 JPH07110794 B2 JP H07110794B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はセラミックスと金属の接合体、特に接合強度に
優れた接合体に関するものである。
従来の技術 セラミックスは機械的強度、耐熱性、耐摩耗性等の優れ
た特性を有しているが、金属との接合が一般に困難であ
る。特に接合部の強度が低いのでセラミックス自体の特
性を十分に発揮できずその応用分野が制限されている。
セラミックスと金属との接合法、特に接合前のセラミッ
クスの表面処理方法としてモリブデン−マンガン法、活
性金属法および酸化物ソルダー法等がある。
モリブデン−マンガン法とは、Mo、Mo−Mn、W、W−Mn
等を添加した微粉末を有機バインダに混合してペイント
状にしてこれをセラミックスの表面に塗布し、加湿水素
または加湿フォーミングガス中において1300〜1700℃の
温度で金属化処理し、Niメッキを施した後、ロウ材を用
いて金属と接合する方法である。これは金属化層中のMn
が加湿フォーミングガスの水分と反応してMnOとなり、
セラミックス中のガラス層に溶け込み、セラミックスと
金属化層の接合させる。次いで金属化層の表面に形成さ
れたNiメッキはその後の加熱処理またはロウ接時に金属
化層に侵入し、Mn、Moと相互拡散して接合がなされる機
構となっている。
活性金属法は、Ti、Zrの如き高温で活性となり、セラミ
ックスと反応しやすくなる活性金属を利用する方法であ
る。すなわち、板または箔状の活性金属をセラミックス
と封着金属との間に挿入し、真空或いは不活性ガス中で
加熱処理して封着する方法である。
さらに、日経メカニカル(NIKKEI MECHANICAL)1986.1.
13には活性金属ロウ付け法が記載されている。この活性
金属ロウ付け法は、ロウ材と活性金属を使用する方法で
あって、ロウ材の箔を活性金属と共に使用するか、ロウ
材に活性金属を混入して使用する。また、Si3N4のよう
なセラミックスの表面にNi等の活性金属の粉末を散布
し、真空下で加熱して金属化する方法も開示されてい
る。
上記したこれらの方法はセラミックスの表面を金属化し
てロウ接し易くする前処理方法であり、このような金属
化法を採用するだけでは十分な接合強度を達成すること
ができなかった。
セラミックスと金属との具体的な接合法として菅沼等に
よるCommunication Amer.Ceram.Soc.,(1983),c−117
には、窒化物系セラミックスとMoあるいはFeを3GPaの圧
力で1300〜1400℃以上の温度で加圧、加熱して接合した
例が報告されている。また、Moの場合にはMoとSi3N4
の混合粉末を中間層として設け残留応力を緩和する方法
も開示されている。
また、NicholasなどによるJ.Mater.Sci.,13(1978),71
2には、残留応力が接合強度に及ぼす影響を調べるためA
lをインサート材として用い各種の金属をAl2O3に接合し
た例が報告されている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、これらの従来技術の接合方法ではセラミ
ックスと金属との十分に高い接合強度は得られなかっ
た。すなわち、従来検討されてきたセラミックスと金属
の接合技術は、接合強度として15〜20Kg/mm2止まりの接
合体を提供するにすぎないものであり、機械部品等へ応
用されるに必要な30Kg/mm2のレベルに達していず、セラ
ミックス−金属の複合体の応用化が進んでいなかった。
まずセラミックスの接合界面を形成する金属化処理法に
ついてその問題点を説明すると、前述した従来方法のう
ち、特に活性金属法が強固な接合界面を形成する点で優
れている。しかしながら、従来の活性金属によるセラミ
ックスの金属化法として、活性金属を混入した合金ろう
材による方法、また、箔、板状にして接合する方法等が
提案されているが、これらの方法では、純度の高い活性
金属を使用できず、不純物混入による活性度の低下がみ
られる。他方、活性金属は、その高活性のため、酸化等
の腐蝕しやすいためせっかくの高活性が生かされない問
題点があった。例えばイオンプレーティング法によって
高純度のTiをセラミックス表面に蒸着する方法が提案さ
れているが、この方法で蒸着されたTi層は、固相状態で
接合されているためセラミックスに対し漏れ性が悪く、
セラミックスとの反応が進行せず界面強度が低い。従っ
て、セラミックスの接合界面強度も従来の技術では20Kg
/mm2までであり、高強度な界面強度を有する界面形成技
術が確立されていなかった。
金属化処理後のセラミックスと金属の接合については、
次のような問題があった。セラミックスと金属の接合に
おいて高い接合強度が得られない根本的な理由の1つ
は、セラミックスの熱膨張係数と金属の熱膨張係数とが
著しく相違するため接合時の熱応力が大きく、接合不可
能或いは接合強度が著しく低下することである。
セラミックスの熱膨張係数αは通常、3.8〜8.0×10-6/
℃の範囲であるが、金属の熱膨張係数αは10〜20×10-6
/℃である。これらの熱膨張係数の差が接合時或いは使
用時の昇温、冷却の際にセラミックスと金属との間に大
きな熱応力を発生する。この問題は上記したいずれの従
来技術でも解決されていなかった。
従って、本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解
決することにあり、特に強固な結合界面の形成の問題と
セラミックスと金属との熱膨張係数の差を原因とする接
合強度の低下の問題とを根本的に解決して高強度の接合
部を有するセラミックスと金属の接合体を提供すること
にある。
問題点を解決するための手段 本発明者等は上記した本発明の目的を達成するため、セ
ラミックスと金属の接合について種々の実験、検討を繰
り返した結果、物理的蒸着法により活性金属を蒸着する
ことによって活性金属の活性度を最大限に発揮させるこ
とができると同時にセラミックスと金属の熱膨張係数の
差による熱応力の発生を、接合部に超硬合金を介在させ
ることによって飽和できることを見出し、本発明の完成
したものである。
すなわち、本発明に従うと、セラミックス部材と金属部
材との接合体であって、該セラミックス部材と金属部材
とは、接合されるセラミックス部材の表面に物理蒸着法
によって形成された活性金属を含む1種以上の金属の蒸
着層と、少なくとも1層の超硬合金の層を有し、該超硬
合金層の両側にロウ材をはさみ構成された複合接合層と
を介在させて接合されていることを特徴とするセラミッ
クスと金属の接合体が提供される。
複合接合部の超硬合金層は1層でもよいが、2層以上を
設け、各々の超硬合金層の両側をロウ材の層でサンドイ
ッチ状に挟む構造とするのが好ましい。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、金属の蒸着層、
すなわちセラミックス部材の表面に形成される金属化界
面は、物理蒸着法により活性金属を含む2種以上の金属
を蒸着し、これら金属層の融点以上の温度で熱処理して
形成する。この金属層の熱処理は真空下で行うのが好ま
しい。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、蒸着した金属層
の融点は1600℃以下であり、この金属層を融点より若干
高い温度、すなわち、セラミックスが損傷しない程度の
範囲の温度で真空中で加熱処理することによってセラミ
ックスの表面を金属化する。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、超硬合金はWCを
50%以上含有し、残部がCo、NiまたはFe等の鉄系金属で
ある。さらに好ましくは、セラミックスと接合される金
属の熱膨張係数の差を考慮して超硬合金の鉄系金属の含
有量を変えてその熱膨張係数を調整する。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、ロウ材は柔らか
く塑性変形能の大きいロウ材、例えばAgロウ材である。
本発明の金属化法で採用する物理蒸着法としては、イオ
ンプレーティング法又はスパッタリング法が好ましい。
本発明の方法において2種以上の金属を蒸着する場合
は、それぞれ順次積層して蒸着してもよく、あるいは同
時に複合蒸着してもよい。ここで複合蒸着とは、同時に
異種の金属を蒸着または異種金属の合金を蒸着すること
をいう。
さらに、本発明の方法で好ましく使用される活性金属と
しては、Ti、Ni、Zr、Nb、W、Mo、Tl、Fe、Alなどがあ
る。
本発明の接合体のセラミックスの例としては、酸化物、
炭化物、ホウ化物、窒化物およびこれらの複合物等のセ
ラミックスを挙げることができる。
以下、添付の図面を参照して本発明のセラミックスと金
属の接合体の構成を説明する。
第1図は本発明に従うセラミックスと金属の接合体の断
面概略図である。図示の如くこの接合体では、セラミッ
クス部材1と、金属部材6とが接合されている。セラミ
ックス部材1の表面には物理的蒸着による金属の蒸着層
2が形成されている。この蒸着層2を有するセラミック
ス部材1は、1層の超硬合金層4の両側にAgロウ材層
3、5を配置して形成される複合接合部を介して金属部
材6と接合されている。
このように本発明のセラミックスの金属の接合体では、
セラミックス部材1の表面が物理的蒸着により活性金属
を蒸着されており、その活性金属の高活性度が保持され
た状態で接合されている。さらに、セラミックス部材1
と熱膨張係数が近似する超硬合金層4を間に挟んだロウ
材3、5からなる複合接合部を介して接合されているの
で熱応力がこの超硬合金層3で緩和、吸収される。ま
た、ロウ材層2は柔らかく塑性変形能の高いAgロウ材等
を用いるので超硬合金と金属との間のクッションとして
作用して著しく残留応力を低減することが可能となる。
作用 上述したように本発明の接合体は、セラミックスの表面
が高活性度を保持した状態で活性金属により金属化処理
され、さらに少なくとも1層の超硬合金層を備え、各々
の超硬合金層を中心としてその両側にロウ材を挟んで構
成される複合接合部を介在させて接合されていることを
特徴とする。
まず、本発明のセラミックス部材と金属部材の接合体を
作製するには、イオンプレーティング法又はスパッタリ
ング法の如き物理的蒸着法により活性金属を含む1種以
上の金属をセラミックス部材の表面に蒸着することによ
って活性度の高い状態でセラミックスに活性金属を接触
させる。これは、物理的蒸着法では高真空で高純度気化
金属が蒸着するため、セラミックスに対し活性金属を純
粋な状態(すなわち、高純度であり、酸化等の腐食のな
い状態)で接触させることができるためである。このよ
うにして本発明では、活性金属の反応性を高めてセラミ
ックスと活性金属とを十分に反応せしめ、同時にセラミ
ックス部材と蒸着層との界面に悪影響を及ぼす酸化物等
の発生を抑制する。例えば、Tiを活性金属として使用す
る場合、TiO、TiO2の生成は界面の強度低下の大きな原
因となるが、物理的蒸着法によるとそれらの発生が抑制
され、高活性の状態で清浄かつ均質な状態で活性金属が
蒸着される。
上述したように活性金属としては、高活性度を有するT
i、Ni、Zr、Nb、W、Mo、Tl、Fe、Alを用いる。
さらに、本発明の好ましい態様では、活性金属を含む2
種以上の金属を蒸着して金属化処理する。これは2種以
上の金属の層を形成し(1層の複合層でもそれぞれ単独
の金属による複数の蒸着層でもよい)、加熱するとこれ
らの金属が共晶合金状となり、融点が大巾に低下するか
らである。本発明のさらに好ましい態様では金属層の融
点を1600℃以下とする。
次いで蒸着した2種以上の金属の層を融点以上の温度で
加熱処理し、融液状態でセラミックスと反応させる。こ
れは、金属層を溶液状態でセラミックスに接触させるこ
とにより濡れ性が向上し、セラミックスと活性金属との
接触面積が増大し、活性金属の活性度を最大限に活用す
ることができ、セラミックスに対し強固な反応層を形成
することができるからである。従って蒸着された金属層
はセラミックス中および各金属間で拡散して強固な接合
界面を形成する。
このようにして、固相状態で反応させるよりもセラミッ
クスに対し濡れ性が向上し、物理蒸着法により金属層を
形成することの相乗効果により活性金属の反応性を最大
限に引き出すことができる。また、蒸着された金属は溶
融加熱されるため融液状態をなし、均一にセラミックス
と反応し、バラツキのない安定化した界面強度を得るこ
とができる。
さらに加熱溶融処理を真空下で行うと、活性金属の活性
度が損なわれず、さらに高強度な接合界面が得られるの
で好ましい。
このようにして本発明に従い活性金属を物理的蒸着で形
成した金属化層はセラミックスと20〜40kg/mm2のレベル
の接合強度を発揮する。
次に本発明において1層以上の超硬合金層を中心に、各
々の超硬合金層の両側をロウ材で挟んだ構造の複合接合
部を介在せしめる理由を説明する。
本発明において超硬合金を使用するのは、超硬合金の熱
膨張係数αが4〜8×10-6/℃の範囲であり、結合材で
ある鉄系金属の量を調整することによって熱膨張係数を
接合すべきセラミックスの熱膨張係数と整合または近似
させることが可能であることによる。従って、塑性変形
が著しく小さいセラミックスの熱膨張係数と整合させる
ことにより、接合時のセラミックスと金属との間に生ず
る熱応力を著しく緩和、低減させることができる。
さらに、超硬合金WCには結合材としてCo、Ni等の鉄系金
属が混入されているので、塑性変形能を有し、さらに熱
応力を低減させるのに効果がある。また、これらの鉄系
金属を含有するのでロウ材との濡れ性も良好である。
一方、ロウ材は、柔らかく塑性変形能の高いロウ材を超
硬合金の両側にサンドイッチ状に配することにより、セ
ラミックス−超硬合金間、超硬合金−金属間の熱応力に
対するクッションとして作用し、著しく熱応力を低減化
させる。さらに、ロウ材は超硬合金との濡れ性が高く、
また金属とも高い接合強度を有し、セラミックス−金属
間の接合強度を向上させる。
さらに、本発明の接合体は、ロウ材による接合体である
ため接合強度等の信頼性が高く、接合プロセスも簡便で
ある。さらに、同一のロウ材を使用する場合には、超硬
合金層とロウ材とからなる複合接合部を形成した後、こ
の複合接合部とセラミックスおよび金属との接合が、一
度のプロセスで行うことができる。
しかしながら、超硬合金のWCの含有量が、50重量%未満
であれば、超硬合金の熱膨張係数が非常に大きくなり、
接合するセラミックスとの間の熱応力が大きくなり、接
合強度の低下もしくは接合不可能な事態を生ずる恐れが
ある。従ってWCの含有量が50重量%以上の超硬合金を用
いるのが好ましい。
また、ロウ材がAgロウ材であればWC超硬合金との濡れ性
は非常に良く、さらにAgロウ材は柔らかいため、熱応力
も低減することができる。
以上に説明の如く、本発明の接合体においては、セラミ
ックスの界面強度が高く且つセラミックスと金属間に作
用する熱応力が著しく低減される。すなわち、本発明に
従い、活性金属を物理的蒸着法により蒸着して形成する
高強度界面形成技術と熱応力緩和技術との相乗効果によ
って機械部品等に適用可能な高強度セラミックス−金属
複合体が提供される。
以下、本発明を実施例により説明するが、これらの実施
例は本発明の単なる例示であり、本発明の技術的範囲を
何ら限定するものではないことは勿論である。
実施例1 β−Si3N4のセラミックスを10×10×20mmに加工し、イ
オンプレーティング装置を用いてTiを膜厚0.5μmで蒸
着した。このときの蒸着条件は真空度が2×10-6Torr、
基板温度が300℃であった。
次いで、WCを90重量%含む超硬合金層を1層または2層
含み、各々の超硬合金層の両側をAgロウ材にてサンドイ
ッチ構造とした複合接合部を介在させて、上記の蒸着後
のセラミックスと10×10×20mmの形状を有するCr−Mo鋼
とを820℃の温度で接合した。
また、比較例として活性金属ロウ材(Ti−Cu−Ag)を用
いて表面を金属化した以外は上記と同様にして超硬合金
−Agロウ材の複合接合部を介してCr−Mo鋼と820℃の温
度で接合した。
これら得られた接合体を3×4×40mmの試験片に加工し
4点曲げ試験により接合強度を評価した。結果を第1表
に示す。
第1表に示す如く、本発明の物理的蒸着による金属化処
理を行い、超硬合金−ロウ材の複合接合部を介して接合
した接合体は優れた接合強度を示す。特に超硬合金層を
2層とすることにより接合強度をさらに向上することが
できる。これに対して、セラミックスを直接金属にロウ
材を用いて接合しても熱応力により破損する。また、金
属化処理として従来技術の活性金属ロウ材法を採用した
ものは金属化界面の強度が低く、従って接合強度が本発
明の接合体よりも著しく低い。
実施例2 部分安定化ZrO2セラミックスを20×20×20mmに加工し、
スパッタリング装置を用いてZr、Niを各々膜厚1μmで
積層蒸着した。次いで、WCを30〜95重量%の範囲で種々
の量で含む超硬合金とAgロウ材の複合接合部を介在させ
て、S45C鋼に850℃にて接合した。
得られた各々の接合体より3×4×40mmの試験片を切り
出し4点曲げ試験により強度を評価した。また、比較と
して超硬合金−ロウ材の複合接合部の代わりにCu板を介
在させた以外は上記と同様に処理して得られた接合体に
ついても接合強度試験を行った。結果を第2表に示す。
第2表に示す結果より超硬合金のWC含有量が増加するに
従い接合部の熱膨張係数が低下してセラミックスの熱膨
張係数に近づき、その結果接合体の接合強度が向上する
ことがわかる。また、Cu板を介在させた比較例では熱膨
張係数が大きいため接合強度を著しく低下することがわ
かる。
実施例3 B4Cを添加したSiCセラミックス製チップの片面をイオン
プレーティング装置を用いてTaを蒸着した。次いで、WC
を95重量%含有する超硬合金製の2mm厚の板の両面に0.2
mm厚のAg−ロウ材をはりあわした複合材を介在させて85
0℃でロッカーアームの先端部に接合した。
得られたロッカーアームをエンジンに組み込みエンジン
テストを100時間、10サイクル行った。テスト後の接合
体には全く異常は見られず良好に作動した。
実施例4 α−Al2O3セラミックスにイオンプレーティング装置を
用いてNiおよびCuを各々膜厚1.0μmで積層蒸着した。
蒸着金属層の融点は1230℃であった。この蒸着層を1000
℃から1300℃の範囲の種々の温度で加熱処理してセラミ
ックス中に蒸着金属を拡散処理した。
次いで、WCを90重量%含む厚さ3mmの超硬合金板を2枚
含み、各超硬合金板の両側を0.1mm厚のAgロウ材にてサ
ンドイッチ構造とした複合接合部を介在させて、上記の
金属化処理後のセラミックスをS45C鋼と接合した。
接合体を3×4×40mmの試験片に加工し4点曲げ試験に
より接合強度を評価した。結果を第3表に示す。
第3表に示す結果より、蒸着金属層をその融点1230℃を
超える温度で熱処理することによって接合強度を飛躍的
に上昇することができるのがわかる。
発明の効果 以上説明の如く本発明の接合体は、セラミックスを物理
的蒸着で活性金属により金属化処理し、少なくとも1層
の超硬合金層を両側からロウ材で挟持して構成される複
合接合部を介して接合されていることを特徴とする。こ
の本発明の接合体は従来の接合体に比べセラミックスの
接合界面および接合部ともに著しく強度が高い。
従って、本発明のセラミックス−金属接合体は従来のセ
ラミックス−金属の接合体では強度が低すぎて使用でき
なかった構造部品、エンジン部品等として使用できる。
特に、ターボチャージャー、エンジンピストンヘッド、
ロッカーアーム、エンジンシリンダー等に好適に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1態様に従うセラミックスと金属の接
合体の概略模式図である。 (主な参照番号) 1……セラミックス部材、 2……金属化界面、 3、5……ロウ材、 4……超硬合金、 6……金属部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス部材と金属部材との接合体で
    あって、該セラミックス部材と金属部材とは、接合され
    るセラミックス部材の表面に物理蒸着法によって形成さ
    れた活性金属を含む1種以上の金属の蒸着層と、少なく
    とも1層の超硬合金の層を有し、該超硬合金属の両側に
    ロウ材をはさみ構成された複合接合層とを介在させて接
    合されていることを特徴とするセラミックスと金属の接
    合体。
  2. 【請求項2】上記した金属の蒸着層が、物理的蒸着法に
    より活性金属を含む2種以上の金属を積層蒸着または複
    合蒸着させ、これらの金属層全体の融点以上の温度に加
    熱して形成され、該セラミックス部材と該金属層および
    各金属層の間で相互拡散が生じていることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載のセラミックスと金属の接
    合体。
  3. 【請求項3】蒸着した金属層の融点が1600℃以下である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載のセラミックスと金属の接合体。
  4. 【請求項4】上記超硬合金層がWCを50%以上含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第3項のいず
    れか1項に記載のセラミックスと金属の接合体。
  5. 【請求項5】上記ロウ材がAgロウ材であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に
    記載のセラミックスと金属の接合体。
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