JPH07103996A - ガスフローセンサ及びその形成方法 - Google Patents

ガスフローセンサ及びその形成方法

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JPH07103996A
JPH07103996A JP5250828A JP25082893A JPH07103996A JP H07103996 A JPH07103996 A JP H07103996A JP 5250828 A JP5250828 A JP 5250828A JP 25082893 A JP25082893 A JP 25082893A JP H07103996 A JPH07103996 A JP H07103996A
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JP
Japan
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substrate
forming
detection element
gas flow
flow sensor
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Application number
JP5250828A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tajima
勉 多嶋
Hiroaki Kakinuma
弘明 柿沼
Takahito Ono
崇人 小野
Mikio Mori
幹雄 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程の作業時間を短縮でき、かつ、小型
化できるガスフローセンサの構造及びその形成方法を提
供する。 【構成】 検出素子25の一端を基板10の表面に固定
してあり、残りの部分を基板と非平行、かつ、非接触状
態としてある。従って、検出素子25の基板10と非平
行、かつ、非接触な部分(検出部25b)は、基板の上
方に突出した状態になる。このため、基板に沿って流れ
るガスに対して検出部は良好に接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガスフローセンサの
構造及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のガスフローセンサのいくつかの例
は、特公平3−52028(以下、文献Iと称する。)
に開示されている。
【0003】図7の(A)、(B)及び図8の(A)、
(B)を参照して文献Iに開示されている従来のガスフ
ローセンサの構造のそれぞれの例につき簡単に説明す
る。
【0004】先ず、図7の(A)は、従来のガスフロー
センサの1つの例の平面図を示しており、図7の(B)
はX−X線で切断したときの断面図を示す。
【0005】この構成において、50はシリコン基板、
52及び58は誘電体層、54はシリコ基板の表面、5
6は発熱抵抗体層(グリッドともいう。)、60は溝、
62はリード部である。そして、64はガス流量を検出
するための検出素子である。
【0006】この検出素子64は、溝60の上方で、か
つ、基板50とほぼ同じ高さで、しかも基板50と連続
面を画成するように配置されている。ここで、溝60
は、検出素子64に直接熱的影響を与えないようにする
ために設けられ、かつ、ガスの流路としての役割を有し
ているものである。このため、検出素子64が基板50
に平行であっても検出対象のガスは検出素子64の表面
及び裏面に均一に接触する。
【0007】また、図8の(A)、(B)は、検出素子
64の部分を片持ち梁の形状にした場合のガスフローセ
ンサの平面図及び断面図を示している。
【0008】図7のガスフローセンサとの違いは、検出
素子64が片持ち梁の形状をしている点にある。この図
8の構造では、シリコン基板50からの影響を実質的に
受けることなく、ほぼすべての方向に対して検出素子部
64を膨張及び圧縮させることができるという利点をも
っている。
【0009】上述したガスフローセンサを用いてガス流
量を検出する方法につき説明する。ガスフローセンサに
主要部分を構成している検出部は、誘電体層の内部にホ
イーストンブリッジを有する抵抗体の回路が組み込まれ
ている。外部からガスが流れると抵抗体に一定の電流が
流れて発熱され、ガスの流量に対応した抵抗温度係数に
基づく抵抗変化を生じ、その変化量からガス流量が検出
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のガスフローセンサのいずれにおいても、シリコ
ン基板50を極端に深くエッチングして溝60を形成す
るため、溝60を形成するためのエッチングに要する時
間が長くかかり、かつ、深い溝60をガスの流路方向に
長く形成するため、シリコン基板50の厚さも厚くする
必要があった。また、溝を必要とするのでその分面積を
大きくする必要があるため、ガスフローセンサを小型化
できないという問題もあった。
【0011】この発明は、上述した問題点に鑑み行われ
たものであり、すなわち、この発明の目的は、製造工程
の作業時間を短縮でき、かつ、小型化できるガスフロー
センサ及びその形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明のガスフローセンサの構成によれば、基板
と、検出素子とを具えるガスフローセンサにおいて、前
記検出素子の一端を前記基板に固定してあり、残りの部
分を、前記基板と非平行、かつ、非接触状態としてある
ことを特徴とする。
【0013】また、この発明の形成方法によれば、基板
と、該基板に一端が固定され、残りの部分が前記基板と
非平行、かつ、非接触とされている検出素子とを具える
ガスフローセンサを形成するに当たり、(a)基板上に
犠牲層を形成する工程と、(b)前記犠牲層上に検出素
子形成用薄膜を形成する工程と、(c)前記検出素子形
成用薄膜を検出素子形状にパターニングする工程と、
(d)パターニングした前記検出素子形成用薄膜の下面
の犠牲層の一部を除去する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0014】
【作用】上述したこの発明のガスフローセンサの構成に
よれば、検出素子の一端を基板の表面に固定してあり、
残りの部分を、基板と非平行、かつ、非接触状態として
ある。従って、検出素子の、基板と非平行、かつ、非接
触な部分(以下、検出部ともいう。)は、基板の上方に
突出した状態になる。このため、基板の表面に沿って流
れるガスに対して前記検出部は良好に接触する。従っ
て、溝をもうけなくても検出部を検出対象ガスに接触さ
せることができる。また、溝を設けない分、ガスフロー
センサは小型化できる。
【0015】また、ガスフローセンサの形成方法によれ
ば、先ず、基板上に犠牲層(例えばSiO2 層とす
る。)を形成する。その後、この犠牲層上に検出素子形
成用薄膜を形成する。続いて、この検出素子形成用薄膜
を検出素子形状にパターニングする。その後、パターニ
ングした検出素子形成用薄膜の下面の犠牲層の一部を除
去する。このような一連の工程を経ることによって、犠
牲層の一部除去が行われ、除去された犠牲層部分上の検
出素子形成用薄膜に内部応力を与えているため、この薄
膜部分は基板からそり返る。従って、検出素子の部分を
基板と非平行、かつ、非接触にできる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明のガスフロー
センサ及びその形成方法の実施例についてそれぞれ説明
する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解出来る
程度に各構成成分の寸法、形状及び配置関係を概略的に
示してある。
【0017】1.構造の説明 先ず図1及び図2を参照して実施例のガスフローセンサ
の構造について説明する。ここで図1は、実施例のガス
フロ−センサの要部断面図、図2はこのガスフローセン
サの、検出素子25が設けられている基板10側のみを
示した平面図である。図2のI−I線に沿った断面が図
1に示した断面図の中の基板10側の断面に相当する。
【0018】この発明のガスフローセンサは、基板とし
てのシリコン基板10と、この基板10上に設けられガ
スの流れを検出するための検出素子25であって一部が
基板に固定され残りの部分が基板10と非平行、かつ、
非接触状態、この例では基板10上方に反り返った状態
とされている検出素子25とを具える。以下、説明の都
合上、検出素子25の基板10に固定されている部分を
固定部25aと称し、基板上方に反り返っている部分を
この検出部25bと称する。
【0019】ここで、この実施例の場合の検出素子25
は、発熱抵抗体層16aとこれを被覆している保護膜2
1aとで構成してある。発熱抵抗体層16a及び保護膜
21aは任意の材料で構成出来る。ここでは発熱抵抗体
層16aを白金で構成し、保護膜21aをシリコン窒化
膜で構成している。また、検出素子25の基部25aの
保護膜21aの一部に発熱抵抗体層16aの一部を露出
するための穴部21xを設けてある。そして、この穴部
21xを介し発熱抵抗体層16aに電極24を接続して
ある。この電極24は配線層29を介しボンディング用
パッド27(図示せず)と接続してある。なお、主に図
1において、12は犠牲層、21bは検出素子25の保
護膜21aを形成した後に残存しているシリコン窒化膜
部分である。これら構成成分12、21bは主に製造上
の理由で設けてあるので、後の形成方法の説明の項にお
いて説明する。
【0020】また、この実施例のガスフローセンサは、
くぼみ40を有したキャップ部45を具えている。第2
基板30中にくぼみ40内に検出対象のガスを流すため
のガス流入口42とガス流出口44とを壁に有したキャ
ップ部45を具える。このキャップ部45は、くぼみ4
0部分が検出素子25上に位置するように基板10上に
固定される(詳細は後述する。)。キャップ部45を設
けることで検出素子25に検出対象のガスを有効に接触
させることが出来、また、検出素子25を保護すること
が出来る。ただし、キャップ部45はガスフロセンサの
使用態様によっては必須でない。例えば、検出対象のガ
スが流されるパイプ内でガス検出をする場合等では、検
出素子25を設けた基板10そのものをこのパイプ中に
入れることでガスの検出を充分行なえるからである。な
お、キャップ部45は、任意好適な材料で構成出来る
が、基板10をシリコン基板で構成する場合は、熱膨張
係数の関係等から、キャップ部45はシリコ基板30
(第2基板30)にくぼみ40及びガス流入口42とガ
ス流出口44とを形成したもので構成するのが良い。な
お、図1において、27はボンディング用パッド、3
2、34はシリコン窒化膜、46は金属薄膜層を夫々示
す。これら構成成分27、32、34、46は、主に、
検出素子25を設けた基板10にキャップ部45を固定
するためのものである。これらについては、後の形成方
法の説明の項にて説明する。
【0021】2.形成方法の説明 次に、上記実施例のガスフローセンサの形成方法につき
図3の(A)〜(C)、図4の(A)〜(C)及び図5
の(A)〜(D)を参照して説明する。ここで、図3の
(A)〜(C)及び図4の(A)〜(C)は、基板10
に検出素子25を形成する形成工程図であり、また、図
5の(A)〜(D)はキャップ部を形成するときの形成
工程図である。
【0022】検出素子25をの形成は、次のようにして
行う。基板10としてシリコン基板を用いる。このシリ
コン基板10上に例えばCVD法やスパッタリング法を
用いて犠牲層12(以下、シリコン酸化(SiO2 )膜
と称する。)を形成する。このとき、シリコン酸化膜1
2の膜厚を約50nm程度とする。
【0023】次に、犠牲層12上に検出素子形成用薄膜
を形成するが、この実施例ではこれを次のようにして行
う。
【0024】先ず、例えばスパッタリング法を用いてシ
リコン酸化膜12上にシリコン窒化(SiNX )膜1
4、発熱抵抗体層形成用薄膜16及びシリコン窒化膜1
8を、順次積層して形成する(図3の(A))。このと
き、シリコン窒化膜14及び18には、所定の内部応力
をもつように成膜時の圧力条件を設定する。例えば、形
成条件を以下に示す。
【0025】ターゲット:シリコン(Si)、スパッタ
圧:0.8Pa 反応ガス :Ar20sccm+N2 5sccm パワ(電力):800W、基板温度:200℃ とする。
【0026】また、この際の、シリコン窒化膜14、発
熱抵抗体層16及びシリコン窒化膜18のそれぞれの膜
厚を例えば500nm〜2000nm、50nm〜50
0nm及び100nm程度とする。
【0027】次に、発熱抵抗体層16aを形成するた
め、先ず、シリコン窒化膜18の表面を任意好適な方法
でマスキング(図示せず)を行った後、例えばフォトグ
ラフィ法やRIE(Reactive Ion Etc
hing)法を用いてシリコン窒化膜18と発熱抵抗体
層16をパターニングする。このときシリコン窒化膜1
8をエッチングするガスとして95%四ふっ化炭素(C
4 )ガスと5%酸素(O2 )ガスとの混合ガスを用い
る。このパターニングによって発熱抵抗体層16aが得
られる。また、パターニングされたシリコン窒化膜を1
8aで示す(図3のB)。
【0028】次に、図3の(B)の構造体の表面に例え
ばスパッタリング法を用いてシリコン窒化膜20を成膜
して発熱抵抗体層16aをシリコン窒化膜で埋め込む
(図3の(C))。このとき、形成されるシリコン窒化
膜20は、図3の(A)の形成のときと同様に内部応力
を持つように形成する。シリコン窒化膜20の形成条件
は、図3の(A)の形成のときと同一なので省略する。
また、シリコン窒化膜20の膜厚を例えば900nmと
する。なお、シリコン窒化膜14、発熱抵抗体層16
a、シリコン窒化膜18a及びシリコン窒化膜20を総
称して検出素子用薄膜21と称する。
【0029】次に、検出素子形成用薄膜21を検出素子
25の形状にパターニングする。ここでは、検出素子形
成用薄膜21の、検出素子25(図1、図2参照)とさ
れる部分および所定部分(後にシリコ窒化膜21b(図
1参照)とされる部分)をマスキングし(図示せず)、
次に、該薄膜21のマスキングされていない部分を犠牲
層12の方面が露出されるまで好適なエッチング手段に
より除去する(図4の(A))。図4(A)において薄
膜21の除去部分を溝28として示してある。なお、溝
28を形成する際に、発熱抵抗体層16aの一部を露出
するための穴部21xも合わせて形成するのが良い。な
お、ここでは溝28形成の際に犠牲層12の表面まで薄
膜21を除去して溝28としている。これは、犠牲層1
2がシリコン酸化膜で構成され、薄膜21のエッチング
される部分がシリコン窒化膜であることに主による。し
かし、材料次第では、溝28形成時に溝28下の犠牲層
部分を合わせて除去しても良い。
【0030】次に、この試料全面に例えば蒸着法を用い
てクロム(Cr)及び金(Au)を蒸着し(図示せ
ず)、これをパターニングして電極24を形成する。こ
の電極24のCr/Auの膜厚を、例えば50nm〜1
00nm及び0.5μm〜2μmとする。更に、シリコ
ン窒化膜21a及び21bの表面上にボンデイング用パ
ッド27をCr/Auで上記電極24と同時に形成する
(図4の(B))。
【0031】キャップを形成して検出素子部を接着する
場合、キャップ側には、ボンデイング用パッド(Cr/
Au)と対応して錫(Sn)が薄膜で形成されてあるた
め、両者の接合部はAu/Snの共晶体となる。
【0032】次に、図4の(B)の構造体を3%重量ふ
っ化水素(HF)液中に検出素子25の下面にある犠牲
層12の部分を除去せきる程度の時間浸漬する。この工
程では、検出素子25の検出部25b下に当たる部分が
除去される。検出部25aは、シリコン窒化膜や発熱抵
抗体層16aの内部応力によって反るので、基板10と
非平行、かつ、非接触状態の検出部を有する検出素子2
5が得られる。
【0033】ここで、検出部25bがシリコン窒化膜や
発熱抵抗体層の内部応力によって反る理由について説明
する。
【0034】一般に、円盤形を有するシリコンウエハ上
にシリコン窒化膜を成膜した場合、シリコンウエハの応
力は次式の計算式によって求めることができる。
【0035】 応力σ=E/(1−ν)×t2 /(6rd) =E/(1−ν)×(8t2 Δ)/(6a2 d) =2.29×1012×(8t2 Δ)/(6a2 d) (dyn/cm2 )・・・・(1) ただし、E:ヤング率、ν:ポアソン比、t:基板の厚
さ(cm)、Δ:反り量(cm)、r:反りの半径(c
m)、d:シリコン窒化(SiNX )膜の膜厚(c
m)、a:反り生じている端部間の距離(cm)とす
る。
【0036】上述の(1)式に各値を代入して内部応力
(σ)が求めることができる。
【0037】図6は、この実施例で検出部25を構成し
ているシリコン窒化膜の内部応力を変えて、検出部のそ
り量を測定したときの実験データを示してある。図中、
横軸に長さ(μm)を取り、縦軸に反り量(μm)を取
って表している。また、曲線Iは、応力を3×109
yn/cm2 としたときの反り曲線であり、また、曲線
II及び曲線IIIは、応力を5×109 dyn/cm
2 及び6×109 dyn/cm2 にしたときのそれぞれ
の反り曲線である。
【0038】図6から理解できるように、曲線Iでは、
150μmの反り量を示し、曲線II及び曲線IIIで
は、250μm及び300μmの反り量が実測されてい
る。
【0039】従って、検出部25bの部分に3×109
dyn/cm2 以上の内部応力をシリコン窒化膜に与え
ることによって、検出部25bの部分を150μm以上
の反らせることができると考えられる。
【0040】次に、キャップ部の構造の形成方法を図5
の(A)〜(D)を参照して説明する。
【0041】図5の(A)〜(D)は、キャップ部の形
成工程を説明するための断面図を示している。
【0042】先ず、第2基板30として、例えば(10
0)面を有するシリコン基板を用いる。この第2基板3
0の表面及び裏面にシリコン窒化膜32、34を例えば
スパッタリング法を用いて形成する。このときシリコン
窒化膜32、34の膜厚を例えば1μm程度とする。
【0043】次に、表面のシリコン窒化膜32中にガス
流入口形成用の開口部36aとガス流出口形成用の開口
部36bとを任意好適な方法を用いて形成する。更に、
裏面のシリコン窒化膜34中にもくぼみ形成用の開口部
36cを形成する(図5の(A))。
【0044】次に、図5の(A)の構造体を水酸化カリ
ウム(KOH)のエッチング水溶液に浸漬して第2基板
30中の裏面側に所定の深さのくぼみ40を形成する。
また、表面のシリコン窒化膜32の開口部36a、36
bからもエッチングされて流入口42と流出口44が形
成される(図5の(C))。このときくぼみ40の深さ
は、検出素子15の頭が接触しない程度の深さにしてあ
るのが良い。 次に、第2基板30のくぼみ40を含む
裏面上に例えば蒸着法を用いてクロム(Cr)と錫(S
n)とを成膜する(図5の(D))。このとき成膜され
た膜を金属薄膜層46と称する。また、金属薄膜層46
のCr及びSnの膜厚をそれぞれ50nm〜100nm
及び約1μm程度とする。
【0045】次に、図3〜図4で形成された検出部25
と図5で形成されたキャップ部45とを接合させて好適
な温度で加熱処理を行ってボンディング用パッド27で
固定させる。このようにして、実施例のガスフローセン
サが形成される。
【0046】上述した結果からも理解できるように、検
出素子を構成しているシリコン窒化膜と発熱抵抗体層に
所定の内部応力を与え、かつ、底面に形成されている犠
牲膜を所定の長さだけ除去することによって任意の反り
量を得ることができる。
【0047】従って、この発明の実施例によって形成さ
れたガスフローセンサは、従来のようにシリコン基板中
に溝を設ける必要がなくなるため、製造工程の低減化、
または作業時間の短縮化を図ることができる。更に、溝
を設ける必要がなくなるため、この分、ガスフローセン
サの構造を小型化できるという利点もある。
【0048】また、この発明では、シリコン窒化膜や発
熱抵抗体層の内部応力によって検出素子をガスの流路に
そりかえらせてあるので、発熱抵抗体層の冷却効果がよ
くなり、従って、検出素子の検出精度や応答性の向上が
期待できる。
【0049】また、キャップ部を用いる場合のキヤップ
部の材料は、シリコン基板に制限されるものではなく、
例えばプラスッチク材料を用いても良い。プラスチック
材料を用いた場合、くぼみを形成するためのエッチング
が不必要となる。従って、製造工程や作業時間の増加す
ることはなくなる。
【0050】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明のガスフローセンサの構成によれば、検出素子の
一端を基板の表面に固定してあり、残りの部分を基板と
非平行、かつ、非接触状態としてある。従って、検出素
子の基板と非平行、かつ、非接触な部分は、基板の上方
に突出した状態になる。このため、基板表面に沿って流
れるガスに対して検出部は良好に接触する。従って、従
来のように基板中に、溝を形成する必要がなくなり、そ
の分、製造工程の低減化或は作業時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0051】また、溝を設けない分、ガスフローセンサ
の小型化を図ることが可能となる。従って、製品のコス
トダウンが期待できる。
【0052】また、この発明のガスフローセンサの形成
方法によれば、基板上に犠牲膜を形成する。その後、犠
牲膜上に検出素子形成用薄膜を形成する。続いて、検出
素子形成用薄膜を検出素子形状にパターニングして、検
出素子形成用薄膜の下面の犠牲層の一部を除去する。
【0053】犠牲層の一部除去が行われると、除去され
た犠牲層上の検出素子形成用薄膜部分に内部応力を生じ
ているため、この薄膜部分は基板からそりかえる。従っ
て、基板に非平行で、かつ、非接触の検出素子を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のガスフローセンサの構造を説明する
ための断面図である。
【図2】この発明の検出素子部を説明するために供する
平面図である。
【図3】(A)〜(C)は、この発明の検出素子部の形
成方法を説明するための工程図である。
【図4】(A)〜(C)は、図3に続く、この発明の検
出素子部の形成方法を説明するための工程図である。
【図5】(A)〜(D)は、この発明のキャップ部の形
成方法を説明するための工程図である。
【図6】この発明の検出素子の内部応力に対する反り量
を説明するための特性曲線図である。
【図7】(A)は、従来のガスフローセンサ(その1)
の平面図であり、(B)はX−X線で切断したときの断
面図である。
【図8】(A)は、従来のガスフローセンサ(その2)
の平面図であり、(B)はY−Y線で切断したときの断
面図である。
【符号の説明】
10:シリコン基板 12:犠牲層 14、18、20:シリコン窒化(SiNX )膜 16:発熱抵抗体層形成用薄膜 16a:発熱抵抗体層 21:検出素子形成用薄膜 21a、21b:保護膜 21x:電極形成用の溝 24:電極 25:検出素子 25a:固定部 25b:検出部 27:ボンディング用パッド 28:検出素子形成用の溝 29:配線層 30:第2基板 32、34:シリコン窒化(SiNX )膜 36a、36b、36c:開口部 40:くぼみ 42:ガスの流入口 44:ガスの流出口 45:キャップ部 46:金属薄膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/84 A 9278−4M (72)発明者 毛利 幹雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、検出素子とを具えるガスフロー
    センサにおいて、 前記検出素子の一端を前記基板に固定してあり、残りの
    部分を、前記基板と非平行、かつ、非接触状態としてあ
    ることを特徴とするガスフローセンサ。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板に一端が固定され、残り
    の部分が前記基板と非平行、かつ、非接触とされている
    検出素子とを具えるガスフローセンサを形成するに当た
    り、(a)基板上に犠牲層を形成する工程と、(b)前
    記犠牲層上に検出素子形成用薄膜を形成する工程と、
    (c)前記検出素子形成用薄膜を検出素子形状にパター
    ニングする工程と、(d)パターニングした前記検出素
    子形成用薄膜の下面の犠牲層の一部を除去する工程とを
    含むことを特徴とするガスフローセンサの形成方法。
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