JPH07110578B2 - 自動車車輪の転換手段 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の要約〕 自動車車輪をたとえば巻上機に転換する手段につき開示
し、この手段は通常の車輪保持体（６）の位置で車輪ハ
ブ（５）に螺着係合しうる延長部材（１）のキットを備
える。巻上機を形成するため、端板（８）を延長部材
（１）が巻上機のドラムを形成するように保持体（６）
を用いて部材（１）に装着することができる。

或いは、各部材は個々の端部フランジを備えて端板
（８）を省略することもできる。

さらに、部材（１）を用いて第２車輪を他の牽引用ハブ
に取付けることもできる。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、自動車の１個もしくはそれ以上の駆動車輪を
これら駆動車輪に部材を付加することにより転換する方
法および手段に関するものである。１例において、車輪
は巻上機として作用するよう転換される。また、他の例
においては、さらにホイールを追加して牽引手段を形成
するよう転換される。

〔従来技術とその問題点〕

大抵の通常の自動車において、車輪ディスクを車輪とハ
ブとの回転軸線の周囲に所定の角度配置で設けた多数の
ネジ付接続部によって各ハブに保持する。

これらのネジ付接続部は、ハブから突出するネジ付支持
体とすることができ、ナットをこれら支持体に螺着して
ディスクを固定し、或いはボルトをハブにおける穴部に
螺着係合する車輪へ貫通させることもできる。

従来、自動車のエンジン出力を用いて、ハブにボルト留
めされた巻上機を駆動する提案がなされている。これら
（たとえば英国特許第508763号，第644257号および第
1065690号）においては、一般に車輪を所定位置にした
ままネジ付接続部を用いて円筒状巻上ドラムを車輪ハブ
にボルト留めする。いずれの場合にも、ドラムは三次元
の嵩張った部品であって、明らかにその用途が制限され
る。自動車車輪の機能を拡大するには、より便利な手段
を提供することが望ましい。

〔発明の目的〕

したがって、本発明は、単なるボルト留ユニットの代り
に、複数の別個の延長部材を使用して車輪ディスクを所
定位置にある際、保持するハブを螺着すると共に、他の
機能部品を保持しかつ／または形成する手段を提供する
ことを目的とする。

この種の延長部材は、未使用の際にコンパクトに収納す
ることができかつ極めて有能である。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の一面においては、機能構造体、たとえば巻上機
を車輪ハブに形成するためのキットは、複数の別個の延
長部材を備えて、それらの第１端部を車輪もしくは車輪
ハブに対し各部材が軸方向に延在するよう螺着すること
ができ、すなわち、第２端部を車輪もしくはハブから離
間させる。これら部材の第２端部は他の機能を提供す
る。

好適具体例において、これら部材は１端部に雄ネジ部を
備えると共に他端部には雌ネジ部を備える（これら両者
は同じ直径およびネジ山である）。かくして、自動車が
支持体または開孔部のいずれを備えたハブであっても同
じ部材を使用することができる。車輪円盤の通常の螺着
手段（それぞれナットまたはボルト）を転用して、ハブ
から離間した部材のネジ付ハブに係合させると共に、こ
れに付加的部材を装着する。これら部材は６角形棒体の
本体を備えることができ、すなわち断面において六角形
ナットもしくはボルトヘッドと同一であり、通常の車輪
ディスクのネジナットもしくはボルトを固定するための
スパナによって操作しうるようにする。

このキットは、延長部材の第２端部に保持して車輪もし
くはハブと共に巻上機の端部フランジを形成する端部部
材、好ましくは円形皿状板を備えることができ、延長部
材のケージにより形成しうる巻上機のドラムは軸方向に
延在する。

代案としてまたは追加として、各延長部材は半径方向に
拡大した端部、たとえば円形の外向き端部フランジを備
えて、これら部材が別個の端部部材の必要なしに巻上機
を形成しうるようにすることもできる。

他の可能性は、端部部材を追加の自動車車輪にして、た
とえばさらに牽引用として二重車輪アセンブリを形成す
ることもできる。

他面において、本発明は、自動車車輪および／または車
輪ハブへ上記した種類の複数の延長部材を螺着しかつ必
要に応じロープと必要に応じ端部部材とを延長部材の１
個もしくはそれ以上に螺着して巻上機を形成したり、或
いは追加車輪を設けて二重車輪アセンブリを形成するこ
とにより、自動車車輪および／または車輪ハブの機能を
拡大する方法を提供する。

特に好適な方法においては、対向端部で係合する雄ネジ
部および雌ネジ部を有する延長部材を用いて、車輪を保
持するために通常使用されるネジ付ナットもしくはボル
トを取外し、その代りに延長部材を螺着すると共に取外
したナットもしくはボルトを用いて他の部材を延長部材
の突出端部に固定する。

車輪を巻上機に容易に転換して自動車の出力をロープに
かけることにより持ち上げ、牽引し或いはその他の目的
に使用しうることが判るであろう。自動車が通常の道路
もしくは表面に位置する際、自動車をジャッキで上昇さ
せて前記目的に車輪を自由回転するようにする必要があ
る。しかしながら、実現しうる重要な用途は、自動車が
エンコしたり或いは転倒したりした状態からこれを救助
することである。車輪を巻上機に転換し、巻上機からの
ロープを、たとえば樹木もしくは柱のようなアンカーに
装着すると共に、自動車を転換車輪の回転駆動によって
正常位置に復帰させることができる。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して本発明の特定具体例につき、
さらに説明する。

第１図は六角形柱体からなる本体２を備える転換部材と
しての延長部材１を示し、本体には１端部に雄ネジ部３
を設けると共に他端部に雌ネジ部４を設ける。この本体
は、たとえば高張力鋼のような頑丈な金属で作成され
る。前記両部分3,4の直径およびネジ山は同一とし、か
つ六角形柱体からなる本体２の断面寸法は、自動車の車
輪を固定するのに使用される標準の六角形ナットもしく
はボルトと同様な寸法である。本体２と部分３との間の
移行部は、慣用の集中円錐（14,第２図）として形成す
ることができる。本体２はたとえば少なくとも長さ7.5c
mの軸方向延長部材とし、この意味で使用される通常の
ナットもしくはボルトよりも極めて長いものである。

第２図は、開孔部型の車輪ハブ５に対するこれら部材の
使用を示しており、車輪ディスク13は一般に開孔部７に
螺着係合するボルト６によって固定される。

この車輪を転換するには、ボルト６（第2b図）を取外
し、雄ネジ部３を１個づつ空き開孔部７（第2a図）中へ
螺着する。雄ネジ部が全て設置されると、１列の雌ネジ
部４が開孔部７の配置および寸法と同様になる。端板８
をボルト６によって車輪ディスク13から離間した部材１
の端部に固定することができる。予め、ロープのループ
端部を下記に説明するように延長部材１の１個に滑り込
ませる。

第３図は、ハブ９がネジ付突出支持体11を有する場合、
車輪の転換用の同じ延長部材１をどのように用いるかを
示している。一般に、車輪ディスク13はこれら支持体に
対しキャップナット12によって固定される（第3b図）。
転換するには、これらを取外しかつ１個づつ延長部材１
で交換し、この場合にはネジ部４を支持体11に螺着す
る。端板８を延長部材１の雄ネジ部３におけるナット12
を用いて離間端部に固定する。

第4a図および第4b図は、前輪駆動の自動車における前輪
に対する転換の組立て順序を明瞭に示している。

第５図は、端板の正面図である。任意適当な材料（たと
えば鋼材，アルミニウム，強化プラスチック）で作成さ
れたこの端板８は、截頭円錐形の皿状部分16により包囲
された平面状の中央部15を備える。中央開孔部17はこれ
を包囲して１列の開孔部18を備え、そのそれぞれは半径
方向に延長するスロットであって、ボルト６（第2a図）
または雄ネジ部３（第3a図）を収容することができる。

第６図および第７図は、タイヤ付車輪20をロープ21を備
えた巻上機に転換する様子を示しており、ロープ21は延
長部材１の５個の本体２により形成されたケージに巻き
付けられ、部材の１個に組立てに際しロープの１端部に
おけるループ22を掛ける。勿論、ロープは組立て後に延
長部材１に固定し、或いは結び付けることができる。車
輪ディスク13および皿状端板８は巻上機の端部フランジ
を形成し、その「ドラム」は本体２のケージとなる。

通常の自動車のエンジン駆動による車輪の回転、ロープ
21を繰出し或いは牽引して目的物を牽引しまたは持上
げ、或いは自動車自身を移動させるための駆動力を供給
する。

第８図は、他の具体例を示している。巻上機用の端板と
しての端部フランジは、はたとえば参照符号８で示した
ような一体的追加端板で形成する必要がなく、延長部材
１′のそれぞれにおける端部フランジ25の列の総合作用
によって形成される。端部フランジ26を延長部材１′の
本体の他端部にボビン状となるように設ければ、これら
部材を第２図に示した種類の車輪ハブ（フランジ25は最
外部に存在する）或いは第３図の型の車輪ハブ（この場
合はフランジ26が最外部に位置する）に交換可能に用い
ることができる。

参照符号８で示した端部の代りに他の部材を車輪に固定
することもできる。この種類のものは軟質もしくは湿潤
な場所で、さらに牽引を与える第２車輪である。この第
２車輪は、第１車輪ディスク13におけると同様に配置さ
れた穴部を備える。第１車輪ディスク13に位置するナッ
ト12もしくはボルト６を取外しかつ延長部材１をその代
りに螺着し、これを第2a図もしくは第3a図の下半分に示
す。次いで、端板８の代りに、追加車輪31の穴部を延長
部材１の突出端部に位置せしめ、かつ取外されたナット
もしくはボルト６を螺着して、端部８を巻上機の例で固
定したと同様に車輪31を固定する。アセンブリを支持す
るため、円筒状の短い鋼管（図示せず）を同軸配置して
車輪間の延長部材を包囲させ、円形端縁部を各車輪ディ
スクに当接させることができる。

第９図は、本発明の自動車の救助に使用しうる各種の方
法を示している。これは、救助が容易には得られない劣
悪な遠隔地において或いは救急車もしくは軍用車につき
特に有益である。自動車27が道路から外れて転倒してい
る。そのエンジンがまだ機能していると仮定すれば、そ
の車輪の適当な１個を巻上機に変換しかつそのロープを
たとえば樹木28のようなアンカーに固定することにより
この自動車を回復させることができる。自動車29が谷間
でエンコした場合は、車輪を巻上機に転換すると共にロ
ープを便利な樹木28に取付けて救助することができる。
自動車30が軟らかい泥沼中に落込んだ場合、転換キット
は４個（または２個とすることもできる）の他の車輪31
を装着して、地面に接触する車輪表面を著しく増大させ
ることができる。

自動車32は、転換車輪からのロープを使用して自動車自
身を急傾斜33に上昇させる。

たとえば、ロープに対するプーリー，カップリングなど
の１種もしくはそれ以上の追加部材を基本的転換キット
（適当な個数の部材１と端板とロープとスパナとで構成
する）に追加することにより、転換の有能性を著しく向
上させることができる。

〔発明の効果〕

以上、本発明によれば、ハブに螺着係合する複数の別個
の延長部材を用いることにより、自動車の車輪駆動力を
利用して、困難な状態からの自動車の救助或いは牽引を
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は転換部材の斜視図、 第2a図および第2b図は、それぞれ１種の転換した正常車
輪の部分断面図、 第3a図および第3b図は他の種類のそれぞれ転換した正常
車輪の部分断面図、 第4a図および第4b図は自動車における車輪の転換の各過
程図、 第５図は一体的端板の平面図、 第６図および第７図はそれぞれ巻上機として使用する転
換車輪の半径方向断面図および正面図、 第８図は転換部材の第２の実施例における部分断面図、 第９図は転換自動車車輪を自動車自身の復帰に使用する
ための状態図である。 １……転換部材、２……本体 ３……雄ネジ部、４……雌ネジ部 ５……ハブ、６……ボルト、 ７……開孔部、８……端板 ９……ハブ、11……支持体 12……キャップナット、13……車輪ディスク 15……中央部、16……皿状部分 17,18……開孔部、20……車輪 21……ロープ、22……ループ 25,26……フランジ、27……自動車 29,30……自動車、31……車輪 32……自動車、33……急傾斜

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロープを巻き上げるために自動車の車輪の
   ハブを利用するキットにおいて、 第１端部および第２端部を備えた複数の独立した延長部
   材からなり、 前記第１端部には前記第２端部をハブから離間させるよ
   うハブにネジ係合する手段を設け、 前記延長部材の前記第１端部および第２端部の間の中央
   部分は前記ロープを巻き付けるべきケージを形成し、さ
   らに 前記延長部材のそれぞれはその前記第２端部に半径方向
   外向きに延在するほぼ円形の端部フランジを備え、これ
   により前記複数の延長部材が、前記ケージ上に巻き付け
   られたロープを保持するために、前記ハブから離間され
   かつその軸線の周りに配置され、独立したほぼ円形の端
   部フランジの列を形成することを特徴とするキット。
2. 【請求項２】各延長部材は、さらに前記第１端部にほぼ
   円形の外向き端部フランジを備え、これにより延長部材
   は、前記第１端部および第２端部の、一方には雄ネジ部
   を他方には雌ネジ部を備えて、ボビン状に形成してなる
   特許請求の範囲第１項記載のキット。
3. 【請求項３】前記各延長部材の前記中央部分は、六角形
   柱体からなる特許請求の範囲第１項記載のキット。