JPH0710634A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質硬化体の製造方法

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JPH0710634A
JPH0710634A JP15053593A JP15053593A JPH0710634A JP H0710634 A JPH0710634 A JP H0710634A JP 15053593 A JP15053593 A JP 15053593A JP 15053593 A JP15053593 A JP 15053593A JP H0710634 A JPH0710634 A JP H0710634A
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JP
Japan
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mold
alkali metal
weight
metal silicate
aqueous solution
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Application number
JP15053593A
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English (en)
Inventor
Zenji Nozaki
善治 野崎
Masahito Yamamoto
雅人 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アルカリ金属珪酸塩水溶液、硬化剤を主成分と
する配合物を、型内に充填し加熱硬化させて成形体を得
る際において、硬化体表面にはじき泡の跡がなく、型面
の模様を忠実に転写した表面緻密層を有する無機質硬化
体を得ることができる無機質硬化体の製造方法を提供す
る。 【構成】アルカリ金属珪酸塩水溶液と、硬化剤とを含む
硬化材料を、型面が合成樹脂またはゴム素材で形成され
ている型内に充填し、加熱硬化させる無機質硬化体の製
造方法において、前記型面に予めシリコンエマルジョン
系界面活性剤を塗布したのち、前記硬化材料を型内に充
填するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅やビル等建築用部
材として有用な、不燃で表面美粧性に優れた無機質硬化
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属珪酸塩水溶液と硬化剤とを
主成分とする硬化材料は、転写性に優れており、この硬
化材料を硬化させて得た硬化体を建材等に使用すること
が検討されている。このような硬化材料から硬化体を得
るには、例えば、硬化材料を型内に注型し、密封状態で
加熱硬化させた後、脱型すれば得られるが、使用する型
としては、硬化材料中にアルカリ金属珪酸塩水溶液が使
用されているため、セメントコンクリートの成形におい
て離型剤を必要としない型、例えば特開昭58−155
914号公報や特開昭61−75162号公報に開示さ
れているように、型面が加熱温度に耐えられる合成樹脂
やゴム等の材料で形成されているものが使用されてい
る。
【0003】すなわち、この硬化材料の成形に、セメン
トコンクリートの成形と同様に、通常使用される金属や
合板の型に離型剤を塗布したものを使用した場合、アル
カリ金属珪酸塩水溶液と離型剤とが混ざりあってしまい
離型性が充分ではなくなるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、型面がたとえ
合成樹脂やゴム等の材料で形成されていても、硬化材料
中にアルカリ金属珪酸塩水溶液が含まれていると、硬化
材料と型面との間のなじみが悪く、セメント系配合物の
場合には生じなかったはじき状の泡が、型面との界面付
近に発生し易い。特に成形体に模様付けするために、型
面に凹凸を付与した型を用いた場合には、凹凸模様の頂
点や曲率半径の小さな部分に泡が発生し易い。
【0005】したがって、得られた硬化体は、所々に泡
の跡が観察され、建材等として使用するには外観的に不
充分な物となると言う問題がある。本発明の目的は、ア
ルカリ金属珪酸塩水溶液、硬化剤を主成分とする配合物
を、型内に充填し加熱硬化させて成形体を得る際におい
て、硬化体表面にはじき泡の跡がなく、型面の模様を忠
実に転写した表面緻密層を有する無機質硬化体を得るこ
とができる無機質硬化体の製造方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる無機質硬
化体の製造方法は、このような目的を達成するために、
アルカリ金属珪酸塩水溶液と、硬化剤とを含む硬化材料
を、型面が合成樹脂またはゴム素材で形成されている型
内に充填し、加熱硬化させる無機質硬化体の製造方法に
おいて、前記型面に予めシリコンエマルジョン系界面活
性剤を塗布したのち、前記硬化材料を型内に充填するよ
うにした。
【0007】本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩水
溶液としては、SiO2 /M2 O(M:アルカリ金属)
=0.5〜4のモル比を有するアルカリ金属珪酸塩の水
溶液が望ましい。アルカリ金属珪酸塩を構成するアルカ
リ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が
挙げられ、これらの単独あるいは混合したアルカリ金属
珪酸塩が使用できる。
【0008】SiO2 /M2 Oのモル比が0.5よりも
小さいと硬化体中の結合材成分となるSiO2 分に対す
るアルカリ金属の含有量が多くなり、耐水性が低下する
虞があり、モル比が4モルよりも大きくなると、ゲル化
タイムが早くなり作業性が低下すると共に、保存安定性
も低下する虞がある。アルカリ金属珪酸塩水溶液の濃度
は、アルカリ金属珪酸塩が10〜80重量%が適当であ
る。10重量%よりも濃度が低いと、硬化体の耐水性が
低下し、80重量%よりも濃度が高いと、アルカリ金属
珪酸塩水溶液の粘度が高くなり、混合・成形時の作業性
が低下する虞がある。
【0009】本発明に用いられる硬化剤としては、Ca
(OH)2 ,Al(OH)3 ,Mg(OH)2 ,Zn
(OH)2 等の金属水酸化物、ZnO,MgO,Ca
O,SrO,Al2 3 ,SiO2 等の金属酸化物、N
2 SiF6 ,K2 SiF6 等の珪弗化物、Al(PO
3 3 ,AlPO4 ,Al(H2 PO4 3 ,Mg(H
2PO4 2 ,ZnO・P2 5 等の金属燐酸塩、KB
2 ,CaB4 7 等の金属硼酸塩、Mg,Zn等の金
属粉末、石膏,セメント,スラグ等が単独又は二種以上
で使用できるが、SiO2 −Al2 3 系粉体が好まし
く用いられる。
【0010】SiO2 −Al2 3 系粉体の組成とし
は、SiO2 /Al2 3 =1/9〜9/1(重量比)
のものが使用できる。しかも、粒子全体としてはSiO
2 −Al2 3 が合わせて50重量%以上含まれている
ものが望ましい。50重量%未満の含有量だとSiO2
−Al2 3 系粉体との反応性が低下し、又耐水性も低
下する虞がある。このような条件を満たすSiO2 −A
2 3系粉体としては、例えば特公平3−9060号
公報や特公平4−45471号公報に記されているよう
なフライアッシュ、コランダム或いはムライトの製造時
に発生する電気集塵装置の灰、メタカオリン、粉砕焼成
ボーキサイト等が挙げられるが、組成が適当であればこ
れらに限定されるものではない。
【0011】アルカリ金属珪酸塩水溶液と硬化剤との配
合割合は、アルカリ金属珪酸塩水溶液100重量部に対
し、硬化剤が20〜250重量部(望ましくは40〜2
20重量部)とすることが好ましい。すなわち、20重
量部よりも少ないと硬化剤と反応しないアルカリ金属珪
酸塩が多くなり耐水性が低下し、250重量部りも多い
と粒子間をつなぐ結合材成分が少なくなり強度が低下す
ると共に、混合・成形時の作業性が低下する虞がある。
【0012】また、本発明の方法では、無機質硬化体と
して無機質発泡体も得ることができる。無機質発泡体
は、硬化材料に発泡剤や起泡剤も予め添加しておくこと
によって得ることができる。発泡剤としては、Mg,C
a,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Al,G
a,Sn,Si,フェロシリコン等の金属系粉末、過酸
化水素水や過酸化ナトリウム,過酸化カリウム,過硼酸
ナトリウム等の過酸化物系粉末が使用できるが、コス
ト,安全性,入手の容易さ,混合の容易さ等を考慮する
と、Al,過酸化水素水を使用することが好ましい。
【0013】また、これら発泡剤の粉末粒度としては、
1〜200μm程度が望ましい。すなわち、粒度が1μ
mよりも小さいと分散性が低下すると共に、急速発泡し
ていしまい、200μmよりも大きいと反応性が低下し
てしまう虞がある。発泡剤の添加量は、アルカリ金属珪
酸塩水溶液100重量部に対し、0.05〜8重量部
(溶液は100%換算)程度が望ましい。すなわち、
0.05重量部を下回ると、殆ど発泡しなくなり発泡の
効果を失い、8重量部を越えると強度の低下が著しく、
成形体のハンドリング等ができなくなる虞がある。
【0014】起泡剤としては、高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルエーテル塩、芳香族誘導体スルホン酸
塩、イミダゾリン誘導体、脂肪酸アミド、動物蛋白系が
使用できる。起泡剤の添加量としては、アルカリ金属珪
酸塩水溶液100重量部に対し、0.1〜15重量部程
度が望ましい。すなわち、0.1重量部よりも少ないと
起泡効果が不充分であり、15重量部より多いと硬化不
良を生じ易くなる虞がある。
【0015】さらに、本発明の硬化材料には、必要に応
じて、発泡助剤、無機質充填材、補強繊維、軽量骨材、
顔料等をさらに添加混合することができる。無機質充填
材としては、アルカリ金属珪酸塩水溶液に対する活性が
低いものが好ましく、例えば砂、珪砂、ジルコンサン
ド、結晶質アルミナ、岩石粉末、火山灰(シラス、抗火
石等)、珪灰石、炭酸カルシウム、珪石粉、けいそう
土、雲母、マイカ、シリカヒューム等が挙げられるが、
アルカリ金属珪酸塩水溶液に対する活性が低ければこれ
らに限定されるものではない。
【0016】無機質充填材としてアルカリ金属珪酸塩水
溶液に対する活性の低いものが望まれる理由は、活性度
が高いとアルカリ金属珪酸塩水溶液のゲル化が急速に進
み、混合・成形が困難となるためである。無機質充填材
の配合量としては、アルカリ金属珪酸塩水溶液100重
量部に対し、1500重量部以下が望ましい。すなわ
ち、1500重量部を越えると強度低下や表面平滑性の
低下或いは硬化材料(スラリー)の粘度が高くなり発泡
が充分に行われ難くなる等の現象が生じる虞がある。
【0017】補強繊維としては、通常のセメント製品に
使用される補強繊維が使用でき、ポリプロピレン、ビニ
ロン、レーヨン、耐アルカリガラス、炭素、アクリル、
アラミド、アクリルニトリル等の繊維を単独又は混合し
て使用できる。補強繊維の配合量としては、アルカリ金
属珪酸塩水溶液100重量部に対し、30重量部以下が
望ましい。30重量部を越えると強度低下や表面平滑性
の低下、或いは成形作業性の低下が生じる虞がある。
【0018】発泡助剤としては、シリカゲル、ゼオライ
ト、活性炭、アルミナゲル等の多孔質粉体やステアリン
酸金属塩、バルミチン酸金属塩などの金属石鹸などが使
用できる。発泡助剤の配合量としては、アルカリ金属珪
酸塩水溶液100重量部に対し、15重量部以下が望ま
しい。すなわち、15重量部よりも多くなると、破泡等
を生じ発泡に悪影響を与える虞がある。
【0019】軽量骨材としては、パーライトやシラス発
泡体等の無機質軽量骨材や発泡スチロール等の有機質軽
量骨材が使用できる。軽量骨材の配合量としては、アル
カリ金属珪酸塩水溶液100重量部に対し、50重量部
以下が望ましい。50重量部を越えると強度低下や表面
平滑性の低下或いは硬化材料の粘度が高くなり、発泡が
充分に行われ難くなる等の現象が生じる虞がある。
【0020】顔料としては、金属酸化物の顔料が望まし
い。顔料の配合量としては、アルカリ金属珪酸塩水溶液
100重量部に対し、50重量部以下が望ましい。すな
わち、50重量部を越えると硬化材料の粘度上昇が大き
くなり、発泡不良を生じたり、作業性の低下が生じる虞
がある。シリコンエマルジョン系界面活性剤としては、
シリコーンオイルを乳化剤を使用して水中油滴のエマル
ジョンにしたものや、シリコーンオイルにシリカやアル
ミナ、炭酸カルシウム等の無機微粉末を分散させたオイ
ルコンパウンドを乳化剤を使用して水中油滴のエマルジ
ョンにしたものを主成分としたもの等が使用できる。
【0021】シリコーンオイルとしては、分子構造が次
式で表されるものであって、
【0022】
【化1】
【0023】上記式中のRが全てメチル基のジメチルシ
リコーンオイル、メチル基の一部をフェニル基に変えた
メチルフェニルシリコーンオイル、珪素に結合している
Rの一つがメチル基で他の一つが水素であるメチルハイ
ドロゲンシリコーンオイルのストレートシリコーンオイ
ルやポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性
シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルの単独又は
2種以上の混合物が使用でき、例えば市販品ではSH2
00(東レシリコーン社製)・TSF451(東芝シリ
コーン社製)・KF96(信越シリコーン社製)等が使
用できる。又オイルコンパウンドの市販品としては、例
えばTSA750(東芝シリコーン社製)・SH550
0(東レシリコーン社製)が使用できる。
【0024】乳化剤としては、「新・界面活性剤入門
(三洋化成工業(株)刊、P128)」に示されている
HLB(親水性−親油性バランス)が8〜12の非イオ
ン系乳化剤が好ましく用いられるが、HLBが8〜12
以外の非イオン系乳化剤であっても他の非イオン系乳化
剤との加重平均によってHLBが8〜12の範囲に入っ
ていれば、特に限定されない。
【0025】非イオン系乳化剤としては、ソルビタンモ
ノラウレート(HLB8.6)、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート(HLB10.0)、ノニルフ
ェノールEO(エチレンオキシド)5モル付加物(HL
B10.9)、ラウリルアルコールEO6モル付加物
(HLB10.8)、マッコーアルコールEO5モル付
加物(HLB9.3)、ポリエチレングリコールオレイ
ン酸(600)ジエステル等が使用でき、市販品とし
て、例えば三洋化成工業社製のノニポール60(ノニル
フェノールEO6モル付加物)やイオネットDO−60
0(ポリエチレングリコールオレイン酸(600)ジエ
ステル)、第一工業製薬社製のノイゲンET102(ラ
ウリルアルコールEO5モル付加物)、花王社製のレオ
ドールSP−L10(ソルビタンモノラウレート)等が
使用できる。
【0026】また、シリコンエマルジョン系界面活性剤
の市販品としては、例えばサンノプコ社製の「SNデフ
ォーマー381」や「SNデフォーマー382」、ビッ
グケミー社製の「BYK045」、東レシリコーン社製
の「SH5501」や「TSA730」、信越シリコー
ン社製の「KM72」等が使用される。シリコンエマル
ジョン系界面活性剤の塗布量は固形分として10〜30
0g/m2 程度が好ましい。すなわち、塗布量が10g
/m2 を下回ると、はじき泡が発生し易くなる虞があ
り、300g/m2 を上回ると硬化体表面が硬化不良を
生じクラックを生じたり、界面活性剤が硬化体表面に残
り、所望の色調の硬化体が得られなくなる虞がある。
【0027】シリコンエマルジョン系界面活性剤は、エ
アースプレー・エアレススプレー(霧吹き含む)・刷毛
・ローラ等の通常の塗布方法によって塗布することがで
きる。成形に用いられる型としては、少なくとも型面が
シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、スチレンブ
タジエンゴム等のゴム系材質、ポリエステルやエポキシ
等のFRP系材質、ABS、塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル、フッ素等の合成樹脂系
材質になっている型が挙げられる。
【0028】無機質発泡成形体を作製するには、まず硬
化材料となる配合物の混合を行うのであるが、本発明の
場合、配合物の混合は、通常のセメントモルタルやコン
クリートを混合する機械や高速攪拌式の混合機を用いて
行うことができる。混合の手順は、配合物の組み合わせ
によっても異なるが、発泡剤や起泡剤を用いる場合は、
つぎのような混合手順が好ましい。
【0029】(1)発泡剤使用の場合:硬化剤以外の配
合物をまず混合し、その後硬化剤を添加混合するか、又
は固形配合物を全てまず混合し、その後アルカリ金属珪
酸塩水溶液をさらに加えて混合した後、発泡剤を添加混
合するのが望ましい。すなわち、発泡剤を最初から混合
すると混合中に発泡が始まり、硬化時には発泡してしま
う等の悪影響が生じる。
【0030】(2)起泡剤使用の場合:硬化剤以外の
配合物をまず混合し、その後硬化剤を添加混合するか、
又は固形配合物を全てまず混合し、その後アルカリ金属
珪酸塩水溶液をさらに加えて混合しスラリー化した後、
起泡剤を添加混合する。起泡剤の添加量としては、スラ
リーに対し0.1〜2%が望ましい。0.1%よりも少
ないと泡の安定性が悪く破泡してしまい、2%よりも多
いと硬化不良が生じる虞がある。
【0031】(3)起泡剤使用の場合:硬化剤以外の
原料をまず混合し、その後硬化剤を添加混合するか、又
は固形原料を全てまず混合し、その後アルカリ金属珪酸
塩水溶液と混合してスラリー化した後、予め、起泡剤水
溶液と起泡装置を用いて気泡を生成させた水溶液と混合
する。起泡剤水溶液の濃度としては0.1〜5%が望ま
しい。0.1%よりも少ないと泡の安定性が悪く破泡し
てしまい、5%よりも多いと硬化不良を生じる虞があ
る。
【0032】なお、上記(1)〜(3)の方法のうち、
成形体の大きさに対する泡の分散性や比重の調製の容易
さを考慮すると、(1)の方法が特に望ましい。このよ
うにして得られた硬化材料を型内に充填して成形を行う
が、充填する前にシリコンエマルジョン系界面活性剤の
塗布を行い、乾燥しないうちに混合物を充填する。成形
方法としては、注形、振動注形方法を用いることができ
る。
【0033】加熱硬化は、成形体を型内に保持する或い
は受け型等に保持する等のように水分の急激な蒸発が生
じないような状態で、雰囲気温度を50℃から300℃
の間で、5分から12時間保持して行うのが好ましい。
加熱温度が高くなれば硬化時間が短くなるのはいうまで
もないが、有機繊維を使用した場合には、繊維の熱劣化
が生じないような加熱条件が必要となる。
【0034】
【作用】硬化材料を型内に注入する前にシリコンエマル
ジョン系界面活性剤を型面に塗布しておくと、硬化材料
中にアルカリ金属珪酸塩水溶液が存在しても、型内に注
型された硬化材料と型面との界面において、硬化材料と
型面との馴染みがよく、はじき泡が発生したりすること
がない。
【0035】したがって、硬化材料が型面の隅々まで型
面の形状に沿うように注型されるため、表面に泡跡がな
い表面緻密層を有する硬化体を作製できるようになる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例を参照しつつ
詳しく説明する。表1に示す配合の硬化性物質A,Bを
用意したのち、この硬化性物質A,Bにそれぞれ珪砂ま
たは珪石粉を表2示す配合で混合して配合物1および配
合物2を得た。
【0037】
【表1】
【0038】なお、表1中の電気集塵の灰は、コランダ
ム材製造時の電気集塵の灰であって、その組成が、Si
2 が10.3重量%、Al2 3 が84.3重量%、
その他としてFe2 3 ,MgO等からなるものであ
る。
【0039】
【表2】
【0040】(実施例1)型面(転写面)がツヤ消しと
なるように微細な凹凸処理を施した平板状のシリコンゴ
ムで形成された型の型面に、シリコンエマルジョン界面
活性剤「SNデフォーマー381(サンノプコ社製)」
を塗布したのち、この型内へ表2に示す配合物1をオム
ニミキサー(千代田技研社製)で混合・振動注型を行
い、ポリエステル製のシートで密封した後、150℃の
オーブン内で1時間加熱した後、脱型し300mm角の
硬化体を作製した。
【0041】(比較例1)界面活性剤を塗布しなかった
以外は実施例1と同様にして硬化体を作製した。 (比較例2)シリコンエマルジョン系界面活性剤「SN
デフォーマー381」の代わりに、非エマルジョン系シ
リコン界面活性剤「BYK−341(ビッグケミー社
製)」を用いた以外は実施例1と同様にして硬化体を作
製した。
【0042】(実施例2)型面(転写面)が光沢を有す
るような平滑面を有し施し且つ石割模様を表現できるウ
レタンゴムで形成された型の型面に、水系シリコンエマ
ルジョン界面活性剤「BYK−045(ビッグケミー社
製)」を塗布したのち、この型内へ表2に示す配合物2
をオムニミキサー(千代田技研社製)で混合・振動注型
を行い、ポリエステル製のシートで密封した後、85℃
のオーブン内で5時間加熱した後、脱型し300mm角
の硬化体を作製した。
【0043】(比較例3)水系シリコンエマルジョン界
面活性剤「BYK−045」の代わりに非エマルジョン
系界面活性剤「デヒドラン1513(ヘンゲル社製)」
を塗布した以外は実施例2と同様にして、硬化体を作製
した。実施例1,2および比較例1〜3で得られた硬化
体の光沢の有無及び硬化体表面での泡の跡の発生状態を
肉眼で観察評価し、その評価結果を表3,4に示した。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】つぎに、表5に示す配合割合の配合物3,
4を用意した。
【0047】
【表5】
【0048】なお、表5中、電気集塵の灰は、コランダ
ム材製造時の電気集塵の灰であって、その組成が、Si
2 が10.3重量%、Al2 3 が84.3重量%、
その他としてFe2 3 ,MgO等からなるものであ
る。一方、粉砕焼成ボーキサイトは、組成がSiO2
28.8重量%、Al2 3 が62.5重量%、その他
としてFe2 3 ,MgO等からなるものである。
【0049】(実施例3)オムニミキサー(千代田技研
製)で表5に示す配合物3を混合した後、発泡剤として
Al粉末(東洋アルミニウム製、平均粒径25μm)を
アルカリ金属珪酸塩水溶液100重量部に対し0.4重
量部添加し、さらに30秒間オムニミキサーで混合して
スラリーを得た。
【0050】型面(転写面)が高光沢となる平板状のシ
リコンゴムで形成された型の型面に、シリコンエマルジ
ョン界面活性剤「SNデフォーマー381(サンノプコ
社製、固形分47%)」をエアースプレーで250g/
2 (固形分)の塗布量となるように塗布したのち、こ
の型内へ前記スラリーを注型し、発泡が終了した後にポ
リエステル製のシートで密封した。そして、150℃の
オーブン内で1時間加熱した後、脱型し比重0.45、
300mm角で厚さ20mmの発泡体を作製した。
【0051】(実施例4)シリコーンオイルコンパウン
ドTSA750(東芝シリコーン)100重量部とノニ
ポール60(三洋化成工業)20重量部、蒸留水250
重量部を混合し、シリコンエマルジョン(固形分37
%)を得た。一方、ハンドミキサーで表5に示す配合物
4を混合した後、5%の過酸化水素水(和光純薬社製特
級試薬を希釈)をアルカリ金属珪酸塩水溶液100重量
部に対し10重量部添加し更に20秒間混合し、スラリ
ーを得た。
【0052】型面が石割模様を表現でき艶消し面となっ
ているウレタンゴムから形成されている型の型面に、上
記で得たシリコンエマルジョンを霧吹きで噴霧して25
g/m2 (固形分)の塗布量で塗布した。そののち、上
記で得たスラリーを型内に振動注型し、発泡が終了した
後にポリエステル製のシートで密封し、85℃のオーブ
ン内で5時間加熱した後、脱型し、比重0.7、300
mm角で厚さ10mmの発泡体を作製した。
【0053】(実施例5)ハンドミキサーで表5に示す
配合物4を混合した後、発泡剤としてのAl粉末(東洋
アルミニウム製、平均粒径25μm)をアルカリ金属珪
酸塩水溶液100重量部に対し0.4重量部添加し更に
20秒間混合し、スラリーを得た。型面が光沢を有する
平滑なポリプロピレンプレートから形成されている型の
型面に、水系シリコンエマルジョン界面活性剤「SH5
501」(固形分51%・東レシリコーン製)を160
g/m2 (固形分)の塗布量となるようにローラーで塗
布したのち、上記スラリーを、型内に振動注型を行い、
発泡が終了した後にポリエステル製のシートで密封し、
100℃のオーブン内で2時間加熱した後、脱型し、比
重0.3、300mm角で厚さ10mmの発泡体を作製
した。
【0054】(比較例4)シリコンエマルジョンの代わ
りに非エマルジョン系界面活性剤「デヒドラン1513
(ヘンケル社製)」を塗布した以外は実施例5と同様に
して、発泡体を作製した。実施例3〜5および比較例4
で得られた硬化体の光沢の有無及び硬化体表面での泡の
跡の発生状態を肉眼で観察評価し、その評価結果を表
6,7に示した。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】表3,4および表6,7から、本発明の製
造方法のように、シリコンエマルジョン系界面活性剤を
型面に塗布するようにすれば、塗布しないもの、あるい
は、非シリコンエマルジョン系界面活性剤を塗布した場
合に比べ、表面に泡の跡などがなく、型面の形状をその
まま転写した硬化体を成形できることが判る。
【0058】
【発明の効果】本発明にかかる無機質硬化体の製造方法
は、以上のように、予め型面にシリコンエマルジョン系
界面活性剤を塗布することにより、硬化材料と型面との
なじみがよくなり、表面に泡がなく、型面模様を再現良
く転写した無機硬化体を確実に製造できる効果を有す
る。
【0059】非エマルジョンシリコン系界面活性剤を塗
布すると高光沢表面の成形体や白化した表面の成形体し
か得られず、また泡の抑制も不充分なことが多くなり、
表面美装性の制御が困難となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属珪酸塩水溶液と、硬化剤と
    を含む硬化材料を、型面が合成樹脂またはゴム素材で形
    成されている型内に充填し、加熱硬化させる無機質硬化
    体の製造方法において、前記型面に予めシリコンエマル
    ジョン系界面活性剤を塗布したのち、前記硬化材料を型
    内に充填することを特徴とする無機質硬化体の製造方
    法。
JP15053593A 1993-06-22 1993-06-22 無機質硬化体の製造方法 Pending JPH0710634A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012086537A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Railway Technical Research Institute ジオポリマー硬化体用離型剤、成形されたジオポリマー硬化体の製造方法
JP2014214070A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 花王株式会社 水硬性組成物

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JP2012086537A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Railway Technical Research Institute ジオポリマー硬化体用離型剤、成形されたジオポリマー硬化体の製造方法
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