JPH07103341B2 - 被覆用組成物 - Google Patents
被覆用組成物Info
- Publication number
- JPH07103341B2 JPH07103341B2 JP13558486A JP13558486A JPH07103341B2 JP H07103341 B2 JPH07103341 B2 JP H07103341B2 JP 13558486 A JP13558486 A JP 13558486A JP 13558486 A JP13558486 A JP 13558486A JP H07103341 B2 JPH07103341 B2 JP H07103341B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- parts
- group
- carbon atoms
- zirconium
- methacrylate
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は被覆用組成物に関し、さらに詳しくは、一般式 (R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1〜5の炭化水
素基、R3は炭素数1〜10の炭化水素基、R4はOR3および
(または)炭素数1〜6の炭化水素基である)で示され
る化合物(以下、「アルコキシアクリルシラン」と略称
することもある)を含む重合体(以下、「アルコキシシ
ラン含有重合体」と略称することもある)の硬化性、付
着性などの性質を改良した被覆用組成物に関するもので
ある。
素基、R3は炭素数1〜10の炭化水素基、R4はOR3および
(または)炭素数1〜6の炭化水素基である)で示され
る化合物(以下、「アルコキシアクリルシラン」と略称
することもある)を含む重合体(以下、「アルコキシシ
ラン含有重合体」と略称することもある)の硬化性、付
着性などの性質を改良した被覆用組成物に関するもので
ある。
上記アルコキシシラン含有重合体を用いた塗料はすでに
公知であって、該塗料を塗装し、硬化反応によって塗膜
を形成させている。この硬化反応機構は、アルコキシシ
ラン含有重合体中のアルコキシアクリルシランにもとづ
くアルコキシ基が空気中の水分によって加水分解し、そ
れによって生成したシラノール基が縮合してシロキサン
結合を形成して硬化するものとされている。ところが、
上記加水分解の速度は、無触媒下では極めて遅いので、
それを促進するために酸触媒(例えば塩酸、パラトルエ
ンスルホン酸など)、塩基性触媒(例えばジメチルアミ
ノエタノールなど)、有機錫化合物(例えばジブチル錫
ジラウレートなど)または金属アルコキシド(例えばチ
タン、ジルコニウム、アルミニウムなどのアルコキシ
ド)などの化合物さらにはアルミニウムキレート化合物
が配合されている。しかしながら、このような化合物を
用いても硬化性、貯蔵安定性、塗膜性能などが不十分で
あり、これらの改良が強く望まれている。
公知であって、該塗料を塗装し、硬化反応によって塗膜
を形成させている。この硬化反応機構は、アルコキシシ
ラン含有重合体中のアルコキシアクリルシランにもとづ
くアルコキシ基が空気中の水分によって加水分解し、そ
れによって生成したシラノール基が縮合してシロキサン
結合を形成して硬化するものとされている。ところが、
上記加水分解の速度は、無触媒下では極めて遅いので、
それを促進するために酸触媒(例えば塩酸、パラトルエ
ンスルホン酸など)、塩基性触媒(例えばジメチルアミ
ノエタノールなど)、有機錫化合物(例えばジブチル錫
ジラウレートなど)または金属アルコキシド(例えばチ
タン、ジルコニウム、アルミニウムなどのアルコキシ
ド)などの化合物さらにはアルミニウムキレート化合物
が配合されている。しかしながら、このような化合物を
用いても硬化性、貯蔵安定性、塗膜性能などが不十分で
あり、これらの改良が強く望まれている。
すなわち、酸触媒および塩基性触媒では、いずれも塗膜
の硬化性も不十分であり、しかも形成する塗膜の耐薬品
性ならびに耐水性なども劣っている。有機錫化合物では
硬化性はよいが付着性が非常に悪い。また、金属アルコ
キシドを用いると、アルコキシシラン含有重合体の硬化
反応速度が早すぎて貯蔵安定性が悪いので、該金属アル
コキシドを混合してから使用(塗装)するまでの時間
(可使時間、ポットライフ)が短すぎ、塗装作業の管理
が困難である。また、硬化が速すぎるため硬化塗膜は付
着性が劣るという欠点がある。これらの欠点を改良する
ものとしてアルミニウムキレート化合物があるが、貯蔵
安定性は改善されるものの耐薬品性、付着性、耐候性が
劣るという問題がある。
の硬化性も不十分であり、しかも形成する塗膜の耐薬品
性ならびに耐水性なども劣っている。有機錫化合物では
硬化性はよいが付着性が非常に悪い。また、金属アルコ
キシドを用いると、アルコキシシラン含有重合体の硬化
反応速度が早すぎて貯蔵安定性が悪いので、該金属アル
コキシドを混合してから使用(塗装)するまでの時間
(可使時間、ポットライフ)が短すぎ、塗装作業の管理
が困難である。また、硬化が速すぎるため硬化塗膜は付
着性が劣るという欠点がある。これらの欠点を改良する
ものとしてアルミニウムキレート化合物があるが、貯蔵
安定性は改善されるものの耐薬品性、付着性、耐候性が
劣るという問題がある。
そこで本発明者等は、このような状況に鑑み、アルコキ
シシラン含有重合体の硬化性、貯蔵安定性、塗膜性能な
どをさらに改良するため鋭意研究を重ねた結果、硬化剤
として、特定のジルコニウムキレート化合物を使用する
ことによって、前記した種々の欠陥を解消できることを
見い出し本発明を完成するに至ったのである。
シシラン含有重合体の硬化性、貯蔵安定性、塗膜性能な
どをさらに改良するため鋭意研究を重ねた結果、硬化剤
として、特定のジルコニウムキレート化合物を使用する
ことによって、前記した種々の欠陥を解消できることを
見い出し本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、下記一般式で示される化合物を3
重量%以上含有する重合体に、架橋反応硬化剤として、
ジルコニウムキレート化合物を配合してなることを特徴
とする硬化性組成物 (ここで、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1〜5
の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の炭化水素基、R4はOR
3および(または)炭素数1〜6の炭化水素基であ
る。) に関する。
重量%以上含有する重合体に、架橋反応硬化剤として、
ジルコニウムキレート化合物を配合してなることを特徴
とする硬化性組成物 (ここで、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1〜5
の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の炭化水素基、R4はOR
3および(または)炭素数1〜6の炭化水素基であ
る。) に関する。
まず、本発明におけるアルコキシシラン含有重合体は、
上記の一般式で示されるアルコキシアクリルシランの重
合体もしくは他のモノマーとの共重合体である。上記一
般式で示されるアルコキシアクリルシランにおいて、−
R2−(炭素数1〜5の炭化水素基)としては、例えばメ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、1,2−,1,3−,2,
3−ブチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基
などがあり、−OR3(R3は炭素数1〜10の炭化水素基)
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペントキシ基などが好適である。ま
た、R4はその一部もしくは全部が前記−OR3と同じであ
るか、もしくは炭素数1〜6の炭化水素基である。具体
的には、例えば、アクリロキシエチルトリメトキシシラ
ン、メタクリロキシエチルトリブトキシシラン、アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルト
リn−ブトキシシラン、アクリロキシテトラメチレント
リブトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランなどがあげられ、このうち、特に、アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリn
−ブトキシシランが好適である。
上記の一般式で示されるアルコキシアクリルシランの重
合体もしくは他のモノマーとの共重合体である。上記一
般式で示されるアルコキシアクリルシランにおいて、−
R2−(炭素数1〜5の炭化水素基)としては、例えばメ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、1,2−,1,3−,2,
3−ブチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基
などがあり、−OR3(R3は炭素数1〜10の炭化水素基)
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペントキシ基などが好適である。ま
た、R4はその一部もしくは全部が前記−OR3と同じであ
るか、もしくは炭素数1〜6の炭化水素基である。具体
的には、例えば、アクリロキシエチルトリメトキシシラ
ン、メタクリロキシエチルトリブトキシシラン、アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルト
リn−ブトキシシラン、アクリロキシテトラメチレント
リブトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランなどがあげられ、このうち、特に、アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリn
−ブトキシシランが好適である。
本発明におけるアルコキシシラン含有重合体は、上記ア
ルコキシアクリルシランから選ばれた1種もしくは2種
以上の重合体、または該アルコキシアクリルシランから
選ばれた1種以上と他の重合性モノマーとを共重合せし
めた重合体である。他の重合性モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ラウリルな
どのアクリル酸のアルキル(炭素数1〜20)エステル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸
ラウリルなどのメタクリル酸のアルキル(炭素数1〜2
0)エステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸
基含有重合性モノマー、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレートなどのグリシジル基含有重合性モ
ノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、プロピル
アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの
アミド系重合性モノマー、スチレン、スチレン誘導体、
酢酸ビニル、ビニルイソブチルエーテル、アクリロニト
リル、ジビニルベンゼンなどがあげられるが、これらの
みに限定されるものではない。
ルコキシアクリルシランから選ばれた1種もしくは2種
以上の重合体、または該アルコキシアクリルシランから
選ばれた1種以上と他の重合性モノマーとを共重合せし
めた重合体である。他の重合性モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ラウリルな
どのアクリル酸のアルキル(炭素数1〜20)エステル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸
ラウリルなどのメタクリル酸のアルキル(炭素数1〜2
0)エステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸
基含有重合性モノマー、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレートなどのグリシジル基含有重合性モ
ノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、プロピル
アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの
アミド系重合性モノマー、スチレン、スチレン誘導体、
酢酸ビニル、ビニルイソブチルエーテル、アクリロニト
リル、ジビニルベンゼンなどがあげられるが、これらの
みに限定されるものではない。
本発明においてアルコキシシラン含有重合体として、ア
ルコキシアクリルシランのみからなる重合体に比べて、
他の重合性モノマーを共重合させたものが、形成した塗
膜の物理的性能などにおいてすぐれており、共重合させ
る両者の割合は特に制限されないが、両者の合計重量に
もとづいて、アルコキシアクリルシラン3%以上、特に
10〜30%、他の重合性モノマー97%以下、特に90〜70%
の範囲が好ましい。これらの重合体は一般的な方法、条
件で製造することができ、その数平均分子量は約3,000
〜100,000の範囲が好ましい。
ルコキシアクリルシランのみからなる重合体に比べて、
他の重合性モノマーを共重合させたものが、形成した塗
膜の物理的性能などにおいてすぐれており、共重合させ
る両者の割合は特に制限されないが、両者の合計重量に
もとづいて、アルコキシアクリルシラン3%以上、特に
10〜30%、他の重合性モノマー97%以下、特に90〜70%
の範囲が好ましい。これらの重合体は一般的な方法、条
件で製造することができ、その数平均分子量は約3,000
〜100,000の範囲が好ましい。
つぎに、本発明において用いるジルコニウムキレート化
合物は、酸素を配位原子とする2配位座を有する配位子
(キレート化剤)をジルコニウムに配位させてなる化合
物である。そして、該配位子としては、常温(80℃以
下)で揮発するものが好ましく、具体的には、例えばア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセト
ン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどのジケト
ン類、ケトエステル類などがあげられ、本発明ではこれ
らの配位子を特に4価のジルコニウムに8配位させたも
のを使用することが特に好ましい。
合物は、酸素を配位原子とする2配位座を有する配位子
(キレート化剤)をジルコニウムに配位させてなる化合
物である。そして、該配位子としては、常温(80℃以
下)で揮発するものが好ましく、具体的には、例えばア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセト
ン、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどのジケト
ン類、ケトエステル類などがあげられ、本発明ではこれ
らの配位子を特に4価のジルコニウムに8配位させたも
のを使用することが特に好ましい。
上記のアルコキシシラン含有重合体とジルコニウムキレ
ート化合物とはかなり広範囲の割合で均一に相溶する
が、本発明において、ジルコニウムキレート化合物の配
合比率は、固形分比にもとづいて、アルコキシシラン含
有重合体100重量部あたり、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜10重量部の範囲が適している。0.1重量部より少な
くなると塗膜の硬化性が不十分となり、20重量部より多
くなると未反応のジルコニウムキレート化合物が塗膜中
に残存し、ゲル分率(硬化性)を低下せしめるおそれが
ある。
ート化合物とはかなり広範囲の割合で均一に相溶する
が、本発明において、ジルコニウムキレート化合物の配
合比率は、固形分比にもとづいて、アルコキシシラン含
有重合体100重量部あたり、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜10重量部の範囲が適している。0.1重量部より少な
くなると塗膜の硬化性が不十分となり、20重量部より多
くなると未反応のジルコニウムキレート化合物が塗膜中
に残存し、ゲル分率(硬化性)を低下せしめるおそれが
ある。
ジルコニウムキレート化合物は、それぞれ単独で使用さ
れるが、キレート化剤を変更した2種又はそれ以上のジ
ルコニウムキレート化合物を組合せて使用してもよい。
又、ジルコニウムキレート化合物と、通常使用されてい
る酸触媒、塩基性触媒、有機錫化合物、アルミニウムキ
レート化合物を混合し使用することもできる。
れるが、キレート化剤を変更した2種又はそれ以上のジ
ルコニウムキレート化合物を組合せて使用してもよい。
又、ジルコニウムキレート化合物と、通常使用されてい
る酸触媒、塩基性触媒、有機錫化合物、アルミニウムキ
レート化合物を混合し使用することもできる。
本発明の組成物は、上記両成分を使用時に混合すること
によって得られ、これらを混合するにあたって通常の塗
料用有機溶剤を併用でき、さらに着色顔料、体質顔料、
メタリック顔料、タレ止め剤、添加剤などを必要に応じ
て配合することもできる。
によって得られ、これらを混合するにあたって通常の塗
料用有機溶剤を併用でき、さらに着色顔料、体質顔料、
メタリック顔料、タレ止め剤、添加剤などを必要に応じ
て配合することもできる。
又、ジルコニウムキレート化合物をあらかじめ、塗装時
に使用するシンナーで希釈し添加することもできる。該
組成物を塗装してなる塗膜の性能は、通常使用されてい
る酸触媒、塩基性触媒、有機錫化合物、アルミニウムキ
レート化合物を添加したものに比べ著しくすぐれてお
り、短時間で架橋反応硬化し、しかも、付着性、耐水
性、耐薬品性、耐候性に優れた性能を示す。
に使用するシンナーで希釈し添加することもできる。該
組成物を塗装してなる塗膜の性能は、通常使用されてい
る酸触媒、塩基性触媒、有機錫化合物、アルミニウムキ
レート化合物を添加したものに比べ著しくすぐれてお
り、短時間で架橋反応硬化し、しかも、付着性、耐水
性、耐薬品性、耐候性に優れた性能を示す。
本発明の該組成物を塗装してなる塗膜の架橋反応硬化機
構は十分に解明されていないが、まず、アルコキシシラ
ン含有重合体中のアルコキシアクリルシランにもとづく
アルコキシシランが空気中の水分と反応(加水分解)し
てシラノール基を発生する。この際、ジルコニウムキレ
ート化合物はこの加水分解反応を促進するための触媒と
して作用するものと思われる。次いで、該シラノール基
とジルコニウムキレート化合物とが反応して、−Si−O
−Zr−O−Si結合を生成して該アルコキシシラン含有重
合体が架橋硬化するものと推察される。この硬化反応は
可逆反応であるが、該反応によって副生するジルコニウ
ムキレート化合物のキレート化剤が塗膜から揮散するに
伴って硬化反応がすみやかに進行するのである。したが
って、上記ジルコニウムキレート化合物のキレート化剤
は常温(80℃以下)で揮発するものを使用することが好
ましいのである。また、本発明の組成物は主として常温
(80℃以下)乾燥塗料として使用することが好ましく、
その際の空気中の湿度は、硬化反応を迅速に行なわしめ
るために、約30%以上であることが望ましい。
構は十分に解明されていないが、まず、アルコキシシラ
ン含有重合体中のアルコキシアクリルシランにもとづく
アルコキシシランが空気中の水分と反応(加水分解)し
てシラノール基を発生する。この際、ジルコニウムキレ
ート化合物はこの加水分解反応を促進するための触媒と
して作用するものと思われる。次いで、該シラノール基
とジルコニウムキレート化合物とが反応して、−Si−O
−Zr−O−Si結合を生成して該アルコキシシラン含有重
合体が架橋硬化するものと推察される。この硬化反応は
可逆反応であるが、該反応によって副生するジルコニウ
ムキレート化合物のキレート化剤が塗膜から揮散するに
伴って硬化反応がすみやかに進行するのである。したが
って、上記ジルコニウムキレート化合物のキレート化剤
は常温(80℃以下)で揮発するものを使用することが好
ましいのである。また、本発明の組成物は主として常温
(80℃以下)乾燥塗料として使用することが好ましく、
その際の空気中の湿度は、硬化反応を迅速に行なわしめ
るために、約30%以上であることが望ましい。
湿度が30%以下の場合でも、アルコキシシラン含有重合
体に水酸基含有モノマーを共重合することにより、ジル
コニウムキレート化合物が、該水酸基と反応し、湿度の
影響をあまり受けずに架橋硬化せしめることができる。
体に水酸基含有モノマーを共重合することにより、ジル
コニウムキレート化合物が、該水酸基と反応し、湿度の
影響をあまり受けずに架橋硬化せしめることができる。
次に、本発明を実施例に基づいて説明する。実施例及び
比較例中の部および%は重量部及び重量%を表わす。
比較例中の部および%は重量部及び重量%を表わす。
実施例1 アクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部,スチレ
ン20部,n−ブチルメタクリレート40部及びn−ブチルア
クリレート20部からなるモノマー成分を共重合させてな
る共重合体(数平均分子量約20,000)をトルエンに溶解
した固形分50%溶液200部に、ジルコニウムテトラ(ア
セチルアセトナート)を2部配合し均一に混合し被覆組
成物を得た。
ン20部,n−ブチルメタクリレート40部及びn−ブチルア
クリレート20部からなるモノマー成分を共重合させてな
る共重合体(数平均分子量約20,000)をトルエンに溶解
した固形分50%溶液200部に、ジルコニウムテトラ(ア
セチルアセトナート)を2部配合し均一に混合し被覆組
成物を得た。
実施例2 アクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部およびス
チレン10部,メチルメタアクリレート30部,n−ブチルメ
タクリレート30部及びn−ブチルアクリレート20部から
なるモノマー成分を共重合させてなる共重合体(数平均
分子量約30,000)をトルエンに溶解した固形分50%溶液
200部にジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)
を5部配合し均一に混合し被覆組成物を得た。
チレン10部,メチルメタアクリレート30部,n−ブチルメ
タクリレート30部及びn−ブチルアクリレート20部から
なるモノマー成分を共重合させてなる共重合体(数平均
分子量約30,000)をトルエンに溶解した固形分50%溶液
200部にジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)
を5部配合し均一に混合し被覆組成物を得た。
実施例3 実施例2におけるアクリルモノマー組成のn−ブチルメ
タクリレート30部をn−ブチルメタクリレート20部及び
ヒドロキシエチルメタクリレート10部におきかえた以外
は、同様にして被覆組成物を得た。
タクリレート30部をn−ブチルメタクリレート20部及び
ヒドロキシエチルメタクリレート10部におきかえた以外
は、同様にして被覆組成物を得た。
実施例4 メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部,スチ
レン15部,メチルメタアクリレート20部,n−ブチルメタ
クリレート20部,n−ブチルアクリレート20部及びヒドロ
キシエチルメタクリレート10部からなるモノマー成分を
共重合させてなる共重合体(数平均分子量約20,000)を
トルエンに溶解した固形分50%溶液200部に、ジルコニ
ウムテトラ(アセチルアセトナート)を10部配合し均一
に混合し被覆組成物を得た。
レン15部,メチルメタアクリレート20部,n−ブチルメタ
クリレート20部,n−ブチルアクリレート20部及びヒドロ
キシエチルメタクリレート10部からなるモノマー成分を
共重合させてなる共重合体(数平均分子量約20,000)を
トルエンに溶解した固形分50%溶液200部に、ジルコニ
ウムテトラ(アセチルアセトナート)を10部配合し均一
に混合し被覆組成物を得た。
比較例1 実施例1におけるジルコニウムテトラ(アセチルアセト
ナート)2部をジブチル錫ジラウレート2部にかえた以
外はすべて実施例1と同様にして行なった。
ナート)2部をジブチル錫ジラウレート2部にかえた以
外はすべて実施例1と同様にして行なった。
比較例2 実施例4におけるジルコニウムテトラ(アセチルアセト
ナート)10部をアルミニウムトリス(アセチルアセトナ
ート)10部にかえた以外はすべて実施例4と同様にして
行なった。
ナート)10部をアルミニウムトリス(アセチルアセトナ
ート)10部にかえた以外はすべて実施例4と同様にして
行なった。
比較例3 実施例4におけるジルコニウムテトラ(アセチルアセト
ナート)10部をジメチルアミノエタノール5部に代えた
以外はすべて実施例4と同様に行なった。
ナート)10部をジメチルアミノエタノール5部に代えた
以外はすべて実施例4と同様に行なった。
比較例4 実施例4におけるジルコニウムテトラ(アセチルアセト
ナート)10部をパラトルエンスルホン酸5部にかえた以
外はすべて実施例4と同様にして行なった。
ナート)10部をパラトルエンスルホン酸5部にかえた以
外はすべて実施例4と同様にして行なった。
性能試験結果 実施例および比較例で得た組成物に関して、塗装して形
成させた塗膜の性能について試験した結果を表−1に示
した。
成させた塗膜の性能について試験した結果を表−1に示
した。
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式で示される化合物を3重量%以
上含有する重合体に、架橋反応硬化剤として、ジルコニ
ウムキレート化合物を配合してなることを特徴とする被
覆用組成物。 (ここで、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1〜5
の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の炭化水素基、R4はOR
3および(または)炭素数1〜6の炭化水素基であ
る。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13558486A JPH07103341B2 (ja) | 1986-06-11 | 1986-06-11 | 被覆用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13558486A JPH07103341B2 (ja) | 1986-06-11 | 1986-06-11 | 被覆用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS62290766A JPS62290766A (ja) | 1987-12-17 |
JPH07103341B2 true JPH07103341B2 (ja) | 1995-11-08 |
Family
ID=15155237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13558486A Expired - Lifetime JPH07103341B2 (ja) | 1986-06-11 | 1986-06-11 | 被覆用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07103341B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2668083B2 (ja) * | 1988-09-05 | 1997-10-27 | 関西ペイント株式会社 | 自動車用塗料組成物 |
-
1986
- 1986-06-11 JP JP13558486A patent/JPH07103341B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62290766A (ja) | 1987-12-17 |
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