JPH07108248A - 重金属含有灰の処理方法 - Google Patents

重金属含有灰の処理方法

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JPH07108248A
JPH07108248A JP5275996A JP27599693A JPH07108248A JP H07108248 A JPH07108248 A JP H07108248A JP 5275996 A JP5275996 A JP 5275996A JP 27599693 A JP27599693 A JP 27599693A JP H07108248 A JPH07108248 A JP H07108248A
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JP
Japan
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heavy metal
mixture
iron
acid
ferrite
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Withdrawn
Application number
JP5275996A
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English (en)
Inventor
Makoto Kitano
誠 北野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 都市ごみ、産業廃棄物などの固型廃棄物の焼
却によって排出される焼却灰や、排ガス集塵灰等の重金
属含有灰を無害化処理する。 【構成】 重金属含有灰に水を加え、酸もしくはOH基
を含むアルカリを加えてpHを9〜12にした後、酸及
び2価鉄を加えてpH6.0〜8.5にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は都市ごみ、産業廃棄物
などの固形廃棄物の焼却によって排出される焼却灰や、
排ガス集塵灰等の重金属含有灰の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物排出量の増加と焼
却率の増加に伴い、焼却廃棄物である焼却灰や排ガス集
塵灰の発生量が増え、その中に含まれる重金属が新しい
環境汚染源として注目を集めている。これら灰廃棄物の
うち特に排ガス集塵灰は水銀、亜鉛、鉛などの低沸点重
金属を多く含有し、これらが環境に放出された場合雨水
等に溶解し溶出するため、その防止技術が種々開発され
てきた。たとえば、「環境施設」No.21(198
5)p.79〜84に記載されているようにコンクリー
トと混練して固化する方法や、灰より水抽出した重金属
を炭酸ガスと反応させて炭酸塩化する方法、アスファル
トと混合させて固化させる方法及び特公昭61−471
54に示される重金属含有灰に鉄塩及びアルカリを添加
し、加熱することでフェライト化する方法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記コンクリートと混
練して固化する方法は、必要とする設備が簡単で維持管
理が容易である長所がある一方、成形直後の強度が弱い
ため養生設備が必要であるし、成型品は酸に対して弱
く、日本に於ける判定基準である環境庁告示第13号
(産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方法)では溶出
試験値を達成出来ても、これより酸性が強い水溶液で抽
出する欧・米の溶出試験では溶出し易くなる傾向を示
す。更に、コンクリート固化法は添加剤としてコンクリ
ートや水を添加するため固化後の重量が1.5〜2倍程
度に増加し、最終処分地である埋立場への搬送が大変で
あり、又用地確保難を考慮すると大きな欠点を持ってい
ると言える。また、フェライト化する方法は、操作pH
が9〜12程度であるが、このpH範囲ではフェライト
粒子の表面に水酸化の成長反応が進行し、フェライトの
磁気による回収が阻害されていた。
【0004】炭酸塩化する方法は、集塵灰をまず水に溶
解させて溶出し易い重金属類を溶出させ、この重金属含
有廃液に炭酸ガスを吹き込み中和炭酸塩化することで固
型物として重金属類を分類する方法である。しかし、こ
の方法では重金属類を凝集沈澱した後の廃液にも若干の
重金属類や化学的酸素要求量成分(COD)等をなお含
有するため、高価な排水処理設備を必要とする。加え
て、炭酸ガス源として排ガス中の炭酸ガスを直接重金属
含有灰に吹き込むため排水の温度が上昇し、排水処理に
悪影響を与える場合が多々有る。
【0005】最後にアスファルト固化法は、アスファル
トと灰分とを加熱状態で混練し成型固化する方法であ
り、乾式処理のため排水対策が不要である長所がある一
方、アスファルトは加熱処理が必要で脱臭対策や排ガス
処理対策を必要とする。また成型固化品は熱に弱く、こ
のため溶出値を確保することが難しい。
【0006】この様に従来法には一長一短があり、日本
に於ける都市ごみ発生量の増大及び焼却率の増加に伴い
増大する焼却廃棄物の無害化処理に対応出来なくなって
きている。また、溶出試験法が欧米並みの酸性水溶液で
実施される様な事態になった場合、従来法では基準値を
満足出来ないのは明白である。従って、無害化処理に
際し、重量及び容量の増加が極力小さい方法であるこ
と、無害化処理に際し、廃水が発生しない方法である
こと、欧米並みの酸性水溶液で抽出する溶出試験に於
いても十分基準値を満足すること、という条件を満たす
重金属含有灰の処理方法の開発が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重金属
含有灰に水、必要に応じて酸又はアルカリを加え、混合
物のpHを9〜12とした後、酸及び2価鉄を加えてp
H6.0〜8.0の範囲においてフェライト化すること
を特徴とする重金属含有灰の処理方法である。
【0008】
【作用】廃棄物中の重金属は混練用の水及び必要に応じ
てアルカリ又は酸を添加することでpH9〜12とする
ことで水酸化物となる。この湿状態の混合物に対し、酸
と2価鉄を加えて両者を均一に混合物中に分散させる。
この混合物のpHを6.0〜8.5に調整することによ
り、混合物中の2価鉄は次第に結晶化してフェライトに
変わってゆく。また、この反応速度を早めるためにこの
混合物温度を50〜95℃程度に加熱すれば、迅速に反
応は進む。フェライトとは化学式でMFe24 (M:
Fe,Zn,Pbなどの金属)で表される。本法では、
廃棄物中に含まれる重金属がまず酸性水に溶出された
後、イオン化した重金属が上記混合物中の2価鉄と反応
してフェライトといわれる鉄酸化物の結晶格子を形成し
てゆく過程で、重金属が本来鉄の原子が占めるべき位置
に鉄に代わりに取り込まれて固定化される。上記のフェ
ライト化反応で成長した粒子は、その表面に水酸化物を
被膜されていない純粋なものであるため磁石で回収可能
である。
【0009】添加物の量であるが、水分は湿量基準の含
水率で10〜50%になる様添加すれば均一にスラリー
状になり、重金属が酸性水側へ均一に溶解する。更にこ
の含水率程度であれば混合に用いる設備の操作上扱い易
く好適である。
【0010】次に加える薬剤であるが、酸であれば硫酸
や塩酸などの鉱酸、アルカリであればOH基を含む消石
灰、苛性ソーダなどが良い。この混合物の水素イオン濃
度pHが9〜12になる様にした後、酸及び2価鉄を加
えてpH6.0〜8.5の範囲でフェライト化反応を行
う。このpH範囲内であれば好適にフェライトを生成
し、重金属はフェライト中に固定される。なお、先の水
と鉱酸を鉱酸水溶液又アルカリと水をアルカリ水溶液と
して添加してもかまわない。
【0011】一方、2価鉄は硫酸鉄(II)、塩化鉄
(II)の粉末あるいは水溶液の状態で添加すれば良
い。その添加量は廃棄物中の重金属量に比例して変わる
が、通常の都市ごみ焼却設備の集塵灰であれば1kgの
灰に対し硫酸鉄(II)(FeSO4 )換算で10〜4
0gで十分である。ただ、重金属の含有量形態によって
添加量は異なるため、目安としてフェライトの化学式M
Fe24 から計算出来る必要量の近傍で予備テストを
実施し、最適量を決めると良い。添加量が少なすぎる場
合は固定化されず、一方多い場合は処理コストが高くな
るだけで機能的には問題無い。
【0012】この様にして調整した混合物を混合物の温
度50〜95℃に維持して2〜5時間酸素存在下で混練
するとフェライト化は終了する。温度が50℃より低い
場合はフェライト化反応は遅いが機能的には問題ない。
95℃を超えると水分の蒸発が激しくフェライト化が不
安定になるので好ましく無い。また、フェライト化には
酸素が必要であり、通常は大気中の酸素で十分であるた
め、連続的あるいは間欠的に混合物を攪拌させて酸素と
の接触を十分にする必要があるが、ロータリーキルン程
度の混合でも十分である。
【0013】
【実施例】表1に示す重金属を含有する焼却炉集塵灰5
3gに対し、pHが9.5になるように1:1硫酸水溶
液5ml、水20mlを加え蒸発皿中で約10分間攪拌
した。この中へ硫酸鉄(II)の7水和物15%水溶液
20ml及び1:1硫酸水溶液0.5mlを入れ、再び
同様に約10分間攪拌した。この混合物のpH(灰:純
水=1:9重量比)が6.5であったので、この蒸発皿
を90℃温浴につけて混合物温度が70℃になるように
した。
【0014】
【表1】
【0015】このようにした後、注水しながら15分毎
に1分間内容物を攪拌し、計3時間フェライト化を進め
た。その後内容物を80℃恒温炉で乾燥させて水分を飛
ばし、この乾燥物を溶出試験に供した。
【0016】溶出試験法は環境庁告示第13号(197
3年)及びアメリカで定められている方法(Toxic
ity Characteristic Leachi
ngProcedure)を用いた。重金属溶出試験結
果を表2、表3に示す。表2は環境庁告示第13号に定
める溶出試験結果、表3は前述のアメリカで定められて
いる溶出試験結果を示す。また、このようにして生成し
た乾燥物を粉砕して0.1mm以下の粒子とした後、永
久磁石を用いてフェライトを磁気分離したところ投入鉄
の約90%が回収された。また、このフェライト中には
集塵灰中の(Pb+Zn)の約80%が存在していた。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表中のデータにあるように、本発明では全
ての項目で海洋投棄基準をクリアーしたのに加え、従来
法では溶出防止不可能なPbに対しても効果的に作用し
た。また、アメリカで定められている方法では、従来法
では重金属溶出量が増えているのにもかかわらず、本発
明では溶出量は維持され、酸性水溶液での抽出において
も十分に基準値を満足できることを立証した。
【0020】
【発明の効果】本発明法により処理した固化物からの重
金属の溶出は、強い酸性水溶液で抽出しても従来の種々
の方法に比較して少なく、長期にわたり安全性の高い無
害化が可能になる。また、添加物の量が従来の方法と比
べ少なく、重量の増量は殆ど無視出来る。さらに、本発
明を実施するためには、従来法に必要な排水処理設備、
養生設備、脱臭設備、排ガス処理設備が不要であり、コ
ンパクトな設備構成で実施可能である。そして、生成し
たフェライトは磁性を持っているため磁選機で容易に分
別出来、Zn、Pbなどを含有するフェライトを分離し
て重金属含有スラッジを減量化することが可能である。
一方、鉄の再利用も原理的に可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属含有灰に水を加え、酸もしくはO
    H基を含むアルカリを加えてpH9〜12にした後、酸
    及び2価鉄を加え、この混合物のpHを6.0〜8.5
    にすることを特徴とする重金属含有灰の処理方法。
JP5275996A 1993-10-08 1993-10-08 重金属含有灰の処理方法 Withdrawn JPH07108248A (ja)

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JP5275996A JPH07108248A (ja) 1993-10-08 1993-10-08 重金属含有灰の処理方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152126A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Miura Co Ltd カドミウム溶出抑制剤およびカドミウム溶出抑制方法
JP2014033988A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Takenaka Doboku Co Ltd フェライト化処理を用いた重金属汚染土壌中の重金属含有量低減化方法

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