JPH07110788B2 - 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体およびその製造方法Info
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- JPH07110788B2 JPH07110788B2 JP1055923A JP5592389A JPH07110788B2 JP H07110788 B2 JPH07110788 B2 JP H07110788B2 JP 1055923 A JP1055923 A JP 1055923A JP 5592389 A JP5592389 A JP 5592389A JP H07110788 B2 JPH07110788 B2 JP H07110788B2
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Description
(産業上の利用分野) 本発明は、自動車,機械装置,化学装置,宇宙航空機器
などの幅広い分野において使用される各種構造部品の素
材として利用でき、特に優れた高温強度を有するファイ
ンセラミックスを得るのに好適な窒化珪素質焼結体およ
びその製造方法に関するものである。 (従来の技術) 窒化珪素を主成分とする焼結体は、常温および高温で化
学的に安定であり、高い機械的強度を有するため、軸受
などの摺動部材、ターボチャージャロータなどのエンジ
ン部材として好適な材料である。 しかし、窒化珪素はこれ単独では焼結が困難であるた
め、通常の場合には、窒化珪素にMgO,Al2O3,Y2O3などの
焼結助剤を添加して焼成する方法が用いられている(こ
の種の窒化珪素質焼結体の製造方法としては、特開昭49
−63710号,特開昭54−15916号,特開昭60−137873号な
どに開示された多くのものがある。)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述したような窒化珪素にMgO,Al2O3,Y2
O3などの酸化物を多量に添加して焼成することによって
得られた従来の窒化珪素質焼結体においては、焼結対中
の粒界に低融点のガラス相を含有しているため、焼結体
の耐クリープ特性,高温強度,耐酸化性などの高温特性
が低下するという課題があった。 これに対し、本発明者は焼結体中の酸素含有量を1重量
%以下に低減することによって高温強度が改善されると
いう知見を得ており、先に特開平2−48468号公報(特
願昭63−199709号)として提案を行っている。 しかし、上記焼成体は、SiO2を珪素と反応させることに
よって酸素含有量を低減させている関係上、出発原料を
珪素粉末としているため、焼成に先立って窒化処理を施
さねばならないという問題点がある。 一方、出発原料を窒化処理が不要な窒化珪素にした場合
には、上記のような反応が利用できないため、窒素含有
量を1重量%以下にすることができず、高温強度を高め
ることができないという問題点があり、窒化珪素を出発
原料とする窒化珪素質焼結体の課題となっていた。 (発明の目的) 本発明は、上記のような従来の課題に着目してなされた
ものであって、常温のみならず高温における強度特性に
優れており、高温において強度低下が少なく耐酸化性に
優れた窒化珪素質焼結体と、窒化処理の不要な窒化珪素
を出発原料とする前記窒化珪素質結晶体の製造方法とを
提供することを目的としている。
などの幅広い分野において使用される各種構造部品の素
材として利用でき、特に優れた高温強度を有するファイ
ンセラミックスを得るのに好適な窒化珪素質焼結体およ
びその製造方法に関するものである。 (従来の技術) 窒化珪素を主成分とする焼結体は、常温および高温で化
学的に安定であり、高い機械的強度を有するため、軸受
などの摺動部材、ターボチャージャロータなどのエンジ
ン部材として好適な材料である。 しかし、窒化珪素はこれ単独では焼結が困難であるた
め、通常の場合には、窒化珪素にMgO,Al2O3,Y2O3などの
焼結助剤を添加して焼成する方法が用いられている(こ
の種の窒化珪素質焼結体の製造方法としては、特開昭49
−63710号,特開昭54−15916号,特開昭60−137873号な
どに開示された多くのものがある。)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述したような窒化珪素にMgO,Al2O3,Y2
O3などの酸化物を多量に添加して焼成することによって
得られた従来の窒化珪素質焼結体においては、焼結対中
の粒界に低融点のガラス相を含有しているため、焼結体
の耐クリープ特性,高温強度,耐酸化性などの高温特性
が低下するという課題があった。 これに対し、本発明者は焼結体中の酸素含有量を1重量
%以下に低減することによって高温強度が改善されると
いう知見を得ており、先に特開平2−48468号公報(特
願昭63−199709号)として提案を行っている。 しかし、上記焼成体は、SiO2を珪素と反応させることに
よって酸素含有量を低減させている関係上、出発原料を
珪素粉末としているため、焼成に先立って窒化処理を施
さねばならないという問題点がある。 一方、出発原料を窒化処理が不要な窒化珪素にした場合
には、上記のような反応が利用できないため、窒素含有
量を1重量%以下にすることができず、高温強度を高め
ることができないという問題点があり、窒化珪素を出発
原料とする窒化珪素質焼結体の課題となっていた。 (発明の目的) 本発明は、上記のような従来の課題に着目してなされた
ものであって、常温のみならず高温における強度特性に
優れており、高温において強度低下が少なく耐酸化性に
優れた窒化珪素質焼結体と、窒化処理の不要な窒化珪素
を出発原料とする前記窒化珪素質結晶体の製造方法とを
提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、前記提案に引き続き、窒化珪素を出発原料
とする窒化珪素質焼結体の高温特性に及ぼす焼結助剤や
焼成条件等の影響について鋭意検討した結果、焼結助剤
として添加する酸化物の種類と量、焼成条件および昇温
条件等を調整することによって、焼結体中の全酸素量,
焼結体中に存在する過剰酸素の量およびこれに起因する
粒界相の組成を制御することができ、もって高温強度,
耐酸化性,耐クリープ特性,耐熱性等の高温特性に優れ
た窒化珪素質焼結体が得られるという全く新しい知見を
得るに到った。なお、過剰酸素とは焼結体中の全酸素量
から助剤として添加した元素、すなわち周期表III a族
元素およびアルミニウムに結合している酸素を控除した
ものであり、シリカ(SiO2)の形で存在していると考え
て差しつかえないものである。 本発明は、上記知見に基づくものであって、Si3N4−a
・Re2O3−b・Al2O3−c・SiO2(ただし、Re2O3は1種
または2種以上の周期表III a族元素の酸化物)で表さ
れ、aが0.2mol%以上1.5mol%以下,bが1mol%以下でか
つc/(a+b+c)が0.6以上0.9以下であり、焼結体中
の酸素含有量が1重量%以下、焼結体のかさ密度が理論
密度の95%以上である窒化珪素質焼結体の構成としたこ
とを特徴としており、このような窒化珪素質焼結体を製
造するにあたっては、窒化珪素粉末に、焼結助剤として
合計0.2mol%以上1.5mol%以下の周期表III a族元素の
酸化物の1種または2種以上と1mol%以下の酸化アルミ
ニウムおよび/または焼成過程で前記範囲の酸化物とな
る化合物とを添加して成形した成形体を5気圧以上の窒
素雰囲気中で焼成し、この焼成時に1800℃までの昇温過
程においては焼結体のかさ密度が理論密度の80%以下を
保つ昇温速度で昇温し、その後は1800℃以上2200℃以下
の温度範囲で前記焼結体のかさ密度が95%以上となるま
で焼成する構成としたものであり、このような窒化珪素
質焼成体の製造方法の構成を前述した従来の課題を解決
するための手段としたことを特徴としている。 (作用) 以下に、本発明における各構成要件の作用について、そ
れら数値の限定理由等と共にさらに詳細に説明する。 本発明に係る窒化珪素質焼結体は、前述のように、焼結
助剤として添加されて当該焼結体中に持ち越される周期
表III a族元素の酸化物の合計を0.2mol%以上1.5mol%
以下,酸化アルミニウムを1mol%以下とし、かつ焼結体
中の全酸化物に対するシリカ(SiO2)のモル比を0.6以
上0.9以下の範囲とすると共に、焼結体中の酸素含有量
を1重量%以下、かさ密度を理論密度の95%以上とする
ことによって、優れた高温特性を具備するものにしたこ
とを特徴としている。 ここで、この焼結体中の酸素は、焼結助剤として添加さ
れた前記酸化物と、出発原料である窒化珪素粉末、ある
いは珪素粉末中に不純物として含まれるシリカ(SiO2)
に由来するものであり、焼成後の焼結体中に1重量%を
越えて存在すると当該焼結体の高温特性を劣化させるた
め、焼結体中の酸素含有量を1重量%以下に限定する必
要がある。 また焼結体の理論密度に対するかさ密度の比を95%以下
としたのは、前記比が95%未満の燃焼体はち密性に欠
け、常温および高温における強度が低下することによ
る。 周期表III a族元素の酸化物は、焼結助剤が焼結体中に
持ち越されたものであり、焼成後の焼結体中の含有量の
合計が0.2mol%以上1.5mol%以下となるように出発原料
中に添加混合されねばならない。これは、焼結体中の前
記酸化物の含有量が0.2mol%に満たない場合には焼結助
剤としての効果を発揮することができずに焼結性が悪く
なってち密な焼結体が得られず、逆に1.5mol%を越えた
場合には焼結性は良好であるものの、該焼結体の高温特
性を悪化させることによる。なお、これら元素として
は、後述するように、通常Sc,Y,La,Nd,Smなどが単独あ
るいは複合で用いられる。 酸化アルミニウムは、この発明では必須の成分ではな
く、特に焼結性が悪い場合に、前記III a族元素の酸化
物と共に添加される焼結助剤であるが、焼結体中に1mol
%を超えて含有される場合には、当該焼結体の高温特性
を劣化させるため、添加する場合には焼結体中の含有量
が1mol%以下となるように原料中に添加しなければなら
ない。 また、焼結体中の全酸化物に体するシリカ(SiO2)のモ
ル比、すなわち、c/(a+b+c)の値は、粒界相中の
過剰酸素量を決めるもので、焼結助剤量を低く押えた本
発明においては、前記モル比が0.6未満の場合、0.9を超
えた場合いずれも焼結性が劣化するため当該モル比は0.
6〜0.9の範囲に限定される。 本発明に係る窒化珪素質焼結体では、上記した焼結体中
の酸素含有量,かさ密度,さらに各成分含有量や成分比
等の条件が満足される限り、出発原料や成形,焼成など
の製造方法に係る条件については特に問わないものであ
るが、製造方法の一例を述べると、前述したように、窒
化珪素粉末に、合計0.2mol%以上1.5mol%以下の周期表
III a族元素の酸化物の1種または2種以上と、必要に
応じて1mol%以下の酸化アルミニウムとを焼結助剤とし
て添加して成形した成形体を5気圧以上の窒化雰囲気中
で、1800℃までの昇温過程においては焼結体のかさ密度
が理論密度の80%以下を保つ昇温速度で昇温し、その後
は1800℃以上2200℃以下の温度範囲で前記焼結体のかさ
密度が理論密度の95%以上となるまで焼成する製造方法
を採用することができる。 上記製造方法において、出発原料は、窒化珪素粉末と焼
結助剤としての周期表III a族元素の酸化物および必要
に応じて酸化アルミニウムである。 これらのうち窒化珪素中の不純物シリカ(SiO2)は、最
終焼結体中の過剰酸素量に影響を及ぼすので少ない方が
望ましい。しかし最初に窒化珪素中にSiO2として含まれ
ていた酸素は、後述するように、焼成中にSiOとして飛
散する部分があり、しかもその飛散量は焼成条件や焼結
助剤量によって変化するため、窒化珪素中の酸素量とし
てはとくに限定されないが、0.5以上2重量%以下の範
囲が望ましいと言うことができる。 焼結助剤となる酸化物を構成する周期表III a族元素と
しては、Sc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),アク
チノイド(原子番号89〜103)などがあるが、通常はこ
れらのうちY,La,Nd,Smなどが価格,入手性,取扱い性の
都合などにより使用されやすい。なお、本発明におい
て、酸化アルミニウムは、前述のように、特に焼結性が
悪い場合に前記III a族元素の酸化物と共に添加される
ものである。 これらは、焼結助剤として、前述のように焼結性および
焼結体としての高温特性を考慮して、周期表III a族元
素の酸化物については0.2mol%以上1.5mol%以下、酸化
アルミニウムについては必要に応じて1mol%以下の範囲
で前記窒化珪素粉末にそれぞれ添加される。なお、これ
ら焼結助剤は、焼成反応中に上記酸化物となる例えば水
酸化物,炭酸塩などの化合物を用いてもよい。 次に、出発原料である窒化珪素粉末と焼結助剤としての
前記酸化物あるいは化合物とを混合した後成形するに際
しては、例えば、金型プレス成形,ラバープレス成形,
射出成形など、通常のセラミックスの成形方法を目的と
する成形部材の形状等に応じて選択することができる。 次いで、この成形体に対して5気圧以上の窒素雰囲気中
で焼成を行うが、この焼成は次の2段階の工程よりな
る。 すなわち、第1段階は1800℃までの昇温過程であって、
この間、焼結体のかさ密度が理論密度の80%以下を保つ
昇温速度で昇温する。これはこの段階において焼結体の
かさ密度が80%を超えてち密化すると、次の第2段階の
焼成におけるSiOの蒸発が起こらなくなり、全酸素量低
下のメカニズムが働かなくなることによる。この条件を
満たす昇温速度は添加した焼結助剤量によって異なり、
助剤量が多い場合には早めの昇温速度をとるが、通常毎
時200℃以上800℃以下程度の範囲で選択する。なお、こ
の昇温を5気圧以上の窒素雰囲気中で行うのは、これ未
満の圧力下では窒化珪素が熱分解することによる。 第2段階は、最終焼成であり、1800℃〜2200℃の温度範
囲で焼結体のかさ密度が理論密度の95%以上となるまで
焼成する。すなわち、前記昇温過程で理論密度の80%未
満にかさ密度を制御した焼結体を5気圧以上の窒素雰囲
気中で1800℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成すると、 Si3N4+3SiO2→6SiO(ガス)+2N2(ガス) 等の反応により焼結体中の過剰酸素(シリカ)がSiOガ
スとなって焼結体の外に蒸発して焼結体中の過剰酸素が
減少する結果、全酸素量が1重量%以下となる。このと
き、焼結体のかさ密度が理論密度の80%より大きいもの
であると、前述のようにSiOガスが焼結体の外に蒸発し
にくくなる。なお、上記焼成温度範囲を1800℃以上2200
℃以下としたのは、焼成温度が1800℃未満では焼結体の
かさ密度が理論密度の95%以上にち密化せず、逆に2200
℃を超えた温度で焼成した場合には焼結体に異常粒成長
が起こり常温および高温の強度が低下することによる。
また、焼成雰囲気を5気圧以上の窒素雰囲気としたの
は、前述のように、5気圧未満では窒化珪素が熱分解し
て焼結体がち密化しないことによる。さらにこのとき、
上記反応が進み過ぎ、過剰酸素が減少し過ぎることによ
り、全酸化物に対するシリカ(SiO2)のモル比、c/(a
+b+c)が0.6未満になると、前述の如く焼結性が劣
化しち密化しにくくなるので、前記モル比が0.6以上と
なるように、昇温速度,焼成温度などの焼成条件を上記
限定範囲内で調整することが必要である。 このようにして、過剰酸素が減少しながら焼結が進むこ
とによって、全酸素量が1重量%以下でかさ密度が理論
密度の95%以上であると共に、焼結助剤として添加した
酸化物含有量および全酸化物に対するシリカのモル比が
前記限定範囲内であって、極めて優れた高温特性を備え
た窒化珪素質焼結体を得ることができる。 なお、前にも述べた様に、本発明に係る窒化珪素質焼結
体は、ここで例示した窒化珪素を出発原料とする製造方
法のみに限定される訳ではなく、例えば温発明者が先に
特願昭63−199709号において提案したような珪素粉末を
出発原料とする製造方法によっても製造することができ
る。 (実施例) 実施例1 平均粒径が1.0μm,酸素含有量が1.3重量%である窒化珪
素粉末に、0.5mol%の酸化イットリウム(Y2O3)および
0.5mol%の酸化ネオジム(Nd2O3)を添加して、エタノ
ール中で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MP
aの圧力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレ
ス成形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気下で毎時500℃の昇温速
度で1800℃まで昇温した後、2000℃で4時間焼成した。
このとき、昇温中の焼結体の収縮量を測定することによ
りかさ密度を算出したところ、1800℃で理論密度の75%
であることがわかった。 上記によって得られた焼結体の密度は3.18g/cm3であ
り、これは理論密度3.23g/cm3の98%に相当するもので
あった。次に、この焼結体の成分と共に酸素含有量を分
析し、mol%に換算してc/(a+b+c)の値を算出し
た。その結果、酸素含有量は0.88重量%、酸化イットリ
ウム(Y2O3)および酸化ネオジウム(Nd2O3)の含有量
はそれぞれ0.49mol%および0.50mol%、c/(a+b+
c)比は0.71であった。 この焼結体をさらに3×4×40mmの形状にダイアモンド
ホイールで研削加工し、室温および1400℃で、スパン30
mmの3点曲げ試験を行った。この結果、5本の平均値は
室温で750MPa,1400℃で630MPaと高温において強度が低
下しない高温特性の優れた焼結体であることが確認され
た。 なお、上記実施例1の内容を第1表および第2表にまと
めて示す。 実施例2,3,4,5 前記実施例1と同様に、平均粒径が1.0μm,酸素含有量
が1.3重量%である窒化珪素粉末に、第1表の実施例2,
3,4,5の各欄に示す焼結助剤を添加して、エタノール中
で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MPaの圧
力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレース成
形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気中で、第1表の実施例2,
3,4,5の各欄に示す昇温速度で1800℃まで昇温した後、
前記各欄に示す焼成条件で焼成した。このとき、1800℃
におけるかさ密度を前記実施例1と同様にして測定した
結果は第1表の前記各欄に示すとおりであって、いずれ
も理論密度の80%以下であった。 上記によって得られた各焼結体の理論密度に対するかさ
密度比,酸素含有量,酸化物の含有量,c/(a+b+
c)は第2表の実施例2,3,4,5の各欄に示す値となって
おり、いずれも本発明に係る窒化珪素質焼結体の密度お
よび成分範囲内のものであった。 ここで得られた各焼結体をさらに3×4×40mmの形状に
ダイアモンドホイールで研削加工し、室温および1400℃
で、スパン30mmの3点曲げ試験を行った。 この結果は同じく第2表の実施例2,3,4,5の各欄に示す
ように、いずれも室温での強度が高いだけでなく、高温
においても強度が低下しない高温特性の優れた焼結体で
あることが確認された。 比較例1,2,3,4 前記各実施例と同様に、平均粒径が1.0μm,酸素含有量
が1.3重量%である窒化珪素粉末に、第1表の比較例1,
2,3,4の各欄に示す焼結助剤を添加して、エタノール中
で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MPaの圧
力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレース成
形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気中で、第1表の比較例1,
2,3,4の各欄に示す昇温速度で1800℃まで昇温した後、
前記各欄に示す焼成条件で焼成した。このとき、1800℃
におけるかさ密度の理論密度に対する比を前記実施例と
同様にして測定した結果は第1表の前記各欄に示すとお
りであった。 次に、上記によって得られた各焼結体の理論密度に対す
るかさ密度の比,酸素含有量,各酸化物の含有量および
c/(a+b+c)は第2表の比較例1,2,3,4の各欄に示
す値となっている。 さらに、ここで得られた各焼結体を3×4×40mmの形状
にダイアモンドホイールで研削加工し、前記実施例と同
様に、室温および1400℃で、スパン30mmの3点曲げ試験
を行った。 この結果は同じく第2表の比較例1,2,3,4の各欄に示
す。 第1表および第2表に示すように、焼結助剤の添加量が
多い比較例1,2,3では、焼成後においてもこれら酸化物
の含有量が多く、しかも昇温後の1800℃におけるかさ密
度がいずれも理論密度の80%以上であるため過剰酸素が
減少しないことにより酸素用含有量が多く、したがって
焼結体のち密度が高く室温強度は高いものの高温での強
度が著しく低下したものとなっていた。また、比較例4
では焼結助剤量の割に焼成時の昇温速度が大き過ぎて過
剰酸素が減少し過ぎたため酸素含有量は低いもののc/
(a+b+c)の値が0.6未満となり、焼結性が悪く、
焼結体のち密度、室温強度、高温強度とも低いものとな
っていた。
とする窒化珪素質焼結体の高温特性に及ぼす焼結助剤や
焼成条件等の影響について鋭意検討した結果、焼結助剤
として添加する酸化物の種類と量、焼成条件および昇温
条件等を調整することによって、焼結体中の全酸素量,
焼結体中に存在する過剰酸素の量およびこれに起因する
粒界相の組成を制御することができ、もって高温強度,
耐酸化性,耐クリープ特性,耐熱性等の高温特性に優れ
た窒化珪素質焼結体が得られるという全く新しい知見を
得るに到った。なお、過剰酸素とは焼結体中の全酸素量
から助剤として添加した元素、すなわち周期表III a族
元素およびアルミニウムに結合している酸素を控除した
ものであり、シリカ(SiO2)の形で存在していると考え
て差しつかえないものである。 本発明は、上記知見に基づくものであって、Si3N4−a
・Re2O3−b・Al2O3−c・SiO2(ただし、Re2O3は1種
または2種以上の周期表III a族元素の酸化物)で表さ
れ、aが0.2mol%以上1.5mol%以下,bが1mol%以下でか
つc/(a+b+c)が0.6以上0.9以下であり、焼結体中
の酸素含有量が1重量%以下、焼結体のかさ密度が理論
密度の95%以上である窒化珪素質焼結体の構成としたこ
とを特徴としており、このような窒化珪素質焼結体を製
造するにあたっては、窒化珪素粉末に、焼結助剤として
合計0.2mol%以上1.5mol%以下の周期表III a族元素の
酸化物の1種または2種以上と1mol%以下の酸化アルミ
ニウムおよび/または焼成過程で前記範囲の酸化物とな
る化合物とを添加して成形した成形体を5気圧以上の窒
素雰囲気中で焼成し、この焼成時に1800℃までの昇温過
程においては焼結体のかさ密度が理論密度の80%以下を
保つ昇温速度で昇温し、その後は1800℃以上2200℃以下
の温度範囲で前記焼結体のかさ密度が95%以上となるま
で焼成する構成としたものであり、このような窒化珪素
質焼成体の製造方法の構成を前述した従来の課題を解決
するための手段としたことを特徴としている。 (作用) 以下に、本発明における各構成要件の作用について、そ
れら数値の限定理由等と共にさらに詳細に説明する。 本発明に係る窒化珪素質焼結体は、前述のように、焼結
助剤として添加されて当該焼結体中に持ち越される周期
表III a族元素の酸化物の合計を0.2mol%以上1.5mol%
以下,酸化アルミニウムを1mol%以下とし、かつ焼結体
中の全酸化物に対するシリカ(SiO2)のモル比を0.6以
上0.9以下の範囲とすると共に、焼結体中の酸素含有量
を1重量%以下、かさ密度を理論密度の95%以上とする
ことによって、優れた高温特性を具備するものにしたこ
とを特徴としている。 ここで、この焼結体中の酸素は、焼結助剤として添加さ
れた前記酸化物と、出発原料である窒化珪素粉末、ある
いは珪素粉末中に不純物として含まれるシリカ(SiO2)
に由来するものであり、焼成後の焼結体中に1重量%を
越えて存在すると当該焼結体の高温特性を劣化させるた
め、焼結体中の酸素含有量を1重量%以下に限定する必
要がある。 また焼結体の理論密度に対するかさ密度の比を95%以下
としたのは、前記比が95%未満の燃焼体はち密性に欠
け、常温および高温における強度が低下することによ
る。 周期表III a族元素の酸化物は、焼結助剤が焼結体中に
持ち越されたものであり、焼成後の焼結体中の含有量の
合計が0.2mol%以上1.5mol%以下となるように出発原料
中に添加混合されねばならない。これは、焼結体中の前
記酸化物の含有量が0.2mol%に満たない場合には焼結助
剤としての効果を発揮することができずに焼結性が悪く
なってち密な焼結体が得られず、逆に1.5mol%を越えた
場合には焼結性は良好であるものの、該焼結体の高温特
性を悪化させることによる。なお、これら元素として
は、後述するように、通常Sc,Y,La,Nd,Smなどが単独あ
るいは複合で用いられる。 酸化アルミニウムは、この発明では必須の成分ではな
く、特に焼結性が悪い場合に、前記III a族元素の酸化
物と共に添加される焼結助剤であるが、焼結体中に1mol
%を超えて含有される場合には、当該焼結体の高温特性
を劣化させるため、添加する場合には焼結体中の含有量
が1mol%以下となるように原料中に添加しなければなら
ない。 また、焼結体中の全酸化物に体するシリカ(SiO2)のモ
ル比、すなわち、c/(a+b+c)の値は、粒界相中の
過剰酸素量を決めるもので、焼結助剤量を低く押えた本
発明においては、前記モル比が0.6未満の場合、0.9を超
えた場合いずれも焼結性が劣化するため当該モル比は0.
6〜0.9の範囲に限定される。 本発明に係る窒化珪素質焼結体では、上記した焼結体中
の酸素含有量,かさ密度,さらに各成分含有量や成分比
等の条件が満足される限り、出発原料や成形,焼成など
の製造方法に係る条件については特に問わないものであ
るが、製造方法の一例を述べると、前述したように、窒
化珪素粉末に、合計0.2mol%以上1.5mol%以下の周期表
III a族元素の酸化物の1種または2種以上と、必要に
応じて1mol%以下の酸化アルミニウムとを焼結助剤とし
て添加して成形した成形体を5気圧以上の窒化雰囲気中
で、1800℃までの昇温過程においては焼結体のかさ密度
が理論密度の80%以下を保つ昇温速度で昇温し、その後
は1800℃以上2200℃以下の温度範囲で前記焼結体のかさ
密度が理論密度の95%以上となるまで焼成する製造方法
を採用することができる。 上記製造方法において、出発原料は、窒化珪素粉末と焼
結助剤としての周期表III a族元素の酸化物および必要
に応じて酸化アルミニウムである。 これらのうち窒化珪素中の不純物シリカ(SiO2)は、最
終焼結体中の過剰酸素量に影響を及ぼすので少ない方が
望ましい。しかし最初に窒化珪素中にSiO2として含まれ
ていた酸素は、後述するように、焼成中にSiOとして飛
散する部分があり、しかもその飛散量は焼成条件や焼結
助剤量によって変化するため、窒化珪素中の酸素量とし
てはとくに限定されないが、0.5以上2重量%以下の範
囲が望ましいと言うことができる。 焼結助剤となる酸化物を構成する周期表III a族元素と
しては、Sc,Y,ランタノイド(原子番号57〜71),アク
チノイド(原子番号89〜103)などがあるが、通常はこ
れらのうちY,La,Nd,Smなどが価格,入手性,取扱い性の
都合などにより使用されやすい。なお、本発明におい
て、酸化アルミニウムは、前述のように、特に焼結性が
悪い場合に前記III a族元素の酸化物と共に添加される
ものである。 これらは、焼結助剤として、前述のように焼結性および
焼結体としての高温特性を考慮して、周期表III a族元
素の酸化物については0.2mol%以上1.5mol%以下、酸化
アルミニウムについては必要に応じて1mol%以下の範囲
で前記窒化珪素粉末にそれぞれ添加される。なお、これ
ら焼結助剤は、焼成反応中に上記酸化物となる例えば水
酸化物,炭酸塩などの化合物を用いてもよい。 次に、出発原料である窒化珪素粉末と焼結助剤としての
前記酸化物あるいは化合物とを混合した後成形するに際
しては、例えば、金型プレス成形,ラバープレス成形,
射出成形など、通常のセラミックスの成形方法を目的と
する成形部材の形状等に応じて選択することができる。 次いで、この成形体に対して5気圧以上の窒素雰囲気中
で焼成を行うが、この焼成は次の2段階の工程よりな
る。 すなわち、第1段階は1800℃までの昇温過程であって、
この間、焼結体のかさ密度が理論密度の80%以下を保つ
昇温速度で昇温する。これはこの段階において焼結体の
かさ密度が80%を超えてち密化すると、次の第2段階の
焼成におけるSiOの蒸発が起こらなくなり、全酸素量低
下のメカニズムが働かなくなることによる。この条件を
満たす昇温速度は添加した焼結助剤量によって異なり、
助剤量が多い場合には早めの昇温速度をとるが、通常毎
時200℃以上800℃以下程度の範囲で選択する。なお、こ
の昇温を5気圧以上の窒素雰囲気中で行うのは、これ未
満の圧力下では窒化珪素が熱分解することによる。 第2段階は、最終焼成であり、1800℃〜2200℃の温度範
囲で焼結体のかさ密度が理論密度の95%以上となるまで
焼成する。すなわち、前記昇温過程で理論密度の80%未
満にかさ密度を制御した焼結体を5気圧以上の窒素雰囲
気中で1800℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成すると、 Si3N4+3SiO2→6SiO(ガス)+2N2(ガス) 等の反応により焼結体中の過剰酸素(シリカ)がSiOガ
スとなって焼結体の外に蒸発して焼結体中の過剰酸素が
減少する結果、全酸素量が1重量%以下となる。このと
き、焼結体のかさ密度が理論密度の80%より大きいもの
であると、前述のようにSiOガスが焼結体の外に蒸発し
にくくなる。なお、上記焼成温度範囲を1800℃以上2200
℃以下としたのは、焼成温度が1800℃未満では焼結体の
かさ密度が理論密度の95%以上にち密化せず、逆に2200
℃を超えた温度で焼成した場合には焼結体に異常粒成長
が起こり常温および高温の強度が低下することによる。
また、焼成雰囲気を5気圧以上の窒素雰囲気としたの
は、前述のように、5気圧未満では窒化珪素が熱分解し
て焼結体がち密化しないことによる。さらにこのとき、
上記反応が進み過ぎ、過剰酸素が減少し過ぎることによ
り、全酸化物に対するシリカ(SiO2)のモル比、c/(a
+b+c)が0.6未満になると、前述の如く焼結性が劣
化しち密化しにくくなるので、前記モル比が0.6以上と
なるように、昇温速度,焼成温度などの焼成条件を上記
限定範囲内で調整することが必要である。 このようにして、過剰酸素が減少しながら焼結が進むこ
とによって、全酸素量が1重量%以下でかさ密度が理論
密度の95%以上であると共に、焼結助剤として添加した
酸化物含有量および全酸化物に対するシリカのモル比が
前記限定範囲内であって、極めて優れた高温特性を備え
た窒化珪素質焼結体を得ることができる。 なお、前にも述べた様に、本発明に係る窒化珪素質焼結
体は、ここで例示した窒化珪素を出発原料とする製造方
法のみに限定される訳ではなく、例えば温発明者が先に
特願昭63−199709号において提案したような珪素粉末を
出発原料とする製造方法によっても製造することができ
る。 (実施例) 実施例1 平均粒径が1.0μm,酸素含有量が1.3重量%である窒化珪
素粉末に、0.5mol%の酸化イットリウム(Y2O3)および
0.5mol%の酸化ネオジム(Nd2O3)を添加して、エタノ
ール中で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MP
aの圧力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレ
ス成形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気下で毎時500℃の昇温速
度で1800℃まで昇温した後、2000℃で4時間焼成した。
このとき、昇温中の焼結体の収縮量を測定することによ
りかさ密度を算出したところ、1800℃で理論密度の75%
であることがわかった。 上記によって得られた焼結体の密度は3.18g/cm3であ
り、これは理論密度3.23g/cm3の98%に相当するもので
あった。次に、この焼結体の成分と共に酸素含有量を分
析し、mol%に換算してc/(a+b+c)の値を算出し
た。その結果、酸素含有量は0.88重量%、酸化イットリ
ウム(Y2O3)および酸化ネオジウム(Nd2O3)の含有量
はそれぞれ0.49mol%および0.50mol%、c/(a+b+
c)比は0.71であった。 この焼結体をさらに3×4×40mmの形状にダイアモンド
ホイールで研削加工し、室温および1400℃で、スパン30
mmの3点曲げ試験を行った。この結果、5本の平均値は
室温で750MPa,1400℃で630MPaと高温において強度が低
下しない高温特性の優れた焼結体であることが確認され
た。 なお、上記実施例1の内容を第1表および第2表にまと
めて示す。 実施例2,3,4,5 前記実施例1と同様に、平均粒径が1.0μm,酸素含有量
が1.3重量%である窒化珪素粉末に、第1表の実施例2,
3,4,5の各欄に示す焼結助剤を添加して、エタノール中
で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MPaの圧
力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレース成
形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気中で、第1表の実施例2,
3,4,5の各欄に示す昇温速度で1800℃まで昇温した後、
前記各欄に示す焼成条件で焼成した。このとき、1800℃
におけるかさ密度を前記実施例1と同様にして測定した
結果は第1表の前記各欄に示すとおりであって、いずれ
も理論密度の80%以下であった。 上記によって得られた各焼結体の理論密度に対するかさ
密度比,酸素含有量,酸化物の含有量,c/(a+b+
c)は第2表の実施例2,3,4,5の各欄に示す値となって
おり、いずれも本発明に係る窒化珪素質焼結体の密度お
よび成分範囲内のものであった。 ここで得られた各焼結体をさらに3×4×40mmの形状に
ダイアモンドホイールで研削加工し、室温および1400℃
で、スパン30mmの3点曲げ試験を行った。 この結果は同じく第2表の実施例2,3,4,5の各欄に示す
ように、いずれも室温での強度が高いだけでなく、高温
においても強度が低下しない高温特性の優れた焼結体で
あることが確認された。 比較例1,2,3,4 前記各実施例と同様に、平均粒径が1.0μm,酸素含有量
が1.3重量%である窒化珪素粉末に、第1表の比較例1,
2,3,4の各欄に示す焼結助剤を添加して、エタノール中
で24時間ボールミル混合を行い、乾燥の後、20MPaの圧
力で金型成形したあと200MPaの圧力でラバープレース成
形して、6×6×50mmの形状の成形体を作成した。 これを20気圧の窒素ガス雰囲気中で、第1表の比較例1,
2,3,4の各欄に示す昇温速度で1800℃まで昇温した後、
前記各欄に示す焼成条件で焼成した。このとき、1800℃
におけるかさ密度の理論密度に対する比を前記実施例と
同様にして測定した結果は第1表の前記各欄に示すとお
りであった。 次に、上記によって得られた各焼結体の理論密度に対す
るかさ密度の比,酸素含有量,各酸化物の含有量および
c/(a+b+c)は第2表の比較例1,2,3,4の各欄に示
す値となっている。 さらに、ここで得られた各焼結体を3×4×40mmの形状
にダイアモンドホイールで研削加工し、前記実施例と同
様に、室温および1400℃で、スパン30mmの3点曲げ試験
を行った。 この結果は同じく第2表の比較例1,2,3,4の各欄に示
す。 第1表および第2表に示すように、焼結助剤の添加量が
多い比較例1,2,3では、焼成後においてもこれら酸化物
の含有量が多く、しかも昇温後の1800℃におけるかさ密
度がいずれも理論密度の80%以上であるため過剰酸素が
減少しないことにより酸素用含有量が多く、したがって
焼結体のち密度が高く室温強度は高いものの高温での強
度が著しく低下したものとなっていた。また、比較例4
では焼結助剤量の割に焼成時の昇温速度が大き過ぎて過
剰酸素が減少し過ぎたため酸素含有量は低いもののc/
(a+b+c)の値が0.6未満となり、焼結性が悪く、
焼結体のち密度、室温強度、高温強度とも低いものとな
っていた。
【発明の効果】 以上説明してきたように、本発明に係る窒化珪素質焼結
体は、Si3N4−a・Re2O3−b・Al2O3−c・SiO2(ただ
し、Re2O3は1種または2種以上の周期表III a族元素の
酸化物)で表され、aが0.2mol%以上1.5mol%以下,bが
1mol%以下でかつc/(a+b+c)が0.6以上0.9以下で
あり、焼結体中の酸素含有量が1重量%以下、焼結体の
かさ密度が理論密度の95%以上である構成としたもので
あるから、室温のみならず、高温における強度の低下が
少なく、耐クリープ特性,高温強度,耐熱性,耐酸化性
などの高温特性に優れたファインセラミックス材料であ
り、高温で使用される各種構造部品の素材として好適な
ものであり、これら各種構造部品の軽量化に大きく貢献
するものである。 さらに、本発明に係る前記窒化珪素質焼結体の製造方法
は、とくに窒化珪素を出発原料とする上記焼結体の製造
方法を提供するものであるから、焼成に先立つ窒化処理
工程が省略できるという極めて優れた効果がもたらされ
る。
体は、Si3N4−a・Re2O3−b・Al2O3−c・SiO2(ただ
し、Re2O3は1種または2種以上の周期表III a族元素の
酸化物)で表され、aが0.2mol%以上1.5mol%以下,bが
1mol%以下でかつc/(a+b+c)が0.6以上0.9以下で
あり、焼結体中の酸素含有量が1重量%以下、焼結体の
かさ密度が理論密度の95%以上である構成としたもので
あるから、室温のみならず、高温における強度の低下が
少なく、耐クリープ特性,高温強度,耐熱性,耐酸化性
などの高温特性に優れたファインセラミックス材料であ
り、高温で使用される各種構造部品の素材として好適な
ものであり、これら各種構造部品の軽量化に大きく貢献
するものである。 さらに、本発明に係る前記窒化珪素質焼結体の製造方法
は、とくに窒化珪素を出発原料とする上記焼結体の製造
方法を提供するものであるから、焼成に先立つ窒化処理
工程が省略できるという極めて優れた効果がもたらされ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】次式、Si3N4−a・Re2O3−b・Al2O3−c
・SiO2(ただし、Re2O3は1種または2種以上の周期表I
II a族元素の酸化物)で表され、aが0.2mol%以上1.5m
ol%以下,bが1mol%以下でかつc/(a+b+c)が0.6
以上0.9以下であり、焼結体中の酸素含有量が1重量%
以下、焼結体のかさ密度が理論密度の95%以上であるこ
とを特徴とする窒化珪素質焼結体。 - 【請求項2】窒化珪素粉末に、焼結助剤として合計0.2m
ol%以上1.5mol%以下の周期表III a族元素の酸化物の
1種または2種以上と1mol%以下の酸化アルミニウムお
よび/または焼成過程で前記範囲の酸化物となる化合物
とを添加して成形した成形体を5気圧以上の窒素雰囲気
中で焼成し、この焼成時に1800℃までの昇温過程におい
ては焼結体のかさ密度が理論密度の80%以下を保つ昇温
速度で昇温し、その後は1800℃以上2200℃以下の温度範
囲で前記焼結体のかさ密度が理論密度の95%以上となる
まで焼成することを特徴とする請求項1記載の窒化珪素
質焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1055923A JPH07110788B2 (ja) | 1989-03-08 | 1989-03-08 | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1055923A JPH07110788B2 (ja) | 1989-03-08 | 1989-03-08 | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02233557A JPH02233557A (ja) | 1990-09-17 |
JPH07110788B2 true JPH07110788B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=13012628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1055923A Expired - Lifetime JPH07110788B2 (ja) | 1989-03-08 | 1989-03-08 | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07110788B2 (ja) |
-
1989
- 1989-03-08 JP JP1055923A patent/JPH07110788B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02233557A (ja) | 1990-09-17 |
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