JPH07105580B2 - フレキシブルプリント回路基板 - Google Patents

フレキシブルプリント回路基板

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JPH07105580B2
JPH07105580B2 JP17700291A JP17700291A JPH07105580B2 JP H07105580 B2 JPH07105580 B2 JP H07105580B2 JP 17700291 A JP17700291 A JP 17700291A JP 17700291 A JP17700291 A JP 17700291A JP H07105580 B2 JPH07105580 B2 JP H07105580B2
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conductivity
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健一朗 杉本
久敏 村上
昌平 森元
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Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属銅粉をフェノール
樹脂混和物中に分散させた導電塗料によって、ジャンパ
ー回路、スルーホール回路、電磁波シールド層を形成し
たフレキシブルプリント回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来より、IC、MSI、
LSIなどを実装するプリント回路の基板として銅張積
層絶縁基板が多く用いられている。
【0003】この銅張積層絶縁基板に形成されたプリン
ト回路では、例えば、パターンの長さに関係した自己イ
ンダクタンスやストレートキャパシティ及び共通インピ
ーダンス等を低くするために、バイパス用のジャンパー
回路が設けられる。このジャンパー回路は、プリント回
路における銅箔回路間の非接続回路部分全体にレジスト
を形成した後、このレジスト層の形成された部分を飛び
越えて接続すべき銅箔回路間に、導電性銀塗料(以下、
銀ペーストという。)を用いて、スクリーン印刷法によ
り形成する。
【0004】また、前記銅箔回路上には、グラウンドパ
ターンまたは電源パターンの一部を除き、ソルダーレジ
スト層を介して、電磁波シールド層を形成する。この電
磁波シールド層も銀ペーストを用いて形成される。
【0005】さらに、基板表裏にプリント回路を形成し
たり、レジスト層を介してプリント回路を積層するもの
にあっては、その上下の回路を接続する必要のあると
き、基板又はレジスト層にスルーホール回路を形成す
る。このスルーホール回路も銀ペースを用いている。
【0006】しかし、銀ペーストは高価なため、これに
代わる安価な導電銅塗料 (以下、銅ペーストという。 )
が種々公表されているが、これらの銅ペーストはバイン
ダーとして主に熱硬化性のフェノール系樹脂を使用して
いるため、塗膜の熱硬化時の内部応力により銅箔面との
密着性が悪く、前記ジャンパー回路等を形成する導電塗
料として採用するには信頼性に欠ける。
【0007】一方、このようなプリント回路基板のうち
特に電気機器の小型化、あるいは、複雑な機構の中に回
路を組み込むためにフレキシブルプリント回路基板(以
下FPCと云う。)が多用されるようになっている。一
般に使用されるFPCは、上記用途から見て機器内に組
み込むことを容易とするために、可撓性を必要とするも
のではあるが、繰返し屈曲に対する耐久性を必要とする
ものではなかった。
【0008】また、近年、電気、電子機器の電磁波障害
が大きな問題となって来ており、その対策として機器の
ケーシングにシールド機能を持たせるとか、機器の部品
にシールドカバーを施し、電磁波を外に洩れないように
するなどの対策が講じられている。
【0009】ところが、FPCの最近の新しい使用状況
を見ると、コンピューターやワードプロセッサーのプリ
ンターに使用されているもののように、繰返し屈曲さ
れ、且つ、電磁波遮蔽を求められるものが多くなってい
る。このような現状に立って、これまでのFPCを見る
と、繰返し屈曲に対する耐久性が乏しく、更にFPCに
シールド層を設けると積層数が増えて屈曲耐久性が一層
悪くなる等の問題がある。このため、可撓性が良く、繰
返し屈曲に対する耐久性を有する電磁波シールド機能を
有するFPCが求められている。
【0010】そこで、本願発明者らは先に銅箔面との密
着性が良好で、且つ安価であり、導電性にも優れ、半田
耐熱性の良い導電塗料を提案した(特開平2− 16172
号)。
【0011】しかしながら、この導電塗料で形成した硬
化膜は酸化銅箔面に対して良好な密着性は得られるが、
無酸化銅箔面に対する密着性に難点を有する。密着性が
低いことは導電性も低いこととなるうえに、屈曲に対し
て剥れ易いこととなる。また、粘度が低いため、スルー
ホール回路を形成する際、十分な膜厚を得ることができ
ず、それゆえ導電性の点で問題がある。
【0012】本発明の課題は、酸化銅と無酸化銅のいず
れの銅箔面に対しても優れた密着性を有する導電塗料及
びスルーホール接続において良好な接続形状とし得て十
分な導電性を有する導電塗料でもって、電磁波シールド
層、ジャンパー回路、スルーホール回路を形成したフレ
キシブルプリント回路基板とすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にあっては可撓性プラスチックフィルムの少
なくとも片面に、グラウンドパターンを含む回路パター
ン、レジスト層及び電磁波シールド層を少なくとも各一
層設け、可撓性プラスチックフィルムとレジスト層の少
なくとも一方にスルーホール回路を有し、かつ回路パタ
ーンにはジャンパー回路を設けた周知のフレキシブルプ
リント回路基板において、上記電磁波シールド層又は電
磁波シールド層及びジャンパー回路を下記の導電塗料a
で、上記ジャンパー回路及びスルーホール回路又はスル
ーホール回路を下記の導電塗料bでそれぞれ形成してな
る構成としたのである。
【0014】〔導電塗料a:下記各成分(A)乃至
(E)の配合〕 (A)0.05〜0.2重量部のチタネート、ジルコネー
ト、またはその混合物により表面被覆した、金属銅粉1
00重量部 (B)レゾール型フェノール樹脂5〜30重量部 (C)キレート層形成剤0.5〜4重量部 (D)密着性向上剤0.1〜5重量部 (E)導電性向上剤0.5〜7重量部 〔導電塗料b:下記各成分(F)乃至(I)の配合〕 (F)0.05〜0.2重量部のチタネート、ジルコネー
ト、またはその混合物により表面被覆した、金属銅粉1
00重量部 (G)2−1置換体、2,4−2置換体、2,4,6−
3置換体、メチロール基、ジメチレンエーテル、フェニ
ル基の各赤外線透過率をl,m,n,a,b,cとする
とき、各透過率の間に、 (イ)l/n=0.8〜1.2 (ロ)m/n=0.8〜1.2 (ハ)b/a=0.8〜1.2 (ニ)c/a=1.2〜1.5 なる関係が成り立つレゾール型フェノール樹脂5〜33
重量部 (H)アミノ化合物0.5〜3.5重量部 (I)キレート層形成剤3.0〜10重量部 なお、上記各成分の配分比率は金属銅粉の量を100重
量部として示す(以下、同じ)。
【0015】上記プラスチックフィルムには、ポリエス
テル、ポリイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリイミ
ドアミド、接着性を有するシリコーン樹脂などのフィル
ムを使用することができる。
【0016】レジスト層材料は、液状コート材としては
例えばエポキシ樹脂、エポキシ・メラミン樹脂、ポリウ
レタン、ブチルゴム、シリコーンエラストマーなどの合
成樹脂でスクリーン印刷が可能なもの、フィルム状のも
のとしては前記ベース用プラスチックフィルムと同種の
ものが用いられ、ロールラミネーター等により貼り合わ
す。
【0017】上記金属銅粉は、片状、樹枝状、球状、不
定形状などのいずれの形状であってもよい。粒径は10
0μm以下が好ましく、特に1〜30μmが好ましい。
粒径が1μm未満のものは酸化されやすく、得られる塗
膜の導電性が低下するので好ましくない。
【0018】また、金属銅粉は、チタネート、ジルコネ
ート、またはその混合物(以下、分散性付与剤という)
により表面被覆することにより、樹脂混和物中への微細
分散が促進され、これにより導電塗料の品質の安定化お
よび導電性の改良をはかる。この分散性付与剤の添加量
は、金属銅粉100重量部に対して、0.05〜0.2重量
部である。分散性付与剤の添加量が0.05重量部未満の
ときは、塗膜の導電性が低下し、0.2重量部を超えると
きは、銅箔との密着性及び半田耐熱性が好ましくない。
分散性付与剤はそれ自体を単体で添加してもよく、ま
た、溶液として添加した後溶剤を除去してもよい。因み
に、この表面処理をすれば、分散剤の添加が不要とな
る。
【0019】上記レゾール型フェノール樹脂は、導電塗
料aにあっては通常のものでよいが、導電塗料aも導電
塗料bと同様の組成のものとすることができる。その含
有量が5重量部未満では、金属銅粉が十分にバインドさ
れず、得られる塗膜が脆くなる。また、通常のものにあ
っては30重量部、導電塗料bのものにあっては33重
量部をこえると、導電性が低下する。好ましくは両者と
もに9〜20重量部とする。
【0020】導電塗料bに使用するレゾール型フェノー
ル樹脂について、その化学量、2−1置換体量をλ、
2,4−2置換体量をμ、2,4,6−3置換体量を
ν、メチロール基量をα、ジメチレンエーテル量をβ、
フェニル基量をγとすると、前記構成のl/n、m/n
が大きいということは、λ/ν、μ/νが小さいという
ことになる。すなわち、2−1置換体量λ、2,4−2
置換体量μに比して、2,4,6−3置換体量νが多い
ということを意味する。また、前記構成のb/a、c/
aが大きいということは、β/α、λ/αが小さいとい
うことになる。すなわち、ジメチレンエーテル量β、フ
ェニル基量λに比して、メチロール基量αが多いという
ことを意味する。
【0021】一般に、2,4,6−3置換体量νが大き
くなると、レゾール型フェノール樹脂の架橋密度が大き
くなるため、前記λ/ν、μ/νが小さい方が、すなわ
ち、l/n、m/nが大きい方が塗膜の導電性は良くな
る。しかし、逆に塗膜が硬く、脆くなる傾向を示し、物
理的特性が悪くなる。また、β/αが小さいと塗膜の半
田付性が悪くなり、γ/αが大きいと塗膜の導電性が悪
くなる。
【0022】従って、得られる導電塗料bにおいて、塗
膜の硬さを適切にし、良好な導電性と半田付性とを兼備
するレゾール型フェノール樹脂としては、前記構成に示
すl/n、m/n、b/aがそれぞれ0.8〜1.2、c/
aが1.2〜1.5とするのが適している。
【0023】キレート層形成剤は、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチ
レンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテ
トラミンなどの脂肪族アミンから選ばれる少なくとも1
種である。キレート層形成剤は、金属銅粉の酸化を防止
し、導電性の維持に寄与する。その配合量は、導電塗料
aにあっては金属銅粉100重量部に対して、0.5〜4
重量部であり、好ましくは1〜3.5重量部である。0.5
重量部未満であるときは、塗膜の導電性が低下する。逆
に4重量部を超えるときは、半田耐熱性が好ましくな
い。一方、導電塗料bにあっては、その配合量は、金属
銅粉100重量部に対して3.0〜10重量部である。配
合量が3.0重量部未満であると、塗膜の導電性が低下
し、逆に10重量部を超えた場合にも塗膜の導電性が低
下する。
【0024】密着性向上剤としては、各種の接着剤が含
まれる。天然樹脂系のものとしては、ロジン(ガム系、
トール油系、ウッド系)、ロジン誘導体、テルペン樹脂
系(テルペン系、テルペンフェノール系)等が好まし
い。合成樹脂系のものとしては、石油樹脂系、ブチラー
ル樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などの熱
硬化性のもの、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロ
ース、フェノキシ樹脂などの熱可塑性のもの、再生ゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴ
ムなどの合成ゴムが好ましい。これらは、バインダーで
あるレゾール型フェノール樹脂の内部応力を低下させる
性質を有するもの、または接着性を発現する官能基(カ
ルボキシル基、水酸基、長鎖のアルキル基など)を有す
るものである。密着性向上剤が0.1重量部未満では、密
着性の改善が見られず、5重量部を超えるときは導電性
が低下する。
【0025】導電性向上剤としては、フェニル基を有す
る窒素含有化合物または複素環状化合物からなるもの、
特に化学酸化重合または電解重合により導電性を発現し
得る化合物が好ましい。
【0026】具体例としては、アニリン、ジフェニルア
ミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソ
プロピル−N’−フェニル、p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジフェニルベンジジン、アミノフェノール、
ジアミノフェノール、5−t−ブチル−3、4−トルエ
ンジアミンもしくは5−イソプロピル−2、−4−トル
エンジアミンのようなアルキル化トルエンジアミン、p
−フェニレンジアミン、1、5−ナフタレンジアミン、
シクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、オルト−ト
リル−β−ナフチルアミン、O−アニシジン、4、5−
ジアミン、アミノピレン、クリサジン、ジアミノナフタ
レン、などのアミノ基を有する化合物、ピロール、両性
ポリピロール、チオフェン、α−ビピロール、3−メチ
ルチオフェン、フタロシアニン、フタロシアニン金属錯
体、フラン、セレノフェン、エルロフェン、テトラチオ
フルバレン、テトラシアノキノジメタンなどが挙げられ
るが、これに限定されるものではない。
【0027】これらの導電性向上剤が金属銅粉に対し
0.5重量未満では導電性の向上が見られない(体積抵抗
率で表せば1×10-4Ω・cm以上となる)。また導電性
向上剤が7重量部を超えるときは、導電性が飽和して導
電性のそれ以上の向上は見られないのみならず、アミノ
基を有する化合物にあっては、その含量が多いときはゲ
ル化が進行し、ポットライフが短くなるので好ましくな
い。また銅箔面との密着性の低下も招く。
【0028】導電塗料bのアミノ化合物は、導電性向上
剤に加え還元剤として働き、金属銅粉の酸化を防止し、
導電性の維持に寄与する。その配合量は、金属銅粉10
0重量部に対して0.5〜3.5重量部である。配合量が
0.5重量部未満では、塗膜の導電性が著しく低下し、逆
に3.5重量部を超えると、導電性が飽和して、それ以上
の向上は見られないのみならず、スルーホール回路の形
成に適したチキソトロピック性を維持することができな
い。
【0029】そのアミノ化合物の具体例としては、アニ
リン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、ジアミ
ノナフタリン、アニシジン、アミノフェノール、ジアミ
ノフェノール、アセチルアミノフェノール、アミノベン
ゾイックアシッド、N,N−ジフェニルベンジジン等の
1種または数種が挙げられるが、これに限定されるもの
ではない。
【0030】なお、本発明に係る導電塗料a、bには、
粘度調整をするために、通常の有機溶剤を適宜使用する
ことができる。例えば、セルソルブアセテート、カルビ
トール、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテ
ートなどの公知の溶剤である。
【0031】
【作用】このように構成するフレキシブルプリント回路
基板における導電塗料a、bは上述の記載から理解でき
るように、塗膜の導電性および銅箔面との塗膜の密着性
がすぐれているとともに、塗膜の半田耐熱性がすぐれて
いる。とくに、導電塗料bは粘性が低くても塗膜の導電
性が高いため、スルーホール回路として適している。
【0032】
【実施例】まず、導電塗料aは、粒径5〜10μmの比
表面積0.4m2/g以下、水素還元減量0.25%以下の樹
枝状金属銅粉100重量部を攪拌機に入れて、チタネー
トを少量ずつ添加しながら攪拌して、チタネートを金属
銅粉の表面に被覆させた。しかるのち、この金属銅粉に
レゾール型フェノール樹脂、キレート層形成剤、密着性
向上剤、導電性向上剤を表1に示す組成となるように混
合混練し、溶剤として、若干のブチルカルビトールを加
えて20分間三軸ロールで混練りして適度の粘度とし
た。
【0033】
【表1】
【0034】また、導電塗料bは、導電塗料aと同様
に、それと同質の樹枝状金属銅粉にチタネートを表面被
覆させたのち、その金属銅粉に、還元剤のアミノフェノ
ール、キレート層形成剤のトリエタノールアミン、特開
平2−16172号のレゾール型フェノール樹脂をそれ
ぞれ表2に示す割合で配合し、溶剤として、エチルカル
ビトールとブチルセロソルブの混合溶剤を加え、20分
間3軸ロールで定位置練りして、粘度がリオン社製の測
定機VT−04により20Pとなるようにした。
【0035】エチルカルビトールや、ブチルセロソルブ
に代えて、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールア
セテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルイソブ
チルケトン、トルエン、キシレン等公知のものを使用す
ることができる。
【0036】
【表2】
【0037】一方、図1、図2に示すように、50μm
厚のポリイミドフィルム2表面に、直線状の銅箔回路1
(厚さ30μm、幅1mm、間隔1mm、15本を1単位と
して10単位)をエッチドフォイル法により形成する。
但し15本中、両端の2本はグラウンドパターン3であ
る。
【0038】この銅箔回路1において、まず、回路1
a、1aを覆う第1のアンダーコート層4aを所要広さ
印刷法等により形成する。そのアンダーコート層4aの
ペーストにはエポキシメラミン樹脂を使用し、スクリー
ンのマスクにより両回路1a、1aが露出するスルーホ
ール5a、5aを同時に形成する。つぎに、このスルー
ホール5a、5a内に導電塗料bをスクリーン印刷によ
り埋め込みスルーホール回路5aを形成し、そのスルー
ホール回路5aを覆うように第1のアンダーコート層4
a上に前記導電塗料aをスクリーン印刷により塗布す
る。この塗布により、導電塗料aはスルーホール回路5
a、5aを介して両回路1a、1aを接続するジャンパ
ー回路6を形成する。このジャンパー回路6は所要個所
に形成する。
【0039】所要のジャンパー回路6を形成したのち、
銅箔回路1全域上に、グラウンドパターン3上の長さ方
向に沿って一定間隔にマスクを設け、且つ、回路の両端
一定部分にマスクを設けたスクリーンを用いて、印刷法
によりエポキシメラミン樹脂からなるペーストを塗布し
て厚さ30μmの第2のアンダーコート層4bを設け
る。このときグラウンドパターン3上長さ方向のアンダ
ーコート層4bには前記スクリーンのマスクによりスル
ーホール5bが形成され、回路1の両端は、前記スクリ
ーンのマスクによりアンダーコートは塗布されず、露出
して端子部1bとなる。
【0040】つぎに、第2のアンダーコート層4bのス
ルーホール5b内に導電塗料bをスクリーン印刷により
埋め込んでスルーホール回路5bを形成した後、導電塗
料aを、スクリーン印刷法により第2のアンダーコート
層4bの両端の一部を残して全面に塗布し、160℃×
30分の加熱処理を施して塗膜を硬化させ、スルーホー
ル回路5bを介してグラウンドパターン3に接続する厚
さ20μmの電磁波シールド層7を形成する。
【0041】その電磁波シールド層7上に一成分熱硬化
型シリコーンゴムコーティング材[TSE 3251、
東芝シリコーン株式会社製]をスクリーン印刷法により
塗布し、これを150℃、1hr加熱硬化して厚さ20
μmのオーバーコート層8を設けて本発明に係るフレキ
シブルプリント回路基板Pを得た。なお、各図面におい
て、各層の厚みは実際よりかなり厚く描いている。
【0042】前記実施例はジャンパー回路6及び電磁波
シールド層7ともに導電塗料bのスルーホール回路5
a、5bを介して回路パターン1a、1a、3に接続し
たが、図3に示すように、ジャンパー回路6側のスルー
ホール回路5aはジャンパー回路6のプリントと同時に
導電塗料aで形成してもよい。このとき、図4に示すよ
うにジャンパー回路6全体を導電塗料bでプリント形成
することもできる。また、逆に図5に示すように、電磁
波シールド層7側のスルーホール回路5bはその層7の
プリントと同時に導電塗料aで形成してもよい。このと
き、図6に示すようにジャンパー回路6全体を導電塗料
bでプリント形成することもできる。
【0043】スルーホール回路5a、5bとしては、フ
ィルム2両面の回路間、レジスト層を介して積層された
回路間等を接続する場合もあり、このようなスルーホー
ル回路5a、5bにも導電塗料bを使用する。
【0044】さらに、オーバーコート層8の素材として
は、上記のものの他に、二成分加熱硬化型シリコーン接
着剤(二成分付加型自己接着シリコーン、TSE336
0、東芝シリコーン株式会社製、SE1701、CY5
2−237W/C、CY52−227A/B、トーレ・
シリコーン株式会社製)などの加熱硬化処理後も弾性を
有し屈曲耐久性の優れたものを用いることができる。
又、他のオーバーコート層8の形成手段としてベースフ
ィルム2と同様ポリイミドフィルムで被覆することもで
きる。
【0045】さらに、アンダーコート層4a、4bに上
記オーバーコート層8と同様の材料を用いると、弾性に
よって屈曲時に生ずる層間圧が緩和されてシールド層7
の特性低下を防ぎ屈曲耐久性は一層向上する。
【0046】この実施例のフレキシブルプリント回路基
板Pが優れていることはつぎの試験によって理解でき
る。
【0047】すなわち、導電塗料aを用いてスクリーン
プリント法により、ガラスエポキシ基板上にソルダレジ
ストをプリント硬化し、その上に、巾1mm、厚さ25±
5μm、長さ60mmの導電回路を5本、180メッシュ
のテトロンスクリーンを用いてスクリーンプリントし、
エアオーブンを用いて160℃で30分間加熱して塗膜
を硬化させた。この塗膜の体積抵抗率を測定して、塗膜
の導電性を評価した。その結果を表1に示す。
【0048】一方、銅張積層絶縁基板の銅箔表面を清浄
処理した後、導電塗料aを用いて、スクリーンプリント
法により、銅箔表面に50mm×50mmの塗膜を形成し、
前記と同様に塗膜を加熱硬化させた後、JIS K54
00(1990)の碁盤目試験方法に準じて、塗膜上に
互に直交する縦横11本ずつの平行線を1mm間隔で引い
て、1cm2 中に100個のます目ができるように碁盤目
状の切り傷を付け、その上からセロハンテープを用いて
塗膜を引きはがしたときに、銅箔面に残る塗膜の碁盤目
個数を求めて、銅箔面の塗膜の密着性を評価した。表1
においては、銅箔面に残った塗膜の碁盤目個数が100
の場合を○印で示し、99以下の場合を×印で示した。
【0049】塗膜の半田耐熱性は、下記の方法により図
7に示す試験片を形成し、この試験片を260℃の溶融
半田槽に60秒間浸漬して引き上げた後、表面の状態を
観察して評価した。表1においては、表面に熱変形によ
る凹凸がある場合を×印で示し、ない場合は○印で示し
た。
【0050】試験片の作成法(図7参照) (1)ガラス・エポキシ基板11上に、銅箔12と一部
重なるように、ソルダレジストインクを用いて、スクリ
ーンプリント法により、ソルダレジスト硬化膜13を形
成する。(硬化条件:160℃、30分) (2)銅箔12とソルダレジスト硬化膜13の上に、導
電塗料aを用いて、スクリーンプリント法により、銅ペ
ースト硬化膜14を形成する。(硬化条件:160℃、
30分) (3)銅ペースト硬化膜14の上に、ソルダレジストイ
ンクを用いて、スクリーンプリント法により、ソルダレ
ジスト硬化膜15を形成する。(硬化条件:150℃、
30分) 表1から明らかなように、実施例1〜4においては、本
発明に使用する特定の配合材料が適切に組合されている
ので、塗膜の導電性、銅箔面と塗膜の密着性、及び塗膜
の半田耐熱性がすぐれている。
【0051】一方、比較例1においては、導電性向上剤
が少なすぎるため、導電性が向上せず、比較例2におい
ては、導電性向上剤が多すぎるため密着性が低下する。
比較例3においては、密着性向上剤が少なすぎるため、
密着性の改良が見られず、導電性向上剤が少なすぎるた
め導電性も改善されない。また、トリエタノールアミン
(キレート層形成剤)が多すぎるため半田耐熱性も悪
い。比較例4においてはチタネートが多すぎるため、導
電性はよいが、銅箔との密着性が悪く、かつ半田耐熱性
も良くない。比較例5においてはチタネートが少なすぎ
るため、導電性は悪い。しかし銅箔との密着性や半田耐
熱性は悪くない。比較例6においては、レゾール型フェ
ノール樹脂が多すぎるため導電性が悪い。比較例7にお
いては、密着性向上剤が多すぎるため、導電性が改良さ
れない。
【0052】なお、前記のチタネートに代えてジルコネ
ートを用いて、前記と同様の処理をしたが、実施例1〜
4、比較例1〜7とほぼ同じ結果を得た。ただし、前記
実施例1においては塗膜の体積抵抗率が0.7×10-4Ω
cmであったが、実施例1においてジルコネートを用いた
ときは、体積抵抗率は0.6×10-4Ωcmであった。
【0053】また、導電塗料bについて同様な試験を行
ったところ、同様な効果を得た。これは組成の類似性に
基づくと考える。
【0054】さらに、導電塗料bについては、図8に示
すように、その導電塗料bを80メッシュのテトロンス
クリーンを用いて、厚み1.6mmの紙フェノール基板32
のスルーホール33(穴径0.8mm)にスクリーン印刷に
よって埋め込んだ。その後、25℃±5℃で24時間乾
燥させた後、エアーオーブンを用いて160℃で30分
間加熱して、塗膜を硬化させた。
【0055】なお、図9に示すように、前記のスルーホ
ール33は穴20個が横方向に列をなし、このような列
A〜Kが多数設けられている。基板32の表側において
は、隣り合う各2つのスルーホール33、33……が銅
箔34により接続されており(同図a参照)、表側にお
いて銅箔34により接続されていない各2つのスルーホ
ール33、33……は、裏側において銅箔34’、3
4’により接続されている(同図b参照)。
【0056】端部41〜42、42〜43、43〜44
の間における穴20個の直列抵抗値を測定し、20で除
してスルーホール1穴当りの抵抗値を得た。この抵抗値
により塗膜bの導電性を評価した結果を表2に示す。
【0057】この結果から明らかなように、実施例5〜
7においては、本発明に使用する特定の配合材料が適切
に組み合わされており、塗膜bの導電性が優れている。
【0058】一方、比較例8においては、トリエタノー
ルアミンが少なすぎるため、導電性が向上しない。比較
例9は、アミノフェノールを有していないため、導電性
は悪い。比較例10は、レゾール型フェノール樹脂が多
すぎるので、導電性は著しく低下している。
【0059】さらに、図10に示すように、実施例のフ
レキシブルプリント回路基板Pを、5mmマンドレル10
で±90度繰返し屈曲テストを行った処10万回でも異
状は認められず、テストは進行中である。
【0060】以上の各試験結果から実施例のフレキシブ
ルプリント回路基板が優れていることが理解できる。
【0061】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、回
路全体の導電性が優れたものであるとともに、密着性の
向上により、屈曲に対しても長期に亘って高い導電性を
得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の要部断面図
【図2】aは図1のX−X線断面図、bは図1のY−Y
線の断面図
【図3】aは他の実施例における図1のX−X線断面、
bは図1のY−Y線断面図
【図4】aは他の実施例における図1のX−X線断面、
bは図1のY−Y線断面図
【図5】aは他の実施例における図1のX−X線断面、
bは図1のY−Y線断面図
【図6】aは他の実施例における図1のX−X線断面、
bは図1のY−Y線断面図
【図7】半田耐熱性試験片の断面図
【図8】抵抗値試験片の断面図
【図9】aは同試験片の平面図、bは同裏面の概略図
【図10】屈曲試験説明図
【符号の説明】
P フレキシブルプリント回路基板 1 銅箔回路(回路パターン) 2 プラスチックフィルム 3 グラウンドパターン 4a、4b アンダーコート層 5a、5b スルーホール(スルーホール回路) 6 ジャンパー回路 7 電磁波シールド層 8 オーバーコート層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性プラスチックフィルムの少なくと
    も片面に、グラウンドパターンを含む回路パターン、レ
    ジスト層及び電磁波シールド層を少なくとも各一層設
    け、可撓性プラスチックフィルムとレジスト層の少なく
    とも一方にスルーホール回路を有し、かつ回路パターン
    にはジャンパー回路を設けたフレキシブルプリント基板
    において、上記電磁波シールド層とジャンパー回路は下
    記の導電塗料aで、上記スルーホール回路は下記の導電
    塗料bでそれぞれ形成してなることを特徴とするフレキ
    シブルプリント回路基板。 〔導電塗料a:下記各成分(A)乃至(E)の配合〕 (A)0.05〜0.2重量部のチタネート、ジルコネー
    ト、またはその混合物により表面被覆した、金属銅粉1
    00重量部 (B)レゾール型フェノール樹脂5〜30重量部 (C)キレート層形成剤0.5〜4重量部 (D)密着性向上剤0.1〜5重量部 (E)導電性向上剤0.5〜7重量部 〔導電塗料b:下記各成分(F)乃至(I)の配合〕 (F)0.05〜0.2重量部のチタネート、ジルコネー
    ト、またはその混合物により表面被覆した、金属銅粉1
    00重量部 (G)2−1置換体、2,4−2置換体、2,4,6−
    3置換体、メチロール基、ジメチレンエーテル、フェニ
    ル基の各赤外線透過率をl,m,n,a,b,cとする
    とき、各透過率の間に、 (イ)l/n=0.8〜1.2 (ロ)m/n=0.8〜1.2 (ハ)b/a=0.8〜1.2 (ニ)c/a=1.2〜1.5 なる関係が成り立つレゾール型フェノール樹脂5〜33
    重量部 (H)アミノ化合物0.5〜3.5重量部 (I)キレート層形成剤3.0〜10重量部
  2. 【請求項2】 可撓性プラスチックフィルムの少なくと
    も片面に、グラウンドパターンを含む回路パターン、レ
    ジスト層及び電磁波シールド層を少なくとも各一層設
    け、可撓性プラスチックフィルムとレジスト層の少なく
    とも一方にスルーホール回路を有し、かつ回路パターン
    にはジャンパー回路を設けたフレキシブルプリント回路
    基板において、上記電磁波シールド層を請求項1記載の
    導電塗料aで、上記ジャンパー回路及びスルーホール回
    路を請求項1記載の導電塗料bでそれぞれ形成してなる
    ことを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
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