JPH071090U - 反物の自動巻取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反物ロールの取外しを自動的に行なうことが
出来、又途中での反物へのマーキング並びに紙管の供給
を完全自動化した反物自動巻取り装置の提供。 【構成】 互いに平行な２本の巻取りローラを有し、両
ローラに載せて反物を巻取る装置であって、片方の巻取
りローラを降下するための降下手段を備え、又ペンをス
ライドさせてマーキングするマーキング装置、さらに紙
管の自動供給装置を有す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は織物や編物の反物を自動的に巻取る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

織り機や編み機の後方には反物の自動巻取り装置が設置されていて、織編され た反物は順次巻取り装置によって巻取られ、所定の大きさになったところで取外 される。図４は従来の自動巻取り装置を表わしている概略断面図であり、２本の 巻取りローラ(イ) 、(イ) 上に反物ロール(ロ) は支持され、巻取りローラ(イ) 、(イ ) の回転とともに回転する。両巻取りローラ(イ) 、(イ) はその回転速度を同じく するためにベルト(ハ) を巻掛けしている。上記反物は紙管(ニ) に巻付いて、その 径を大きくし、所定の大きさになれば、該反物(ホ) は巻付く前に切取られ、反物 ロール(ロ) は巻取りローラ(イ) 、(イ) から降ろされる。

【０００３】 この場合、上記反物の裁断、及び反物ロール(ロ) の取外し作業は人手によって 行なわれ、特に大きな反物ロール(ロ) を持上げて巻取りローラ(イ) 、(イ) から降 ろすには２人の作業員が必要となる。そして、上記反物の裁断及び反物ロール(ロ ) の取外し作業中は織物機械を一時停止しなければならず、生産性の低下を招い ている。それに、反物には所定の長さごとにマーキングをしなければならず、こ のマーキング作業も面倒で、機械を停止して行うために生産性を悪くしている。

【０００４】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、従来の反物自動巻取り装置には上記のごとき問題がある。本考案 が解決しようとする課題はこれら問題点であって、紙管への巻取りは勿論のこと 、反物の裁断及びローラからの取外し作業、更にマーキングを全て完全自動化し た巻取り装置を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案の反物自動巻取り装置は反物を巻付けする紙管を自動供給し、紙管に巻 付けた反物ロールを自動的に取出し、又該紙管に巻付く反物には所定の長さごと にマーキングを自動的に行なうように機能する装置である。上記紙管は従来通り 並設した２本のローラによって支持され、両ローラの回転に追従して紙管が回転 し、該紙管には上記反物が巻付く。本考案では所定の大きさになったところで、 反物ロールが転がり落ちるように、一方のローラを降下させるための降下手段を 備えている。

【０００６】 ここで、該ローラの降下は他のローラ軸を中心として揺動させるものであり、 その具体的な構造は限定しない。又反物面へのマーキングはペンを反物面に当て てスライドさせて行なわれ、そのためエヤシリンダー等を用いたスライド手段を 有す。そして、反物ロールを転がり落して該反物を裁断しなければならず、その ため本装置は自動カッターを有す。さらに、本装置はロールの紙管を自動供給す るもので、上記ローラと平行状態で紙管を支持具に載せておき、該支持具から両 ローラ間へ転がり落すようにする。紙管には前以て接着剤が付着してあり、反物 は該接着剤に接着して巻付く。以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細 に説明する。

【０００７】

【実施例】

図１は経編み機１の側方に本考案の反物自動巻取り装置２を設置し、さらに反 物自動巻取り装置２から取出した反物ロールを載せるためのリフター３を配置し た状態である。経編み機１によって編成した反物は、反物自動巻取り装置２の両 巻取りローラ４ａ、４ｂに載って回転する反物ロール５に巻付き、該反物ロール ５が所定の大きさになったところで巻取りローラ４ａ、４ｂから転がり落ちて上 記リフター３に載せられ、巻取りローラ４と反物ロール５間の反物をカッターに より裁断する。

【０００８】 図２は本考案の反物自動巻取り装置２とリフター３の実施例を示している。２ 本の巻取りローラ４ａ、４ｂは互いに平行を成して水平に配置され、その長さは 反物ロール５を載せるに十分な大きさとなっていて、両巻取りローラ４ａ、４ｂ は同一方向に同じ速度で回転するため、端部にはスプロケットが取着され、両ス プロケットにはチェーンが巻掛けされている。巻取りローラ４ａは垂直に起立す る両プレート６、６に設けている軸受けに軸支されているが、他方の巻取りロー ラ４ｂは上記ローラ４ａと平行で同一高さとなるようにカム７、７によって支持 されている。

【０００９】 カム７、７は同じ形状を成して軸８の両サイドに固定され、該カム７、７の外 周には巻取りローラ４ｂの両サイドに取着したローラ９、９が接触し、軸８がモ ーター１０の駆動で回転するならばカム７、７も回動し、巻取りローラ４ｂは巻 取りローラ４ａの軸を中心として揺動降下する。プレート６、６には巻取りロー ラ４ａの軸を中心とした円弧状のガイド溝１１、１１が形成されており、巻取り ローラ４ｂはこのガイド溝１１、１１に沿って揺動することが出来る。

【００１０】 この場合、一方の巻取りローラ４ａは停止してその高さを変えないため、他方 の巻取りローラ４ｂのみがカム７、７の回動にて降下するならば、両巻取りロー ラ４ａ、４ｂに載っている反物ロール５は転がり落ちることになる。転がり落ち た反物ロール５は自動巻取り装置の付近に配置した前記リフター３に載る。同図 の１２はマーキング装置を示し、該マーキング装置１２によって経編み機１を停 止することなく所定の長さごとに反物面にマーキングすることが出来る。

【００１１】 このマーキング装置１２はペン１３を有し、該ペン１３はエヤシリンダー１４ によって前進・後退動することが出来、前進してペン先が反物に接したところで ガイド１５に沿ってスライドし、該反物にマーキングする。マーキング中は巻取 りローラ４ａ、４ｂの回転は停止して反物を巻取らず、該反物の所定位置に直線 を引くことになる。勿論、巻取りローラ４ａ、４ｂの回転を停止しないでマーキ ングしてもよい。一般に反物ロール径が 500mm程度の大きさとなれば、途中で３ 〜４回のマーキングが行なわれるが、本装置の場合は経編み機１は停止しない。

【００１２】 反物ロール５が所定の大きさになったならば、一方の巻取りローラ４ｂを降下 して該反物ロール５を転がり落すことになるが、リフター３に載った状態で巻取 りローラ４との間にある反物はカッター１６によって裁断される。カッター１６ は出口側に位置し、巻取りローラ４に平行してスライドし、反物を裁断する。こ の裁断装置は従来のものであるため、詳細な説明は省略するが、裁断されて、巻 取りローラ４ａ、４ｂ上には反物２３が残され、この反物２３を下にして巻取り ローラ４ａ、４ｂの上には新たな紙管１８が載せられ、再び該紙管１８に反物２ ３が巻付く。

【００１３】 ここで、上記紙管１８は巻取りローラ４ａ、４ｂの両サイド付近に取着した支 持具１７、１７にその両端が支持され、該支持具１７、１７が降下することで、 支持具１７、１７に近接して配置した押上げプレート２０により紙管１８が押出 されて巻取りローラ４ａ、４ｂ上に転がり落ちる。図３は支持具１７に紙管１８ を収納した状態の断面を示しているが、支持具１７の底１９は傾斜していて、そ のため紙管１８は傾斜底１９に沿って片側（巻取りローラ側）へ寄せられている 。

【００１４】 この状態で支持具１７が降下するならば、所定位置に固定されている押上げプ レート２０の上端に紙管１８が当たって、該紙管１８は押上げられる。押上げプ レート２０の上端は傾斜しているため、支持具１７の出口２１まで上昇した紙管 １８は傾斜した前垂れ２２に沿って転がり、両巻取りローラ４ａ、４ｂの間に落 下する。巻取りローラ４ａ、４ｂ上には裁断された状態の反物２３が載っており 、上記紙管１８はこの反物２３上に落下する。紙管１８の表面には接着剤が付着 しているため、両巻取りローラ４ａ、４ｂが回転するならば紙管１８は回り、反 物２３は該紙管１８の接着剤に接着して巻付くことが出来る。

【００１５】 ここで、支持具１７の昇降動手段は特に限定せず、たとえば、図３に示すよう に支持具１７の下方へネジ軸２４を延ばし、定位置にて回転するナットに螺合さ せ、ネジ軸２４は回転することなくナットのみ回転させるならば該ネジ軸２４は 昇降動することが出来る。又エヤシリンダーのピストンロッド先端に上記支持具 １７を取着して昇降動させることも可能である。

【００１６】 一方、前記巻取りローラ４ｂの降下手段は図２に示す実施例ではカム７を用い ているが、該カム７に限らない。他の降下手段としてはリンク機構を用いたり、 ギヤ機構を利用することが出来る。以上述べたように、本考案の反物自動巻取り 装置は片方の巻取りローラを降下可能とし、紙管の自動供給装置並びに反物への 自動マーキング装置を備えたものであり、次のような効果を得ることが出来る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の反物自動巻取り装置は反物を自動巻取りすることは勿論のこと、巻取 られた反物ロールは片方の巻取りローラを降下させることにより転がり落してリ フターに載せることが出来る。そして、反物へのマーキングも自動的に行ない、 さらに紙管の供給も自動化されていて、両巻取りローラ上に載った紙管には反物 が巻付けられ、一連の巻取り作業から取外し作業を完全自動化されている。した がって、作業員を必要としないのみならず、反物ロールの取外しや反物へのマー キング時に織編機を停止することなく、生産性の向上にも大きな効果をもたらす 。

【図面の簡単な説明】

【図１】経編み機と本考案の反物自動巻取り装置及びリ
フターを配置した状態。

【図２】本考案の反物自動巻取り装置の外観を示す実施
例。

【図３】紙管の供給装置。

【図４】巻取りローラ上に載っている反物ロール。

【符号の説明】 １ 経編み機 ２ 反物自動巻取り装置 ３ リフター ４ 巻取りローラ ５ 反物ロール ６ プレート ７ カム ８ 軸 ９ ローラ 10 モーター 11 ガイド溝 12 マーキング装置 13 ペン 14 エヤシリンダー 15 ガイド 16 カッター 17 支持具 18 紙管 19 底 20 押上げプレート 21 出口 22 前垂れ 23 反物 24 ネジ軸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 織り機又は編み機に近接して設置され、
   ２本の水平で平行な巻取りローラを有して、両ローラの
   回転とともに反物を巻取る装置において、上記巻取りロ
   ーラは同一方向に同じ速度で回転するように連動され、
   片方のローラを降下させるための降下手段を備え、出口
   側には巻取りローラに平行して移動するカッターを有
   し、又巻取られる反物にマーキングをするためにペンを
   スライドさせ得るマーキング装置を備えたことを特徴と
   する反物の自動巻取り装置。
2. 【請求項２】 巻取りローラの両サイドに紙管の端を支
   える支持具を設け、支持具の底はローラ側へ傾斜し、出
   口には前垂れを傾斜して設け、又該支持具に近接して上
   端を傾斜した押上げプレートを取着し、該押上げプレー
   トによって支持具に収納した紙管を押上げて巻取りロー
   ラ上に転がり落下するようにした紙管の自動供給装置を
   備えた請求項１記載の反物の自動巻取り装置。