JPH07103307A - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

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JPH07103307A
JPH07103307A JP28548293A JP28548293A JPH07103307A JP H07103307 A JPH07103307 A JP H07103307A JP 28548293 A JP28548293 A JP 28548293A JP 28548293 A JP28548293 A JP 28548293A JP H07103307 A JPH07103307 A JP H07103307A
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sun gear
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジン等の大きな動力源の駆動力を利用して
小さな入力を大きな出力にかえる装置で油圧装置を使用
せず機械的に構成した倍力装置。 【構成】差動歯車装置の両太陽歯車軸(入力軸29、出
力軸30)間の駆動力伝達経路上の任意の位置に非可逆
機構31をキヤリア(ギヤボックス22)と連動するよ
うにして組み込み、更に、両太陽歯車軸間(入力軸2
9、出力軸30間)の減速比が非可逆機構31をも含め
て1になるように構成ギヤのギヤ比を設定してなる複合
的差動歯車装置から構成され、そのキヤリア(ギヤボッ
クス22)にリングギヤ23を介して動力源からの回転
が伝わり、駆動側太陽歯車軸(入力軸29)を操作入力
の入力軸とし、そして、従動側太陽歯車軸(出力軸3
0)を拡大出力の出力軸としてなる倍力装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】当発明はエンジンのようにパワー
の大きい動力源から伝わる駆動力の助けを借りて小さな
入力を大きな出力に変える機能を行なう倍力装置で、自
動車のパワーステアリング、ブレーキ倍力装置、ロボッ
ト等の諸機器の倍力機構に利用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】従来の倍力装置には主として油圧装置が
利用されていた。自動車のパワーステアリングがその一
例で、エンジンでオイルポンプを駆動し、発生した油圧
を利用してハンドル操作に依る入力を拡大し、得られる
出力で操舵機能を行なうのがその基本的な構成であっ
た。倍力装置に油圧装置が使用される理由は動力源から
操作入力の回転数に比例した出力を機械的に取り出す事
の難しさにあった。機械的にエンジン等の動力源から駆
動力を取り出し倍力機構を構成するためには動力源から
の駆動力を伝達する系列と操作入力の伝達系列とが機械
的に連結している必要があるが、その反面、両者の回転
が常時比例関係にあるわけではないため相互にニュート
ラルな関係にある必要があり、相反する用件を同時に充
たす事は技術的に困難な課題であるとされていた。油圧
装置を利用すればこうした課題を比較的容易に克服する
事ができるため倍力機構を必要とする装置には専ら油圧
装置が使用されていた。然しながら、油圧装置には構造
が複雑で燃費のロスが大きい等の問題点があり改善が必
要とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】油圧装置を使用せず機
械的に構成し、コンパクトでエネルギーロスの少ない倍
力装置。
【0004】
【課題を解決するための手段】同一軸上にある2個の太
陽歯車、キヤリア、及び、キヤリアに支持された遊星歯
車を主要構成要素とする差動歯車装置の両太陽歯車軸間
の駆動力伝達経路上に減速機構、あるいは、ウオームギ
ヤ等で構成される非可逆機構をキャリアと連動するよう
にして組み込み両太陽歯車間の駆動力の伝達が一方向に
しか行なわれないようにし、さらに、駆動側の太陽歯車
軸と従動側の太陽歯車軸間の変速比が同一回転方向に於
いて非可逆機構を含めて1となるように構成歯車のギヤ
比を設定してなる複合的差動歯車装置から構成され、そ
のキャリアを動力源からの駆動力を伝える入力要素と
し、駆動側太陽歯車軸を操作入力の入力軸とし、そし
て、従動側太陽歯車軸を拡大出力の出力軸としてなる倍
力装置。
【0005】
【作用】図1は倍力装置の基本構成と原理を示す説明図
である。当倍力装置は中心軸1、中心軸1を中心として
自由回転するギヤボックス2、ギヤボックス2の外周に
固定して設けたリングギヤ3、ギヤボックス2に軸受け
され中心軸と平行に設けた遊星歯車支持軸4、遊星歯車
支持軸4上に設けた遊星歯車5、6、中心軸1上にあり
遊星歯車5、6とそれぞれ噛合している太陽歯車7、
8、太陽歯車7と連結して設けた入力軸9、および、太
陽歯車8と連結して設けた出力軸10から構成される差
動歯車装置の入力軸9、出力軸10の間に次の3条件を
充たすようにして非可逆機構11を組み込んで構成され
る複合的差動歯車装置からなる倍力装置である。 (1)非可逆機構11は片側の太陽歯車軸(入力軸9)
と他方の太陽歯車軸(出力軸10)との間の駆動力伝達
経路上にあり入力軸9と出力軸10間の回転の伝達方向
を入力軸9から出力軸10の方向のみに限定する機能を
行なう。 (2)非可逆機構はギヤボックス2に連結していてギヤ
ボックス2の回転と連動する。 (3)入力軸9、出力軸10間の変速比が非可逆機構を
含め同一回転方向に於いて1となるように構成歯車のギ
ヤ比が設定されていて、入力軸9と出力軸10は常に同
一方向に同一量回転する。 以上からなる倍力装置のリングギヤ3に動力源からの回
転がドライブギヤ12を介して伝わり、クランク13の
回転に依る操作入力が入力軸9に伝わり、出力軸10が
拡大出力の出力軸となるように構成して倍力機構が構成
される。
【0006】尚、図1での非可逆機構11は便宜上遊星
歯車5、6間に設けてあるが、入力軸9と出力軸10の
間にあり、キヤリア(ギヤボックス2)と連動すると云
う条件を充たしていれば中心軸上又は他の任意の場所に
設ける事も可能である。又、図1では非可逆機構11の
入力、出力軸間の減速比を1と想定し、太陽歯車7、遊
星歯車5間のギヤ比、及び、太陽歯車8、遊星歯車6間
のギヤ比をそれぞれ1:1にして入力軸9、出力軸10
間の変速比が1になるものと想定している。従って非可
逆機構11に減速機構を使用した場合には減速比が大き
くなり減速分を相殺するための加速機構が必要となる
が、太陽歯車、遊星歯車間のギヤ比を調整する事で入力
軸9、出力軸10間のギヤ比を1にする事も可能であ
る。又、非可逆機構は差動歯車列で構成される減速装置
またはウオームギヤ装置が一般的であるが他のどのよう
な機構を利用する事も可能である。
【0007】倍力装置の倍力作用を図1に基づいて説明
すると次のようになる。動力源から伝わる回転はドライ
ブギヤ12を介してリングギヤ3を駆動し、リングギヤ
3と同体のギヤボックス2を回転させる。キヤリアの役
割を行うギヤボックス2の回転によって遊星歯車支持軸
4は中心軸1を中心にして公転し、同軸上にある遊星歯
車5、6を太陽歯車の外周にそって公転させる。操作入
力がなく入力クランク13が停止していて操作入力系列
に一定量の制止力が懸かっている場合、太陽歯車7も停
止状態を続ける。遊星歯車5と太陽歯車7が噛合してい
るため遊星歯車5は停止している太陽歯車7の外周を公
転する事に依って自転する。 遊星歯車5の自転は非可
逆機構11を介して遊星歯車6に伝わり、遊星歯車6は
遊星歯車5の自転に依って駆動されて自転すると同時に
太陽歯車8の外周を公転する。
【0008】遊星歯車6の公転は太陽歯車8を公転と同
一方向に回転させ遊星歯車6の自転は太陽歯車8を反対
方向に回転させようとするため公転自転の両作用は相互
に相殺し合う事になるが、入力軸9と出力軸10の間の
変速比が1となるように構成されていて両太陽歯車間の
変速比も1となるため両作用は完全に相殺し合って太陽
歯車8を全く駆動しない。従って操作入力がない場合に
は動力源からの連続した回転の伝達によってギヤボック
スが回転し遊星歯車も公転自転を続けるが両太陽歯車は
回転せず動力源から伝わる回転と操作入力系列および出
力系列とは相互にニュートラルな関係を保つ。
【0009】操作入力に依って太陽歯車7がギヤボック
ス2の回転と同一方向に回転すると遊星歯車5の公転と
太陽歯車7の回転が相殺しあい遊星歯車5の自転量は太
陽歯車7の回転量に応じた回転分減少し、遊星歯車6の
自転量も同様に減少する。遊星歯車6の自転量が減少す
ると遊星歯車6の公転による駆動量を自転による駆動量
に依って全量相殺する事が出来ず、自転量の減少分公転
に依る駆動量が残り太陽歯車8をその分駆動する。
【0010】遊星歯車6の公転によって太陽歯車8を駆
動しようとすると被駆動体から太陽歯車8にかかる負荷
により反作用が生じ遊星歯車6の自転量を増加させよう
とする作用が生じる。然し遊星歯車6の自転量を増やす
ためには回転が遊星歯車6から遊星歯車5の方向に逆流
する必要があるが非可逆機構が回転の逆流を制止するた
め遊星歯車6の自転量を増加させる事が出来ない。
【0011】この結果、太陽歯車8は遊星歯車6の公転
に依って遊星歯車の自転量の減少分駆動される事になる
が、遊星歯車6の公転は動力源から伝わる駆動力に依っ
て駆動されているため太陽歯車8の回転も動力源から伝
わる大きな駆動力に依って駆動される事になり倍力機能
が発生する。
【0012】例えば、図1の倍力機構で操作入力がなく
太陽歯車7が停止している場合、ギヤボックス1Rの回
転に依って遊星歯車5は1R公転すると同時に2R自転
し、遊星歯車6も遊星歯車5と同量公転自転し、遊星歯
車6の1Rの公転は太陽歯車8を2R分回転させようと
するが、遊星歯車6の2Rの自転が太陽歯車8を反対方
向に2R分回転させようとするため両者の働きが相互に
相殺され太陽歯車8には回転が伝わらず、太陽歯車8は
停止状態を続ける。
【0013】 同量公転自転する。遊星歯車6の1Rの公転は太陽歯車
8を2R分回転させよう うとする。その結果、公転に依って駆動する回転量が自
転に依って駆動する回転 る。従って太陽歯車8の回転量は太陽歯車7の回転量に
等しく、出力軸10の回転は入力軸9の回転と等しくな
るため、回転量に於いては両軸間に比例関係が成立し、
駆動力に於いては動力源からの駆動力が作用する事にな
り倍力機構が構成される。
【0014】尚、太陽歯車7をリングギヤと反対の方向
に回転させた場合、遊星歯車5、6の回転を増やす事に
依って回転を太陽歯車に伝える事になるがこの場合には
倍力機能は働かない。従って、当倍力装置は一方向の回
転にのみ倍力機能が働くため左右両方向での倍力機能を
必要とする場合、当倍力装置を2ユニット複合使用する
必要がある。
【0015】
【実施例1】図2は実施例1を示す平面図である。当実
施例は倍力機能が一方向の回転にのみ働く倍力装置で、
図1で示される倍力機構の構成図における非可逆機構1
1の部分に差動歯車列で構成される減速機構に依る非可
逆機構を設けて構成されている。尚、図2は倍力機構の
入力部分および出力部分にウオームギヤを設け逆流によ
る機械的トラブルを避けるように構成した倍力装置を示
したものである。
【0016】操作入力の入力系列は入力クランク33、
ウオームギヤ装置34、グランドギヤ35、入力ギヤ3
6から構成される。倍力装置の本体となる複合的差動歯
車装置は中心軸21、ギヤボックス22、リングギヤ2
3、遊星歯車支持軸24、遊星歯車25、26、太陽歯
車27、28、入力軸29、出力軸30、および、非可
逆機構31から構成される。拡大出力の出力系列は出力
軸30に設けたウオームギヤ装置37、出力ギヤ38か
ら構成される。
【0017】非可逆機構31は、遊星歯車25を入力ア
ームとし、遊星歯車25に軸受けされ自由回転する遊星
歯車支持軸31b、遊星歯車支持軸31b上に固定して
設けた遊星歯車31c、31d、遊星歯車支持軸24上
にあり遊星歯車31cと噛合しギヤボックス22に固定
して設けた太陽歯車31e及び遊星歯車26と連結し遊
星歯車支持軸24上に自由回転し遊星歯車31dと噛合
する太陽歯車31fからなる差動歯車列の減速機構に依
って構成される。
【0018】尚、減速機構を非可逆機構として使用する
した場合、減速効果を相殺する機構が必要とされるが、
当実施例では遊星歯車26を大きくし、太陽歯車28を
小さくする事で減速機構の減速効果を相殺し太陽歯車2
7、28間の変速比が1になるように構成した。
【0019】以上より当実施例は構成されているが作用
を説明すると次のようになる。動力源の回転はドライブ
ギヤ32を介してリングギヤ23、ギヤボックス22に
回転を伝える。ギヤボックス22の回転により遊星歯車
25、26、及び、減速機構31の構成要素は公転自転
するが太陽歯車27、28は操作入力に依る回転が伝わ
らない限り回転する事はない。クランク33の回転によ
り伝わる操作入力はウオームギヤ装置34、グランドギ
ヤ35、入力ギヤ36、入力軸29を介して太陽歯車2
7に回転を伝える。太陽歯車27の回転は遊星歯車2
5、26の自転量を減少させる事で太陽歯車28に同一
方向で等しい回転量の回転を伝え倍力機能を行なう。太
陽歯車28に伝わる回転は拡大出力として出力軸30、
及び、ウオームギヤ装置37を介して出力ギヤ38に伝
わる。尚、当実施例でギヤボックスの回転を右回りの回
転とすると太陽歯車7が右回の回転となる操作入力にの
み倍力機能が働く。
【0020】
【実施例2】図3は実施例2をしめす平面図である。当
実施例は倍力機構2ユニットを1つのギヤボックスのな
かに設けて構成され左右両方向の回転で倍力機能が行な
えるように構成した倍力装置である。操作入力系列は、
入力クランク53、ウオームギヤ装置54、ウオームギ
ヤ装置からの出力を伝える傘歯車55、及び、中心軸4
1上に対向して設けた傘歯車56、56’からなり、傘
歯車56は入力軸49と連結し、傘歯車56’は入力軸
49’と連結していて、入力クランクからの回転が入力
軸49、49’に相互に逆方向の回転として伝わるよう
に構成されている。
【0021】倍力機構の本体となる複合的差動歯車装置
は1つのギヤボックスのなかに倍力機構2ユニットを設
けて構成される。倍力機構第1ユニットは中心軸41、
ギヤボックス42、リングギヤ43、ギヤボックス42
の片側に設けた遊星歯車支持軸44、遊星歯車45、4
6、遊星歯車45と46の間に設けた非可逆機構51、
中心軸上にある太陽歯車47、48、太陽歯車47に連
結して設けた入力軸49、及び、太陽歯車48に連結し
て設けた出力軸50から構成される。
【0022】倍力機構第2ユニットは中心軸41、ギヤ
ボックス42、及び、リングギヤ43を第1ユイットと
共有し、ギヤボックス2に第1ユニットと反対側に位置
するように設けた遊星歯車支持軸44’、遊星歯車4
5’、46’、遊星歯車45’、46’間に設けた非可
逆機構51’、中心軸上にある太陽歯車47’、4
8’、太陽歯車47’に連結して設けた入力軸49’、
及び、太陽歯車48’に連結して設けた出力軸50’か
ら構成されている。尚、入力軸49’は入力軸49の内
径を貫通し傘歯車56’と太陽歯車47’を連結し、出
力軸50’は出力軸50の内径を貫通し太陽歯車48’
と傘歯車57’を連結している。
【0023】非可逆機構51は遊星歯車45を入力アー
ムとし、遊星歯車支持軸51b、遊星歯車51c、51
d、及び、太陽歯車51e、51fからなり、非可逆機
構51’は遊星歯車45’を入力アームとし、遊星歯車
支持軸51’b、遊星歯車51’c、51’d、及び、
太陽歯車51’e、51’fからなっている。
【0024】出力系列は出力軸50と連結する傘歯車5
7、出力軸50’と連結する傘歯車57’、両傘歯車5
7、57’に噛合する傘歯車58、傘歯車58に連結し
て設けたウオームギヤ装置59、及び、出力ギヤ60か
ら構成さている。尚、傘歯車57、57’のボス部分に
は駆動力の伝達を一方向に限定するクラッチが設けてあ
り出力軸50と傘歯車57、及び、出力軸50’と傘歯
車57’は双方ともクラッチを介して連結していて出力
軸より傘歯車への駆動力の伝達がそれぞれ一方向の回転
のみにしか行なわれないように構成されている。
【0025】以上より当実施例は構成されているが作用
を説明すると次のようになる。動力源から伝わる駆動力
はドライブギヤ52、リングギヤ43を介して伝わりギ
ヤボックス42を一定方向に連続回転させ遊星歯車4
5、46、非可逆機構51の構成要素、及び、遊星歯車
45’、46’非可逆機構51’の構成要素を公転自転
させるが太陽歯車47、47’はギヤボックスの回転に
依って駆動される事はない。
【0026】入力クランク53の回転に依って伝わる操
作入力はウオームギヤ装置54、傘歯車55、傘歯車5
6、56’、入力軸49、49’を介して伝わり太陽歯
車47、47’を相互に反対方向に回転させる。従っ
て、太陽歯車47がギヤボックス42と同じ方向に回転
する場合、太陽歯車47’はギヤボックスの回転と反対
方向に回転する事になるが、この場合には倍力機構第1
ユニットが機能して倍力作用を行い、第2ユニットは倍
力作用を行なわない。 反対に太陽歯車47がギヤボッ
クス42と反対の方向に回転する場合、太陽歯車47’
とギヤボックス42の回転方向が同じになるため倍力機
構第2ユニットが機能して倍力作用を行い、第1ユニッ
トは倍力作用を行なわない。従って入力クランク53が
左右いずれの方向に回転してもいずれか片方の倍力機構
が働くため左右両方向の回転で倍力機能が働く事にな
る。
【0027】両太陽歯車48、48’には相互に反対方
向の回転が伝わるが、両太陽歯車に伝わる回転のうち片
方の太陽歯車に伝わる回転の駆動力は拡大されて伝わ
り、他方の太陽歯車に伝わる回転の駆動力は拡大されな
いままで伝わる。双方に伝わる回転はそれぞれ出力軸5
0、50’を介して傘歯車57、57’に反対方向の回
転を伝え傘歯車58に同一方向の回転として伝わろうと
するがクラッチの働きで拡大出力を伝える傘歯車からの
回転のみが傘歯車58を駆動し、ウオームギヤ装置59
を介して出力ギヤ60に拡大出力を伝える。
【0028】尚、当実施例に於いては操作入力が左右い
ずれの方向の回転であっても倍力機構両ユニットを操作
入力に依る回転が伝わるため、倍力機能が働かないユニ
ットを伝わる回転によって伝達される駆動力が倍力機能
に障害をもたらす可能性があるが、傘歯車57、57’
に設けたクラッツチの働きで駆動力の伝達が倍力機能の
働くユニットと繋がる出力系列のみに限定されるため非
倍力系列での回転の伝達が倍力機能の障害にはならな
い。出力軸と傘歯車間に設けたクラッチは駆動側の爪が
片側の面のみ従動側と接し反対側の面には従動側と接触
せず隙間が生じるようにして構成してあるため、駆動力
の伝達を一方向に限定する事が可能である。
【0029】
【実施例3】図4は実施例3を示す平面図である。当実
施例は倍力機構2ユニットを並列に設け、ギヤボックス
62、62’が反対方向に回転するように構成し、操作
入力の左右両回転に於いて倍力機能が働くように構成し
た倍力装置である。入力系列は入力クランク73、ウオ
ームギヤ装置74、グランドギヤ75、入力ギヤ76、
76’から構成されている。
【0030】倍力機構の第1ユニットは中心軸61、ギ
ヤボックス62、リングギヤ63、遊星歯車支持軸6
4、遊星歯車65、66、太陽歯車67、68、入力軸
69、出力軸70、および、入力軸69と太陽歯車67
の間に設けた非可逆機構71から構成されている。当実
施例における非可逆機構71は中心軸上にあり、入力軸
69に固定して設けたアーム71a、アーム71aに軸
受された遊星歯車支持軸71b、遊星歯車支持軸71b
に固定して設けた遊星歯車71c、71d、中心軸上に
ありギヤボックス62に固定して設けてあり遊星歯車7
1cと噛合する太陽歯車71e、及び、中心軸上にあり
太陽歯車67と連結していて遊星歯車71dと噛合する
太陽歯車71fから構成されている。
【0031】倍力機構第2ユニットも上記ユニットと同
様に構成されていて、ギヤボックス62’、リングギヤ
63’、遊星歯車支持軸64’、遊星歯車65’、6
6’、太陽歯車67’、68’、入力軸69’、出力軸
70’及び、非可逆機構71’から構成されている。
又、非可逆機構71’は入力アーム71’a,遊星歯車
支持軸71’b、遊星歯車71’c,71’d,及び、
太陽歯車71’e,71’fから構成されている。
【0032】出力系列は出力軸70、70’に連結して
設けた出力ギヤ77、77’、両ギヤと噛合するピニヨ
ンギヤ78、ウオームギヤ装置79、および、出力ギヤ
80から構成されている。 尚、出力ギヤ77、77’
のボス部分には駆動力の伝達を一方向に限定するクラッ
チが設けてある。
【0033】以上で当実施例が構成されるが作用を説明
すると次のようになる。ギアボックス62、62’は並
列に並び、ギヤボックス62、62’の外周にそれぞれ
固定して設けたリングギヤ63、63’が相互には歯合
していて、動力源から伝わる回転はドライブギヤ72を
介してリングギヤ63を回転させ、リングギヤ63の回
転はリングギヤ63’を反対方向に回転させる。このた
めリングギヤ63、63’とそれぞれ連動するギヤボッ
クス62、62’は相互に反対方向に回転する。
【0034】他方、入力クランク73の回転による操作
入力はウオームギヤ装置74を介してグランドギヤ75
に回転を伝え、入力ギヤ76、76’を同一方向に回転
させ、入力軸69、69’を同一方向に回転させる。こ
の結果、入力軸69の回転方向とギヤボックス62の回
転方向が同じ場合入力軸69’とギヤボックス62’が
反対方向に回転するため倍力機構第1ユニットが倍力作
用を行い、入力軸69とギヤボックス62の回転方向が
逆な場合入力軸69’とギヤボックス62’が同一方向
に回転するため倍力機構第2ユニットが倍力作用を行な
う。従って操作入力が左右いずれの方向の回転であって
も倍力機構2ユニットの内の1ユニットが機能し倍力機
能が働く事になる。拡大された出力は出力ギヤ77か7
7’のいずれかのギヤを介してピニヨンギヤ78に伝わ
りウオームギヤ装置79を介して出力ギヤ80に伝わ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で下記の通りの効果がある。 (1)動力系列と操作入力系列が機械的に交わっている
が、操作入力系列が停止している状態では相互にニュー
トラルな関係にあるため動力源に及ぼすエネルギーのロ
スが殆どなく、操作入力がある時のみ動力源のエネルギ
ーを使用するため油圧方式に比べロスが少ない。 (2)構造が比較的単純であるため工作が容易である、
制作費用が安価である、また、軽量小型化が容易である
等の長所がある。 (3)動力源が停止し動力系列へのの動力伝達がない場
合でも操作入力系列の入力伝達が阻害されることはな
い。従って、自動車のパワーステアリングに当発明に依
る倍力装置を利用した場合、エンジンが停止した状態で
もマニュアル入力のみでの操舵操作は可能である。 (4)大きな出力を出す事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】当発明の基本構成を示す説明図である。
【図2】実施例1を示す断面図である。
【図3】実施例2を示す断面図である。
【図4】実施例3を示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、41、61、61’ 中心軸 2、22、42、62、62’ ギヤボック
ス(キヤリア) 3、23、43、63、63’ リングギヤ 4、24、44、44’、64、64’ 遊星歯車支
持軸 5、25、45、45’、65、65’ 遊星歯車 6、26、46、46’、66、66’ 遊星歯車 7、27、47、47’、67、67’ 太陽歯車
(駆動側) 8、28、48、48’、68、68’ 太陽歯車
(従動側) 9、29、49、49’、69、69’ 入力軸(太
陽歯車軸) 10、30、50、50’、70、70’ 出力軸(太
陽歯車軸) 11、31、51、51’71、71’ 非可逆機構 31b、31c、31d、31e、31f 非可逆機構
31の構成要素 51b、51c、51d、51e、51f 非可逆機構
51の構成要素 51’b、51’c、51’d、51’e,51’f非
可逆機構51’の構成要素 71a、71b、71c、71d、71e、71f非可
逆機構71の構成要素 71’a、71’b、71’c、71’d、71’e,
71’f非可逆機構71’の構成要素 12、32、52、72 ドライブギ
ヤ 13、33、53、73 入力クラン
ク 34、54、74 ウオームギ
ヤ装置(入力部分) 35、75 グランドギ
ヤ 36、76、76’ 入力ギヤ 77、77’ 出力ギヤ 55、56、56’ 傘歯車(入
力部分) 57、57’、58 傘歯車(出
力部分) 37、59、79 ウオームギ
ヤ装置(出力部分) 14、38、60、80 出力ギヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差動歯車装置の両太陽歯車軸間の駆動力伝
    達経路上に非可逆機構をキヤリアと連動するようにして
    組み込み両太陽歯車間の回転の伝達が一方向にしか行な
    われないようにし、更に、駆動側の太陽歯車軸と従動側
    の太陽歯車軸間の変速比が同一回転方向に於いて非可逆
    機構を含めて1となるように構成歯車のギヤ数を設定し
    てなる複合的差動歯車装置から構成され、そのキヤリア
    を動力源からの補助入力の入力要素とし、駆動側太陽歯
    車軸を操作入力の入力軸とし、そして、従動側太陽歯車
    軸を拡大出力の出力軸としてなる倍力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104913018A (zh) * 2015-05-11 2015-09-16 上海宇航系统工程研究所 一种具有缓冲耗能功能的驱动装置
CN107208776A (zh) * 2015-01-13 2017-09-26 赛峰传输系统 用于制造螺旋桨减速齿轮的方法

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