JPH07105734A - 電気絶縁組成物 - Google Patents
電気絶縁組成物Info
- Publication number
- JPH07105734A JPH07105734A JP5277423A JP27742393A JPH07105734A JP H07105734 A JPH07105734 A JP H07105734A JP 5277423 A JP5277423 A JP 5277423A JP 27742393 A JP27742393 A JP 27742393A JP H07105734 A JPH07105734 A JP H07105734A
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- JP
- Japan
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- antioxidant
- weight
- parts
- polyethylene
- composition
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、例えば電線・ケーブルの絶縁体や
テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用い、ブ
ルームの発生などのない、電気絶縁組成物を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明は、密度0.88〜0.91g/cm
3 の超低密度ポリエチレンに酸化防止剤を添加し混練し
て酸化防止剤コンクを製造し、該酸化防止剤コンクを、
ポリエチレン100重量部に対して、前記酸化防止剤量
が0.03〜0.3重量部、また前記超低密度ポリエチ
レンが5〜30重量部となるように混合した電気絶縁組
成物にあり、この予め酸化防止剤を混合した酸化防止剤
コンクの製造により、酸化防止機能および電気特性にも
優れ、かつ、ブルームの発生のない、組成物が得られ
る。
テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用い、ブ
ルームの発生などのない、電気絶縁組成物を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明は、密度0.88〜0.91g/cm
3 の超低密度ポリエチレンに酸化防止剤を添加し混練し
て酸化防止剤コンクを製造し、該酸化防止剤コンクを、
ポリエチレン100重量部に対して、前記酸化防止剤量
が0.03〜0.3重量部、また前記超低密度ポリエチ
レンが5〜30重量部となるように混合した電気絶縁組
成物にあり、この予め酸化防止剤を混合した酸化防止剤
コンクの製造により、酸化防止機能および電気特性にも
優れ、かつ、ブルームの発生のない、組成物が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線・ケーブルの絶縁
体や、テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用
いて有用な電気絶縁組成物に関するものである。
体や、テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用
いて有用な電気絶縁組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電力ケーブルの絶縁体やその接
続部などに用いられる架橋ポリエチレンにあっては、架
橋剤の他に熱劣化を防止するため、老化防止剤(酸化防
止剤)やその他の必要な添加剤が添加されている。
続部などに用いられる架橋ポリエチレンにあっては、架
橋剤の他に熱劣化を防止するため、老化防止剤(酸化防
止剤)やその他の必要な添加剤が添加されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
架橋ポリエチレンの場合、製造後長期経過すると、老化
防止剤のポリエチレン中への溶解度が非常に小さいた
め、ポリエチレンと相分離して、樹脂表面に吹き出して
くる、所謂ブルーム現象が起こる。このような老化防止
剤のブルームが生じると、架橋ポリエチレンそのものの
老化が早まったり、あるいは電力ケーブルなどの接続作
業の際、ブルームした粉状の老化防止剤が接続部に紛れ
込むなどの問題があった。
架橋ポリエチレンの場合、製造後長期経過すると、老化
防止剤のポリエチレン中への溶解度が非常に小さいた
め、ポリエチレンと相分離して、樹脂表面に吹き出して
くる、所謂ブルーム現象が起こる。このような老化防止
剤のブルームが生じると、架橋ポリエチレンそのものの
老化が早まったり、あるいは電力ケーブルなどの接続作
業の際、ブルームした粉状の老化防止剤が接続部に紛れ
込むなどの問題があった。
【0004】このような従来の問題点に鑑みて、本発明
者等が鋭意検討したところ、予め密度0.88〜0.9
1g/cm3 の超低密度ポリエチレンに酸化防止剤(老
化防止剤)を添加し混練して酸化防止剤コンクを製造
し、この酸化防止剤コンクを、特定の条件下で、ポリエ
チレンに添加したところ、ブルームの発生が効果的に抑
えられることを見出した。
者等が鋭意検討したところ、予め密度0.88〜0.9
1g/cm3 の超低密度ポリエチレンに酸化防止剤(老
化防止剤)を添加し混練して酸化防止剤コンクを製造
し、この酸化防止剤コンクを、特定の条件下で、ポリエ
チレンに添加したところ、ブルームの発生が効果的に抑
えられることを見出した。
【0005】本発明は、この新事実に基づいてなされた
ものである。
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】つまり、
本発明は、密度0.88〜0.91g/cm3 の超低密
度ポリエチレンに酸化防止剤を添加し混練して酸化防止
剤コンクを製造し、該酸化防止剤コンクを、ポリエチレ
ン100重量部に対して混合し、前記酸化防止剤量が
0.03〜0.3重量部、また前記超低密度ポリエチレ
ンが5〜30重量部となるようにしたことを特徴とする
電気絶縁組成物、また、必要により、この組成物100
重量部に架橋剤1.0〜3.0重量部を添加したことを
特徴とする電気絶縁組成物にある。
本発明は、密度0.88〜0.91g/cm3 の超低密
度ポリエチレンに酸化防止剤を添加し混練して酸化防止
剤コンクを製造し、該酸化防止剤コンクを、ポリエチレ
ン100重量部に対して混合し、前記酸化防止剤量が
0.03〜0.3重量部、また前記超低密度ポリエチレ
ンが5〜30重量部となるようにしたことを特徴とする
電気絶縁組成物、また、必要により、この組成物100
重量部に架橋剤1.0〜3.0重量部を添加したことを
特徴とする電気絶縁組成物にある。
【0007】かゝる本発明で用いる酸化防止剤として
は、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチ
ル−フェノール)、4,4′−チオビス−(6−t−ブ
チル−−o−クレゾール)、ビス[2−メチル−4−
{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニ
ルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、ペ
ンタエリスリチル−テトラキシ[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2′−
チオジエチルビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、N,
N′−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)などが挙げ
られるが、これに限定されるものではない。
は、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチ
ル−フェノール)、4,4′−チオビス−(6−t−ブ
チル−−o−クレゾール)、ビス[2−メチル−4−
{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニ
ルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、ペ
ンタエリスリチル−テトラキシ[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2′−
チオジエチルビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、N,
N′−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)などが挙げ
られるが、これに限定されるものではない。
【0008】ここで、酸化防止剤の添加量を、0.03
〜0.3重量部としたのは、0.03重量部未満では十
分な酸化劣化の防止機能が得られず、また、0.3重量
部を越えるようになるとコスト上不利となるからであ
る。
〜0.3重量部としたのは、0.03重量部未満では十
分な酸化劣化の防止機能が得られず、また、0.3重量
部を越えるようになるとコスト上不利となるからであ
る。
【0009】また、上記密度0.88〜0.91g/c
m3 の超低密度ポリエチレンの添加量を、5〜30重量
部としたのは、5重量部未満では酸化防止剤のブムール
抑止効果が不十分であり、また、30重量部を越えると
組成物の電気特性が低下するようになるからである。
m3 の超低密度ポリエチレンの添加量を、5〜30重量
部としたのは、5重量部未満では酸化防止剤のブムール
抑止効果が不十分であり、また、30重量部を越えると
組成物の電気特性が低下するようになるからである。
【0010】このように酸化防止剤を予め超低密度ポリ
エチレンに添加して酸化防止剤コンクを製造することに
より、ブルームの発生が効果的に抑制される理由は、超
低密度ポリエチレンの結晶形態によると考えられる。す
なわち、結晶化度が低く抑えられていることにより非晶
領域が増大し、この非晶領域に酸化防止剤が効果的に保
持されることによると、考えられる。
エチレンに添加して酸化防止剤コンクを製造することに
より、ブルームの発生が効果的に抑制される理由は、超
低密度ポリエチレンの結晶形態によると考えられる。す
なわち、結晶化度が低く抑えられていることにより非晶
領域が増大し、この非晶領域に酸化防止剤が効果的に保
持されることによると、考えられる。
【0011】なお、本発明の電気絶縁組成物では、従来
の組成物と同様、通常添加される他の添加剤、例えばジ
クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンも、必要により適
宜添加することができる。
の組成物と同様、通常添加される他の添加剤、例えばジ
クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンも、必要により適
宜添加することができる。
【0012】
【実施例】次に、表1に示した配合からなる各組成物
(実施例1〜4、比較例1〜3)を製造し、これらの各
組成物について、老化特性、ブルーム発生の有無、AC
破壊値などについて、各種の試験を行い、その結果を、
同表に併記した。これらの各組成物において、ペース樹
脂のポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンを使用
し、また、酸化防止剤コンクは、上述したように密度
0.88〜0.91g/cm3 の超低密度ポリエチレン
に酸化防止剤を予め添加し混練して製造した。この酸化
防止剤コンク、架橋剤(例えばDCP)を種々の割合で
混合して得られた各組成物は、テープ化して上記各試験
を行った。
(実施例1〜4、比較例1〜3)を製造し、これらの各
組成物について、老化特性、ブルーム発生の有無、AC
破壊値などについて、各種の試験を行い、その結果を、
同表に併記した。これらの各組成物において、ペース樹
脂のポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンを使用
し、また、酸化防止剤コンクは、上述したように密度
0.88〜0.91g/cm3 の超低密度ポリエチレン
に酸化防止剤を予め添加し混練して製造した。この酸化
防止剤コンク、架橋剤(例えばDCP)を種々の割合で
混合して得られた各組成物は、テープ化して上記各試験
を行った。
【0013】老化特性試験は、上記テープ化した組成物
を150℃で168時間の加熱を行い、EL残率により
判断した。ここで、EL残率は、加熱する前の値を1と
し、加熱後の引張伸びの値を相対値で表したものであ
り、この値が大きい程劣化が進んでいないことを意味す
る。
を150℃で168時間の加熱を行い、EL残率により
判断した。ここで、EL残率は、加熱する前の値を1と
し、加熱後の引張伸びの値を相対値で表したものであ
り、この値が大きい程劣化が進んでいないことを意味す
る。
【0014】ブルーム試験は、テープ厚さを100μm
として、−20℃〜80℃のヒートサイクルを14日間
行い、その際のブルームの発生の有無を調べて行った。
として、−20℃〜80℃のヒートサイクルを14日間
行い、その際のブルームの発生の有無を調べて行った。
【0015】電気特性試験は、テープ厚さを0.2mm
とし、そのAC破壊値を球−平板電極で評価した。
とし、そのAC破壊値を球−平板電極で評価した。
【0016】
【表1】
【0017】上記表1から、本発明に係る電気絶縁組成
物の場合(実施例1〜4)、老化特性および電気特性に
も優れ、かつ、ブルームの発生がないのに対して、本発
明条件を欠く場合(比較例1〜3)には、いずれかの特
性が悪かったり、ブルームの発生があることが判る。
物の場合(実施例1〜4)、老化特性および電気特性に
も優れ、かつ、ブルームの発生がないのに対して、本発
明条件を欠く場合(比較例1〜3)には、いずれかの特
性が悪かったり、ブルームの発生があることが判る。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、製造後長
期間経過しても、ブルームの発生がなく、酸化劣化にも
強く、電気特性にも優れた電気絶縁組成物が得られる。
したがって、この組成物を電線・ケーブルの絶縁体や、
テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用いれ
ば、優れた電線・ケーブルあるいは接続部などを得るこ
とができる。
期間経過しても、ブルームの発生がなく、酸化劣化にも
強く、電気特性にも優れた電気絶縁組成物が得られる。
したがって、この組成物を電線・ケーブルの絶縁体や、
テープ状として電線・ケーブルの接続部などに用いれ
ば、優れた電線・ケーブルあるいは接続部などを得るこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 密度0.88〜0.91g/cm3 の超
低密度ポリエチレンに酸化防止剤を添加し混練して酸化
防止剤コンクを製造し、該酸化防止剤コンクを、ポリエ
チレン100重量部に対して、前記酸化防止剤量が0.
03〜0.3重量部、また前記超低密度ポリエチレンが
5〜30重量部となるように混合したことを特徴とする
電気絶縁組成物。 - 【請求項2】 前記組成物100重量部に架橋剤1.0
〜3.0重量部を添加したことを特徴とする請求項1記
載の電気絶縁組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5277423A JPH07105734A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電気絶縁組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5277423A JPH07105734A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電気絶縁組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07105734A true JPH07105734A (ja) | 1995-04-21 |
Family
ID=17583356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5277423A Pending JPH07105734A (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電気絶縁組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07105734A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005010896A1 (en) * | 2003-07-24 | 2005-02-03 | Union Carbide Chemicals & Plastic Technology Corporation | Cable insulation system with flexibility, high temperature deformation resistance, and reduced degree of stickiness |
-
1993
- 1993-10-08 JP JP5277423A patent/JPH07105734A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005010896A1 (en) * | 2003-07-24 | 2005-02-03 | Union Carbide Chemicals & Plastic Technology Corporation | Cable insulation system with flexibility, high temperature deformation resistance, and reduced degree of stickiness |
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