JPH07107104B2 - 炭素繊維強化複合材料用の柔軟性中間材及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化複合材料用の柔軟性中間材及びその製造方法

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JPH07107104B2
JPH07107104B2 JP62302124A JP30212487A JPH07107104B2 JP H07107104 B2 JPH07107104 B2 JP H07107104B2 JP 62302124 A JP62302124 A JP 62302124A JP 30212487 A JP30212487 A JP 30212487A JP H07107104 B2 JPH07107104 B2 JP H07107104B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、炭素繊維強化複合材料(C/Cコンポジット)
を製造する過程で、その焼成過程前に成形されるCFRPの
成形加工を効率化するためのC/Cコンポジット用に開発
された全く新規な予備的形態、いわゆる柔軟性中間基材
及びその製造方法に関するものである。
(従来技術) 一般にC/Cコンポジットの製造方法には、炭素繊維織物
又は炭素繊維成形物に樹脂を含浸して成形硬化した後焼
成するレジンチャー法や、炭素繊維織物などに樹脂粉末
をまぶしてホットプレス成形し、その後焼成するホット
プレス法などが知られている。
また、C/Cコンポジットの製造における炭素化時に生じ
た成形体のポアや、微少クラックを補う方法として、含
浸処理や、CVD法などが知られている。
更に、C/Cコンポジットの製造方法には、熱硬化性樹脂
と炭素繊維を複合したCFRPを焼成する方法がある。かか
るCFRPを製造するための中間材として、プリプレグとい
うものが開発されている。かかるプリプレグには、多数
の繊維を引揃えたものに連続的に樹脂(B−ステージ)
を含浸することにより樹脂の粘着力で引揃え状態が保持
された一方向プリプレグや、炭素繊維織物に樹脂を含浸
させたプリプレグがある。しかし、これらの中間材は、
半硬化の樹脂を含浸させているために、べとつきがあ
り、また柔軟性がなく、張合せや積層をすることによる
他、成形が容易でない。さらにべとつきがあることがそ
の後の後成形を容易としているため、このべとつきを保
持するために中間材の保存には限界があり、長期間の保
存は不可能であった。また、当該プリプレグは、CFRPの
製造に用いられる中間材であり、C/Cコンポジット用の
中間材は全く存在しなかった。
(発明が解決しようとする問題点) 上記レジンジャー法及びホットプレス法は、繊維の中に
樹脂が均一に分散することが難しく更に焼成時において
樹脂と繊維の収縮差によりポアや微少クラックが発生
し、繊維の補強効果を十分に発揮できなかった。
また、含浸処理やCVD法は工程が煩雑であり、C/Cコンポ
ジット製造のコスト高の原因にもなっていた。また、C/
Cコンポジット中の炭素繊維含有量(Vf)のコントロー
ルが難しく、製品の品質の一定化が困難であるという問
題点があった。
更にCFRPを製造するためのプリプレグ中間材を用いて成
形したCFRPを焼成してC/Cコンポジットを製造した場合
も、これらの中間材はC/Cコンポジットを製造するため
のものではないため、炭素化時に変形やポアが発生し、
満足のゆく物性を有したC/Cコンポジットの製造は困難
であり、そのため含浸処理やCVD処理が必要となり、工
程が煩雑となるという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意研究の結果、従
来のサイジングされた炭素繊維束と同様にあらゆる形状
に成形可能である柔軟性複合中間材を知見し、本発明を
達成するに到った。
本発明の柔軟性中間材はC/Cコンポジットを製造するた
めに専用に開発された全く新規なものである。
すなわち、本発明は縮合多環多核芳香族(COPNA)樹脂
(B−ステージ粉末)が包含された炭素繊維束、不融化
有機繊維束又は熱処理不融化有機繊維束を芯材とし、そ
の周囲に熱可塑性繊維及び/又はフイルムのラッピング
を施し、必要に応じて更にその周囲に熱可塑性スリーブ
を有する柔軟性複合中間材に関するものである。
本発明に用いるBステージ樹脂は、縮合多環多核芳香族
(COPNA)樹脂であり、フローテスター法における軟化
点が50〜350℃である熱硬化性を有するものを使用す
る。
上記COPNA樹脂は石油系ピッチ、石炭系ピッチ、芳香族
炭化水素化合物の重縮合によって得られる合成ピッチか
ら選ばれる1種又は2種以上のピッチを少なくとも主原
料として芳香族架橋剤をもちいて合成されたものであ
り、すなわち、 (イ)主として二環以上の縮合多環芳香族化合物、 (ロ)ヒドロキシメチル基若しくはハロメチル基のいず
れか少なくとも一種の基を二個以上有するか、又はアル
デヒド基又はカルボキシル基のいずれか少なくとも一種
の基を一個以上有する一環または二環以上の芳香環から
成る芳香族架橋剤、 (ハ)酸触媒、 前記(イ)(ロ)(ハ)の混合物、もしくは前記(イ)
(ロ)(ハ)の混合物を加熱反応させて得られるもので
ある。
芳香族架橋剤には、例えばp−キシリレングリコール、
2,5-ジメチル‐1,4-ベンゼンジメタノール、ベンズアル
デヒド又はテレフタルアルデヒド等が用いられる。これ
らの架橋剤は、硬化した樹脂が約450℃付近でそのメチ
レン結合及び/又はメチン結合を開裂することによる再
軟化の度合いを調整するのに適している。
更に必要に応じてかかる再軟化の度合いを調整するため
に二環又は三環の芳香族にメチル基を有する化合物を含
有する添加剤、例えばメチルナフタレン、これを含有す
るタールや組成物なども樹脂を合成する時に添加するこ
とができる。
さらに、上記COPNA樹脂には原料ピッチの他にコークス
粉、カーボンブラック、黒鉛などの骨材を添加して合成
することも可能である。
上記、COPNA樹脂は得られる柔軟性中間材の成形方法に
応じて適当な軟化点やゲルタイムを有するBステージ樹
脂を調製することができ、炭素繊維強化複合材料用の柔
軟性中間材のBステージ樹脂として好適である。
かかるCOPNA樹脂は炭素化収率50%以上、好ましくは60
%以上の値を有するものである。50%未満では炭素化時
の樹脂の収縮率が大きくポアが生じ、良好なものが得ら
れない。
次いで当該樹脂を粉末状にし、その粉末径は30μm以
下、好ましくは20μm以下である。30μmより大きいと
繊維に均一に分散することが困難となり好ましくない。
粉末状にした樹脂を流動化させる。流動化は常法に従っ
て行うことができる。例えば、容器の底部に圧力損失を
有するフェルト等の分散板を設けた容器に当該粉末樹脂
を入れ、分散板の下からガスで加圧することによりガス
を微小な気泡とし、該気泡が分散板より発生することに
より当該樹脂粉末を流動させる方法がある。更に、必要
に応じて、COPNA樹脂粉末の流動を均一にするため、攪
拌羽を設けることも可能である。ここで、流動化に使用
するガス又は雰囲気は、空気又は窒素等の非酸化性雰囲
気ガスであればよく、好ましくは乾燥した非酸化性ガス
がよい。
次いで、上記樹脂粉末を流動化させた流動層中に繊維束
を入れる。繊維束としては炭素繊維束、不融化有機繊維
束又は熱処理不融化有機繊維束のいずれを用いてもよ
い。これにより樹脂粉末が繊維に均一に分散することが
でき、特に上記した如くCOPNA樹脂合成時に必要に応じ
てコークス又は黒鉛等の骨材等を添加した場合でも樹脂
を粉末状にして流動化させるため、粉末された樹脂は単
一種類の粒子となり流動層にて樹脂を包含する際、均一
な流動を行うことができる。このため、繊維に均一に分
散することが可能であり、ピッチ粉末やコークス粉末等
を流動過程で繊維束に包含する方法よりも優れている。
上記不融化有機繊維には石油系ピッチ、石炭系ピッチ、
リグニン系ピッチ、芳香族系合成ピッチからなる群より
選ばれるピッチを紡糸し、次いで不融化して得られた繊
維又はポリアクリロニトリル(PAN)繊維、レーヨン繊
維を耐炎化して得られた繊維又は硬化したフェノール繊
維若しくはCOPNA繊維が含まれる。また上記熱処理不融
化有機繊維束は、前記繊維を非酸化性雰囲気中にて、15
0〜800℃にて熱処理を行ったものである。
非酸化性雰囲気には、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン
等から成る群より選ばれる一種あるいは二種以上の混合
雰囲気又は減圧真空下が挙げられる。また、かかる温度
範囲で熱処理することによりC/Cコンポジット成形にお
ける炭素化時に樹脂との密着が良好なものが得られる。
当該樹脂粉末を流動層により包含した繊維束を、熱可塑
性繊維及び/又はフイルムでラッピングする。ラッピン
グは合成繊維製造時において用いられる一般的な方法に
従う。例えば、ラッピング繊維やラッピングフィルムの
まかれた中空スピンドルを高速で回転させ、その中空ス
ピンドルの中央に上記樹脂粉末を包含した繊維束を通過
させることによりラッピングを行うことができる。かか
る工程により包含されている樹脂粉末を繊維束に固定す
ることができる。更に、毛羽の多い繊維もラッピングさ
れることができ、これにより繊維束の毛羽をうまくつつ
み込むことが可能で、その後の織物機にかける時のハン
ドリング性が向上できる。
ラッピングに用いる繊維及び/又はフィルムは熱可塑性
である全ての樹脂からなる繊維及び/又はフィルムを用
いることができ、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、
ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールからなる群より選
ばれる一種又は二種以上の化合物が含まれる。
ラッピングは一方向のみならず、交差して施してもよ
く、これらを一例を第1図及び第2図に示す。
ここで用いられる「熱可塑性」の語の意には、本来の熱
可塑性の樹脂のみならず、熱硬化性樹脂ではあるが一定
温度に達すると可塑化する樹脂も含まれる。
更に、必要に応じて、ラッピングした繊維束を、電線加
工機とインフレーション加工機を組み合わせた一般的な
方法に従って熱可塑性樹脂スリーブを設けることも可能
である。
かかる場合、繊維束にラッピングが施されているため、
スリーブを設けるノズル・ダイス部分での繊維毛羽によ
るトラブルや樹脂の軟化も困難なく行うことができる。
また、スリーブ樹脂としては、押出し後も熱可塑性であ
る全ての樹脂が適しており、例えば、ポリアミド、塩化
ビニリデン、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリカーボネート、
ポリメタクリル、ポリフッ化ビニリデンから成る群より
選ばれる一種又は二種以上の化合物が含まれる。
ここで、スリーブを設けた中間材の一例を第3図に示
す。
また、ラッピング樹脂やフイルム、スリーブ樹脂は、柔
軟性中間材を加熱成形する際に、溶融し、成形可能であ
る樹脂であれば、一般にいわゆる熱可塑性樹脂に限定す
るものではなく、上記樹脂の他にある種のポリウレタン
や、ポリエステルも含まれる。
特に本発明においてはポリアミド樹脂が好ましく、6−
ナイロン、6,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロ
ン、6,10−ナイロン、や、これらの混合物が用いられ
る。
さらに66−ナイロン塩とε−カプロラクタム(6−ナイ
ロン)を高温高圧下に共縮合させた共重縮合ポリアミド
は、低軟化点を有する物が得られ、スリーブ樹脂として
最も適している。
本発明の柔軟性中間材は、従来のサイジングされた炭素
繊維束と同様に織り物に成形したり、あらゆる形状に成
形でき、特に、該中間材は、三次元織物等にも適してい
る。従来は、炭素繊維で三次元織物を織ってから樹脂を
織物中に含浸させてC/Cコンポジットを製造していた
が、かかる方法は主に低粘度で、炭素化収率の低い樹脂
しか含浸が容易でなく、炭素化後の再含浸を必要にする
等の問題があった。本発明の中間材は織物とする中間材
に必要な樹脂を全て含有しているため、三次元織物のよ
うな複雑で樹脂を効率よく含浸しにくいものにも適して
いる。
成形後、ラッピング繊維及び/又はフイルムやスリーブ
樹脂の軟化する温度に、ドライヤーなどで熱風をあて
て、樹脂を軟化させ、中間材同志を融着させ、形状を固
定し、プリフォームとすることもできる。
C/Cコポジットを製造する最終成形は、ホットプレス法
を用いるのが好ましい。
中間材中に包含されたCOPNA樹脂粉末は、その軟化点以
上の温度で溶融し、繊維間に密着して含浸され、続く加
熱で硬化することとなる。周囲のラッピング繊維及び/
又はフィルムやスリーブ樹脂等も加熱によって軟化し一
体化する。続いて約450℃の付近でCOPNA樹脂のメチレン
結合及び/又はメチン結合の開裂によりマトリックスが
再軟化するため、これによりマトリックスは完全に均一
なものとなり強化繊維の周囲に緻密な均質なマトリック
スを形成することができる。その後、非酸化性雰囲気に
て焼成することによって、炭素化後の再含浸を必要とす
ることなくあらゆる形状のC/Cコンポジットを得ること
ができる。このことからホットプレス法を使用する場
合、COPNA樹脂の再軟化温度においてプレスするのが好
ましい。
(実施例及び比較例) 以下本発明を実施例及び比較例により説明する。
実施例1 軟化点220℃の石炭系ピッチにα−メチルナフタレンを4
0重量%加え、230℃で混合し、軟化点80℃の混合物を得
た。
この混合物に、p−キシリレングリコールを55重量%添
加後、両者の混合物に対し、p−トルエンスルホン酸を
9重量%添加し、120℃で40分間反応させ、BステージC
OPNA樹脂を得た。
得られたCOPNA樹脂(Bステージ)を10μm以下に粉砕
し、攪拌羽をもうけた流動層中に入れ、空気を送り込み
流動させた。
この中に、1000フィラメントのPAN系炭素繊維を100m/分
の速度にて通過させ、流動層出口にて、3.5mm幅の6−
ナイロンフイルムテープにてラッピングした。
次いで、得られた中間材を8朱子織物としてドライヤー
で表面を加熱してナイロン樹脂を溶融して、中間材同志
を融着させて織物がばらつけないように形状を固定し
た。続いて、10cm角に切り出し、60枚を重ねて同型の金
型に入れ、ホットプレスにて成形した。成形は、160℃
より昇温し、30kg/cm2の圧力にて加圧し、200℃にて1
時間保持して硬化させた。次いで、4℃/分にて昇温
し、450℃にて圧力を下げ、ガスぬきを行った後100kg/c
m2に昇圧して、570℃まで加熱した。その後ホットプレ
スより取り出し、非酸化性雰囲気下で920℃まで昇温し
炭素化を終了して、100mm×100mm×10mmのC/Cコンポジ
ットを得た。
当該C/Cコンポジットの曲げ強度は2050kg/cm2、層間せ
ん断強度は780kg/m2であった。
実施例2 軟化点94℃の石炭系ピッチと10μm以下に粉砕した石炭
系生コークスを等量づつ粉体混合したものに、2,5−ジ
メチル−1,4−ベンゼンジメタノールを55重量%添加
後、両者の混合物に対し、9重量%のp−トルエンスル
ホン酸を添加し、130℃で90分間反応させBステージCOP
NA樹脂を得た。
得られたBステージCOPNA樹脂を10μm以下に粉砕後、
流動層にて流動させた。次いでこの中に、1000フィラメ
ントの石油ピッチ系の不融化有機繊維を窒素雰囲気中で
500℃にて30分間熱処理した熱処理不融化有機繊維束を5
0m/分の速度にて通過させ樹脂粒子を包含した繊維束を
流動層の出口にて、6−ナイロン繊維にてラッピングし
た。
その後一軸スクリューをそなえた押出し機を用いて、6
−ナイロンペレットを原料として220℃の温度で、該6
−ナイロンを毎分6.4gを送り出し、極めて薄いスリーブ
をほどこした。
以下実施例1と同様に行ってC/Cコンポジットを得た。
その曲げ強度は3200kg/cm2、層間せん断強度は900kg/cm
2であった。
実施例3 軟化点64℃の石炭系ピッチ(平均分子量400)と架橋剤
としてベンズアルデヒドを、モル比にて、ベンズアルデ
ヒド/石炭系ピッチ=2.0の割合で混合した。
次いで、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸を、p−
トルエンスルホン酸/ベンズアルデヒド=0.5のモル比
にて添加した。
この混合物を、160℃にて、6時間攪拌しながら重合反
応を行い、BステージCOPNA樹脂を得た。
得られた樹脂を10μm以下に粉砕後、流動層にて、流動
させ、次いで、この中に1000フィラメントの石油ピッチ
系炭素繊維束を50m/分の速度にて通過させ樹脂粒子を包
含した炭素繊維束を流動層の出口にてポリ塩化ビニリデ
ンフイルムをラッピングした。
以下実施例1と同様に行ってC/Cコンポジットを得た。
その曲げ強度は1800kg/cm2、層間せん断強度は850kg/cm
2であった。
実施例4 軟化点64℃の石炭系ピッチ(平均分子量400)と架橋剤
としてテレフタルアルデヒドを、モル比にて、ベンズア
ルデヒド/石炭系ピッチ=2.0の割合で混合した。
次いで、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸を、p−
トルエンスルホン酸/テレフタルアルデヒド=0.5のモ
ル比にて添加した。
この混合物を、160℃にて80分攪拌しながら重合反応を
行い、BステージCOPNA樹脂を得た。
得られたBステージCOPNA樹脂を10μm以下に粉砕後、
流動層にて流動させた。次いでこの中に、1000フィラメ
ントの石油ピッチ系の不融化有機繊維を窒素中で550℃3
0分間熱処理した熱処理不融化繊維束を50m/分の速度に
て通過させ樹脂粒子を包含した炭素繊維束を流動層の出
口にて、6−ナイロン繊維にてラッピングした。
つづいて一軸スクリューをそなえた押出し機を用いて、
6−ナイロンペレットを原料として220℃の温度で、該
6−ナイロンを毎分6.4gを送り出し、極めて薄いスリー
ブをほどこした。
以下実施例1と同様に行ってC/Cコンポジットを得た。
その曲げ強度は3500kg/cm2、層間せん断強度は1000kg/c
m2であった。
比較例1 実施例1で用いたCOPNA樹脂のかわりに軟化点250℃の石
油系ピッチとカルサインコークスを等量づつ混合し、10
μm以下に粉砕したものをマトリックス樹脂として、実
施例1の流動層にて流動させ、1000フィラメントのPAN
系炭素繊維通過させ、続いて、6−ナイロンフィルムテ
ープをラッピングして中間材を得た。
以下実施例1と同様に行ってC/Cコンポジットを得た
が、その曲げ強度は1300kg/cm2であり、一方、層間せん
断強度は120kg/cm2と極めて低く、強化繊維とマトリッ
クスの接着が充分とはいえないものであった。
比較例2 実施例2における流動層出口における6−ナイロン繊維
のラッピング工程を省略して、直接6−ナイロンスリー
ブをかける以外は実施例2と同様に行った。不融化有機
繊維の熱処理繊維束は、まだ完全に炭素化を終了してい
ないため、十分な強度が発現しておらず、従ってナイロ
ンスリーブ押出し機のノズル内部で多量の毛羽が発生
し、中間材の製造が困難となった。
(発明の効果) 本発明の中間材を用いた複合材は、熱硬化性樹脂である
COPNA樹脂のBステージ樹脂粉末を繊維束中に包含して
いるため、加熱成形時に樹脂が繊維束の中まで均等に含
浸するため、成形体の内部の含浸むらや、ポアを生じる
ことがなく、均質な複合材を得ることができる。また、
繊維束に包含する樹脂粉末の量をコントロールできるた
め、複合材の繊維含有量(Vf)の調整が容易であり、得
られる中間材のVfはラッピング方法やラッピング繊維及
び/フィルムあるいは被覆装置の通糸速度や、粒子の流
動状態にてコントロールできる。
また、本中間材は、強化繊維を芯材として、樹脂粉末を
包含し、柔軟性のある繊維及び/又はフィルム、スリー
ブなどで被い、ひも状にしたものであるため、非常に柔
軟性に富み、あらゆる形状の織物や、成形体に加工でき
るという特徴がある。
さらに、中間材の中にC/Cコンポジットを形成するため
に必要な原料を全て含んでいるため、後は成形と焼成の
みで目的としたC/Cコンポジットが得られるという容易
さがある。また得られるC/CコンポジットはCOPNA樹脂を
使用しているため、強化繊維とマトリックスの密着が良
好で、さらに、従来からの問題があった補強繊維とマト
リックスの炭素化時の収縮差を小さくすることが可能と
なるため、炭素化後の残留応力や、炭素化時のマトリッ
クスと繊維の剥離が防止でき、高強度のC/Cコンポジッ
トができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の、熱可塑性フィルムラッピングを施
した柔軟性中間材の一例を示す斜視図、 第2図は、本発明の、熱可塑性繊維を交差してラッピン
グを施した柔軟性中間材の一例を示す斜視図、 第3図は、本発明の、ラッピングを施した後に熱可塑性
樹脂スリーブを施した柔軟性中間材の一例を示す斜視図
である。 1……炭素繊維 不融化有機繊維又は熱処理不融化有機
繊維 2……COPNA樹脂粒子 3……熱可塑性フィルム 4……熱可塑性繊維 5……熱可塑性スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 1/00 7415−4F 5/00 B 7421−4F 5/02 A 7421−4F 27/12 8413−4F // C04B 35/83 C04B 35/52 E

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縮合多環多核芳香族(COPNA)樹脂粉末が
    包含された炭素繊維束もしくは不融化有機繊維束もしく
    は熱処理不融化有機繊維束を芯材とし、周囲に熱可塑性
    繊維及び/又はフイルムのラッピングを設け、必要に応
    じ熱可塑性スリーブを設けたことを特徴とする炭素繊維
    強化複合材料用の柔軟性中間材。
  2. 【請求項2】上記COPNA樹脂は、石油系ピッチ、石炭系
    ピッチ、芳香族炭化水素化合物の重縮合によって得られ
    る合成ピッチから選ばれる1種又は2種以上のピッチを
    少なくとも主原料として芳香族架橋剤を用いて合成され
    たものである特許請求の範囲第1項記載の中間材。
  3. 【請求項3】上記COPNA樹脂は原料ピッチの他にコーク
    ス粉、カーボンブラック、黒鉛などの骨材を添加し、芳
    香族架橋剤を用いて、合成されたものである特許請求の
    範囲第1項記載の中間材。
  4. 【請求項4】上記不融化有機繊維は石油系ピッチ、石炭
    系ピッチ、リグニン系ピッチ、芳香族系合成ピッチから
    なる群より選ばれるピッチを紡糸し、不融化して得られ
    た繊維又はポリアクリロニトリル(PAN)繊維、レーヨ
    ン繊維を耐炎化して得られた繊維又は硬化したフェノー
    ル繊維、COPNA繊維である特許請求の範囲第1項記載の
    中間材。
  5. 【請求項5】上記熱処理不融化有機繊維は、上記不融化
    有機繊維を非酸化性雰囲気中にて、150〜800℃にて熱処
    理を行ったものである特許請求の範囲第1項記載の中間
    材。
  6. 【請求項6】上記熱可塑性繊維及び/又はフイルム、更
    に熱可塑性スリーブはポリアミド樹脂である特許請求の
    範囲第1項記載の中間材。
  7. 【請求項7】縮合多環多核芳香族(COPNA)樹脂を粉砕
    し、流動層にて流動させることにより炭素繊維、不融化
    有機繊維又は熱処理不融化有機繊維に当該樹脂粉を均一
    にまぶし、これを芯材とし、周囲に熱可塑性繊維及び/
    又はフイルムのラッピングを施した後に、必要に応じそ
    の周囲に熱可塑性スリーブを設けたことを特徴とする中
    間材の製造方法。
  8. 【請求項8】上記COPNA樹脂は、石油系ピッチ、石炭系
    ピッチ、芳香族炭化水素化合物の重縮合によって得られ
    る合成ピッチから選ばれる1種又は2種以上のピッチを
    少なくとも主原料として芳香族架橋剤を用いて合成され
    たものである特許請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】上記COPNA樹脂は原料ピッチの他にコーク
    ス粉、カーボンブラック、黒鉛などの骨材を添加して、
    芳香族架橋剤を用いて、合成されたものである特許請求
    の範囲第7項記載の方法。
  10. 【請求項10】上記不融化有機繊維は石油系ピッチ、石
    炭系ピッチ、リグニン系ピッチ又は芳香族系合成ピッチ
    からなる群より選ばれるピッチを紡糸し、次いで不融化
    して得られた繊維又はポリアクリロニトリル(PAN)繊
    維、レーヨン繊維を耐炎化して得られた繊維又は硬化し
    たフェノール繊維、COPNA繊維である特許請求の範囲第
    7項記載の方法。
  11. 【請求項11】上記熱処理不融化有機繊維は、上記不融
    化繊維を非酸化性雰囲気中にて、150〜800℃にて熱処理
    を行ったものである特許請求の範囲第7項記載の方法。
  12. 【請求項12】上記熱可塑性繊維及び/又はフイルム、
    更に熱可塑性スリーブはポリアミド樹脂である特許請求
    の範囲第7項記載の方法。
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