JPH07106920A - ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式 - Google Patents

ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式

Info

Publication number
JPH07106920A
JPH07106920A JP24693293A JP24693293A JPH07106920A JP H07106920 A JPH07106920 A JP H07106920A JP 24693293 A JP24693293 A JP 24693293A JP 24693293 A JP24693293 A JP 24693293A JP H07106920 A JPH07106920 A JP H07106920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
wavelet
time
error
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24693293A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiko Morinaga
規彦 森永
Shinsuke Hara
晋介 原
Junji Tada
順次 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP24693293A priority Critical patent/JPH07106920A/ja
Publication of JPH07106920A publication Critical patent/JPH07106920A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Channel Selection Circuits, Automatic Tuning Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受信信号と局部発振信号との間に大きな周波
数誤差が生じている通信路において、高速かつ正確に局
部発振器の発振周波数を制御する。 【構成】 受信信号をミキサ3,4に与え、局部発振器
5で発生されたsin波の局部発振信号と移相器6から
出力されたcos波の局部発振信号とを混合し、アナロ
グ/ディジタル変換器7,8によってディジタル信号に
変換し、実数部と虚数部をウェーブレット変換回路10
に与え、ウェーブレット変換した後、誤差検出回路11
により周波数誤差を高速かつ正確に推定し、その誤差が
小さくなるように局部発振器5の発振周波数を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はウェーブレット変換を
用いた周波数高速引き込み方式に関し、特に、衛星から
の信号を地上で受信する場合において、受信信号と局部
発振信号との間に大きな周波数誤差が生じている場合
に、その周波数誤差を推定して追尾できるようなウェー
ブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】低軌道周回衛星を用いた通信システムで
は、衛星が高速に地球を周回するため、衛星からの信号
を地上の受信器で受信する場合、その信号は通信路によ
って大きくかつ急激なドップラ周波数シフトを受ける。
そのため、受信信号の周波数と受信器の持つ局部発振器
の発振周波数との間には大きな誤差が生じ、かつその誤
差は時間とともに急激に変動する。また、一般に受信器
が小型化されるに伴い、受信器の持つ局部発振器自体が
大きな周波数不安定性を持つようになるため、信号は通
信路によって周波数変動を受けなくても、受信信号の周
波数と受信器の局部発振器の発振周波数との間には大き
な誤差が生じる。
【0003】このような受信信号と局部発振信号との間
に大きな周波数誤差が生じている通信路において受信器
で同期検波を行なう場合、受信器と局部発振器の発振周
波数を受信信号の周波数に同調させる必要があるため、
受信器の受信信号と局部発振信号との間の周波数誤差を
高速かつ正確に推定し、その誤差が小さくなるように局
部発振器の発振周波数を制御しなくてはならない。すな
わち、高速かつ正確に周波数を引き込む必要がある。
【0004】その目的で、従来からクロスプロダクト型
の自動周波数制御法(クロスプロダクトアルゴリズムと
称する)や高速フーリエ変換を用いた自動周波数制御法
(高速フーリエ変換アルゴリズムと称する)などが提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のクロスプロダク
トアルゴリズムは周波数誤差の正負だけで局部発振器の
発振周波数を制御する方法であり、周波数誤差の引き込
み範囲が狭く、周波数引き込みに時間が長くかかりすぎ
るという欠点がある。一方、高速フーリエ変換アルゴリ
ズムは、周波数誤差の引き込み範囲は広いが、周波数分
解能と時間分解能との間にはトレードオフがあるため、
引き込み時間を短く設定すると残留周波数誤差が大きく
なる、残留周波数誤差を小さく設定すると引き込み時間
が長くなるという欠点がある。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、受
信信号と局部発振信号との間に大きな周波数誤差が生じ
ている通信路において、受信器に受信信号と局部発振信
号との間の周波数誤差を高速かつ正確に推定し、その誤
差が小さくなるように局部発振器の発振周波数を制御し
得るウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方
式を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
受信信号と局部発振信号との間で大きな周波数誤差を生
じている場合に、引き込み開始時の誤差が大きいときに
は大ざっぱに短時間に周波数を制御し、誤差が小さいと
きには時間をかけて正確に周波数を制御し、局部発振信
号を受信信号と同調させるように構成される。
【0008】
【作用】この発明に係るウェーブレット変換を用いた周
波数高速引き込み方式は、ウェーブレットと呼ばれる時
間的にも周波数的にも局在した関係を用いて、周波数が
高いほど時間分解能が高く周波数分解能は低い、逆に周
波数が低いほど周波数分解能が高く時間分解能は低いと
いう特徴を利用して、引き込み開始時の誤差が大きいと
きには大ざっぱに短時間に周波数を制御し、誤差が小さ
いときには時間をかけて正確に周波数を制御し、局部発
振器の周波数を受信信号に同調させる。
【0009】
【実施例】まず、この発明の実施例について説明する前
に、この発明の原理であるウェーブレット変換について
説明する。ウェーブレット変換は、入力された信号を時
間−周波数平面上に展開するものである。この展開に
は、ウェーブレット関数と呼ばれる時間的にも周波数的
にも局在した関数を用意して、これにスケール変換とシ
フト変換を作用させていわゆる関数の組を基底関数とし
て用いる。
【0010】ウェーブレット関数の選び方は、数学的に
は大きな自由度があり、原点のまわりの限られた時間幅
に局在した基本ウェーブレット関数Ψ(t)の次の第
(1)式で示すフーリエ変換が限られた周波数領域に局
在し、さらに次の第(2)式で与えられるアドミッシブ
ル条件(admissibility condition )を満たせば任意に
選ぶことができる。
【0011】
【数1】
【0012】基本ウェーブレット関数をΨ(t)とした
とき、ウェーブレット関数Ψa,b (t)はΨ(t)をa
倍スケール変換した後に、原点をbだけシフトして得ら
れる。すなわち、ウェーブレット関数Ψa,b (t)は次
の第(3)式のように与えられる。
【0013】
【数2】
【0014】ここで、a-1/2はΨa,b (t)のノルムの
正規化係数である。また、a,bはそれぞれスケールパ
ラメータ,シフトパラメータと呼ばれ、Ψa,b (t)の
周波数の逆数と時間幅を表わす。
【0015】このウェーブレット関数を用いた信号g
(t)のウェーブレット変換は次の第(4)式で定義さ
れる。
【0016】
【数3】
【0017】上述の第(4)式より、基本ウェーブレッ
ト関数Ψ(t)が時間領域と周波数領域とでそれぞれt
1 ≦t≦t2 ,f1 ≦f≦f2 の範囲のみで値を持ち、
その他の領域では0に十分近いとすると、ウェーブレッ
ト関数Ψa,b (t)はb+at 1 ≦t≦b+at2 ,f
1 /a≦f≦f2 /aの範囲を担当し、この範囲のg
(t)の成分がg(a,b)に含まれることになる。
【0018】また、ウェーブレット変換は、パラメータ
a,bのすべての組合わせに対して、ウェーブレット関
数Ψa,b (t)を用いて相関をとるものと捉えることが
できる。信号をディジタル処理することを考えると、第
(4)式に示したウェーブレット変換を離散的に扱う必
要がある。スケールパラメータとシフトパラメータを、
各ウェーブレット変換が時間−周波数平面を隙間なく覆
うために、それぞれ次の第(5)式のように定義する。
ただし、n,lは整数である。このとき、離散ウェーブ
レット変換は第(6)式のように定義される。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、Tはサンプリング時間間隔を表わ
す。なお、gn,k はウェーブレット係数と呼ばれ、第
(7)式のようにg(t)をΨn,l (kT)によって展
開したときの係数となる。
【0021】
【数5】
【0022】
【外1】
【0023】図1はウェーブレット変換と短時間フーリ
エ変換の時間−周波数平面での時間および周波数分解能
を示す図である。図1(b)に示す短時間フーリエ変換
は、時間−周波数平面上のどの領域でも同じ時間・周波
数分解能となっていることがわかる。これに対して、図
1(a)に示すウェーブレット変換は低い周波数でも周
波数分解能は高く、時間分解能は低い。一方、高い周波
数では周波数分解能は低く、時間分解能は高い。これは
図1に示された各長方形の面積が、短時間フーリエ変換
でもウェーブレット変換でも一定であるという、時間と
周波数の不確定性原理に従ったものである。ところで、
注意しなければならない点は、受信信号と局部発振信号
との間の周波数誤差は正と負の値をとるため、正と負の
周波数を識別できるウェーブレット変換を用いる必要が
あることである。基本ウェーブレット関数としてハール
関数を用いた場合に、ハール関数を正と負の周波数を識
別できるように複素数に拡張した複素ハール関数につい
て次に説明する。
【0024】図2はハール関数とその電力スペクトル密
度との関係を示した図である。ハール関数から得られる
ウェーブレット関数形{Ψn,l |Ψn,l (t)|=2
-1/2Ψ(2-nt−l)}は正規直交系をなし、ウェーブ
レット変換を行なった場合直交展開となる。また、逆ウ
ェーブレット変換を行なうことにより、もとの信号を再
現することが可能である。
【0025】ハール関数を用いたウェーブレット変換で
は、ハール関数のパワースペクトル密度|Ψ(f)|2
が第(8)式のように、周波数fに関して偶関数である
ために、1つのウェーブレット係数には正負の周波数成
分が同時に含まれることになる。
【0026】
【数6】
【0027】図3は複素ハール関数とその電力スペクト
ル密度を示す図である。ここでは、正負の周波数を判別
するために、図3に示したようなハール関数を複素化し
た複素ハール関数を提案し、以下では複素ハール関数に
よるウェーブレット変換を考えるものとする。複素ハー
ル関数は、実数成分はハール関数と同じであるが、虚数
成分はハール関数をπ/2だけ位相シフトしたものであ
る。また、実数成分と虚数成分はそれぞれ||Ψ(t)
||2 =1となるように、振幅を正規化してある。複素
ハール関数のパワースペクトル密度|Ψ(f)|2 は、
第(9)式のようになる。
【0028】
【数7】
【0029】この第(9)式から正の周波数f=1[H
z]を中心として主要成分を持っていることがわかる。
【0030】複素ハール関数Ψ(t)を基本ウェーブレ
ット関数としたときの、信号g(t)のウェーブレット
展開およびウェーブレット係数は次式で与えられる。
【0031】
【数8】
【0032】
【外2】
【0033】以上述べたことを踏まえてウェーブレット
変換を用いた周波数誤差の推定アルゴリズムとして、ピ
ーク探索法と重心計算法について次に説明する。
【0034】まず、ピーク探索法では、ウェーブレット
係数の中で高周波成分から低周波成分に向かってピーク
を探索し、ある一定の条件を満たした場合に、その周波
数を誤差周波数として出力する。このとき、局部発振器
の周波数を更新すると、新たに得られるパワースペクト
ルは、全体的にその周波数の分だけ移動する。したがっ
て、局部発振器の周波数の更新の際には、ウェーブレッ
ト回路をすべてリセットして始めから計算し直す必要が
ある。
【0035】図4はピーク検索法のアルゴリズムを示す
図である。図4において、ステップ(図示ではSPと略
称する)SP1において、ウェーブレット係数の更新が
あるか否かが判別され、更新があればステップSP2に
進み、更新がなければステップSP7に進む。ステップ
SP2においては、最大値検索が行なわれる。すなわ
ち、正負周波数成分のそれぞれについてウェーブレット
係数の絶対値の大きいものから順に3つずつ検索され
る。それぞれをc1 (+) ,c2 (+) ,c3 (+) ,c 1
(-) ,c2 (-) ,c3 (-) とする。次に、ステップSP
3においてピーク判定が行なわれる。すなわち、c1
(+) ,c1 (-) のいずれかが現時点で最も低周波数の成
分であればステップSP7に進み、そうでなければステ
ップSP4に進む。ステップSP4において検索された
ピークの周波数が前回出力された0以外の周波数誤差の
4倍以下の周波数であるか否かが判別され、4倍以下の
周波数であればステップSP5に進む。ステップSP5
においてピーク十分条件が判断され、|c1 (+) /c1
(-) |>1.85,|c1 (+) /c3 (+) |>2.85
がともに満たされれば、c1 (+) の係数を持つ周波数が
周波数誤差として出力される。また、|c1 (-) /c1
(+) |>1.85,|c1 (-) /c3 (-) |>2.85
がともに満たされれば、c1 (-) の係数を持つ周波数が
周波数誤差として出力され、それ以外であれば0が周波
数誤差として出力される。ステップSP6において、0
以外の周波数誤差を出力した場合、ウェーブレット変換
回路の古いデータはすべてリセットされる。そして、ス
テップSP7において次のサンプル時刻へ進む。なお、
しきい値1.85,2.85は経験的に求めた値であ
る。また、ウェーブレット変換では、雑音などにより局
所的なピークが高周波成分に現われ、同期外れが起こる
可能性があるが、前述のステップSP4で述べたよう
に、検索されたピークの周波数が前回出力された0以外
の周波数誤差の4倍以下の周波数であるときのみステッ
プSP5に進むようにしている。
【0036】上述のごとく、ピーク探索法では、標本化
された離散的な周波数を検出することしかできないが、
ウェーブレット係数の重心を計算することによって、よ
り詳しく周波数誤差を推定することができる。重心の計
算は新しいウェーブレット係数の出力のたびに行なわ
れ、局部発振器の周波数が更新される。このとき、低周
波成分のウェーブレット係数は時間分解能が低いため、
長い計算時間を要する。したがって、ピーク探索法のよ
うに、局部発振器の周波数の更新のためにウェーブレッ
ト回路のリセットを行なうと、低周波成分の計算が行な
われなくなるため、ウェーブレット回路のリセットは行
なわないことが必要となる。
【0037】しかし、局部発振器の周波数の更新のため
に、パワースペクトルが変動するため、低周波数成分の
ウェーブレット係数には必ずしも新しい値は得られな
い。そのため、計算された重心の周波数は平滑化して局
部発振器に出力する必要がある。
【0038】図5は重心計算法のアルゴリズムを示すフ
ロー図である。図5のステップSP11において、ウェ
ーブレット係数の更新があるか否かが判別され、更新が
あればステップSP12に進み、更新がなければステッ
プSP14に進む。ステップSP12において重心計算
が行なわれる。すなわち、ウェーブレット係数の分布か
ら、第(12)式のように重心の周波数fe を計算す
る。
【0039】
【数9】
【0040】ただし、ウェーブレット係数g(x) n は現
時点で得られている最新のものを使用する。ステップS
P13において、計算された重心の周波数fe を第(1
3)式に示す漸化式で計算される平滑化フィルタに入力
し、fO (kT)を周波数誤差として出力する。
【0041】
【数10】
【0042】そして、ステップSP14において次のサ
ンプル時刻に進む。図6はこの発明の一実施例のブロッ
ク図である。図6において、アンテナ1で信号が受信さ
れると、受信信号は帯域制限フィルタ2によって帯域制
限され、ミキサ3,4に与えられる。局部発振器5で発
振されたsin波の局部発振信号はミキサ3に与えら
れ、受信信号と混合される。また、sin波の局部発振
信号は移相器6によってπ/2シフトされ、cos波の
局部発振信号としてミキサ4に与えられる。ミキサ3,
4の出力はそれぞれ受信信号の低域における同相および
直交成分であり、複素ハール関数を用いてウェーブレッ
ト変換回路10への複素入力の実部と虚部となる。各混
合出力はアナログ/ディジタル変換器7,8に与えられ
てディジタル信号に変換され、そのディジタル信号は4
相PSK回路9とウェーブレット変換回路10とに与え
られる。4相PSK回路はディジタル信号を復調し、ウ
ェーブレット変換回路10は複素ハール関数を用いてウ
ェーブレット変換し、誤差検出回路11によって誤差が
検出され、局部発振器5の発振周波数が更新される。
【0043】図6のように構成された受信器で本願発明
における周波数誤差の推定アルゴリズムの周波数引き込
み特性を、計算機シミュレーションにより評価する方法
について説明する。通信路としては周波数誤差が存在す
る加法性ガウス雑音(AWGN)通信路を仮定し、フェ
ージングなどは考慮しないものとする。さらに、初期周
波数誤差は10kHz,標本化周波数は288kHzと
して計算機シミュレーションを行なう。
【0044】図7は1標本当りの信号と雑音のエネルギ
ー比Es /No を∞[dB](雑音なし)のグラフであ
り、図8は15[dB]および10[dB]とした場合
についてのグラフであり、図9は標本数(時間)に対す
る周波数誤差(試行回数30回における実効値)のグラ
フを示したものである。
【0045】ここで、重心計算法におけるフィルタ係数
αf は0.01とした。なお、評価の基準として、ウェ
ーブレット変換アルゴリズムの代わりにクロスプロダク
トアルゴリズムを用いた場合と1024点の高速フーリ
エ変換アルゴリズムを用いた場合の特性も併せて示して
いる。
【0046】クロスプロダクトアルゴリズムを用いた場
合は、引き込みに時間がかかりすぎてなかなか周波数誤
差が小さくならない。また、残留周波数誤差も大きいま
まである。これに対して、高速フーリエ変換アルゴリズ
ムを用いた場合は、時間,周波数分解能は図1に示すよ
うに時間−周波数平面上のどの領域でも一定である。し
たがって、初期周波数引込みの速さが要求される場合、
周波数分解能が低下し、正確な周波数引き込みはできな
くなる。逆に、正確な周波数引き込みが要求される場
合、時間分解能が低下し、初期周波数引き込みは遅くな
ってしまう。
【0047】一方、ピーク探索法では、クロスプロダク
トおよびフーリエ変換アルゴリズムを用いた場合に比べ
て、高周波数成分の時間分解能が高いため引き込みが速
い。さらに、観測時間を長くすることによってクロスプ
ロダクトおよび高速フーリエ変換アルゴリズムを用いた
場合では判別することができない小さな周波数誤差を検
出することができるため、残留周波数誤差が小さくな
る。
【0048】また、重心計算法では、推定周波数誤差を
平滑化しているため、初期引き込みがピーク探索法より
もかなり遅れるが、これはフィルタ係数αf を大きくす
ることによって改善できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、受信
信号と局部発振信号との間で大きな周波数誤差を生じて
いる場合に、引き込み開始時の誤差が大きいときには大
ざっぱに短時間に周波数を制御し、誤差が小さいときに
は時間をかけて正確に周波数を制御して、局部発振信号
を受信信号と同調させることができる。さらに長く動作
させればいくらでも誤差を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェーブレット変換と短時間フーリエ変換の時
間−周波数平面での時間および周波数分解能を示す図で
ある。
【図2】基本ウェーブレット関数としてのハール関数と
その電力スペクトル密度を示す図である。
【図3】複素ハール関数とその電力スペクトル密度を示
す図である。
【図4】ピーク探索法を説明するためのフローチャート
である。
【図5】重心計算法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図6】この発明の一実施例のブロック図である。
【図7】雑音がないときの周波数オフセットが一定の場
合の周波数引き込み特性を示す図である。
【図8】信号対雑音エネルギ比が15[dB]のときの
周波数オフセットが一定の場合の周波数引き込み特性を
示す図である。
【図9】信号対雑音エネルギ比が10[dB]のときの
周波数オフセットが一定の場合の周波数引き込み特性を
示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 帯域制限フィルタ 3,5 ミキサ 5 局部発振器 6 移相器 7,8 アナログ/ディジタル変換器 9 4相PSK 10 ウェーブレット変換回路 11 誤差検出回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号と局部発振信号との間で大きな
    周波数誤差を生じている場合に、引き込み開始時の誤差
    が大きいときには大ざっぱに短時間に周波数を制御し、
    誤差が小さいときには時間をかけて正確に周波数を制御
    し、前記局部発振信号を前記受信信号と同調させること
    を特徴とする、ウェーブレット変換を用いた周波数高速
    引き込み方式。
JP24693293A 1993-10-01 1993-10-01 ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式 Withdrawn JPH07106920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24693293A JPH07106920A (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24693293A JPH07106920A (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07106920A true JPH07106920A (ja) 1995-04-21

Family

ID=17155899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24693293A Withdrawn JPH07106920A (ja) 1993-10-01 1993-10-01 ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07106920A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100466292B1 (ko) * 2002-04-23 2005-01-13 주식회사 하도 웨이브렛 변환을 이용한 교반기의 위험감지시스템
JP2005501410A (ja) * 2001-08-21 2005-01-13 キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション 周波数解析に基づく監視を含むcmpプロセス
JP2015511768A (ja) * 2011-03-02 2015-04-20 ノコミス,インコーポレイテッド 電磁エネルギー異常検出部及び処理部を有する集積回路
JP2015156641A (ja) * 2014-02-06 2015-08-27 スティヒティング・イメック・ネーデルラントStichting IMEC Nederland ダイレクトコンバージョン受信機
US10475754B2 (en) 2011-03-02 2019-11-12 Nokomis, Inc. System and method for physically detecting counterfeit electronics

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005501410A (ja) * 2001-08-21 2005-01-13 キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション 周波数解析に基づく監視を含むcmpプロセス
KR100466292B1 (ko) * 2002-04-23 2005-01-13 주식회사 하도 웨이브렛 변환을 이용한 교반기의 위험감지시스템
JP2015511768A (ja) * 2011-03-02 2015-04-20 ノコミス,インコーポレイテッド 電磁エネルギー異常検出部及び処理部を有する集積回路
US10475754B2 (en) 2011-03-02 2019-11-12 Nokomis, Inc. System and method for physically detecting counterfeit electronics
US11450625B2 (en) 2011-03-02 2022-09-20 Nokomis, Inc. System and method for physically detecting counterfeit electronics
JP2015156641A (ja) * 2014-02-06 2015-08-27 スティヒティング・イメック・ネーデルラントStichting IMEC Nederland ダイレクトコンバージョン受信機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4959656A (en) Efficient detection and signal parameter estimation with application to high dynamic GPS receiver
US4785463A (en) Digital global positioning system receiver
US4701934A (en) Method of doppler searching in a digital GPS receiver
US6975673B1 (en) Narrow-band interference rejecting spread spectrum radio system and method
US6005889A (en) Pseudo-random noise detector for signals having a carrier frequency offset
US6987815B2 (en) Receive method and receiver in communication system
CN109039970B (zh) 一种高超声速飞行器大动态多普勒场景实时通信方法
CN109088838B (zh) 一种高动态下直扩dpsk信号的伪码—多普勒快速捕获方法
WO1987001540A1 (en) Apparatus for and method of doppler searching in a digital gps receiver
JP2002530903A (ja) Ds−sscdma受信機用の周波数捕捉追跡方法とその装置
AU2002247663B2 (en) Method for the frequency and time synchronization of an OFDM receiver
JP2002505827A (ja) 符号クロス積自動周波数制御ループ
JP4805849B2 (ja) 周波数補償通信受信
US20040125893A1 (en) Methods and systems for tracking of amplitudes, phases and frequencies of a multi-component sinusoidal signal
US8792591B1 (en) Systems and methods for I/Q imbalance correction and calibration of variable modulus signals
JP4373469B2 (ja) ディジタル放送受信機及び同期検出方法
JPH07106920A (ja) ウェーブレット変換を用いた周波数高速引き込み方式
US20050041725A1 (en) Receiver of an ultra wide band signal and associated reception method
CN112953593A (zh) LoRa高级接收器
CA2337409A1 (en) Narrow-band interference rejecting spread spectrum radio system and method
US6690713B1 (en) Tracking loop for a code division multiple access (CDMA) system
JP2002199039A (ja) 通信システムにおける受信方法及び受信機
CN112099060B (zh) 一种基于环路的自适应载波频率跟踪方法及装置
US7482862B2 (en) Demodulation method and apparatus
US4186349A (en) Adaptive narrow band noise estimator/suppressor radio receiver

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001226