JPH07103996B2 - コンロ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家庭等で使用されるコンロを改良し、利便性，
掃除性の向上に関するものである。

従来の技術 従来のこの種のコンロは、第６図に示し、以下図面に従
い詳述する。

１はコンロで、２はバーナキャップ３とバーナボディ４
とから成るコンロバーナであり、周辺には多数の炎孔５
を有している。６は点火電極で、炎孔５に対応して設け
られている。なお７は炎孔５に形成された火炎である。
また、点火電極６に対応した炎孔５は複数個にかぎって
他の炎孔とは相似的に形状を小さくしたものがあった。

発明が解決しようとする問題点 上記のような炎孔５と点火電極６を対応させたコンロ１
では、一般的に炎孔５と点火電極６間の距離は４±0.5m
m程度がスパーク放電による点火エネルギーが最も多く
得られたことから、炎孔５と点火電極６間の距離は4.5m
m程度に設定されている。この構成で炎孔５から可燃ガ
スが噴出されたところへ点火電極６からスパーク放電さ
せると可燃ガスは燃焼を開始する。この時の火炎７は可
燃ガスの燃焼速度と炎孔５からの可燃ガスの噴出速度が
つり合った時に形成され最適な噴出速度を得るために炎
孔５の形状を小さくしたりして火炎７を確実に形成する
ための努力をしてきた。しかし、燃焼速度の速いガス，
遅いガスを同炎孔５で処理するには、非常に狭い範囲で
のみユニバーサル化が可能で、市場においては点火しに
くいという問題が生じていた。また、コンロ１の使用時
に点火電極６へ煮汁等がかかり、点火電極６から炎孔５
へ放電せずリークしたり、また、コンロ１の掃除時等に
点火電極６に触れ、炎孔５と点火電極６間の距離が変化
して放電が得られなかったり、距離が小さくなりすぎる
ことにより放電エネルギが小さくなりすぎて、放電は得
られるが点火しなかったりする問題が生じていた。

本発明はかかる従来の問題点を解消するもので、コンロ
バーナの炎孔及び近傍の形状を改善し、点火に最適な可
燃ガス量を得ると同時に、保炎機能を持たせて火炎の安
定化を図り、点火電極の保護をコンロバーナで行うこと
を目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のコンロは、同心円
状に配設されたガス通路部およびこのガス通路部の外周
に設けられた同心円状の当接面およびこの当接面の間に
設けられ両端が前記当接面に接続し半径方向に凹部を形
成する周面とを有するバーナボディと、円周辺に複数の
歯型と前記凹部に対向する位置に設けられ歯型の内方向
に一部窪んだ空間部が設けられた周壁とを有するバーナ
キャップとを備え、前記バーナキャップを前記バーナボ
ディに載置して、前記バーナキャップの前記歯型の先端
部を前記バーナボディの上面である当接面に当接させる
ことにより前記歯型と前記当接面とによって炎孔を形成
し、前記周面と前記周壁との間に前記周壁に凹凸を設け
ることによって前記窪みに通ずる隙間を設けることによ
って、前記隙間を炎孔とする構成したコンロバーナに、
前記凹部点火電極を位置させて、前記バーナキャップで
前記点火電極を被覆してなる構成とした。

作 用 本発明は上記した構成によって、バーナキャップをバー
ナボディに載置することによって周面と周壁との間に生
ずる隙間より噴出したガスの一部はバーナキャップの窪
みによって構成された空間部の上面に衝突して噴出され
た方向に対して偏向した流れとなり、この偏向した可燃
ガスが保炎となるのである。また、点火電極を凹状にし
た凹部に収納し、バーナキャップで被覆したので、煮こ
ぼれした煮汁が点火電極にかかったり、コンロの掃除時
に点火電極に手等が触れることがない。

実施例 以下、本発明の実施例を第１図〜第５図に示し、図面に
もとづいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する
ものは同一番号を付け、説明は省略する。

８はコンロ１の操作部で、９はバーナボディ４のガス通
路部10に面したノズル、11は一端をガス通路部10に面し
た炎孔５に形成された主炎で同様に12は内炎孔13に形成
された内炎である。14は炎孔５と同方向に窪み、炎孔５
を断続させた周壁15で周囲を囲まれた空間で、16は炎孔
５の先端部で17はバーナボディ４の上面に設けた当接面
で、当接面17はバーナボディ４の上面の全周とバーナボ
ディ４の外周の一部を凹状にした凹部18の周囲に構成さ
せた周面19と同一面上に存在し、20は周壁15と周面19間
に当接面17に先端部16を当接させた時に生じる隙間で、
隙間20は周壁15と凹部18及び周面19の形状を同一にして
おくことによって、周壁15の両端にある炎孔５まで連続
したものとなる。21は凹部18に形成された保炎で22はゴ
トク23上に載置された被加熱物でコンロ１は以上のよう
に構成されている。

上記構成において、凹部18の周囲に構成された隙間20か
ら噴出された可燃ガスは一部が空間14に衝突して流れ方
向を偏向し、残りは噴出方向へ流れ、点火電極６から放
電されて点火されると保炎21を凹部18の空開に形成し、
保炎18は隙間20の両端に存在する炎孔５に形成された主
炎11と連続したものとなり、保炎21は同時に火炎７の保
炎効果として働く。この時、空間14は隙間20の形状を断
続部15と相似形に構成したので隙間20のどの部位からも
略等距離に位置するから、隙間20から噴出された可燃ガ
ス一部が総て空間14で保炎21に使用でき、且つ、閉空間
14の前面を可燃ガスが流れることで負圧領域となり、火
炎７の付着効果による保炎効果が生じ、同時に隙間20は
部分的に対向しているから、隙間20の各部から噴出され
た可燃ガスは互いに衝突し保炎効果をもたらせるので、
炎孔５からの噴出速度を管理した設計をしなくても、容
易に安定した点火性能が得られるのである。また、点火
電極６は凹部18内に設け、バーナキャップ２で被覆され
ているから、被加熱物22から調理時に煮こぼれした煮汁
等はバーナキャップ２上を流れ、炎孔５の直上のバーナ
キャップ２の外周で水切りされ、バーナボディ３の外周
部へと流れる。従って、点火電極６へはほとんど煮汁等
がかからないので、放電ミス等がなくなる。またこの時
に、周壁15へ流れてくる煮汁はほとんどが外周で水切り
された後の少量が表面をにじむような状態であるため、
閉空間14が隙間20に対して上流側に存在するから、さら
に水切り作用が働き、隙間20へは煮汁が流入することが
ないので、隙間20の目詰りがなくなり、点火不良等がな
くなるし、同時に、コンロ１の掃除等の作業を行う時、
点火電極６が出ていないので、手あるいは掃除用具等が
触れて、点火電極６とバーナキャップ２との位置関係が
変化することがないので、常に安定した点火性能が得ら
れ、使い勝手及びコンロ１の清潔感が保てるのである。
また、周壁の円の中心方向に構成された部分に歯型を設
け、当接面との間で炎孔を構成しても同様の効果が得ら
れる。

発明の効果 以上のように本発明のコンロによれば、次の効果が得ら
れる。

（１） バーナボディの一部に凹部を設け点火電極を収
納し、凹部の形状に合った隙間を設けてさらに隙間近傍
に空間を設けて火炎及び保炎が形成されるようにしてい
ることで、火炎間の衝突が生じ、且つ、空間が保炎用に
可燃ガスの流れ方向を偏向して確実に保炎が形成され、
さらに、空間が負圧領域となることで、火炎に確実に保
炎効果が働き常に安定した火炎が得られると同時に、主
炎間に連続して火炎が形成されているので、点火後に火
移りしないという現象がなくなるし、合わせて炎孔から
の可燃ガスの噴出速度が速すぎても、可燃ガスの衝突，
保炎等で保炎効果が確実に得られるので、隙間の量等の
管理に余裕が生じ、不良率の低減もできるのである。

（２） 点火電極をコンロバーナで保護したので、煮こ
ぼれ等の水からの保護がなされ、さらに外的な力による
位置変化がなくなったことによって、点火電極からの放
電ミス等がなくなったので、常に安定したコンロバータ
への点火性能が得られ、且つ、掃除時に表面に出た部分
がなくなり、掃除が容易となり利便性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例におけるコンロバーナの要部断
面図、第２図は同コンロの使用状態を示す正面図、第３
図は同コンロバータの平面図、第４図は同コンロバーナ
のバーナボディの平面図、第５図は同コンロバーナのバ
ーナキャップの平面図、第６図は従来のコンロバーナの
要部断面図である。 １……コンロ、２……コンロバーナ、３……バーナキャ
ップ、４……バーナボディ、５……炎孔、６……点火電
極、10……ガス通路部、14……空間、15……周壁、16…
…先端部、17……当接面、18……凹部、19……周面、20
……隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同心円状に配設されたガス通路部およびこ
   のガス通路部の外周に設けられた同心円状の当接面およ
   びこの当接面の間に設けられ両端が前記当接面に接続し
   半径方向に凹部を形成する周面とを有するバーナボディ
   と、円周辺に複数の歯型と前記凹部に対向する位置に設
   けられ歯型の内方向に一部窪んだ空間部が設けられた周
   壁とを有するバーナキャップとを備え、前記バーナキャ
   ップを前記バーナボディに載置して、前記バーナキャッ
   プの前記歯型の先端部を前記バーナボディの上面である
   当接面に当接させることにより前記歯型と前記当接面と
   によって炎孔を形成し、前記周面と前記周壁との間に前
   記周壁に凹凸を設けることによって前記窪みに通ずる隙
   間を設け、前記隙間を炎孔とする構成したコンロバーナ
   に、前記凹部に点火電極を位置させて、前記バーナキャ
   ップで前記点火電極を被覆してなるコンロ。