JPH07103632B2 - 非腐食補強材埋設プレストレストコンクリート部材 - Google Patents

非腐食補強材埋設プレストレストコンクリート部材

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JPH07103632B2
JPH07103632B2 JP1231531A JP23153189A JPH07103632B2 JP H07103632 B2 JPH07103632 B2 JP H07103632B2 JP 1231531 A JP1231531 A JP 1231531A JP 23153189 A JP23153189 A JP 23153189A JP H07103632 B2 JPH07103632 B2 JP H07103632B2
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JP
Japan
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reinforcing material
concrete member
fiber
carbon fiber
embedded
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正道 手塚
順 近藤
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オリエンタル建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、海岸沿いに建設され、海水飛沫に晒される
構造物に使用される非腐食補強材埋設プレストレストコ
ンクリート部材に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、鋼製補強材を埋設したプレストレストコンクリー
ト部材(以下これをPC部材という)の下部の塩害による
早期劣化が社会問題となっている。この解決策として、
炭素繊維,アラミド繊維またはビニロン繊維等の何れか
一種の非腐食補強材を単独でコンクリート部材内の下部
に緊張埋設してPC部材を構成する研究が行なわれ、最
近、炭素繊維系補強材を埋設したPC橋梁が建設されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
コンクリート部材の下部に炭素繊維系補強材を緊張埋設
した場合の第1の問題点は、鋼製補強材に比べて炭素繊
維系補強材の伸びが小さいことであり、これをPC部材の
補強材として使用した場合、設計荷重を越える荷重すな
わち終局荷重が作用した際に、PC部材が急激に破壊する
恐れがあり、この破壊を予知することができないことで
ある。
また第2の問題点は、炭素繊維系補強材が非常に高価な
ために、構造物全体の建設コストが大幅に増加すること
である。橋梁の場合、鋼製補強材を用いたものの建設コ
ストに比べて、炭素繊維系補強材を用いたものの建設コ
ストは約2倍になる。
またコンクリート部材の下部にアラミド繊維系補強材を
緊張埋設した場合の問題点は、鋼製補強材に比べて、伸
びが大きいので、終局荷重に対する補強効果が小さく、
かつ耐アルカリ性に劣ることである。
さらにまた、コンクリート部材の下部にビニロン繊維系
補強材を緊張埋設した場合の問題点は、アラミド繊維系
補強材の伸びよりも、ビニロン繊維系補強材の伸びがさ
らに大きいので、終局荷重に対する補強効果がさらに小
さくなることである。
この発明は、塩害の影響を受けることなく、かつ破壊靱
性が高く、しかも比較的安価に製作できる非腐食補強材
埋設プレストレストコンクリート部材を提供することを
目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、この発明の非腐食補強材埋
設プレストレストコンクリート部材においては、横方向
に延長するコンクリート部材1の下部に、その部材の一
端部材から他端部にわたって延長するビニロン繊維系補
強材2が緊張状態で一体に埋設されると共に、コンクリ
ート部材1の一端部から他端部にわたる間で、かつコン
クリート部材1の終局荷重作用時に必要な部分に必要な
長さで、前記ビニロン繊維系補強材2と平行に延長する
炭素繊維系補強材3が非緊張状態で一体に埋設されてい
る。
〔実施例〕
次にこの発明を図示の例によって詳細に説明する。
第1図はプレテンション方式による非腐食補強材埋設PC
部材の配筋状態を示す横断正面図、第2図はその縦断側
面図であって、ウエブとその上部に連設されたフランジ
とからなるT形断面のコンクリート部材1におけるウエ
ブの下縁部に、炭素繊維束からなる複数本(図示の場合
は3本)の炭素繊維系補強材3が非緊張状態で一体に埋
設され、かつ前記ウエブの下側に、ビニロン繊維束から
なる多数本のビニロン繊維系補強材2が緊張状態で一体
に埋設され、前記コンクリート部材1におけるフランジ
に多数のフランジ補強筋4が埋設され、さらに前記ビニ
ロン繊維系補強材2と炭素繊維系補強材3とフランジ中
央部のフランジ補強筋4とはスターラップ筋5の内側に
配置され、また各フランジ補強筋4の配力筋6の内側に
配置されている。
前記スターラップ筋5,フランジ補強筋4および配力筋6
としては、鉄筋にエポキシ樹脂塗装を施したものを使用
してもよく、あるいはガラス繊維束または安価な合成繊
維束を使用してもよい。
この発明の非腐食補強材埋設プレストレストコンクリー
ト部材においては、設計荷重によりコンクリート部材断
面の下縁に生ずる引張応力を打ち消すために、ビニロン
繊維系補強材2がコンクリート部材1の下縁側の所定の
位置に緊張状態で一体に埋設される。そのビニロン繊維
系補強材2の使用量は設計荷重によるコンクリート部材
下縁の引張応力に応じて求められる。
ビニロン繊維系補強材2はコンクリート打設前にプレテ
ンションベッド上のアバット間に張設されて予め緊張さ
れ、コンクリートが硬化して所定の強度に達したのち、
コンクリート部材1の端部から突出しているビニロン繊
維系補強材が切断される。このビニロン繊維系補強材2
の緊張埋設によりコンクリート部材1の下縁に圧縮応力
が発生し、荷重により、コンクリート部材1の下縁に作
用する引張応力を打ち消すことができる。設計荷重作用
時のプレストレスの計算は弾性理論に基づいて行なわれ
るので、ビニロン繊維系補強材2の伸びが大きいという
欠点は、鋼製補強材および炭素繊維系補強材に比べ緊張
時の伸びが大きいというだけで問題とはならない。むし
ろビニロン繊維系補強材は、鋼製補強材および炭素繊維
系補強材に比べて、コンクリートのクリープ,乾燥収縮
による損失が少ないという利点がある。
ビニロン繊維系補強材2の使用量は終局強度理論に基づ
きコンクリート部材と補強材の終局強度の釣合から求め
られる。この場合、終局強度については、ビニロン繊維
系補強材によるプレストレスが無視される。
この発明においては、設計荷重に対しビニロン繊維系補
強材2が強度機能を発揮するので、終局荷重に対する強
度不足分を補うために、最下位のビニロン繊維系補強材
2よりもコンクリート部材下縁側において、炭素繊維系
補強材3を非緊張状態で埋設している。
前記炭素繊維系補強材3は緊張されないので、全数の炭
素繊維系補強材をコンクリート部材1の全長にわたって
延長するように埋設する必要がなく、第3図に示す破壊
抵抗モーメントを考慮して各炭素繊維建系補強材3の長
さを決定すればよい。
第3図は終局時における非腐食補強材埋設PC部材の作用
モーメ曲げモーメントとビニロン繊維系補強材による破
壊抵抗モーメントと炭素繊維系補強材による破壊抵抗モ
ーメントと炭素繊維系補強材のみによる破壊抵抗モーメ
ントとの関係を示している。
異なる長さの炭素繊維系補強材をコンクリート部材に埋
設する場合は、コンクリート部材巾方向の両側に長い補
強材を埋設すると共に、コンクリート部材巾方向の中間
に短い補強材を埋設する。
一般に、設計荷重に対して鋼製補強材あるいは炭素繊維
系補強材を用いた場合には、終局荷重に対しても設計荷
重に対してと同様の補強量を使用すれば十分である。し
かし、ビニロン繊維系補強材の場合は、伸びが大きいた
め設計荷重に対する補強量のみでは不十分である。従っ
てこの補強不足分を補わねばならない。この補強不足分
をビニロン繊維系補強材のみで補おうとすれば、その使
用量が相当多くなって、コンクリート部材断面内の下部
に配置することが不可能になる場合があり、また配置で
きるとしても、炭素繊維系補強材のみを配置する場合に
比べて補強材費が相当高くなる。
しかし、炭素繊維系補強材3でビニロン繊維系補強材2
の補強不足分を補う場合は、ビニロン設計荷重に対する
ビニロン繊維系補強材の使用量の20%(断面積比)程度
使用するだけで済み、補強材の配置に関する問題もな
く、かつ経済的である。
また炭素繊維系補強材3は緊張による歪みが生じないの
で、終局歪みに達するまで十分な変形能力を有し、変形
能力の大きいビニロン繊維系補強材の効果と相まって、
炭素繊維系補強材の欠点である急激な破壊を改善するこ
とができる。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように構成されているので、以下に記
載するような効果を奏する。
終局荷重に対してはビニロン繊維系補強材2および炭素
繊維系補強材3の双方によりコンクリート部材を補強
し、設計荷重に対してはビニロン繊維系補強材2を緊張
材として利用してコンクリート部材を補強するので、両
者の利点を活かしつつ欠点を補うことができ、そのため
従来の炭素繊維系補強材のみを緊張材として用いたPC部
材に比べて変形能力が増加し、破壊靱性を高めることが
できる。さらにビニロン繊維系補強材のみあるいは炭素
繊維系補強材のみを緊張材として用いた場合に比べて、
同一の補強性能を得るための補強材の費用を節約でき経
済的である。また炭素繊維系補強材3をコンクリート部
材端部にて緊張する必要がなく、終局荷重作用時に必要
な部分に必要な長さで必要な量の炭素繊維系補強材を配
置すればよいので、高価な補強材の使用量を節減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例に係る非腐食補強材埋設PC部
材を示す横断正面図、第2図はその縦断側面図、第3図
は終局時における非腐食補強材埋設PC部材の作用曲げモ
ーメントおよび破壊抵抗モーメントを示す図である。 図において、1はコンクリート部材、2はビニロン繊維
系補強材、3は炭素繊維系補強材、4はフランジ補強
筋、5はスターラップ筋、6は配力筋である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横方向に延長するコンクリート部材1の下
    部に、その部材の一端部から他端部にわたって延長する
    ビニロン繊維系補強材2が緊張状態で一体に埋設される
    と共に、コンクリート部材1の一端部から他端部にわた
    る間で、かつコンクリート部材1の終局荷重作用時に必
    要な部分に必要な長さで、前記ビニロン繊維系補強材2
    と平行に延長する炭素繊維系補強材3が非緊張状態で一
    体に埋設されている非腐食補強材埋設プレストレストコ
    ンクリート部材。
JP1231531A 1989-09-08 1989-09-08 非腐食補強材埋設プレストレストコンクリート部材 Expired - Lifetime JPH07103632B2 (ja)

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JPH0396554A JPH0396554A (ja) 1991-04-22
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