JPH07106366B2 - 耐加工フロー腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

耐加工フロー腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法

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JPH07106366B2
JPH07106366B2 JP6342991A JP6342991A JPH07106366B2 JP H07106366 B2 JPH07106366 B2 JP H07106366B2 JP 6342991 A JP6342991 A JP 6342991A JP 6342991 A JP6342991 A JP 6342991A JP H07106366 B2 JPH07106366 B2 JP H07106366B2
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stainless steel
austenitic stainless
corrosion resistance
steel
flow corrosion
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道郎 金子
征三郎 阿部
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高濃度硝酸溶液中及び酸
化性イオンを含む硝酸溶液中で優れた耐加工フロー腐食
性を有し、硝酸製造装置、核燃料再処理装置など硝酸溶
液に晒される環境の構造用素材として長期間使用できう
るオーステナイト系ステンレス鋼の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼は優れた
耐食性、溶接性及び機械的性質を保有することから家庭
製品から化学プラントの構造材料まで広範囲に使用され
ている。特に硝酸を扱う化学プラントでは、オーステナ
イト系ステンレス鋼は硝酸の酸化力によって容易に不働
態化し、優れた耐食性を示すので、構造材料として多数
使用されている。しかしながらオーステナイト系ステン
レス鋼は、中濃度の硝酸溶液中までは優れた耐食性を示
すが、高濃度の硝酸溶液中やCr6+等の高酸化性イオン
を含有する硝酸溶液中では、粒界が選択的に腐食されて
いく粒界腐食の発生と、ステンレス鋼の端面が浸漬され
る場合には、端面の局所領域が圧延方向に向かって選択
的に腐食されていく加工フロー腐食と呼ばれる腐食現象
が発生することが報告されている。
【0003】加工フロー腐食の発生機構としては、圧延
方向に沿って連続的に存在する介在物の溶解機構や、端
面に存在するCrの負偏析領域の選択腐食機構が提唱さ
れており、その防止にはESR(エレクトロスラグ再溶
解法)の使用が有効であること、またCrの負偏析帯を
低減すること(特開平1−309945号公報参照)な
どが報告されている。しかしながら提唱されている加工
フロー腐食機構は、かかる腐食現象を十分に説明してい
るとはいえず、それに基ずいて考えられている防止策も
また十分なものとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対して本発明者
らは、加工フロー腐食現象の発生機構について鋭意研究
した結果、加工フロー腐食は端面の局所領域が選択的に
粒界腐食されていく現象であり、これは鋼中Pの正偏析
領域で発生していることを明らかにし、その防止策とし
ては固溶化熱処理温度、及び時間を通常の条件より高
く、かつ長時間にすることで防止しうることを見出し
た。しかしながら、通常のステンレス鋼製造工場では、
固溶化熱処理は生産性の良い連続炉で行われており、固
溶化熱処理時間を長くすることは、生産性を阻害すると
いう問題が発生する。本発明はこのような現状の問題を
解消するものであって、凝固を含めた製造プロセスを見
直すことによって、高濃度硝酸溶液中及びCr6+やRu
n+のような酸化性イオンを含む硝酸溶液中で優れた耐加
工フロー腐食性を示すオーステナイト系ステンレス鋼の
製造法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために多くの実験を試みた結果、鋼中P濃度、
鋳造条件、スラブ加熱条件、固溶化熱処理条件を制御す
ることによって目的のオーステナイト系ステンレス鋼厚
板が製造できることを知見した。本発明はこの知見に基
ずくもので、その要旨とするところは、鋼中不純物元素
のPを0.02wt%以下含有するオーステナイト系ステ
ンレス鋼の溶鋼を電磁撹拌を用いながら連続鋳造した
後、L.M.P.ラルソンミラーパラメーター:T(絶
対温度)×(log t(時間)+20)=3.05×10
4 以上の条件を満足するような温度、時間で加熱を行
い、さらに熱間圧延し、1010℃から1150℃の間
の温度域で加熱し、水冷する耐加工フロー腐食性に優れ
たオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法である。
【0006】以下本発明について詳細に説明する。本発
明では溶製段階において鋼中不純物元素であるP濃度を
0.02wt%以下にする。これは連続鋳造時に鋼塊の中
心部に形成されるPの正偏析領域の範囲及びP濃度を低
くするためである。溶製後、溶湯を連続鋳造により鋼塊
にするが、この場合、電磁撹拌を用いることによって鋼
塊に形成される鋼中Pの偏析の形態を中心に偏析帯が集
中するのではなく、柱状晶の樹間にセミマクロ的に存在
するようにし、熱処理によってPの偏析帯を容易に消失
しうるようにする。次に鋼塊をL.M.P≧3.05×
104 以上を満足するような条件では加熱する。L.
M.P=3.05×104 と規定したのは、これ以下の
条件で鋼塊に存在するPのセミマクロ偏析領域を消失せ
しめることができないからである。さらにかかる鋼塊を
鋼板、形鋼、鋼管など各種形状に熱間圧延した後、10
10℃から1150℃の間の温度域で加熱し、水冷す
る。固溶化熱処理温度を上記のごとく定めたのは101
0℃以下では十分な再結晶が起こらず、また1150℃
以上では結晶粒の粗大化により機械的性質の劣化が生じ
る。また固溶化熱処理後の冷却を水冷としたのは粒界へ
のP化物及びCr炭化物の析出を抑制するためである。
このような方法で製造されたオーステナイト系ステンレ
ス鋼は図1に示すごとく通常のスラブ加熱条件(118
0℃×30min)で製造された材料に比べて非常に優れた
耐加工フロー腐食性を示す。
【0007】次に本発明の実施例について説明する。表
1,2は8g/lのCr6+を含有する沸騰5規定、硝酸
溶液中で24時間×8サイクル腐食試験した場合の種々
のオーステナイト系ステンレス鋼の加工フロー腐食の侵
食深さに及ぼす鋼中P濃度、電磁撹拌の有無、及びスラ
ブ加熱条件の影響について示してあるが、これらの条件
の何れが本発明から外れる比較例は表1に示す通り耐加
工フロー腐食性が劣って居り、これに対し、表2に示す
通り、本発明に従い鋼中P濃度を0.02wt%以下に規
定し、さらに電磁撹拌を用い、L.M.P.=3.05
×104 以上を満足せしめるような条件で熱処理したス
テンレス鋼は、非常に優れた耐加工フロー腐食性を示
す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明で得られたオー
ステナイト系ステンレス鋼厚板は、酸化性イオンを含む
硝酸溶液中で優れた耐加工フロー腐食性を有するため、
硝酸製造装置や核燃料製造設備など硝酸溶液に晒される
環境の構造用材料として長期間使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高酸化性硝酸溶液中においてオーステナイト系
ステンレス鋼厚板に発生した加工フロー腐食の侵食深さ
に及ぼすスラブ加熱及び温度の影響を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 38/00 302 Z 38/40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中不純物元素のPを0.02wt%以下
    含有するオーステナイト系ステンレス鋼の溶鋼を電磁撹
    拌を用いながら連続鋳造し、さらに連続鋳造材を下式で
    規定するL.M.P.が3.05×104 以上を満足す
    るような条件で加熱した後、熱間圧延し、1010℃か
    ら1150℃の間の温度域で固溶化熱処理し、水冷する
    ことを特徴とする耐加工フロー腐食性に優れたオーステ
    ナイト系ステンレス鋼板の製造法。 L.M.P.(パルソンミラーパラメーター)=T×
    (log t+20) 但し、T:絶対温度 t:時間
JP6342991A 1991-03-27 1991-03-27 耐加工フロー腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH07106366B2 (ja)

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