JPH07103950B2 - 鋳鉄管の分岐用穿孔部の構造およびその施工方法と装置 - Google Patents

鋳鉄管の分岐用穿孔部の構造およびその施工方法と装置

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JPH07103950B2
JPH07103950B2 JP3104697A JP10469791A JPH07103950B2 JP H07103950 B2 JPH07103950 B2 JP H07103950B2 JP 3104697 A JP3104697 A JP 3104697A JP 10469791 A JP10469791 A JP 10469791A JP H07103950 B2 JPH07103950 B2 JP H07103950B2
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iron pipe
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眞好 喜多川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として水道管から各住
宅へ分水するときの分岐用穿孔部の構造に係る。
【0002】
【従来の技術】水道管路の本管から各住宅へ分水する供
給管を接続するためには水道管(殆どダクタイル遠心鋳
鉄管)の所望の箇所に円孔を穿孔し分水栓を取り付けな
ければならない。しかし単に管に円孔を穿ったままで孔
の内面を流水に曝露した状態に放置すると、金属表面が
腐食して発錆し、赤錆の含まれた赤水が家庭の蛇口から
出る原因となる。これを防止するために管の円孔内面を
露出しないで耐食性の他の材料で製造したスリーブを円
孔に内嵌する対策が提案されている。例えば特公昭54
−17164号公報では図6(イ),(ロ)に示すよう
に挿入棒41aの先端にスリーブ1aを嵌め込み、次に
このスリーブ1aを挿入棒41aにより鉄管2aの円孔
21a内へ挿入しスリーブの後端外周に設けたフランジ
11aが円孔周縁に当って行き止った状態(図(イ))
から、引き続いて挿入棒を押し込むことによって挿入棒
先端の先細りテーパ面6によりスリーブ1aの内向き膨
出部12aを孔内周面で外側に押し出して内面側の円孔
周縁を越えて外側にそのスリーブ端部を折曲させた状態
(図(ロ))とするものである。すなわちスリーブ1a
を円孔21aへ装着することによって赤水発生や通水阻
害というような分岐用穿孔に伴うトラブルを解決したと
している。また、実願昭60−30982号の従来技術
では図7に示すように、既設管2aの内面にプラスチッ
ク製などの内装管101を内装し、両管の間の空間にセ
メント102を充填した内面処理管から分岐管を取り出
す構成とその方法に係り、まず管とセメント層までを貫
通する円孔を穿孔して、残った内装管の上に生じた空間
(孔部)へ止水部材103を充填埋設し、この充填部分
と内装管を含めた全管厚を再び穿孔した後、この穿孔部
へブッシュ(スリーブ)1aを嵌め込んでから、円孔縁
から上下に突出した端部を外側へ押し曲げて孔縁に係止
固定するという内容が要旨である。これによって止水部
材が内装管、セメント部分、管の切欠き端面に全て接着
されているため、管内の流体と直接面することがなく各
層の接合面に浸水することを防止し、剥離を防ぎ内面処
理管の劣化を抑制できると謳っている。そして具体的に
ブッシュ1aの両端を押し曲げる治具としては、図
(ロ)(ハ)でその作用を示すように先端に平板104
を取り付けたロッド105と、ロッドを内嵌する筒状部
材106と、平板と筒状部材間に介装したゴムなどの厚
肉筒状弾性体107とよりなっている。この治具を図
(ロ)のようにブッシュ内に挿し込み、筒状部材を固定
してロッドを上方へ引き上げると、平板と筒状部材間に
作用する加圧力によって厚肉筒状の弾性部材がブッシュ
の両端を押圧し、その端面を図(ハ)のように押し曲げ
るとしている。さらに特開昭59−17087号公報に
よる別の従来技術では、図8に示すように(符号は変え
てある)、分岐用穿孔孔の防食対策として図(イ)のよ
うにスリーブ(防錆筒)1bを円孔縁に被覆させる構成
において、スリーブの上面フランジ11bは鋳鉄管の外
周面に係合させ、円筒面は穿孔の内周面を被覆させてい
る点では本発明と共通しているが、ここまでは既に従来
技術で見られる公知の技術であると断っている点も共通
している。この引用例の特徴は先に説明した第1引用例
などを当該明細書の第1図で引用して先行技術と位置付
け、変形不十分によるスリーブと円孔縁との係合の不完
全さを課題と取り上げてその解決を目指したものであ
る。すなわち、スリーブの下端面を分岐用穿孔部の端面
に合せて曲線状に形成し、さらに穿孔部の管軸方向の両
端に舌片108を当てがって内側から外側へ押し広げて
舌片を下縁に係合する構成とした点を特徴としている。
すなわち、孔内の左右2箇所においてスリーブの端子が
部分的に管の内面へ係合し、簡単には離脱しないように
拘束したことが特徴である。この舌片を押し広げて塑性
変形するためには、要部が図(ロ)(ハ)に示すような
治具(カム装置)を適用している。図示を省略した垂直
の操作棒の先端にこのカム装置が取り付けられ、操作棒
が90°回転するとカム109が回動して摺動片110
を管軸方向に押し出し、所定の位置にセットされている
スリーブの舌片を外側へ折り曲げて穿孔下端部に係合で
きると謳っている。また、図9で示す従来技術は、硬質
チューブライニング層を内面に被覆する管種の分水栓口
におけるシール性の保持に係り、この管種は管本体より
若干小口径の硬質チューブを挿人後、該チューブを加熱
加圧して膨張し管内面に内張りする工法で形成される。
この膨張工法により形成された硬質チューブライニング
管は、加熱加圧膨張後に生じる熱収縮のために管との間
にどうしても隙間が生じる。よってこの管に分水栓口を
穿孔すると、分水栓口と隙間が連通し管内水が分水栓
口、隙間、管継手を経て地盤内へ漏水する危険性が生じ
る。この課題の解決のために分水栓口21c内へ施工装
置4cの先端に装着した弾性ゴム製のシール材108
と、そのシール材を外周に巻き付けた金属製のコアー1
cが図(イ)のように分水栓口直上に位置し、装置の作
動と共に下降する。分水栓口21cを穿孔した管2cは
本体の内面に硬質チューブライニング層25cが内張り
されているが、前記工法の特性として両層間に隙間10
9が形成されている。施工は装置先端が先細りに傾斜し
たスピンドル110の下降によってコアー1cの縮径部
が外側へ向って押し広げられ、分水栓口21cとの間に
挟まったゴム製のシール材108を挟圧する。その結
果、管の両層に形成された隙間109の開口部はシール
材で封止され分水栓口との連通が遮断されると謳ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に引用した図6の従
来技術では、露出していた円孔の内面を耐食性材料、例
えば銅管などのスリーブで被覆することによって直接鋳
鉄と流水との接触を断ったかに見えるが、挿入棒をマン
ドレルのように使ってスリーブを円孔内で押圧し、単に
内向き膨出部を外側へ逆に押し出しただけに過ぎないか
ら、スリーブ下端部と円孔の孔縁との間に密封作用が生
じる構成になっていない。従って孔縁とスリーブの接触
部にあると予想される間隙から管内の流水がその水圧に
押されて浸入する機会は極めて多いと考えられる。特に
ダクタイル遠心鋳鉄管の場合は管内面の防食のためセメ
ントモルタルのライニング層を形成しているため、管外
面からの穿孔時に金属部分の円孔をそのまま延長した円
孔を穿孔するとは限らず、ライニング層の円孔縁が欠け
たり割れたりして金属部の円孔より大きく剥離すること
が頻発する。先の引用例ではとてもこの欠落したライニ
ング層までカバーすることはできないから、赤水発生の
原因は依然残っていると言わざるを得ない。この条件は
図7、図8で列挙した別の従来技術でも全く同じことで
ある。すなわち、図7(ロ)はブッシュの両端を押し曲
げる前の状態であり、ここで底部の平板104を引き上
げれば固定された筒状部材106との間に挟まれた弾性
部材は弾性変形を起こして外周方向へはみ出し、その加
圧力でブッシュの端部が図(ハ)のように塑性変形させ
ることは認められる。これによってブッシュの両端が管
の内外面と引っ掛かって係止する目的は達し得たとして
も、それ以上さらにブッシュの端部が円孔縁から屈曲し
て管の内周面に密着するまで変形するとは到底考えられ
ず、そこまで求める必要も意識はしていない。断面から
見て金属製のブッシュがほぼ直角に屈折するために要す
る降伏点以上の加圧力と、ゴム材の弾性限を比較考量す
れぱ、金属の塑性変形が極限まで進んで完了する前にゴ
ム材が破断すると見るのが常識に叶っていると言うべき
である。金属筒状体に局部的な塑性変形を極限まで強い
るためには、該筒状体より遥かに高い剛性を具えた加圧
面を必須の要件とすることは説明するまでもない。ま
た、図8の従来技術についても同様で、発明の目的は、
スリーブが穿孔部から容易に離脱しないように局部的な
係合箇所を設けた点にあり、2箇所の係合でその目的は
一応達せられたと見てよいが、舌片以外の部分は単にス
リーブの下端面が鋳鉄管の穿孔部の下端部に添っている
だけで両者の間に空隙が残ることは避け難いから、その
空隙から管内圧に押されて通水が浸入することを防ぐ手
立ては全くない。酸素の存在と相俟ってこの部分が発
錆、腐食の出発点となることは言うまでもない。図
(イ)にも表示しているように穿孔部の端面は正面から
見ても楕円状の曲線を描くと共に、紙面と直角に截って
見ても楕円状の曲線を描く立体的な曲線となるから、こ
の二重の円弧が形成する複合的な曲線に添ってスリーブ
の端面を押し曲げて行く力点の移動が、現地施工レベル
の簡単な治具では如何に困難な命題であるかという点を
間接的に物語っている。何れにせよ、2箇所の係合では
スリーブ〜鋳鉄管内面の空隙からの腐食の進行に対して
は全く無力としか評価できない。最大の障害は管内の孔
縁が同一平面上に描いた円周ではなく、管の内周面に沿
った曲面上の円周で形成しているからこの曲面に沿った
押圧力を加えなければ管内面に密着した折曲部を形成で
きないという難しさがある。また、図9の従来技術もコ
アー材1cはその頂部に上面フランジ11cがあって管
の外周面に係止し、分水栓口内で円筒部12cとなり、
下端ではスピンドル110の傾斜面によって外方へ押圧
され塑性変形して下面フランジ13cが形成されるが、
この下面フランジは単に下端が屈曲して分水栓口内面と
の間で抱持するシール材108が脱落しないように係止
するだけの作用しか期待できず、また発明の目的から言
ってもそれ以上の機能は必要ではないから、コアー材の
使命は上下方向に対するシール材の抜け止め以外の何物
でもない。さらに管と管とが直角に継合する場合、円孔
縁が円弧を二重に合成した立体的な曲線で形成されるか
ら、この全線に亘って均等な圧着部を形成できないこと
は図7、図8の従来技術と同様の条件であり、力点の変
動調整が不可能なこの施工方法によって本願が求める堅
牢な防食的構成が実現しないことは明らかである。本発
明は以上に述べた課題を解決するために分岐用の円孔に
密着し鋳鉄管との間に水封作用を保つ耐食スリーブの形
成を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋳鉄管の分
岐用穿孔部の構造は管内面をセメントモルタルによるラ
イニングで全面被覆した鋳鉄管を対象とし、耐食性材料
よりなる両フランジ付きスリーブの上面フランジは管外
面の円孔縁に係合し、スリーブの円筒部は円孔内面を被
覆し、スリーブの下面フランジは弾性ゴムによる環状パ
ッキングを介入し、円管と円管が直角に交差して継合す
ることによって形成される閉曲線を描いて立体的に変動
する全ての円孔縁から屈折して前記ライニング層を含む
管の内面へ均等に圧着していることによって前記の課題
を解決した。
【0005】また、前記構造を施工するためには鋳鉄管
の所望の位置に円孔を穿孔し、スリーブは上面にフラン
ジを付設し該円孔外径より少なくとも一部が小さい外径
に縮径し長さは管厚を超える円筒部を耐食性材料で製造
し、スリーブの該縮径部へ弾性ゴムよりなる環状パッキ
ングを外嵌して円孔内へ嵌挿して管外面の孔縁へ上部
フランジを係止し、管外からスリーブ内へ同軸の挿入管
を押し込み、環状パッキングを挟んだまま円筒部外面を
円孔内面に密着するまで押し広げ、さらに該挿入管の
欠き部分から外方へ抜き出したフックの屈曲部を円孔縁
から不均等の長さで突出しているスリーブ円筒部の下部
に当てがって上方へ押し上げ、材料の塑性変形によって
鋳鉄管内面へ圧着させ、次にフックの向きを少し変える
ように回動して前記変形部と隣接するスリーブ円筒部下
部の突出部を、フックの垂直方向へ作用するばね材の付
勢力の調整によって前記突出長さの変動を吸収して同様
に押し曲げて圧着させ、以下円孔の円周を一巡するまで
繰り返して立体的な曲線よりなる円孔縁から屈折して弾
性パッキングを挟んで鋳鉄管内面へ均等に圧着した下面
フランジを形成する方法を開示した。
【0006】また、前記の施工方法を実施するためにの
み使用する装置としては、剛性の大きい挿入管内へ先端
を屈曲したフックを内嵌し、該挿入管上端よりさらに突
出したフック上端には雄ねじを刻設し、該雄ねじと螺合
したナットが回動ハンドル上面に係止し、フック下方の
屈曲部は挿入管の下方に設けた切欠きから管外へ突出可
能とし、該挿入管はサドルおよびその上面に固着したス
リーブ押え内で周設したばね材を介して昇降自在、かつ
回動自在に収容されている構成を開示した。
【0007】
【作用】本発明に係る分岐用穿孔部では曲面上で形成す
る円周線からなる管内の孔縁へ管内周面に圧着している
スリーブ下面フランジを設けたので流水が浸入する懸念
がほぼ完全に解消した。すなわち、挿入管内へフックが
回動自在に内嵌していることと、フックが挿入管の切欠
きから屈曲部が突出できるから、フックは円孔縁の何れ
の円周方向へも自由に対向できるし、スリーブ押え内に
周設したぱね材の付勢力を加減することによって上下方
向の力点の変動を吸収して調整できるからこそ、二重の
円弧が複合した曲線でも追随できる作用の変動が初めて
可能となるのである。しかも仮に流水が浸入したとして
も円孔内面とスリーブ外面との間に弾性ゴムが環状に封
入されているから、これ以上流水がさらに浸入すること
は不可能であり、完全に水を封止する作用が発生する。
なお、従来技術においても図9に例示するように環状パ
ッキングを介装した例は見出されるが、本発明の環状パ
ッキングは耐食性金属の被覆による保護の補完する役割
を果たすと見るべきであり、従来技術の弾性パッキング
が単独でシール作用の主役を果たす使命を担持する点と
比較すれば歴然たる相違が存在する。むしろ本発明では
後述の実施例の図2、図3で示唆しているように、穿孔
孔の内孔縁付近に穿孔時の衝撃でセメントライニング層
25の欠落が起こり易く、この欠落部を充填して折り曲
げたスリーブの下面フランジ14が圧着して得られるシ
ール性をさらに援助強化するという鋳鉄管特有の構造に
マッチングした働きが作用の主体となる。
【0008】
【実施例】以下具体的に本発明の内容を図に従って説明
する。図1(イ),(ロ)は本発明の実施例の二態様を
示し、銅製のスリーブ1は上面フランジ11と一部また
は全体を鋳鉄管2に穿った円孔21の内径Dよりも小さ
い外径dに絞った縮径部12を含む円筒部13(図(イ)
の場合は両者が同一となる)とよりなる。この縮径部1
2に環状パッキング3を外嵌し円孔21内へ嵌挿する
と、スリーブ1は上面フランジ11が鋳鉄管2の管外面
の円孔縁22(以下「外孔縁」という)に係止する。こ
の状態にしておいてから施工装置4の挿入管41をスリ
ーブ上から押し込むと、挿入管は剛性が高くスリーブは
耐食性材料で可塑性が高いので挿入管の外周面からの押
圧力のためスリーブの縮径部12をはじめ円筒部13が
横方向に押し広げられて円孔の内面23に圧着し、管内
面の円孔縁24(以下「内孔縁」という)とスリーブの
円筒部との間へ環状パッキング3が封入されてしまう。
スリーブの円筒部の長さlはライニング25を含めた鋳
鉄管の肉厚Tよりも長いから、円筒部13の先端は管内
に突出している。
【0009】図2は挿入管41の内へ嵌入しているフッ
ク42の先端の屈曲部43を、挿入管の下方を破って設
けた切欠き44から管外へ抜き出しこの屈曲部で環状パ
ッキングごとスリーブの下端を押し曲げて円孔の内孔縁
24から管内面に沿って延出圧着し下面フランジ14を
強制的に成形した状態を示す。この状態でフック42を
内孔縁24の曲面に沿って360°回動するとスリーブ
の下端部は全周に亘って押し曲げられ管内面に圧着した
曲面的な下面フランジを形成する。
【0010】図3,図4は本発明の施工装置4を示す一
部縦断正面図と一部縦断側面図であり、鋳鉄管2に穿孔
した円孔21へ環状パッキング3を外嵌したスリーブ1
を嵌挿し、このスリーブの円筒部13内へ挿入管41を
嵌挿した時点の状態である。挿入管41の管内には先端
に屈曲部43をもつフック42を内嵌し、下方に屈曲部
43を管外へ抜き出せる切欠き44を設け、上方は回動
ハンドル45と一体となってサドル46およびサドルの
上面に固着したスリーブ押え47によって収容されてい
るが、スリーブ押え47の内部には挿入管41の外周を
囲んでばね材48を介装している。ばね材48の上下に
はスラストベアリング49をそれぞれ介入しているので
挿入管41は回動ハンドル45を上方から押せばばね材
の付勢力に勝って下降し、力を緩めればばね材によって
元のように上昇する。しかもスラストベアリングが介在
しているから全体を回動自在としつつ昇降自在とする構
成である。回動ハンドル45の上端からさらに突出する
のがフック42の雄ねじ部50であり、この雄ねじにナ
ット51が螺合して回動ハンドル45の上面に係止して
フック全体が吊り下げられている。
【0011】図5(イ),(ロ),(ハ)はこの装置に
よる施工手順の概略を示したもので図3,図4の状態か
らナット51を上方へ螺進するとフック42は挿入管4
1の中で下方へ移動し、ついにその屈曲部43が挿入管
の下端を離れて空間に露出する。(図イ) この状態で
手動でフック全体を挿入管内で180°回動すると屈曲
部43の突出位置が挿入管の切欠き44の位置の直下に
くる。(図ロ) ここでナット51を下方へ螺進すると
相対的にフック42は挿入管内を上昇していくが、屈曲
部43は切欠き44へ嵌まり込んで外部へ突出した状態
で管内を上昇しフック屈曲部43のコーナー部分は円孔
の内孔縁に接するスリーブの円筒部に突き当り、これを
上方へ押し曲げ下面フランジ14の一部を成形する。
(図ハ)この状態で回動ハンドル45を回動すると突出し
たフックの屈曲部43が突き当るスリーブの下端部を次
々と押し曲げて行く。このとき内孔縁24は先にも述べ
たとおり水平面上の円周線ではなく曲面上の円周線であ
るが、ばね材48が伸縮してフックの押圧面と内孔縁と
の距離の違いを吸収しつつ全体として曲面へ均等に圧着
した下面フランジ面を形成する。
【0012】なお挿入管内におけるフックの昇降をねじ
の進退によることなく油圧シリンダの作動によって行な
うことも望ましい別例である。またこの実施例ではスリ
ーブの材料に純銅材を適用したが銅系の合金、ステンレ
ス、プラスチックなど耐食性があり可塑性が大きければ
その材質は問わない。また形状記憶合金をスリーブに適
用することも分岐用穿孔部の構造として魅力的な活用例
である。環状パッキングのゴムとしては弾性率の高いも
のが特に好適であるが、図1(イ)に示すようにスリー
ブの先端にだけ装着するときには水膨潤ゴムが望まし
い。
【0013】
【発明の効果】本発明は以上に述べたとおり鋳鉄管の分
岐用穿孔部は管の地肌が露出することなく内外の孔縁
を含め完全に耐食性金属で被覆され、かつ環状パッキン
グを介装して被覆スリーブと孔内面の間への水の浸入を
確実に断っている。そのためこの部分から赤錆を発生す
る恐れは全くなく、赤水が家庭などへ供給される懸念を
解消した。このような効果は、あくまで立体的な曲線よ
りなる鋳鉄管穿孔部の円孔縁の内面へ密着した下面フラ
ンジを形成して鋳鉄管内面との間に僅かの空隙も許さな
い完壁の密着性を保証することによってのみ初めて得ら
れる特有の効果である。密着状態にスリーブの下端を折
り曲げていくことは押圧力の掛かる力点を立体的に移動
していく機能が不可欠であり、本発明が困難を乗り越え
て実施可能で簡便な装置を開発したことにより、赤水が
家庭へ供給されるなどの懸念を払拭する大きな効果をも
たらしたと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ),(ロ)は本発明の異なる実施例を示す
一部縦断正面図である。
【図2】図1(ロ)の施工後の状態を示す一部縦断正面
図である。
【図3】本発明の装置実施例を示す縦断正面図である。
【図4】図3と同じ実施例の縦断側面図である。
【図5】(イ),(ロ),(ハ)によって本発明の作用
を示す縦断正面図である。
【図6】従来技術におけるある状態(イ)と次の状態
(ロ)を示す縦断側面図である。
【図7】別の従来技術を示す縦断正面図(イ)と装置要
部の作用を示す縦断正面図(ロ)(ハ)である。
【図8】さらに別の従来技術の作用を示す一部縦断正面
図(イ)と作用を示す要部の平面図(ロ)(ハ)であ
る。
【図9】さらに別の従来技術の作用を示す要部の縦断正
面図(イ)(ロ)(ハ)である。
【符号の説明】
1 スリーブ 2 鋳鉄管 3 環状パッキング 4 施工装置 11 上面フランジ 12 縮径部 13 円筒部 14 下面フランジ 21 円孔 22 外孔縁 23 内面 24 内孔縁 41 挿入管 42 フック 43 屈曲部 44 切欠き 45 回動ハンドル 46 サドル 47 スリーブ押え 48 ばね材 50 雄ねじ部 51 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 重孝 大阪府大阪市西区新町1丁目5番7号 栗 本商事株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−261594(JP,A) 特開 昭59−17087(JP,A) 実開 昭61−14668(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内面をセメントモルタルによるライニ
    ングで全面被覆した鋳鉄管の分岐用穿孔部において、耐
    食性材料よりなる両フランジ付きスリーブの上面フラン
    ジは管外面の円孔縁に係合し、スリーブの円筒部は円孔
    内面を被覆し、スリーブの下面フランジは弾性ゴムによ
    る環状パッキングを介入し、円管と円管が直角に交差し
    て継合することによって形成される閉曲線を描いて立体
    的に変動する全ての円孔縁から屈折して前記ライニング
    層を含む管の内面へ均等に圧着していることを特徴とす
    る鋳鉄管の分岐用穿孔部の構造。
  2. 【請求項2】 鋳鉄管の所望の位置に円孔を穿孔し、ス
    リーブは上面にフランジを付設し該円孔外径より少なく
    とも一部が小さい外径に縮径し長さは管厚を超える円筒
    部を耐食性材料で製造し、スリーブの該縮径部へ弾性ゴ
    ムよりなる環状パッキングを外嵌して円孔内へ嵌挿して
    管外面の円孔縁へ上部フランジを係止し、管外からスリ
    ーブ内へ同軸の挿入管を押し込み、環状パッキングを挟
    んだまま円筒部外面を円孔内面に密着するまで押し広
    げ、さらに該挿入管の切欠き部分から外方へ抜き出した
    フックの屈曲部を円孔縁から不均等の長さで突出してい
    るスリーブ円筒部の下部に当てがって上方へ押し上げ、
    材料の塑性変形によって鋳鉄管内面へ圧着させ、次にフ
    ックの向きを少し変えるように回動して前記変形部と隣
    接するスリーブ円筒部下部の突出部を、フックの垂直方
    向へ作用するばね材の付勢力の調整によって前記突出長
    さの変動を吸収して同様に押し曲げて圧着させ、以下円
    孔の円周を一巡するまで繰り返して立体的な曲線よりな
    る円孔縁から屈折して弾性パッキングを挟んで鋳鉄管内
    面へ均等に圧着した下面フランジを形成することを特徴
    とする鋳鉄管の分岐用穿孔部の施工方法。
  3. 【請求項3】 剛性の大きい挿入管内へ先端を屈曲した
    フックを内嵌し、該挿入管上端よりさらに突出したフッ
    ク上端には雄ねじを刻設し、該雄ねじと螺合したナット
    が回動ハンドル上面に係止し、フック下方の屈曲部は挿
    入管の下方に設けた切欠きから管外へ突出可能とし、該
    挿入管はサドルおよびその上面に固着したスリーブ押え
    内で周設したばね材を介して昇降自在、かつ回動自在に
    収容されていることを特徴とする鋳鉄管の分岐用穿孔部
    の施工装置。
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