JPH07106447B2 - 真空ろう付け前処理方法 - Google Patents

真空ろう付け前処理方法

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JPH07106447B2
JPH07106447B2 JP3066617A JP6661791A JPH07106447B2 JP H07106447 B2 JPH07106447 B2 JP H07106447B2 JP 3066617 A JP3066617 A JP 3066617A JP 6661791 A JP6661791 A JP 6661791A JP H07106447 B2 JPH07106447 B2 JP H07106447B2
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JP
Japan
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aluminum material
degreasing
vacuum brazing
washing
oxide film
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JP3066617A
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Inventor
智 野平
義浩 木下
敬太 柳川
Original Assignee
日本電装株式会社
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Publication date
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はアルミニウム製のコア
プレート及びフィンを真空ろう付けして熱交換器を製造
する場合の前記コアプレート及びフィンの真空ろう付け
前の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】アルミニウム製熱交換器は図2に示すよう
にコアプレート1とフィン2とを真空ろう付けにより接
合した複雑な形状を有している。真空ろう付けする場合
はその前工程として従来からコアプレート1とフィン2
とを塩素系溶剤を用いて脱脂(洗浄)してきたが、近
年、塩素系溶剤はオゾン層を破壊することが判明し、環
境保護、公害防止の趣旨からその使用量が規制され、今
後は使用が不可能の状態となる。その他の前処理方法と
しては特開昭61ー108466号公報に開示されてい
る酸性剤による洗浄があるが、この洗浄は設備、治具を
腐食させるので、この腐食を防ぐための耐酸処理、溶出
するCr含有排水に対する処理を考慮する必要があり、
コストアップの原因となる。又、炉中ろう付けなどに使
用されているアルカリ性脱脂剤は検討されたことはある
が、これをコアプレート1とフィン2の真空ろう付けの
前処理剤として使用するとエッチング量が多くなり、コ
アプレート1とフィン2の表面に酸化皮膜が生成し、ス
マットが発生し、真空ろう付けが困難となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は熱交換器を
構成するコアプレートとフィン(以後両者をアルミニウ
ム材と言う)の表面の酸化皮膜やスマットの生成を抑制
し、優れた品質の真空ろう付けが可能であり、又従来の
方法に比べ設備費用、ランニングコストの大幅の低減を
可能とする真空ろう付け前処理方法の提供を課題とす
る。なお、本願の先行技術資料として前記の特開昭61
ー108466号公報の外に特開昭62ー54091号
公報がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
に、本発明の真空ろう付け前処理方法は、アルミニウ
ム材の表面に残存する油をpH7〜11の弱アルカリ性
脱脂剤により除去すると共に酸化皮膜、スマットの生成
を制御する脱脂工程と、該脱脂工程を経た前記アルミニ
ウム材に付着した脱脂剤の残渣を水洗により除去する水
洗工程と、水洗工程を経た前記アルミニウム材を乾燥
させる乾燥工程とから構成されている。
【0005】
【作用】脱脂工程では、pH7〜11の弱アルカリ性
脱脂剤によりアルミニウム材の表面に残存する油が除
去されると共に酸化皮膜、スマットの生成が抑制され
る。水洗工程では、例えば常温の水による水洗によ
り、前記脱脂の際にアルミニウム材に付着した脱脂剤の
残渣が除去される。乾燥工程では、アルミニウム材
、例えば風速2m/sec以上、雰囲気温度100℃
以上の気流で20分以内で乾燥させるので酸化皮膜の生
成を防止し、真空ろう付け性が向上する
【0006】
【実施例】以下実施例を示す図面によりこの発明を説明
する。図1に示すようにこの発明は予備洗浄工程3、脱
脂工程4、水洗工程5、乾燥工程6とから構成されてい
る。各工程間にはエアブローによる水切り工程がある。
【0007】予備洗浄工程3ではアルミニウム材Wは水
又は湯中に浸され、その表面に付着した加工油の大半は
超音波発振器7による超音波揺動の物理的作用によって
除去される。この予備洗浄工程3によって次の脱脂工程
4での負荷が低減され、液状の脱脂剤の寿命が伸びる。
脱脂工程4では脱脂剤中のアルカリビルダー及び界面
活性剤のキレート、乳化分散などの作用によりアルミニ
ウム材表面の残りの加工油を除去し、かつ脱脂剤のエッ
チング作用によりアルミニウム材表面のAl等の物質と
酸化皮膜とが除去される。
【0008】水洗工程5ではアルミニウム材Wは常温水
中で、超音波揺動の物理的作用をうけるので脱脂剤の残
渣は除去される。乾燥工程6においてアルミニウム材W
の表面の水分が風速2m/sec以上、雰囲気温度10
0℃以上の空気で20分以内で除去される。
【0009】次に、良好な真空ろう付け性を得るための
要点を前記の各工程に就いて説明する。なお、良好な真
空ろう付け性の意味は熱交換器における冷媒液の漏れ不
良が少なく、ろう付けのフィレットが冷媒液の圧力に十
分耐える程度の大きさを有すること、又外観上異物の残
留付着による変色がないことを言う。又真空ろう付けの
前処理の要点は(1)加工油がアルミニウム材から十分
に除去されていること、(2)アルミニウム材の表面に
生成される酸化皮膜が薄いこと(約200オングストロ
ム)、(3)アルミニウム材表層部の組成が変化してい
ないこと及びアルミニウム材表層部に不純物残渣が付着
していないことである。
【0010】脱脂工程4の重要性に就いて。脱脂剤のp
Hが11以上のアルカリ性の場合ではろう材中のMgが
Mg(OH)2 などの水酸化物となる領域があり、しか
もAlの溶解速度(エッチング量)は脱脂剤のpHが大
きくなるほど大きくなるためAlが選択的にエッチング
され、アルミニウム材中のSiの露出が多くなり、アル
ミニウム材表層の組成に変化が起きたり、露出Mgが酸
化皮膜層を増加させたり、ろう材中のFeなどの不純物
がスマットとして表面に析出し、ろう付性を悪くする。
又pHが1〜3の酸性の脱脂剤を使用するとAlのエッ
チング量が多いほかに、前述のようにSuS等の設備、
治具の腐食、Crの溶出が発生し、これらの防止手段を
考慮するとコストが高くなる。又、中性領域の脱脂剤は
脱脂力が小さいので、これを大きくするために界面活性
剤の割合を多くする必要があり、このために化学的酸素
要求量(COD)の増加と言った排水処理性の問題が生
じ、さらにはエッチング力がないために酸化皮膜を薄く
することができない欠点がある。以上の点を考慮すると
弱アルカリ領域(pH7〜11)の脱脂剤が適してい
る。
【0011】水洗工程5の重要性に就いて。この工程の
目的は前工程即ち脱脂工程4での脱脂剤の残渣を完全に
濯ぎ落とすことにあるが、水洗に湯を使用すると図4に
示すように浸漬時間が長くなるとアルミニウム材表面で
の酸化皮膜の成長速度が速くなり、脱脂工程4での酸化
皮膜を除去した効果を無駄にしてしまうことになる。従
って常温水を使用する必要がある。又純水を使用する程
酸化皮膜が厚くなる実験結果もある。
【0012】乾燥工程6の重要性について。水洗工程で
湯を使うことが好ましくないことと同じ理由で、乾燥時
間が長いこと、即ち加熱された水分が長時間アルミニウ
ム材の表面と接触すると酸化皮膜が成長する。このこと
から短時間で乾燥させることが重要であり、図3(ロ)
から20分以内で乾燥させることが必要である。この時
間は製品の大きさ、形状によって変わるが図3(イ)か
ら風速2m/sec以上、雰囲気温度100℃以上が必
要となる。
【0013】エッチング量は20g/m2 ・hr以下が
望ましいが、総エッチング量が問題であるので必ずしも
この数値に制約されるものでない。他の実施例としては
基本工程は同じであるが、脱脂剤の種類と処理時間の制
御によりエッチング量をコントロールしてフッ化物系フ
ラックスを用いたろう付けなどの他のろう付け方法の前
処理にも適応可能である。
【0014】
【効果】この発明は上記の構成を有するので次のような
優れた効果を有する。 (イ)例えば熱交換器等を構成するアルミニウム材の表
面の加工油を完全に除去し、酸化皮膜やスマットの生成
を制御するので、優れた品質の真空ろう付けを有する
交換器等の製品を提供することができる。 (ロ)従来の真空ろう付け前処理方法に比べ設備費用、
ランニングコストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】アルミニウム製熱交換器の斜視図である。
【図3】(イ)はろう付け前処理方法において、アルミ
ニウム材の乾燥条件をその残留水分量がゼロとなる時の
乾燥時間(min)と雰囲気温度(℃)との関係を示す
図である。 (ロ)はアルミニウム材に生成される酸化皮膜の厚さ
(オングストロム)と乾燥時間(min)との関係を示
す図である。
【図4】ろう付け前処理方法において、アルミニウム材
の浸漬時間(min)と生成される酸化皮膜の厚さ(オ
ングストロム)との関係を示す図である。
【符号の説明】
3 予備洗浄工程 4 脱脂工程 5 水洗工程 6 乾燥工程

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材の表面に残存する油をp
    H7〜11の弱アルカリ性脱脂剤により除去すると共に
    酸化皮膜、スマットの生成を制御する脱脂工程と、該脱脂工程を経た前記 アルミニウム材に付着した脱脂剤
    の残渣を水洗により除去する水洗工程と、 水洗工程を経た前記アルミニウム材を乾燥させる乾燥
    工程とからなる真空ろう付け前処理方法。
JP3066617A 1991-03-29 1991-03-29 真空ろう付け前処理方法 Expired - Lifetime JPH07106447B2 (ja)

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JPH04305364A JPH04305364A (ja) 1992-10-28
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53113741A (en) * 1977-03-16 1978-10-04 Toyo Radiator Kk Manufacture of aluminum made heat exchanger
JPS54118358A (en) * 1978-03-07 1979-09-13 Toyo Radiator Kk Production of aluminum heat exchanger
JPS59120362A (ja) * 1982-12-28 1984-07-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ろう付部材の前処理方法
JPS6076274A (ja) * 1983-09-30 1985-04-30 Fuji Electric Co Ltd アルミニウムを用いるろう付け方法
JPH0342084A (ja) * 1989-07-10 1991-02-22 Tokuyama Soda Co Ltd 洗浄方法及びその装置

Patent Citations (5)

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JPH0342084A (ja) * 1989-07-10 1991-02-22 Tokuyama Soda Co Ltd 洗浄方法及びその装置

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