JPH07103931B2 - 自動変速機のバンドサーボ装置 - Google Patents

自動変速機のバンドサーボ装置

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JPH07103931B2
JPH07103931B2 JP63089580A JP8958088A JPH07103931B2 JP H07103931 B2 JPH07103931 B2 JP H07103931B2 JP 63089580 A JP63089580 A JP 63089580A JP 8958088 A JP8958088 A JP 8958088A JP H07103931 B2 JPH07103931 B2 JP H07103931B2
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孝成 戎本
誠 塚本
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ジャトコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動変速機の変速要素の1つとして用いられ
るバンドブレーキのバンドサーボ装置に関する。
(従来の技術) 従来、自動変速機のバンドサーボ装置としては、例えば
「自動トランスミッションの構造」(昭和47年6月,
(株)山海堂発行)の第113ページの図−110に記載され
ているようなものが知られている。
この従来装置は、サーボピストンとして、大面積の解放
受圧部と小面積の締結側受圧部とを有するピストンが用
いられ、解放時には両受圧部に油圧を導入して受圧面積
の差でブレーキバンドを解放し、締結時には解放受圧部
側の油圧をドレーンし、締結側受圧部のみでブレーキバ
ンドを締結するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来装置にあっては、大きな
締結トルク容量を要しない通常のパーシャルスロットル
域(キックダウン域よりも小さなスロットル開度域)で
の締結時であっても、また、キックダウン時を含む大き
な締結トルク容量を要する特定の締結時であっても一義
的に設定された受圧面積による締結側受圧部のみにより
発生する締結力で固定される構造となっていた為、以下
に述べるような課題があった。
締結側受圧部の受圧面積を、パーシャルスロットル
域で変速ショックを生じない適正な締結トルク容量が得
られる面積に設定すると、キックダウン時等において締
結力が不足してしまい、ブレーキバンドの耐久性を損な
う。
締結側受圧部の受圧面積を、キックダウン時等に耐
久性を確保するべく高締結トルク容量が得られる面積に
設定すると、パーシャルスロットル域において締結トル
ク容量が過大となり、変速ショックが生じる。
一定の受圧面積を持つ従来のバンドサーボ装置で、
パーシャルスロットル域で変速ショック防止と、キック
ダウン時等での耐久性確保とを両立させる為に油圧制御
により行なう案もあるが、この場合には、キックダウン
時やエンジンブレーキ時等で特別に高油圧を作り出すバ
ックアップバルブ等が必要となり、油圧制御装置が非常
に複雑になる。
尚、キックダウン時には、エンジンからの出力トルクが
高まる為に高締結トルク容量が必要であり、また、エン
ジンブレーキ時には、ブレーキバンドによる締結力が低
下するトレーリング方向に作用する為に高締結トルク容
量が必要である。
本発明は、上述のような課題を解決することを目的とし
てなされたもので、この目的達成のために本発明では、
ピストンステムとサーボピストンとリターンスプリング
とを有し、制御油圧により回転ドラムの外周上に捲回さ
れたブレーキバンドを回転ドラムに対し締結または解放
させる油圧アクチュエータとしての自動変速機のバンド
サーボ装置において、 前記サーボピストンを、段差構造により第1の締結側受
圧部と第2の締結側受圧部とを有する段付サーボピスト
ンとし、 前記段付サーボピストンとピストンシリンダにより、第
1の締結側受圧部に対応する第1締結側受圧室と第2の
締結側受圧部に対応する第2締結側受圧室とリターンス
プリングを有する解放側受圧室の3室を形成し、 運転者のアクセル挙動検出に基づき、大きな締結トルク
容量を要しない通常の締結時には前記第1締結側受圧室
のみに油圧を導入し、キックダウン時を含む大きな締結
トルク容量を要する特定の締結時には前記第1締結側受
圧室と併せて第2締結側受圧室に油圧を導入し、バンド
解放時には第1,第2締結側受圧室への油圧の有無状態に
関係なく解放側受圧室のみへ油圧を導入する油圧制御装
置を備えていることを特徴とする手段とした。
(作 用) ブレーキバンドが締結される変速時で、運転者のアクセ
ル挙動検出に基づき、大きなバンド締結トルク容量を要
しない通常の締結であるとの判断時には、油圧制御装置
において、バンドサーボ装置の第1締結側受圧室のみに
油圧が導入される。
したがって、スロットル開度がパーシャル域等で大きな
バンド締結トルク容量を要しない時には、第1締結側受
圧室の受圧面積に油圧を掛け合わせた力による締結トル
ク容量によりブレーキバンドが回転ドラムに対し締結さ
れることになり、第1締結側受圧室の受圧面積を適正に
設定することで通常のバンド締結時における変速ショッ
クを防止することができる。
ブレーキバンドが締結される変速時で、運転者のアクセ
ル挙動検出に基づき、キックダウン時を含む大きな締結
トルク容量を要する特定の締結であるとの判断時には、
油圧制御装置において、バンドサーボ装置の第1締結側
受圧室と併せて第2締結側受圧室に油圧が導入される。
したがって、キックダウン時やエンジンブレーキ時等で
大きなバンド締結トルク容量を要する時には、上記通常
締結時に比べて第2締結側受圧室の受圧面積に油圧を掛
け合わせた力による締結トルク容量の分が増大されるこ
とになり、締結トルク容量が不足することによってブレ
ーキバンドが回転ドラムに対し滑りが生じることが防止
される。
ブレーキバンドが解放される変速時には、油圧制御装置
において、第1,第2締結側受圧室への油圧の有無状態に
関係なく解放側受圧室のみへ油圧を導入することで行な
われる。
したがって、2つの締結側油室に対し2つの解放側油室
を有するようなバンドサーボ装置のように、2つの解放
側油室に対し共に油圧を導入するような制御を要さず、
バンド解放の油圧制御が1つの解放側受圧室のみへの油
圧導入により簡単に行なわれる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
尚、この実施例を述べるにあたって、縦置きFR車に適応
される前進4速後退1速の自動変速機のバンドサーボ装
置を例にとり説明する。
まず、構成を説明する。
実施例のバンドサーボ装置Aが適応される自動変速機の
パワートレーンは、第2図の上半分概略図に示すよう
に、動力伝達要素として、トルクコンバータ1、インプ
ットシャフト2、ODプラネタリーギヤセット3、インタ
ーミディエートシャフト4、フロントプラネタリーギヤ
セット5、リヤプラネタリーギヤセット6、アウトプッ
トシャフト7を備え、変速要素として、ダイレクトクラ
ッチ10、ODバンドブレーキ11、フロントクラッチ12、リ
ヤクラッチ13、セカンドバンドブレーキ14、ロー&リバ
ースブレーキ15、ワンウェイクラッチ16を備えている。
尚、第2図で、8はオイルポンプ、9はトランスミッシ
ョンケースである。
次に、前記トルクコンバータ1や各変速要素10〜15の作
動制御を行なう油圧制御装置は、第4図に示すように、
マニュアルレバー20、バキュームダイヤフラム21、ダウ
ンシフトソレノイド22、セカンダリーガバナバルブ23、
プライマリーガバナバルブ24、アキュムレータバルブ2
5、プレッシャレギュレータバルブ26、マニュアルバル
ブ27、1−2シフトバルブ28、2−3シフトバルブ29、
3−4シフトバルブ30、プレッシャモディファイヤバル
ブ31、バキュームスロットルバルブ32、スロットルバッ
クアップバルブ33、ソレノイドダウンシフトバルブ34、
セカンドロックバルブ35、ロックアップ制御バルブ36を
備えていて、これらは図示するような油路により連結さ
れている。
前記各変速要素の機能を説明する。
ダイレクトクラッチ10は、OD(4速)以外のあらゆるレ
ンジで油圧が作用し、ODサンギヤ3aとODリングギヤ3bと
を一体とする。
フロントクラッチ12は、3速,OD及びリバースで油圧が
作用して締結され、インターミディエートシャフト4で
受けたエンジン動力をサンギヤ5aに伝達する。
リヤクラッチ13は、前進する場合に油圧が作用して締結
され、このリヤクラッチ13で受けたエンジン動力をフロ
ントリングギヤ5bに伝達する。
ODバンドブレーキ11は、OD以外のあらゆるレンジで解放
され、ODになると解放側の油圧のドレーンで締結され、
ダイレクトクラッチ10及びODサンギヤ3aを固定する。
セカンドバンドブレーキ14は、実施例のバンドサーボ装
置Aが採用されているブレーキで、Dレンジの2速,
“2"レンジ,“1"レンジの2速で締結され、サンギヤ5a
を固定する。尚、Dレンジの3速及びODで解放される。
ロー&リバースブレーキ15は、“1"レンジの1速,パー
ク,リバースで油圧が作用して締結され、リヤプラネッ
トキャリア6cを固定する。
ワンウェイクラッチ16は、Dレンジ1速でリヤプラネッ
トキャリア6cを機械的な作動により一方向に固定する。
尚、ODプラネットキャリア3cは、インプットシャフト2
に連結され、フロントプラネットキャリア5c及びリヤリ
ングギヤ6bはアウトプットシャフト7に連結される。
そして、各変速位置による前記各変速要素の作動は、第
3図に示すようになる。
次に、実施例のバンドサーボ装置Aを第1図により説明
する。
バンドサーボ装置Aは、ピストンステム40と段付サーボ
ピストン41とリターンスプリング42とを有し(これら
は、トランスミッションケース9とピストンシリンダ43
とによって形成されるシリンダ空間部に設けられる)、
制御油圧により回転ドラム44の外周上に捲回されたブレ
ーキバンド45を回転ドラム44に対し締結または解放させ
る油圧アクチュエータである。
前記ブレーキバンド45は、その固定端45aが、トランス
ミッションケース9に固定されたアンカーエンドピン46
により支持され、その可動端45bが、前記ピストンステ
ム40により支持されていて、該ピストンステム40が図面
上方にストロークすることでブレーキバンド45が回転ド
ラム44に締結され、回転ドラム44をトランスミッション
ケース9に固定させる。
前記段付サーボピストン41は、前記ピストンステム40が
固定されていて、ピストンシリンダ43の内面に形成され
る段差構造の第1シリンダ面43a,第2シリンダ面43b,第
3シリンダ面43cに符合する第1ピストン部41a,第2ピ
ストン部41b,第3ピストン部41cを有し、この段差構造
により第1締結側受圧室47(第1の締結側受圧部)と第
2締結側受圧室48(第2の締結側受圧部)とが形成され
る。
前記リターンスプリング42は、解放側受圧室49に配置さ
れ、段付サーボピストン41を解放側に付勢する。
尚、ピストンシリンダ43及びトランスミッションケース
9には、第1締結油路50,第2締結油路51及び解放油路5
2が形成されている。
そして、大きな締結トルク容量を要しないパーシャル域
での締結時には、前記第1締結側受圧室47のみに油圧を
導入し、大きな締結トルク容量を要するキックダウン時
での締結時には前記第1締結側受圧室47と併せて前記第
2締結側受圧室48に油圧を導入する油圧制御装置の主要
な構成としては、第1図に示すように、1−2シフトバ
ルブ28、2−3シフトバルブ29、セカンドロックバルブ
35、ソレノイドダウンシフトバルブ34、ダウンシフトソ
レノイド22を備えている。
前記1−2シフトバルブ28は、1速,2速を自動変速させ
るバルブで、スプール281の一端側には、スプール281を
図面右方向に付勢するスプリング282が設けられ、他端
側には、スプール281を図面左方向に押圧するガバナ圧P
Gの油がガバナ圧油路60から導入され、両者の力の大小
で1速時にはスプール281が下半分に示す位置にあり、
2速時にはスプール281が上半分に示す位置に移動す
る。
尚、第1締結圧ポート50aに第1締結圧油路61,62及びセ
カンドロックバルブ35を介して連通するポート28aは、
スプール281が1速位置にある時はドレーンポート28bと
連通し、2速位置にある時はライン圧ポート28c(マニ
ュアルバルブ27から前進レンジ時にライン圧PLが供給さ
れる)と連通する。
前記2−3シフトバルブ29は、2速,3速を自動変速させ
るバルブで、スプール291とプラグ292とスプリング293
とを有し、図面左端にはスロットル圧PSの油がスロット
ル圧油路63から導入され、図面右端にはガバナ圧PGの油
がガバナ圧油路60から導入され、1速,2速にはスプール
291が下半分に示す位置にあり、3速,4速ではスプール2
91が上半分に示す位置にある。但し、キックダウン時に
はソレノイドダウンシフトバルブ34からのライン圧PL
ポート29aに導かれる。
尚、解放ポート52aに解放圧油路64を介して連通するポ
ート29bは、スプール291が1速,2速位置にある時にはド
レーンポート29cと連通し、スプール291が3速,4速位置
にある時にはライン圧ポート29d(Dレンジ時にライン
圧PLが供給される)と連通する。
前記セカンドロックバルブ35は、“2"レンジの2速固定
をするためシフトバルブの補助として設けられたもの
で、スプール351とスプリング352を有し、スプール351
は、“2"レンジの時は図面右半分に示す位置にあるが、
それ以外のレンジでは図面左半分に示す位置にある。
尚、第1締結ポート50aに第1締結圧油路62(オリフィ
ス65を有する)を介して連通するポート35aは、スプー
ル351が左半分の位置にある時には、ライン圧ポート35b
(“2"レンジ時にライン圧PLが供給される)に連通し、
スプール351が右半分位置にある時にはライン圧ポート3
5c(2速,3速,4速でライン圧PLが供給される)に連通す
る。
前記ソレノイドダウンシフトバルブ34は、キックダウン
時におけるシフトダウン作用と、ライン圧PLを第2締結
側受圧室48へ導く作用とをするバルブで、ダウンシフト
ソレノイド22が図外のキックダウンスイッチ(スロット
ル全開のキックダウン時にON)の作動により、スプール
341がスプリング342に抗して右半分に示す位置から左半
分に示す位置へ移動する。
尚、第2締結ポート51aに第2締結圧油路66を介して連
通するポート34aは、スプール341が右半分に示す位置に
ある時には、ライン圧ポート34b(“1",“2"レンジ時に
ライン圧PLが供給される)に連通し、スプール341が左
半分に示す位置にある時には、ライン圧ポート34c(全
レンジでライン圧PLが供給される)に連通する。
次に、作用を説明する。
(イ)Dレンジの1速時 Dレンジの1速時には、解放圧ポート52aは、2−3シ
フトバルブ29のドレーンポート29cに連通していて解放
側受圧室49への油圧供給はなく、また、第1締結圧ポー
ト50aは1−2シフトバルブ28のドレーンポート28bに連
通していて第1締結受圧室47への油圧供給はなく、さら
に、第2締結圧ポート51aはソレノイドダウンシフトバ
ルブ34のポート34bに連通していて第2締結受圧室への
油圧供給はない。
従って、段付サーボピストン41はリターンスプリング42
による付勢力で図面下方に押されていてブレーキバンド
45は解放状態にある。
(ロ)Dレンジの2速時(D1→D2) Dレンジの2速時には、解放圧ポート52aは、2−3シ
フトバルブ29のドレーンポート29cに連通していて解放
側受圧室49への油圧供給はないが、第1締結圧ポート50
aは1−2シフトバルブの作動でライン圧ポート28cに連
通していて第1締結受圧室47へはライン圧PLが供給され
る。
尚、第2締結圧ポート51aは、スロットル開度がパーシ
ャル域である限りは、ソレノイドダウンシフトバルブ34
のポート34bに連通していて第2締結受圧室48への油圧
供給はない。
従って、Dレンジ1速からDレンジ2速への変速時に
は、段付サーボピストン41はリターンスプリング42によ
る付勢力に抗して、受圧面積S1に作用するライン圧PL
よる油圧でピストンステム40を図面上方に押し上げ、ブ
レーキバンド45を回転ドラム44に締結する。
(ハ)Dレンジの3,4速時 Dレンジの3,4速時には、解放圧ポート52aは、2−3シ
フトバルブ29のライン圧ポート29dに連通していて解放
側受圧室49へはライン圧供給があり、また、第1締結圧
ポート50aは1−2シフトバルブ28のライン圧ポート29c
に連通していて第1締結受圧室47へもライン圧供給があ
る。
尚、第2締結圧ポート51aは、スロットル開度がパーシ
ャル域である限りは、ソレノイドダウンシフトバルブ34
のポート34bに連通していて第2締結受圧室48への油圧
供給はない。
従って、Dレンジ2速からDレンジ3,4速への変速時に
は、段付サーボピストン41はリターンスプリング42によ
る付勢力と共に、解放と締結との受圧面積差による油圧
力でピストンステム40を図面下方に押し下げ、ブレーキ
バンド45を回転ドラム44から解放する。
(ニ)キックダウン時(D1→D2) Dレンジ1速時においてスロットルを全開にしてのキッ
クダウン時には、ソレノイドダウンシフトバルブ34の作
動により、1−2シフトバルブ28の作動で第1締結受圧
室48へ油圧供給されブレーキバンド45を回転ドラム44に
締結するDレンジ2速へアップシフトされると共に、ソ
レノイドダウンシフトバルブ34の両ポート34a,34cが連
通して第2締結受圧室48への油圧供給がなされる。
従って、段付サーボピストン41に作用する締結圧の受圧
面積はS1+S2となり、ブレーキバンド45の滑りを許さな
い。高締結トルク容量が確保される。
(ホ)セレクト時 Dレンジ3,4速から“1"レンジ(2速)や“2"レンジへ
のセレクト時には、解放側受圧室49の油圧がドレーンさ
れ、ブレーキバンド45により締結される。
この時にスロットル開度が、エンジンブレーキが作動す
るパーシャル域であろうと、キックダウン域であろうと
第2締結側受圧室48へは油圧が供給され、ブレーキバン
ド45の滑りを許さない高締結トルク容量が確保される。
以上説明してきたように、実施例の自動変速機のバンド
サーボ装置Aにあっては、段付サーボピストン41に第1
締結側受圧室47と第2締結側受圧室48とを設定し、スロ
ットル開度がパーシャル域でのブレーキバンド45の締結
時には(Dレンジ1速→Dレンジ2速等)、第1締結側
受圧室47のみを用い、スロットル開度がキックダウン域
での締結時には(Dレンジ3速→Dレンジ2速)、第1
及び第2締結側受圧室47,48を用いた為、第1締結側受
圧室47の受圧面積S1を適正に設定することでパーシャル
域での変速ショックを防止した上で、特別な油圧を作り
出すことのない簡単な油圧制御装置で、キックダウン域
での高締結トルク容量を総受圧面積S1+S2により得るこ
とが出来る。
即ち、実施例では第5図の実線特性で示すように、パー
シャル域では低くキックダウン域で増大するような締結
トルク特性を示し、点線特性で示す従来の締結トルク特
性に比べ、ハッチングで示す部分のトルク容量過剰域で
削減され、簡単な油圧制御装置を用いながら、パーシャ
ル域での変速ショック防止と、キックダウン域での高締
結トルク容量の確保との両立が達成される。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的
な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本
発明に含まれる。
例えば、実施例では、キックダウン域をキックダウンス
イッチによる電気的信号により検出し、ソレノイドダウ
ンシフトバルブを作動させる例を示したが、スロットル
圧PSによる油圧信号で作動するバルブを用いても良い。
また、アクセルペダル足離し等によるエンジンブレーキ
作動時を検出し、このエンジンブレーキ作動時に第2締
結側受圧室にライン圧を供給するようにしても良い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の自動変速機のバンド
サーボ装置にあっては、サーボピストンを、段差構造に
より第1の締結側受圧部と第2の締結側受圧部とを有す
る段付サーボピストンとし、段付サーボピストンとピス
トンシリンダにより、第1の締結側受圧部に対応する第
1締結側受圧室と第2の締結側受圧部に対応する第2締
結側受圧室とリターンスプリングを有する解放側受圧室
の3室を形成し、運転者のアクセル挙動検出に基づき、
大きな締結トルク容量を要しない通常の締結時には前記
第1締結側受圧室のみに油圧を導入し、キックダウン時
を含む大きな締結トルク容量を要する特定の締結時には
前記第1締結側受圧室と併せて第2締結側受圧室に油圧
を導入し、バンド解放時には第1,第2締結側受圧室への
油圧の有無状態に関係なく解放側受圧室のみへ油圧を導
入する油圧制御装置を備えた装置としたため、組付性や
コスト的に有利なサーボピストン構造と、高締結容量や
バンド解放を特別な油圧を作り出すことなく得られる簡
単な油圧制御装置とを用いながら、通常の締結時の変速
ショック防止と特定の締結時の高締結トルク容量の確保
との両立を達成出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の自動変速機のバンドサーボ装置
を示す要部断面図、第2図は実施例のバンドサーボ装置
が適応された自動変速機のパワートレーンを示す概略
図、第3図は実施例の自動変速機での変速要素の作動
図、第4図は実施例の自動変速機の油圧制御回路図、第
5図は実施例及び従来のバンドサーボ装置の締結トルク
特性比較図である。 A……バンドサーボ装置 22……ダウンシフトソレノイド 28……1−2シフトバルブ 29……2−3シフトバルブ 34……ソレノイドダウンシフトバルブ 35……セカンドロックバルブ 40……ピストンステム 41……段付ピストン 42……リターンスプリング 44……回転ドラム 45……ブレーキバンド 47……第1締結側受圧室(第1の締結側受圧部) 48……第2締結側受圧室(第2の締結側受圧部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンステムとサーボピストンとリター
    ンスプリングとを有し、制御油圧により回転ドラムの外
    周上に捲回されたブレーキバンドを回転ドラムに対し締
    結または解放させる油圧アクチュエータとしての自動変
    速機のバンドサーボ装置において、 前記サーボピストンを、段差構造により第1の締結側受
    圧部と第2の締結側受圧部とを有する段付サーボピスト
    ンとし、 前記段付サーボピストンとピストンシリンダにより、第
    1の締結側受圧部に対応する第1締結側受圧室と第2の
    締結側受圧部に対応する第2締結側受圧室とリターンス
    プリングを有する解放側受圧室の3室を形成し、 運転者のアクセル挙動検出に基づき、大きな締結トルク
    容量を要しない通常の締結時には前記第1締結側受圧室
    のみに油圧を導入し、キックダウン時を含む大きな締結
    トルク容量を要する特定の締結時には前記第1締結側受
    圧室と併せて第2締結側受圧室に油圧を導入し、バンド
    解放時には第1,第2締結側受圧室への油圧の有無状態に
    関係なく解放側受圧室のみへ油圧を導入する油圧制御装
    置を備えていることを特徴とする自動変速機のバンドサ
    ーボ装置。
JP63089580A 1988-04-12 1988-04-12 自動変速機のバンドサーボ装置 Expired - Lifetime JPH07103931B2 (ja)

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JPH01261542A JPH01261542A (ja) 1989-10-18
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