JPH07104639A - ホログラム - Google Patents

ホログラム

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JPH07104639A
JPH07104639A JP26983293A JP26983293A JPH07104639A JP H07104639 A JPH07104639 A JP H07104639A JP 26983293 A JP26983293 A JP 26983293A JP 26983293 A JP26983293 A JP 26983293A JP H07104639 A JPH07104639 A JP H07104639A
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JP
Japan
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adhesive
hologram
diffraction grating
epoxy
film
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Application number
JP26983293A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Toshiki Sawake
淑樹 佐分
Naoyuki Kawazoe
尚幸 川添
Yasuhiro Mizutani
泰弘 水谷
Tomonori Ishikawa
智則 石川
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐紫外線性,耐水性,耐熱性に優れ,かつ製
造時における作業面での皮膚刺激性が少なく,鮮明な表
示画像を再生することができるホログラムを提供するこ
と。 【構成】 干渉縞を記録した回折格子膜21と,該回折
格子膜の片面側に配設したガラス基板22とを有し,回
折格子膜21の表面は接着剤1により被覆されている。
接着剤は,脂環式エポキシとノボラック系エポキシから
なる混合エポキシ樹脂と,脂環式酸無水物系の硬化剤と
からなる。回折格子膜21は,例えば,ゼラチン膜であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,耐水性,耐紫外線性に
優れ,かつ製造時における作業面での皮膚刺激性の少な
いホログラムに関する。
【0002】
【従来技術】ホログラムは,被表示像に関する入射光
を,回折,反射させて再生光とし,該再生光によって観
者に被表示像を視認させるものである。ホログラムは,
図10に示すごとく,回折格子膜97を配設したガラス
基板912と,該ガラス基板912を挟持するカバープ
レート913,914とからなる。カバープレート91
3は無反射コート膜等により像品位を向上させている。
また,カバープレート914は,ホログラム91に耐水
性を付与している。
【0003】回折格子膜97は,干渉縞が記録されたゼ
ラチン膜であり,屈折率が1.52である。カバープレ
ート913の入射光30が入射する側の表面には,反射
防止膜911が設けられている。一方,カバープレート
914の大気側の表面には,散乱防止膜915が設けら
れている。ガラス基板912は,接着剤910により,
カバーガラス913,914の間に封入されている。図
10,図11に示すごとく,回折格子膜910の外周部
20には,シール巾Sを設け,接着剤910により回折
格子膜97を密封している。
【0004】接着剤910は,ガラス基板912とカバ
ープレート913との対向面,並びにガラス基板912
の回折格子膜97とカバープレート914との対向面に
充填されている。回折格子膜97は,接着剤910によ
り,周囲環境の湿度に対して保護されている。上記接着
剤910としては,エポキシ系熱硬化型樹脂(屈折率
1.55)を用いる。この接着剤は,ホログラム用とし
て汎用されているものであり,主剤としての芳香族エポ
キシ(ビスフェノールA型)と,硬化剤としてのメタキ
シレンジアミン(芳香族ポリアミン)とからなる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の接
着剤910は耐水性に劣るため,周囲環境の湿度を吸収
し,回折格子膜97へ湿気を与えるおそれがある。その
ため,回折格子膜97の外周部20にシール巾Sを設け
ていても,完全には湿気を防止することは困難である。
【0006】また,紫外線照射により接着剤中のベンゼ
ン環の二重結合が切断されて,ホログラム特性が変化す
るおそれがある。また,接着剤は,皮膚への影響が強い
ため,作業上の困難性がある。本発明はかかる従来の問
題点に鑑み,耐水性,耐紫外線性に優れ,かつ製造時に
おける作業面での皮膚刺激性の少ないホログラムを提供
しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,干渉縞を記録した回折格
子膜と,該回折格子膜の片面側に配設した基板とを有
し,上記回折格子膜の表面は接着剤により被覆されてい
るホログラムであって,上記接着剤は,脂環式エポキシ
及びノボラック系エポキシからなる混合エポキシ樹脂
と,脂環式酸無水物系の硬化剤とからなることを特徴と
するホログラムにある。
【0008】本発明において,上記接着剤は,混合エポ
キシ樹脂と,脂環式酸無水物系の硬化剤とからなる。混
合エポキシ樹脂は,脂環式エポキシとノボラック系エポ
キシとを混合してなる樹脂である。上記脂環式エポキシ
としては,水添ビスフェノールA(図3参照)等があ
る。上記ノボラック系エポキシとしては,フェノールノ
ボラックエポキシ(図4参照)等がある。上記脂環式酸
無水物系の硬化剤としては,無水テトラヒドロフタル酸
等がある。
【0009】上記脂環式エポキシ,ノボラック系エポキ
シ,及び硬化剤の配合比は,これら3者の合計重量を1
00重量%(以下,%という。)として,30〜50
%,5〜15%,40〜60%であることが好ましい。
脂環式エポキシが30〜50%の場合には,接着剤の屈
折率を回折格子膜の屈折率に最も近似させることができ
る。
【0010】ノボラック系エポキシが5〜15%の場合
には,接着剤の耐熱性を向上させることができる。硬化
剤が40〜60%の場合には,接着剤の吸水性を向上さ
せることができる。また,接着剤の硬化条件は,120
〜130℃,30分〜90分間であることが好ましい。
【0011】上記回折格子膜としては,例えば,ゼラチ
ン膜がある。上記基板としては,ガラス,樹脂等があ
り,硬質の板,又は可撓性を有するフィルム等として用
いられる。上記カバープレートは,1又は複数枚として
用いられ,基板の片面又は両面に貼着される。
【0012】例えば,片面に1枚のカバープレートを配
設した場合には,ホログラムは,基板とカバープレート
との2層構造をとる。また,両面に各1枚ずつカバープ
レートを配設した場合には,基板と2枚のカバープレー
トとからなる3層構造をとる。また,両面に,複数枚ず
つカバープレートを配設してもよい。上記カバープレー
トとしては,ガラス,樹脂,金属箔等が用いられる。
【0013】
【作用及び効果】本発明の接着剤においては,上記脂環
式酸無水物系の硬化剤は,上記従来にかかる接着剤に用
いられていた芳香族ポリアミンと比べて,吸水性が少な
い。そのため,本発明のホログラムは,高温高湿下で使
用した場合にも,充分な耐久性を発揮することができ
る。更に,上記のごとく接着剤は耐水性に優れているた
め,従来必要とされていた回折格子膜を封止するための
シール巾を縮小することができ,その分だけ回折格子膜
の面積を拡大することができる。
【0014】また,上記脂環式エポキシ及び脂環式酸無
水物系の硬化剤は,芳香族化合物よりも反応性に乏しい
脂環式化合物である。そのため,紫外線を照射しても,
接着剤中の結合が切断されることがない。そのため,太
陽光線が照射する室外においても,ホログラムの特性を
変化させることなく,長期間使用することができる。
【0015】また,脂環式エポキシ,ノボラック系エポ
キシ,及び脂環式酸無水物系の硬化剤は,いずれも皮膚
への刺激性が少ない。そのため,ホログラムの製造,取
扱の際の作業性を大幅に向上させることができる。
【0016】また,上記配合比を変えることにより,接
着剤の屈折率を調整することができる。即ち,脂環式エ
ポキシは,脂還式化合物であり,芳香族化合物よりも屈
折率が低い。そのため,上記脂環式エポキシの配合比を
増加させた場合には,接着剤の屈折率を低くすることが
できる。逆に,脂環式エポキシの配合比を減少させた場
合には接着剤の屈折率を増加させることができる。従っ
て,脂環式エポキシの配合比を調整することにより,回
折格子膜の屈折率に近似させることができる。従って,
本発明のホログラムによれば,ノイズ率が低く,鮮明な
表示像を再生することができる。
【0017】また,上記ノボラック系エポキシは,接着
剤の架橋密度を高め,更に耐熱性を向上させる。そのた
め,この接着剤を用いたホログラムは,様々な製造条件
及び使用条件に対応することができる。また,本発明の
接着剤は,従来のガラス構造のみならず,ガラス2枚構
造や,ガラス─金属箔といった簡易構造にも利用できる
し,将来型であるフィルム構造の接着剤にも,もちろん
利用可能である。上記のごとく,本発明によれば,耐水
性,耐紫外線性に優れ,かつ製造時における作業面での
皮膚刺激性が少なく,かつ鮮明な表示画像を再生するこ
とができるホログラムを提供することができる。
【0018】
【実施例】本発明にかかるホログラム乾板について,図
1〜図9を用いて説明する。本例のホログラム17は,
図1に示すごとく,干渉縞を記録した回折格子膜21
と,回折格子膜21の片面側に配設したガラス基板22
とを有している。回折格子膜21の表面には,接着剤1
を介してカバープレート51,53を設けている。
【0019】回折格子膜21を配設したガラス基板22
とカバープレート51,53とを接着している上記接着
剤1は,混合エポキシ樹脂と,脂環式酸無水物系の硬化
剤とからなる。混合エポキシ樹脂は,脂環式エポキシと
ノボラック系エポキシとを混合してなる樹脂である。上
記脂環式エポキシとしては,図3に示す化学構造式の水
添ビスフェノールAを用いた。上記ノボラック系エポキ
シとしては,図4に示す化学構造式のフェノールノボラ
ックエポキシを用いた。上記脂環式酸無水物系の硬化剤
としては,無水テトラヒドロフタル酸を用いた。
【0020】上記接着剤の配合組成は,脂環式エポキシ
が39%,ノボラック系エポキシが10%,脂環式酸無
水物系の硬化剤が49%であり,更に,イミダゾール誘
導体が1%,各種添加剤が微量含まれている。本例の接
着剤の屈折率は,1.52である。上記接着剤の毒性,
物性について表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】回折格子膜21は,干渉縞が記録された重
クロム酸ゼラチン膜であって,膜厚10μm〜40μm
である。ガラス基板22は,透明なソーダガラスであっ
て,112mm×46mm×1.8mmである。屈折率
は,1.52である。上記ホログラム17は,反射防止
膜52側から入射した光30を回折・反射させることに
より,その反射光31により映し出された表示像を観者
に視認させるものである。
【0023】本例のホログラム17は,例えば,図9に
示すヘッドアップディスプレイ装置9に用いられる。該
ヘッドアップディスプレイ装置9は,光源を有する表示
器90と,該表示器90から発する光30を回折・反射
させるホログラム17と,該ホログラム17からの回折
光31を反射させて観者95に表示像94を視認させる
ウインドシールド92とを有する。上記ウインドシール
ド92には,上記回折光31を反射させる蒸着膜921
が蒸着されている。
【0024】次に,上記ホログラムの製造方法について
説明する。まず,100mlの4%ゼラチン溶液に0.
6gの重クロム酸アンモニウムを溶解して,感光剤とし
ての重クロム酸ゼラチン溶液を調製する。重クロム酸ゼ
ラチン溶液の屈折率は1.52である。次いで,上記重
クロム酸ゼラチン溶液をガラス基板の表面に膜厚10〜
40μmとして塗布し,ゲル化又は乾燥後,20℃,5
0%RH程度の雰囲気下に72時間放置し,安定させ
る。これにより,ガラス基板の表面に感光膜を形成す
る。
【0025】次いで,図5に示すごとく,上記感光膜2
10が形成されたガラス基板22を,焦点距離1000
mmを有する凸レンズ76とプリズム77との間に,屈
折率調整液75を介在させた状態で挟持する。屈折率調
整液75としては,シリコンオイルを用いた。そして,
波長514.5nmのアルゴン・レーザを再生光(入射
角33.5の時)540nm,600nmの2色になる
ように入射角を振り,トータル500mJのレーザ・パ
ワーを,プリズム77側より入射光70として入射させ
る。
【0026】入射光70は,入射後,屈折率が均質であ
るので,凸レンズ76側に直線的に進行し,凸レンズ7
6の大気側の表面に形成された反射膜761により反射
される。この反射光71は,再度感光膜210を通過す
る。このとき,入射光70と反射光71とは感光膜21
0において互いに干渉する。
【0027】反射光71の一部は,ガラス基板22によ
り反射されずに,屈折率調整液75及びガラス基板22
を通過し,プリズム77に入射し,該プリズム77の入
射面で一部が反射する。この場合,図6に示すごとく,
プリズム77の入射面の角度αを入射光70に対して調
整し,プリズム77の入射面の反射光71が感光膜21
0の方向へ進行しないようにするとよい。
【0028】かかるプリズム77を配置することによ
り,ノイズの原因となる界面の反射光による表示ノイズ
を除去することができる。尚,プリズム77の側面に光
を吸収する黒色塗装を施すことにより,プリズム77の
入射面の反射光が感光膜210の方向へ進行しないよう
にすることができる。これにより,感光膜210に干渉
縞が記録される。
【0029】露光後,ガラス基板22を色が抜けるまで
水洗し,市販の写真硬膜定着液(コダック社のラピッド
・フィクサ)に10分間浸漬した。水洗後,90%続い
て100%のイソプロピルアルコール液に10分間浸漬
し,熱風乾燥した。次に,150℃で4時間熱エージン
グして,使用環境下で波長変化がないようにした。
【0030】次に,図7に示すごとく,厚み10μmの
散乱防止膜54を表面に形成したカバープレート(11
2mm×46mm×1.0mm)を準備する。散乱防止
膜54は,エポキシ樹脂に黒色の顔料を5%添加して混
合してなる(カシュー製グラスライト500)。一方,
反射防止膜52を表面に形成したカバープレート51
(112mm×46mm×1.0mm)を準備する。反
射防止膜52は,MgF2 とTiO2 とを交互に4層積
層した構成をとり,視感反射率は0.3%である。尚,
視感反射率は下記の式にて求めた。
【0031】
【数1】
【0032】上式において,Y%は視感反射率,λは光
の波長(10nmステップ),S(λ)=1(フラット
光源),R(λ)は分光反射スペクトル,y(λ)は1
931C1Eのcolor matching fun
ctionを示す。図9に示すヘッドアップディスプレ
イ構成において,正規像輝度3000cd/m2 とした
ときのノイズ像輝度を測定し(表示距離は1.9mであ
る),下式によりノイズ率を求めた。また,このときの
ホログラム特性は図6のようであった。 ノイズ率= ノイズ像輝度 ×100/正規像輝度
(%)
【0033】次に,上記カバープレート51,53表面
に接着剤1を各々50μm厚みに塗布する。上記接着剤
1は,上記配合組成である(表1参照)。接着剤1の屈
折率は,1.52である。次に,この両カバープレート
51,53をガラス基板22に対して図7に示すように
配置し,両カバープレート51,53にてガラス基板2
2を接着剤1を介して挟持し,図8に示すホログラムを
得た。
【0034】尚,本例においては,予め反射防止膜52
及び散乱防止膜54が形成されたカバープレート51,
53を用いたが,回折格子膜21を形成したガラス基板
22を封止した後に,上記反射防止膜52又は/及び散
乱防止膜54を後付けしてもよい。
【0035】次に,上記ホログラムの耐水性について説
明する。本例のホログラムは,回折格子膜の外周部にシ
ール巾Sを設けているが,このシール巾Sは,従来例に
おいて必要とされたシール巾Sの約半分の巾で,充分な
耐水性を確保することができた。
【0036】即ち,本例の回折格子膜の外周部にシール
巾Sとして約2.5mmを設けた。これにより,本例の
ホログラムは,65℃,95%RHの使用条件下におい
て,1000時間の耐水性を確保することができた。こ
れに対し,従来例にかかる接着剤を用いた場合,上記と
同様の耐水性を得るためには,5mmのシール巾Sを必
要とした。
【0037】次に,上記ホログラムの耐紫外線性につい
て説明する。本例のホログラムに,85℃で紫外線を6
00時間以上の間照射した後,色差試験を行ったとこ
ろ,ホログラムの色に変化はみられなかった。また,ホ
ログラム特性も変化しなかった。これに対し,前記従来
例に示した接着剤(屈折率n=1.55)を用いて,実
施例と同様のホログラムを作製した。そして,これにつ
いても,同様の試験を行ったところ,300〜400時
間で接着剤の一部が劣化した。このことから,本発明に
かかる接着剤は,耐紫外線性に優れていることがわか
る。
【0038】現在,ホログラムを用いたヘッドアップデ
ィスプレイ装置は,例えば自動車に搭載されている。そ
して,自動車のウインドシールドとして,ポリビニルブ
チラール(PVB)よりなる合わせガラスを用いた場合
には,紫外線吸収が大きい。しかし,1枚ガラス構造の
場合には紫外線吸収が少なく,ホログラムへの照射量が
増す。この場合でも,本発明のホログラムは,耐紫外線
性に優れているため,何の問題もなく,長時間使用する
ことができる。そのため,今後の小型車への拡販を考え
ると,ウインドシールド薄板化の要望に応え,耐紫外線
性の向上は必須である。従って,本発明のホログラムの
効果は非常に大である。
【0039】次に,上記ホログラムの皮膚刺激性につい
て説明する。本例にかかる接着剤は,SPI(エポキシ
の皮膚刺激値)が3であり,皮膚への刺激性は殆どなか
った。そのため,取扱が容易で,何の注意も必要としな
かった。従って,作業性が大幅に向上した。これに対
し,従来例にかかる接着剤は,SPIが4〜5の硬化剤
を用いていたため,皮膚刺激性が大であり,取扱いにく
かった。
【0040】次に,上記ホログラムの屈折率について説
明する。本例のホログラムは,ノイズ率が0.1%と,
前記従来例にかかるホログラムの屈折率0.2%に比し
て,更に小さく,非常に表示像が鮮明であった。これ
は,本例においては,カバープレート51,53及びガ
ラス基板22の屈折率をn=1.52と,回折格子膜2
1の屈折率をn=1.52と,接着剤1の屈折率をn=
1.51とし,特に再生時においてカバープレートと接
着剤との界面での反射を,そのインデックスマッチング
を最適とすることにより,更に低減したためである。
【0041】これに対し,従来例にかかる接着剤の屈折
率は,n=1.55であるため,表示像が鮮明ではなか
った。現在,ノイズ率の低減については,表示像品位の
向上と絡んで強い要望がある。従って,本発明にかかる
接着剤の効果は大きい。
【0042】次に,上記ホログラムの耐熱性について説
明する。本例のホログラムは,130℃の高温下におい
て使用した場合にも,ホログラム特性が変化しなかっ
た。これに対し,前記従来例に係る接着剤を用いて作製
したホログラムの耐熱温度は,120℃までであった。
【0043】今後,ホログラムの拡販については,ホロ
グラムを自動車のインストルメントパネルの上に装着す
る簡易型の構想もある。その際には,現在のインストル
メントパネルの内部に装着する構成よりも,より高い耐
熱性が要求される。
【0044】そのような用途に対して本例の接着剤は,
耐熱温度が120℃から130℃へ上昇する。そのた
め,従来例に比して,過酷な条件下においても長時間使
用することができ,より安全に,高い品質設計とするこ
とができる。
【0045】上記のごとく,本例の接着剤によれば,耐
水性,耐紫外線性及び耐熱性に優れ,皮膚刺激性が少な
く,かつ鮮明な表示像を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のホログラムの断面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】実施例の,水添ビスフェノールAの化学構造式
を示す説明図。
【図4】実施例の,フェノールノボラックエポキシの化
学構造式を示す説明図。
【図5】実施例の,回折格子膜に干渉縞を記録する方法
を示す説明図。
【図6】実施例のホログラムの再生波長と回折効率との
関係を示すグラフ。
【図7】実施例の,ガラス基板とカバープレートとの配
置状態を示す説明図。
【図8】実施例の,ガラス基板とカバープレートとの積
層状態を示す説明図。
【図9】実施例の,ヘッドアップディスプレイ装置の原
理図。
【図10】従来例のホログラムの断面図。
【図11】図10のC−C線矢視断面図。
【符号の説明】
1...接着剤, 15...側面, 17...ホログラム, 21...回折格子膜, 210...感光膜, 22...ガラス基板, 51,53...カバープレート, 52...反射防止膜, 54...散乱防止膜, S...シール巾,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 泰弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 石川 智則 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉縞を記録した回折格子膜と,該回折
    格子膜の片面側に配設した基板とを有し,上記回折格子
    膜の表面は接着剤により被覆されているホログラムであ
    って,上記接着剤は,脂環式エポキシ及びノボラック系
    エポキシからなる混合エポキシ樹脂と,脂環式酸無水物
    系の硬化剤とからなることを特徴とするホログラム。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記回折格子膜はゼ
    ラチン膜であることを特徴とするホログラム。
JP26983293A 1993-09-30 1993-09-30 ホログラム Pending JPH07104639A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26983293A JPH07104639A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 ホログラム
US08/314,501 US5654116A (en) 1993-09-30 1994-09-28 Hologram

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JP26983293A JPH07104639A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 ホログラム

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